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【発明の名称】 シート穿孔装置
【発明者】 【氏名】金子 環

【要約】 【課題】パンチ孔列の種類が切り替え可能なシート穿孔装置をシンプルかつ安価に構成する。

【解決手段】パンチ21,23,25は、リンク31,33,35を介してスライドアーム51に連結される。パンチ22,24は、リンク32,34を介してスライドアーム52に連結される。スライドアーム51には、曲線溝部51b1と直線溝部51b2とで構成されたカム溝51bが形成される。スライドアーム52には、曲線溝部52b1と直線溝部52b2とで構成されたカム溝52bが形成される。駆動ギヤ44に設けた係合ピン44aがカム溝51bの直線溝部51b2に係合しているときは、駆動ギヤ等43に設けた係合ピン63aがカム溝52bの曲線溝部52b1に係合し、係合ピン63aがカム溝52bの直線溝部52b2に係合しているときは、係合ピン44aがカム溝51bの曲線溝部51b1に係合するように設定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームの長手方向に配設された複数のパンチと、前記複数のパンチに対応したダイス孔とを備え、駆動機構の回転運動がカム機構により前記複数のパンチの穿孔方向の往復動に変換されて前記複数のパンチと前記ダイス孔との協働によりシート材に孔列が形成されるシート穿孔装置において、
前記フレームの長手方向に沿って往復動可能な第1スライドアームおよび第2スライドアームを有する複数のスライドアームと、
前記複数のパンチのうちの第1パンチ群と前記第1スライドアームとに連結されて前記フレームとの支持軸回りの回転により前記第1スライドアームの往復動を前記第1パンチ群の穿孔方向の往復動に変換する第1リンク群と、
前記複数のパンチのうちの第2パンチ群と前記第2スライドアームとに連結されて前記フレームとの支持軸回りの回転により前記第2スライドアームの往復動を前記第2パンチ群の穿孔方向の往復動に変換する第2リンク群とを備え、
前記駆動機構は、駆動源と、この駆動源の回転駆動力を伝達可能にギヤ結合された第1駆動ギヤおよび第2駆動ギヤを有し、
前記カム機構は、前記第1スライドアームに設けられて同第1スライドアームを往復動させる第1アーム動作部、および前記第1スライドアームの往復動を禁止する第1アーム動作禁止部を有する第1カムと、
前記第1駆動ギヤまたは同第1駆動ギヤと一体的に回転する回転部材に設けられて前記第1カムに係合する第1カムフォロアと、
前記第2スライドアームに設けられて同第2スライドアームを往復動させる第2アーム動作部、および前記第2スライドアームの往復動を禁止する第2アーム動作禁止部を有する第2カムと、
前記第2駆動ギヤまたは同第2駆動ギヤと一体的に回転する回転部材に設けられて前記第2カムに係合する第2カムフォロアとで構成されてなり、
前記第1カムフォロアが前記第1カムの第1アーム動作部に係合しているときは、前記第2カムフォロアが前記第2カムの第2アーム動作禁止部に係合し、前記第2カムフォロアが前記第2カムの第2アーム動作部に係合しているときは、前記第1カムフォロアが前記第1カムの第1アーム動作禁止部に係合するように設定されていることを特徴とするシート穿孔装置。
【請求項2】
前記第1カムおよび前記第2カムは、略D字状またはD字を左右に反転した略逆D字状のカム溝を有する溝カムであり、前記第1カムフォロアは、前記第1駆動ギヤまたは前記第1部材に突設されて前記第1カムのカム溝に係合可能な第1係合ピンであり、前記第2カムフォロアは、前記第2駆動ギヤまたは前記第2部材に突設されて前記第2カムのカム溝に係合可能な第2係合ピンであり、
前記第1アーム動作禁止部および前記第2アーム動作禁止部は、前記略D字状または略逆D字状のカム溝の構成部分のうち、中心線の曲率半径が前記各係合ピンの軸心が描く円軌跡の回転半径と同一に設定された円弧状の曲線溝部で構成され、前記第1アーム動作部および前記第2アーム動作部は、前記略D字状または略逆D字状のカム溝の構成部分のうちの直線溝部で構成されている請求項1に記載のシート穿孔装置。
【請求項3】
前記第1駆動ギヤと前記第2駆動ギヤは、歯数が同じで互いに逆回転する駆動ギヤであり、前記第1カムと前記第2カムのカム溝は、同じ輪郭の略D字状または略逆D字状に形成されていて、前記第1駆動ギヤと前記第2駆動ギヤの回転に応じて前記第1カムフォロアと前記第2カムフォロアとが互いに反対方向に同じ角度だけ回るように設定されている請求項2に記載のシート穿孔装置。
【請求項4】
前記第1スライドアームと前記第2スライドアームとは、前記フレーム内にて前記複数のパンチを挟んで対向配置され、または前記フレーム内の片側壁側に重ねて配置されていて、前記フレームとの間に介装された付勢部材により初期位置に戻る方向へ付勢されている請求項1ないし3のうちの何れか一つに記載のシート穿孔装置。
【請求項5】
前記駆動源は、1つの電動モータで構成されている請求項1ないし4のうちの何れか一つに記載のシート穿孔装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、シート穿孔装置に係り、特に画像形成装置から搬送された用紙の後処理を行うフィニッシャーに用いられるシート穿孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシート穿孔装置は、例えば、下記特許文献1に記載されているように、フレームの長手方向に配設された複数のパンチと、複数のパンチに対応したダイス孔とを備えており、駆動機構の回転運動がカム機構により複数のパンチの穿孔方向の往復動に変換されて複数のパンチとダイス孔との協働によりシート材に孔列が形成されるようになっている。
【0003】
この特許文献1に記載されたシート穿孔装置においては、フレームの長手方向に沿って往復動可能な1つのスライドアームと、このスライドアームとパンチの一群とに連結された第1連結体群と、前記スライドアームとパンチの他群とに連結された第2連結体群が設けられている。第1連結体群は、フレームとの支持軸回りに回転可能なリンクとして機能するとともに、パンチの一群を往復動させるための動作部とパンチの一群の往復動を禁止する動作禁止部を有する溝カムとしても機能する。同様に、第2連結体群は、フレームとの支持軸回りに回転可能なリンクとして機能するとともに、パンチの一群を往復動させるための動作部とパンチの他群の往復動を禁止する動作禁止部を有する溝カムとしても機能する。パンチの一群には、カムフォロアとしてのピンがそれぞれ突設されていて、第1連結体群のカム溝にそれぞれ係合している。また、パンチの他群には、カムフォロアとしてのピンがそれぞれ突設されていて、第2連結体群のカム溝にそれぞれ係合している。
【0004】
そして、この特許文献1に記載されたシート穿孔装置では、スライドアームの往動に伴う第1連結体群の回転により、パンチの一群のピンが第1連結体群の動作部に沿って移動して、パンチの一群が穿孔方向に往復動する。このとき、パンチの他群のピンは第2連結体群の動作禁止部に係合しているため、パンチの他群は穿孔方向に往復動しない。一方、スライドアームの復動に伴う第2連結体群の回転により、パンチの他群のピンが第2連結体群の動作部に沿って移動して、パンチの他群が穿孔方向に往復動する。このとき、パンチの一群のピンは第1連結体群の動作禁止部に係合しているため、パンチの一群は穿孔方向に往復動しない。このように、スライドアームの移動方向を変えることで、パンチの一群による穿孔か他群による穿孔かが切り替わるようになっている。
【特許文献1】特開2003−200391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載されたシート穿孔装置では、各パンチ毎にカム機構が設けられている。このため、スライドアームの往復動に際して各カム機構における作動抵抗(摩擦抵抗や摺動抵抗)が大きくなるので、フレームの剛性を高く設定し、また駆動源を大型化しなければならず、装置の大型化、重量の増加を招来するという問題がある。また、第1連結体群および第2連結体群には、リンクと溝カムとの二つの機能が要求されるため、その構造が複雑になり、装置が高価になるという問題もある。また、第1連結体群および第2連結体群は、その構造が複雑であるため、組み付け性が悪いという問題もある。
【0006】
本発明の課題は、パンチ孔列の種類が切り替え可能なシート穿孔装置をシンプルかつ安価に構成することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、
フレームの長手方向に配設された複数のパンチと、前記複数のパンチに対応したダイス孔とを備え、駆動機構の回転運動がカム機構により前記複数のパンチの穿孔方向の往復動に変換されて前記複数のパンチと前記ダイス孔との協働によりシート材に孔列が形成されるシート穿孔装置において、
前記フレームの長手方向に沿って往復動可能な第1スライドアームおよび第2スライドアームを有する複数のスライドアームと、
前記複数のパンチのうちの第1パンチ群と前記第1スライドアームとに連結されて前記フレームとの支持軸回りの回転により前記第1スライドアームの往復動を前記パンチの一群の穿孔方向の往復動に変換する第1リンク群と、
前記複数のパンチのうちの第2パンチ群と前記第2スライドアームとに連結されて前記フレームとの支持軸回りの回転により前記第2スライドアームの往復動を前記パンチの他群の穿孔方向の往復動に変換する第2リンク群とを備え、
前記駆動機構は、駆動源と、その駆動源の回転駆動力を伝達可能にギヤ結合された第1駆動ギヤおよび第2駆動ギヤを有し、
前記カム機構は、前記第1スライドアームに設けられて同第1スライドアームを往復動させる第1アーム動作部、および前記第1スライドアームの往復動を禁止する第1アーム動作禁止部を有する第1カムと、
前記第1駆動ギヤまたは同第1駆動ギヤと一体的に回転する回転部材に設けられて前記第1カムに係合する第1カムフォロアと、
前記第2スライドアームに設けられて同第2スライドアームを往復動させる第2アーム動作部、および前記第2スライドアームの往復動を禁止する第2アーム動作禁止部を有する第2カムと、
前記第2駆動ギヤまたは同第2駆動ギヤと一体的に回転する回転部材に設けられて前記第2カムに係合する第2カムフォロアとで構成されてなり、
前記第1カムフォロアが前記第1カムの第1アーム動作部に係合しているときは、前記第2カムフォロアが前記第2カムの第2アーム動作禁止部に係合し、前記第2カムフォロアが前記第2カムの第2アーム動作部に係合しているときは、前記第1カムフォロアが前記第1カムの第1アーム動作禁止部に係合するように設定されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のシート穿孔装置においては、第1カムフォロアが第1カムの第1アーム動作部に係合しているときは、第2カムフォロアが第2カムの第2アーム動作禁止部に係合するように設定されている。また、第2カムフォロアが第2カムの第2アーム動作部に係合しているときは、第1カムフォロアが第1カムの第1アーム動作禁止部に係合するように設定されている。このため、第1カムフォロアが第1カムの第1アーム動作部に係合した状態が維持されるように、駆動源の回転方向を設定した場合には、第1駆動ギヤ等の回転に伴う第1カムフォロアの回転により、第1スライドアームのみが往復動して、第1パンチ群のみが穿孔方向に往復動するようになる。一方、第2カムフォロアが第2カムの第2アーム動作部に係合した状態が維持されるように、駆動源の回転方向を設定した場合には、第2駆動ギヤ等の回転に伴う第2カムフォロアの回転により、第2スライドアームのみが往復動して、第2パンチ群のみが穿孔方向に往復動するようになる。
【0009】
ところで、本発明のシート穿孔装置においては、カム機構が、第1カムおよび第1カムフォロアからなる第1のカム機構と、第2カムおよび第2カムフォロアからなる第2のカム機構との二つのカム機構で構成されている。このため、従来技術のシート穿孔装置のようにパンチ毎にカム機構を設ける必要がなく、リンクをテコの原理を利用したシンプルな形状に形成できるので、リンクの回転時における作動抵抗を低減することが可能となって、装置を小型、軽量かつ安価に構成することが可能である。特に、本発明のシート穿孔装置では、第1カムおよび第2カムに対して、第1カムフォロアおよび第2カムフォロアが第1駆動ギヤおよび第2駆動ギヤ等の回転に伴って変位する逆カム機構を採用しているため、カム機構における作動抵抗をより一層低減できる効果が得られる。
【0010】
また、本発明のシート穿孔装置においては、リンクの形状がシンプルであるため、その組み付け作業性も向上する。また、駆動カム機構は同じとしつつ、要求穿孔数に応じたスライドアームのみを専用に設定することで、海外仕様等の多様な穿孔数に柔軟に対応することも可能である。
【0011】
本発明の実施に際して、前記第1カムおよび前記第2カムは、略D字状またはD字を左右に反転した略逆D字状のカム溝を有する溝カムであり、前記第1カムフォロアは、前記第1駆動ギヤまたは前記第1部材に突設されて前記第1カムのカム溝に係合可能な第1係合ピンであり、前記第2カムフォロアは、前記第2駆動ギヤまたは前記第2部材に突設されて前記第2カムのカム溝に係合可能な第2係合ピンであり、
前記第1アーム動作禁止部および前記第2アーム動作禁止部は、前記略D字状または略逆D字状のカム溝の構成部分のうち、中心線の曲率半径が前記各係合ピンの軸心が描く円軌跡の回転半径と同一に設定された曲線溝部で構成され、前記第1アーム動作部および前記第2アーム動作部は、前記略D字状または略逆D字状のカム溝の構成部分のうちの直線溝部で構成されていることも可能である。なお、第1カムおよび第2カムのカム溝の各直線溝部は、真っ直ぐな直線形状のものに限らず、各スライドアームの往復動に影響を与えない範囲で曲率を持たせるようにしたものも含まれる。このように、カム溝の各直線溝部に曲率を持たせるようにすれば、例えば、各スライドアームの動き出しの速さを緩やかに設定することができ、パンチの動き出しを滑らかにすることが可能である。
【0012】
これによれば、第1カムおよび第2カムのカム溝を、形成が容易な略D字状または略逆D字状とすることで、上記した作用および効果が得られるので、第1スライドアームおよび第2スライドアームをシンプルかつ安価に構成することが可能である。
【0013】
この場合、前記第1カムおよび前記第2カムのカム溝の各直線溝部は、各溝中心線が前記各係合ピンの回転軌跡中心に対して前記各曲線溝部とは反対側にオフセットされた位置に配置されていることも可能である。
【0014】
これによれば、各係合ピンが初期位置に復帰したとき、各係合ピンの軸心を各駆動ギヤの上下方向の中心線上に位置させることが可能となって、各係合ピンの回転基準位置の設定が容易となる。また、各係合ピンとカム溝の直線溝部間に動作禁止部を設けることが可能となり、各係合ピンの僅かな回転動作ではスライドアームが往動しなくなって、パンチの早めの往動に起因した例えばシートとの引っ掛かり等を効果的に防止することが可能である。
【0015】
また、本発明の実施に際して、前記第1駆動ギヤと前記第2駆動ギヤは、歯数が同じで互いに逆回転する駆動ギヤであり、前記第1カムと前記第2カムのカム溝は、同じ輪郭の略D字状または略逆D字状に形成されていて、前記第1駆動ギヤと前記第2駆動ギヤの回転に応じて前記第1カムフォロアと前記第2カムフォロアとが互いに反対方向に同じ角度だけ回るように設定されていることも可能である。
【0016】
これによれば、第1カムフォロアと第2カムフォロアとが互いに反対方向に同じ角度だけ回る。このため、第1駆動ギヤおよび第2駆動ギヤのうちの何れか一方の回転のみを検出するようにすれば、第1スライドアームまたは第2スライドアームを所定量だけ往復動させることが可能となって、その作動制御が容易となる。
【0017】
また、本発明の実施に際して、前記第1スライドアームと前記第2スライドアームとは、前記フレーム内にて前記複数のパンチを挟んで対向配置され、または前記フレーム内の片側壁側に重ねて配置されていて、前記フレームとの間に介装された付勢部材により初期位置に戻る方向へ付勢されていることも可能である。
【0018】
これによれば、第1スライドアームおよび第2スライドアームが付勢部材により初期位置に戻る方向へ付勢される。このため、例えばカム係合時における作動抵抗を低減するために、第1カムおよび第2カムと、第1係合ピンおよび第2係合ピン間に所定量のクリアランスを設定した場合であっても、各スライドアームの往復動作が終了した状態では、各スライドアームが付勢部材により常に一定の初期位置に戻されるようになり、パンチも確実に一定の初期位置に戻されるようになって、パンチの正確な作動が保証される。
【0019】
また、本発明の実施に際して、前記駆動源は、1つの電動モータで構成されていることも可能である。この場合には、1つの電動モータの回転方向を変えるだけで、回転駆動力が第1駆動ギヤを介して第1スライドアームの往復動に変換され、第2駆動ギヤを介して第2スライドアームの往復動に変換されるので、複数の電動モータを用いる場合に比してコストが安価になる。なお、電動モータとして、例えばDCブラシモータを使用すれば、コストも安価になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図8は本発明によるシート穿孔装置を画像形成装置のフィニッシャーに適用したものの外観またはその構成部品を示していて、このシート穿孔装置においては、長尺状かつ略U字状に形成されて複数のダイス孔11a〜11eを有するダイフレーム11と、長尺状かつ略矩形筒状に形成されてパンチ21〜25、リンク31〜35、駆動機構40およびスライドアーム51,52を組み付けたフレーム12とが、ダイフレーム11の曲げ成形によってシート材を挿通可能な所定の間隔に対向配置された状態で固定されている。なお、この間隔は、間隙形成板材を介在させることによって得ることも可能である。
【0021】
ダイス孔11a〜11eは、パンチ21〜25にそれぞれ対応しており、パンチ21,23,25のダイス孔11a,11c,11eに対する往復動によりシート材に所定ピッチの3孔の孔列が形成され、パンチ22,24のダイス孔11b,11dに対する往復動によりシート材に所定ピッチの2孔の孔列が形成されるようになっている。
【0022】
フレーム12は、カバー12aとフレーム本体12bとの上下2分割の構造とされていて、カバー12aとフレーム本体12bには、ダイフレーム11のダイス孔11a〜11eと同軸に、ガイド孔12a1〜12a5,12b1〜12b5がそれぞれ形成されている。これにより、パンチ21〜25が、上下に離れたガイド孔12a1〜12a5,12b1〜12b5によりガイドされつつ穿孔方向へ往復動する。
【0023】
リンク31〜35は、図6にてリンク33を代表して示すように、正面視にて略L字状に形成されており、各中間部にて支持ピン31a〜35aによりフレーム本体12bに同ピン31a〜35a回りに回転可能に支持されている。また、リンク31〜35は、各一端部に形成された二股状のアーム部31b〜35bにてパンチ支持ピン31c〜35cを介してパンチ21〜25に連結されている。
【0024】
リンク31〜35のうちリンク31,33,35(第1リンク群)は、各他端部にてスライドアーム51に向けて突設されたアーム係合ピン31d,33d,35dを介してスライドアーム51の各連結部51aに連結され、リンク31〜35のうちリンク32,34(第2リンク群)は、各他端部にてスライドアーム52に向けて突設されたアーム係合ピン32d,34dを介してスライドアーム52の各連結部52aに連結されている。
【0025】
これにより、スライドアーム51の往復動により、リンク31,33,35が支持ピン31a,33a,35a回りに回転するのに伴って、パンチ21,23,25(第1パンチ群)が穿孔方向に往復動する。また、スライドアーム52の往復動により、リンク32,34が支持ピン32a,34a回りに回転するのに伴って、パンチ22,24(第2パンチ群)が穿孔方向に往復動する。
【0026】
駆動機構40は、電動モータ41(駆動源)と、この電動モータ41にギヤ結合されて互いに異なる軸回りに回転する減速ギヤ42、駆動ギヤ43(第2駆動ギヤ)および駆動ギヤ44(第1駆動ギヤ)とを備えており、電動モータ41の回転駆動力が減速ギヤ42から駆動ギヤ43を経て駆動ギヤ44に伝達されるようになっている。
【0027】
電動モータ41は、例えばDCブラシモータであり、穿孔に要する回転数(回転量)が、駆動ギヤ43に一体的に取り付けられたセンサフィラー63とホームポジションセンサ62により検出される。電動モータ41は、パルスカウントセンサ61により検出されたパルスに応じて、適切な回転速度となるように、図示を省略する電気制御装置(ECU)により作動制御される。
【0028】
駆動ギヤ43は、スライドアーム51,52に干渉しない位置に配置されたスタッド軸を介してフレーム本体12bに取り付けられている。駆動ギヤ43には、ホームポジションセンサ62と協働して駆動ギヤ43の回転方向およびホームポジション(初期位置と初期位置から180°回転した位置との両位置を表す基準位置)を検出するためのセンサフィラー63(回転部材)が一体的に取り付けられている。センサフィラー63の外側面には、スライドアーム52の内側面に向けて係合ピン63a(第2カムフォロア)が突設されている。
【0029】
駆動ギヤ44は、駆動ギヤ43と歯数が同じものであり、互いに逆方向に回転するように駆動ギヤ43と噛み合っていて、スライドアーム51,52に干渉しない位置に配置されたブラケット47を介してフレーム本体12bに取り付けられている。駆動ギヤ44の内側面には、スライドアーム51の内側面に向けて係合ピン44a(第1カムフォロア)が突設されている。
【0030】
スライドアーム51(第1スライドアーム)とスライドアーム52(第2スライドアーム)は、長尺状かつ矩形状の板材であり、フレーム本体12b内にてパンチ21〜25を挟んで対向配置された状態で、フレーム本体12bの長手方向に沿って往復動可能に設けられている。スライドアーム51,52の各内側部には、カム溝51b,52bがそれぞれ形成されている。
【0031】
スライドアーム51のカム溝51b(第1カム)は、図9に示すように、係合ピン44aの直径に比して僅かに大きい溝幅を有するとともに、曲線溝部51b1と直線溝部51b2とで構成された略逆D字状に形成されている。カム溝51bの曲線溝部51b1(第1アーム動作禁止部)は、その中心線の曲率半径R1が、係合ピン44aの軸心が描く円軌跡の回転半径R1と同一に設定されている。
【0032】
カム溝51bの直線溝部51b2(第1アーム動作部)は、その溝中心線K1が係合ピン44aの回転軌跡中心O1に対して曲線溝部51b1とは反対側にオフセットされた位置に配置されている。これにより、係合ピン44aが図9にて二点鎖線で示す状態から破線で示す初期位置に復帰した状態では、係合ピン44aの軸心が駆動ギヤ44の上下方向の中心線L1上に位置するようになって、係合ピン44aの回転基準位置の設定が容易となる。
【0033】
そして、係合ピン44aがカム溝51bの曲線溝部51b1に係合しているときは、係合ピン44aが移動してもスライドアーム51は往復動作しないが、係合ピン44aがカム溝51bの直線溝部51b2に係合しているときは、その係合状態が維持される方向に係合ピン44aが回転することで、スライドアーム51がその長手方向に往復動する。
【0034】
スライドアーム52のカム溝52b(第2カム)は、図10に示すように、係合ピン63aの直径に比して僅かに大きい溝幅を有するとともに、曲線溝部52b1と直線溝部52b2とで構成されてカム溝51bと同じ輪郭の略D字状に形成されている。カム溝52bの曲線溝部52b1(第2アーム動作禁止部)は、その中心線の曲率半径R2が、係合ピン63aの軸心が描く円軌跡の回転半径R2と同一に設定されている。
【0035】
カム溝52bの直線溝部52b2(第2アーム動作部)は、その溝中心線K2が係合ピン63aの回転軌跡中心O2に対して曲線溝部52b1とは反対側にオフセットされた位置に配置されている。これにより、係合ピン63aが図10にて二点鎖線で示す状態から破線で示す初期位置に復帰した状態では、係合ピン63aの軸心がセンサフィラー63すなわち駆動ギヤ43の上下方向の中心線L2上に位置するようになって、係合ピン63aの回転基準位置の設定が容易となる。
【0036】
そして、係合ピン63aがカム溝52bの曲線溝部52b1に係合しているときは、係合ピン63aが移動してもスライドアーム52は往復動作しないが、係合ピン63aがカム溝52bの直線溝部52b2に係合しているときは、その係合状態が維持される方向に係合ピン63aが回転することで、スライドアーム52がその長手方向に往復動する。
【0037】
スライドアーム51,52は、フレーム本体12bとの間に介装された引っ張りばね53,54(付勢部材)により初期位置に戻る方向すなわち駆動機構40とは反対側の長手方向に向けて付勢されている。引っ張りばね53,54は、スライドアーム51,52の駆動機構40側への移動を規制する役割を果たしている。すなわち、係合ピン44a,63aが初期位置に復帰している状態(図9,10で示した破線状態)では、カム溝51b,52bにおける曲線溝部51b1,52b1の上下溝面によりスライドアーム51,52の上下方向への移動は規制されているが、スライドアーム51,52の長手方向への移動は許容されている。一方、スライドアーム51,52には、パンチ21〜25に作用する重力に起因してリンク31〜35を介して駆動機構40側へ移動させようとする力が作用している。このため、スライドアーム51,52の駆動機構40側への移動を規制する必要があるからである。
【0038】
スライドアーム51,52の下部には、支持ピン31a〜35aとの干渉を回避するための切り欠き51c,52cが形成されていて、切り欠き51c,52cの片側を形成する段部51d、52dが支持ピン35aと係合するようになっている。これにより、スライドアーム51,52が引っ張りばね53,54により付勢されても、所定量を超えて戻されることがなく、パンチ21〜25の初期位置が常に一定位置に保たれる。
【0039】
上記のように構成した第1実施形態のシート穿孔装置においては、その待機時、電動モータ41は停止していて、係合ピン44a,63aとスライドアーム51,52とが、図11(A)および図12(A)に示した初期位置にある。
【0040】
最初に、シート材に3孔の孔列を形成する場合について説明する。この場合には、上記した待機状態から電動モータ41が図示左回りに回転するようにその作動が制御される。電動モータ41が図示左回りに回転すると、駆動ギヤ43およびセンサフィラー63が図示左回りに回転し、駆動ギヤ44が図示右回りに駆動ギヤ43と同じ角度だけ回転する。このとき、係合ピン63aはカム溝52bの曲線溝部52b1の中心線に沿って移動するため、スライドアーム52は往復動しない。
【0041】
一方、係合ピン44aの図示右回りの回転位置に対応して、図11(B)に示すように、カム溝51bの直線溝部51b2が図示右向きに変位し始める。これに伴ってスライドアーム51が図示右向きに往動し始め、リンク31,33,35がそれぞれ支持ピン31a,33a,35aを回転支点として図示右回りに回転する。係合ピン44aが図示右回りに90°未満の所定角度(例えば、45°)回転したとき、パンチ21,23,25とダイス孔11a,11c,11eとの協働によりシート材に3孔の孔列が形成される。
【0042】
係合ピン44aが図示右回りに90°回転した状態では、図12(B)に示すように、スライドアーム51の図示右向きへの往動量が最大となり、90°を超えた後は係合ピン44aの更なる図示右回りの回転に伴ってスライドアーム51が図示左向きに復動し始める。そして、係合ピン44aが図示右回りに180°回転したとき、図12(C)に示すように、スライドアーム51は初期位置に復帰する。なお、スライドアーム51の初期位置からのオーバーランを防止するために、スライドアーム51が初期位置に復帰する直前で電動モータ41の作動が停止されるようになっている(例えば、ショートを利用した短絡ブレーキや逆転ブレーキなど)。
【0043】
3孔のパンチングを連続して行う場合には、係合ピン44aが180°回転した後に、180°反転する動作が実行されるように電動モータ41の作動が制御される。なお、ホームポジションセンサ62およびセンサフィラー63により検出された検出信号に基づいて、駆動ギヤ43の回転方向および回転角度が計算され、係合ピン44aが初期位置にあるか、初期位置から180°回転した位置にあるかが電気制御装置により判定・記憶されるようになっている。
【0044】
次に、シート材に2孔の孔列を形成する場合について説明する。この場合には、図11(A)および図13(A)に示した待機状態から電動モータ41が図示右回りに回転するようにその作動が制御される。電動モータ41が図示右回りに回転すると、駆動ギヤ43およびセンサフィラー63が図示右回りに回転し、駆動ギヤ44が図示左回りに駆動ギヤ43と同じ角度だけ回転する。このとき、係合ピン44aはカム溝51bの曲線溝部51b1の中心線に沿って移動するため、スライドアーム51は往復動しない。
【0045】
一方、係合ピン63aの図示右回りの回転位置に対応して、図11(C)に示すように、カム溝52bの直線溝部52b2は図示右向きに変位し始める。これに伴ってスライドアーム52が図示右向きに往動し始め、リンク32,34がそれぞれ支持ピン32a,34aを回転支点として図示右回りに回転する。係合ピン63aが図示右回りに90°未満の所定角度(例えば、45°)だけ回転したとき、パンチ22,24とダイス孔11b,11dとの協働によりシート材に2孔の孔列が形成される。
【0046】
係合ピン63aが図示右回りに90°回転した状態では、図13(B)に示すように、スライドアーム52の図示右向きへの往動量が最大となり、90°を超えた後は係合ピン63aの更なる回転に伴ってスライドアーム52が図示左向きに復動し始める。そして、係合ピン63aが図示右回りに180°回転したとき、図13(C)に示すように、スライドアーム52は初期位置に復帰する。なお、この場合にも、上記した3孔の穿孔の場合と同様、スライドアーム52の初期位置からのオーバーランを防止するために、スライドアーム52が初期位置に復帰する直前で電動モータ41の作動が停止される。
【0047】
2孔のパンチングを連続して行う場合には、上記と同様、係合ピン63aが180°回転した後に、180°反転する動作が実行されるように電動モータ41の作動が制御される。
【0048】
上記のように構成した第1実施形態においては、カム機構が、スライドアーム51のカム溝51bおよび係合ピン44aからなる第1のカム機構と、スライドアーム52のカム溝52bおよび係合ピン63aからなる第2のカム機構との二つのカム機構で構成されている。このため、パンチ21〜25毎にカム機構を設ける必要がなく、リンク31〜35をテコの原理を利用したシンプルな形状に形成できるので、リンク31〜35の回転時における作動抵抗を低減することが可能となって、装置を小型、軽量かつ安価に構成することが可能である。
【0049】
特に、この第1実施形態では、スライドアーム51のカム溝51bおよびスライドアーム52のカム溝52bに対して、係合ピン44a,63aが駆動ギヤ44および駆動ギヤ43(センサフィラー63)の回転に伴って変位する逆カム機構を採用しているため、カム機構における作動抵抗をより一層低減できる効果が得られる。また、リンク31〜35の形状がシンプルであるため、その組み付け作業性も向上する。また、パンチ21,23,25に対応して専用のスライドアーム51と駆動ギヤ44を設け、パンチ22,24に対応して専用のスライドアーム52と駆動ギヤ43を設けるようにしたので、海外仕様等の多様な穿孔数の要求に応じて柔軟に対応することが可能である。
【0050】
また、上記第1実施形態では、スライドアーム51のカム溝51bおよびスライドアーム52のカム溝52bを、それぞれ形成が容易な略逆D字状および略D字状とすることで、カム溝51bの曲線溝部51b1を第1アーム動作禁止部として機能させ、カム溝51bの直線溝部51b2を第1アーム動作部として機能させ、カム溝52bの曲線溝部52b1を第2アーム動作禁止部として機能させ、カム溝52bの直線溝部52b2を第2アーム動作部として機能させることができるので、スライドアーム51,52をシンプルかつ安価に構成することが可能である。
【0051】
また、上記第1実施形態では、駆動ギヤ43と駆動ギヤ44とが、歯数が同じで互いに逆回転する駆動ギヤであり、駆動ギヤ43と駆動ギヤ44の回転に応じて係合ピン63aと係合ピン44aが互いに反対方向に同じ角度だけ回るように設定されている。これにより、センサフィラー63(駆動ギヤ43)の回転のみを検出することによって、スライドアーム51,52を所定量だけ往復動させることが可能となって、電動モータ41の作動制御が容易となる。
【0052】
また、上記第1実施形態では、スライドアーム51,52が引っ張りばね53,54により初期位置に戻る方向へ付勢されている。これにより、各スライドアーム51,52の往復動作が終了した状態では、各スライドアーム51,52が引っ張りばね53,54の付勢力により常に一定の初期位置に戻されるようになり、パンチ21〜25も確実に一定の初期位置に戻されるようになって、パンチ21〜25の正確な作動が保証される。
【0053】
また、上記第1実施形態では、駆動源として、1つの電動モータ41が用いられている。これにより、この電動モータ41の回転方向を変えるだけで、回転駆動力が駆動ギヤ44を介してスライドアーム51の往復動に変換され、駆動ギヤ43を介してスライドアーム52の往復動に変換されるので、複数の電動モータを用いる場合に比してコストが安価になる。また、電動モータとして、例えばDCブラシモータを使用すれば、コストも安価になる。
【0054】
なお、上記第1実施形態においては、センサフィラー63に係合ピン63aを設けるように実施したが、これに代えて、駆動ギヤ43に第2カムフォロアとしての係合ピンを設けるようにしてもよい。また、駆動ギヤ44と一体回転する回転部材(例えば、センサフィラー)に第1カムフォロアとしての係合ピンを設けるようにしてもよい。
【0055】
(変形実施形態)
上記第1実施形態においては、カム溝51b,52bにおける直線溝部51b2,52b2の溝中心線K1,K2が係合ピン44a,63aの回転軌跡中心O1,O2に対して曲線溝部51b1,52b1とは反対側にオフセットされた位置に配置されるように実施した。これにより、係合ピン44a,63aの僅かな回転動作でスライドアーム51,52が往動しなくなって、パンチの早めの往動に起因した例えばシートとの引っ掛かり等を効果的に防止することができた。しかし、これに代えて、例えば図14にてスライドアーム51を代表して示すように、カム溝51bにおける直線溝部51b2を、その溝中心線K1が係合ピン44aの回転軌跡中心O1を通る位置に配置するように実施することも可能である。
【0056】
これによれば、係合ピン44aの僅かな回転動作でスライドアーム51が往動し易くなる。しかしながら、引っ張りばね53によりスライドアーム51が図示左向きに付勢されているので、係合ピン44aが初期位置に復帰した状態(破線状態)では、係合ピン44aが直線溝部51b2の外側溝面に接するようになる。このため、この変形実施形態においても、上記第1実施形態と同様、第1係合ピン44aの回転基準位置の設定が容易となる。また、この変形実施形態では、カム溝の大きさを小さくできるので、スライドアーム51の小型化が可能である。同様にして、スライドアーム52においても、カム溝52bにおける直線溝部52b2を、その溝中心線K2が係合ピン63aの回転軌跡中心O2を通る位置に配置することで、係合ピン63aの回転基準位置の設定が容易となることに加えて、スライドアーム52の小型化が可能である。
【0057】
(第2変形実施形態)
上記第1実施形態等においては、スライドアーム51,52を、フレーム本体12b内にてパンチ21〜25を挟んで対向して配置するように実施したが、これに代えて、例えば図15〜図20に示すように、フレーム本体12b内の片側壁側に重ねて配置するように実施することも可能である。なお、この第2実施形態の他の構成については、上記第1実施形態等と同様であるので、上記第1実施形態等と同じ部材または同一の機能を果たす部材には同一の符号を含む100番台の符号で表示することとして、詳細な説明は省略する。
【0058】
この第2実施形態において、スライドアーム151には、内方に向けてアーム係合ピン151e,151f,151gが突設されている(図17参照)。スライドアーム152には、内方に向けてアーム係合ピン152e,152fが突設されるとともに、スライドアーム151の往復動時におけるアーム係合ピン151f,151gとの干渉を回避するための切り欠き152g,152hが形成されている(図18参照)。
【0059】
駆動機構140を構成する電動モータ141の回転駆動力は、駆動ギヤ143を経て駆動ギヤ144に伝達される。駆動ギヤ143と駆動ギヤ144は、歯数が同じで互いに逆方向に回転するようにギヤ結合されていて、スライドアーム151,152に干渉しない位置に配置された図示を省略するスタッド軸を介してフレーム112に取り付けられている。駆動ギヤ143の内側面には、スライドアーム151の内側面に向けて係合ピン143aが突設されている(図19参照)。係合ピン143aは、スライドアーム151のカム溝151bに係合している。駆動ギヤ144の内側面には、スライドアーム152の内側面に向けて係合ピン144aが突設されている(図20参照)。係合ピン144aは、スライドアーム152のカム溝152bに係合している。
【0060】
上記のように構成した第2実施形態のシート穿孔装置において、シート材に3孔の孔列を形成する場合には、図21(A)に示す待機状態から駆動ギヤ143が図示左回りに回転するように電動モータ141の作動が制御される。このとき、駆動ギヤ144は図示右回りに回転し、係合ピン144aはカム溝152bの曲線溝部152b1の中心線に沿って移動するため、スライドアーム152は往復動しない。
【0061】
一方、係合ピン143aの図示左回りの回転位置に対応して、カム溝151bの直線溝部151b2が図示左向きに変位し始める。これに伴ってスライドアーム151が図示左向きに往動し始め、リンク131,133,135がそれぞれ支持ピン131a,133a,135aを回転支点として図示左回りに回転する。係合ピン143aが図示左回りに90°未満の所定角度(例えば、45°)回転したとき、図21(B)に示すように、パンチ121,123,125とダイス孔(図示省略)との協働によりシート材に3孔の孔列が形成される。
【0062】
係合ピン143aが図示左回りに90°回転した状態では、図21(C)に示すように、スライドアーム151の図示左向きへの往動量が最大となり、90°を超えた後は係合ピン143aの更なる図示左回りの回転に伴ってスライドアーム151が図示右向きに復動し始める。そして、係合ピン143aが図示左回りに180°回転したとき、スライドアーム151は初期位置に復帰する。なお、スライドアーム151の初期位置からのオーバーランを防止するために、スライドアーム151が初期位置に復帰する直前で電動モータ141の作動が停止される。3孔のパンチングを連続して行う場合には、係合ピン143aが180°回転した後に、180°だけ反転させる動作が実行されるように電動モータ141の作動が制御される。
【0063】
シート材に2孔の孔列を形成する場合には、図22(A)に示す待機状態から駆動ギヤ144が図示左回りに回転するように電動モータ141の作動が制御される。このとき、駆動ギヤ143は図示右回りに回転し、係合ピン143aはカム溝151bの曲線溝部151b1の中心線に沿って移動するため、スライドアーム151は往復動しない。
【0064】
一方、係合ピン144aの図示左回りの回転位置に対応して、カム溝152bの直線溝部152b2は図示左向きに変位し始める。これに伴ってスライドアーム152が図示左向きに往動し始め、リンク132,134がそれぞれ支持ピン132a,134aを回転支点として図示左回りに回転する。係合ピン144aが図示左回りに90°未満の所定角度(例えば、45°)回転したとき、図22(B)に示すように、パンチ122,124とダイス孔(図示省略)との協働によりシート材に2孔の孔列が形成される。
【0065】
係合ピン144aが図示左回りに90°回転した状態では、図22(C)に示すように、スライドアーム152の図示左向きへの往動量が最大となり、90°を超えた後は係合ピン144aの更なる図示左回りの回転に伴ってスライドアーム152が図示右向きに復動し始める。そして、係合ピン144aが図示左回りに180°回転したとき、スライドアーム152は初期位置に復帰する。なお、スライドアーム152の初期位置からのオーバーランを防止するために、スライドアーム152が初期位置に復帰する直前で電動モータ141の作動が停止される。2孔のパンチングを連続して行う場合には、係合ピン144aが180°回転した後に、180°だけ反転させる動作が実行されるように電動モータ141の作動が制御される。
【0066】
この第2実施形態においても、上記第1実施形態等と同様、装置を小型、軽量かつ安価に構成することが可能である。また、リンク131〜135の形状がシンプルであるため、その組み付け作業性も向上する。また、パンチ121,123,125に対応して専用のスライドアーム151と駆動ギヤ143を設け、パンチ122,124に対応して専用のスライドアーム152と駆動ギヤ144を設けるようにしたので、海外仕様等の多様な穿孔数の要求に応じて柔軟に対応することが可能である。
【0067】
上記各実施形態においては、2枚のスライドアームを用いたが、3枚以上のスライドアーム用いて実施することも可能である。
【0068】
また、上記各実施形態においては、各スライドアームに溝カムを形成し、溝カムと係合ピンとでカム機構が構成されるように実施したが、カム機構はこれに限らず、例えば各スライドアームに、略D字または略逆D字をなす凸状のカムを一体的に設け、駆動ギヤ等に設けたカムフォロアが凸状カムの輪郭外周面または輪郭内周面に沿って移動可能とされるように構成して実施することも可能である。
【0069】
また、カム溝の形状は、略D字状または略逆D字状に限らず、アーム動作部およびアーム動作禁止部として機能する構成部分を有する形状のカム機構に広く適用することが可能である。
【0070】
また、上記各実施形態においては、各パンチの穿孔タイミングがほぼ同じとなるように各リンクを配置したが、リンクのスライドアームとの連結位置(力点)をパンチ毎に変えて、各パンチの穿孔タイミングがずれるように設定することも可能である。これによれば、カムのプロファイルを変え、またはリンクのフレーム本体との支持位置(支点)を変えて各パンチの穿孔タイミングをずらす場合に比して、簡単かつ容易に各パンチの穿孔タイミングをずらすことができ、各パンチの穿孔時における負荷を効果的に低減することが可能である。
【0071】
また、上記した各実施形態では、フィニッシャーに用いられるシート穿孔装置に本発明を適用したが、例えばプリンタ等に用いられるシート穿孔装置に本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明によるシート穿孔装置の第1実施形態を示す正面図。
【図2】図1に示したシート穿孔装置からセンサーブラケットを除いた外観図。
【図3】図2に示したシート穿孔装置からフレームカバーを除いた平面図。
【図4】図3の正面図。
【図5】図3に示したシート穿孔装置からフレーム本体およびダイフレームを除いた外観図。
【図6】図4に示したシート穿孔装置の部分拡大図。
【図7】図5からブラケットを除いたシート穿孔装置の平面図。
【図8】図7の正面図。
【図9】図1のスライドアーム51の部分正面図。
【図10】図1のスライドアーム52の部分背面図。
【図11】(A)は係合ピン44a,63aの初期位置を示す説明図。(B)はスライドアーム51の作動当初の説明図。(C)はスライドアーム52の作動当初の説明図。
【図12】(A)は係合ピン44a,63aの初期位置を示す説明図。(B)は係合ピン44aが図示右回りに90°回転した状態を示す説明図。(C)は係合ピン44aが図示右回りに180°回転した状態を示す説明図。
【図13】(A)は係合ピン44a,63aの初期位置を示す説明図。(B)は係合ピン63aが図示右回りに90°回転した状態を示す説明図。(C)は係合ピン63aが図示右回りに180°回転した状態を示す説明図。
【図14】本発明によるシート穿孔装置の変形実施形態に係るスライドアーム51の正面図。
【図15】本発明によるシート穿孔装置の第2実施形態を示す外観図。
【図16】図15の平面図。
【図17】図15のスライドアーム151の外観図。
【図18】図15のスライドアーム152の外観図。
【図19】図15の駆動ギヤ143の外観図。
【図20】図15の駆動ギヤ144の外観図。
【図21】(A)は係合ピン143a,144aの初期位置を示す説明図。(B)は係合ピン143aが図示左回りに90°未満の所定角度だけ回転した状態を示す説明図。(C)は係合ピン143aが図示左回りに90°回転した状態を示す説明図。
【図22】(A)は係合ピン143a,144aの初期位置を示す説明図。(B)は係合ピン144aが図示左回りに90°未満の所定角度だけ回転した状態を示す説明図。(C)は係合ピン144aが図示左回りに90°回転した状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0073】
11 ダイフレーム
11a〜11e ダイス孔
12 フレーム
21〜25 パンチ(21,23,25(第1パンチ群)、22,24(第2パンチ群))
31〜35 リンク(31,33,35(第1リンク群)、32,34(第2リンク群)
31a〜35a 支持ピン
31b〜35b アーム部
31c〜35c パンチ支持ピン
40 駆動機構
41 電動モータ(駆動源)
43 駆動ギヤ(第2駆動ギヤ)
44 駆動ギヤ(第1駆動ギヤ)
44a 係合ピン(第1カムフォロア)
51 スライドアーム(第1スライドアーム)
51b カム溝
51b1 曲線溝部(第1アーム動作禁止部)
51b2 直線溝部(第1アーム動作部)
52 スライドアーム(第2スライドアーム)
52b カム溝
52b1 曲線溝部(第2アーム動作禁止部)
52b2 直線溝部(第2アーム動作部)
53,54 引っ張りばね(付勢部材)
63 センサフィラー(回転部材)
63a 係合ピン(第2カムフォロア)
【出願人】 【識別番号】000006932
【氏名又は名称】リコーエレメックス株式会社
【出願日】 平成18年11月30日(2006.11.30)
【代理人】 【識別番号】100095751
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 正倫


【公開番号】 特開2008−137099(P2008−137099A)
【公開日】 平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願番号】 特願2006−324301(P2006−324301)