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【発明の名称】 卓上切断機
【発明者】 【氏名】西河 智雄

【氏名】大津 新喜

【要約】 【課題】鋸刃の起動時の急激な切断を抑制するとともに、鋸刃の停止時に停止した鋸刃の切断面への接触を抑制することによって奇麗な加工材の切断面を実現することができる卓上切断機を提供すること。

【解決手段】ベース上方にて前後移動し且つベース上面に対して上下回動するヘッド部7を設け、該ヘッド部7内には切断刃物部を設け、該切断刃物部を駆動するためのモータ1を設けて成る卓上切断機において、前記切断刃物部の駆動開始時又は駆動停止時或は何れの場合において生じる反動を抑制する反動抑制機構30を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース上方にて前後移動し且つベース上面に対して上下回動するヘッド部を設け、該ヘッド部内には切断刃物部を設け、該切断刃物部を駆動するためのモータを設けて成る卓上切断機において、
前記切断刃物部の駆動開始時又は駆動停止時或は何れの場合において生じる反動を抑制する機構を設けたことを特徴とする卓上切断機。
【請求項2】
反動を抑制する機構を前記ヘッド部に設けたことを特徴とする請求項1記載の卓上切断機。
【請求項3】
反動を抑制する機構にソレノイドを使用することを特徴とする請求項1又は2記載の卓上切断機。
【請求項4】
反動を抑制する機構をソレノイドとバネとで構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の卓上切断機。
【請求項5】
反動を抑制する機構を前記ヘッド部に付随するハンドル部に設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の卓上切断機。
【請求項6】
前記ソレノイドの可動芯の可動方向をヘッド部回動の略接線方向としたことを特徴とする請求項3又は4記載の卓上切断機。
【請求項7】
前記ソレノイドをACソレノイドとしたことを特徴とする請求項3,4又は6記載の卓上切断機。
【請求項8】
反動を抑制する機構に回転体を駆動させることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の卓上切断機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース上方にて前後移動し且つベース上面に対して上下回動するヘッド部を設け、該ヘッド部内には切断刃物部を設け、該切断刃物部を駆動するためのモータを設けて成る卓上切断機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の卓上切断機を図7〜図10に基づいて説明する。
【0003】
図7〜図10は従来の卓上切断機の側面図あり、図示の卓上切断機のテーブル4の上面には加工材3が設置され、モータ1が駆動することによって動力がベルト22及びギヤ23を経て鋸刃2に伝達されて該鋸刃2が回転駆動される。鋸刃2が回転すると加工材3が切断されるが、切断の工程の一例を図7〜図10に従って説明する。
【0004】
作業者は図7に示す状態よりハンドル6を持ち作業者手前側(図7の右方向)にヘッド部7をスライド移動させる。ヘッド部7を図8の位置まで移動させた後、スイッチ8を握りモータ1を起動して鋸刃2を回転させる。ハンドル6を下方向(図8の下方向)に移動させると、ヘッド部7が回動軸17を中心として回動下降し、加工材3が鋸刃2によって切断され始める。
【0005】
図9に示すようにヘッド部7の回動が下死点まで到達した後に作業者がハンドル6を奥側(図9における左方向)へ押し込むことによって、ヘッド部7をスライド移動させながら切断作業を続ける。図10に示すように、奥方向(図10の左方向)まで押し終わった時点で加工材3の切断が終了し、作業者はスイッチ8を開放し、モータ1及び鋸刃2の動作を停止させる。
【特許文献1】特開平11−170214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図7〜図10に示す従来の卓上切断機においては、作業者がスイッチ8を握って鋸刃2を回転させる場合、鋸刃2の回転加速中においては、その加速度に応じた反力が生じ、その反力はヘッド部7を上方向に回動させるように働く。又、作業者がスイッチ8を開放して鋸刃を停止させる場合、鋸刃2の回転減速中においては、その加速度に応じた反力がド部内その反力はヘッド部7を下方向に回動させるように働く。
【0007】
従来の卓上切断機において、作業者が切断作業を行う場合、作業者は切断を開始する際、鋸刃刃2を起動させる前にハンドル6を下方向へ移動させ、鋸刃2と加工材3を近接させて切断位置を合わせた後、鋸刃2と加工材3が近接した状態にてスイッチ8を握って鋸刃2を起動させる場合がある。この場合、起動時の反動はヘッド部7を上方向に回動させるように働くが、作業者はハンドル6を保持しているため、作業者は無意識にヘッド部7を上方向に回動させる力を抑制するようハンドル6を押し下げる力を加えるため、ハンドル6を押し下げる力にて加工材3を急激に切断してしまう場合が生じる。その際、急激に切断してしまうため、切断面が荒れてしまうといった問題が生じてしまう。
【0008】
又、従来の構造において、加工材3の切断が終了し、作業者はスイッチ8を開放し、モータ1及び鋸刃2の動作を停止させた場合において、停止時の反動はヘッド部7を下方向に回動させるように働くため、切断終了後の加工材3の切断面に停止した鋸刃2が擦れ合ってしまう場合が生じ、切断面が荒れてしまうといった問題が生じてしまう。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、鋸刃の起動時の急激な切断を抑制するとともに、鋸刃の停止時に停止した鋸刃の切断面への接触を抑制することによって奇麗な加工材の切断面を実現することができる卓上切断機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ベース上方にて前後移動し且つベース上面に対して上下回動するヘッド部を設け、該ヘッド部内には切断刃物部を設け、該切断刃物部を駆動するためのモータを設けて成る卓上切断機において、前記切断刃物部の駆動開始時又は駆動停止時或は何れの場合において生じる反動を抑制する機構を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、反動を抑制する機構を前記ヘッド部に設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、反動を抑制する機構にソレノイドを使用することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、反動を抑制する機構をソレノイドとバネとで構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、反動を抑制する機構を前記ヘッド部に付随するハンドル部に設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記ソレノイドの可動芯の可動方向をヘッド部回動の略接線方向としたことを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項3,4又は6記載の発明において、前記ソレノイドをACソレノイドとしたことを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7の何れかに記載の発明において、反動を抑制する機構に回転体を駆動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、切断刃物部の駆動開始時又は駆動停止時或は何れの場合において生じる反動を抑制する機構を設けたため、鋸刃の起動時の急激な切断を抑制するとともに、鋸刃の停止時に停止した鋸刃の切断面への接触を抑制することによって奇麗な加工材の切断面を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明に係る卓上切断機の側面図であり、図示の卓上切断機においては、テーブル4の上面に加工材3が設置され、モータ1が起動されることによって動力がベルト22とギヤ23を経て鋸刃2伝達され、該鋸刃2が所定の速度で回転駆動される。このように鋸刃2が回転することによって加工材3が切断される。切断の工程は図7〜図10に示した従来の卓上切断機での切断工程と全く同様である。
【0021】
図1に示す本発明に係る卓上切断機には反動抑制機構30が設けられている。作業者がスイッチ8を握って鋸刃2を回転させる場合、該鋸刃2の回転加速中においては、その加速度に応じた反力が生じ、その反力はヘッド部7を上方向に回動させるように働くが、反動抑制機構30はこのヘッド部7を下方向に回動させるように力を働かせ、ヘッド部7の起動時の反動を抑制する。
【0022】
又、作業者がスイッチ8を開放して鋸刃2を停止させる場合、鋸刃2の回転減速中においては、その加速度に応じた反力が生じ、その反力はヘッド部7を下方向に回動させるように働くが、反動抑制機構30はこのヘッド部7を上方向に回動させるように力を働かせてヘッド部7の停止時の反動を抑制する。
【0023】
そして、本実施の形態に係る卓上切断機においては、反動抑制機構30はヘッド部7に設けられているため、ヘッド部7に対して反動を抑制する力を容易に生じさせることが可能となる。
【0024】
図2はソレノイドを使用した反動抑制機構30の断面図である。
【0025】
図2に示すように、反動抑制機構30は、上方ソレノイド31と下方ソレノイド32及びプランジャ33で構成されている。鋸刃2が停止している場合、プランジャ33には外力が働かないため、該プランジャ33は自重により下方ソレノイド32側に位置している。作業者がスイッチ8を握って鋸刃2を回転させる場合、スイッチ8に連動して上方ソレノイド31が駆動され、プランジャ33は図3に示す上方位置へ移動する。プランジャ33が上方向へ移動する反力は上方ソレノイド31を下方向へ押し下げ、ソレノイド31と連結したヘッド部7を押し下げることが可能となり、起動時にヘッド部7を上方向に回動することを抑制する反動抑制機構となる。
【0026】
鋸刃2の回転時、つまりスイッチ8が入っている状態では、上方ソレノイド31には常に通電されており、プランジャ33は上方向位置している。作業者がスイッチ8を開放して鋸刃2を停止させる場合、スイッチ8の開放と連動して下方ソレノイド32が駆動され、プランジャ33は図2に示す下方位置へ移動する。プランジャ33が下方向へ移動する反力は下方ソレノイド32を上方向へ押し上げ、下方ソレノイド32と連結したヘッド部7を押し上げることが可能となり、停止時にヘッド部7を下方向に回動することを抑制する反動抑制機構となる。
【0027】
図4は反動抑制機構30の別の形態を示す断面図であり、図示の反動抑制機構30は、ソレノイドとバネを使用したものである。
【0028】
この反動抑制機構30は、上方ソレノイド31、下方ソレノイド32、プランジャ33及びバネ34で構成されている。鋸刃2が停止している場合、プランジャ33はバネ34の付勢力によって上方ソレノイド31と下方ソレノイド32の略中間に位置している。作業者がスイッチ8を握って鋸刃2を回転させる場合、スイッチ8に連動して上方ソレノイド31が駆動され、プランジャ33は上方ソレノイド31側へ移動する。不図示の制御回路によって上方ソレノイド31の駆動はスイッチ8が入った後数秒間に限定される。そのため、スイッチ8が入ったときのみ上方ソレノイド31が駆動され、その後、鋸刃2が回転している最中であっても、プランジャ33はバネ34の付勢力によって上方ソレノイド31と下方ソレノイド32の略中間に位置に移動する。これにより、鋸刃2が回転中常に上方ソレノイド31を駆動する必要がなくなり、省エネ化が実現できる。
【0029】
又、作業者がスイッチ8を開放して鋸刃2を停止させる場合、スイッチ8に連動して下方ソレノイド32が駆動され、プランジャ33は下方ソレノイド32側へ移動する。プランジャ33の移動の反力によって、前記同様にヘッド部7の反動を抑制することが可能となる。
【0030】
又、図5はソレノイドを使用した反動抑制機構30をハンドル6の内部に設置した例を示す卓上切断機の側面図である。
【0031】
図5に示すように反動抑制機構30をハンドル6の内部に設置すると、ヘッド部7の回動軸17と反動抑制機構30を遠くに設置することが可能となり、反動抑制機構30で小さな反動抑制力を生じた場合でも、ヘッド部7の回動軸17との距離が大きいため、高い反動抑制トルクとなり、反動抑制機構30を小型省エネ化することが可能となる。
【0032】
又、ソレノイドを使用した反動抑制機構30において、プランジャ33の可動軸35をヘッド部7の回動の略接線方向とすることによって、ヘッド部7の回動方向に対して効率良く反動抑制トルクを与えることが可能となる。
【0033】
更に、使用するソレノイドをACソレノイドとすることによって、ソレノイドの駆動を一般交流電源で行うことができるため、スイッチング電源等が不要になり、安価にソレノイドを駆動することが可能となる。
【0034】
図6は別の反動抑制機構として慣性体を使用した例を示す卓上切断機の側面図である。
【0035】
図6に示す卓上切断機において、モータ1の不図示の回転子は鋸刃刃2の回転方向37と逆の回転方向38で回転するため、反動抑制機構として、回転慣性体36をモータ1の回転子に設置することによって、鋸刃2の回転加速中に生じた反力を相殺する力を回転慣性体36に発生させることができる。これにより、鋸刃2の起動時及び停止時の何れにおいても反動を抑制することが可能となる。
【0036】
以上のように、本発明によれば、鋸刃2の起動時の急激な切断を抑制することができるとともに、鋸刃2の停止時に停止した鋸刃2の切断面への接触を抑制することができ、加工材3の奇麗な切断面を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る卓上切断機の側面図である。
【図2】本発明に係る卓上切断機に設けられた反動抑制機構を示す断面図である。
【図3】本発明に係る卓上切断機に設けられた反動抑制機構を示す断面図である。
【図4】本発明に係る卓上切断機に設けられた反動抑制機構の別形態を示す断面図である。
【図5】ソレノイドを使用した反動抑制機構をハンドルの内部に設置した例を示す卓上切断機の側面図である。
【図6】慣性体を使用した反動抑制機構を備えた卓上切断機の側面図である。
【図7】従来の卓上切断機の側面図である。
【図8】従来の卓上切断機の側面図である。
【図9】従来の卓上切断機の側面図である。
【図10】従来の卓上切断機の側面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 モータ
2 鋸刃
3 加工材
4 テーブル
6 ハンドル
7 ヘッド部
8 スイッチ
17 回動軸
22 ベルト
23 ギヤ
30 反動抑制機構
31 上方ソレノイド
32 下方ソレノイド
33 プランジャ
34 バネ
35 可動軸
36 回転慣性体
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成19年3月16日(2007.3.16)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−229857(P2008−229857A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−68038(P2007−68038)