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【発明の名称】 スライド式卓上切断機
【発明者】 【氏名】今村 隆一

【氏名】岡 栄作

【氏名】田島 真行

【要約】 【課題】コンパクトに構成でき、かつ多様な形状の被切断部材を容易に切断することができるスライド式卓上切断機を提供する。

【解決手段】木材Wを支持するベース部2と、ベース部2上に設けられベース部2の上方で切断刃53を支持する切断部3と、を備え、切断部3は、切断刃53を回転可能に支持する切断本体部5と、切断本体部5を支持すると共にベース部2上方で切断刃53の側面方向に切断本体部5をベース部2に対して移動可能とするスライド部6と、スライド部6をベース部2に接近離間する方向に揺動可能に支持する支持部4と、を有し、支持部4には、切断刃52の揺動とは無関係に切断刃52とベース部2との距離を微調整可能な微調整機構が設けられたスライド式卓上切断機を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工部材を支持するベース部と、
該ベース部上に設けられ該ベース部の上方で切断刃を支持する切断部と、を備え、
該切断部は、切断刃を回転可能に支持する切断本体部と、該切断本体部を支持すると共に該ベース部上方で該切断刃の側面方向に該切断本体部を該ベース部に対して移動可能とするスライド部と、該スライド部を支持する支持部と、を有し、
該切断本体部または該支持部には、該切断刃を該ベース部に接近離間する方向に揺動可能にすると共に該切断刃の回転軸と平行な該揺動軸部が設けられ、
該支持部または該切断本体部には、該切断刃の揺動とは無関係に該切断刃と該ベースとの距離を微調整可能な微調整機構が設けられていることを特徴とするスライド式卓上切断機。
【請求項2】
該支持部は、該ベース部に接続される揺動支持部と、該揺動軸部を介して該揺動支持部に接続され該スライド部を支持する揺動部とを備えて構成され、
該微調整機構は、該支持部または該切断本体部に設けられて該揺動軸部の半径方向若しくは該半径方向と平行な方向に該揺動軸部に対して該切断刃を移動可能に構成され、
該スライド部は、該揺動軸部の軸方向と直交する方向に延出されて該切断本体部と該揺動部との間に介在していることを特徴とする請求項1記載のスライド式卓上切断機。
【請求項3】
該切断本体部は、該スライド部に接続される接続部と、該揺動軸部を介して該接続部と接続され該切断刃を支持する切断刃支持部とを備えて構成され、
該微調整機構は、該支持部または該切断本体部に設けられて該揺動軸部の半径方向若しくは該半径方向と平行な方向に該揺動軸部に対して該切断刃を移動可能に構成され、
該スライド部は、該揺動軸部の軸方向と直交する方向に延出されて該接続部と該支持部との間に介在していることを特徴とする請求項1記載のスライド式卓上切断機。
【請求項4】
該ベース部は、該加工部材を支持するベースと、該ベース上に担持されて該ベースに対して回動可能なターンテーブルと、を有し、
該切断部は該ターンテーブルに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項5】
該ベース部は、該加工部材が載置される載置面を有し、
該支持部と該ベース部との間には、該載置面と同一平面上に位置すると共に該揺動軸部の軸方向と直交する方向に配置された軸を有する傾動軸部が設けられ、該切断刃は該傾動軸部を中心軸として傾動可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項6】
該切断本体部は該切断刃と該切断刃を回転駆動するモータとを有し、
該切断刃と該モータとは該揺動軸部の軸方向と平行に配列され、
該切断本体部において該スライド部との接続箇所は該切断刃と該モータとの間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項7】
該スライド部は、該揺動軸部の軸方向と直交する方向に平行に延びる複数の長尺部から構成され、
該支持部に対する該切断本体部の位置規制を行う位置規制部が、該切断本体部と該支持部との少なくともいずれか一方に設けられ、
該複数の長尺部のうち少なくとも一の長尺部は、該位置規制部と係合可能に構成され、
該複数の長尺部のうち他の長尺部は、該一の長尺部より高強度に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項8】
該複数の長尺部の配列方向は、該側面と平行に構成されていることを特徴とする請求項7に記載のスライド式卓上切断機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は卓上切断機に関し、特にスライド式の卓上切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
スライド式卓上切断機のスライド方式としては、被切断部材を載置するベース面と平行に移動するスライド部材に切断刃を設ける方法や、特許文献1に示されるようにベース面と平行に設けられたスライド部材に、切断刃を移動可能に設ける方法が公知となっている。これらのスライド式卓上切断機においては、切断刃がベース面上で揺動可能に配置されており、切断刃の一部が、ベース面に穿設された溝に挿入可能に構成されている。
【特許文献1】特開2005−279933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のスライド式卓上切断機では、切断刃の一部がベース面に穿設された溝に挿入されて、ベース面において切断刃の側面とベース面とが交わる交線部分が長いほど、幅広い部材が切断可能となる。また切断刃の回転軸位置からベース面までが離れているほど厚い部材が切断可能となる。よって厚い材料を切断すべくベース面の溝への切断刃の挿入量を小さくすると、幅広い材料を切断することができず、逆に切断刃のベース面の溝への挿入量を大きくすると厚い材料を切断することができないことがあった。
【0004】
切断刃を大きくすることによりこの問題を解決していたが、スライド式卓上切断機が大きくなり、狭い作業箇所での搬送性が低下していた。またスライドに係る機構を備えているため、通常の卓上切断機に比べてスライド式卓上切断機は重量が増していたが、これに大きな切断刃を使用することにより、重量増加を招き、搬送性を更に低下させていた。そこで、本発明は、コンパクトかつ多様な形状の被切断部材に対応したスライド式卓上切断機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、加工部材を支持するベース部と、該ベース部上に設けられ該ベース部の上方で切断刃を支持する切断部と、を備え、該切断部は、切断刃を回転可能に支持する切断本体部と、該切断本体部を支持すると共に該ベース部上方で該切断刃の側面方向に該切断本体部を該ベース部に対して移動可能とするスライド部と、該スライド部を支持する支持部と、を有し、該切断本体部または該支持部には、該切断刃を該ベース部に接近離間する方向に揺動可能にすると共に該切断刃の回転軸と平行な該揺動軸部が設けられ、該支持部または該切断本体部には、該切断刃の揺動とは無関係に該切断刃と該ベースとの距離を微調整可能な微調整機構が設けられているスライド式卓上切断機を提供する。
【0006】
上記構成のスライド式卓上切断機において、該支持部は、該ベース部に接続される揺動支持部と、該揺動軸部を介して該揺動支持部に接続され該スライド部を支持する揺動部とを備えて構成され、該微調整機構は、該支持部または該切断本体部に設けられて該揺動軸部の半径方向若しくは該半径方向と平行な方向に該揺動軸部に対して該切断刃を移動可能に構成され、該スライド部は、該揺動軸部の軸方向と直交する方向に延出されて該切断本体部と該揺動部との間に介在していることが好ましい。
【0007】
また上記構成のスライド式卓上切断機において、該切断本体部は、該スライド部に接続される接続部と、該揺動軸部を介して該接続部と接続され該切断刃を支持する切断刃支持部とを備えて構成され、該微調整機構は、該支持部または該切断本体部に設けられて該揺動軸部の半径方向若しくは該半径方向と平行な方向に該揺動軸部に対して該切断刃を移動可能に構成され、該スライド部は、該揺動軸部の軸方向と直交する方向に延出されて該接続部と該支持部との間に介在していてもよい。
【0008】
これらのような構成によると、切断部が揺動されて所定の位置にある状態で、切断刃をベース部に対して近接離間させることができる。よって切断刃をスライドさせて切断する位置においても、揺動させずに切断刃をベース部に対して近接離間させることができる。したがって、切断刃をベース面に穿設された溝に深く挿入された状態から浅く挿入された状態まで変化させることが可能になり、小さな切断刃を用いた場合であっても厚い加工部材から幅広の加工部材まで好適に切断加工することができる。
【0009】
また上記構成スライド式卓上切断機において、該ベース部は、該加工部材を支持するベースと、該ベース上に担持されて該ベースに対して回動可能なターンテーブルと、を有し、該切断部は該ターンテーブルに設けられていることが好ましい。
【0010】
また該ベース部は、該加工部材が載置される載置面を有し、該支持部と該ベース部との間には、該載置面と同一平面上に位置すると共に該揺動軸部の軸方向と直交する方向に配置された軸を有する傾動軸部が設けられ、該切断刃は該傾動軸部を中心軸として傾動可能であることが好ましい。
【0011】
このような構成によると、切断刃を加工部材に多様な角度から当接させることができ、加工部材の切断角度(マイター角度、ベベル角度)の種類の幅を拡げることができる。
【0012】
また該切断本体部は該切断刃と該切断刃を回転駆動するモータとを有し、該切断刃と該モータとは該揺動軸部の軸方向と平行に配列され、該切断本体部において該スライド部との接続箇所は該切断刃と該モータとの間に設けられていることが好ましい。
【0013】
このような構成によると、スライド部が切断部本体の外殻から突出することが抑制され、スライド式卓上切断機本体を小型化することができる。またモータと切断刃とは互いに重量物であるため、その中間位置でスライド部と接続することにより、切断本体部の重量バランスを好適にすることができる。
【0014】
また該スライド部は、該揺動軸部の軸方向と直交する方向に延びる複数の長尺部から構成され、該切断本体部と該支持部との間の位置規制を行う位置規制部が、該切断本体部と該支持部との少なくともいずれか一方に設けられ、該複数の長尺部のうち少なくとも一の長尺部は、該位置規制部と係合可能に構成され、該複数の長尺部のうち他の長尺部は、該一の長尺部より高強度に構成されていることが好ましい。
【0015】
このような構成によると、一の長尺部を主に位置規制に用い、他の長尺部を主に構造部材として用いることができる。よって一の長尺部においては、過度に高強度が要求されず、軽量な部材を用いることができる。
【0016】
また該複数の長尺部の配列方向は、該側面と平行に構成されていることが好ましい。このような構成によると、スライド部が切断部の外側から突出することが抑制され、スライド式卓上切断機本体を小型化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のスライド式卓上切断機によれば、コンパクトに構成でき、かつ多様な形状の被切断部材を容易に切断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第一の実施の形態について、図1乃至図10に基づき説明する。図1に示される卓上切断機である卓上丸鋸1は、スライド機構を備えた卓上丸鋸であり、ベース部2と、切断部3とから主に構成されている。
【0019】
ベース部2は、被切断部材である木材Wを担持するベース21と、ベース21上に回動可能に担持されたターンテーブル22と、ベース21に設けられたフェンス23とから主に構成されている。ベース21は、図2に示されるように、一対の左ベース21Aと右ベース21Bとから構成されている。これら左ベース21Aと右ベース21Bとが並んでいる方向を左右方向と定義し、ベース21の木材W(図1)を載置する面の上方を上方、反対を下方と定義する。
【0020】
図2に示されるように、ターンテーブル22は、右ベース21Bと左ベース21Aとの間に配置されている。ターンテーブル22は、略円台状のターンテーブル本体部22Aとターンテーブル本体部22Aの一方側に突出する突出部24と他方側に設けられた後述の支持部4を支持する切断部支持部27とから構成されている。この突出部24がターンテーブルより突出している方向であって左右方向と直交する方向を前方、反対を後方と定義する。
【0021】
また、ターンテーブル22の上面には、切断部支持部27近傍位置から突出部24にかけて一連の図示せぬ溝部が形成されている。この図示せぬ溝部は、後述の切断刃53が下方に揺動してターンテーブル22と交わった際の交線位置と同一位置にあり切断刃53の刃先を収容する箇所となっている。
【0022】
図1及び図2に示されるように、突出部24には、ターンテーブル22のベース21に対する回動を規制する際の操作部となる規制操作部28が設けられている。切断部支持部27は、ターンテーブル22の中心軸に対して突出部24の反対位置に配置されている。切断部支持部27には、図示せぬ溝部の延長線上に位置する傾動軸27Aと、切断部3が任意の傾斜角度で固定される傾動支持部27Bとを有している。図3に示されるように、傾動支持部27Bには、傾動軸27Aを中心とする半円弧状の長孔27aが形成されている。
【0023】
図1に示されるように、ベース21上であって、ターンテーブル22の上方位置には、フェンス23が設けられている。フェンス23は、図2に示されるように、左ベース21A及び右ベース21Bに対応して左フェンス23A及び右フェンス23Bから構成されており、左フェンス23A及び右フェンス23Bの前面は、同一平面状に位置するように配置されて、木材W(図1)の位置を規定している。
【0024】
図1に示されるように、切断部3は、支持部4と切断本体部5とスライド部6とから主に構成されている。支持部4は、揺動支持部41と、揺動部42と、スライド支持部43と、揺動軸部44とから主に構成されている。
【0025】
図3に示されるように、揺動支持部41は、一対の腕部41A、41Aを備え、反腕部41A、41A側位置で傾動軸27Aによって傾動支持部27Bに接続されている。揺動支持部41の傾動支持部27Bに形成された長孔27aと対向する箇所には、図示せぬネジ穴が形成されており、このネジ穴に長孔27aを貫通したクランプレバー41Bが螺接合されている。クランプレバー41Bを螺進させることにより、傾動支持部27Bと揺動支持部41とが互いに付勢されて傾動支持部27Bに対して揺動支持部41を傾動不能にすることができる。一対の腕部41A、41Aの間には揺動軸部44が設けられている。揺動軸部44は、一対の腕部41A、41Aのうち左側に位置する腕部41Aからその端部が突出しており、揺動軸部44の突出した部分には、ストッパホルダ45が揺動軸部44の軸回りに回転可能に設けられている。
【0026】
ストッパホルダ45には、揺動軸部44位置から見て切断部支持部27側の一端部分に図4に示されるように、揺動軸部44を中心とした円弧状の長孔45aが形成されている。長孔45a内には固定ボルト45Aが挿入されており、固定ボルト45Aは揺動支持部41に設けられたネジ穴に螺合可能となっている。よって固定ボルト45Aを螺進させることによりストッパホルダ45と揺動支持部41とが互いに付勢されてストッパホルダ45が揺動支持部41に固定され、ストッパホルダ45が揺動軸部44の中心軸回りに回転不能となる。
【0027】
図3に示されるように、ストッパホルダ45の反切断部支持部27側となる他端部分には、左右方向に貫通する筒部45Bが設けられている。筒部45Bの左側端部には、筒部45Bの半径方向に延びる溝45bが形成されている。また筒部45B内には左右方向に摺動可能なストッパピン45Cが挿入されており、筒部45Bとストッパピン45Cとの間には、筒部45Bに対してストッパピン45Cを右側に向けて付勢するバネ45Dが介在している。
【0028】
図5及び図6に示されるようにストッパピン45Cは、右側の端部に係合部45Eを有しており、後述の揺動部42に形成された凹部42bと係合可能に構成されている。またストッパピン45Cの反係合部45E側には、ストッパピン45Cの摺動方向と直交する方向に延びるピン45Fが設けられており、このピン45Fは筒部45Bの溝45b内に挿入可能に構成されている。ストッパピン45Cは、図5に示されるように、ピン45Fが溝45b内に挿入されている場合のみ係合部45Eが筒部45Bの右側端部より突出して凹部42bと係合可能である。切断刃53において、ピン45Fが溝45b内に挿入可能でありかつ切断刃53が木材Wを切断可能な位置を切断位置と定義する。また図6に示されるようにピン45Fが溝45b外にある場合には、係合部45Eが筒部45B内に配されて係合部45Eが凹部42bと係合することが抑制される。ピン45Fが溝45b内に挿入不能でありかつ切断刃53が木材Wを切断不能な位置を非切断位置と定義する。これらストッパホルダ45、ストッパピン45C、固定ボルト45Aを含んで保持機構が構成される。
【0029】
図1に示されるように揺動部42は、揺動軸部44により軸支されて、揺動軸部44の中心軸回りに揺動支持部41に対して回転可能に構成されている。揺動部42には、揺動軸部44の半径方向と略平行な方向に延びて後述のスライド支持部43の調整部43Aが挿入される調整溝42aが形成されている。揺動部42の上方に位置する面には孔42cが形成されていると共に、孔42c内に後述のネジ部42Bが挿入される調整ノブ42Aが設けられている。調整ノブ42Aは先端にネジ部42Bを有しており、このネジ部42Bが孔42cを貫通して調整溝42a内に配置され、後述の調整部43Aと螺合可能になっている。揺動部42の左側側面部分には、係合部45Eが挿入されて係合可能な凹部42bが形成されている。
【0030】
揺動部42と揺動支持部41との間には、揺動軸部44に巻回されたバネ44A(図3)が介在している。バネ44Aにより揺動部42は、揺動軸部44の上方で前側から後側に向かう方向に付勢されている。
【0031】
スライド支持部43は、スライド部6である後述の第一スライドパイプ61及び第二スライドパイプ62を固定して保持していると共に、反スライド部6側に揺動部42と接続される調整部43Aを有している。調整部43Aは、調整溝42a内に挿入されて調整溝42aの延長方向と平行に摺動可能に構成されている。また調整部43Aには、調整溝42aに挿入される位置に調整溝42aの延長方向と平行な方向に穿設されたネジ孔43aが形成されており、このネジ孔43aに調整ノブ42Aのネジ部42Bが螺合している。よって調整ノブ42Aを回転させることにより、調整部43Aを含むスライド支持部43は、調整溝42aの延長方向、即ち揺動軸部44の半径方向と略平行な方向と平行に移動することが可能となっている。これら揺動部42、調整部43A、及び調整ノブ42Aから切断刃53の揺動とは無関係に切断刃53とベース部2との間の距離を微調整可能な微調整機構が構成されている。
【0032】
スライド部6は、第一スライドパイプ61と第二スライドパイプ62とから主に構成されている。第一スライドパイプ61と第二スライドパイプ62とはそれぞれスライド支持部43に後側の一端で固定されており、揺動軸部44の軸方向と直交する方向を配列方向として略平行に配列されて前側に向けて延出されている。第二スライドパイプ62は、第一スライドパイプ61の下側に設けられており、第一スライドパイプと比べて大径かつ厚肉であり、熱処理が施されて高強度に構成されている。よって第二スライドパイプ62を主に切断本体部5を支える支柱とし、第一スライドパイプ61を切断本体部5のスライド部6に対する位置決めとすることができる。これにより、第一スライドパイプにおいては、その径等を小型化することができ、軽量化を図ることができる。
【0033】
切断本体部5は、ハウジング5Aを外殻として、胴部51と、モータ52と、切断刃53と、切断刃カバー54と、ハンドル55とから主に構成されている。
【0034】
胴部51は、スライド部6に摺動可能に保持されており、胴部51の上面であってスライド支持部43側の位置には固定ネジ51Aが設けられている。図7に示されるように固定ネジ51Aは、螺進することにより先端が第一スライドパイプ61と当接可能に構成されている。胴部51において第一スライドパイプ61の左右両側には、それぞれ圧接ブッシュ51B、51Bが第一スライドパイプ61に当接して設けられており、第一スライドパイプ61に対して胴部51が摺動する方向と直交する方向において胴部51に対する第一スライドパイプ61の位置を規定している。また圧接ブッシュ51B、51Bには、それぞれネジ51C、51Cが当接しており、このネジ51C、51Cを螺進退することにより、圧接ブッシュ51B、51Bの第一スライドパイプ61に対する圧力を調整している。
【0035】
また胴部51において、第二スライドパイプ62を支持する箇所には、ボールブッシュ51Dが設けられている。ボールブッシュ51Dを介して胴部51は第二スライドパイプ62に支持されている。
【0036】
切断刃53とモータ52とは、胴部51の前側に、左右に並んで配置されており、モータ52によって切断刃53が回転駆動されている。よって図2に示されるように、切断刃53とモータ52との間に第一スライドパイプ61及び第二スライドパイプ62が配置される。また第一スライドパイプ61及び第二スライドパイプ62の配列方向が切断刃53の側面と略平行になるように切断刃53が配置されている。このような配置を採ることにより、スライド部6が切断部3本体の外殻から突出することが抑制され、卓上丸鋸1を小型化することができる。またモータ52と切断刃53とは互いに重量物であるため、その中間位置でスライド部6と接続することにより、切断本体部5の重量バランスを好適にすることができる。
【0037】
ハンドル55は、ハウジング5Aにおいて、モータ52の上部周辺に構成されており、切断刃53を揺動する際の把持部となっている。ハンドル55には、モータ52の回転を制御するトリガ55Aが設けられている。
【0038】
上記構成の卓上丸鋸1において木材Wを切断する場合には、先ずストッパホルダ45において固定ボルト45Aを緩め、かつストッパピン45Cの係合部45Eを凹部42bに係合させた状態で、スライド部6がベース21の上面と略平行になるように切断部3を押し下げて切断刃53を揺動させる。この状態で固定ボルト45Aを締め、ストッパホルダ45の揺動支持部41に対する位置を規定する。また規制操作部28及びクランプレバー41Bを操作して、木材Wの切断角度に合わせてターンテーブル22の回動角度、切断部3の傾動角度を調整する。
【0039】
その後に、固定ネジ51Aを緩めて切断本体部5がスライド部6に対してスライド可能な状態にして、ストッパピン45Cを引き、係合部45Eと凹部42bとの係合を解き、かつピン45Fが溝45b内に挿入された状態で切断部3を上方に揺動させ、図1示される様に切断刃53をベース部2上に配置する。この状態で木材Wをベース部2上に載置し、図8に示されるように、切断本体部5を前方にスライドさせて、ベース部2に近接するように揺動し、木材Wを切断する。
【0040】
図4に示されるように、切断部3が、スライド部6とベース部2の上面とが平行になる位置まで揺動された状態で、ストッパピン45Cがバネ45Dの付勢力により摺動して、係合部45Eが凹部42b内に入り、切断刃53が切断位置に配される。これにより切断部3は揺動不可となり、よって作業者がバネ44Aの付勢力に逆らってハンドル55を押し下げていなくても、切断本体部5は揺動に係る方向において常に一定の位置に保たれる。故に、スライド部6とベース部2の上面とが平行になる所定の揺動角度で切断刃53を固定することができる。固定された後は、切断刃53が揺動することがないため、切断刃53がスライドする方向のみハンドル55に力を加えることにより木材Wを切断することができる。
【0041】
スライド部6とベース部2の上面とが平行な状態で図9に示されるように切断本体部5を後方にスライドさせて、木材Wを切断する。切断し終わった後には、ストッパピン45Cを引くことにより、係合部45Eと凹部42bとの係合が解かれて、切断刃53は非切断位置である上方に向けて揺動することができる。
【0042】
切断時において、切断本体部5のスライドにより切断することができる切断幅:Lは、図10に示されるように、スライド量をn、切断刃53の半径をl、切断刃53の中心からベース部2の上面までの距離をmとした場合に、
=n+(l−m(1/2)×2
で与えられる。切断幅がLの状態においては、木材Wの幅:HよりLの方が小さいため木材Wを切断することができない。これに対して、スライド部6がベース部2上面と平行な状態で調整ノブ42Aを回転し、切断本体部5をベース部2に近接させて切断刃53の中心からベース部2の上面までの距離をm(m>m)とした場合には、
=n+(l−m(1/2)×2>H>Lとなり、木材Wを好適に切断することができる。
【0043】
故に切断刃53をベース部2に近接させることにより、より幅の広い木材Wを切断することができる。逆に切断刃53で切断することができる木材Wの厚さは、ベース部2表面から切断刃53の中心までの距離で決まるため、切断刃53をベース部2から離間させることにより、より厚い木材Wを切断することができる。また切断刃53からベース部2までの距離を任意に変更することができるため、切断刃53が小径な場合であっても厚い木材Wから幅広の木材Wまで好適に切断加工することができる。
【0044】
次に本実施の第二の実施の形態に係るスライド式卓上切断機について、図11乃至図15を参照して説明する。第一の実施の形態に係るスライド式卓上切断機では、支持部に揺動軸部及び微調整機構が設けられていたが、第二の実施の形態に係るスライド式卓上切断機である卓上丸鋸101では、支持部に微調整機構が設けられ、切断本体部に揺動軸部が設けられている。尚、第一の実施の形態に係る卓上丸鋸1と同様の構成を採る部分においては、符号に100を追加して、その説明を省略する。
【0045】
卓上丸鋸101は、ベース121及びベース121上に回動可能に担持されるターンテーブル122を有するベース部102と、ベース部102上に設けられて切断刃153を回転可能に支持する切断部103から構成されている。
【0046】
ターンテーブル122において、後端部位置には、切断部103を支持する切断部支持部127が上方へ向けて立設されており、切断部支持部127の後端面は、図13に示されるように、後方へ向けて突出し上下方向に延設される凸部127Aが設けられている。
【0047】
図11に示されるように、切断部103は、支持部104とスライド部106と切断本体部105とから主に構成されている。支持部104は、切断部支持部127の後方に配置されており、図12に示されるように、上下方向に延びる調整部104Aと、調整部104Aの上方から斜め上方に延出されるスライド部保持部104Bとから主に構成されている。調整部104Aにおいては、図13に示されるように、切断部支持部127の凸部127Aと係合する凹部104bが形成されている。よって凹部104bに凸部127Aが挿入されて切断部支持部127に調整部104Aが配置され、支持部104は切断部支持部127に対して上下動のみ可能となる。
【0048】
また図12に示されるように、調整部104Aには、前後方向に貫通して上下方向に延びる長孔104aが形成されており、この長孔104a内に固定ボルト104Cが挿入されている。固定ボルト104Cは長孔104aを貫通し、切断部支持部127に形成されたネジ孔と螺合している。よって固定ボルト104Cを締めることにより、切断部支持部127に調整部104Aが付勢されて、支持部104は切断部支持部127に対して移動不能に固定される。この調整部104A及び固定ボルト104Cから微調整機構が構成されている。
【0049】
スライド部保持部104Bの上方位置には、上下方向に並んで一対のスライド部106、106が設けられている。スライド部106はそれぞれ略同形状を成しており、支持部104から前方へ向かってベース部102の表面と略平行に延出されている。
【0050】
切断本体部105は、スライド部106で摺動可能に支持される接続部151と接続部151に設けられた揺動軸部144と、切断刃153を回転可能に支持すると共に揺動軸部144に揺動可能に設けられた切断刃支持部156とから主に構成されている。揺動軸部144は、その軸方向がベース部102の表面と略平行かつ、ターンテーブル122の前後方向と略直交する左右方向になるように配置されている。切断刃支持部156は、切断刃153をその中心軸が揺動軸部144の軸方向と平行になるように支持していると共に、切断刃153を回転駆動する図示せぬモータと、切断刃153を揺動する際の把持部となるハンドル155と、図示せぬモータを制御するトリガ155Aを備えている。また接続部151と切断刃支持部156との間には図示せぬバネが介在しており、図示せぬバネにより揺動軸部144を揺動の軸として切断刃支持部156をベース部102上方で前側から後側へと付勢している。
【0051】
上記構成の卓上丸鋸101で木材Wを切断する場合には、先ず固定ボルト104Cを緩めて切断部支持部127に対して調整部104Aを上下動し、切断刃153とベース部2の上面との間の距離が所定の間隔:mになるように調整し、固定ボルト104Cを締めて調整部104A切断部支持部127に固定する。そして図14に示されるように、切断本体部105を前側に移動させた後に、ハンドル155により切断刃支持部156を揺動して切断刃153を押し下げる。その後に切断本体部105を前方にスライドさせて、木材Wを切断する。
【0052】
また第一の実施の形態において図10を参照して説明したように、スライドにより切断可能な幅を拡げたい場合や、木材Wの表面に溝を形成したい場合などには、図15に示されるように、固定ボルト104Cを緩めて切断部支持部127に対して調整部104Aを上方に移動させ、切断刃153とベース部2の上面との間の距離をmになるように調整し、その後に固定ボルト104Cを締めることにより、切断刃153とベース部2の上面との間の距離をmに保つことができる。
【0053】
なお本発明によるスライド式卓上切断機は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲内で種々の変形や改良が可能である。例えば第一の実施の形態において、揺動部42、調整部43A、及び調整ノブ42Aから構成される微調整機構は支持部4側に設けられているが、これに限らず、切断本体部5側に設けられていてもよい。この場合においても、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
また第二の実施の形態において、調整部104A、固定ボルト104Cから構成される微調整機構は支持部104側に設けられているが、これに限らず、切断本体部105側に設けられていてもよい。要は本発明のスライド式切断機において、切断刃が揺動して押し下げられた状態で、揺動軸回りの揺動とは関係なく切断刃がベース部に近接離間可能な構成を採ることにより、本発明の効果を得ることができる。
【0055】
また第一の実施の形態及び第二の実施の形態に係るスライド式切断機において、スライド部に対して切断本体部がスライドする形態をとっているが、支持部に対してスライド部及び切断本体部がスライドする形態を採ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の側面図(切断前状態)。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の正面部分断面図。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の揺動支持部周辺を表す部分背面図。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の側面図(切断中スライド前状態)。
【図5】本発明の第一の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の揺動支持部周辺であって保持機構を表す部分背面図(係合状態)。
【図6】本発明の第一の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の揺動支持部周辺であって保持機構を表す部分背面図(非係合状態)。
【図7】図4におけるVII-VII線に沿った断面図。
【図8】本発明の第一の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の側面図(切断本体部を延ばして切り始めた状態)。
【図9】本発明の第一の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の側面図(切断が終わった状態)。
【図10】本発明の第一の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の微調整機構による切断刃とベースとの関係を示す概念図。
【図11】本発明の第二の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の側面図(切断前状態)。
【図12】本発明の第二の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のベース部及び支持部に係る背面図)。
【図13】図11におけるXIII- XIII線に沿った断面図。
【図14】本発明の第二の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の側面図(切断刃を揺動した状態)。
【図15】本発明の第二の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の側面図(微調整機構により微調整を行った状態)。
【符号の説明】
【0057】
1・・卓上丸鋸 2・・ベース部 3・・切断部 4・・支持部 5・・切断本体部
5A・・ハウジング 6・・スライド部 21・・ベース 21A・・左ベース
21B・・右ベース 22・・ターンテーブル 22A・・ターンテーブル本体部
23・・フェンス 23A・・左フェンス 23B・・右フェンス 24・・突出部
27・・切断部支持部 27A・・傾動軸 27B・・傾動支持部 27a・・長孔
28・・規制操作部 41B・・クランプレバー 41・・揺動支持部 41A・・腕部
42・・揺動部 42A・・調整ノブ 42B・・ネジ部 42a・・調整溝
42b・・凹部 42c・・孔 43・・スライド支持部 43A・・調整部
43a・・ネジ孔 44・・揺動軸部 44A・・バネ 45・・ストッパホルダ
45A・・固定ボルト 45B・・筒部 45C・・ストッパピン 45D・・バネ
45E・・係合部 45F・・ピン 45b・・溝 45a・・長孔 51・・胴部
51A・・固定ネジ 51B・・圧接ブッシュ 51C・・ネジ
51D・・ボールブッシュ 52・・モータ 53・・切断刃 54・・切断刃カバー
55A・・トリガ 55・・ハンドル 61・・第一スライドパイプ
62・・第二スライドパイプ1・・卓上丸鋸
101・・卓上丸鋸 102・・ベース部 103・・切断部 104・・支持部
104A・・調整部 104B・・スライド部保持部 104C・・固定ボルト
104a・・長孔 104b・・凹部 105・・切断本体部 106・・スライド部
121・・ベース 122・・ターンテーブル 127・・切断部支持部
127A・・凸部 144・・揺動軸部 151・・接続部 153・・切断刃
155・・ハンドル 155A・・トリガ 156・・切断刃支持部
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年10月17日(2006.10.17)
【代理人】 【識別番号】100094983
【弁理士】
【氏名又は名称】北澤 一浩

【識別番号】100095946
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 伸

【識別番号】100099829
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 朗子


【公開番号】 特開2008−100355(P2008−100355A)
【公開日】 平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願番号】 特願2006−282228(P2006−282228)