トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 木材計測切断具
【発明者】 【氏名】岡田 保

【要約】 【課題】罫書きを必要とせずに木板を所定長さに正確に切断することを可能にする手挽鋸用治具を提供する。

【解決手段】平坦な木材を所定長さに切断するために用いる計測切断具であり、長尺で平坦な本体2の上面に寸法目盛が記載されており、また該本体の一端には手挽鋸用治具3が、鋸板Sを鋸刃ガイドプレート32に沿わせて鋸引きした時の切断位置が該寸法目盛上で0位置となるように配置固定されている。本体2を切断しようとする木材の端面に沿わせて用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦な木材を所定長さに切断するために用いる計測切断具であり、長尺で平坦な本体の上面に寸法目盛が記載されており、また該本体の一端には手挽鋸用治具が、これを用いて鋸引きした時の切断位置が該寸法目盛上で0位置となるように配置固定するための治具ストッパーが取設されており、且つ該本体上をスライドし適宜位置で固定できる寸法決めストッパーを有するものであることを特徴とする木材計測切断具。
【請求項2】
該本体は、断面L字状である請求項1記載の木材計測切断具。
【請求項3】
該手挽鋸用治具は、直角に交わる二つの平面を持つ金属材の一方の平面は被加工木材上に置かれ、他方の平面の前面には鋸刃ガイドプレートが、鋸板を挿入し得る隙間を該前面と該鋸刃ガイドプレートとの間に形成する状態で取り付けられるよう構成されたものである請求項1又は2記載の木材計測切断具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、手挽鋸を用いて木材を所定長さに切断する際に、罫書きを必要とせず、正確な切断が約束される木材計測切断具の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
手挽鋸を用いて木板を所定長さに正確に切断することは、初心者にとって相当困難な作業である。困難にしている理由は幾つかある。まず、罫書き線を正確に描けないことがある。通常は所定長さに相当する箇所に1点印を付け、曲尺を用いて木材長手方向に直角な線を描いているが、初心者にあってはこの作業を正確にできないことがある。
【0003】
また、罫書き線が正確に描けてもこの線に忠実な鋸挽きができないことがある。鋸挽きは、鋸歯を木材に食い込ませた状態で鋸板を手前に引いて作業を開始するが、鋸を引くと鋸板が弾んで切削開始位置が移動してしまい所定位置に定まらないこと、鋸粉が罫書き線を覆い支障を来すこと、などを理由に線通りの鋸挽きができないことがある。更に、罫書き線から切断を開始できても鋸板を鉛直に維持できず厚みのある木材の場合切断面が斜めになってしまうことも多々ある。
【0004】
初心者にとって煩わしいこうした問題の中、鋸挽きを設定通りに進めることができないという点に関して本発明者は以前、案内板(鋸刃ガイドプレート)を具備する治具を切削位置に配置し、鋸板をこの案内板に添わせて前後動させれば、鋸板の弾みによる切削位置の乱れにも対応でき、且つ鉛直方向切断も熟練を要することなく確実にできることを見出した。それに基づき例えば特許文献1に示す如き構造の手挽鋸用治具を提案した。これは直角に交わる二つの平面を持つ金属材の一方の面を被加工木材上に置き、他方の面の前面に鋸板を挿入し得る隙間を設けた状態で鋸刃ガイドプレートを取り付け得るよう構成したものである。
【特許文献1】特開2004−82575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところがこの治具を用いてもなお、問題が一掃されたわけではない。例えば木工作業において、同一長さで複数の部品を切り出しておく工程が存在することは珍しいことではない。椅子やテーブルの脚等を切り出す場合その正確な寸法出しは、使用時のガタツキを無くす上でも必須の要件である。しかしその際重要となる「正確に罫書き線を描く」という点についてこの手挽鋸用治具は何ら貢献していない。勿論、同一長さ切断をする際には、切り出し個数分の罫書き線の描出が必要となるが、正確な描出が困難な初心者であれば当然寸法にバラツキが出てしまいがちとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は、この点に鑑み鋭意研究の結果、罫書き線の描出が不要であり、また熟達を要することなく所定位置での正確な切断を保証する切断具を開発したものであり、その特徴とするところは、平坦な木材を所定長さに切断するために用いる計測切断具であり、長尺で平坦な本体の上面に寸法目盛が記載されており、また該本体の一端には手挽鋸用治具が、これを用いて鋸引きした時の切断位置が該寸法目盛上で0位置となるように配置固定するための治具ストッパーが取設されており、且つ該本体上をスライドし適宜位置で固定できる寸法決めストッパーを有する点にある。
【0007】
即ち本発明は、手挽鋸用治具を用いることを前提とする切断具であり、本体が具備する寸法決めストッパーで切断長さを一旦決定すれば、被加工木材に本発明切断具を添わせるだけで、罫書き線を描くことなく正確な切り出しが可能となるものである。
【0008】
ここで「手挽鋸用治具」は、手挽鋸を所定の切削開始位置に正確に誘導すると共に、設定通りの切削が適うように鋸刃板の動きを規制させておく部材である。構造の詳細については本発明において限定するものではない。例えば、直角に交わる二つの平面を持つ金属材の一方の面は被加工木材上に置かれ、他方の平面の前面には鋸刃ガイドプレートが、鋸板を挿入し得る隙間を該前面と該鋸刃ガイドプレートとの間に形成する状態で取り付けられるよう構成された治具は、本発明の手挽鋸用治具として採用して好適なものである。なお手挽鋸用治具の「本体」(次述)への取設の方法についても限定はしない。
【0009】
本発明に係る木材計測切断具の「本体」は、上記手挽鋸用治具を固定支持するものであると同時に、「寸法目盛」が記載され、且つこの寸法目盛上をスライドし設定寸法位置で固定し得る「寸法決めストッパー」を有する部材である。寸法目盛の記載は、本体上に直接刻設記載するという方法、目盛が印刷されたプラスチックシール或いは金属プレート等を貼着するという方法、等々どのような方法で設けても良いものとする。本体の全体形状についても特に限定するものではないが、アングル状(断面L字状)とすると被加工木材の幅の長短に拘わらず、その長手方向端面にあてがい易い構造となり好適である。
【0010】
「寸法決めストッパー」は、本体上をスライドしつつ被加工木材の切削寸法位置では固定できる機能を有する部材である。ガタツキなくスライドさせ、且つ一旦固定した後には容易には移動しないことが望まれるわけであるがこのスライド機構、或いは切削寸法位置で固定させる機構について、特に限定しない。
本体上で固定された寸法決めストッパー位置と、同じく本体上に固定されている手挽鋸用治具の前端位置との距離が、切削しようとする寸法ということになる。位置決めストッパー裏面には木材端面に接当する部分を有しており、被加工木材に本発明木材計測切断具を置き、この接当部分を被加工木材の切削しない側の端面に接当させると、自動的に手挽鋸用治具にセットされる鋸刃位置は、設定寸法位置にあるということになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る木材計測切断具は、以下述べる如き効果を有する。
(1) 罫書きが不要である。
(2) 寸法決めストッパーによって一旦切削寸法を設定したら、複数枚の木材への同一寸法の切り出しが正確且つ容易に行なえる。
(3) 設定した切削位置から設定通りの切削をするように手挽鋸を保持する手挽鋸用治具を具備するので、切断端面に不揃いが生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図面に基づいて本発明をより詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明に係る木材計測切断具1(以下「本発明切断具1」という)の一例を示すものである。本例の本発明切断具1は、アルミニウム製アングル材を適当な長さに切断したものを材料とする本体2と、手挽鋸用治具3及び寸法決めストッパー4とにより構成されるものである。手挽鋸用治具3は、自身が有する二本の固定ネジ31と、本体2の一端に固着された固定具21によって正確に位置決めされた状態で固定される。寸法決めストッパー4は、本体2上をスムーズにスライドするものであり、その側面側に設けられた蝶ネジ41を締めることで適宜位置で固定できるという機能を有する。また本体2の上面には寸法目盛22が刻設されており、寸法決めストッパー4の固定位置はこの目盛22に基づいて決定される。
【0014】
図2(a)(b)は、それぞれ本例における寸法決めストッパー4の構造を明らかにした例であり、同図(a)は本体2を挿通させるL字孔42を設けた例、同図(b)は本体2の上面部全てと側面部の一部を挿通させるL字切欠45を設けた例を示す。蝶ネジ41用の螺合孔43は、同図(a)の場合にはL字孔42まで、同図(b)の場合にはL字切欠45にまで達している。そのため、寸法決めストッパー4を本体2にセットした状態で蝶ネジ41を締めると該ネジ41が本体2の側面を押圧し、その時生じる摩擦抵抗により位置固定を図ることができる。また寸法決めストッパー4は、本発明切断具1を被加工木材にセットしたときにこの木材の端面に接当する接当部44を有しており、被加工木材に本発明木材計測切断具を置き、この接当部分を被加工木材の切削しない側の端面に接当させると、手挽鋸用治具にセットされる鋸刃は、自動的に設定寸法位置にあるということになる。なお本例では寸法決めストッパー4の材質をアルミニウムとしたが、これに限定しない。
【0015】
図3は、本例における手挽鋸用治具3の一例を示すものである。本例における手挽鋸用治具3は、直角に交わる二つの平面p、qを持つ金属材31(アルミニウム製)の一方の平面pの前面に、鋸刃ガイドプレート32が取設されたものである。平面pとこの鋸刃ガイドプレート32とは、鋸板S(鎖線で示す)を挿入し得る隙間dを形成するよう配置されている。従って、手挽鋸用治具3の隙間dに鋸板Sをセットした状態で鋸を前後動させると、例え初心者であっても設定通りの切削ができることになる。
【0016】
最後に図4(a)(b)は、本発明切断具1を用いて被加工木材Wを設定寸法で切断している状態を概略的に示す正面bず及び平面図である。本発明切断具1は、設計された寸法を正確に切り出すものであり、この寸法に狂いを生じさせないために、被加工木材Wは正確な直方体のものを選択するのが好ましい。
【0017】
作業に際してはまず、寸法決めストッパー4をスライドさせ設定寸法位置に合わせ、その位置で蝶ネジ41を締め付ける。締め付けた状態で、寸法目盛22の目盛を目視できるので正確な切断が約束されている。
【0018】
次に、本発明切断具1を被加工木材W上に置き、該木材Wの切断しない側の端部に寸法決めストッパー4の接当部44を当てる。この時、本体2は断面がL字形のものであるので、被加工木材Wの長手方向の稜線に本体2の内側面を沿わせながらスライドさせると自動的に設定寸法位置にセットされることになる。
【0019】
そして、手挽鋸用治具3の隙間dに鋸板Sをセットし、切削作業を開始する。作業において鋸板Sは、手挽鋸用治具3によって可動域が制限されているため正確な切削作業が可能となるが、本発明切断具1が被加工木材W上を滑ることがないように、クランプC等で両者を固定しておくと好ましい。なお本例では同図(a)から明らかなように被加工木材Wの厚みが本発明切断具1の厚みよりも大きいものを示したが、薄いものであっても対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る木材計測切断具の一例を示す斜視図である。
【図2】(a)(b)は、それぞれ寸法決めストッパーの構造を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は他の例の断面図である。
【図3】手挽鋸用治具の一例の構造を示す斜視図である。
【図4】(a)(b)は、本発明に係る木材計測切断具を用いて被加工木材を設定寸法で切断している状態を概略的に示す、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 本発明に係る木材計測切断具
2 本体
21 固定具
22 寸法目盛
3 手挽鋸用治具
31 固定ネジ
32 鋸刃ガイドプレート
4 寸法決めストッパー
41 蝶ネジ
42 L字孔
43 螺合孔
44 接当部
45 L字切欠
S 鋸板
W 被加工木材
C クランプ
【出願人】 【識別番号】591043673
【氏名又は名称】株式会社岡田金属工業所
【出願日】 平成19年2月5日(2007.2.5)
【代理人】 【識別番号】100080724
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 久喜


【公開番号】 特開2008−188848(P2008−188848A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−24999(P2007−24999)