| 【発明の名称】 |
チェーンソーのソーチェーン張り調整機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】西浦 義三
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| 【要約】 |
【課題】ソーチェーンの張りを調整するようにしたソーチェーン張り調整機構において、その張りの調整の操作性、円滑性を向上させると同時に、耐久性、安全性も確保したソーチェーン張り調整機構を提供する。
【構成】ガイド板3に、ラック部材23を設け、チェーンソー本体1側にラック25に噛合う歯車27を設け、歯車を回転させることによりガイド板を進退させてソーチェーンの張りを調整するように構成した。また、歯車に操作円盤を一体に固設し、操作円盤をカバー上に露出させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 チェーンソー本体内の駆動機構により回転駆動されるスプロケットと、そのスプロケットに噛み合わされて回巡走行する無端環状のソーチェーンと、そのソーチェーンの走行をソーチェーンの内側から案内するためのガイド板とを備え、かつそのガイド板がチェーンソー本体に対して進退し得るようにチェーンソー本体に支持されており、ガイド板を進退させることによってソーチェーンの張りを調整するためのチェーンソーのソーチェーン張り調整機構において、 前記ガイド板には、ソーチェーン進退方向に沿ってギヤ歯が直線状に列設されたラックを有するラック部材が一体に設けられており、一方チェーンソー本体側には、前記ラックに噛合う歯車が設けられており、その歯車を回転させることによりガイド板を進退させてソーチェーンの張りを調整するように構成したことを特徴とする、チェーンソーのソーチェーン張り調整機構。 【請求項2】 請求項1に記載のチェーンソーのソーチェーン張り調整機構において; 前記ガイド板の基端部およびスプロケットが、チェーンソー本体の上面に着脱可能に設けられたカバーによって覆われており、かつそのカバーには、前記歯車の上面に対応する位置に開口部が貫通形成されており、さらに前記歯車には操作円盤が一体に固設されており、その歯車および操作円盤がチェーンソー本体からカバー側へ突出する軸部材に回転可能に外挿され、さらに操作円盤はカバーの開口部を貫通してカバーの上面側に露出されており、また前記軸部材の先端部には、カバーの上面側において操作円盤の回転を押えるための押え部材が螺合されていて、その押え部材を緩めた状態で操作円盤をギヤごと回転させることによりガイド板を進退させ得るように構成したことを特徴とする、チェーンソーのソーチェーン張り調整機構。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、チェーンソーにおけるソーチェーンの張力を調整したり、緩めたりするためのソーチェーン張り調整機構に関するものである。 【背景技術】 【0002】 周知のようにチェーンソーは、その本体内にソーチェーンを駆動するための駆動機構を備えており、その駆動機構の駆動軸にスプロケットが取付けられている。一方チェーンソー本体からは長板状のガイド板が突出しており、このガイド板とスプロケットに無端環状のソーチェーンが巻掛けられ、スプロケットの回転によってソーチェーンをガイド板に沿って回巡走行させて、対象物を切断するように構成されている。 【0003】 このようなチェーンソーにおいては、ソーチェーンの張り力を調整したり、切屑の除去・清掃やソーチェーンの交換等のためにソーチェーンを容易に取外しできるようにするため、通常はガイド板がスプロケットに対して接近・離隔する方向に進退可能に取付けられており、このガイド板を進退させることによってチェーンソーの張りを緩めたり、逆に緊張させたりすることができるように構成されており、これを一般にソーチェーン張り調整機構と称している。 【0004】 従来のソーチェーン張り調整機構としては、一般にガイド板にその進退方向と平行に雌ネジ筒を固定しておき、この雌ネジ筒に、ガイド板の進退方向と平行な調整ネジ棒(雄ネジ棒)を螺合させた構成として、調整ネジ棒の頭部にドライバ等を係合させて、その調整ネジ棒を回転させることにより雌ネジ筒と一体化したガイド板を進退させるようにしたものが多い。 【0005】 一方、特許文献1においては、偏心カムと、そのカム面(偏心外周面)に接する部材(ガイド板に固定された部材)とを用い、偏心カムを回転させることによりガイド板を進退させるソーチェーン張り調整機構も提案されている。 【0006】 【特許文献1】特開2003−251602号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 前述のような雌ネジ筒、調整ネジ棒を用いたソーチェーンの張り調整機構では、調整ネジ棒をガイド板の進退方向と平行に設けておく必要があり、またその調整ネジ棒を外部からドライバ等によって回転させるため、調整ネジ棒の頭部をチェーンソー本体の外面に露出させておく必要がある。 【0008】 そこで従来の一般のチェーンソーでは、ガイド板の進退方向から見てチェーンソー本体の前面側の箇所もしくは後面側の箇所に調整ネジ棒の頭部を露出させた構成としている。ここで、チェーンソー本体の前面側に調整ネジ棒の頭部を露出させる場合、ガイド板の取付け取外しの障害とならないように、調整ネジ棒をガイド板の下面側に設けて、その頭部をガイド板の下面とチェーンソー本体の前面とによって形成される隅部に露出させざるを得ない。しかしながらこのようにガイド板の下面側の隅部に調整ネジ棒の頭部を露出させた構成では、ガイド板が邪魔になって調整ネジ棒をドライバ等により回転操作する作業が極めて行ないにくく、操作性が悪いと言わざるを得ない。また一方、調整ネジ棒をチェーンソー本体の後方まで延長させてその頭部をチェーンソー本体の後面に露出させた構成では、チェーンソー本体の後面側には通常は本体を把持するための大きな把手部が設けられているため、やはりその把手部が邪魔になって調整ネジ棒をドライバ等により回転操作する作業を行ないにくく、前記同様に操作性に劣る、と言わざるを得ない。 【0009】 一方、前述の特許文献1に示されるように偏心カムを用いた張り調整機構では、チェーンソー本体の前面もしくは後面からではなく、上面側から操作することができるため、前述の雌ネジ筒、調整ネジ棒を用いた従来技術の場合よりも操作性が良好となる。ところで偏心カムとこれに接する相手部材(ガイド板に一体化された部材)とを用いてガイド板を進退させる場合、スムーズにガイド板を進退させるためには、偏心カムとその相手部材とを弾性的に常時当接させておくためのバネを付設することが望まれるが、特許文献1の機構ではこのようなバネを備えておらず、そのため張り調整時にガイド板が円滑に進退せず、ガタつきが生じるおそれがある。したがってその点から、特許文献1の機構も、その操作性、円滑性が良好とは言えないのが実情である。 【0010】 一方、前記特許文献1の機構において、偏心カムとその相手部材とを常時弾性的に当接させておくためのバネを設けた場合、そのバネには切断作業時に大きな振動が継続的に加わり、そのためバネが短期間で疲労破壊したりへたったりしやすく、そのためチェーンソーとしての耐用期間も短くならざるを得ないのが実情である。また切断作業中にバネが破壊されれば、ソーチェーンが急激に外れたりして人身事故を招くおそれがある。 【0011】 この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、ソーチェーンの張力を調整したり、チェーンソーを緩めたりする作業における操作性、円滑性が従来よりもが良好であると同時に、耐久性や安全性にも優れたソーチェーン張り調整機構を提供すること目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0012】 請求項1の発明は、チェーンソー本体内の駆動機構により回転駆動されるスプロケットと、そのスプロケットに噛み合わされて回巡走行する無端環状のソーチェーンと、そのソーチェーンの走行をソーチェーンの内側から案内するためのガイド板とを備え、かつそのガイド板がチェーンソー本体に対して進退し得るようにチェーンソー本体に支持されており、ガイド板を進退させることによってソーチェーンの張りを調整するためのチェーンソーのソーチェーン張り調整機構において、前記ガイド板には、ソーチェーン進退方向に沿ってギヤ歯が直線状に列設されたラックを有するラック部材が一体に設けられており、一方チェーンソー本体側には、前記ラックに噛合う歯車が設けられており、その歯車を回転させることによりガイド板を進退させてソーチェーンの張りを調整するように構成したことを特徴とするものである。 【0013】 また請求項2の発明は、請求項1に記載のチェーンソーのソーチェーン張り調整機構において、前記ガイド板の基端部およびスプロケットが、チェーンソー本体の上面に着脱可能に設けられたカバーによって覆われており、かつそのカバーには、前記歯車の上面に対応する位置に開口部が貫通形成されており、さらに前記歯車には操作円盤が一体に固設されており、その歯車および操作円盤がチェーンソー本体からカバー側へ突出する軸部材に回転可能に外挿され、さらに操作円盤はカバーの開口部を貫通してカバーの上面側に露出されており、また前記軸部材の先端部には、カバーの上面側において操作円盤の回転を押えるための押え部材が螺合されていて、その押え部材を緩めた状態で操作円盤をギヤごと回転させることによりガイド板を進退させ得るように構成したことを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0014】 この発明のチェーンソーのソーチェーン張り調整機構は、基本的には、ガイド板に一体に設けられたラックを有するラック部材と、それに噛合う歯車とによって構成されているため、歯車を回転させることによりガイド板を進退させてソーチェーンの張りを調整することができる。そしてこのような構成では歯車の回転軸がガイド板の板面(ソーチェーンの回巡走行面)に対して直交しているため、チェーンソー本体の上面側からギヤを回転操作してソーチェーンの張りを調整することができ、そのため従来技術のようにガイド板の下面側の隅部やチェーンソー本体の後面の把手部付近などの狭溢な箇所において操作する必要がなく、操作性が従来よりも格段に良好となる。 【0015】 またこの発明のソーチェーン張り調整機構では、ラックとそれに噛合う歯車とを用いているため、特許文献1に示される偏心カムを用いた場合とは異なり、ラックと歯車は常時噛み合っているため、張り調整時においてガタつきが生じたりすることなく、円滑に調整することができ、さらにはソーチェーンを常時張っておくためのバネ部材を必要とせず、そのため激しい振動が長時間加わっても充分な耐久性、安全性を確保することができる。 【実施例】 【0016】 以下にこの発明の実施例を示す。 【0017】 図1はこの発明のソーチェーン張り調整機構が適用されるチェーンソーの全体構成を概略的に示す図であり、図1において、図示しない電動モータ等の駆動機構を内部に収容したチェーンソー本体(以下単に“本体”と記す)1の前面側からは長板状のガイド板3が突出しており、このガイド板3と後述するスプロケット15には、対象物を切断するための無端環状のソーチェーン5が巻掛けられている。また本体1の後面側からはチェーンソーを把持するための把手部7が一体に突出しており、この把手部7の一部には作動用スイッチ9が設けられている。 【0018】 本体1の上面には、ガイド板3の基端側の部分およびスプロケットを覆うように、図示しないビス等によりカバー11が着脱可能に設けられており、このカバー11の上面側には、後に改めて詳述する円盤状の押え部材13が露出するように配設されている。 【0019】 図2には図1に示されるチェーンソーにおけるカバー11を取外した状態の要部を示し、図3にはそのカバー11を裏面側(底面側)から見た状態を示し、さらに図4、図5には図1に示されるチェーンソーにおける要部の縦断面図を示す。 【0020】 図2〜図5において、本体1の上面にはスプロケット15が位置しており、このスプロケット15は、前述の本体1の内部の図示しない駆動機構により回転せしめられるように構成されている。そしてスプロケット15と前述のガイド板3にソーチェーン5が巻掛けられて、スプロケット15の回転により、そのスプロケット15と噛合うチェーン5がガイド板3の縁部に沿って回巡走行し、対象物を切断し得るようなっている。 【0021】 前記ガイド板3の基端側の部分(本体1の上面側に位置する部分)には、そのガイド板3の長さ方向に沿って伸びる長孔状の案内孔17が貫通形成されており、一方本体1の上面には、同じくガイド板3の長さ方向に沿う案内突条19が形成されている。そしてガイド板3の案内孔17が前記案内突条19に摺動可能に嵌め合わされて、ガイド板3の長さ方向への進退が案内されるようになっている。また本体1の上面からは、案内突条19の所定の位置において、ネジ棒状の軸部材21が突出している。 【0022】 さらにガイド板3の基端側の位置、特に案内孔17に対応する位置の上面には、中空矩形板状のラック部材23が、機械的カシメあるいはろう付け等によって一体に固設されており、このラック部材23の内側空間内に前述の軸部材21が挿通されている。またラック部材23の内側の一辺には、ガイド板3の長さ方向(ガイド板3の進退方向)に沿って直線状にギヤ歯が並ぶラック25が形成されている。 【0023】 一方、カバー11の側には、前述のラック25に噛み合う中空の歯車27と、これと一体化した操作円盤29、およびその歯車27および操作円盤29を押えるための円形キャップ状の押え部材13が配設されている。 【0024】 すなわち操作円盤29は、外周上に手指を掛けるための凹凸部29Aを形成しかつ中央に貫通孔29Bを形成したものであって、その下面側に機械的カシメ等の任意の手段により歯車27が一体に固定されており、その歯車27の中央の中空部27Aおよび操作円盤29の貫通孔29Bが、前述の軸部材21に回転自在に外挿されている。一方カバー11には、歯車27よりも大径の円形状の開口部11Aが貫通形成されており、この開口部11Aの内側に軸部材21および歯車27が位置し、また開口部11Aの上面側(カバー11の上面側)に操作円盤29が位置している。さらにその操作円盤29上に前述の押え部材13が位置している。この押え部材13は、全体として円形キャップ状に作られるとともに、その上面に把手13Aが形成され、さらに内底面の中央には筒状部13Bが突設され、その筒状部13B内に、前述の軸部材21の雄ネジ部21Aに螺合する雌ネジ部13Cが形成されている。さらにその押え部材13の内側の筒状部13Bの周囲には、コイル状のスプリング33が配置されている。このスプリング33は、その上部が押え部材13の内底面に接するとともに、下部が操作円盤29の上面に当接し、操作円盤29を弾性的に押え付けるように構成されている。 【0025】 以上の実施例のチェーンソー張り調整機構においては、チェーンソー作動時を含めて平常時は押え部材13を締め付けた状態としておく。この状態では、スプリング33により操作円盤29が弾性的に押圧され、さらに場合によっては押え部材13の下端周縁部にて操作円盤29の上面が押えられ、そのため操作円盤29は実質的に回転不能状態、すなわち固定状態となっている。なおここでは示していないが、操作円盤29の周縁部下面とカバー11の開口部11Aの周縁部上面にローレットを刻設しておき、操作円盤29が押圧された状態で固定状態をより確実に維持できるようにしても良い。 【0026】 一方、ソーチェーン5の張りの調整、あるいはカバー11内の清掃やソーチェーン5の交換のために、ソーチェーン5の張りを緩めたりあるいは緊張させたりする場合には、押え部材13を回転させて操作円盤29に対する締付を緩めて、操作円盤29の固定を解除する。そして操作円盤29の外周を手指で把持して操作円盤29を回転させれば、その操作円盤29と一体化された歯車27が回転する。この歯車27に対しては、ガイド板3と一体化されたラック部材のラック25が常時噛合っているから、ガイド板3は、ガタつきが生じたりすることなく、案内突条19により案内されながらその長さ方向に円滑に進退せしめられる。すなわち、ソーチェーン5の張りが円滑に調整され、またソーチェーン5を円滑に緩めたりすることができる。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】この発明の一実施例のソーチェーン張り調整機構が適用されるチェーンソーの全体構成の一例を示す平面図である。 【図2】図1のチェーンソーにおけるカバーを取外した状態の要部拡大平面図である。 【図3】図1のチェーンソーにおけるカバーをその裏面側から示す底面図である。 【図4】図1のIV−IV線における拡大縦断面図である。 【図5】図1のV−V線における拡大縦断面図である。 【符号の説明】 【0028】 1 チェーンソー本体 3 ガイド板 5 ソーチェーン 11 カバー 11A 開口部 13 押え部材 15 スプロケット 21 軸部材 23 ラック部材 25 ラック 27 歯車 29 操作円盤
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| 【出願人】 |
【識別番号】506287235 【氏名又は名称】株式会社新興製作所
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| 【出願日】 |
平成18年8月23日(2006.8.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083275 【弁理士】 【氏名又は名称】豊田 武久
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| 【公開番号】 |
特開2008−49529(P2008−49529A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−226488(P2006−226488) |
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