トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 チェーンソー用案内装置,チェーンソー及び被切断材の切断方法
【発明者】 【氏名】藤原 定雄

【要約】 【課題】被切断材の表面が平坦でなくてもガイドバーの被切断材に対する支持を安定させ、ガイドバーをスムーズに移動できるようにし、精度良く製材ができるようにする。

【解決手段】被切断材6の切断時にガイドバー1の面方向に沿って被切断材6の表面を転動するローラ9と、ガイドバー1に取付けられローラ9を転動可能に支持する支持体10とを備え、支持体10を、ローラ9をチェーン刃2に対向しかつローラ9の回転軸12がガイドバー1の面方向に直交するように保持する保持部13と、この保持部13に延設されチェーン刃2を跨いでガイドバー1の側面に固定される一対の脚部14とを備えて形成し、ガイドバー1に対して着脱可能にした構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被切断材を切断するエンドレスのチェーン刃を、本体に突設された板状のガイドバーの周縁に巻回してなり、上記被切断材に対し上記チェーン刃を上記ガイドバーの面方向に沿って移動させて当該被切断材を切断するチェーンソーに取付けられるチェーンソー用案内装置において、
上記被切断材の切断時に上記ガイドバーの面方向に沿って該被切断材の表面を転動するローラと、
上記ガイドバーに取付けられ上記ローラを転動可能に支持する支持体とを備えたことを特徴とするチェーンソー用案内装置。
【請求項2】
上記支持体を、上記ガイドバーに対して着脱可能にしたことを特徴とする請求項1記載のチェーンソー用案内装置。
【請求項3】
上記支持体を、上記ローラを上記チェーン刃に対向しかつ該ローラの回転軸が上記ガイドバーの面方向に直交するように保持する保持部と、該保持部に延設され上記チェーン刃を跨いで上記ガイドバーの側面に固定される一対の脚部とを備えて構成したことを特徴とする請求項2記載のチェーンソー用案内装置。
【請求項4】
上記脚部を上記ガイドバーに対して解除可能にロックするロック機構を備えることを特徴とする請求項3記載のチェーンソー用案内装置。
【請求項5】
上記保持部を、ベース部材と、一端に上記ローラが保持され他端が上記ベース部材に回動可能に軸支されて揺動するアームと、該ベース部材と該アームとの間に設けられ該ローラの当該ベース部材側方向への移動とは反対方向に該アームを付勢するスプリングと、該ローラの揺動範囲を規定するストッパとを備えて構成したことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載のチェーンソー用案内装置。
【請求項6】
上記チェーンソーの移動時に上記ガイドバーの傾きを視認するための水準器を備えたことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載のチェーンソー用案内装置。
【請求項7】
被切断材に対し該被切断材の切断線を投射するレーザー光を送出するレーザー墨出器と、上記ガイドバーが通過する仮想面上に位置する基準線が描かれ上記レーザー光を反射する受光板とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載のチェーンソー用案内装置。
【請求項8】
請求項1乃至7何れかに記載のチェーンソー用案内装置を備えたことを特徴とするチェーンソー。
【請求項9】
請求項1乃至7何れかに記載のチェーンソー用案内装置を備えたチェーンソーを用いて被切断材を切断する被切断材の切断方法において、
上記チェーンソー用案内装置をチェーンソーのガイドバーの先端部に取付け、被切断材の表面に切断線を罫書き、当該被切断材に上記チェーンソーのガイドバーの先端部側に罫書かれた切断線に沿う方向で上記チェーンソー用案内装置のローラが転動可能に係入される溝を形成し、当該チェーンソーで当該被切断材を切断する際、上記チェーンソー用案内装置のローラを上記溝に係入し、該溝を転動させながら切断することを特徴とする被切断材の切断方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木材等の被切断材を切断するチェーンソーに取付けられ、切断の際にチェーンソーを移動させ易くするチェーンソー用案内装置,このチェーンソー用案内装置を備えたチェーンソー及び被切断材の切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図12に示すように、チェーンソーCaは、木材からなる被切断材6を切断するチェーン刃2と、本体8から突設されチェーン刃2を周縁に巻回してなるガイドバー1と、本体8に設けられスイッチのトリガー3を備えたハンドル4と、グリップ5とを備えて構成されている。そして、このチェーンソーCaにより被切断材6を切断するときは、作業者は片手でハンドル4を、もう片方の手でグリップ5を把持しながらチェーンソーCaを移動させる。この際、手でチェーンソーCaを移動させるので、熟練度の低い作業者では、チェーンソーCaの重さにより、ぐらつくことから正確にガイドバー1を移動させて被切断材6を切断できないことがあった。特に、被切断材6が丸太の場合であって、これを長手方向に切断する場合には真直に切断しにくく、切断精度を損ねてしまう。
【0003】
そこで、従来においては、図12に示すように、本体8に被切断材6に摺接する突起部7を設け、作業時に、この突起部7を被切断材6に摺接させることにより、チェーンソーCaを被切断材6に支持してがたつきを抑え、スムーズにガイドバー1を移動させることができるようにしている(例えば、特開平8−267401号公報掲載)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−267401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この従来のチェーンソーCaにあっては、突起部7が平坦面となっているため、被切断材6が丸太などの曲面であるような場合、突起部7が被切断材6の表面に引っ掛り易く、スムーズにガイドバー1を移動させにくいことがあり、操作性に劣るという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、被切断材の表面が平坦でなくてもガイドバーの被切断材に対する支持を安定させ、ガイドバーをスムーズに移動できるようにし、精度良く製材ができるようにしたチェーンソー用案内装置及びこのチェーンソー用案内装置を備えたチェーンソーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するため、本発明のチェーンソーの案内装置は、被切断材を切断するエンドレスのチェーン刃を、本体に突設された板状のガイドバーの周縁に巻回してなり、上記被切断材に対し上記チェーン刃を上記ガイドバーの面方向に沿って移動させて被切断材を切断するチェーンソーに取付けられるチェーンソー用案内装置において、上記被切断材の切断時に上記ガイドバーの面方向に沿って被切断材の表面を転動するローラと、上記ガイドバーに取付けられ上記ローラを転動可能に支持する支持体とを備えた構成とした。
【0008】
これにより、例えば、被切断材が丸太の場合であって、これを長手方向に切断するときは、ローラを被切断材の表面に転動させてチェーンソーを被切断材に支持させながらガイドバーを移動させる。この場合、ローラがガイドバーの面方向に沿って被切断材の表面を転動するので、従来の平坦面な突起部の場合と異なり、被切断材の表面に引っ掛りにくくなり、支持を安定させてスムーズにガイドバーを移動させることができ、そのため、精度良く製材することができる。
【0009】
そして、必要に応じ、上記支持体を、上記ガイドバーに対して着脱可能にした構成とした。これにより、支持体を必要時にのみ取付けることができるので、例えば、立木を切断する場合には、支持体を取外し、通常の切断の用に供することができる。また、支持体の位置を容易に変更することも可能で、ガイドバーの長さを被切断材の大きさに合わせることができ、他の接触物に触れることが無く、安定した作業が行える。
【0010】
また、必要に応じ、上記支持体を、上記ローラを上記チェーン刃に対向しかつローラの回転軸が上記ガイドバーの面方向に直交するように保持する保持部と、この保持部に延設され上記チェーン刃を跨いで上記ガイドバーの側面に固定される一対の脚部とを備えた構成とした。これにより、作業時にガイドバーの移動線上をローラも移動できるようになるため、バランスが良く、より一層支持が安定する。更に、脚部がチェーン刃を跨いで取付けられるので、ローラとチェーン刃が接触することがなく、ローラの回転とチェーン刃の回転が妨げられることが無くなる。
更に、必要に応じ、上記脚部を上記ガイドバーに対して解除可能にロックするロック機構を備えた構成とした。これにより、ロック機構のロック及びロック解除により、支持体の着脱を行なうので、着脱作業が容易にできるようになる。
【0011】
そして、また、必要に応じ、上記保持部を、ベース部材と、一端に上記ローラが保持され他端が上記ベース部材に回動可能に軸支されて揺動するアームと、該ベース部材と該アームとの間に設けられ該ローラの当該ベース部材側方向への移動とは反対方向に該アームを付勢するスプリングと、該ローラの揺動範囲を規定するストッパとを備えた構成とした。これにより、切断するときは、チェーンソーをガイドバーの長手方向に手で押したり引いたりしてローラを被切断材に接触させながらガイドバーを進行させる。この場合、チェーンソーが、手の微妙な動きや被切断材の凹凸具合によってガイドバーの長手方向に動いても、ローラがスプリングにより被切断材に対して弾接しているので、ローラの被切断材に対する追従性が向上し、安定した切断を行なうことができる。また、ストッパを設けたので、ローラが所定の揺動範囲で揺動し、そのため、保持部に接触することがなく、ローラの回転が妨げられることがない。
【0012】
また、必要に応じ、上記チェーンソーの移動時に上記ガイドバーの傾きを視認するための水準器を備えた構成とした。これにより、ガイドバーを垂直にして移動させる際、作業者が、ガイドバーが被切断材に対して垂直な姿勢になっているか否かを容易に知ることができ、適宜姿勢を修正できるので、この点でも精度良く製材することができる。
【0013】
更に、必要に応じ、被切断材に対し該被切断材の切断線を投射するレーザー光を送出するレーザー墨出器と、上記ガイドバーが通過する仮想面上に位置する基準線が描かれ上記レーザー光を反射する受光板とを備えた構成とした。これにより、切断箇所に切断線を入れる際、凸凹のある場所や手の届かない場所など巻尺を使用しにくい場所も、レーザーであれば容易に切断線を明確にすることができる。また、受光板にはガイドバーが通過する仮想面上に位置する基準線が描かれており、この仮想面上に切断線が位置するようにガイドバーを進行させればよいことから、作業者は、受光板を見て受光板に写ったレーザー光と基準線とが一致するようにガイドバーを進行させればよいので、ガイドバーの姿勢を容易に修正でき、そのため、この点でも精度良く製材することができる。また、作業者が、切断線を見る場合に、ガイドバーと被切断材の接触部分を見なくても良く、レーザー光を見やすい状況で作業できるようになる。
【0014】
また、上記目的を達成するための本発明の技術的手段は、上記何れかに記載のチェーンソー用案内装置を備えたチェーンソーにある。ガイドバーの被切断材に対する支持を安定させ、ガイドバーをスムーズに移動できるようにし、精度良く製材ができるようになる。
【0015】
更にまた、上記目的を達成するための本発明の被切断材の切断方法は、上記のチェーンソー用案内装置を備えたチェーンソーを用いて被切断材を切断する被切断材の切断方法において、上記チェーンソー用案内装置をチェーンソーのガイドバーの先端部に取付け、被切断材の表面に切断線を罫書き、当該被切断材に上記チェーンソーのガイドバーの先端部側に罫書かれた切断線に沿う方向で上記チェーンソー用案内装置のローラが転動可能に係入される溝を形成し、当該チェーンソーで当該被切断材を切断する際、上記チェーンソー用案内装置のローラを上記溝に係入し、該溝を転動させながら切断するようにしている。
【0016】
これにより、例えば、被切断材が丸太の場合であって、これを長手方向に切断するときは、ローラを被切断材の溝に転動させてチェーンソーを被切断材に支持させながらガイドバーを移動させる。この場合、作業者側に罫書かれた切断線は目視できるため、切断線を外れないようにガイドバーを移動させることができる。また、作業者と反対側に罫書かれた切断線は目視できないが、切断線に沿う方向の溝をローラが転動するので、ガイドバーの先端部が切断線を外れることなく切断作業を行なうことができる。そのため、精度良く製材することができ、熟練度の低い者でも容易に切断作業を行なうことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のチェーンソー用案内装置によれば、被切断材の切断時にガイドバーの面方向に沿って被切断材の表面を転動するローラを取付けたので、ローラがガイドバーの面方向に沿って被切断材の表面を転動することができ、そのため、被切断材の表面が丸太のような曲面であっても、被切断材の表面に引っ掛りにくくなり、チェーンソーの支持を安定させてスムーズにガイドバーを移動させることができ、そのため、精度良く製材することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置を説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。
図1乃至図4には、本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置を示している。これは、チェーンソーCに取付けられる。チェーンソーCは、エンドレスのチェーン刃2を、本体8に突設された板状のガイドバー1の周縁に巻回してなる。このチェーンソーCにおいては、本体8より作業者側にU字状に形成されたグリップ5と、その反対側にハンドル4とを設けて形成される。
【0019】
チェーンソー用案内装置は、被切断材6の切断時にガイドバー1の面方向に沿って被切断材6の表面を転動するローラ9と、ガイドバー1に取付けられローラ9を転動可能に支持する支持体10とを備えて構成される。
支持体10は、ローラ9をチェーン刃2に対向しかつローラ9の回転軸12がガイドバー1の面方向に直交するように保持する保持部13と、保持部13に延設されチェーン刃2を跨いでガイドバー1の側面に固定される一対の脚部14とを備えて形成されている。保持部13は、断面コ字状に形成されて、回転軸12を架設保持しており、この回転軸12にローラ9が軸支されている。
【0020】
支持体10は、脚部14をガイドバー1に対して解除可能にロックするロック機構16を備える。ロック機構16は、脚部14に形成され軸線がガイドバー1の側面に直交する雌ネジ11と、雌ネジ11にねじ込まれる螺子15とを備えて構成されている。雌ネジ11と螺子15との組は一対設けられている。これにより、支持体10は、ガイドバー1に任意の場所へ2箇所の螺子15で取付け固定される。このとき、一方の脚部14をガイドバー1に接触させ、他方の脚部14の雌ネジ11に螺子15をねじ込んで、一方の脚部14と螺子15とで挾持して取付け固定する。よって、螺子15を外すだけでロック解除でき、着脱可能となる。
【0021】
また、チェーンソー用案内装置は、チェーンソーCの移動時にガイドバー1の傾きを視認するための水準器17を備えている。この水準器17は、アルコールや不燃性特種溶液を入れたガラス製容器に、ひとつの気泡を入れて密封して構成される。容器の水平面が非常に微妙な曲面になっていることにより、水準器17を置いた面の角度によって気泡の位置が変化し、少しでも傾いていると気泡は容器の中央から離れていき、水平面上では気泡は中央に来て静止する。水準器17は、作業者が作業中に視認しやすい任意の場所へ取付け固定する。
【0022】
また、本装置は、被切断材6に対し切断線19を投射するレーザー光を送出するレーザー墨出器20を備える。このレーザー墨出器20は、水平、垂直方向に直線のレーザー光を発することができる。また、本装置は、本体8に取付けられ、ガイドバー1が通過する仮想面S上に位置する基準線21が描かれレーザー光を反射する受光板22を備えている。この受光板22は、基準線21がガイドバー1の中心面(仮想面S)上に位置するように、かつ、作業者が視認し易い箇所に取付け固定される。
【0023】
従って、この第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置を用いて切断作業を行なう場合は、以下のようになる。この切断は、被切断材6が丸太であり、これを長手方向に切断する場合である。先ず、ガイドバー1に支持体10を取付ける。取付けは、一方の脚部14をガイドバー1に接触させ、他方の脚部14の雌ネジ11に螺子15をねじ込んで、一方の脚部14と螺子15とで挾持して取付け固定する。螺子15を外せばロック解除でき、着脱可能となる。そのため、支持体10の位置を容易に変更することが可能で、ガイドバー1の長さを被切断材6の大きさに合わせることができる。
【0024】
次に、この状態で、チェーンソーCを駆動し、切断作業を行なう。この場合、被切断物6へレーザー墨出器20よりレーザー光を当てて、切断箇所を明確にする。そして、受光板22の基準線21上にレーザー光が重なるようにガイドバー1を被切断材6の端部へ当接させる。片方の手でハンドル4を、もう片方の手でグリップ5を把持し、チェーン刃2を回転駆動させる。この状態で、ガイドバー1がレーザー光の道筋を通るように切断作業を行なう。ローラ9を被切断材6に接触させガイドバー1がスムーズに移動できるように転動させながら、ガイドバー1を移動させていく。このとき、作業中にガイドバー1が傾くとレーザー光の道筋を外れてしまうので、チェーンソーCに取付けた水準器17を視認しながら作業を行なっていく。また、受光板22にはガイドバー1が通過する仮想面S上に位置する基準線21が描かれており、この仮想面S上に切断線19が位置するようにガイドバー1を進行させればよいことから、作業者は、受光板22を見て受光板22に写ったレーザー光と基準線21とが一致するようにガイドバー1を進行させればよいので、ガイドバー1の姿勢を容易に修正でき、そのため、この点でも精度良く製材することができる。このため、熟練度の低い者でも容易に切断作業を行なうことができる。
【0025】
この際、ローラ9は、被切断材6の表面が凸凹であったり、丸太などの曲面であっても引っ掛りにくく、そのため、チェーンソーCの支持が安定し、ガイドバー1をスムーズに移動させることができる。また、ガイドバー1の長さを被切断材6の大きさに合わせられるため、作業中にチェーン刃2が石や他の切断物などの接触物に触れることが無く、ガイドバー1の移動がスムーズに行なえる。このため、熟練度の低い者でも容易に切断作業を行なうことができる。
【0026】
また、ローラ9及び支持体10は必要時にのみ取付けることができるので、例えば、立木を切断する場合には、ローラ9及び支持体10をガイドバー1から取外すことができ、チェーンソーCだけで作業を行なうことができる。立木の切断などのように、ガイドバー1を支持する装置が無くても作業精度が変わらない場合は、ローラ9及び支持体10を取外しチェーンソーCを軽くして作業を行なうことができる。
【0027】
図5及び図6には、本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置を用いて行なう別の切断方法の例を示している。
この別の切断方法で切断作業を行なう場合は、以下のようになる。これは、レーザー墨出器20を使用しない場合の切断方法である。先ず、ガイドバー1に支持体10を取付ける。このとき、支持体10をチェーンソーCの先端部7に取付ける。取付け,取外しは、上記の実施の形態の切断方法と同様である。この場合、支持体10の位置を容易に変更することが可能で、ガイドバー1の切断幅を被切断材6の大きさに合わせることができる。
【0028】
また、被切断物6へ切断線19を罫書き、切断箇所を明確にする。そして、被切断物6の切断線19に沿ってチェーンソー用案内装置のローラ9が転動可能に係入される溝30を形成する。このとき、チェーンソーCのガイドバー1の先端部7側に罫書かれた切断線19に沿う方向の切断線19、即ち、作業者とは反対側の切断線19のみに溝30を形成すれば良い。この状態で、チェーンソーCを駆動し、切断作業を行なう。この場合、切断線19にガイドバー1を当接させ、溝30にローラ9を係入させる。片方の手でハンドル4を、もう片方の手でグリップ5を把持し、ガイドバー1が切断線19を通るようにガイドバーを移動させて切断作業を行なう。ローラ9をガイドバー1がスムーズに移動できるように転動させながら、ガイドバー1を移動させていく。この場合、作業者側の切断線19は目視できるため、切断線19を外れないようにガイドバー1を移動させることができる。また、作業者とは反対側の切断線19は目視できないが、切断線19に沿って形成された溝30をローラ9が転動するので、ガイドバー1の先端部7が切断線19を外れることなく、切断作業を行なうことができる。そのため、精度良く製材することができ、熟練度の低い者でも容易に切断作業を行なうことができる。この際、ローラ9は、ローラ9と溝30との当接面が凹凸であっても引っ掛りにくく、そのため、チェーンソーCの支持が安定し、ガイドバー1をスムーズに移動させることができる。
【0029】
図7乃至図9には、本発明の第二の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置を示している。これは、保持部13を、ベース部材40と、アーム43と、スプリング44と、ストッパ45とを備えて構成したものである。その他の構成は、第一の実施の形態と同様である。
【0030】
ベース部材40は、基部41と、支柱42とで構成されている。
基部41は、図7乃至図9に示すように、直方体状に形成され、一対の脚部14が延設されている。
支柱42は、図7乃至図9に示すように、基部41の脚部14が延設されている側とは反対側に設けられ、その先端には、後述のアーム43が設けられている。
【0031】
アーム43は、図7乃至図9に示すように、その一端43aにローラ9を転動可能に保持し、その他端43bがベース部材40の支柱42に回動可能に軸支されている。このアーム43は、ローラ9及び支柱42を挟んで一対設けられている。
スプリング44は、図7乃至図9に示すように、支柱42とアーム43との間に設けられ、ローラ9のベース部材40側方向への移動とは反対方向にアーム43を付勢している。このスプリング44は、一端が一対のアーム43に挟まれ他端が基部41に固定される固定部46の外周に設けられている。
ストッパ45は、図7及び図9に示すように、アーム43のベース部材40側方向への移動を止めるストッパ45aと、アーム43のベース部材40側方向とは反対方向への移動を止めるストッパ45bとの2つとからなり、夫々、支柱42に設けられている。ストッパ45aは、ローラ9がベース部材40に接触しないように所定の位置に設けられている。
【0032】
従って、このチェーンソー用案内装置を用いて切断作業を行なう場合は、以下のようになる。これは、レーザー墨出器20を使用しない場合の切断方法である。先ず、ガイドバー1に支持体10を取付ける。このとき、支持体10をチェーンソーCの先端部7に取付ける。取付け,取外しは、上記の第一の実施の形態の別の切断方法と同様である。この場合、支持体10の位置を容易に変更することが可能で、ガイドバー1の切断幅を被切断材6の大きさに合わせることができる。
【0033】
また、被切断材6へ切断線19を罫書き、切断箇所を明確にする。そして、被切断材6の切断線19に沿ってチェーンソー用案内装置のローラ9が転動可能に係入される溝30を形成する。このとき、チェーンソーCのガイドバー1の先端部7側に罫書かれた切断線19に沿う方向の切断線19、即ち、作業者とは反対側の切断線19のみに溝30を形成すれば良い。この状態で、チェーンソーCを駆動し、切断作業を行なう。この場合、切断線19にガイドバー1を当接させ、溝30にローラ9を係入させる。片方の手でハンドル4を、もう片方の手でグリップ5を把持し、ガイドバー1が切断線19を通るようにガイドバー1を移動させて切断作業を行なう。ローラ9をガイドバー1がスムーズに移動できるようにチェーンソーCをガイドバー1の長手方向に手で押したり引いたりしてローラ9を被切断材6に接触させて転動させながら、ガイドバー1を移動させていく。
【0034】
この場合、作業者側の切断線19は目視できるため、切断線19を外れないようにガイドバー1を移動させることができる。また、作業者とは反対側の切断線19は目視できないが、切断線19に沿って形成された溝30をローラ9が転動するので、ガイドバー1の先端部7が切断線19を外れることなく、切断作業を行なうことができる。また、チェーンソーCが、手の微妙な動きや被切断材6の凹凸具合によってガイドバー1の長手方向に動いても、ローラ9がスプリング44により被切断材6に対して弾接しているので、ローラ9の被切断材6に対する追従性が向上し、安定した切断を行なうことができる。更に、ストッパ45を設けたので、ローラ9が所定の揺動範囲で揺動し、そのため、保持部13に接触することがなく、ローラ9の回転が妨げられることがない。そのため、精度良く製材することができ、熟練度の低い者でも容易に切断作業を行なうことができる。
【0035】
図10には、本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置の変形例を示している。これは、被切断材6の切断時にガイドバー1の面方向に沿って被切断材6の表面を転動するローラ9と、一端がガイドバー1に取付けられ、他端にローラ9を回転自在に支持する支持体10と、支持体10の他端をガイドバー1に対して解除可能にロックするロック機構16とを備えている。ロック機構16は、ガイドバー1に設けた孔及び支持体10の一端に設けた孔に挿通される螺子15とこの螺子15に螺合するナット18とを備えている。螺子15とナット18の組は一対設けられている。また、ガイドバー1には、孔が複数設けられており、被切断材6の大きさに合わせて適宜選択され、支持体10の取付け位置が調整される。
【0036】
図11には、本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置の別の変形例を示している。これは、図7に示すローラ9及び支持体10を一対備え、これらをガイドバー1の両側に夫々設けるようにしたものである。
【0037】
尚、ローラ9の数、支持体10の数、ロック機構16の形態は上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して差支えない。また、上記の実施の形態において、被切断物6を丸太で構成したが、必ずしもこれに限定されるものでなく、角材など木材であれば、どのようなものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置をチェーンソーへの取付け状態及びその使用状態とともに示す斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置のローラ及び支持体の取付状態を示す拡大斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置のローラ及び支持体を示す正面断面図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置の取付け状態を示す側面図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置を用いた別の切断方法を示す斜視図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置を用いた別の切断方法において、チェーンソー用案内装置のローラ及び支持体の取付状態を示す拡大斜視図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置のローラ及び支持体を示す拡大斜視図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置をチェーンソーへの取付け状態及びその使用状態とともに示す斜視図である。
【図9】本発明の第二の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置のローラ及び支持体の取付状態を示す拡大斜視図である。
【図10】本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置の変形例のローラ及び支持体を示す断面図である。
【図11】本発明の第一の実施の形態に係るチェーンソー用案内装置の別の変形例のローラ及び支持体を示す断面図である。
【図12】従来のチェーンソーの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
C チェーンソー
S 仮想面
1 ガイドバー
2 チェーン刃
4 ハンドル
5 グリップ
6 被切断材
7 先端部
8 本体
9 ローラ
10 支持体
11 雌ネジ
12 回転軸
13 保持部
14 脚部
15 螺子
16 ロック機構
17 水準器
18 ナット
19 切断線
20 レーザー墨出器
21 基準線
22 受光板
30 溝
40 ベース部材
41 基部
42 支柱
43 アーム
44 スプリング
45 ストッパ
46 固定部
【出願人】 【識別番号】506332306
【氏名又は名称】藤原 定雄
【出願日】 平成19年6月21日(2007.6.21)
【代理人】 【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作


【公開番号】 特開2008−120066(P2008−120066A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2007−163435(P2007−163435)