トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 卓上切断機
【発明者】 【氏名】田島 真行

【要約】 【課題】切り残しが発生する高さを有する被切削材であっても、これを切り残し無く切断することができる卓上切断機を提供すること。

【解決手段】被切断材Wを載置可能なベース2上に、被切断材Wを位置決めするための被切断材当接面を有するフェンス14を固定し、鋸刃12を回転可能に支持して成る丸鋸部6を前記ベース2の後方に立設されたホルダ5に上下揺動可能に軸支して構成される卓上切断機1において、被切断材当接面を有する可動ブロック(可動部材)15を、前記フェンス14の被切断材当接面から前方へと突出可能に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被切断材を載置可能なベース上に、被切断材を位置決めするための被切断材当接面を有するフェンスを固定し、鋸刃を回転可能に支持して成る丸鋸部を前記ベースの後方に立設されたホルダに上下揺動可能に軸支して構成される卓上切断機において、
被切断材当接面を有する可動部材を、前記フェンスの被切断材当接面から前方へと突出可能に設けたことを特徴とする卓上切断機。
【請求項2】
前記可動部材を前記フェンスより前方へと付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の卓上切断機。
【請求項3】
前記可動部材を前記フェンスに対して係止する係止手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の卓上切断機。
【請求項4】
前記係止手段を、前記フェンスに形成された溝と、該溝に挿通して前記可動部材に螺合するノブで構成したことを特徴とする請求項3記載の卓上切断機。
【請求項5】
前記可動部材の突出側端部の幅方向両端に突起状のストッパを設け、該可動部材を前記フェンスの被切断材当接面から被切断材側に突出させるとともに、突出方向に対して直角方向に移動させて前記ストッパを前記フェンスの端面に当接させることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の卓上切断機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース上のフェンス等の当接面に被切断材を当てて位置決めした状態で該被切断材を切断するための卓上切断機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の卓上切断機を図10及び図11に基づいて説明する。
【0003】
図10及び図11は従来の卓上切断機の左側面図であり、図10は幅広材を切断する状態を示し、図11は角材を切断する状態を示す。
【0004】
図示の卓上切断機101のベース102のほぼ中央には略円形のターンテーブル103が水平方向に回動可能に埋設されており、ターンテーブル103には、該ターンテーブル103をベース102に固定するためのサイドハンドル104が設けられている。
【0005】
又、上記ターンテーブル103の後端部(図10及び図11の左端部)にはホルダ105が連結されており、このホルダ105の上端には、丸鋸部106がホルダシャフト107によってターンテーブル103の上面に対して上下揺動可能に軸支されている。この丸鋸部106は、スプリング108によって常時上方に付勢されており、駆動源としてのモータ109を保持するとともに、切り込み用ハンドル110を備えている。そして、前記モータ109の回転軸111の端部には円板状の鋸刃112が取り付けられている。
【0006】
ところで、ベース102とターンテーブル103で被切断材W1,W2を載置するベース部が構成されており、ベース102上の前記鋸刃112を挟んでこれの左右には、被切断材W1,W2の端面に当接して該被切断材W1,W2を位置決めするためのフェンス113が固定されている。
【0007】
而して、ベース102とターンテーブル103で構成されるベース部上に被切断材W1,W2を載置してこれを切断する場合、被切断材W1,W2はフェンス113にその端面を当接させることによって位置決めされる。この状態でモータ109を起動すると、回転軸111とこれに取り付けられた鋸刃112が所定の速度で回転駆動され、切り込み用ハンドル110を把持して丸鋸部106をスプリング108の付勢力に抗してホルダシャフト107を中心として下方に回動させると、回転する鋸刃112によって被切断材W1,W2が切断される。
【特許文献1】特開平11−226905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、斯かる卓上切断機101によって切断される被切断材には、図10に示すような幅b1、高さh1の板材等の幅広材W1や図11に示す幅b2(<b1)で高さh2(>h1)の高い角材W2等の様々なサイズのものがあり、フェンス113の設置位置や丸鋸部106の揺動下限位置は切断用途の多い幅広材W1を基準としている。
【0009】
このように幅広材W1の切断を主目的とした卓上切断機101においては、図10に示す高さh1が低い幅広材である被切断材W1は鋸刃112によって完全に切断されるが、図11に示す高さh2が高い角材等の被切断材W2の切断においては、図示のように回転軸111が被切断材W2の上面に当接して鋸刃112がそれ以上下がらず、被切削材W2に切り残しΔWが発生するという問題があった。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、切り残しが発生する高さを有する被切断材であっても、これを切り残し無く切断することができる卓上切断機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、被切断材を載置可能なベース上に、被切断材を位置決めするための被切断材当接面を有するフェンスを固定し、鋸刃を回転可能に支持して成る丸鋸部を前記ベースの後方に立設されたホルダに上下揺動可能に軸支して構成される卓上切断機において、被切断材当接面を有する可動部材を、前記フェンスの被切断材当接面から前方へと突出可能に設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記可動部材を前記フェンスより前方へ付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記可動部材を前記フェンスに対して係止する係止手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記係止手段を、前記フェンスに形成された溝と、該溝に挿通して前記可動部材に螺合するノブで構成したことを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記可動部材の突出側端部の幅方向両端に突起状のストッパを設け、該可動部材を前記フェンスの被切断材当接面から被切断材側に突出させるとともに、突出方向に対して直角方向に移動させて前記ストッパを前記フェンスの端面に当接させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、切り残しが発生する高さを有する被切断材の切断に際しては、可動部材をフェンスの被切断材当接面から前方に突出させることによって、被切断材を切り残し無く切断することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、可動部材を前方へ付勢する付勢手段を設けたため、可動部材を移動させてフェンスから前方へ突出させる際の操作性が高められる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、可動部材をフェンスに対して任意の位置で固定することができ、該スライド部材のフェンスからの突出量を被切断材の高さ寸法に応じて任意に設定することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、ノブを緩めて可動部材のフェンスへの固定を解除してノブを溝に沿って移動させた後、ノブを締め付ければ、可動部材をフェンスから前方へ所定量だけ突出させた状態で固定することができ、該可動部材のフェンスからの突出量を容易に調整することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、可動部材がフェンスから突出した状態で、そのストッパがフェンスの端面に当接して位置決めされるため、該可動部材がフェンスに対して略平行に保持され、そのフェンスからの突出量が一定に保たれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は本発明に係る卓上切断機の左側面図、図2は同卓上切断機の正面図、図3は同卓上切断機の平面図、図4は図3のA−A線断面図、図5は図4のB−B線断面図、図6は同卓上切断機の可動ブロック未使用時の状態を示す平面図、図7は図6のC−C線断面図、図8は図7のD−D線断面図である。
【0023】
本発明に係る卓上切断機1のベース2のほぼ中央には略円形のターンテーブル3が水平方向に回動可能に埋設されており、ターンテーブル3には、該ターンテーブル3をベース2に固定するためのサイドハンドル4が設けられている。
【0024】
又、図1及び図2に示すように、上記ターンテーブル3の後部(図1の左方を後方とする)にはホルダ5が連結されており、このホルダ5の上端には、丸鋸部6がホルダシャフト7によってターンテーブル3の上面に対して上下揺動可能に軸支されている。この丸鋸部6は、スプリング8によって常時上方に付勢されており、駆動源としてのモータ9を保持するとともに、切り込み用ハンドル10を備えている。そして、前記モータ9の回転軸11の端部には円板状の鋸刃12が脱着可能に取り付けられている。
【0025】
ところで、前記ベース2と前記ターンテーブル3で被切断材Wを載置するベース部が構成されており、ベース2上の前記鋸刃12を挟んでこれの左右には、被切断材Wの端面に当接して該被切断材Wを位置決めするためのフェンス13,14がそれぞれ固定されている。
【0026】
上記一方のフェンス13は従来のものと同じであるが、他方のフェンス14は前面が開口する矩形ボックス状に成形されており、その内部には可動部材としての可動ブロック15が前後方向に移動可能に収容されている。
【0027】
上記可動ブロック15の前部左端には本体部15Aから外側方に突出する突起状のストッパ15aが一体に形成されており、前部右端には後方に向かって平面視L字状を成すストッパ15bが一体に形成されており、ストッパ15bと本体部15Aの間には、フェンス14の一方の側壁が嵌合可能な凹部15cが形成されている。そして、この可動ブロック15は、フェンス14内の幅方向中央に縮装された付勢手段であるスプリング16によって常時前方(被切断材W方向)に付勢されている。
【0028】
又、図3、図6及び図7に示すように、フェンス14の上壁には平面視L字状の溝17が形成されており、この溝17にはノブ18が上方から通され、該ノブ18の下端部は可動ブロック15に螺合している。ここで、溝17とノブ18は、可動ブロック15をフェンス14に固定するための固定手段を構成している。
【0029】
而して、図1に示すように、ベース2とターンテーブル3で構成されるベース部上に被切断材Wを載置してこれを切断するに際して、この被切断材Wが従来の卓上切断機101(図11参照)では切り残しが発生する高さh(幅b)を有する図1〜図3に示すような角材である場合には、ノブ18を緩めて可動ブロック15をフェンス14に対して前後方向に移動可能とした上で、ノブ18を図3に示す溝17のF位置から前方へG位置まで移動させる。すると、可動ブロック15が前方へ移動してフェンス14の被切断材当接面14aより前方へ所定量Lだけ突出する。このとき、前述のように可動ブロック15はスプリング16によって常時前方に付勢されているため、該可動ブロック15を前方へ移動させる際の操作性が高められる。そして、その後、ノブ18を締め付けて可動ブロック15をフェンス14に確実に固定する。
【0030】
上述のように可動ロック15がフェンス14の被切断材当接面14aよりLだけ前方へ突出すると、次にノブ18を図3に示す溝17のG位置からH位置まで横方向に移動させる。すると、可動ブロック15も同方向に同量だけ移動し、図3及び図5に示すように、その左右のストッパ15a,15bがフェンス14の端面に当接して該可動ブロック15の前後方向の位置がロックされ、該可動ブロック15は、フェンス14に対して略平行に固定され、そのフェンス14からの突出量Lが一定に保持される。
【0031】
上記状態において、ベース2とターンテーブル3で構成されるベース部上に被切断材Wを載置し、被切断材Wの端面を可動ブロック15の前端面の被切断材当接面15dに当接させることによって該被切断材Wを位置決めして固定する。すると、この被切断材Wは、従来の卓上切断機101(図11参照)の場合よりも図示のLだけ前方に突出した状態で載置されることとなる。
【0032】
その後、サイドハンドル4を緩め、ベース2とターンテーブル3との固定状態を解除し、鋸刃12を保持した丸鋸部6を所望の位置に合わせる。そして、丸鋸部6が所望の位置に達した時点でサイドハンドル4を締め付けてターンテーブル3とベース2を固定し、モータ9を起動すると、回転軸11とこれに取り付けられた鋸刃12が所定の速度で回転駆動され、切り込み用ハンドル10を把持して丸鋸部6をスプリング8の付勢力に抗してホルダシャフト7を中心として下方に回動させると、回転する鋸刃12によって被切断材Wが切断される。
【0033】
而して、本実施の形態では、前述のように従来の卓上切断機101(図11参照)では切り残しが発生していた高さh(幅b)の角材である被切断材Wを可動ブロック15によってLだけ前方に突出させた状態で切断するようにしたため、図1に示すように、回転軸11が被切断材Wの上面に当接する下限位置まで鋸刃12を下げれば、被切断材Wは切り残し無く迅速且つ正確に切断される。このようにして被切断材Wの切断が終了すると、鋸刃12を保持した丸鋸部6をスプリング8の付勢力によって図1に実線にて示す上限位置まで戻せば切断作業が完了する。
【0034】
他方、被切断材Wが切り残しが発生しない板材等の幅広材である場合には、図6〜図8に示すように、ノブ18を緩めてこれをフェンス14の溝17に沿って後方へ移動させれば、可動ブロック15のストッパ15a,15bのフェンス14の端面への当接が解除され、該可動ロック15は、フェンス14内をスプリング16の付勢力に抗して後方へと移動してフェンス14内に完全に収納される。このとき、図7に示すように、可動ブロック15の被切断材当接面15dはフェンス14の被切断材当接面14aよりも内方(後方)に位置しており、図8に示すように、フェンス14の一方の側壁の前端部は可動ブロック15の凹部15cに嵌合している。尚、可動ブロック15の被切断材当接面15dをフェンス14の被切断材当接面14aと面一としても良い。
【0035】
而して、被切断材Wは、図6に示すように、その端面をフェンス14の被切断材当接面14aに当接させることによって位置決めされて固定される。この状態からモータ9を起動すると、回転軸11とこれに取り付けられた鋸刃12が所定の速度で回転駆動され、切り込み用ハンドル10を把持して丸鋸部6をスプリング8の付勢力に抗してホルダシャフト7を中心として下方に回動させると、回転する鋸刃12によって被切断材Wが切り残し無く迅速且つ正確に切断される。そして、このようにして被切断材Wの切断が完了すると、鋸刃12を保持した丸鋸部6をスプリング8の付勢力によって上限位置まで戻せば切断作業が完了する。
【0036】
尚、可動ブロック15のフェンス14の被切断材当接面14aからの突出量(被切断材Wの突出量)Lは、ノブ18がフェンス14の溝17を図3に示すF位置とG位置の間を移動する範囲で無段階的に調整することができる。即ち、ノブ18を緩めてこれを溝17のF位置とG位置の間で移動させ、ノブ18を任意の位置で締め付ければ可動ブロック15の突出量Lを無段階的に調整することができる。
【0037】
又、フェンス14に形成される溝17を図9(a)に示すようにストレート状とし、このストレート状の溝17内でノブ18を移動させて任意の位置で該ノブ18を固定することによって可動ブロック15の突出量Lを無段階的に調整することができる。或いは、図9(b)に示すように、溝17の前後方向3箇所に横方向に延びる鍵状の溝部17a,17b,17cを形成し、ノブ18を溝部17a,17b,17cの何れか1つに係合させることによって可動ブロック15の突出量Lを3段階に調整することができる。ここで、溝17に形成される鍵状の溝部の個数は任意であって、4つ以上設けて可動ブロック15の突出量Lを多段階に調整することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る卓上切断機の左側面図である。
【図2】本発明に係る卓上切断機の正面図である。
【図3】本発明に係る卓上切断機の平面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】本発明に係る卓上切断機の可動ブロック不使用時の状態を示す平面図である。
【図7】図6のC−C線断面図である。
【図8】図7のD−D線断面図である。
【図9】(a),(b)はフェンスに形成された溝の変形例を示す図である。
【図10】従来の卓上切断機の幅広材を切断する状態を示す左側面図である。
【図11】従来の卓上切断機の角材を切断する状態を示す左側面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 卓上切断機
2 ベース
3 ターンテーブル
4 サイドハンドル
5 ホルダ
6 丸鋸部
7 ホルダシャフト
8 スプリング
9 モータ
10 切り込み用ハンドル
11 回転軸
12 鋸刃
13,14 フェンス
15 可動ブロック(可動部材)
15A 可動ブロックの本体部
15a,15b 可動ブロックのストッパ
15c 可動ブロックの凹部
15d 可動ブロックの被切断材当接面
16 スプリング(付勢手段)
17 溝
17a〜17c 溝部
18 ノブ
W 被切断材
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年11月22日(2006.11.22)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−126571(P2008−126571A)
【公開日】 平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願番号】 特願2006−315675(P2006−315675)