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【発明の名称】 卓上切断機
【発明者】 【氏名】松永 健一

【氏名】牛渡 繁春

【要約】 【課題】高い傾斜切断能力を確保して小型化を図ることができる卓上切断機を提供すること。

【解決手段】被加工材を支持するベース部と、モータ21を有する丸鋸部と、該丸鋸部を前記ベース部に対して左右傾斜及び上下揺動可能に支持するホルダと、軸方向の2点が一対の鋸刃軸軸受102,105を介して前記丸鋸部に回転可能に支持された鋸刃軸15と、該鋸刃軸15に着脱可能に装着された丸鋸刃14を備え、前記モータ21によって前記丸鋸刃14を回転駆動しながら前記丸鋸部を前記ベース部に対して左右に傾動又は上下に揺動させて前記被切断材を切断する卓上切断機において、前記一対の鋸刃軸軸受102,105を前記鋸刃軸15の軸方向において前記丸鋸刃14の両側に配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工材を支持するベース部と、モータを有する丸鋸部と、該丸鋸部を前記ベース部に対して左右傾斜及び上下揺動可能に支持するホルダと、軸方向の2点が一対の鋸刃軸軸受を介して前記丸鋸部に回転可能に支持された鋸刃軸と、該鋸刃軸に着脱可能に装着された丸鋸刃を備え、前記モータによって前記丸鋸刃を回転駆動しながら前記丸鋸部を前記ベース部に対して左右に傾動又は上下に揺動させて前記被切断材を切断する卓上切断機において、
前記一対の鋸刃軸軸受を前記鋸刃軸の軸方向において前記丸鋸刃の両側に配置したことを特徴とする卓上切断機。
【請求項2】
前記モータを前記丸鋸刃の側面の延長面と交差する面に配置するとともに、該モータのモータ軸と中間軸及び前記鋸刃軸を互いに平行に配置し、前記中間軸の軸方向の2点を一対の中間軸軸受によって回転可能に支持するとともに、該中間軸の両中間軸軸受間に結着されたプーリと前記モータ軸の端部に結着されたプーリとの間に無端状のベルトを巻装し、同中間軸の一方の中間軸軸受から突出する軸方向端部に設けられたピニオンと前記鋸刃軸の一方の鋸刃軸軸受から突出する軸方向一端に設けられたギヤとを噛合せしめたことを特徴とする請求項1記載の卓上切断機。
【請求項3】
前記鋸刃軸を軸方向に2分割された軸を結合して構成するとともに、各軸を前記鋸刃軸軸受によってそれぞれ回転可能に支持したことを特徴とする請求項1又は2記載の卓上切断機。
【請求項4】
前記一方の軸を他方の軸にテーパ嵌合と螺合によって他方の軸に結合したことを特徴とする請求項3記載の卓上切断機。
【請求項5】
前記丸鋸部を前記丸鋸刃の側面に平行で且つ前記ベース部上面に対して平行な方向にスライド可能に支持したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の卓上切断機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース部上面に対して丸鋸刃が上下動可能且つ左右傾斜可能である卓上切断機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の卓上切断機においては、鋸刃軸は、その軸方向の2点が軸受によって回転可能に支持され、該鋸刃軸の一方の軸受からオーバーハングする一端に丸鋸刃が取り付けられ、両軸受の間に動力伝達用のギヤが結着される構造が採用されていた。
【0003】
卓上切断機では、軸方向に離間した2つの軸受によって支持された鋸刃軸に丸鋸刃が取り付けられているが、鋸刃軸の加工精度のバラツキや軸芯のズレ等のために丸鋸刃の保持精度が悪化するため、軸受間隔は広い方が丸鋸刃の保持精度が高くなる。又、強度的にも動力伝達時の負荷を軸受部で受けるため、軸受間隔が広い方が軸受部の負担が軽くなって強度的に有利となる。このため、軸方向に離間した軸受保持部が制限となり、右傾斜切断高さが決定されていた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−145501号公報(図4)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように従来の卓上切断機では、軸方向に離間した軸受保持部が制限となるために右傾斜切断高さとして左傾斜切断高さと同等の大きさを確保することができず、小径の丸鋸刃での製品化は困難であった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、高い傾斜切断能力を確保して小型化を図ることができる卓上切断機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、被加工材を支持するベース部と、モータを有する丸鋸部と、該丸鋸部を前記ベース部に対して左右傾斜及び上下揺動可能に支持するホルダと、軸方向の2点が一対の鋸刃軸軸受を介して前記丸鋸部に回転可能に支持された鋸刃軸と、該鋸刃軸に着脱可能に装着された丸鋸刃を備え、前記モータによって前記丸鋸刃を回転駆動しながら前記丸鋸部を前記ベース部に対して左右に傾動又は上下に揺動させて前記被切断材を切断する卓上切断機において、前記一対の鋸刃軸軸受を前記鋸刃軸の軸方向において前記丸鋸刃の両側に配置したことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記モータを前記丸鋸刃の側面の延長面と交差する面に配置するとともに、該モータのモータ軸と中間軸及び前記鋸刃軸を互いに平行に配置し、前記中間軸の軸方向の2点を一対の中間軸軸受によって回転可能に支持するとともに、該中間軸の両中間軸軸受間に結着されたプーリと前記モータ軸の端部に結着されたプーリとの間に無端状のベルトを巻装し、同中間軸の一方の中間軸軸受から突出する軸方向端部に設けられたピニオンと前記鋸刃軸の一方の鋸刃軸軸受から突出する軸方向一端に設けられたギヤとを噛合せしめたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記鋸刃軸を軸方向に2分割された軸を結合して構成するとともに、各軸を前記鋸刃軸軸受によってそれぞれ回転可能に支持したことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記一方の軸を他方の軸にテーパ嵌合と螺合によって他方の軸に結合したことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記丸鋸部を前記丸鋸刃の側面に平行で且つ前記ベース部上面に対して平行な方向にスライド可能に支持したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、一対の鋸刃軸軸受を鋸刃軸の軸方向において丸鋸刃の両側に配置したため、丸鋸刃が両持ち状態で支持されることとなり、その保持精度が高められる。又、丸鋸刃と鋸刃軸軸受との間隔を縮小することができるため、右傾斜切断高さとして左傾斜切断高さと同等の大きさを確保することができ、小径の丸鋸刃での製品化を実現することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、モータを丸鋸刃の側面の延長面と交差する面に配置したため、傾斜操作荷重のバランスが良くなり、当該卓上切断機の操作性が高められる。そして、モータ軸の回転は、プーリとベルトを経て中間軸に伝達され、更に中間軸からピニオンとギヤを経て鋸刃軸に伝達されるため、該鋸刃軸とこれに装着された丸鋸刃が所定の速度で回転駆動されて被切断材が切断される。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、鋸刃軸を軸方向に2分割された軸を結合して構成したため、丸鋸刃の交換を容易に行うことができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、鋸刃軸を構成する一方の軸を他方の軸にテーパ嵌合と螺合によって他方の軸に結合するため、該鋸刃軸の芯ズレ等が防がれ、この鋸刃軸によって丸鋸刃を高精度に保持することができる。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、丸鋸部を丸鋸刃の側面に平行で且つベース部上面に対して平行な方向にスライド可能に支持したため、当該卓上切断機の切断用途が更に拡大する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明に係る卓上切断機の側面図、図2は同卓上切断機の正面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は同卓上切断機の右傾斜切り状態を示す正面図、図5は同卓上切断機の左傾斜切り状態を示す正面図、図6は図1のB−B線断面図、図7は鋸刃軸の支持構造の詳細を示す部分断面図、図8は右傾斜切り時の丸鋸部の状態を示す縦断面図、図9は丸鋸刃交換時の状態を示す鋸刃軸支持部の部分断面図である。
【0018】
本実施の形態に係る卓上切断機は、被加工材35を載置するためのベース部1,2と、駆動源であるモータ21と該モータ21によって回転駆動される丸鋸刃14を備えた丸鋸部12と、前記丸鋸刃14の軸方向と略平行な揺動軸11によって前記丸鋸部12を上下揺動可能に支持する支持部材8を備えており、丸鋸刃14側面のベース部1,2の上面に対する角度を変更することができる。
【0019】
前記ベース部は、床面等に載置可能なベース1と、上面に直交する回動軸によってベース1に回動可能に埋設されたターンテーブル2とで構成されており、ターンテーブル2の上面はベース1の上面とほぼ同一平面を成している。作業時には、ベース部であるベース1とターンテーブル2の上に被加工材35を載置することができる。
【0020】
ベース1には、該ベース1の上面と略直交する押さえ面(図1の右側端面)3aを有する一対のフェンス3が設けられており、図1に示すような角柱状の被加工材35を切断加工する際には、フェンス3の押さえ面3aに被加工材35の一面を当接させた状態で切断作業を行うことによって安定した切断作業を行うことができる。そして、ターンテーブル2をベース1に対して回動させると、該ターンテーブル2に連結されたホルダ5、ガイドバー7、支持部材8及び丸鋸部12のフェンス3に対する位置が変化し、これによってフェンス3の押さえ面3aと丸鋸刃14側面との角度が変化することとなり、フェンス3の押さえ面3aに当接された被加工材35を種々の角度で切断することができる。
【0021】
図1に示すように、ターンテーブル2の後方側(図1の左側)端部付近には、上方に立設された前記ホルダ5が丸鋸刃14の側面及びターンテーブル2の上面とほぼ平行に延びた傾動軸4を介して接続されている。ホルダ5は、図4及び図5に示すように、傾動軸4を支点としてターンテーブル2に対して傾動可能に支持されている。
【0022】
又、ターンテーブル2の後方側端部には、上方に突出した突出部2aが突設されており、この突出部2aにホルダ5に設けられた傾動規制手段を構成するクランプレバー6(図1参照)が押接されることによってベース1に対するターンテーブル2の傾動が規制(固定)される。このようにクランプレバー6の操作によってホルダ5のターンテーブル2に対する傾動を固定/解除することができる。ここで、ターンテーブル2の突出部2aには、図2〜図4に示すように、傾動軸4を支点とする円弧状の長孔2bが形成されており、この長孔2b内に、ホルダ5に取り付けられたクランプレバー6の軸部が摺動可能に係合している。尚、長孔2bは、丸鋸部12の左右の傾斜角度が45°以上となる長さを有している。
【0023】
他方、図1に示すように、ホルダ5の上端部付近には、丸鋸刃14の側面及びベース1の上面に略平行に配列された2つの穴部5cが形成されている。ホルダ5の穴部5cには、ほぼ同径又は若干大径のパイプ材から成る硬質の前記ガイドバー7の端部が挿入されている。尚、本実施の形態に係る卓上切断機においては、ホルダ5に対するガイドバー7の抜けと回動を防ぐための固定手段5dがホルダ5の穴部5c内に突出可能に設けられている(図1参照)。又、ホルダ5の穴部5c内に挿入された2本のガイドバー7は、ほぼ同じ長さ寸法のものであり、その長さはターンテーブル2の長手方向長さよりも短く設定されている。
【0024】
ガイドバー7の前方(図1の右側)端部には係合部材であるサポート9が取り付けられている。尚、サポート9には、ガイドバー7に対する該サポート9の抜けと回動を防ぐための不図示の固定手段が設けられている。
【0025】
又、ガイドバー7上のホルダ5とサポート9との間には、丸鋸部12の揺動軸11を支持する支前記持部材8が設けられている。この支持部材8には、図3に示すように、ガイドバー7とほぼ同心の2つの穴部8aが形成されており、一方(図3の下側)の穴部8a内には一方の摺動部であるボールベアリング8bが設けられており、このボールベアリング8bは、ガイドバー7の外径寸法とほぼ同寸法の内径を有し、ガイドバー7の外径部に当接可能である。
【0026】
又、他方(図3の上側)の穴部8a内には、ガイドバー7との間に他方の摺動部である2つの移動部材8cが設けられており、これらの移動部材8cは、支持部材8に螺合するボルト8dの先端によって穴部8a内からの脱落が防がれるとともに、ボルト8dの先端の押圧によって移動調整可能となっている。
【0027】
又、支持部材8には、上側穴部8a内に突出可能な固定手段であるノブ10が設けられており、このノブ10の先端がガイドバー7の外径部を押圧することによってガイドバー7上で支持部材8の位置を固定することができる。
【0028】
ボルト8dの操作によって移動部材8cの位置を調整することによって、穴部8a内におけるガイドバー7の位置を調整することができる。即ち、2つの移動部材8cを図3の左側方向に移動させれば支持部材8は下方のガイドバー7を支点として図3の反時計方向に回動する。このように一方のガイドバー7を支点として支持部材8を回動調整可能な構成とすることによって、ベース1の上面に対する丸鋸刃14側面の角度を微調整することができる。
【0029】
尚、支持部材8の穴部8aの軸方向寸法は、一方の摺動部であるボールベアリング8bの軸方向寸法とほぼ同じであり、支持部材8が摺動性を損なわない必要最低限以上の寸法となっている。又、他方の摺動部である移動部材8cを移動可能として角度微調整機構を設けるとともに、他方の摺動部である移動部材8c近辺に固定手段を設けた構成とすることにより、支持部材8の寸法を小さく抑えることができ、卓上切断機本体の小型化を図るとともに、丸鋸部12の運動量を確保することができる。
【0030】
2本のガイドバー7のホルダ5と反対側の端面には、両者と係合する係合部材である前記サポート9が設けられており、支持部材8は、ホルダ5に当接することによって丸鋸部12のホルダ5側への摺動が規制され、サポート9に当接することによってホルダ5から離れる方向への摺動が規制される構成となっており、支持部材8と丸鋸部12の抜け止めを容易に行うことができる。
【0031】
図3に示すように、支持部材8にはガイドバー7の軸方向と直交する方向に延びる揺動軸11が固定され、図1に示すように、支持部材8には揺動軸11を介して丸鋸部12が連結されている。
【0032】
又、図3に示すように、支持部材8の揺動軸11の下方には凹部8eが形成されており、この凹部8e内にはレーザー発振器40が設けられている。このレーザー発振器40は、少なくとも丸鋸刃14の軸方向に移動調整可能に構成されており、丸鋸刃14の側面の延長線上に延びるレーザー光を被加工材35上に照射することができる。
【0033】
又、揺動軸11の外周にはスプリング13が設けられており、丸鋸部12は、スプリング13によってベース部1,2から丸鋸刃14が離れる方向(上方)に揺動するよう付勢されており、通常時には不図示のストッパ機構によって図1において最も上方(反ベース部側)に揺動した位置となる。被切断材35の切断は、丸鋸部12をスプリング13の付勢力に抗して揺動軸11を支点として下方(ベース部側)に揺動させることによって行われる。
【0034】
丸鋸部12を下方(ベース部側)に揺動させると、丸鋸刃14は、ターンテーブル2に形成された不図示の溝部内に侵入し、この丸鋸刃14が所定量だけ侵入した状態で不図示のストッパ機構によって図1に示すように丸鋸部12の揺動が停止される。
【0035】
本実施の形態に係る卓上切断機は、図1に示すように、丸鋸部12をベース部1,2側に揺動させた状態から丸鋸部12をホルダ5側に付勢することによって支持部材8がガイドバー7上を摺動し、丸鋸部12及び丸鋸刃14がホルダ5側に移動しながら幅広の被加工材35の切断を行うことができる。
【0036】
ここで、丸鋸部12の構成の詳細を図6に基づいて説明する。
【0037】
丸鋸部12においては、モータハウジング25内に前記モータ21が前記丸鋸刃14の側面の延長面と交差する面に配置されており、該モータ21のモータ軸22の端部にはプーリ23が結着されている。
【0038】
又、ギヤカバー37とソーカバー20には、中間軸であるプーリ軸17と鋸刃軸15が前記モータ軸22と平行に配されており、プーリ軸17の軸方向の2点は一対の中間軸軸受106,107によって回転可能に支持されている。そして、プーリ軸17の両中間軸軸受106,107間にはプーリ18が結着されており、このプーリ18とモータ軸22の端部に結着された前記プーリ23との間に無端状の伝達ベルト24が巻装されている。又、プーリ軸17の一方の中間軸軸受106から突出する軸方向端部には設けられたピニオン17aが一体に形成されている。
【0039】
而して、本実施の形態では、鋸刃軸15は、丸鋸刃14を挟んでこれの両側に配された一対の鋸刃軸軸受102,105によってその軸方向の2点が回転可能に支持されている。つまり、丸鋸刃14は鋸刃軸15の両鋸刃軸軸受102,104間の部位に両持ち状態で支持されている。
【0040】
ここで、鋸刃軸15は、図7に詳細に示すように、軸方向に2分割された軸を結合して構成されており、一方の軸はボルト101で構成され、他方の軸は鋸刃軸本体15Aで構成されている。そして、ボルト101は、ソーカバー20に軽圧入された一方の鋸刃軸軸受102によって回転可能に支持され、丸鋸軸本体15Aは他方の鋸刃軸軸受105によって回転可能に支持されている。
【0041】
ところで、図7に示すように、鋸刃軸本体15Aの先端部にはテーパ穴15aと螺孔15cが形成されており、ボルト101は、鋸刃軸本体15Aの螺孔15cに螺着されるとともに、テーパ穴15aにテーパ嵌合して鋸刃軸本体15Aに軸心が一致する状態で高精度に結合され、これによって鋸刃軸15が構成される。
【0042】
而して、丸鋸刃14は、2つのホイルワッシャ103,104によって挟持されて鋸刃軸15上に取り付けられている。従って、この丸鋸刃14を交換する場合等には、図9に示すように、ボルト101を鋸刃軸本体15Aから取り外し、鋸刃軸軸受102から図示矢印方向に引き抜く。すると、一方のホイルワッシャ103が取り除くことができるため、丸鋸刃14を容易に取り外して別にものと交換することができる。又、以上とは逆の手順で丸鋸刃14を鋸刃軸15に容易に取り付けることができる。
【0043】
又、鋸刃軸15の鋸刃軸軸受105から突出する端部にはギヤ16が結着されており、このギヤ16は、プーリ軸17の一端に形成された前記ピニオン17aに噛合している。
【0044】
ところで、丸鋸部12のハウジングは、丸鋸刃14の外周の一部を覆うとともに、鋸刃軸部15、ギヤ16、プーリ軸17、プーリ18,23等を覆うギヤカバー37と、該ギヤカバー28に連結されモータ21、モータ軸22を覆うモータハウジング25とから構成されている。
【0045】
前記ソーカバー20のホルダ5側部分には、図1に示すように、開口した切粉排出口20aが形成されており、この切粉排出口20aには不図示の集塵バックが取り付けられる。或は切粉排出口20aに集塵機と接続したホースを接続することによって、切断加工時に発生する切粉の飛散を抑制することができる。
【0046】
又、ソーカバー20内には、該ソーカバー20より突出する部分の丸鋸刃14の外周を覆う形状を有した鋸カバー19が回動可能に設けられている。この鋸カバー19は、図2に示すように、丸鋸部12が上方に揺動している状態では、ソーカバー20より突出する部分の丸鋸部14の外周を覆う位置に回動し、図1に示すように丸鋸部12が下方に揺動している状態では、不図示のリンク機構によってソーカバー20内に収納され、ソーカバー20より突出する部分の丸鋸刃14の外周が露出する位置に回動する。
【0047】
更に、前記モータハウジング25には、丸鋸刃14側面の延長線上に位置するハンドル26が一体的に設けられており、このハンドル26には、モータ21の駆動を制御するスイッチ27が設けられている。又、モータハウジング25には運搬用の把手となるサブハンドル36が設けられている。
【0048】
尚、図2、図4及び図5に示すように、ホルダ5のベース部側部分には傾斜時の位置決め手段であるストッパ5a,5bが設けられており、ターンテーブル2の上面にはストッパ5a,5bの移動軌跡上に位置する傾斜微調整手段であるストッパボルト30,31が垂直方向に螺合している。ホルダ5を傾斜軸4を支点として傾斜させると、所定の傾斜角度でストッパ5a,5bがストッパボルト30,31の各々の頭部に当接し、丸鋸部12の傾動位置が位置決めされる。ストッパボルト30は、ホルダ5が左方向に45°の位置に傾斜したときにストッパ5aに係合するように設けられている。又、ストッパボルト31は、ホルダ5が右方向に45°の位置に傾斜したときにストッパ5bに係合するように設けられている。
【0049】
更に、ターンテーブル2の上部には長孔2bが設けられるとともに、長孔2b内に直角切断時の位置決め手段となるピン32が前後に水平移動自在に設けられており、図2に示すように、ホルダ5にはピン32の移動軌跡上に位置するようにストッパボルト33が垂直方向にねじ嵌合している。ホルダ5が直角切断位置になったとき、ストッパボルト33の先端とピン32の外径部が接触する。
【0050】
以上の構成において、丸鋸部12を垂直位置に設定して被加工材35を直角切断するには、ピン32を上方へ移動させた状態でホルダ5を傾動させ、ストッパボルト33の先端とピン32の外径部が接触する位置に傾動した際にクランプレバー6を緩め、ホルダ5の傾動位置を固定する。
【0051】
被加工材35を切断するには、ハンドル26に設けられたスイッチ27を操作し、モータ21を起動し、鋸刃軸15を介して丸鋸刃14を回転させる。この状態でハンドル26を握って丸鋸部12をスプリング13の付勢力に抗して押し下げ、回転する鋸刃14によって被切断材35を切断する。丸鋸刃14がターンテーブル2の溝部内に侵入して被加工材35の切断が完了した時点で丸鋸部12を押し下げる力を解除すると、鋸刃部12がスプリング13の付勢力によって元の上限位置に復帰する。角度切りを行う場合には、ターンテーブル2を回転させ、前記切断方法によって被切断材35の切断を行う。
【0052】
次に、丸鋸部12を左右に傾斜させる方法について説明する。
【0053】
クランプレバー6を緩めてホルダ5の固定状態を解除し、ホルダ5を傾動軸4を支点として左又は右方向へ傾動させる。このとき、モータ21の重心は傾動軸4のほぼ真上に位置するため、丸鋸部12を左傾斜、右傾斜の何れの側でもほぼ一定の力で傾斜させることができる。クランプレバー6を緩めてホルダ5の固定状態を解除し、ホルダ5を左方向へ傾動させると、ストッパ5aがストッパボルト30に当接し、丸鋸部12は左傾斜45°の状態に位置決めされる。この状態でクランプレバー6を緩め、ホルダ5の傾斜位置を固定する。この状態で被加工材35を前記と同様に切断する。
【0054】
更に、直角切り、角度切り、傾斜切りで幅の広い被加工材35を切断する場合には、フェンス3に被加工材35を押し付けて固定した後、ノブ10を緩め、ハンドル26で手前側(図1の右方向)に引くと、ホルダ5と丸鋸部12は一体となって移動する。
【0055】
ハンドル26を押し下げて切り込みを与えた後、ホルダ5側に丸鋸部12を摺動させながら切断を行う(図1に示す状態)。切断終了後、丸鋸部12への押し下げ力を解除すると、鋸刃部12はスプリング13の付勢力によって元の上限位置に復帰する。
【0056】
上述のように、スライド、直角、角度、傾斜切り、又、前記角度切りと傾斜切りを組み合わせて複合切断が可能である。
【0057】
以上において、本実施の形態では、一対の鋸刃軸軸受102,105を鋸刃軸15の軸方向において丸鋸刃14の両側に配置したため、丸鋸刃14が両持ち状態で支持されることとなり、その保持精度が高められる。又、丸鋸刃14と鋸刃軸軸受102,105との間隔を縮小することができるため、図8に示すように、右傾斜切断高さとして左傾斜切断高さと同等の大きさを確保することができ、小径の丸鋸刃14での製品化を実現することができる。
【0058】
更に、本実施の形態では、モータ21を丸鋸刃14の側面の延長面と交差する面に配置したため、傾斜操作荷重のバランスが良くなり、当該卓上切断機の操作性が高められる。そして、モータ軸22の回転は、プーリ23、伝達ベルト24及びプーリ18を経てプーリ軸17に伝達され、更にプーリ軸か17らピニオン17aとギヤ16を経て鋸刃軸15に伝達されるため、該鋸刃軸15とこれに装着された丸鋸刃14が所定の速度で回転駆動されて被切断材35が切断される。
【0059】
又、本実施の形態では、鋸刃軸15を軸方向に2分割された鋸刃軸本体15Aとボルト101とを結合して構成したため、前述のように丸鋸刃14の交換を容易に行うことができる。この場合、ボルト101を鋸刃軸本体15Aにテーパ嵌合と螺合によって結合するようにしたため、鋸刃軸15の芯ズレ等が防がれ、この鋸刃軸15によって丸鋸刃14を高精度に保持することができる。
【0060】
その他、本実施の形態では、丸鋸部12を丸鋸刃14の側面に平行で且つベース部1,2の上面に対して平行な方向にスライド可能に支持したため、当該卓上切断機の切断用途が更に拡大する。
【0061】
尚、以上の実施の形態では、丸鋸刃14の右側に動力を伝達するギヤ16やプーリ18,23及びガイドバー7を配置したが、これとは逆に各部材を左側に配置した構成としても良い。又、ベース部がターンテーブルを有さないベースのみの構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る卓上切断機の側面図である。
【図2】本発明に係る卓上切断機の正面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】本発明に係る卓上切断機の右傾斜切り状態を示す正面図である。
【図5】本発明に係る卓上切断機の左傾斜切り状態を示す正面図である。
【図6】図1のB−B線断面図である。
【図7】本発明に係る卓上切断機の鋸刃軸支持構造の詳細を示す部分断面図である。
【図8】本発明に係る卓上切断機の右傾斜切り時の丸鋸部の状態を示す縦断面図である。
【図9】本発明に係る卓上切断機の丸鋸刃交換時の状態を示す鋸刃軸支持部の部分断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 ベース
2 ターンテーブル
2a ターンテーブルの突出部
2b ターンテーブルの長孔
3 フェンス
3a フェンスの抑え面
4 傾動軸
5 ホルダ
5a,5b ストッパ
5c ホルダの穴部
5d 固定手段
6 クランプレバー
7 ガイドバー
8 支持部材
8a 支持部材の穴部
8b ボールベアリング
8c 移動部材
8d ボルト
8e 支持部材の凹部
9 サポート
10 ノブ
11 揺動軸
12 丸鋸部
13 スプリング
14 丸鋸刃
15 鋸刃軸
15A 鋸刃軸本体
15a テーパ穴
15c 螺孔
16 ギヤ
17 プーリ軸(中間軸)
17a ピニオン
18 プーリ
19 鋸カバー
20 ソーカバー
20a 切粉排出口
21 モータ
22 モータ軸
23 プーリ
24 伝達ベルト
25 モータハウジング
26 ハンドル
27 スイッチ
30,31 ストッパボルト
32 ピン
33 ストッパボルト
35 被加工材
36 サブハンドル
37 ギヤカバー
40 レーザー発振器
101 ボルト
102,105 鋸刃軸軸受
103,104 ホイルワッシャ
106,107 中間軸軸受
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成19年3月16日(2007.3.16)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−229876(P2008−229876A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−68439(P2007−68439)