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【発明の名称】 卓上切断機
【発明者】 【氏名】今村 隆一

【氏名】堀内 貴幹

【要約】 【課題】移動や運搬を作業性良く容易に行うことができる卓上切断機を提供すること。

【解決手段】ベース1にターンテーブル2を水平回動可能に嵌合保持し、ベース1上に加工材35を支持するフェンス3を固定し、前記ターンテーブル2の後方には、ベース1に対して傾斜可能に立設されたホルダ5を設け、該ホルダ5の上部へ摺動部材を連結し、丸鋸部12をベース1の上面に対して平行に前後摺動自在且つベース1の上面に対して上下揺動可能に保持し、該丸鋸部12に鋸刃14とハンドル26を設け、前記丸鋸部12を傾斜、上下揺動及び前後摺動させて加工材35を切断する卓上切断機において、前記ターンテーブル2の後方下部に転動可能なローラ18を前記ベース1の設置面より浮かせて前記丸鋸部12の前後摺動方向と平行に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースにターンテーブルを水平回動可能に嵌合保持し、ベース部上に加工材を支持するフェンスを固定し、前記ターンテーブル後方には、ベース部に対して傾斜可能に立設されたホルダを設け、該ホルダの上部へ摺動部材を連結し、丸鋸部をベース部上面に対して平行に前後摺動自在且つベース部上面に対して上下揺動可能に保持し、該丸鋸部に鋸刃とハンドルを設け、前記丸鋸部を傾斜、上下揺動及び前後摺動させて加工材を切断する卓上切断機において、
前記ターンテーブルの後方下部に転動可能なローラを前記ベース設置面より浮かせて前記丸鋸部の前後摺動方向と平行に設けたことを特徴とする卓上切断機。
【請求項2】
前記ローラを前記鋸刃の延長線上に対して左右に設けたことを特徴とする請求項1記載の卓上切断機。
【請求項3】
前記ローラを前記ターンテーブル内に収納可能に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の卓上切断機。
【請求項4】
前記ローラを前後移動可能に保持したことを特徴とする請求項1又は2記載の卓上切断機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース部上面に対して平行に前後摺動自在にかつ丸のこ部を傾斜および上下揺動自在に設けた卓上切断機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の卓上切断機では、ベースの側面に形成された運搬用把手や丸鋸部に設けられた運搬用ハンドル等を用いて当該卓上切断機を抱え上げてこれを移動させたり、運搬する方式が採用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の方式で卓上切断機を移動させたり、運搬する場合、両手で卓上切断機を抱えるために設置面より該卓上切断機を浮かす必要がある。又、高重量物である卓上切断機の運搬作業は重労働で、両手が塞がる等の点で運搬性に問題がある。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、移動や運搬を作業性良く容易に行うことができる卓上切断機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ベースにターンテーブルを水平回動可能に嵌合保持し、ベース部上に加工材を支持するフェンスを固定し、前記ターンテーブル後方には、ベース部に対して傾斜可能に立設されたホルダを設け、該ホルダの上部へ摺動部材を連結し、丸鋸部をベース部上面に対して平行に前後摺動自在且つベース部上面に対して上下揺動可能に保持し、該丸鋸部に鋸刃とハンドルを設け、前記丸鋸部を傾斜、上下揺動及び前後摺動させて加工材を切断する卓上切断機において、前記ターンテーブルの後方下部に転動可能なローラを前記ベース設置面より浮かせて前記丸鋸部の前後摺動方向と平行に設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ローラを前記鋸刃の延長線上に対して左右に設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ローラを前記ターンテーブル内に収納可能に設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ローラを前後移動可能に保持したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、ターンテーブル後方に転動可能なローラを設けたため、卓上切断機の移動や運搬を作業性良く容易に行うことができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、ローラを2個設けることによって卓上切断機の運搬時の安定性を向上させることができる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、ターンテーブルの縁部より突出したローラを収納可能としたため、ローラが邪魔にならず、卓上切断機の操作性がローラによって害されることがない。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、ローラを前後移動可能に保持することによって卓上切断機の運搬時の高さを調整することができ、卓上切断機を楽な姿勢で運搬することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
<実施の形態1>
図1は本発明に係る卓上切断機の左側面図。図2は同卓上切断機の正面図、図3は同卓上切断機の切断位置を示す左側面図、図4は同卓上切断機のターンテーブルの背面図、図5は同卓上切断機の丸鋸部の右側面図、図6は図5のA−A線断面図、図7は同卓上切断機の運搬時の状態を示す左側面図である。
【0015】
本発明に係る卓上切断機においては、ベース1の中央にターンテーブル2が水平回動自在に埋設されており、該ターンテーブル2の上面はベース1の上面と同一面となっている。ベース1及びターンテーブル2の上面には木材等の加工材35が載置される。尚、以下の説明では、加工材35が載置される部位(本実施の形態では、ベース1とターンテーブル2)を総称して「ベース部」と称する。
【0016】
ベース1の上面に加工材35の側面を支持するフェンス3が固定されており、ターンテーブル2の後端にはホルダシャフト4を介して支持部材となるホルダ5が立設されている。そして、ホルダシャフト4の軸心をターンテーブル2の上面とほぼ一致させることによって、ホルダ5はホルダシャフト4を支点としてターンテーブル2の上面を中心に左右傾斜可能に軸支されている。
【0017】
図1に示すように、ターンテーブル2の後部のレバー6を回転させることにより、ホルダ5がターンテーブル2の面2aに密着してホルダ5の傾動が固定される。尚、ホルダ5は、左右に45°程度傾斜できるよう構成されている。
【0018】
直角切断の状態(ホルダ5がターンテーブル2に対して直角に立設した状態)においては、ホルダ5の上方2箇所に貫通孔5c穿設され、これらの貫通孔5c内に不図示の摺動保持部材が設けられ、貫通孔5c内に摺動部材となる2本のガイドバー7がそれぞれ挿通されている。ここで、ガイドバー7は、ターンテーブル2の上面に対して平行に左右に並設され、ガイドバー7の後方はサポート9で、前方にはヒンジ8でそれぞれ固着され、ガイドバー7の摺動範囲が規制されている。又、ホルダ8の側面に設けられたノブ10は、ガイドバー7を押圧してその摺動を固定するものである。
【0019】
ヒンジ8には、丸鋸部12がシャフト11を介してベース1の上面に対して上下揺動可能に軸支されている。そして、ヒンジ8と丸鋸部12の間には、丸鋸部12を上方に付勢するスプリング13がシャフト11の外周部に設けられている。
【0020】
丸鋸部12には、切断加工時に該丸鋸部12を押し下げるためのハンドル26と、モータ21及び鋸刃14が設けられており、これらはギヤケース20によって保持されている。
【0021】
図2に示すように、ギヤケース20には、水平方向に鋸刃軸15が設けられており、鋸刃軸15の一端には鋸刃14がボルト16によって固定されている。又、図示しないが、丸鋸部12には、モータ21から鋸刃14へ動力を伝達するためのプーリ、伝達ベルト、ギヤ等で構成される動力伝達機構が設けられている。モータ21は、鋸刃14の外周より外側で、且つ、鋸刃14の延長線上を交差する方向に配置され、鋸刃14の両側から出張るように設けられている。
【0022】
又、ホルダ5の前面には、傾斜時の位置決め部材となるのストッパ5a,5bが設けられており、ターンテーブル2の上面後方には、傾斜調整部材であるストッパボルト30,31がストッパ5a,5bの移動軌跡上に位置するように垂直方向に螺合している。ホルダ5を傾斜させると、所定の傾斜角度でストッパ5a,5bがストッパボルト30,31の各々の頭部に係合し、丸鋸部12の傾斜位置を設定する。ここで、ストッパボルト30は、ホルダ5が左方向に45°傾斜したときにストッパ5aに係合するように設けられている。又、ストッパボルト31は、ホルダ5が右方向に45°傾斜したときにストッパ5bに係合するように設けられている。
【0023】
更に、ターンテーブル2の上部に貫通孔2bが形成されており、この貫通孔2bには直角時の位置決め部材となるピン32が前後に水平移動可能に挿通しており、図2に示す状態で、ホルダ5にはピン32の移動軌跡上に位置するようにストッパボルト33が垂直方向に螺合している。ホルダ5が直角切断位置になったとき、ストッパボルト33の先端とピン32の外径部が接触する。
【0024】
上記構成において、丸鋸部12を垂直位置に設定して加工材35を直角切断するには、ホルダ5が垂直位置になったとき、ピン32を前方へ移動させ、傾斜調整部材であるストッパボルト33の先端とピン32の外径部が接触する位置とし、レバー6を締めてホルダ5の傾斜位置を固定し、この状態で加工材35を切断することができる。加工材35を切断するには、ハンドル26に設けられたスイッチ27を押してモータ21を起動する。すると、前記動力伝達機構を介して鋸刃14が回転され、この状態でハンドル26を握り、スプリング13の付勢力に抗して丸鋸部12を押し下げて加工材35を切断する。加工材35の切断が完了した時点で、丸鋸部12を持ち上げると、スプリング13の付勢力によって丸鋸部12が図1に示す元の上限位置に復帰する。角度切りを行う場合は、ターンテーブル2を回転させ、以上説明した切断方法によって加工材35の切断作業を行う。
【0025】
次に、丸鋸部12を左右に傾斜させる方法について説明する。
【0026】
レバー6を緩めてホルダ5の固定状態を解除した上で、ホルダ5を左又は右方向へ傾斜させる。ホルダ5を左方向へ傾斜させると、ストッパ5aがストッパボルト30に当接し、丸鋸部12は左傾斜45°の状態に位置決めされる。この状態で、レバー6を締めてホルダ5の傾斜位置を固定する。その後は前述した切断方法で加工材35の切断作業を行うことができる。
【0027】
更に、直角切り、角度切り、傾斜切りで幅の広い加工材35を切断する場合には、フェンス3面に加工材35を押し付けて固定した後、ノブ10を緩め、ハンドル26で手前側(図1の右方向)に引くと、ガイドバー7とヒンジ8及び丸鋸部12は一体となって前方に移動する。ハンドル26を押し下げて切り込みを与えた後、丸鋸部12を後方に摺動させながら切断を行う(図3に示すの状態)。切断後、押し下げていた力を弱くすれば、スプリング13の付勢力によって丸鋸部12が上方に押し上げられる。尚、本実施の形態に係る卓上切断機においては、スライド、直角、角度、傾斜切り、角度切りの切断方法と傾斜切りの方法を組み合わせた複合切断も可能である。
【0028】
而して、本実施の形態においては、ターンテーブル2の後方下部に転動可能なローラ18が設けられているが、該ローラ18は、ベース1の設置面より浮かした位置でガイドバー7と平行に配設されている。
【0029】
作業中に製品を前後に移動したり、向きを変える場合、丸鋸部12を手前に引き、ハンドル26を持ち上げて製品前方を浮かせ、ローラ18で当該卓上切断機を受ける状態でこれを前後へ移動させたり、向きを変えることが可能となる。卓上切断機を角度切りや傾斜切りに設定した状態においても、同様にハンドル26を持ち上げて該卓上切断機を移動させたり、向きを変えることができる。
【0030】
又、卓上切断機の運搬性を高めるため、図5及び図6に示すように、ヒンジ8には固定ピン23がシャフト11と平行に埋設され、丸鋸部12のギヤケース20には、固定ピン23の端部が挿入可能な凹座20aが設けられ、丸鋸部12が下方に下がった位置で固定ピン23を凹座20aに挿入することによって卓上切断機を小型化することができる。
【0031】
そして、丸鋸部12を手前に引き、ノブ10を締め、ガイドバー7を押圧してガイドバー7の摺動を固定し、図7に示すようにハンドル26を持ち上げ、前記同様に卓上切断機の前方を浮かせてローラ18で該卓上切断機を受ける状態にすることによって、ハンドル26を持ち卓上切断機を引くことによってこれを作業性良く容易に運搬することができる。尚、鋸刃14の延長線上に対して左右にローラ18を設けることによって卓上切断機の運搬時の安定性が向上する。
【0032】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図8及び図9に基づいて説明する。
【0033】
図8は本発明の実施の形態2に係る卓上切断機の左側面図、図9は同卓上切断機のターンテーブルの背面図であり、これらの図においては図1〜図4に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0034】
本実施の形態では、角度切り時にターンテーブル2を回転させる際又は卓上切断機の設置場所によっては、ターンテーブル2の縁部から突出したローラ18が邪魔になる場合があるため、図8及び図9に示すように、ローラ18を有するローラシャフト29をターンテーブル2の後部に上方へ移動可能に埋設し、ローラ18を持ち上げて固定ノブ28によりローラシャフト29を押圧して固定することによって、ローラ18をターンテーブル2内に収納保持することで操作性を高めるようにしている。
【0035】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図10及び図11に基づいて説明する。
【0036】
図10は本発明の実施の形態3に係る卓上切断機の左側面図、図11は同卓上切断機のターンテーブルの背面図であり、これらの図においても図1〜図4に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0037】
本実施の形態では、図10及び図11に示すように、ターンテーブル2の後方に、ローラ18を有するローラシャフト29を前後移動可能に埋設され、固定ノブ28によってローラシャフト29を押圧して固定することができるようにしている。ローラ18を有するローラシャフト29の固定位置を変えることによって、卓上切断機を運搬する際のハンドル26の位置を調整することができ、作業者が楽な姿勢で卓上切断機を運搬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1に係る卓上切断機の左側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る卓上切断機の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る卓上切断機の切断位置を示す左側面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る卓上切断機のターンテーブルの背面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る卓上切断機の丸鋸部の右側面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る卓上切断機の運搬時の状態を示す左側面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る卓上切断機の左側面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る卓上切断機のターンテーブルの背面図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る卓上切断機の左側面図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る卓上切断機のターンテーブルの背面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ベース
2 ターンテーブル
3 フェンス
4 ホルダシャフト
5 ホルダ
5a,5b ストッパ
6 レバー
7 ガイドバー
8 ヒンジ
9 サポート
10 ノブ
11 シャフト
12 丸鋸部
13 スプリング
14 鋸刃
15 鋸刃軸
16 ボルト
18 ローラ
20 ギヤケース
21 モータ
23 固定ピン
26 ハンドル
27 スイッチ
28 固定ノブ
29 ローラシャフト
30,31 ストッパボルト
32 ピン
33 ストッパボルト
35 加工材
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成19年3月16日(2007.3.16)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−221812(P2008−221812A)
【公開日】 平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願番号】 特願2007−67844(P2007−67844)