トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 走行丸鋸盤
【発明者】 【氏名】白井 重治

【氏名】田中 武

【要約】 【課題】複数のテーブル領域を共有化することによって構成の小形化、設備コストの低減化をおよび作業性の向上を図った走行丸鋸盤を提供する。

【解決手段】テーブル4と、直鋸走行用スリット19と、走行移動する丸鋸17と、加工材Wの押え手段Bと、第1および第2の定規手段Ea、Ebと、第1および第2の制御駆動手段Da、Dbを備え、テーブル4上において位置決めした加工材Wを押圧固定した状態で切断加工する走行丸鋸盤において、上記の第1および第2の定規手段Ea、Ebの移動を支承する多数の支承手段(第1〜第3の支持ビーム40a、40b、40c ガイドレール45 第1および第2の前後移動ビーム46、56 ギヤ53、63 ラック54、64)を鋸走行用スリット19と直交する方向に配設し、これら支承手段のうちテーブル4と対峙するものをテーブル面の上方位置に離隔して設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工材を載置するテーブルと、テーブルに設けた直線状の鋸走行用スリットと、鋸走行用スリットから突出して走行移動する丸鋸と、鋸走行用スリットに対応して上部に設けた加工材の押え手段と、テーブル上に配設し、かつ鋸走行用スリットと直交する方向に移動する第1および第2の定規手段と、第1および第2の定規手段を制御移動する第1および第2の制御駆動手段を備え、テーブル上において位置決めした加工材を押圧固定した状態で切断加工する加工機械において、
上記第1および第2の定規手段の移動を支承する多数の支承手段を鋸走行用スリットと直交する方向に配設し、これら支承手段のうちテーブルと対峙するものをテーブル面の上方位置に離隔して設けたことを特徴とする走行丸鋸盤。
【請求項2】
加工材の移動方向端部をクランプするクランプ爪を第1および第2の定規手段に備えたことを特徴とする請求項1の走行丸鋸盤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、大版材の縦方向切断加工(リップカット)と小割材の横方向切断加工(クロスカット)を効率的に行うことができる走行丸鋸盤の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一つの鋸走行用スリットに対して複数の定規板を配設し、その各々を制御移動することによって大版材のリップカット並びに小割材のクロスカットを効率的に行うようにした走行丸鋸盤は、本出願人の先の提案に係る特開平4−125102号の発明によって周知である。
【0003】
この発明の走行丸鋸盤は、図8の説明図のように、大版材を受け入れてリップカットを行うテーブル領域と小割材を受け入れてクロスカットを行うテーブル領域を独立して設けたものである。このため、同図のように最大の大版材Waの長さLhと最大の小割材Wbの幅Whを加算した鋸走行ストロークすなわちテーブル広さが必要となり、機械の大形化さらには設備コストの増大を招くという問題点が指摘された。また二つのテーブル領域を区画する構成部材のために、テーブル上での加工材の自由な往来移送ができず、作業性が悪いという問題点もあった。
【0004】
加えて先の提案に係る走行丸鋸盤の定規手段Ma、Mbは加工材Wa、Wbを当接するだけのものである。このため、加工材をテーブルの奥側に移送するにあたっては人為作業を要した。また加工材を前側に移送して切断加工に供する場合にあっても、ズレを生じて高精度の位置決めができないという欠点があった。
【特許文献1】特開平4−125102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、従来技術において各々区画されていたテーブル領域を共有化することによって、装置全体の小型化、設備コストの低減化を図り、併せて加工材の自由な往来移送によって作業性を大幅に向上することができる走行丸鋸盤を提供することにある。
【0006】
また本発明は、加工材をクランプして移送することによって作業負担の軽減さらには高精度の位置決めを達成することができる走行丸鋸盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題の解決手段として、本発明に係る走行丸鋸盤は、加工材を載置するテーブルと、テーブルに設けた直線状の鋸走行用スリットと、鋸走行用スリットから突出して走行移動する丸鋸と、鋸走行用スリットに対応して上部に設けた加工材の押え手段と、テーブル上に配設し、かつ鋸走行用スリットと直交する方向に移動する第1および第2の定規手段と、第1および第2の定規手段を制御移動する第1および第2の制御駆動手段を備え、テーブル上において位置決めした加工材を押圧固定した状態で切断加工するものにおいて、上記第1および第2の定規手段の移動を支承する多数の支承手段を鋸走行用スリットと直交する方向に配設し、これら支承手段のうちテーブルと対峙するものをテーブル面の上方位置に離隔して設けたことを最も大きな特徴としている。
【0008】
また本発明は、請求項1の走行丸鋸盤において、加工材の移動方向端部をクランプするクランプ爪を第1および第2の定規手段に備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る走行丸鋸盤によれば、支承部材によってテーブルが区画されることがなく、第1の定規手段に対応するテーブル領域と第2の定規手段に対応するテーブル領域を一連的にして共有化することができる。このため、大版材のリップカットを行う場合でも、小幅材のクロスカットを行う場合でもテーブル全域を使用して作業を行うことができる。よって鋸走行ストロークの短縮による機械の小型化、設備コストの低減さらには加工材の往来移送による作業の容易化などを合理的に達成することができる。
【0010】
また定規手段をクランプ爪によって構成したときは、加工材の移送を自動的に行うことができ作業者負担を軽減することができる。さらに加工材の位置決めを高精度で行うことができるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
機械の小型化、設備コストの低減さらには作業性の向上を達成するという目的を達成するために、この発明の走行丸鋸盤は次のような構成を備えたものである。
【実施例1】
【0012】
図1は、この発明に係る走行丸鋸盤の一実施例を示す平面図、図2は同じく一部を縦断して示す側面図にして、1は機械のベース 2、2はベース1の上部に設けた前後一対のフレーム 3、3はフレーム2の左右両側に配設したサイドフレーム 4はフレーム2の上側部に設けたテーブルである。このテーブル4は、上記のフレーム2およびこのフレーム2の後方に延在した支持フレーム5によって水平面を保持しており、加工材Wを載置して移送する。
【0013】
6はテーブル4の下部内側にしてサイドフレーム3、3に架設した左右方向のレール支持ビーム このレール支持ビーム6は高剛性の角パイプであり、図4にも示すように同方向に延びるガイドレール7、7を配設する。8はスライドベアリングを介してガイドレール7、7に移動自在に設けた走行移動ベースである。 この走行移動ベース8には、次に説明する切断ユニットAを搭載すると共に、丸鋸収容スペース9、廃塵フード10を一体的に設ける。
【0014】
切断ユニットAは、走行移動ベース8に設けた上下ガイドレール11に昇降自在に配設されており、昇降ベース12、昇降ベース12の下部に固定した駆動モータ13、昇降ベース12の上部に設けた支持軸14、支持軸14に回転自在に取りつけた回転筒15、フランジ16を介して回転筒15に固定した丸鋸17の各部材からなる。この切断ユニットAは、走行移動ベース8に上向きに取りつけた空圧シリンダ18によって昇降作動し、テーブル4に対して丸鋸17を出没操作する。
【0015】
19は丸鋸の走行移動位置に対応してテーブル4に穿設した鋸走行用スリット この鋸走行用スリット19は、フレーム2、2の上面に配設した刃口板20を直線状に挽断して形成するものであり、丸鋸17の出没と走行動作をガイドする。上記の刃口板20はテーブルと同じ高さであり、交換可能に装着する。
【0016】
前記の丸鋸17は、回転筒15に設けた受動プーリ21、駆動モータ13の出力軸に設けた駆動プーリ22および両プーリに張設したベルト23によって定方向に高速回転する。また切断ユニットAは、図示省略の走行駆動手段によってガイドレール7、7の方向に走行移動される。丸鋸17は、図1の下方向に移動するときテーブル4上に突出して加工材Wを切断加工し、上方向に走行移動するときテーブル4内に没入退避する。
【0017】
30はテーブル4を跨ぐようにして上部に配設した門形状の保持フレーム Bは保持フレーム30に支持し、かつ鋸走行用スリット19に対応して配設した加工材Wの押え手段 この押え手段Bは、保持フレーム30に下向きに配設した空圧シリンダ31、31、空圧シリンダ31、31によって昇降作動する押圧ビーム32によって構成してあり、空圧シリンダ31、31におけるピストンロッドが伸長作動するとき、加工材Wをテーブル4へ押圧固定する。
【0018】
40a、40b、40cは鋸走行用スリット17と直交する方向、すなわち前後方向にしてテーブル4を跨ぐようにして上側に配設した第1〜第3の支持ビーム 上記のうち第1および第3の支持ビーム40a、40cは、丸鋸17の走行移動ストロークより大きな間隔を隔てて配設し、第2の支持ビーム40bはそれらの中間部適所に配設する。43、43は第1および第3の支持ビーム40a、40cの支脚 44は第2の支持ビーム40bの支脚である。前記第2の支持ビーム40bは、テーブル4と対峙してその上側に離隔空間をもって配設する。
【0019】
45、45は第1〜第3の支持ビーム40a、40b、40cに配設した前後方向のガイドレール 46はスライドベアリングを介してガイドレール45、45に移動自在に配設した第1の前後移動ビーム この第1の前後移動ビーム46は、鋸走行用スリット19と平行にして第1および第2の支持ビーム40a、40bに架設する。
【0020】
Daは第1の前後移動ビーム46を移動制御する第1の制御駆動手段 この第1の制御駆動手段Daは、前後移動ビーム46に固定した減速機付の駆動モータ51、駆動モータ51の出力軸に連結した伝動軸52、伝動軸52の両端に取りつけたギヤ53、53およびギヤ53、53に噛み合う第1および第2の支持ビーム40a、40bのラック54、54によって構成する。上記の駆動モータ51は、周知のNC制御装置(図示省略)によって制御回転され、第1の前後移動ビーム46の移動および位置決めを行う。
【0021】
56はスライドベアリングを介してガイドレール45、45に移動自在に配設した第2の前後移動ビーム この第2の前後移動ビーム56は、鋸走行用スリット19と平行にして第2および第3の支持ビーム40b、40cに架設する。
【0022】
Dbは第2の前後移動ビーム56を移動制御する第2の制御駆動手段 この第2の制御駆動手段Dbは、前後移動ビーム56に固定した減速機付の駆動モータ61、駆動モータ61の出力軸に連結した伝動軸62、伝動軸62の両端に取りつけたギヤ63、63およびギヤ63、63に噛み合う第2および第3の支持ビーム40b、40cのラック64、64によって構成する。上記の駆動モータ61は、周知のNC制御装置(図示省略)によって制御回転され、第2の前後移動ビーム56の移動および位置決めを行う。
【0023】
Eaは第1の前後移動ビーム46に備えた第1の定規手段 この定規手段Eaは、前後移動ビーム46に昇降自在に配設した取付ビーム47、取付ビーム47に間隔的に設けた多数(実施例では8個)のクランプ爪48、48によって構成する。クランプ爪48は、図5に示すように当接定規面49、下部受片50a、上部押え片50b、上部押え片50bを上下作動する空圧シリンダ50cを備えており、当接定規面49によって位置規制した加工材Wをクランプ固定する。上記の定規手段47は、取付ビーム46に下向きに備えた空圧シリンダ50dによって上下作動し、クランプ爪48をテーブル高さに適合する動作位置とテーブル上方の退避位置に設定する。
【0024】
Ebは第2の前後移動ビーム56に備えた第2の定規手段 この定規手段Ebは、前後移動ビーム56に昇降自在に配設した取付ビーム57、取付ビーム57に間隔的に設けた多数(実施例では3個)のクランプ爪58、58によって構成する。クランプ爪58は、図5に共通して示すように当接定規面49、下部受片50a、上部押え片50b、上部押え片50bを上下作動する空圧シリンダ50cを備えており、当接定規面49によって位置規制した加工材Wをクランプ固定する。上記の定規手段57は、取付ビーム56に下向きに備えた空圧シリンダ50dによって上下作動し、クランプ爪58をテーブル高さに適合する動作位置とテーブル上方の退避位置に設定する。
【0025】
なお上記の第1〜第3の支持ビーム40a、40b、40c、これら第1〜第3の支持ビーム40a、40b、40cに配設した前後方向のガイドレール45、45およびラック54、64の各部材は第1および第2の前後移動ビーム46、56および第1および第2の定規手段Ea、Ebの前後移動を支承する支承手段を構成している。
【0026】
一実施例に係る走行丸鋸盤の構成は上記の通りであり、次のようにして加工材の切断加工を行うものである。
【0027】
まず大版材の縦方向切断加工(リップカット)を行うときには、長辺が鋸走行用スリット19と平行するようにしてテーブル4に加工材Wを載置する。そして、この加工材Wの端部を第1および第2の定規手段Ea、Ebにおけるクランプ爪48、58の両方でクランプし、図6の位置に移送する。この後は第1および第2の制御駆動手段Da、Dbを連動的に駆動し、加工材Wを同図の一点鎖線で示す切断予定位置に順次移動して位置決めし、丸鋸17の走行によって切断加工を行うようにする。
【0028】
ここにおいて、第1の定規手段Eaが対応するテーブル領域と第2の定規手段Ebが対応するテーブル領域とは一連的に形成されるので、テーブル全域を共有して大版の加工材Wを受け入れることができる。このため、効果的な切断加工作業を行うことができる。
【0029】
前記のリップカットが終了した加工材W1、W2は、テーブル4の前側に一旦ストックする。この加工材W1、W2を横方向切断加工(クロスカット)するには、図7のように加工材を供給し、端部を第2の定規手段Ebにおけるクランプ爪58によってクランプして同図の位置に移送する。この後は第2の制御駆動手段Dbを単独で駆動し、加工材W1、W2を一点鎖線で示す切断予定位置に順次に移動して位置決めし、丸鋸17の走行によって切断加工を行うようにする。
【0030】
前述したように、テーブル4はその全領域を使うことができるものである。このため、テーブル4上での加工材W1、W2の移送、旋回などの操作を大きな作業負担を招くこともなく軽快に行うことができる。また複数枚の加工材W1、W2を並べて供給した場合において、この加工材が第1の定規手段Ebに対応するテーブル領域に入り込むことがあっても、支障を生ずることなく移送、位置決めさらには切断加工を行うことができる。
【0031】
また図6では、最大長さの加工材Wを切断加工する場合について説明したが、短尺の加工材Wにおいては、第1の定規手段Eaが対応するテーブル領域にこの加工材を供給し、同時に第2の定規手段Ebが対応するテーブル領域に小幅の加工材を供給することができる。このときには、第1の制御駆動手段Daと第2の制御駆動手段Dbにより両加工材をそれぞれ単独で移送、位置決めして同時または別個に切断加工を行うことができる。
【0032】
また上記の一実施例では、制御駆動手段の構成部材としてラックとギヤを用いたが、この構成を回転ねじ軸と受動ナットの組み合わせに変更することは設計上容易である。さらに一実施例では説明していないが、鋸走行用スリット方向における加工材の位置を規制するために、この鋸走行用スリットと直交する方向に長尺の当接定規を備えること、およびこの当接定規に向けて加工材を押圧する横押え手段を配設することは業界において周知である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る走行丸鋸盤の一実施例を示す平面図である。
【図2】同じく、一部を縦断して示す側面図である。
【図3】図1のX−X線で切断して示す側面図である。
【図4】切断ユニットの構成を示す説明図である。
【図5】定規手段におけるクランプ爪の構成を示す側面図である。
【図6】加工材の縦方向切断加工(リップカット)の説明図である。
【図7】加工材の横方向切断加工(クロスカット)の説明図である。
【図8】従来の走行丸鋸盤の説明図である。
【符号の説明】
【0034】
4 テーブル
8 走行移動ベース
A 切断ユニット
13 駆動モータ
17 丸鋸
19 鋸走行用スリット
30 保持フレーム
B 押え手段
W 加工材
40a 第1の支持ビーム
40b 第2の支持ビーム
40c 第3の支持ビーム
43 支脚
44 支脚
45 ガイドレール
46 第1の前後移動ビーム
Da 第1の制御駆動手段
51 駆動モータ
53 ギヤ
54 ラック
56 第1の前後移動ビーム
Db 第1の制御駆動手段
61 駆動モータ
63 ギヤ
64 ラック
Ea 第1の定規手段
47 取付ビーム
48 クランプ爪
49 当接定規面
50a 下部受片
50b 上部押え片
50c 空圧シリンダ
50d 空圧シリンダ
Eb 第2の定規手段
57 取付ビーム
58 クランプ爪
【出願人】 【識別番号】000190725
【氏名又は名称】シンクス株式会社
【出願日】 平成18年11月17日(2006.11.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−126435(P2008−126435A)
【公開日】 平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願番号】 特願2006−310989(P2006−310989)