トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 住宅用構造材の加工装置
【発明者】 【氏名】三浦 公司

【要約】 【課題】構造材に反りや曲がりが発生していても、接合金具を取付けるための加工を、所定の箇所に正確に施すことのできる加工装置を提供する。

【構成】土台や大引などの住宅用構造材Mを接合金具で接合するために、当該構造材Mに孔や溝などの接合部Jを加工形成するための装置であって、構造材Mを上載するローラーテーブル1と、ローラーテーブル1に上載された構造材Mを、上方から押圧してローラーテーブル1との間で固定するクランプ機構2と、固定された構造材Mの接合部Jを形成する部分の下面または上面である基準面Bの高さ位置を計測する計測機構3と、基準面Bを基準として、所定位置に接合部Jを加工形成する加工機構4と、で構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土台,大引,梁,柱などの住宅用構造材(M)を接合金具で接合するために,該構造材に孔や溝などの接合部(J)を加工形成するための加工装置であって、前記構造材を上載するローラーテーブル(1)と、前記ローラーテーブルに上載された構造材を,上方から押圧して該ローラーテーブルとの間で固定するクランプ機構(2)と、前記固定された構造材の前記接合部を形成する部分の下面または上面である基準面(B)の高さ位置を計測する計測機構(3)と、前記基準面を基準として,所定位置に前記接合部を加工形成する加工機構(4)と、からなる住宅用構造材の加工装置。
【請求項2】
土台,大引,梁,柱などの住宅用構造材(M)を接合金具で接合するために,該構造材に孔や溝などの接合部(J)を加工形成するための加工装置であって、前記構造材を上載するローラーテーブル(1)と、前記ローラーテーブルに上載された構造材を,左右から挟持して固定するクランプ機構(2)と、前記固定された構造材の前記接合部を形成する部分の側面である基準面(B)の左右位置を計測する計測機構(3)と、前記基準面を基準として,所定位置に前記接合部を加工形成する加工機構(4)と、からなる住宅用構造材の加工装置。
【請求項3】
基準面(B)に代えて、構造材(M)の接合部(J)を形成する部分の中心であるセンター基準面(C)を計測機構(3)で計測して割り出し、該センター基準面を基準として、加工機構(4)で接合部(J)を加工形成してなる請求項1または2に記載の住宅用構造材の加工装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、土台、大引、柱、梁などの住宅用構造材に、接合金具を取り付けるための加工を施す加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅用構造材である、例えば、土台と大引、あるいは柱と梁は、それぞれ接合金具を使用して接合している。そのため、これらの構造材は、接合に先立って、接合金具が取付けられる部分に接合部(孔や溝など)の加工を施している。
【0003】
こうした加工は、通常、構造材をローラーテーブルに上載した状態で、エアーシリンダーや油圧シリンダーをクランプして固定し、当該構造材の下面や側面を基準面として行っている。また、こうした加工は、ドリル、タップ、ルーター、カッター等の加工刃物を有する側面加工機や上下面加工機で行っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、こうした従来の加工装置では、構造材に反りや曲がりが発生している場合には、所定箇所に正確に加工を施すことができないといった問題がある。すなわち、例えば、孔を穿設する場合、構造材の下面や側面を基準面とし、そこから所定距離の箇所に孔を形成するが、当該構造材に反りや曲がりや発生しているとその基準面が正確でないために、所定箇所から外れた箇所に孔を形成してしまうことになる。
【0005】
例えば、上下面加工機で構造材の下面に孔を穿設する加工を行う場合において、構造材に中央部が上方に湾曲した反りがあると、エアーシリンダーや油圧シリンダーでクランプで上から押圧しても、当該構造材の材厚によっては、その下面がローラーテーブルに接触しないため、当該下面が正確な基準面とならない。従って、その状態で加工すると加工深さが浅くなり、住宅の組立て不良が発生してしまう。こうした傾向は、天然木材に限らず、寸法精度の高いとされている集成材においても発生する。
【0006】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、構造材に反りや曲がりが発生していても、接合金具を取付けるための接合部の加工を、所定の箇所に正確に施すことのできる加工装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図1および図2を参照して説明する。請求項1に記載の住宅用構造材の加工装置は、土台、大引、梁、柱などの住宅用構造材Mを接合金具で接合するために、当該構造材Mに孔や溝などの接合部Jを加工形成するための装置であって、前記構造材Mを上載するローラーテーブル1と、前記ローラーテーブル1に上載された構造材Mを、上方から押圧して該ローラーテーブル1との間で固定するクランプ機構2と、前記固定された構造材Mの前記接合部Jを形成する部分の下面または上面である基準面Bの高さ位置を計測する計測機構3と、前記基準面Bを基準として、所定位置に前記接合部Jを加工形成する加工機構4と、からなるものである。
【0008】
請求項2に記載の住宅用構造材の加工装置は、土台、大引、梁、柱などの住宅用構造材Mを接合金具で接合するために、該構造材Mに孔や溝などの接合部Jを加工形成するための装置であって、前記構造材Mを上載するローラーテーブル1と、前記ローラーテーブル1に上載された構造材Mを、左右から挟持して固定するクランプ機構2と、前記固定された構造材Mの前記接合部Jを形成する部分の側面である基準面Bの左右位置を計測する計測機構3と、前記基準面Bを基準として、所定位置に前記接合部Jを加工形成する加工機構4と、からなるものである。
【0009】
請求項3に記載の住宅用構造材の加工装置は、請求項1または2に記載の発明において、基準面Bに代えて、構造材Mの接合部Jを形成する部分の中心であるセンター基準面Cを計測機構3で計測して割り出し、当該センター基準面Cを基準として、加工機構4で接合部Jを加工形成してなるものである。
【0010】
この場合、請求項1に記載の発明では、材高さhの中心がセンター基準面Cとなり、請求項2に記載の発明では、板厚tの中心がセンター基準面Cとなる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の住宅用構造材の加工装置は、ローラーテーブル1に上載した構造材Mを、その上方からクランプ機構2で押圧してローラーテーブル1との間で固定し、その基準面Bとなる下面または上面の高さ位置を計測機構3で計測した後、その基準面Bを基準として加工機構4で接合部Jを加工形成するので、当該構造材Mに上下方向に反りが発生していても、所定箇所に正確に接合部Jを形成することができる。
【0012】
すなわち、例えば、図1に示すように、中央部分が上方に湾曲した反りのある構造材Mに、下面を基準面Bとして材高さhの中間点であるX地点に達する接合部(孔)Jを穿設するとした場合、当該接合部Jを形成する部分の下面(基準面B)の高さ位置を計測機構3で計測し、その基準面Bを基準として、反りがないとした場合の接合部Jの基準位置を補正(オフセット)して、適正な形成箇所を設定するので、正確な箇所に接合部Jを形成することができる。これにより、住宅の組立て不良が発生するといった事態を未然に防止することができる。
【0013】
ちなみに、計測機構3を持たない従来技術では、ローラーテーブル1の上面を基準として接合部Jの形成箇所を割り出すので、材高さhの中間点であるX地点より低い箇所のX’地点に達するに留まる接合部Jを形成してしまうことなる。
【0014】
請求項2に記載の住宅用構造材の加工装置は、ローラーテーブル1に上載した構造材Mを、その左右からクランプ機構2で挟持して固定し、その基準面Bとなる側面の左右位置を計測機構3で計測した後、その基準面Bを基準として加工機構4で接合部Jを加工形成するので、当該構造材Mに左右方向の曲がりが発生していても、所定箇所に正確に接合部Jを形成することができる。
【0015】
すなわち、例えば、図2に示すように、中央部分が左右一方方向に湾曲した曲がりのある構造材Mに、その左右一方側面を基準面Bとして材厚tの中間点であるY地点まで達する接合部J(孔)を穿設するとした場合、当該接合部Jを形成する部分の側面(基準面B)の左右位置を計測機構3で計測し、その基準面Bを基準として接合部Jの形成箇所を割り出すので、正確な箇所に接合部Jを形成することができる。従って、住宅の組立て不良が発生しない。
【0016】
この場合、計測機構3を持たない従来技術では、ローラーテーブル1の中心線などを基準として接合部Jの形成箇所を割り出すので、材厚tの中間点であるY地点に届かないY’地点に達するに留まる接合部Jを形成してしまうことなる。
【0017】
請求項3に記載の住宅用構造材の加工装置は、基準面Bに代えて、構造材Mの接合部Jを形成する部分の中心であるセンター基準面Cを計測機構3で計測して割り出し、当該センター基準面Cを基準として、加工機構4で接合部Jを加工形成するので、請求項1および2に記載の発明と同様に、接合部Jを所定箇所に正確に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る住宅用構造材の加工装置の第一実施形態を、図1に示す。これは、土台、大引、梁、柱などの木造住宅用の構造材Mを接合金具で接合するために、当該構造材Mに孔や溝などの接合部Jを加工形成するための装置であり、ローラーテーブル1、クランプ機構2、計測機構3および加工機構4を備える。なお、加工の対象となる構造材Mの寸法は限定されないが、例えば、105mm(材厚t)×450mm(材高さh)×6m(長さ)程度のものを加工することができる。
【0019】
ローラーテーブル1は、多数のローラー体1aを水平に並べて構成したものであり、モーターによって回転し、構造材Mを上載して間欠的に移送する。クランプ機構2は、ローラーテーブル1の上位に設けられ、シリンダー2aとピストン2bとで構成され、ローラーテーブル1に上載された構造材Mを、ピストン2bで押圧してローラーテーブル1との間で挟持して固定する。
【0020】
計測機構3は、固定された構造材Mの接合部Jを形成する部分の下面である基準面Bの高さ位置を計測する。この計測機構3は、レーザー測長器や、シリンダーとパルス発生器とで構成される装置などで構成することができる。加工機構4は、基準面Bを基準として、所定位置に接合部Jを加工形成するものであり、ドリル、タップ、ルーター、カッターなどで構成される。なお、基準面Bは、構造材Mの上面とすることもできる。
【0021】
本実施形態に係る加工装置の作用について、中央部分が上方に湾曲した反りのある構造材Mを加工する場合について説明する。まず、構造材Mをローラーテーブル1に上載して加工機構4が配置されている場所まで移送する。ここで、ローラーテーブル1を停止し、クランプ機構2のピストン2bを降下させて構造材Mの上面を押圧する。これによって、当該クランプ機構2とローラーテーブル1とで構造材Mを固定する。
【0022】
次に、計測機構3で、構造材Mの接合部Jを形成する部分の下面(基準面B)の高さ位置を計測する。続いて、この計測結果に基づき、計測機構3からの信号によって、加工機構4が当該基準面Bを基準として、そこから所定距離の部分に接合部Jを加工形成する。これにより、構造材Mに反りがあっても、常に正確な部分に接合部Jを形成することができる。
【0023】
本発明に係る住宅用構造材の加工装置の第二実施形態を、図2に示す。この加工装置も、土台、大引、梁、柱などの住宅用構造材Mを接合金具で接合するために、当該構造材Mに孔や溝などの接合部Jを加工形成するためのものであり、ローラーテーブル1、クランプ機構2、計測機構3、および加工機構4を備える。
【0024】
ローラーテーブル1は、多数のローラー体1aを水平に並べて構成される。クランプ機構2は、構造材Mの左右両側に設けられたクランパー2Aで構成され、ローラーテーブル1に上載された構造材Mを、左右から挟持して固定する。本実施形態ではクランパー2Aを二対設け、接合部Jの前後両側を挟持して固定するようにしている。
【0025】
計測機構3は、構造材Mの左右両側のそれぞれに設けられた二つの測定器3aで構成され、それぞれがクランプ機構2によって固定された構造材Mの接合部Jを形成する部分の側面までの距離を計測することによって、構造材Mの材厚tを算出し、それを基にセンター基準面Cを割り出す。そして、加工機構4は、センター基準面Cを基準として、そこから所定距離の部分に接合部Jを加工形成する。
【0026】
なお、この計測機構3は、一つの測定器3aのみで構成することもできる。また、センター基準面Cを基準とする代わりに、構造材Mの接合部Jを形成する部分の側面を基準面Bとし、その基準面Bを基準として接合部Jを加工形成することもできる。
【0027】
本実施形態に係る加工装置の作用について、中央部分が左右方向に湾曲した曲がりのある構造材Mを加工する場合について説明する。まず、構造材Mをローラーテーブル1に上載して加工機構4が配置されている場所まで移送する。次に、ローラーテーブル1を停止し、二対のクランパー2Aを作動して構造材Mの左右側面を二箇所において挟持し、固定する。
【0028】
この状態で、二つの測定器3a(計測機構3)で、構造材Mの接合部Jを形成する部分の左右両側面の左右位置を計測し、それを基に構造材Mのセンター基準面Cを割り出す。続いて、計測結果に基づく計測機構3からの信号によって、加工機構4が当該センター基準面Cを基準として、そこから所定距離の部分に接合部Jを加工形成する。こうすることによって、構造材Mの所定箇所に接合部Jを正確に形成することができる。
【0029】
なお、本実施形態では、構造材Mの側面をクランプ機構2で挟持して、当該側面を加工するため、クランプ機構2と加工機構4との干渉を回避する必要があり、従って、クランプ機構2を、当該加工機構4から離れた位置に設けている。クランプ機構2と加工機構4は、所定の位置関係で配置されているため、両者が離れていると接合部Jの形成箇所に誤差が生じ易いが、本実施形態に係る加工装置は計測装置を設けているため、そうした誤差を補正することができる。よって、常に、正確な位置に接合部Jを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る住宅用構造材の加工装置の第一実施形態を示す側面構成図である。
【図2】本発明に係る住宅用構造材の加工装置の第二実施形態を示す平面構成図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ローラーテーブル
1a ローラー体
2 クランプ機構
2A クランパー
2a シリンダー
2b ピストン
3 計測機構
3a 測定器
4 加工機構
B 基準面
C センター基準面
J 接合部
M 構造材
h 材高さ
t 材厚
【出願人】 【識別番号】592070568
【氏名又は名称】内外工業株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100062328
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 剛啓


【公開番号】 特開2008−948(P2008−948A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171298(P2006−171298)