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【発明の名称】 電動丸鋸工具の勾配定規
【発明者】 【氏名】伊藤 一雄

【要約】 【課題】木造建築の小屋組に用いる角材に所定角度の勾配を電動丸鋸工具により切断形成するときに使用する電動丸鋸工具の勾配定規に係り、断面逆L字型の勾配定規本体に対して案内バーを所定角度傾斜させることにより角材に所定勾配を簡単に切断形成できるようにした電動丸鋸工具の勾配定規を提供する。

【解決手段】案内バー3を断面逆L字型の勾配定規本体2の垂直板22の外側に固定し垂直板から外方に延びて内方に反転するとともに勾配定規本体の角部に当接させた状態で勾配定規本体の水平板21に対して所定角度上方に傾斜させるようにした電動丸鋸工具の勾配定規1を構成し、簡単な構造で取扱いの容易な勾配定規により、木造建築の小屋組みに用いるむな木、もや、軒げた等の角材に所定角度の勾配を確実に形成できるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動丸鋸工具によりむな木、もや、軒げた等の角材の角部を切断して所定角度の勾配を形成するときに電動丸鋸工具のベース部に固定して使用する勾配定規であって、水平板と垂直板とからなる断面逆L字型の勾配定規本体と、電動丸鋸工具のベース部に固定する案内バーとを備え、案内バーは垂直板の外側に固定し垂直板から外方に延びて内方に反転するとともに勾配定規本体の角部に当接させた状態で水平板に対して所定角度上方に傾斜していることを特徴とする電動丸鋸工具の勾配定規。
【請求項2】
案内バーは垂直板から外方に延びて内方に反転する反転部から勾配定規本体に当接する途中に上下に回動可能に調節できる調節部を設け、垂直板への取付位置を上下方向で段階的に可変にしたことを特徴とする請求項1に記載の電動丸鋸工具の勾配定規。
【請求項3】
案内バーと垂直板とは、一方に水平に設けられた鞘状であって上下方向中央に開口部を備えた係合溝と、他方に係合溝の開口部を左右に移動できる支持部材を介して水平に設けられ断面が係合溝に係合する形状であって係合溝の端部からスライドさせて係合溝に係合する芯材とにより、着脱自在に固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動丸鋸工具の勾配定規。
【請求項4】
垂直板から外方に延びて内方に反転するとともに反転部から勾配定規本体に当接する途中に上下に回動可能に調節できる調節部を設けた一つの案内バーと、複数の勾配定規本体とから構成し、案内バーを各勾配定規本体に固定したとき案内バーの水平板に対する傾斜角度が勾配定規本体ごとにそれぞれ異なるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の電動丸鋸工具の勾配定規。
【請求項5】
案内バーと、勾配定規本体と、板材の側面を摺動する案内面を有する切断幅用本体とから構成し、切断幅用本体の外側面に案内バーを着脱自在に固定する固定手段を設けて切断幅用本体に案内バーを固定することにより、電動丸鋸工具で板材を所定切断幅に切断可能とした切断幅定規に兼用可能としたことを特徴とする請求項3に記載の電動丸鋸工具の勾配定規。
【請求項6】
切断幅用本体の固定手段は上下方向の中心から所定寸法離して水平に設けるとともに切断幅用本体を上下逆にしても案内バーを固定可能に形成し、切断幅用本体の上端と案内バーとの位置関係を、当接するときと隙間が開くときとを選択可能にしたことを特徴とする請求項5に記載の電動丸鋸工具の勾配定規。
【請求項7】
切断幅用本体に案内バーを固定したとき、案内バーは切断幅用本体から外方に延びて内方に反転するとともに反転部から切断幅用本体側へ延びる途中に上下に回動可能に調節できる調節部を設け、切断幅用本体を調節部により上方に回動して切断幅定規機能を停止可能とした請求項5又は6に記載の電動丸鋸工具の勾配定規。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建築の小屋組に用いるむな木、もや、軒げた等の角材に所定角度の勾配を電動丸鋸工具により切断形成するときに使用する電動丸鋸工具の勾配定規に係り、特に断面逆L字型の勾配定規本体の水平板に対して案内バーを所定角度上方に傾斜させるようにした電動丸鋸工具の勾配定規に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図10に示す角度調節機構を備えた電動丸鋸工具が知られている(特許文献1参照)。
図10において、71は丸鋸刃、72は丸鋸刃71を回転駆動する電動機を収納した外枠、73は丸鋸刃71を覆う固定鋸刃カバー、74は電動丸鋸工具のベース部、75はベース部74に設けた軸、76は固定鋸刃カバー73の先端に上下回動可能に連結した支持具、77はベース部74の先端に直立して設けた傾斜案内板、78は軸75を中心として傾斜案内板77に穿設した円弧長穴、79は円弧長穴に挿入したボルト、80はボルト79に螺合する蝶ナットで、さらに、図示していないが傾斜案内板77の外周部には目盛線が刻印してあり、支持具76には目盛線の傾斜角度を読取る基準となるマークを刻印している。
【0003】
この従来の角度調節機構を備えた電動丸鋸工具を使用して木造建築の小屋組に用いるむな木、もや、軒げた等の角材に所定角度の勾配を電動丸鋸工具により切断形成する場合、蝶ナット80を緩めて傾斜案内版77の外周部の目盛線と支持具76に刻印したマークとを目視で所定角度に合わせることにより行っていた。
【0004】
しかし、この設定した角度の位置も切断作業を何度か行っているうちにずれてしまう欠点及び目視による誤差が生ずる欠点があり、これら欠点を解決するための電動丸鋸工具の角度調節機構として図11に示すものが知られている(特許文献1参照)。
図11において、傾斜案内板77に軸75を中心として第1の曲率で第1円弧長穴81を穿設し、さらに軸75を中心として第1の曲率とは異なる第2の曲率で第2円弧長穴82を穿設し、第1円弧長穴81の下端部83と第2円弧長穴82の上端部84とを連結し、支持具76にこの連結部と同一形状の長穴を設けている。
【0005】
そして、丸鋸刃71を右下方に傾斜させた状態から直角に戻したとき(ボルト79は第11図の矢印Bの方向に動く)にボルト79が第1円弧長穴81の下端部83に当接し、丸鋸刃71を左下方に傾斜させた状態から直角に戻したとき(ボルト79は第11図の矢印Cの方向に動く)にボルト79が第2円弧長穴82の上端部84に当接する。図11においてOAは軸75とボルト79の中心を結ぶ線である。
この改良した従来の角度調整機構は、傾斜案内板77に穿設した第1円弧長穴81の下端部83又は第2円弧長穴82の上端部84にボルト79を当接するだけで丸鋸刃71とベース部74とのなす角度を迅速かつ正確に設定するようにした電動丸鋸工具である。
【0006】
また、電動丸鋸工具の角度定規として、図12に示すものが知られている(特許文献2参照)。
図12に示したものは、電動丸鋸工具の切断ガイドとなる定規部85と、基部を定規部85に軸86で支持した基準部87を備え、一方に軸86を中心とした角度目盛88を表示し、他方に角度目盛88と対応する基準目盛線89を設け、角度目盛形成側に軸86を中心とした長穴90を形成するとともに、長穴90に挿通して他方側に螺合する固定ネジ91を備え、ネジ頭部と他方側とで長穴形成部側を挟圧して両部を固定する丸鋸用角度定規で、所定角度位置に嵌合穴92を形成し、背面側に位置する部材における嵌合穴92と対応する位置に突出穴93を設け、突出穴93から突出して嵌合穴92に嵌合する係止突起部94を、背面部材の背面側に固定した片持ち弾性板に設けるとともに、背面部材の表面側露出箇所に片持弾性板の押圧操作摘み95を設けている。なお、基準部96には図示しないが材木の基準面に当接する基準面部を形成している。
【特許文献1】実願昭60−180373号(実開昭62−87801号)のマイクロフィルム
【特許文献2】実用新案登録第3112806号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図10に示す電動丸鋸工具の角度調節機構は、目視で目盛線とマークとを合わせて傾斜角度を設定するため、使用中に角度がずれたり、目視による設定角度のばらつきが生ずるという問題があった。
また、図10の改良型である図11に示す電動丸鋸工具の角度調節機構は、傾斜角度をつけない状態(ベース部74と丸鋸刃71とを直角とした状態)に確実にリッセットすることができるようにしたもので、図11に二点鎖線で丸鋸刃71を示した位置に傾斜角度を設定するときは図10と同様な問題があり使用中に傾斜角度がずれたり、目視による設定角度のばらつきが生ずるという問題が依然として存在するのである。
さらに、図11に示す電動丸鋸工具の角度調節機構は、図10に示す汎用の電動丸鋸工具の角度調節機構を特殊構造に改造したものであるから、汎用性が乏しくなるという新たな問題がある。
【0008】
また、図12に示す電動丸鋸工具の角度定規は、電動丸鋸工具の汎用性を犠牲にすることはないが、柱などの端部を長さ方向に対して傾斜角度で切断できるにすぎず、木造建築の小屋組に用いるむな木、もや、軒げた等の角材に所定角度の勾配を電動丸鋸工具により切断形成するときに使用することはできないという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、案内バーを断面逆L字型の勾配定規本体の垂直板の外側に固定し垂直板から外方に延びて内方に反転するとともに勾配定規本体の角部に当接させた状態で水平板に対して所定角度上方に傾斜させるようにした電動丸鋸工具の勾配定規を構成し、簡単な構造で取扱いの容易な電動丸鋸工具の勾配定規により、木造建築の小屋組に用いるむな木、もや、軒げた等の角材に所定角度の勾配を確実に形成できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る本発明は、電動丸鋸工具によりむな木、もや、軒げた等の角材の角部を切断して所定角度の勾配を形成するときに電動丸鋸工具のベース部に固定して使用する勾配定規であって、水平板と垂直板とからなる断面逆L字型の勾配定規本体と、電動丸鋸工具のベース部に固定する案内バーとを備え、案内バーは垂直板の外側に固定し垂直板から外方に延びて内方に反転するとともに勾配定規本体の角部に当接させた状態で水平板に対して所定角度上方に傾斜している電動丸鋸工具の勾配定規である。
【0011】
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る本発明の構成に加え、案内バーは垂直板から外方に延びて内方に反転する反転部から勾配定規本体に当接する途中に上下に回動可能に調節できる調節部を設け、垂直板への取付位置を上下方向で段階的に可変にした電動丸鋸工具の勾配定規である。
【0012】
請求項3に係る本発明は、請求項1又は2に係る本発明の構成に加え、案内バーと垂直板とは、一方に水平に設けられた鞘状であって上下方向中央に開口部を備えた係合溝と、他方に係合溝の開口部を左右に移動できる支持部材を介して水平に設けられ断面が係合溝に係合する形状であって係合溝の端部からスライドさせて係合溝に係合する芯材とにより、着脱自在に固定した電動丸鋸工具の勾配定規である。
【0013】
請求項4に係る本発明は、請求項3に係る本発明の構成に加え、垂直板から外方に延びて内方に反転するとともに反転部から勾配定規本体に当接する途中に上下に回動可能に調節できる調節部を設けた一つの案内バーと、複数の勾配定規本体とから構成し、案内バーを各勾配定規本体に固定したとき案内バーの水平板に対する傾斜角度が勾配定規本体ごとにそれぞれ異なるようにした電動丸鋸工具の勾配定規である。
【0014】
請求項5に係る本発明は、請求項3に係る本発明の構成に加え、案内バーと、勾配定規本体と、板材の側面を摺動する案内面を有する切断幅用本体とから構成し、切断幅用本体の外側面に案内バーを着脱自在に固定する固定手段を設けて切断幅用本体に案内バーを固定することにより、電動丸鋸工具で板材を所定切断幅に切断可能とした切断幅定規に兼用可能とした電動丸鋸工具の勾配定規である。
【0015】
請求項6に係る本発明は、請求項5に係る本発明の構成に加え、切断幅用本体の固定手段は上下方向の中心から所定寸法離して水平に設けるとともに切断幅用本体を上下逆にしても案内バーを固定可能に形成し、切断幅用本体の上端と案内バーとの位置関係を、当接するときと隙間が開くときとを選択可能にした請求項5に記載の電動丸鋸工具の勾配定規である。
【0016】
請求項7に係る本発明は、請求項5又は6に係る本発明の構成に加え、切断幅用本体に案内バーを固定したとき、案内バーは切断幅用本体から外方に延びて内方に反転するとともに反転部から切断幅用本体側へ延びる途中に上下に回動可能に調節できる調節部を設け、切断幅用本体を調節部により上方に回動して切断幅定規機能を停止可能とした電動丸鋸工具の勾配定規である。
【0017】
本発明による作用を以下に説明する。
請求項1に係る本発明の作用は、電動丸鋸工具のベース部に案内バーを固定して、電動丸鋸工具の刃を所定角度傾斜させ、勾配定規本体を角材に当接させてスライドさせれば、角材の角部を所定勾配で切断することができる。
【0018】
請求項2に係る本発明の作用は、請求項1に係る本発明の作用に加え、案内バーの垂直板への取付位置を変更することにより角材の勾配を変更できる。
【0019】
請求項3に係る本発明の作用は、請求項1又は2に係る本発明の作用に加え、案内バーと垂直板とは、着脱自在に固定しており、取外しが簡単である。
【0020】
請求項4に係る本発明の作用は、請求項3に係る本発明の作用に加え、一つの案内バーと、複数の勾配定規本体のうちから必要な勾配の勾配定規本体を選択できる。
【0021】
請求項5に係る本発明の作用は、請求項3に係る本発明の作用に加え、切断幅用本体に案内バーを固定することにより、電動丸鋸工具で板材を所定切断幅に切断することができる。
【0022】
請求項6に係る本発明の作用は、請求項5に係る本発明の作用に加え、切断幅用本体を上下逆にして固定することにより、切断幅用本体の上端と案内バーとの位置関係を、当接するときと隙間が開くときとを選択することができる。
【0023】
請求項7に係る本発明の作用は、請求項5又は6に係る本発明の作用に加え、切断幅用本体を調節部により上方に回動して切断幅定規機能を停止できる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に係る本発明は、電動丸鋸工具によりむな木、もや、軒げた等の角材の角部を切断して所定角度の勾配を形成するときに電動丸鋸工具のベース部に固定して使用する勾配定規であって、水平板と垂直板とからなる断面逆L字型の勾配定規本体と、電動丸鋸工具のベース部に固定する案内バーとを備え、案内バーは垂直板の外側に固定し垂直板から外方に延びて内方に反転するとともに勾配定規本体の角部に当接させた状態で水平板に対して所定角度上方に傾斜しているようにしたから、簡単な構造で取扱いの容易な電動丸鋸工具の勾配定規を構成することができる。
また、請求項1に係る本発明の電動丸鋸工具の勾配定規を使用することにより、木造建築の小屋組に用いるむな木、もや、軒げた等の角材に所定角度の勾配を正確でかつ容易に形成することができる。
【0025】
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る本発明の効果に加え、案内バーは垂直板から外方に延びて内方に反転する反転部から勾配定規本体に当接する途中に上下に回動可能に調節できる調節部を設け、垂直板への取付位置を上下方向で段階的に可変にしたから、案内バーの垂直板への取付位置を変えることにより、複数の異なる勾配に切断することができる。
【0026】
請求項3に係る本発明は、請求項1又は2に係る本発明の効果に加え、案内バーと垂直板とは、一方に水平に設けられた鞘状であって上下方向中央に開口部を備えた係合溝と、他方に係合溝の開口部を左右に移動できる支持部材を介して水平に設けられ断面が係合溝に係合する形状であって係合溝の端部からスライドさせて係合溝に係合する芯材とにより、着脱自在に固定したから、案内バーと垂直板とは、簡単に着脱でき、取外しにより収納、運搬が容易である。
【0027】
請求項4に係る本発明は、請求項3に係る本発明の構成に加え、垂直板から外方に延びて内方に反転するとともに反転部から勾配定規本体に当接する途中に上下に回動可能に調節できる調節部を設けた一つの案内バーと、複数の勾配定規本体とから構成し、案内バーを各勾配定規本体に固定したとき案内バーの水平板に対する傾斜角度が勾配定規本体ごとにそれぞれ異なるようにしたから、簡単な構成の勾配定規本体を複数備えることにより、複数の異なる勾配に容易に切断することができる。
【0028】
請求項5に係る本発明は、請求項3に係る本発明の効果に加え、案内バーと、勾配定規本体と、板材の側面を摺動する案内面を有する切断幅用本体とから構成し、切断幅用本体の外側面に案内バーを着脱自在に固定する固定手段を設けて切断幅用本体に案内バーを固定することにより、電動丸鋸工具で板材を所定切断幅に切断可能とした切断幅定規に兼用可能としたから、勾配定規を切断幅定規にも兼用することができる。
【0029】
請求項6に係る本発明は、請求項5に係る本発明の効果に加え、切断幅用本体の固定手段は上下方向の中心から所定寸法離して水平に設けるとともに切断幅用本体を上下逆にしても案内バーを固定可能に形成し、切断幅用本体の上端と案内バーとの位置関係を、当接するときと隙間が開くときとを選択可能にしたから、切断幅定規として使用するとき、厚さの厚い木材を切断するとき切断用本体を木材の下方で案内することができて切断時の安定性、正確性を確保することができ、かつ厚さの薄い木材を切断するとき、切断用本体は確実に木材を捕らえて案内することができる。
【0030】
請求項7に係る本発明は、請求項5又は6に係る本発明の効果に加え、切断幅用本体に案内バーを固定したとき、案内バーは切断幅用本体から外方に延びて内方に反転するとともに反転部から切断幅用本体側へ延びる途中に上下に回動可能に調節できる調節部を設け、切断幅用本体を調節部により上方に回動して切断幅定規機能を停止可能としたから、切断幅本体及び案内バーを電動丸鋸工具から取外すことなく、フリーで電動丸鋸工具により切断をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を添付した図面により詳細に説明する。
図1〜図5は、本発明の第一の実施の形態を示す図面であり、図1は勾配定規の斜視図、図2は図1における勾配定規本体を外側から見た斜視図、図3は図1における勾配定規本体を内側から見た斜視図、図4は図1における案内バーを水平にした状態での斜視図、図5は本発明の第一の実施の形態に係る勾配定規の使用状態を示す斜視図である。
図7〜図9は本発明の第二の実施の形態を示す図面である。
【0032】
図1〜図5に基づき、本発明の第一の実施の形態に係る勾配定規について説明する。
図1において、1は、電動丸鋸工具のベース部に固定して使用する勾配定規であり、電動丸鋸工具によりむな木、もや、軒げた等の角材の角部を切断して所定角度の勾配を形成するときに使用する勾配定規である。
【0033】
勾配定規1は、水平板21と垂直板22とからなる断面逆L字型の勾配定規本体2と、電動丸鋸工具のベース部に固定する案内バー3とを備えている。
案内バー3は垂直板22の外側に固定し垂直板22から外方に延びて内方に反転するとともに勾配定規本体2の角部に当接させた状態で水平板21に対して所定角度上方に傾斜している。図1に示す傾斜は三寸勾配(16.7度)である。
【0034】
勾配定規本体2の詳細を図2及び図3に基づいて説明する。
勾配定規本体2はアルミニウム合金製で横幅が250mm、厚みが3mm、水平板21の奥行が80mm、垂直板22の高さが70mmであり、垂直板22の外側には水平に設けられ鞘状であって上下方向中央に開口部23を備えた係合溝24を有する固定具25を取付板26及びビス27により取付けている。
固定具25の垂直板22への取付位置は、図3に示すように上下方向で2段階に可変にしており、図3に示す上段側が三寸勾配用、下段側が四寸勾配用である。
なお、図2において、28は第一位置決めストッパー、29は後記する第二の実施の形態における切断幅定規と部品を共用可能とするために切断幅定規として使用するときの第二位置決めストッパーであり、図3において30は四寸勾配用のビス穴である。
【0035】
次に、案内バー3の詳細を図4に基づき説明する。
案内バー3はステンレススチール製で、係合溝24の開口部23を左右に移動できる2本の支持部材31を介して水平に設けられ断面が係合溝24に係合する形状であって係合溝24の端部からスライドさせて係合溝24に係合する芯材32により勾配定規本体2の垂直板22に着脱自在に固定している(図1参照)。
また、案内バー3は、芯材32を支持する支持部材31の他端は断面逆L字状で平面視が先細状の支持板33の上部を外方に突出し、支持板33の先端に断面が四角形の案内バー本体34を設け、芯材32から130mm外方で上方内方に反転する円弧状の反転部35を設けて案内バー本体34を上方内方に反転させている。
【0036】
案内バー本体34は、横幅が12mm、厚みが3mmであり、反転部35から勾配定規本体2に当接する途中に案内バー本体34を上下に回動可能に調節できる調節部36を設けている。
調節部36は、その前後に第一ブロック体37及び第二ブロック体38を設けて案内バー本体34をそれぞれビス39により第一ブロック体37及び第二ブロック体38に固定し、第一ブロック体37から一体に突出する薄板状の差込アーム40と、第二ブロック体38から一体に突出し差込アーム40を挟み込む2枚の薄板状の受アーム41と、ボルト挿入側の受アーム41に設けた四角穴と、この四角穴に嵌りこむ部分が四角でその先にネジを備えたボルト42と、ボルト42と螺合する蝶ナット43とから構成している。
【0037】
このように構成した案内バー3を、勾配定規本体2に四寸勾配用として固定するときには、案内バー本体34を調節部36でボルト42及び蝶ナット43により図1の勾配よりも上向きに調節するのである。
この場合、図3における四寸勾配用ビス穴30の位置で固定具25、取付板26及びビス27により、垂直板22に対し固定具25及び案内バー3が図1の位置よりも下方となるように取付けるのである。
【0038】
以上のように構成した本発明の第一の実施の形態に係る勾配定規1の使用態様を図5に基づいて説明する。
まず、勾配定規1の案内バー3における案内バー本体34を勾配定規本体2の角部に当接させて案内バー本体34の調節部36の蝶ナット43を締め付ける。そして、案内バー本体34を電動丸鋸工具51のベース部52に設けられた角穴に挿通して蝶ナット53で固定する。
【0039】
次に、電動丸鋸工具51のハンドル54を左手で保持して、右手で勾配定規1の勾配定規本体2における水平板21及び垂直板22を角材61の第一角部62に密着させた状態で水平板21及び垂直板22をガイド面として角材61の水平面63及び垂直面64をスライドさせながら、電動丸鋸工具51を駆動して丸鋸刃55により角材61の第二角部65を切断する。
なお、56は電動丸鋸工具51の電動機、57は電動丸鋸工具51の角度調節機構である。
【0040】
このようにして、角材61の第二角部65に切断形成された勾配と、案内バー3における案内バー本体34の勾配定規本体2の水平板21に対する傾斜角度との関係を以下に説明する。
案内バー本体34の勾配定規本体2の水平板21に対する傾斜角度は、本発明の第一の実施の形態では三寸勾配(16.7度)であり、この三寸勾配に対して直角に丸鋸刃55が固定されているため、丸鋸刃55は角材61の水平面63に対して73.3度(垂直面に対して16.7度)の傾斜角度となる。そして、角材61の第二角部65を切断後に図5の状態から角材61を90度左回転させると、角材61の第二角部65は三寸勾配(16.7度)となり、木造建築の小屋組に用いるむな木、もや、軒げた等の角材を三寸勾配に切断形成したこととなるのである。
【0041】
以上の第一の実施の形態では、案内バー本体34における第二ブロック体38から先端までの長さは600mmとしているが、勾配定規として使用する場合には、角材の断面における一辺の大きさ及び電動丸鋸工具のベース部の大きさを考慮して、例えば半分の300mmにすることができる。600mmとしているのは、下記の本発明の第二の実施の形態では、この案内バーを切断幅定規に兼用するためである。
また、案内バー本体34には途中に調節部36、第一ブロック体37及び第二ブロック体38を設けて案内バー本体34を上下に回動可能に構成しているが、これら調節部36、第一ブロック体37及び第二ブロック体38をなくしてもよい。その場合、案内バー本体は垂直板22の外側に固定し垂直板22から外方に延びて内方に反転するとともに勾配定規本体2の角部に当接させた状態で水平板22に対して所定角度上方に傾斜するように製作すればよいのである。
【0042】
さらに、第一の実施の形態では、係合溝24を設けた固定具25を形成して勾配定規本体2の垂直板22に取付板26により取付け、案内バー3は係合溝24に係合する芯材32、支持部材31及び支持板33を備えているが、案内バーの端部を勾配定規本体の垂直板に直接または適宜の部材を介して取付けても良く、また、係合溝24を一体に垂直板22に形成してもよい。
また、係合溝24を勾配定規本体2に、芯材3を案内バーに設けているが、係合溝を案内バーに、芯材を勾配定規本体に設けてもよい。
【0043】
さらに、第一の実施の形態では、勾配定規本体2の垂直板22には、案内バー3の取付位置を上下方向で三寸勾配用と四寸勾配用との二段階に取付可能としているが、三段階以上にしてもよく、勾配定規本体を複数形成して、案内バーを各勾配定規本体に固定したとき案内バーの水平板に対する傾斜角度が勾配定規本体ごとにそれぞれ異なるようにしてもよい。
【0044】
次に、本発明の第二の実施の形態に係る勾配定規を図6〜9に基づき説明する。
図6は切断幅用本体の斜視図、図7は図6における切断幅用本体を薄板切断に使用するときの斜視図、図8は図6における切断幅用本体を厚板切断に使用するときの斜視図、図9は図7における切断幅用本体の切断幅定規機能を停止した状態の斜視図である。
【0045】
図6〜図9において、7は切断幅用本体であり、第二の実施の形態は、第一の実施の形態に、さらにこの切断幅用本体7を形成して、第一の実施の形態における勾配定規1に用いる案内バー3を兼用することにより、電動丸鋸工具51を使用して切断幅定規としても使用できるようにしたのである。
切断幅用本体7は、図6に示すように、第一の実施の形態における勾配定規本体2の固定具25と同じ構成であり、固定具25に設けたビス27用の穴がなくてもよい点が相違する。
【0046】
切断幅用本体7は、アルミニウム合金製で横幅が250mm、高さが40mm、厚みが3mmであり、係合溝24を上下方向中心線から一方側に7mmずらして形成している。
係合溝24を一方側にずらしたのは、切断幅用本体7による薄板及び厚板の切断時のガイドを確実にするためである。
【0047】
薄板66の切断時には、図7に示すように係合溝24を下方側に位置させて案内バー3の芯材32を係合溝24の左側端部からスライドさせて第一位置決めストッパー28に当接させて固定すれば、切断幅用本体7を垂直にし、案内バー3を水平(切断幅用本体と直角)にしたとき、切断幅用本体7の上端と案内バー3の底面とが当接して隙間がなく、切断幅用本体7により薄板66の切断時の切断幅ガイドが確実にできる。
また、厚板67の切断時には、図8に示すように係合溝24を上方側に位置させて案内バー3の芯材32を係合溝24の左側端部からスライドさせて第二位置決めストッパー29に当接させて固定すれば、切断幅用本体7を垂直にし、案内バー3を水平(切断幅用本体と直角)にしたとき、切断幅用本体7の上端と案内バー3の底面とに14mmの隙間が形成され切断幅用本体7が図7の状態よりも14mm下方に位置するため、切断幅用本体7により厚板67の切断時の切断幅ガイドが確実にできる。
【0048】
次に、図9は合板のような幅の広い板を切断するときには、案内バー3の長さでは切断幅が不足する場合、案内バー本体34に設けた調節部36により切断幅用本体7を上方に回動して切断幅定規機能を停止可能にしたのである。
このように案内バー本体34の調節部36により切断幅用本体7を固定した状態で切断幅定規機能を停止してフリーの状態で電動丸鋸工具により切断をすることができるのである。
【0049】
以上の第二の実施の形態では、切断幅用本体7を第一の実施の形態における勾配定規本体2とは、別個に構成したが、切断幅用本体を使用して切断幅定規機能を発揮させたいとき、勾配定規本体2におけるビス27を外して垂直板22から固定板25を取外して、固定板25を切断幅用本体として使用することもできる。
また、第二の実施の形態では、第一の実施の形態における勾配定規にさらに切断幅用本体7を加えて、勾配定規機能と切断幅定規機能とを達成するようにしたが、案内バーと切断幅本体とで電動丸鋸工具の切断幅定規とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る勾配定規の斜視図。
【図2】図1における勾配定規本体を外側から見た斜視図。
【図3】図1における勾配定規本体を内側から見た斜視図。
【図4】図1における案内バーの斜視図。
【図5】本発明の第一の実施の形態に係る勾配定規の使用状態を示す斜視図。
【図6】本発明の第二の実施の形態に係る切断幅用本体を示す斜視図。
【図7】図6における切断幅用本体を薄板切断に使用した状態を示す斜視図。
【図8】図6における切断幅用本体を厚板切断に使用した状態を示す斜視図。
【図9】図7における切断幅用本体の切断幅機能を停止した状態を示す斜視図。
【図10】従来の角度調節機構を備えた電動丸鋸工具の斜視図。
【図11】従来の電動丸鋸工具の角度調節機構の正面図。
【図12】従来の電動丸鋸工具の角度定規の要部正面図。
【符号の説明】
【0051】
1 勾配定規
2 勾配定規本体
3 案内バー
7 切断幅用本体
21 水平板
22 垂直板
23 開口部
24 係合溝
31 支持部材
32 芯材
35 反転部
36 調節部
51 電動丸鋸工具
52 ベース部
【出願人】 【識別番号】506419777
【氏名又は名称】伊藤 一雄
【出願日】 平成18年12月18日(2006.12.18)
【代理人】 【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳


【公開番号】 特開2008−149571(P2008−149571A)
【公開日】 平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願番号】 特願2006−340038(P2006−340038)