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【発明の名称】 卓上切断機
【発明者】 【氏名】松永 健一

【氏名】牛渡 繁春

【要約】 【課題】作業者が作業位置を変えずに済み、卓上切断機の構成が簡単な卓上切断機の提供。

【解決手段】卓上切断機は、ベース11と、ベース11と一体で設けられたテーブル12とを有するベース部10を備えている。テーブル12上面に設けられ加工部材の側面を支持可能なフェンス13は、フェンスシャフト13Aによってテーブル12に回動可能に支承されており、ベース部10の上面に沿って当該回動軸を中心として回動可能である。テーブル12には長孔10aが形成されており、長孔10aにはノブ13Cが貫通している。フェンス13は、ノブ13Cが長孔10a内を相対的に動ける範囲内で、フェンスシャフト13Aを回動軸としてテーブル12上において回動することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工部材を載置するベース部と、
切断刃を回転可能に支承する切断部と、
該ベース部の後部に立設し、該切断部を該ベース部上面に対して接近、離間する方向に揺動自在に支持するホルダと、
該ベース部上に立設し、回動軸を有し、該回動軸を中心として該ベース部の上面に沿って回動可能に該ベース部に支承され、該加工部材の側面を支持可能なフェンスと、
該フェンスと該ベース部との間に設けられ、該フェンスの回動角を所望の角度に位置決め可能な位置決め機構とを備えることを特徴とする卓上切断機。
【請求項2】
該ホルダは、該切断刃の側面に垂直な方向に傾動可能に該ベース部に支持されていることを特徴とする請求項1記載の卓上切断機。
【請求項3】
該ベース部はベースとターンテーブルとを備え、該ターンテーブルは該ベース上に支持されて該ベースと共に該加工部材を支持し、該ターンテーブルは該ベースに対して回動可能であり、該フェンスは該ベースに回動可能に支承されていることを特徴とする請求項1記載の卓上切断機。
【請求項4】
該ホルダは、一端側において該ベース部に支持され、他端側には、該切断部を該切断刃の側面に沿った方向に移動させるように該切断部を支持する切断部支持部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の卓上切断機。
【請求項5】
該フェンスと該ベース部との間には、該フェンスの回動角を微調整する微調整機構が設けられていることを特徴とする請求項1記載の卓上切断機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース部上面に加工部材を載置して切断刃を上下揺動させて加工部材を切断する卓上切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
ベース部上に加工部材を載置して切断刃を上下に揺動させることにより加工部材を切断する卓上切断機が従来より知られている。この構成の卓上切断機はベース部とヘッド部たる切断部とを有し、ベース部はベースとターンテーブルとを有する。ターンテーブル上面には加工部材たる木材が設置される。切断部はモータと丸のこ刃とを備えており、モータにより駆動される丸のこ刃が回転することで木材が切断されるように構成されている。また、切断部は、ターンテーブルの後部に立設したホルダにより支持されており、ベース部上面に対して接近、離間する方向に揺動自在である。このような卓上切断機は、例えば特開平11−170214号公報(特許文献1)に記載されている。
【特許文献1】特開平11−170214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の卓上切断機では、丸のこ刃の側面に対してベース部上面上において加工部材を所望の角度に回動させて加工部材の切断を行う際には、ターンテーブルを回動させることによりこの回動を行っていた。このため、ターンテーブルとともに、ホルダとホルダに支持され丸のこ刃を有する切断部とを一体で回動させており、加工部材の切断作業を行う作業者はターンテーブル及び切断部の回動に伴い、回動後の丸のこ刃の側面の略仮想延長面の位置に移動して作業を行う必要があった。
【0004】
また、ターンテーブルとともに、ホルダとホルダに支持され丸のこ刃を有する切断部とを一体で回動させる構成とする必要があったため、当該一体で回動する部分が多く、卓上切断機の構成が複雑になっていた。
【0005】
そこで本発明は、作業者が作業位置を変えずに済み、卓上切断機の構成が簡単な卓上切断機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、加工部材を載置するベース部と、切断刃を回転可能に支承する切断部と、該ベース部の後部に立設し、該切断部を該ベース部上面に対して接近、離間する方向に揺動自在に支持するホルダと、該ベース部上に立設し、回動軸を有し、該回動軸を中心として該ベース部の上面に沿って回動可能に該ベース部に支承され、該加工部材の側面を支持可能なフェンスと、該フェンスと該ベース部との間に設けられ、該フェンスの回動角を所望の角度に位置決め可能な位置決め機構とを備える卓上切断機を提供している。
【0007】
ベース部上に立設し、回動軸を有し、回動軸を中心としてベース部の上面に沿って回動可能にベース部に支承され、加工部材の側面を支持可能なフェンスと、フェンスとベース部との間に設けられ、フェンスの回動角を所望の角度に位置決め可能な位置決め機構とを備えているため、フェンスの回動角度を変えて位置決めすることにより、ベース部上面上において切断刃の側面に対する加工部材の回動角度を変えることができる。このため、切断部の側面を所定の仮想平面上において、ベース部上面に対して接近、離間する方向に揺動させる構成とすることができ、卓上切断機を操作して作業をする作業者は、作業位置を変えずに加工部材の切断作業を行うことができる。
【0008】
また、ベース部がベースとターンテーブルとを有しターンテーブルと一体で切断部が回動する従来の卓上切断機と比較して、回動する部分をフェンスのみとすることができ、ターンテーブルをベース部に設けずに済み、また、ターンテーブルと一体で切断部を回動可能な構成とせずに済み、卓上切断機の構成を簡単にすることができる。
【0009】
ここで、該ホルダは、該切断刃の側面に垂直な方向に傾動可能に該ベース部に支持されていることが好ましい。ホルダは、切断刃の側面に垂直な方向に傾動可能にベース部に支持されているため、切断刃を傾斜させた状態で加工部材を切断するいわゆる傾斜切りを行うことができる。
【0010】
また、該ベース部はベースとターンテーブルとを備え、該ターンテーブルは該ベース上に支持されて該ベースと共に該加工部材を支持し、該ターンテーブルは該ベースに対して回動可能であり、該フェンスは該ベースに回動可能に支承されていることが好ましい。
【0011】
ベース部はベースとターンテーブルとを備え、ターンテーブルはベース上に支持されてベースと共に加工部材を支持し、ターンテーブルはベースに対して回動可能であり、フェンスはベースに回動可能に支承されているため、ターンテーブルの回動とフェンスの回動との両方を利用することにより、切断刃の側面に対する加工部材の回動可能な角度の範囲を広くすることができる。例えば、ターンテーブルの最大回動角度は45度であり、フェンスの最大回動角度が30度である場合には、切断刃の側面に対して最大で75度まで加工部材を回動させることができるようになる。
【0012】
また、該ホルダは、一端側において該ベース部に支持され、他端側には、該切断部を該切断刃の側面に沿った方向に移動させるように該切断部を支持する切断部支持部が設けられていることが好ましい。
【0013】
ホルダは、一端側においてベース部に支持され、他端側には、切断部を切断刃の側面に沿った方向に移動させるように切断部を支持する切断部支持部が設けられているため、切断部を切断刃の側面に沿った方向に移動させることで、比較的切断刃の側面の方向に幅の長い加工部材を切断することができる。
【0014】
また、該フェンスと該ベース部との間には、該フェンスの回動角を微調整する微調整機構が設けられていることが好ましい。
【0015】
フェンスとベース部との間には、フェンスの回動角を微調整する微調整機構が設けられているため、切断刃の側面に対する加工部材の回動角度を高い精度で所望の角度とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上より本発明は、作業者が作業位置を変えずに済み、卓上切断機の構成が簡単な卓上切断機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の第1の実施の形態による卓上切断機について図1乃至図7に基づき説明する。卓上切断機1は、図1に示されるように、ベース部10と切断部30とを有しており、ベース部10はベース11と、ベース11と一体で設けられたテーブル12とを有している。テーブル12の上面には、木材等の加工部材Wを載置可能である。テーブル12の上面はベース部10の上面に相当する。
【0018】
テーブル12上面には、図4に示されるように、加工部材Wの側面を支持する一対のフェンス13、13が、所定の距離で離間して図4の左右方向に延出して立設されている。一対のフェンス13はベース部10の略中央の位置において互いに一体に連結されており、テーブル12上面において一直線状をなしている。一対のフェンス13を互いに連結する連結部分は、フェンスシャフト13Aによってテーブル12に回動可能に支承されており、一対のフェンス13は、フェンスシャフト13Aを回動軸として、ベース部10の上面に沿って当該回動軸を中心として回動可能である。一対のフェンス13の側面13Bは、加工部材Wの側面を支持可能である。
【0019】
テーブル12の部分であって、一対のフェンス13のうちの図4の右側のフェンス13の延出方向における略中央に対向する位置には、長孔10aが形成されている。長孔10aは、テーブル12上においてフェンス13の回動軸たるフェンスシャフト13Aを中心として円弧を描くようにして、図4に示されるように、加工部材Wの側面に当接するフェンス13の側面13Bが後述の丸のこ刃31に垂直をなす状態から、時計方向へ57°程度、反時計方向へ45°程度の範囲で形成されている。フェンスシャフト13Aは、丸のこ刃31の側面の仮想延長面上に配置されている。
【0020】
長孔10aには、図7に示されるようにノブ13Cが貫通しており、ノブ13Cは、フェンス13に形成された貫通孔13aをも貫通している。そしてノブ13Cの一端にはピース13Dが螺合しており、他端にはレバー13Eが設けられている。レバー13Eを回動してノブ13Cを緩めると、フェンス13は、ノブ13Cが長孔10a内を相対的に動ける範囲内で、フェンスシャフト13Aを回動軸としてテーブル12上において回動可能である。フェンス13を所望の角度に回動させた後でレバー13Eを回動してノブ13Cを締め付けると、レバー13Eとピース13Dとの間でテーブル12とフェンス13とを締め付けることができ、フェンス13を当該所望の回動角度で位置決めして一時的に回動不能に固定することができる。
【0021】
テーブル12の縁部には、図4等に示されるように、回動角度目盛12Aが設けられている。回動角度目盛12Aは、図4に示されるように略円形状をなすテーブル12の縁部の直径方向位置に一対設けられており、図の右側の回動角度目盛12Aの方が図の左側の回動角度目盛12Aよりも間隔が細かく構成されている。従って、詳細にフェンス13の回動角度を認識したい場合には、右側の目盛においてフェンス13の回動角度を読取るようにし、粗くフェンス13の回動角度を認識したい場合には、左側の目盛においてフェンス13の回動角度を読取るようにすることができる。
【0022】
テーブル12の上面中央であって一対のフェンス13、13の間の位置且つフェンスシャフト13Aよりも図4の下側の位置には、後述のように切断刃たる丸のこ刃31が下方に揺動したときに、テーブル12上面よりも鉛直下方へ侵入可能な溝12aが形成されている。溝12aの両側には刃口板14、15が設けられている。
【0023】
テーブル12後端、即ち、図1に示されるベース11の左端にはホルダ40が立設されている。ホルダ40の下端は、テーブル12から図1の左方向へ延出するホルダシャフト21によって支承されている。ホルダシャフト21の軸心をテーブル12上面とほぼ一致させることで、ホルダ40はホルダシャフト21を回動支点としてテーブル12の上面に対して左右傾斜自在となっている。ホルダシャフト21はホルダ40に図示せぬネジ等によって固定されており、ホルダ40を傾斜させると傾動の軸となるホルダシャフト21もホルダ40と一体回転する。
【0024】
テーブル12上面後方には、図2に示されるように、後述のストッパ40a、40bの移動軌跡上に位置するように角度調整部材であるストッパボルト23、24が鉛直方向に螺合して設けられている。また、テーブル12の後部には、図1に示されるように、テーブル12から上方へ立設する立設部12Bが設けられている。
【0025】
立設部12Bには、図2に示されるように、ホルダシャフト21を中心とする略円弧状の長穴12bが形成されている。長穴12bにはクランプレバー26(図2)が貫通しており、クランプレバー26の先端に設けられた図示しないねじ部がホルダ40背面に形成されたねじ穴部に螺合している。クランプレバー26を緩めると、ホルダ40はホルダシャフト21を支点としてクランプレバー26が長穴12bの範囲内で相対的に移動できる範囲で傾動可能となる。ホルダ40が任意の角度に傾斜しているときに、クランプレバー26を締め付けると、クランプレバー26とホルダ40間でテーブル12の立設部12Bが締め付けられ、ホルダ40は傾動不能に固定される。なお、長穴12bは、図2に示されるように、ホルダ40がテーブル12上面に対して垂直の状態から左側へ45°程度傾動できる範囲内で形成されている。
【0026】
ホルダ40は、図2に示すように、卓上切断機1の左右方向における中心部から右上方に向かって斜めに延出しており、延出端には第1端部保持部材52(図1)が設けられている。第1端部保持部材52には、前後方向に指向する鉄製の中空のパイプ50、51がそれぞれ合計で2本保持されている。
【0027】
2本のパイプ50、51は、図1に示されるように、一端がそれぞれ後述の第2端部保持部材53によって覆われて保持され、他端がそれぞれ前述の第1端部保持部材52によって覆われて保持されることにより略平行に配置されて一対をなし、この一対のパイプ50、51の軸心を含む仮想平面は、図2の左右方向に延出して設けられた後述の切断部30の揺動軸32に対して略直交する位置関係とされている。一対のパイプ50、51の一端側の部分は、後述の摺動支持部36の図示せぬ貫通孔を貫通しており、第1端部保持部材52に保持されているパイプ50、51の端部側と反対の端部側には、後述のように切断部30が摺動支持部36を介してパイプ50、51によって支持されている。
【0028】
丸のこ刃31を備える切断部30は、図1に示すように、後述の丸のこ刃31の回転軸31Aに平行に配置された揺動軸32を有している。切断部30は、揺動軸32を境として一端側は摺動支持部36を備え、他端側に丸のこ刃31等を備えている。摺動支持部36には、前後方向に指向する2つの図示せぬ貫通孔が形成されている。パイプ50、51、ホルダ40、摺動支持部36は切断部支持部に相当する。
【0029】
摺動支持部36の図示せぬ貫通孔は、前後方向に垂直な面で切った断面が略円形状をしており、一対のパイプ50、51がそれぞれ貫通している。パイプ50、51の外径はそれぞれ図示せぬ貫通孔の内径よりも小さく、一対のパイプ50、51は、それぞれ図示せぬ貫通孔内でその軸方向に摺動可能である。図示せぬ貫通孔の指向する方向、即ち、パイプ50、51の摺動方向は、揺動軸32に対して略直交する方向に一致している。
【0030】
一対のパイプ50、51は、一端側において摺動支持部36を介して切断部30を支持している。図示せぬ貫通孔は鉛直上下方向に配置されているため、一対のパイプ50、51の軸心を含む仮想平面は、丸のこ刃31の揺動方向と略平行な位置関係とされている。一対のパイプ50、51に対して摺動支持部36が摺動することにより、揺動軸32に対して略直交する方向に丸のこ刃31が移動可能である。
【0031】
また、ホルダ40のベース部10に近い基端部には、ホルダ40の傾斜角度を規制するための位置決め手段であるストッパ40a、40bが形成されている。ホルダ40と共に切断部30を、クランプレバー26の軸を中心として左に傾動させてゆくと、所定の傾斜角度でストッパ40aがストッパボルト23の頭部に当接し、これによってホルダ40及び切断部30の傾斜角度が規制されるように構成されている。この状態からホルダ40と共に切断部30を、クランプレバー26の軸を中心として右に傾動させてゆくと、丸のこ刃31の側面がテーブル12の上面に対して垂直になったときにストッパ40bがストッパボルト24の頭部に当接し、これによってホルダ40及び切断部30の傾斜角度が規制されるように構成されている。
【0032】
丸のこ刃31は、切断部30に設けられた切断部ハウジング30A内において回転軸31Aを中心に回転可能に支承されている。丸のこ刃31の上部は切断部ハウジング30A内に収容されており、丸のこ刃31の下部は切断部ハウジング30Aから下方へ向けて切断部ハウジング30Aの外部へ露出している。
【0033】
切断部30の上部には、図1に示すようにハンドル37が設けられており、卓上切断機1の作業者がハンドル37を握って揺動軸32を中心として切断部30を揺動することができるように構成されている。切断部30は、図示せぬリターンスプリングによって上方へと常時付勢されている。このため、非切断時に卓上切断機1の作業者によって切断部30が下方へ押圧されていないときには、図1、図2等に示すように、図示せぬストッパ機構によって最も鉛直上方に位置するように構成されている。切断部30の切断部ハウジング30A内には図示せぬ電源と図示せぬモータとが設けられており、図示せぬ電源から図示せぬモータへ電力が供給されて駆動する図示せぬモータの駆動力により丸のこ刃31が回転するように構成されている。
【0034】
卓上切断機1の切断部30を垂直切断位置に設定して加工部材Wを切断する際には、先ず、レバー13Eを回動させてノブ13Cを緩め、図4に示される状態からフェンス13を所望の角度、例えば図5に示されるような時計方向へ45°の角度へと回動させる。次に、レバー13Eを回動させてノブ13Cを締め、フェンス13をテーブル12に対して固定し、加工部材の側面をフェンス13の側面13Bに当接させる。次に、ストッパボルト24の先端をストッパ40bに当接させて、ホルダ40及び切断部30をテーブル12上面に対して垂直とし、クランプレバー26を締めホルダ40の傾斜位置を固定する。
【0035】
次に、加工部材Wを切断するために、ハンドル37に設けたスイッチ37Aを押して図示せぬモータを回転駆動させると、丸のこ刃軸34Aを中心として丸のこ刃31が回転する。この状態で、ハンドル37を握り図示せぬリターンスプリングの付勢力に抗して切断部30を押し下げて揺動させ、加工部材Wを切断する。
【0036】
フェンス13はテーブル12上において回動可能であるため、フェンス13の回動角度を変えることにより、テーブル12上面上において丸のこ刃31の側面に対する加工部材Wの回動角度を変えることができる。このため、丸のこ刃31の側面を所定の仮想平面上において、テーブル12上面に対して接近、離間する方向に揺動させる構成とすることができ、卓上切断機1を操作して作業をする作業者は、作業位置を変えずに加工部材Wの切断作業を行うことができる。
【0037】
また、ベース部がベースとターンテーブルとを有しターンテーブルと一体で切断部が回動する従来の卓上切断機と比較して、回動する部分をフェンス13のみとすることができ、ターンテーブルをベース部に設けずに済み、また、ターンテーブルと一体で切断部を回動可能な構成とせずに済み、卓上切断機1の構成を簡単にすることができる。ホルダ40は、丸のこ刃31の側面に垂直な方向に傾動可能にベース部10に支持されているため、丸のこ刃31を傾斜させた状態で加工部材Wを切断するいわゆる傾斜切りを行うことができる。
【0038】
次に、本発明の第2の実施の形態による卓上切断機について図8に基づき説明する。第2の実施の形態による卓上切断機101には微調整機構が設けられている点で第1の実施の形態による卓上切断機1とは異なる。また、比較的よく使用される所定の回動角度においてフェンス13を一時的に固定して回動不能とする所定回動角度位置決め機構が設けられている点で、第1の実施の形態による卓上切断機1とは異なる。これ以外の構成については、第1の実施の形態による卓上切断機1と同一であり、同一の部材については同一の符号を付して説明する。
【0039】
微調整機構は、ラック10Aとピニオン118とを有しており、ラック10Aは、図8に示されるようにテーブル12において、長孔10aよりもフェンスシャフト13Aの半径方向内方に形成された円弧形状をなす内側長孔10bに設けられている。より具体的には、円弧形状をなす内側長孔10bの半径方向外方よりの壁面に沿って設けられている。ピニオン118は、フェンス13の一部であってノブ13Cが設けられている位置よりもフェンスシャフト13A寄りであって内側長孔10bに対向する位置に、回転軸がフェンスシャフト13Aと平行な位置関係となるように、フェンス13に対して回動可能に設けられている。ピニオン118はラック10Aに噛合しており、ピニオン118の回転軸は内側長孔10bを貫通し、その先端には回転つまみ118Aが設けられている。回転つまみ118Aを回転させることにより、高い精度でフェンス13の回動角度を所望の角度とすることができる。
【0040】
所定回動角度位置決め機構は、フェンス13を貫通するピン119と、ピン119が係合可能なピン係合穴10cとからなる。ピン119は、図8に示されるように、一対のフェンス13、13のうちの微調整機構が設けられている側とは反対の側である左側に設けられており、ピン119の軸はフェンスシャフト13Aと平行をなしている。ピン係合穴10cは、ピン119の先端に係合可能な位置であって、比較的頻繁に回動させられる所定角度、例えば45°等の位置においてピン119の先端と対向する位置に形成されている。
【0041】
所望の角度に高い精度でフェンス13を回動させる際には、先ず、レバー13Eを回動させてノブ13Cを緩め、フェンス13を略所望の角度へと回動させる。次に、図の右側の回動角度目盛12Aを見ながら回転つまみ118Aを回転させて、正確に所望の回動角度とする。そして、レバー13Eを回動させてノブ13Cを締め、フェンス13をテーブル12に対して固定する。
【0042】
45°等の所定角度にフェンス13を回動させ位置決めする際には、先ず、レバー13Eを回動させてノブ13Cを緩め、ピン119を鉛直上方、即ち、テーブル12上面に対して垂直の方向へ引き上げて、ピン119がピン係合穴10cに係合していない状態とする。次に、フェンス13を45°等の所定回動角度へと回動させ、ピン119をピン係合穴10cに係合させ、フェンス13をテーブル12に対して固定する。
【0043】
次に、本発明の第3の実施の形態による卓上切断機について図10に基づき説明する。第3の実施の形態による卓上切断機201にはターンテーブル212が設けられている点で第1の実施の形態による卓上切断機1とは異なる。また、第2形態による卓上切断機101の所定回動角度位置決め機構と同様の所定回動角度位置決め機構が設けられている点で第1の実施の形態による卓上切断機1とは異なる。これ以外の構成については、第1の実施の形態による卓上切断機1と同一であり、同一の部材については同一の符号を付して説明する。
【0044】
卓上切断機201はベース部210を有しており、ベース部210はベース211とターンテーブル212とを有している。図10に示されるように、ターンテーブル212はベース211の中央に埋設されており、ターンテーブル212はベース211により水平方向へ回動自在、即ち、略鉛直方向へ指向しフェンスシャフト13Aと一致する回転軸を中心に回転自在に支持されている。ターンテーブル212の上面は、ベース211の上面と同一面となっており、ベース211及びターンテーブル212の上面には木材等の加工部材を載置可能である。ターンテーブル212の上面及びベース211の上面はベース部210の上面に相当する。
【0045】
ベース211の部分であって一対のフェンス13の延出方向における略両端近傍の位置には、長穴210aが形成されている。長穴210aは、ベース211上においてフェンス13の回動軸たるフェンスシャフト13Aを中心として円弧を描くようにして、図10に示されるように、加工部材の側面に当接するフェンス13の側面13Bが後述の丸のこ刃31に垂直をなす状態から、時計方向へ15°程度、反時計方向へ15°程度の範囲で形成されている。
【0046】
長穴210aには、第1の実施の形態と同様にノブ13Cが貫通しており、ノブ13Cは、フェンス13に形成された貫通孔をも貫通している。そしてノブ13Cの先端には、第1の実施の形態と同様に図示せぬピースが螺合しており、他端にはレバー13Eが設けられている。レバー13Eを回動してノブ13Cを緩めると、フェンス13は、ノブ13Cが長穴210a内を相対的に動ける範囲内で、フェンスシャフト13Aを回動軸としてテーブル212上において回動可能である。フェンス13を所望の角度に回動させた後でレバー13Eを回動してノブ13Cを締め付けると、レバー13Eと図示せぬピースとの間でテーブル212とフェンス13とを締め付けることができ、フェンス13を当該所望の回動角度で位置決めして一時的に回動不能に固定することができる。
【0047】
ベース部210はベース211とターンテーブル212とを備え、ターンテーブル212はベース211上に支持されてベース211と共に加工部材を支持し、ターンテーブル212はベース211に対して回動可能であり、フェンス13はベース211に回動可能に支承されているため、ターンテーブル212の回動とフェンス13の回動との両方を利用することにより、丸のこ刃31の側面に対する加工部材の回動可能な範囲をより広くすることができる。即ち、ターンテーブル212の最大回動角度は時計方向へ45°、反時計方向へ57°であり、フェンス13の最大回動角度は時計方向及び反時計方向へ15°であり、従って、丸のこ刃31の側面に対して最大で60°〜72°までフェンス13の側面13B及び加工部材を回動させることができる。
【0048】
本発明による卓上切断機は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、第1、第2の実施の形態では、長孔10aはテーブル12の右側にのみ形成され、レバー13Eが設けられたノブ13Cも当該テーブル12の右側に相当するフェンス13の部分にのみ設けられていたが、図11、図12に示されるように、テーブル12の左側にも設けるようにしてもよい。このような構成とすることにより、フェンス13をより安定してテーブル12に対して固定することができる。
【0049】
また、ホルダ40及び切断部30は、図2の左方向にのみ傾斜可能であったが、左右両方に傾斜可能であってもよく、また、右方向にのみ傾斜可能であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態による卓上切断機を示す側面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態による卓上切断機を示す正面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態による卓上切断機を示す平面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態による卓上切断機のテーブルを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態による卓上切断機のテーブルを示す平面図。
【図6】図4のVI−VI線に沿った要部断面図。
【図7】図4のVII−VII線に沿った要部断面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態による卓上切断機のテーブルを示す平面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態による卓上切断機の微調整機構を示す要部断面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態による卓上切断機のベース部を示す平面図。
【図11】本発明の第1の実施の形態による卓上切断機のテーブルの変形例を示す平面図。
【図12】本発明の第2の実施の形態による卓上切断機のテーブルの変形例を示す平面図。
【図13】本発明の第2の実施の形態による卓上切断機のテーブルの変形例の位置決め機構を示す要部断面図。
【符号の説明】
【0051】
1・・・卓上切断機 10、210・・・ベース部 10A・・・ラック 11、211・・・ベース 12、212・・・テーブル 13・・・フェンス 13A・・・フェンスシャフト 13C・・・ノブ 13E・・・レバー 30・・・切断部 31・・・丸のこ刃 36・・・摺動支持部 40・・・ホルダ 50、51・・・パイプ 118・・・ピニオン W・・・加工部材
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成19年1月30日(2007.1.30)
【代理人】 【識別番号】100094983
【弁理士】
【氏名又は名称】北澤 一浩

【識別番号】100095946
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 伸

【識別番号】100099829
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 朗子

【識別番号】100135356
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 邦彦


【公開番号】 特開2008−183816(P2008−183816A)
【公開日】 平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願番号】 特願2007−19537(P2007−19537)