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チェンソーのチェン張り機構 - 特開2008−12780 | j-tokkyo
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【発明の名称】 チェンソーのチェン張り機構
【発明者】 【氏名】中金名 宏史

【要約】 【課題】チェンソー本体にガイドバーを容易に脱着することができるチェンソーのチェン張り機構を提供することを課題とする。

【構成】チェンソーのチェン張り機構であって、チェンソー本体10と、外周部にソーチェンが巻回されているガイドバー20とを備えているチェンソーにおいて、ガイドバー20の取り付け溝21に、チェンソー本体10の支軸11が挿通されることにより、ガイドバー20がチェンソー本体10に取り付けられ、取り付け溝21には、スライド部材30が挿通され、スライド部材30に押されてガイドバー20が前方に移動するように構成されており、前方に移動させたスライド部材30を後方に戻すリターン機構33が設けられていることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェンソー本体と、
前後方向に延長され、外周部にソーチェンが巻回されているガイドバーと、を備えているチェンソーにおいて、
前記ガイドバーに形成された取り付け溝に、前記チェンソー本体に立設された支軸が挿通されることにより、前記ガイドバーが前記チェンソー本体に取り付けられ、
前記取り付け溝には、前後方向に移動可能なスライド部材が挿通され、前記スライド部材に押されて前記ガイドバーが前方に移動するように構成されており、
前方に移動させた前記スライド部材を後方に戻すリターン機構が設けられていることを特徴とするチェンソーのチェン張り機構。
【請求項2】
チェンソー本体と、
前後方向に延長され、外周部にソーチェンが巻回されているガイドバーと、を備えているチェンソーにおいて、
前記ガイドバーに形成された取り付け溝に、前記チェンソー本体に立設された支軸が挿通されることにより、前記ガイドバーが前記チェンソー本体に取り付けられ、
前記取り付け溝には、前後方向に移動可能なスライド部材が挿通され、前記スライド部材に押されて前記ガイドバーが前方に移動するように構成されており、
前記支軸には、前記ガイドバーを前記チェンソー本体に押さえ付けて固定するためのノブが取り付けられ、
前記ノブと前記ガイドバーの間には、前記支軸回りに回動自在であり、前記スライド部材を案内するためのカム溝を有するカム部材が配設され、
前記カム部材を前記支軸回りに回動させることにより、前記スライド部材が前記カム溝に案内されて前方に移動するように構成されていることを特徴とするチェンソーのチェン張り機構。
【請求項3】
前記カム部材の外周には、前記支軸回りに回動自在なカラーが配設されており、
前記カム部材の回転トルクが所定値以下の場合には、前記カラーの回動に追従して前記カム部材が回動し、
前記カム部材の回転トルクが所定値以上の場合には、前記カラーが前記カム部材の外周を回動するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のチェンソーのチェン張り機構。
【請求項4】
前記カラーには、前記ノブの外周を囲むようにリブが形成されていることを特徴とする請求項3に記載のチェンソーのチェン張り機構。
【請求項5】
前記カム部材の前記カム溝は、前記支軸回りに螺旋状に形成されており、
前記カム溝の外側の端部は、前記カム溝の中間部に連通していることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のチェンソーのチェン張り機構。
【請求項6】
前記スライド部材は、前記チェンソー本体側から前記取り付け溝に挿通されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のチェンソーのチェン張り機構。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、チェンソーのガイドバーに巻回されたソーチェンの張力を調整するためのチェン張り機構に関する。
【背景技術】
【0002】
樹木等の切断に用いられるチェンソーとしては、チェンソー本体と、前後方向に延長され、外周部に環状のソーチェンが巻回されているガイドバーとを備え、チェンソー本体に設けられた駆動スプロケットにソーチェンの後端側が掛け渡されることにより、ソーチェンがガイドバーの外周部で回転するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなチェンソーでは、ソーチェンの張力を調整するためのチェン張り機構(緊張懸架装置)が設けられている。具体的には、前方に移動可能なスライド部材(すべり部材)が、ガイドバー(ソーブレード)にボルト(ネジ)で固着されており、このスライド部材とともにガイドバーを前方に移動させることにより、ソーチェンの張力を強めることができる。
【0004】
また、従来のチェン張り機構では、チェンソー本体(ハウジング)に立設された支軸(シャフト)回りに回動自在なカム部材(ラセン溝付ディスク)が設けられており、このカム部材に形成された螺旋状のカム溝(案内ミゾ)にスライド部材が係合されている。そして、カム部材を支軸回りに回動させることにより、スライド部材がカム溝に案内されて前方に移動するように構成されている。
【0005】
【特許文献1】特許2729582号公報(段落0023〜0026、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記した従来のチェン張り機構では、スライド部材がガイドバーに固着されているため、ガイドバーを交換するときには、ガイドバーとともにスライド部材を取り外し、別のガイドバーにスライド部材を固着させる必要があり、ガイドバーの脱着が煩雑になってしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、チェンソー本体にガイドバーを容易に脱着することができるチェンソーのチェン張り機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、チェンソーのチェン張り機構であって、チェンソー本体と、前後方向に延長され、外周部にソーチェンが巻回されているガイドバーと、を備えているチェンソーにおいて、ガイドバーに形成された取り付け溝に、チェンソー本体に立設された支軸が挿通されることにより、ガイドバーがチェンソー本体に取り付けられ、取り付け溝には、前後方向に移動可能なスライド部材が挿通され、スライド部材に押されてガイドバーが前方に移動するように構成されており、前方に移動させたスライド部材を後方に戻すリターン機構が設けられていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、チェンソーのチェン張り機構であって、チェンソー本体と、前後方向に延長され、外周部にソーチェンが巻回されているガイドバーと、を備えているチェンソーにおいて、ガイドバーに形成された取り付け溝に、チェンソー本体に立設された支軸が挿通されることにより、ガイドバーがチェンソー本体に取り付けられ、取り付け溝には、前後方向に移動可能なスライド部材が挿通され、スライド部材に押されてガイドバーが前方に移動するように構成され、支軸には、ガイドバーをチェンソー本体に押さえ付けて固定するためのノブが取り付けられ、ノブとガイドバーの間には、支軸回りに回動自在であり、スライド部材を案内するためのカム溝を有するカム部材が配設され、カム部材を支軸回りに回動させることにより、スライド部材がカム溝に案内されて前方に移動するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
これらの構成によれば、ガイドバーを移動させるためのスライド部材は、ガイドバーの取り付け溝に挿通されており、スライド部材はガイドバーに固着されていない。これにより、チェンソー本体からガイドバーを取り外すときに、ガイドバーとともにスライド部材を取り外す必要がなくなり、チェンソー本体にガイドバーを取り付けるときには、ガイドバーにスライド部材を固着させる必要がなくなるため、チェンソー本体にガイドバーを容易に脱着することができる。
【0011】
また、スライド部材は、ガイドバーの取り付け溝に挿通されており、ガイドバーをチェンソー本体に取り付けるための取り付け溝を利用して、スライド部材がガイドバーに組み付けられているため、ガイドバーは一般的な製品を用いることができ、チェンソーのメンテナンス性を向上させることができる。
【0012】
また、前方に移動させたスライド部材を後方に戻すリターン機構が設けられている構成では、ガイドバーを交換するときに、作業員がスライド部材を後方に戻す必要がなくなるため、チェンソー本体にガイドバーを容易に取り付けることができる。
【0013】
また、ガイドバーを固定するためのノブを支軸に取り付け、ノブとガイドバーの間には、スライド部材を案内するためのカム溝を有するカム部材を配設し、カム部材を支軸回りに回動させることにより、スライド部材を前方に移動させる構成では、ガイドバーを固定するためのノブと、ガイドバーを前方に移動させるためのカム部材とが同軸上に配設されているため、ソーチェンの張力を調整するときのノブ及びカム部材の操作性を向上させることができる。また、ノブ及びカム部材を作業員が把持し易い大きさに形成することにより、工具を用いることなく、ソーチェンの張力の調整とガイドバーの固定を行うことができる。
また、ノブとガイドバーの間にはカム部材が介設されており、ノブはガイドバーの外周部に巻回されたソーチェンから離れて配設されるため、ノブを操作するときの安全性を向上させることができる。
【0014】
前記したチェンソーのチェン張り機構において、カム部材の外周には、支軸回りに回動自在なカラーが配設されており、カム部材の回転トルクが所定値以下の場合には、カラーの回動に追従してカム部材が回動し、カム部材の回転トルクが所定値以上の場合には、カラーがカム部材の外周を回動するように構成することができる。
【0015】
この構成では、ソーチェンが適正な張力に達したときのカム部材の回転トルクを所定値に設定することにより、カム部材の回転トルクが所定値以下の場合、すなわち、ソーチェンの張力が弱い場合には、カラーとともにカム部材を回動させて、ソーチェンの張力を強めることができる。そして、カム部材の回転トルクが所定値以上の場合、すなわち、ソーチェンが適正な張力に達している場合には、カラーがカム部材の外周で空回りすることになる。これにより、ソーチェンを容易に適正な張力に調整することができる。
【0016】
なお、カム部材とカラーは、例えば、ラチェット機構によって係合することができる。このとき、カム部材の回転トルクが所定値以上の場合に、ラチェット機構のピンが溝を乗り越えるように構成することにより、カラーがカム部材の外周で空回りしたときには、ラチェット機構のピンと溝の衝突音が生じるため、ソーチェンが適正な張力に達したことを容易に知ることができる。
【0017】
前記したチェンソーのチェン張り機構において、カラーには、ノブの外周部を囲むようにリブが形成されていることが望ましい。
【0018】
従来のチェンソーでは、ノブの外周部に枝等の部材が接触してノブが回動してしまう場合があるが、本発明では、カラーのリブによってノブの外周部を囲むことにより、ノブの外周部に枝等の部材が接触することを防止して、ノブの緩みを防ぐことができる。
【0019】
前記したチェンソーのチェン張り機構において、カム部材のカム溝は、支軸回りに螺旋状に形成されており、カム溝の外側の端部は、カム溝の中間部に連通していることが望ましい。
【0020】
ここで、切り屑等の異物がカム溝の外側の端部に詰まった場合には、ガイドバーを前方に移動させるときに、スライド部材がカム溝の外側の端部まで移動することができなくなり、ガイドバーの移動量が少なくなるため、ソーチェンの調整代が小さくなってしまう。
そこで、本発明では、カム溝の外側の端部を、カム溝の中間部に連通させることにより、カム溝の外側の端部をエンドレスに形成しており、カム溝内の異物は、カム溝の外側の端部からカム溝の中間部に排出され、異物がカム溝の外側の端部に詰まらないため、ソーチェンの調整代を保つことができる。
【0021】
前記したチェンソーのチェン張り機構において、スライド部材は、チェンソー本体側から取り付け溝に挿通されていることが望ましい。
【0022】
ここで、ガイドバーの取り付け溝に対して、チェンソー本体側と反対側(外側)からスライド部材が挿通されている場合には、チェンソー本体からガイドバーを取り外すときに、外側からスライド部材を外した後に、ガイドバーを取り外すことになるため、ガイドバーの脱着が煩雑になってしまう。
これに対して、本発明では、スライド部材がチェンソー本体側から取り付け溝に挿通されており、チェンソー本体からスライド部材を取り外すことなく、ガイドバーを取り外すことができるため、チェンソー本体にガイドバーを容易に脱着することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のチェンソーのチェン張り機構によれば、ガイドバーを移動させるためのスライド部材は、ガイドバーの取り付け溝に挿通されており、スライド部材がガイドバーに固着されていないため、チェンソー本体にガイドバーを容易に脱着することができる。
【0024】
また、ガイドバーをチェンソー本体に取り付けるための取り付け溝を利用して、スライド部材がガイドバーに組み付けられているため、ガイドバーは一般的な製品を用いることができ、チェンソーのメンテナンス性を向上させることができる。
【0025】
また、前方に移動させたスライド部材を後方に戻すリターン機構が設けられている構成では、ガイドバーを交換するときに、作業員がスライド部材を後方に戻す必要がなくなるため、ガイドバーを容易に取り付けることができる。
【0026】
また、ガイドバーを固定するためのノブを支軸に取り付け、カム部材を支軸回りに回動させることにより、スライド部材を前方に移動させる構成では、ノブとカム部材が同軸上に配設されているため、ソーチェンの張力を調整するときのノブ及びカム部材の操作性を向上させることができる。また、ノブ及びカム部材を作業員が把持し易い大きさに形成することにより、工具を用いることなく、ソーチェンの張力の調整とガイドバーの固定を行うことができる。また、ノブとガイドバーの間にはカム部材が介設されており、ノブはガイドバーの外周部に巻回されたソーチェンから離れて配設されるため、ノブを操作するときの安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態のチェンソーを示した部分拡大図である。図2は、本実施形態のチェンソーにおけるガイドバーの後部を示した側面図である。図3は、本実施形態のチェン張り機構を示した図1のA−A断面図である。図4は、本実施形態のチェン張り機構を示した図1のA−A断面図において、各部材を分解した状態の図である。図5は、本実施形態のチェン張り機構を示した図で、(a)はカム部材の外側面を見た図、(b)はカム部材の内側面を見た図である。図6は、本実施形態のチェン張り機構を示した図3の断面図において、ガイドバーを前方に移動させた状態の図である。
なお、以下の説明において、前後方向とは、各図に示す前後方向に対応しており、ガイドバーの先端側を前方としている。
【0028】
[チェンソーの構成]
チェンソー1は、図1に示すように、チェンソー本体10と、前後方向に延長され、外周部に環状のソーチェン(図示せず)が巻回されているガイドバー20と、を備え、チェンソー本体10に設けられた駆動スプロケット(図示せず)に、ソーチェンの後端側が掛け渡されている。
そして、チェンソー本体10の内部に設けられたエンジンやモータ等の駆動装置(図示せず)によって、駆動スプロケットを回転させることにより、ソーチェンをガイドバー20の外周部で回転させ、この回転させたソーチェンによって樹木等を切断することができるように構成されている。
【0029】
ガイドバー20は、前後方向に延長された板状の部材であり、図2に示すように、ガイドバー20の後部には、前後方向に延長された取り付け溝21が形成されている。
この取り付け溝21に、チェンソー本体10に立設された支軸11が挿通されることにより、ガイドバー20はチェンソー本体10に取り付けられており、ガイドバー20はチェンソー本体10に対して相対的に前後方向に移動可能となっている。
【0030】
なお、支軸11は、図3及び図4に示すように、ボルトによって構成されており、頭部がチェンソー本体10内に取り付けられ、軸部がチェンソー本体10から外側に突出している。
【0031】
[チェン張り機構の構成]
図1に示す本実施形態のチェンソー1では、ガイドバー20の外周部に巻回された環状のソーチェンの後端側は、チェンソー本体10に設けられた駆動スプロケット(図示せず)に掛け渡されているため、ガイドバー20をチェンソー本体10に対して相対的に前方に移動させることにより、ソーチェンの張力を強めることができる。
【0032】
そして、ソーチェンの張力を調整するためのチェン張り機構は、図3及び図4に示すように、ガイドバー20の取り付け溝21に挿通され、前後方向に移動可能なスライド部材30と、支軸11の最も外側に取り付けられているノブ40と、ノブ40とガイドバー20の間で支軸11に取り付けられているカム部材50と、カム部材50の外周に配設されているカラー60と、カム部材50とガイドバー20の間で支軸11に取り付けられているスペーサ部材70と、から構成され、前方に移動したスライド部材30を後方に戻すリターン機構33が設けられている。
【0033】
(スライド部材の構成)
スライド部材30は、図3及び図4に示すように、ガイドバー20に形成された取り付け溝21に挿通されており、取り付け溝21内で前後方向に移動可能となっている。
このスライド部材30は、取り付け溝21の前部に嵌合している基部31と、基部31の外側面に取り付けられた突起部32とを備え、基部31の内側面にはリターン機構33が取り付けられている。
【0034】
基部31は、図2に示すように、前後方向に延長された板状の部材であり、取り付け溝21内で前方に移動した場合には、その前端部が取り付け溝21の前側の内周面に当接し、取り付け溝21内で後方に移動した場合には、その後端部が支軸11に当接するように構成されている。
突起部32は、図3及び図4に示すように、基部31の外側面に取り付けられており、外側の先端部よりも内側の基端部の方が拡径された円柱状の部材である。この突起部32の外側の先端部は、後記するカム部材50のカム溝53内に挿入されている。
【0035】
(リターン機構の構成)
リターン機構33は、図3及び図4に示すように、前後方向に伸縮自在なコイルバネ33aを備えており、このコイルバネ33aはチェンソー本体10の外側面に形成されたリターン機構用凹溝12内に配設されている。
コイルバネ33aの前端部は、リターン機構用凹溝12の前側の内面に形成された軸部12aに外嵌されることにより支持されている。
また、コイルバネ33aの後端部は、基部31の内側面に取り付けられた支持ブラケット33bに当接している。
【0036】
なお、支持ブラケット33b及び基部31に形成された貫通穴にボルト34を挿通させ、このボルト34を突起部32の内側面に形成されたネジ穴に螺着させることにより、支持ブラケット33b、基部31及び突起部32が固着されている。
【0037】
(ノブの構成)
ノブ40は、図3及び図4に示すように、支軸11の最も外側に螺着されており、直線状に形成されたつまみを有している。
【0038】
また、ノブ40とガイドバー20の間には、カラー60、カム部材50及びスペーサ部材70が介設されており、ノブ40をチェンソー本体10側に締め込んだときには、ノブ40がスペーサ部材70を介してガイドバー20をチェンソー本体10側に押すように構成されている。このように、ノブ40を支軸11回りに回動させることにより、ガイドバー20をチェンソー本体10に押さえ付けて固定することができる。
【0039】
(カム部材の構成)
カム部材50は、図3及び図4に示すように、ノブ40とスペーサ部材70の間に配設されており、支軸11回りに回動自在な円板状の部材である。このカム部材50の外側面と、後記するカラー60の内周面とはラチェット機構により係合されている。
【0040】
カム部材50の外側面には、図5(a)に示すように、棒状のラチェットピン51が嵌め込まれているピン用凹溝52が形成されており、このピン用凹溝52に嵌め込まれたラチェットピン51の一端51aがカム部材50の外周縁から突出している(図5(b)参照)。
また、ピン用凹溝52において、ラチェットピン51の一端51aに対応する側の端部52aは拡幅されており、ラチェットピン51の一端51a側がカム部材50の内方に向けて撓むことができるように構成されている。
【0041】
カム部材50の内側面には、図5(b)に示すように、スライド部材30を前後方向に案内するためのカム溝53が形成されている。このカム溝53は、支軸11回りに螺旋状に形成されており、カム溝53の外側の端部は、カム溝53の中間部に連通することにより、エンドレスに形成されている。
【0042】
また、カム溝53には、スライド部材30の突起部32の先端部が挿入されている。そして、スライド部材30の突起部32がカム溝53の内側の端部に配置された状態から、カム部材50を矢印B方向(図5(b)の左回り)に回動させたときには、螺旋状のカム溝53に案内されて突起部32が前方に移動することになる(図6参照)。
このように、カム部材50を支軸11回りに矢印B方向に回動させることにより、スライド部材30を前方に移動させることができる。
【0043】
(カラーの構成)
カラー60は、図3及び図4に示すように、ノブ40とカム部材50の間で支軸11回りに回動自在となっており、カム部材50の外側面及び外周面を覆うように形成された円形状の部材である。また、カラー60の外側の外周縁には、ノブ40の外周面の下部を囲むようにリブ61が立ち上げられている。
【0044】
カラー60の内周面には、図5(a)に示すように、複数のV溝が連続したラチェット溝62が形成されており、カム部材50の外周縁から突出したラチェットピン51の一端51aが、ラチェット溝62のV溝内に当接している。
このように、カム部材50とカラー60はラチェット機構により係合されており、カラー60を矢印B方向(図5(a)の右回り)に回動させたときに、カム部材50の回転トルクが所定値以下の場合には、ラチェットピン51の一端51aがラチェット溝62のV溝に押されることにより、カラー60の矢印B方向への回動に追従して、カム部材50が矢印B方向に回動するように構成されている。
また、カラー60を矢印B方向に回動させたときに、カム部材50の回転トルクが所定値以上の場合には、ラチェット溝62に押されたラチェットピン51の一端51a側が内方に撓んで、ラチェット溝62の各V溝がラチェットピン51を乗り越えることにより、カラー60がカム部材50の外周を矢印B方向に空回りするように構成されている。
【0045】
そして、本実施形態では、ソーチェンが適正な張力に達したときのカム部材50の回転トルクが所定値に設定されており、ソーチェンが適正な張力に達したときに、カラー60がカム部材50の外周を矢印B方向に空回りするように構成されている。
【0046】
(スペーサ部材の構成)
スペーサ部材70は、図3及び図4に示すように、カム部材50とガイドバー20の間で支軸11に取り付けられている部材である。このスペーサ部材70の前部には、貫通溝71が形成されており、スライド部材30の突起部32の先端部は、貫通溝71を通過してカム部材50のカム溝53に挿入されている。
また、スペーサ部材70は、ノブ40をチェンソー本体10側に締め込んだときに、ノブ40によってチェンソー本体10側に押されるように構成されており、スペーサ部材70とチェンソー本体10の間でガイドバー20が押さえ付けられることになる。
【0047】
[チェン張り機構によるソーチェンの張力の調整方法]
次に、本実施形態のチェン張り機構によるソーチェンの張力の調整方法について説明する。
まず、ガイドバー20をチェンソー本体10に取り付けるときには、図3に示すように、スライド部材30は、リターン機構33のコイルバネ33aによって後方に押されており、基部31の後端部が取り付け溝21に挿通された支軸11に当接した状態となっている。このとき、スライド部材30の突起部32は、カム部材50のカム溝53の内側の端部に配置されている(図5(b)参照)。
そして、ノブ40をチェンソー本体10側に締め込むことにより、スライド部材30の突起部32がカム部材50のカム溝53から抜けない程度に、カム部材50をチェンソー本体10に押さえ付ける。
【0048】
ソーチェン(図示せず)の張力を強めるときには、作業員はカラー60を矢印B方向に回動させる。このとき、カラー60とカム部材50とはラチェット機構によって係合されているため、カラー60とともにカム部材50も矢印B方向に回動する。これにより、図5(b)に示すように、スライド部材30の突起部32は、矢印B方向に回動する螺旋状のカム溝53に案内されて、前方に押し出され、スライド部材30全体が前方に移動することになる。
【0049】
前方に移動したスライド部材30の前端部は、図6に示すように、ガイドバー20の取り付け溝21の前側の内周面に当接する。これにより、スライド部材30に押されてガイドバー20が前方に移動し、後端側が駆動スプロケット(図示せず)に掛け渡されたソーチェン(図示せず)が前方に引っ張られるため、ソーチェンの張力を強めることができる。
【0050】
このように、ガイドバー20を前方に移動させたときには、リターン機構33のコイルバネ33aは、スライド部材30の移動に伴って前方に移動した支持ブラケット33bに押されて圧縮された状態となっている。
【0051】
ここで、ソーチェンの張力が強くなるに連れて、ガイドバー20を前方に移動させるために必要な押し出し力も大きくなる。すなわち、カム部材50を回動させるための回転トルクが大きくなる。
本実施形態では、図5(a)に示すように、カラー60とカム部材50はラチェット機構によって係合されており、カム部材50の回転トルクが、ソーチェンが適正な張力に達したときの回転トルクよりも小さい場合には、カラー60とともにカム部材50が矢印B方向に回動し、カム部材50の回転トルクが、ソーチェンが適正な張力に達したときの回転トルクよりも大きい場合には、カラー60がカム部材50の外周で矢印B方向に空回りするように構成されている。
そのため、作業員は、カラー60をカム部材50の外周で空回りするまで矢印B方向に回動させることにより、ソーチェンを容易に適正な張力に調整することができる。
なお、カラー60がカム部材50の外周で矢印B方向に空回りしたときには、ラチェット機構のラチェットピン51とラチェット溝62の衝突音が生じるため、ソーチェンが適正な張力に達したことを容易に知ることができる。
【0052】
続いて、作業員はカラー60を把持し、ガイドバー20及びスライド部材30を保持した状態で、ノブ40をチェンソー本体10側に締め込むことにより、前方に移動したガイドバー20及びスライド部材30をチェンソー本体10に押さえ付けて固定する。
【0053】
なお、ソーチェンやガイドバー20の交換時、又はガイドバー20の清掃時など、チェンソー本体10からガイドバー20を取り外す作業において、スライド部材30の突起部32からカム部材50のカム溝53が外れたときには、保持状態が解除されたスライド部材30は、圧縮されたコイルバネ33aによって後方に押されることになる。そして、スライド部材30は後方に移動し、図3に示すように、スライド部材30の後端部が、ガイドバー20の取り付け溝21に挿通された支軸11に当接した状態となる。
【0054】
[チェン張り機構の作用効果]
本実施形態のチェン張り機構では、図3及び図4に示すように、ガイドバー20を移動させるためのスライド部材30は、ガイドバー20の取り付け溝21に挿通されており、スライド部材30がガイドバー20に固着されていない。これにより、チェンソー本体10からガイドバー20を取り外するときに、ガイドバー20とともにスライド部材30を取り外す必要がなくなり、チェンソー本体10にガイドバー20を取り付けるときには、ガイドバー20にスライド部材30を固着させる必要がなくなるため、チェンソー本体10にガイドバー20を容易に脱着することができる。
【0055】
また、前方に移動させたスライド部材30を後方に戻すリターン機構が設けられており、ガイドバー20を交換するときに、作業員がスライド部材30を後方に戻す必要がなくなるため、チェンソー本体10にガイドバー20を容易に取り付けることができる。
【0056】
また、ガイドバー20をチェンソー本体10に取り付けるための取り付け溝21を利用して、スライド部材30がガイドバー20に組み付けられているため、ガイドバー20は一般的な製品を用いることができ、チェンソー1(図1参照)のメンテナンス性を向上させることができる。
【0057】
また、ノブ40とカム部材50が同軸上に配設されているため、ソーチェン(図示せず)の張力を調整するときのノブ40及びカム部材50の操作性を向上させることができる。さらに、ノブ40とカム部材50は作業員が把持し易い大きさに形成されているため、工具を用いることなく、ソーチェンの張力の調整とガイドバー20の固定を行うことができる。
【0058】
また、図5(a)に示すように、カラー60とカム部材50はラチェット機構によって係合されており、ソーチェン(図示せず)の張力が弱い場合には、カラー60とともにカム部材50が回動し、ソーチェンが適正な張力に達している場合には、カラー60がカム部材50の外周で空回りするように構成されているため、ソーチェンを容易に適正な張力に調整することができる。
さらに、カラー60がカム部材50の外周で空回りしたときには、ラチェット機構のラチェットピン51とラチェット溝62の衝突音が生じるため、ソーチェンが適正な張力に達したことを容易に知ることができる。
【0059】
また、カム部材50のカム溝53では、支軸11回りに螺旋状に形成されており、カム溝53の外側の端部を、カム溝53の中間部に連通させて、カム溝53の外側の端部をエンドレスに形成している。これにより、切り屑等の異物はカム溝53の外側の端部からカム溝53の中間部に排出され、カム溝53の外側の端部に異物が詰まらないため、スライド部材30の突起部32をカム溝53の外側の端部まで移動させることができ、ソーチェンの調整代を保つことができる。
【0060】
また、ノブ40はガイドバー20よりも外側で支軸11に取り付けられ、さらに、ノブ40とガイドバー20の間には、カラー60、カム部材50及びスペーサ部材70が介設されており、ノブ40はガイドバー20の外周部に巻回されたソーチェンから離れて配設されているため、ノブ40を操作するときの安全性を向上させることができる。
【0061】
また、カラー60には、ノブ40の外周部を囲むようにリブ61が形成されており、チェンソー1(図1参照)の使用時に、ノブ40の外周部に枝等の部材が接触することを防止して、ノブ40の緩みを防ぐことができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。例えば、本実施形態では、図5(b)に示すように、カム部材50のカム溝53を螺旋状に形成しているが、スライド部材30を前方に案内することができるものであれば、カム溝53の形状は限定されるものではない。
【0063】
また、図3に示すように、リターン機構33では、スライド部材30を後方に押し戻すための付勢力を与える部材として、コイルバネ33aを用いているが、これに限定されるものではなく、各種形状のバネ部材及びゴム材等の弾性部材を用いることができる。
【0064】
また、図5(a)に示すように、カム部材50とカラー60はラチェット機構により係合されているが、カム部材50の回転トルクが所定値以下の場合に、カラー60の回動に追従してカム部材50が回動し、カム部材50の回転トルクが所定値以上の場合に、カラー60がカム部材50の外周を回動する構成であれば、その構成は限定されるものではない。
【0065】
また、図3に示す支軸11の径は限定されるものではないが、小径のボルトを用いることが望ましい。一般的に、ノブ40が螺着される支軸としては、M8のボルトが用いられているが、本実施形態ではM6のボルトを用いている。そして、M8の支軸とM6の支軸11に同じトルクでノブ40を締め付けた場合には、M8の支軸よりもM6の支軸11の方が、ノブ40からガイドバー20に伝わる軸力が強くなるため、ガイドバー20を確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施形態のチェンソーを示した部分拡大図である。
【図2】本実施形態のチェンソーにおけるガイドバーの後部を示した側面図である。
【図3】本実施形態のチェン張り機構を示した図1のA−A断面図である。
【図4】本実施形態のチェン張り機構を示した図1のA−A断面図において、各部材を分解した状態の図である。
【図5】本実施形態のチェン張り機構を示した図で、(a)はカム部材の外側面を見た図、(b)はカム部材の内側面を見た図である。
【図6】本実施形態のチェン張り機構を示した図3の断面図において、ガイドバーを前方に移動させた状態の図である。
【符号の説明】
【0067】
1 チェンソー
10 チェンソー本体
11 支軸
20 ガイドバー
21 取り付け溝
30 スライド部材
32 突起部
33 リターン機構
33a バネ部材
40 ノブ
50 カム部材
51 ラチェットピン
53 カム溝
60 カラー
61 リブ
62 ラチェット溝
70 スペーサ部材
【出願人】 【識別番号】000190312
【氏名又は名称】新ダイワ工業株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造

【識別番号】100111545
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 悦夫


【公開番号】 特開2008−12780(P2008−12780A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186168(P2006−186168)