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【発明の名称】 携帯丸鋸
【発明者】 【氏名】青山 修司

【要約】 【課題】ブレードケースの前側を中心にして上下に傾動させることによりブレードの切り込み深さを調整可能なタイプの携帯丸鋸において、ブレードのベース案内面に対する平行度を調整するための平行度微調整機構における従来のがたつき等の問題を解消する。

【解決手段】ブレードケース22の背面22a後部に沿って切り込み深さ調整用のデプスガイド15が配置されたタイプの携帯丸鋸1において、ブレードケース22の後部にケース固定ボルト31を設け、このケース固定ボルト31を介してブレードケース22の後部をデプスガイド15に固定する構成であり、ケース固定ボルト31をその軸方向に位置調整してブレードケース22の後部側をブレード面直方向に位置調整して平行度を調整する構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断材に当接させるベースと、該ベースの上面側に支持され、円形のブレードを該ベースの下面側に突き出させた切断機本体を備えた携帯丸鋸であって、
前記切断機本体は、前記ブレードの上部を覆うブレードケースを備え、該ブレードケースの前部は前記ベースに対して上下に傾動可能に支持されて前記ブレードの切り込み深さを調整可能とされており、前記ブレードケースの後部は前記ベースに設けた切り込み深さ調整用のデプスガイドに対して上下に位置変更可能に支持されており、前記デプスガイドと前記ブレードケースの背面との間に、該ブレードケースの後部を前記デプスガイドに対して前記ブレードの面直方向に位置変更するための平行度調整機構を介在させた携帯丸鋸。
【請求項2】
請求項1記載の携帯丸鋸であって、前記平行度調整機構は、前記ブレードケースの背面から前記ブレード面直方向に突き出すケース固定ボルトを備えており、該ケース固定ボルトを前記デプスガイドのガイド孔に挿通して、そのねじ軸部にレバーを締め付けて前記デプスガイドに対する前記ブレードケースの傾動位置を該ケース固定ボルトを介して固定して前記ブレードの切り込み深さを固定可能であるとともに、前記ケース固定ボルトをその軸方向に位置調整して前記デプスガイドに対する前記ブレードケースのブレード面直方向の位置を調整することにより、前記ブレードの前記ベース側の案内面に対する平行度を調整可能な構成とした携帯丸鋸。
【請求項3】
請求項2記載の携帯丸鋸であって、前記ケース固定ボルトが付勢部材によりその軸方向一方側に付勢されており、該付勢力に抗して前記軸方向他方側に移動させるための調整ねじを備えた携帯丸鋸。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、使用者が手に持って切断方向に移動させながら円形のブレード(鋸刃)を回転させて切断材を切断する携帯丸鋸に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の携帯丸鋸は、切断材の上面に当接させるベースと、ベースの上面に支持した丸鋸本体を備えるもので、丸鋸本体のブレードをベース下面側に突き出させた構成を備えている。この携帯丸鋸は、使用者が切断進行方向に直進させて、ベース下面側に突き出したブレードを切断材に切り込んで切断していく。
このように携帯丸鋸は、使用者が直進させて切断材を真っ直ぐに切断するもので、従来よりこれを精確に行うために、この種の携帯丸鋸ではベースの側端部を案内面とし、これを別途用意した定規に摺接させる等して使用者が楽に直進させることができるようになっている。
一方、この直進案内機構では、ベース端部の案内面とブレードとが精確に平行になっている必要があるが、各部の寸法誤差や使用中のがたつき等によりブレードの直進性(ブレードとベース案内面との平行度)が低下する場合がある。従来、この直進性を維持するために、ブレードとベース案内面との平行度を調整するための機構を備えたものが提供されている。
従来、例えば下記の特許文献1〜3には、この平行度調整機構に関する技術が記載されている。特許文献1に開示された技術は、ベースに対して前後2カ所で丸鋸本体が支持されて切断進行方向前側の支持部を中心して上下に傾動させて切り込み深さを調整可能とした構成の携帯丸鋸の場合に、上記前側の支持部において丸鋸本体のベースに対するブレード面直方向(切断進行方向に直交する方向)に位置調整可能とすることにより、ベース翼端の案内面に対するブレードの平行度を調整可能な構成となっている。
逆に特許文献2に開示された技術は、切り込み深さ調整可能な携帯丸鋸の場合に、丸鋸本体のベースに対する後ろ側の支持部において相対位置を変化させることにより、ブレードのベース案内面に対する平行度を調整可能な構成となっていた。
さらに、特許文献3に開示された技術は、ベースの側端部に沿って配置した案内部材を、その前側でブレード面直方向に傾動可能に支持して、ブレードに対する当該案内部材の平行度を調整可能な構成となっている。
【特許文献1】特開平10−296701
【特許文献2】特開平9−174502
【特許文献3】特開2002−113701
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の平行度調整機構には、それぞれ次のような解決すべき問題があった。特許文献1に開示された平行度調整機構は、丸鋸本体のベースに対する前側の支持部(傾動支持部)においてブレード面直方向の相対位置を変化させる調整代として隙間を設定した構成であったので、この隙間分だけ丸鋸本体のがたつきを発生しやすい問題があった。
また、特許文献2に開示された平行度調整機構は、ブレードケースの後部側を支持する帯板状の支持部材であってブレードケースの後部内面に沿って配置された切り込み深さ調整用のいわゆるデプスガイドをブレード面直方向に変位させてブレードのベース案内面に対する位置(平行度)を調整する構成となっていた。ところが、このデプスガイドは、ブレードを切断進行方向に対して左右に傾斜させて行ういわゆる傾斜切りを可能とするためにベースに対して切断進行方向左右に傾動可能に支持されているため、当該平行度を調整すると傾斜切りのための角度がばらついて精確な傾斜切りを行うことができなくなってしまう問題があった。
さらに、特許文献3に開示された平行度調整機構では、案内部材をベース側端部から張り出す方向に移動させる側については位置調整可能であるが、その反対側へは調整できない問題があった。
本発明は、これら従来の問題を解消するためになされたもので、いわゆるデプスガイドがブレードケースの後部内面ではなく背面外側に沿って配置されたタイプの携帯丸鋸であって、丸鋸本体のベースに対する切断進行方向後ろ側の支持部において両者を相対変位させて、ブレードの平行度を調整可能とした携帯丸鋸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このため、本発明は、特許請求の範囲の各請求項に記載した構成の携帯丸鋸とした。
請求項1記載の携帯丸鋸によれば、切り込み深さ調整用のデプスガイドがブレードケースの背面後部側に沿って配置されており、このデプスガイドとブレードケースとの間に配置された平行度調整機構により、ブレードケースの後部をブレード面直方向に移動させることによりブレードのベース案内面に対する平行度を調整することができる。
前記特許文献1に記載された従来構成による場合のようにブレードケースの切断進行方向前側の傾動支持部を変位させる構成ではなく、後ろ側をブレード面直方向に移動させる構成であることから、前側の傾動支持部に調整代としてのがたつきを設定しておく必要がなく、従って切断機本体のがたつきを発生することがない。
また、前記特許文献2に記載された従来構成による場合のようにブレードケースの左右傾動中心を変位させる構成でないので、いわゆる傾斜切りを精確な角度で行うことができる。
さらに、前記特許文献3に記載された従来構成による場合のように、ベースの片側に取り付けた調整機構によるのではなく、ブレードケースをブレード面直方向に変位させることによりブレードのベース案内面に対する平行度を調整する構成であるので、案内面をベースのいずれの側に設定した場合、あるいは両側に設定した場合であっても対応することができる。
請求項2記載の携帯丸鋸によれば、ブレードケースの背面後部からブレード面直方向に突き出されたケース固定ボルトの当該ブレードケースに対する軸方向の位置を調整してその突き出し量を変化させることにより、デプスガイドに対するブレードケースのブレード面直方向の位置が調整され、ひいてはブレードのベース案内面に対する平行度を調整することができる。
請求項3記載の携帯丸鋸によれば、調整ねじを付勢部材の付勢力に抗して締め付けることによりケース固定ボルトをその軸方向他方側に移動させることができる。逆に、調整ねじを緩めるとケース固定ボルトが付勢部材の付勢力によってその軸方向一方側に戻される。このことから、ケース固定ボルトの軸方向両方向についての位置、ひいてはブレードのベース案内面に対する平行度をより細かく精確に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
次に、本発明の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る携帯丸鋸を示している。この携帯丸鋸1は、切断材Wの上面に当接させる矩形のベース10と、このベース10の上面側に支持した丸鋸本体20を備えている。
また、この携帯丸鋸1は、丸鋸本体20のブレード21と、ベース10の側端部に設定した案内面11との平行度を調整するための機構(平行度調整機構30)を備えている。本実施形態に係る携帯丸鋸1は、この平行度調整機構30について特徴を有するものであり、その他携帯丸鋸としての基本的構成は従来公知のものと同様であって本実施形態において特に変更を要しないが、以下簡単に説明する。
先ず、丸鋸本体20は、円形のブレード(鋸刃)21と、これの上側ほぼ半周の範囲の周縁を覆うブレードケース22を備えている。ブレードケース22の切断進行方向前部と後部の二箇所がベース10に対して支持されている。
このブレードケース22の切断進行方向前側(図1において右側)には、支持部22cが設けられている。この支持部22cが、ベース10の上面に支持した傾動支持ブラケット12の支軸13を介して上下に傾動可能に支持されている。これによりブレードケース22が支軸13を中心にして上下に傾動可能に支持され、従って丸鋸本体20が支軸13を中心にして上下に傾動可能となっている。丸鋸本体20の支軸13を中心とする傾動位置を調整することにより、ブレード21のベース10の下面側への突き出し量を変化させることができ、従ってその切断材Wに対する切り込み深さを調整することができる。
ブレード21のベース10の下面側に突き出した部分は、開閉式のカバー28によって覆われている。このカバー28はブレード21の回転中心を中心してブレードケース22に回動可能に支持されて、閉じ方向にばね付勢されている。図2に示すように携帯丸鋸1の切断進行方向への移動によりこのカバー28が徐々に開かれてブレード21が露出され、この露出部分が切断材Wに切り込まれていく。
【0006】
ブレードケース22の切断進行方向の後部側(図1において左側)は、デプスガイド15を介してベース10側に支持されている。デプスガイド15は、図2に示すように幅方向に円弧形状に湾曲する帯板形状の部材で、ベース10の上面から上方へ立ち上がり、かつブレードケース22の背面22aに沿った状態に固定されている。
このデプスガイド15には、ブレード21の切り込み深さの調整代に対応して円弧形状に湾曲したガイド孔15aが設けられている。このガイド孔15aは、丸鋸本体20の傾動中心である支軸13を中心とする円弧に沿って形成されている。このガイド孔15aは、ブレード21の面直方向(ブレード面直方向)に貫通する状態に設けられている。この明細書において、ブレード面直方向とは、切断進行方向に直交する方向であり、円形平板形状のブレード21に直交する方向の意味で用いる。
ブレードケース22の背面22aには、ギヤケース23が一体に設けられている。このギヤケース23にはモータケース24が結合されている。このモータケース24の内部に当該携帯丸鋸1の駆動源としての電動モータ25が内装されている。図1に示すようにギヤケース23及びモータケース24は、ブレードケース22の背面22aから後方へ突き出した状態に設けられている。この明細書において、ブレードケース22の、切断進行方向に向かって左側(図1において上面側)を背面22aとし、右側(図1において下面側)を正面とする。従って、図2ではブレードケース22の背面22aが見えている。
ギヤケース23とモータケース24との接合部付近には、使用者が把持するハンドル部26が設けられている。ハンドル部26は、ギヤケース23の上面から切断進行方向後面に跨るループ形を有している。このハンドル部26の内周側に設けたトリガ形式のスイッチ27を引き操作すると電動モータ25が起動してブレード21が回転する。図1に示すように、平面的に見るとハンドル部26とブレードケース22との間にデプスガイド15が配置されている。
【0007】
デプスガイド15と、ブレードケース22の背面22aの後部側(図1において左側)との間に、本実施形態に係る平行度調整機構30が設けられている。この平行度調整機構30の詳細が図3に示されている。この平行度調整機構30は、ベース10に対するブレード21の切り込み深さひいては丸鋸本体20のベース10に対する傾動位置を固定するための構造(傾動位置固定構造)を利用した構成となっている。傾動位置固定構造は、ケース固定ボルト31を備えている。このケース固定ボルト31に対してレバー16をロック方向(図2において時計回り方向)に締め込むことにより、丸鋸本体20の上下方向の傾動位置が固定される。レバー16は、ケース固定ボルト31のねじ軸部31aに締め込まれる。ケース固定ボルト31は、ブレードケース22の背面22aからブレード面直方向へ突き出す片持ち支持状態に設けられている。
このケース固定ボルト31は、図3において右側(支持側)から順に支持部31cとガイド部31bと上記ねじ軸部31aを相互に同軸かつ一体に備えている。支持部31cは、ブレードケース22の背面22aに設けた支持孔22bに対して軸方向(ブレード面直方向)に移動可能に挿入されている。支持孔22bに対する支持部31cのブレード面直方向の位置は、固定ねじ32を締め込むことにより固定される。この固定ねじ32を緩めると、支持部31cの支持孔22bに対する軸方向の位置、従って当該ケース固定ボルト31のブレードケース22の背面22aからの突き出し量を調整することができる。
また、支持部31cは六角柱形に形成され、支持孔22bはこれに対応して六角孔に形成されている。このため、支持部31cは、その軸回りに回転不能である一方軸方向に移動可能な状態で支持孔22bに挿入されている。
ガイド部31bは、デプスガイド15のガイド孔15aに挿通されている。このガイド部31bの外周側には、円筒形状のローラ33が軸回りに回転自在な状態で装着されている。このローラ33によって丸鋸本体20の傾動位置を変化させる場合に、デプスガイド15のガイド孔15aに沿ってガイド部31bをスムーズに移動させることができ、ひいては丸鋸本体20の傾動位置(ブレード21の切り込み深さ)を調整する場合の操作性が確保されている。
【0008】
ローラ33の両側であってガイド部31bとねじ軸部31aには、スペーサ34,35が装着されている。この両スペーサ34,35は、デプスガイド15の両面にそれぞれ当接され、この両スペーサ34,35間にデプスガイド15が板厚方向に挟み込まれた状態となっている。
ねじ軸部31aは、デプスガイド15の背面側から突き出されている。この突き出し部分にレバー16に取り付けたナット部17が締め込まれている。ナット部17は、レバー16の回動基端側に回転不能に固定されている。また、このナット部17の、レバー16の側面から突き出した部分には止め輪17aが装着されている。この止め輪17aによってレバー16のナット部17からの脱落が防止されている。
このレバー16をねじ軸部31aに対してロック方向(ナット部17が締め込まれる方向、図2において右回り方向)に締め込むと、デプスガイド15がレバー16のナット部17と、ケース固定ねじ31の支持部31cとガイド部31bとの間の段差部との間に挟み込まれて、デプスガイド15に対する当該ブレードケース22が傾動位置ひいては丸鋸本体20の傾動位置が固定され、従ってブレード22の切り込み深さが固定される。
逆に固定ねじ32を緩めてケース固定ボルト31をその軸方向に位置調整することにより、ブレードケース22の後部側をブレード面直方向に変位させることができ、これによりブレード21の案内面11に対する平行度を調整することができる。ベース10の案内面11を別途設けた定規に摺接させながら当該携帯丸鋸1を切断進行方向前側に移動させることにより、ブレード21による切断材Wの切り込み動作を定規に沿って精確に平行に行うことができ、ひいては高品質の切断作業を効率よく行うことができる。
また、本形態に係る携帯丸鋸1は、ブレードケース22を上下に傾動させることによりブレード21の切り込み深さを調整可能であるとともに、ブレード21を切断進行方向に対して右側若しくは左側に傾斜させることによりいわゆる傾斜切り可能な構成となっている。この傾斜切りための支持構造については、本実施形態において特に変更を要しないので詳細な説明は省略するが、ブレードケースの前部及び後部は、それぞれアンギュラープレートを介してベース10に支持されている。前後のアンギュラープレートは、相互に同軸かつ切断進行方向に平行な回転軸を介してベースに支持されている。前側のアンギュラープレートに前記傾動支持ブラケット12を介してブレードケース22の前部(支持部22c)が支持されている。また、後ろ側のアンギュラープレートにデプスガイド15が取り付けられている。このアンギュラープレート及びデプスガイド15を介してブレードケース22の後部がベース10に支持されている。後ろ側のアンギュラープレートの傾動中心は、前記特許文献2記載の従来構成とは異なって固定されている。
【0009】
以上のように構成した本実施形態の携帯丸鋸1によれば、ブレードケース22のベース10に対する切断進行方向前後二箇所の支持部のうち後ろ側の支持部において、切り込み深さ調整用のデプスガイド15がブレードケース22の内部ではなく、背面22a側(切断進行方向に対して左側方)に沿って配置された形態の携帯丸鋸1において、ベース10の案内面11に対するブレード21の平行度を調整することができるので、高品質(高精度)の切断加工を効率よく行うことができる。
また、ブレードケース22の後部側で平行度を調整する構成であり、前部側に隙間を持たせる必要がないので、前記特許文献1に記載された従来構成のようながたつきを発生することがなく、この点でも高品質の切断作業を効率よく行うことができる。
さらに、前記特許文献2に記載された従来構成のようにブレードケースの傾動中心を変位させる構成ではないことから、ブレードを切断進行方向左側若しくは右側に傾斜させて行う傾斜切りを精確な傾斜角度で行うことができる。
また、ブレードケース22を介してブレード21の位置を直接変位させる構成であるので、前記特許文献3に記載された従来構成による場合のようにベース片側について調整機構を設けた構成とは異なり、ベースのいずれの側を案内面とする場合であっても、あるいは両側を案内面とする場合にも対応することができる。
【0010】
以上説明した実施形態には種々変更を加えて実施することができる。例えば、固定ねじ32を緩めてケース固定ボルト31を直接軸方向に移動させることによりデプスガイド15に対するブレードケース22のブレード面直方向の位置ひいてはブレード21の平行度を調整する構成(第1実施形態)を例示したが、図4に示す第2実施形態によっても同様の作用効果を得ることができる。
第2実施形態に係る平行度調整機構40は、前記第1実施形態に係る平行度調整機構30とは、ブレードケース22に対するケース固定ボルト41の保持構造が異なっている。第1実施形態と同様の構成及び部材については同位の符号を付してその説明を省略する。この第2実施形態に係るケース固定ボルト41は、図4において右側から順に支持部41cとガイド部41bとねじ軸部41aを相互に同軸かつ一体に備えている。また、ガイド部41bの支持部41c側の端部付近には、フランジ部41dが一体に設けられている。
支持部41cは第1実施形態と同様六角柱形を有している。この支持部41cは、ブレードケース22の支持孔22b内に軸回りに回転不能である一方、軸方向に移動可能な状態で挿入されている。この支持部41cの端面には、調整ねじ42が締め込まれている。この調整ねじ42の締め込み方向の変位(図4において左側への変位)は、規制板44によって規制されている。このため、調整ねじ42を支持部41cに対して締め込むほど、当該支持部41cひいてはケース固定ボルト41を図4において右側に移動させることができる。ケース固定ボルト41が図4において右側に移動すると、ブレードケース22のデプスガイド15に対するブレード面直方向の位置が変化する。
【0011】
また、フランジ部41dと、ブレードケース22の背面22aとの間には、付勢部材43が介装されている。本実施形態では、付勢部材43に皿ばねが用いられている。この付勢部材43によってケース固定ボルト41がブレードケース22の背面22aから突き出す方向(図4において左方)に付勢されている。このため、上記したようにケース固定ボルト41を図4において右側へ移動させるための上記調整ねじ42の支持部41cに対する締め込み操作は、この付勢部材43に抗してなされることとなる。逆に、調整ねじ42を支持部41cに対して緩めると、この付勢部材43によってケース固定ボルト41がブレードケース22の背面22aからの突き出し量を大きくする方向に自動的に移動する。
支持部41cの支持孔22bに対する位置は第1実施形態と同様、固定ねじ46によって固定される。また、同じく第1実施形態と同様、ガイド部41bにはローラ45が回転自在に装着されており、デプスガイド15のガイド孔15aに対する当該ケース固定ボルト41の移動がスムーズになされるようになっている。
ねじ軸部41aは、デプスガイド15のガイド孔15aから突き出され、この突き出し部分にレバー17のナット部17が締め付けられている。ねじ軸部41aの周囲であってデプスガイド15とナット部17との間にはスペーサ47が挟み込まれている。
【0012】
以上のように構成した第2実施形態の平行度調整機構40によれば、固定ねじ46を緩めた状態で、調整ねじ42を支持部41cに対して締め込み、あるいは逆に緩めることにより、当該支持部41cの支持孔22bに対する軸方向の位置ひいてはケース固定ボルト41のブレードケース22に対する軸方向の位置を変更することができ、これによりデプスガイド15に対するブレードケース22のブレード面直方向の位置を変更して、ブレード21のベース10に対する平行度を調整することができる。
特に、第2実施形態の場合、調整ねじ42を回転させてケース固定ボルト41の軸方向の位置を調整する構成であり、かつ調整ねじ42の緩み方向については付勢部材43の付勢力により当該ケース固定ボルト41が移動する構成であるので、ケース固定ボルト41の軸方向両方向について第1実施形態よりもさらに細かくかつ精確に位置調整することができ、これによりブレード21の平行度をより精確に微調整することができる。
また、第2実施形態の平行度調整機構40によっても、ベース10の切断進行方向右側を案内面11とする場合の他、左側を案内面とする場合、あるいは双方を案内面とする場合のいずれにも適用することができる。
【0013】
以上説明した第1、第2実施形態にはさらに変更を加えることができる。例えば、ベース10の切断進行方向右側を案内面11とする場合を例示したが、ベース10の左側の側縁部を案内面とする場合、あるいは左右双方を案内面とする場合のいずれについても例示した平行度調整機構30,40を適用することができる。
また、例示した平行度調整機構30,40に加えて、前記特許文献3に記載された平行度調整部材をベースの端縁に設けた構成を併用することができる。
また、第2実施形態において、付勢部材43として皿ばねを用いる構成を例示したが、巻きばね等その他のばね、ダンパーや弾性ゴムを用いる構成としてもよい。
さらに、ケース固定ボルト31,41の支持部31c,41cがいずれも六角柱形を有する構成を例示したが、その他の断面形状を有する支持部とし、あるいはブレードケース22の支持孔22bに対してキー結合やスプライン嵌合する支持部としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る平行度調整機構を備えた携帯丸鋸全体の平面図である。
【図2】図1中、矢印(2)方向から見た図であって、携帯丸鋸全体の背面図である。
【図3】図2中、(A)-(A)線断面矢視図であって、平行度調整機構の縦断面図である。
【図4】第2実施形態に係る平行度調整機構の縦断面図である。
【符号の説明】
【0015】
1…携帯丸鋸
10…ベース
11…案内面
15…デプスガイド、15a…ガイド孔
16…レバー
20…丸鋸本体
21…ブレード
22…ブレードケース
22a…背面、22b…支持孔、22c…支持部
30…平行度調整機構(第1実施形態)
31…ケース固定ボルト
31a…ねじ軸部、31b…ガイド部、31c…支持部
32…固定ねじ
33…ローラ
40…平行度調整機構(第2実施形態)
41…ケース固定ボルト
41a…ねじ軸部、41b…ガイド部、41c…支持部、41d…フランジ部
42…調整ねじ
43…付勢部材(皿ばね)
45…ローラ
46…固定ねじ


【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成19年1月30日(2007.1.30)
【代理人】 【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−183784(P2008−183784A)
【公開日】 平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願番号】 特願2007−18831(P2007−18831)