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【発明の名称】 穿孔装置
【発明者】 【氏名】高橋 正光

【氏名】西村 稔弘

【氏名】竹内 三千夫

【要約】 【課題】樹脂製フィルムに大きさの整った多数の微細な孔を確実に形成できるようにする。

【解決手段】ロール2を回転可能に支持台4に支持する。ロール2に多数の穿孔針3を放射状に配置して固定する。ロール2の中心部にカートリッジヒータ5を配設する。カートリッジヒータ5にロータリコネクタ7を介して外部から電力を供給し、穿孔針3の先端部をフィルムの軟化点以上に加熱する。ロール2をフィルムに近接させて押し付ける。穿孔針3の熱でフィルムを軟化させて穿孔針3の形状に対応した孔を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄肉なワークに近接して配置されるロールと、
上記ロールの外周部から突出した状態で該ロールに設けられた穿孔針と、
上記ロールに設けられ、上記穿孔針を上記ワークの軟化点以上となるように加熱する加熱手段とを備えることを特徴とする穿孔装置。
【請求項2】
請求項1に記載の穿孔装置において、
ロールには、加熱手段の熱が該ロールの外周部からワークに伝達するのを抑制する熱伝達抑制部が設けられていることを特徴とする穿孔装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の穿孔装置において、
複数の穿孔針が、ロールに放射状に配置され、
加熱手段は、上記ロールの径方向中心部に配置されていることを特徴とする穿孔装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の穿孔装置において、
加熱手段は、電力の供給により発熱する発熱体を有し、
上記ロールには、上記発熱体に電力を供給する電線が接続されるコネクタが断熱材を介して取り付けられていることを特徴とする穿孔装置。
【請求項5】
請求項4に記載の穿孔装置において、
発熱体及びコネクタは、ロールの内部に配置されていることを特徴とする穿孔装置。
【請求項6】
請求項5に記載の穿孔装置において、
ロールの内部に冷却風を導入するための冷却風導入部が設けられていることを特徴とする穿孔装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば樹脂製フィルム等の薄肉なワークに多数の孔を形成する際に用いられる穿孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば袋等を構成する樹脂製フィルムに、内容物を洩らさずに空気だけを通すことが可能な微細な孔を多数形成することが行われている。この孔を形成する際に用いられる穿孔装置として、ロールに、多数の穿孔針をその先端部がロールの外周部から突出するように放射状に並べて設けたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この穿孔装置によれば、ロールを長尺状フィルムに近接させて押し付けた状態で該フィルムを長手方向に送ると、ロールがフィルムの送り速度に対応する速さで回転して、並んでいる穿孔針の先端部が順にフィルムを貫通しては抜けていくことが繰り返され、これにより、フィルムに孔が連続的に形成される。
【特許文献1】特表平11−508830号公報
【特許文献2】特開平5−42499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1、2のように、フィルムに穿孔針を刺して孔を形成する場合、フィルムが穿孔針により破られて開口し、その開口の周縁部が拡がる方向に変形して孔を形作ることになる。このため、孔を形成したフィルムを巻き取って保管する際のように、孔の周縁部がフィルムの厚み方向に押さえ付けられると、孔の周縁部の形状が孔を閉じる方向に復元して孔が小さくなったり潰れてしまったりする。
【0004】
また、フィルムの厚みは厳密には均一となっていないため、フィルムに穿孔針を押し付けた際に、フィルムの場所によってはフィルムが穿孔針の先端部の形状に沿うように変形するだけで穿孔針が刺さらないことや、穿孔針の刺さる深さが浅くなることがある。このようにフィルムの場所によって孔が形成されなかったり小さくなると、通気不良を引き起こす虞れがある。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、薄肉なワークに大きさの整った多数の孔を確実に形成できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、穿孔針によりワークを加熱して孔を形成するようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、薄肉なワークに近接して配置されるロールと、上記ロールの外周部から突出した状態で該ロールに設けられた穿孔針と、上記ロールに設けられ、上記穿孔針を上記ワークの軟化点以上となるように加熱する加熱手段とを備える構成とする。
【0008】
この構成によれば、ロールをワークに近接させて、例えばワークを送ると、ロールが回転するとともに、穿孔針がワークに刺さっては抜けることが繰り返される。穿孔針がワークに刺さると、穿孔針によって穿孔針の温度がワークの軟化点以上となっているので、ワークは穿孔針の形状に対応して軟化し、孔が容易に形成される。これにより、ワークの厚みが場所により微妙に異なっている場合においても、ワークに大きさの整った孔が確実に形成され、孔の周縁部の形状が復元しにくくなる。
【0009】
特に、穿孔針の温度をワークの溶融温度以上にすると、ワークは穿孔針の形状に対応して溶融し、この溶融した跡が孔となる。このようにワークを溶融させて孔を形成することで、ワークが穿孔針によって破られなくなるので、孔の形成後に引張力を受けたワークは裂けにくく、しかも、孔の周縁部は溶融して形作られているので、孔の周縁部の形状が復元してしまうこともなく孔の大きさが整う。さらに、ワークの厚みが場所により微妙に異なっている場合においても、ワークの穿孔針が当たった箇所を溶融させることが可能なので、大きさの整った孔が確実に形成される。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、ロールには、加熱手段の熱が該ロールの外周部からワークに伝達するのを抑制する熱伝達抑制部が設けられている構成とする。
【0011】
この構成によれば、ワークの孔が形成される部分以外を加熱手段の熱から保護することが可能になる。
【0012】
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、複数の穿孔針が、ロールに放射状に配置され、加熱手段は、上記ロールの径方向中心部に配置されている構成とする。
【0013】
この構成によれば、複数の穿孔針がロールの中心部から加熱されるので、穿孔針の温度を容易に均一化することが可能になる。
【0014】
請求項4の発明では、請求項1または2の発明において、加熱手段は、電力の供給により発熱する発熱体を有し、上記ロールには、上記発熱体に電力を供給する電線が接続されるコネクタが断熱材を介して取り付けられている構成とする。
【0015】
この構成によれば、コネクタを介して供給された電力により発熱した発熱体で穿孔針が加熱され、このとき、ロールも加熱されることになる。このロールとコネクタとの間に断熱材が介在しているため、ロールの熱がコネクタに伝わりにくくなる。
【0016】
請求項5の発明では、請求項4の発明において、発熱体及びコネクタは、ロールの内部に配置されている構成とする。
【0017】
この構成によれば、穿孔装置をコンパクトにまとめることが可能になる。
【0018】
請求項6の発明では、請求項5の発明において、ロールの内部に冷却風を導入するための冷却風導入部が設けられている構成とする。
【0019】
この構成によれば、コネクタが冷却風導入部から導入された冷却風により冷却される。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、ロールに設けた穿孔針をワークの軟化点以上に加熱するようにしたので、ワークに大きさの整った孔を確実に形成することができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、加熱手段の熱がロールの外周部からワークに伝達するのを抑制できるので、熱によるワークの損傷を回避できる。
【0022】
請求項3の発明によれば、複数の穿孔針を放射状に配置し、加熱手段をロールの中心部に配置したので、複数の穿孔針の温度を容易に均一化することができ、形状及び大きさがより一層整った孔をワークに形成することができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、加熱手段の発熱体に電力を供給する電線が接続されるコネクタとロールとの間に断熱材を介在させたので、熱によるコネクタの損傷を抑制することができる。
【0024】
請求項5の発明によれば、発熱体及びコネクタをロールの内部に配置したので、穿孔装置をコンパクトにまとめることができ、設置する際の自由度を向上できる。
【0025】
請求項6の発明によれば、冷却風導入部から導入した冷却風でコネクタを冷却できるので、熱によるコネクタの損傷を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0027】
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る穿孔装置1を示すものである。この穿孔装置1は、ワークとしての樹脂製フィルムFに多数の孔を形成する際に用いられるものである。この孔は、最大内径が約1mm以下、好ましくは約100μm以下の微細なものであり、この孔を形成したフィルムFは、例えば、ダストや、穀粉等を収容する袋の構成材料として用いられるものであり、このようなフィルムFで袋を構成することにより、ダストや穀粉等を収容した際に一緒に封入される空気のみを孔から袋外に逃がすことが可能になる。また、そのように孔が微細であるため、水の侵入を抑制することが可能である。尚、上記ワークは、熱可塑性樹脂フィルムやシートであればよく、その材質としては、例えば、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、上記ワークの厚さとしては、上記特に限定されるものではないが、5μm〜300μm、好ましくは、10μm〜200μmである。さらに、上記ワークは、複数枚のフィルムやシートを積層してなるものであってもよく、この場合、積層するフィルムやシートの材質を異ならせてよい。
【0028】
上記穿孔装置1は、図2に示すように、フィルム加工装置100に取り付けられている。この実施形態の説明では、穿孔装置1の構造を説明する前にフィルム加工装置100の構造について説明する。このフィルム加工装置100は、長尺状のフィルムFに連続的に孔を形成するためのものであり、穿孔装置1を支持する基台101と、この基台101に支持されるゴムロール102及びガイドロール103とを備えている。ゴムロール102は、略水平に延びる回転軸を介して基台101の上部に支持されている。ガイドロール103は、ゴムロール102の下方で該ゴムロール102の回転軸と略平行に延びる回転軸を介して基台101に支持されている。フィルムFは、ガイドロール103の下側から上側に巻き掛けられた後、ゴムロール102の下側から上側に巻き掛けられており、図示しない送り機構により図2に矢印で示すように連続して送られるようになっている。上記ゴムロール102は、表面全周がゴムで構成され、弾性変形可能となっている。また、上記ガイドロール103はアルミニウム合金製である。
【0029】
上記基台101には、ゴムロール102の回転軸と略平行に延びるレール104がゴムロール102の外周部と対向するように設けられている。このレール104には、穿孔装置1をゴムロール102に接離する方向に移動させるためのシリンダ装置105が設けられている。このシリンダ装置105は、レール104上を移動可能に構成され、該レール104上の任意の位置に固定されるようになっている。シリンダ装置105は、ゴムロール102へ向けて略水平に進出するロッド105a(図1に示す)及び棒状のガイド部材105bを備えており、ロッド105a及びガイド部材105bの先端部に上記穿孔装置1が取り付けられている。ロッド105aを進出させると、図2に仮想線で示すように穿孔装置1のロール2がゴムロール102に巻き掛けられたフィルムFに近接して押し付けられ、後退させると、実線で示すようにロール2がゴムロール102から離れるようになっている。
【0030】
次に、上記穿孔装置1の構造について説明する。この穿孔装置1は、図1に示すように、多数の穿孔針3が設けられたロール2と、ロール2を支持する支持台4とを備えている。ロール2には、穿孔針3を加熱するカートリッジヒータ5と、中空に構成された支軸6とが設けられている。支軸6は支持台4に回転可能に支持されている。上記カートリッジヒータ5から延びる電線5aはロータリコネクタ7に接続されている。
【0031】
上記ロール2の本体部分は、図3及び図4に示すように、円環形状の多数の針保持プレート10を厚み方向に重ね合わせた状態で一体化してなるものである。針保持プレート10は、鋼材等の熱伝達率が良好な材料で構成されている。針保持プレート10の中心孔10aは、重ね合わされた状態でロール2の貫通孔2aを形成している。図3に示すように、針保持プレート10の一側面には、径方向に放射状に延びる多数の針保持用溝10bが周方向に等間隔に形成されている。図4に示すように、針保持用溝10bの中心孔10a側は中心孔10aに近づくにつれて浅くなるように形成され、反対側は針保持プレート10の外周面に達するまで延びている。針保持プレート10の一側面には、針保持用溝10bの延びる方向の中央部同士を繋ぐように環状に延びる環状溝10cが形成されている。この環状溝10cは針保持プレート10の中心と同心上に位置している。図4に示すように、環状溝10cの深さは、針保持用溝10bの深さよりも若干浅く設定されている。
【0032】
上記針保持プレート10の外周部には、断熱リング12が嵌められている。この断熱リング12は、耐熱性が高く、かつ、針保持プレート10を構成する材料よりも熱伝達率の低い材料であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で構成されている。断熱リング12の厚さは、針保持プレート10の厚さよりも薄く設定されている。尚、断熱リング12の材料は、PEEK以外にも、針保持プレート10を構成する材料よりも熱伝達率の低い樹脂材であればよく、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のエンジニアリングプラスチックであってもよい。
【0033】
一方、穿孔針3は、ステンレス鋼等で構成されている。図5に示すように、穿孔針3の基端部には、扁平部3aが形成され、この扁平部3a以外の部分は円形断面を有している。穿孔針3の扁平部3aと軸方向略中央部との間には、針保持プレート10に保持される保持部3bが設けられている。この保持部3bの径は、扁平部3aの幅よりも短く設定され、針保持用溝10bの深さ寸法と略同じ値に設定されている。また、穿孔針3の先端から基端側へ所定の範囲に設けられた穿孔部3cの径は他の部位よりも短く設定されている。
【0034】
この穿孔針3は、図3に示すように、全ての針保持用溝10b内に配置されている。尚、図3には、一部の針保持用溝10bにのみ穿孔針3が配置されている状態を示している。針保持用溝10bに穿孔針3を配置した状態で、扁平部3aが針保持用溝10bから環状溝10c内に突出して該環状溝10cの内面に係合する。これにより、穿孔針3が軸方向に移動しなくなり、外方に飛び出ることが阻止される。また、保持部3bは、環状溝10cよりも外周側の針保持用溝10b内に位置しており、穿孔針3が針保持用溝10bの内面で保持されて径方向に移動するのが阻止されるようになっている。この実施形態では、上記扁平部3aを環状溝10cに係合させることで穿孔針3の軸方向の移動を阻止するようにしているので、扁平部3aの形成位置を変更することにより、穿孔部3cが針保持プレート10から径方向に突出する突出量を調整することが可能となっている。尚、穿孔針3は針保持プレート10に接着するようにしてもよい。
【0035】
上記支軸6は、図1に示すように、一側軸部材14と他側軸部材15とで構成されている。これら軸部材14、15は、熱伝達率が樹脂材よりも高い鋼材等で構成されている。他側軸部材15は、ロール2の貫通孔2aよりも長く形成されている。他側軸部材15には、中心部を通って長手方向に貫通するように形成された中空部16が設けられている。上記他側軸部材15の一端部には、他側フランジ17が形成されている。他側軸部材15の他端側の外周面には、雄ねじ部15aが形成されている。他側軸部材15の雄ねじ部15aよりも他側は小径に形成されている。
【0036】
上記一側軸部材14は、他側軸部材15よりも短く形成され、同様な中空部18を有している。この一側軸部材14の他端部には、上記他側フランジ17に締結固定される一側フランジ19が形成されている。一側フランジ19の外周部には、他側フランジ17へ向けて突出するノックピン20が周方向に離れて3つ設けられるとともに、周方向に隣り合うノックピン20の間にボルト挿通孔19aが形成されている。一方、他側フランジ17には、図6に示すように、上記ノックピン20が嵌入するピン孔17aが形成されるとともに、上記ボルト挿通孔19aに挿入されたボルト22が螺合するねじ孔17bが形成されている。図1に示すように、この他側フランジ17と一側フランジ19との間には、両者を軸方向に離間させるためのカラー23が配置され、これらフランジ17、19間には、熱電対24を設けるためのスペースが設けられている。また、他側フランジ17の一側面における外周縁部近傍には、熱電対24を固定するための固定ボルト25が螺合するねじ孔17cが形成されている。
【0037】
上記一側軸部材14と他側軸部材15とは、一側フランジ19のノックピン20を他側フランジ17のピン孔17aに嵌入して両者を位置決めした状態で、ボルト22をボルト挿通孔19aに挿入してねじ孔17bに螺合させることで一体化されている。
【0038】
図6に示すように、上記熱電対24は、長尺形状のセンサ部24aと、該センサ部24aの先端部に設けられた環状の固定部24bを有している。この固定部24bが固定ボルト25により他側フランジ17に締結固定されている。センサ部24aの基端部から延びる信号線24cは、一側軸部材14の中空部18を通って該一側軸部材14の一端部から突出している。
【0039】
上記各針保持プレート10は、針保持用溝10bに穿孔用針3が配置され、かつ断熱リング12が嵌った状態で、中心孔10aに他側軸部材15を挿通させることで該他側軸部材15に取り付けられている。他側軸部材15の他端側には、針保持プレート10を押さえる押さえ板28が配置され、この押さえ板28がナット29で一側へ向けて押し付けられることにより、針保持プレート10が押さえ板28と他側フランジ17とによって厚み方向に強く締め付けられるようになっている。これにより、針保持プレート10同士が一体化して穿孔針3の位置ずれが防止されるとともに、針保持プレート10と一側軸部材14とが一体化して相対回転が防止される。尚、押さえ板28の外周部にも断熱リング12が嵌められている。
【0040】
上記カートリッジヒータ5は、他側軸部材15の中空部16に配設されている。カートリッジヒータ5の形状は、中空部16に嵌る円柱形状とされている。カートリッジヒータ5の中心線方向の寸法は、ロール2の本体部分の中心線方向の寸法と略同じに設定されている。カートリッジヒータ5の中心線方向両端部は、ロール2の本体部分の中心線方向両端部近傍に位置している。このカートリッジヒータ5の内部には、電力の供給により発熱する発熱体としてのニッケル−クロム合金線が設けられている。電線5aはこの発熱体に接続されており、カートリッジヒータ5の一端部から、他側軸部材15の中空部16及び一側軸部材14の中空部18へ延び、一側軸部材14の一端部から突出している。
【0041】
一側軸部材14の一端部には、支軸6を構成する材料よりも熱伝達率の低い樹脂材からなる筒状部材30が取り付けられている。この筒状部材30を構成する樹脂材としては、例えばPEEK等が挙げられる。筒状部材30は一側軸部材14よりも大径に形成されている。一側軸部材14の一端部には、径方向に貫通する貫通孔14aが形成され、また、筒状部材30の他端部には、貫通孔14aに対応する貫通孔30aが形成されている。これら貫通孔14a、30aにはピン31が嵌入され、回転一体に結合されている。符号32は、ピンの抜け止め用部材である。
【0042】
筒状部材30の長手方向中間部には、開口部30bが形成されている。また、筒状部材30の一端部には、上記ロータリコネクタ7が固定されている。このロータリコネクタ33は、回転体へ電力を供給する際や回転体から信号を取り出す際に用いられている一般的なものであり、例えば、メルコタック社製の4極タイプを使用することが可能である。このロータリコネクタ7の回転側が筒状部材30内に嵌合され、固定側が筒状部材30から突出している。ロータリコネクタ7の回転側には、上記カートリッジヒータ5の電線5a及び熱電対24の信号線24cが接続され、固定側には、外部の電線110及び信号線(図示せず)が接続されている。
【0043】
上記外部の電線110及び信号線は、図示しないが、制御装置に接続されている。この制御装置は、穿孔針3の穿孔部3cの温度がフィルムFの軟化点以上の任意の温度となるように、カートリッジヒータ5に電力を供給するように構成されている。具体的には、熱電対24によって他側フランジ17近傍の温度を検出することで、穿孔部3cの温度がフィルムFの軟化点以上となっているか否かを推測し、これに基づいて電力の供給を制御するようになっている。尚、穿孔部3cの温度を非接触で計測する温度計測器を用いて電力の供給を制御するようにしてもよいし、回転中の温度を計測することなく、実験値等に基づいてフィルムFの軟化具合を見ながら電力の供給を作業者が直接制御するようにしてもよい。また、本明細書中におけるフィルムFの軟化点とは、JIS K 7206に準じて測定されるピカット軟化点である。
【0044】
上記支持台4は、ロール2の中心線方向に延びる固定用板40と、固定用板40の一端部及び他端部から立ち上がる一対の側板41、42とで構成されており、これら固定用板40と側板41、42とはボルト43により一体化されている。固定用板40は、シリンダ装置105のロッド105a及びガイド部材105bに固定されるようになっている。両側板41、42には、耐熱ベアリング44が設けられ、これらベアリング44により上記支軸6が回転可能に支持されている。
【0045】
次に、上記のように構成された穿孔装置1でフィルムFに孔を形成する場合について説明する。上記フィルムFはガイドロール103及びゴムロール102に巻き掛けておく。
【0046】
まず、穿孔装置1がフィルムFにおける孔形成部位に対応するように、シリンダ装置105をレール104上に位置決めする。そして、カートリッジヒーター5に電力を供給し発熱体を発熱させる。この発熱体の熱は他側軸部材15に伝わり、該他側軸部材15が加熱される。この他側軸部材15の熱は、針保持プレート10に伝わり、該針保持プレート10が加熱され、この針保持プレート10の熱が穿孔針3に伝わり、穿孔部3cの温度がフィルムFの軟化点以上となる。
【0047】
この加熱時には、カートリッジヒーター5がロール2の中心部に位置しているので、放射状に配置された穿孔針3の温度を容易に均一化することが可能になる。また、ロータリコネクタ7が樹脂製の筒状部材30を介して支軸6から離れた状態で該支軸6に固定されているので、カートリッジヒーター5の熱がロータリコネクタ7に伝わりにくく、ロータリコネクタ7が熱から保護される。
【0048】
その後、シリンダ装置105のロッド105aを前進させて穿孔装置1のロール2をフィルムFに近接させて押し付けるとともに、フィルムFの送りを開始する。フィルムFを送ると、該フィルムFが巻き掛けられたガイドロール103及びゴムロール102が回転するとともに、フィルムFとの摩擦によって穿孔装置1のロール2も回転し始める。ロール2が回転すると、ロール2の周方向に並ぶ穿孔針3が順にフィルムFに刺さっては抜けることが繰り返される。
【0049】
上記穿孔針3がフィルムFに刺さると、穿孔針3の温度がフィルムFの軟化点以上となっているので、フィルムFは穿孔針3の形状に対応して軟化し、穿孔針3によって孔が容易に形成される。このようにフィルムFを軟化させて孔を形成することで、孔の周縁部の形状が復元しにくくなり、孔の大きさが整う。さらに、フィルムFの厚みが場所により微妙に異なっている場合においても、フィルムFの穿孔針3が当たった箇所を穿孔針3の形状に対応して軟化させて穿孔針3で穿孔することが可能になり、大きさの整った孔が確実に形成される。
【0050】
また、穿孔針3の温度は、制御装置によってフィルムFの溶融温度以上に加熱してもよい。この場合には、穿孔針3がフィルムFに刺さると、フィルムFは穿孔針3の形状に対応して溶融し、この溶融した跡が孔となる。このようにフィルムFを溶融させて孔を形成することで、フィルムFが穿孔針3によって破られなくなるので、フィルムFは、孔の形成後に引張力を受けたときに破けにくく、しかも、孔の周縁部が溶けて形作られているので、孔の周縁部の形状が復元してしまうこともなく孔の大きさが整う。さらに、フィルムFの厚みが場所により微妙に異なっている場合においても、フィルムFの穿孔針3が当たった箇所を穿孔針3の形状に対応して溶融させることが可能になり、大きさの整った孔が確実に形成される。
【0051】
また、上記穿孔装置1のローラ2をフィルムFに押し付けた際には、針保持プレート10に断熱リング12が嵌められているため、針保持プレート10の熱がフィルムFに伝わるのが抑制され、フィルムFを熱から保護することが可能になる。
【0052】
以上説明したように、この実施形態1に係る穿孔装置1によれば、ロール2に設けた穿孔針3をフィルムFの軟化点以上に加熱するようにしたので、フィルムFに大きさが整った孔を確実に形成することができる。
【0053】
また、断熱リング12を設けたことにより、カートリッジヒータ5の熱がロール2の外周部からフィルムFに伝達しにくくなり、熱によるフィルムFの損傷を回避できる。
【0054】
また、複数の穿孔針3を放射状に配置し、カートリッジヒータ5をロール2の中心部に配置したので、複数の穿孔針3の温度を容易に均一化することができ、形状及び大きさがより一層整った孔をフィルムFに形成することができる。
【0055】
また、ロータリコネクタ7とロール2との間に断熱材料からなる筒状部材30を介在させたので、発熱体で発生した熱によるロータリコネクタ7の損傷を抑制することができる。
【0056】
尚、穿孔装置1をレール104に複数並べて設け、ロール2をフィルムFに同時に押し付けるようにしてもよい。
【0057】
《発明の実施形態2》
図7は、本発明の実施形態2に係る穿孔装置1を示すものであり、この実施形態2の穿孔装置1は、カートリッジヒータ5が複数設けられている点と、ロータリコネクタ7が支軸6の内部に配置されている点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
【0058】
実施形態2では、ロール2の本体部分の中心線方向両側に、円筒部材60がそれぞれ設けられている。これら円筒部材60は、PEEK等の樹脂材で構成されている。円筒部材60及び針保持プレート10には、キー溝60a、10dが形成されている。
【0059】
他側軸部材62の外周面には、上記キー溝60a、10dに対応するキー溝62aが形成され、これらキー溝60a、10d、62aに回り止め用のキー65が挿入されている。他側軸部材62には、図8に示すように、中心線方向に貫通する複数のヒータ収容孔62bが中空部64を取り囲むように形成されている。周方向に隣り合うヒータ収容孔62bの間隔は、略等しく設定されている。ヒータ収容孔62bには、円筒状のカートリッジヒータ5がそれぞれ収容されている。カートリッジヒータ5の電線5aは、ヒータ収容孔62bの他側から突出している。
【0060】
一側軸部材61の中空部63及び他側軸部材62の中空部64には、コネクタ保持部材66が設けられている。このコネクタ保持部材66は、PEEK等の樹脂材を円筒状に形成してなるものである。コネクタ保持部材66の他端部には、フランジ67が設けられている。フランジ67は、他側軸部材62にボルト68により固定されている。フランジ67には、ベアリング44の外周部が嵌るように形成された環状部材69がボルト68により固定されている。さらに、フランジ67には、カートリッジヒータ5の電線5aが通る溝67aが形成されており、電線5aは、溝67a内を通ってコネクタ保持部材66の内部に延びている。
【0061】
上記コネクタ保持部材66の周壁部には、開口部66aが形成されている。コネクタ保持部材66の一端部は、一側軸部材61の中空部63まで延びている。このコネクタ保持部材66の一端部の内側にロータリコネクタ7の回転側が固定されている。ロータリコネクタ7の固定側には、ブーツ75が取り付けられている。
【0062】
また、支持台4の側板42には、図9に示すように、空気導入通路42aが形成されている。この空気導入通路42aの上流端部には、冷却風としての圧縮エアの供給管70がL字接続管71を介して接続されている。空気導入通路42aの下流端は、側板42の中心部近傍まで延びている。
【0063】
上記側板42の中心部には、ベアリング44の内周部が嵌るように形成されたベアリング保持部材72が設けられている。このベアリング保持部材72は、ボルト73により側板42に固定されている。ベアリング保持部材72の内部には、空気導入通路42aの下流端部に連通する通風孔72aが形成されている。この通風孔72aの下流端部は、コネクタ保持部材66の他側端部の開口に対向している。従って、空気導入通路42aからベアリング保持部材72の通風孔72aに流入した圧縮エアは、コネクタ保持部材66の内部に向けて吹き出す。これにより、ロータリコネクタ7及びベアリング44が冷却される。上記空気導入通路42a及び通風孔72aにより、本発明の冷却風導入部が構成されている。
【0064】
この実施形態2の穿孔装置1によれば、円を描くように配置された複数のカートリッジヒータ5で穿孔針3を加熱できる。これにより、実施形態1のものと同様な作用効果を得ることができる。
【0065】
また、カートリッジヒータ5及びロータリコネクタ7の両方を支軸6の内部に配置したので、穿孔装置1をコンパクトにまとめることが可能になり、設置する際の自由度を向上できる。
【0066】
また、圧縮エアにより、ロータリコネクタ7を冷却することができ、熱によるコネクタ7の損傷を抑制することができる。
【0067】
また、上記の如くロータリコネクタ7を支軸6の内部に配置することで、穿孔装置1のロール2中心線方向の寸法を短くすることができる。これにより、穿孔装置1をレール104に複数設ける場合に間隔を狭めて配置することができ、孔を、フィルムFの幅方向の広い範囲に連続して並ぶように形成することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、本発明に係る穿孔装置は、例えば、ダストや穀粉等を収容するための袋を構成する樹脂製フィルムに孔を多数形成する場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態1に係る穿孔装置を示し、図2のA−A線における断面図である。
【図2】実施形態1の穿孔装置を備えたフィルム加工装置の概略構成図である。
【図3】実施形態1の針保持プレート及び断熱リングの側面図である。
【図4】図3のB−B線における断面図である。
【図5】(a)は穿孔針の側面図であり、(b)は穿孔針を基端側から見た図である。
【図6】熱電対が組み付けられた状態の他側軸部材をフランジ側から見た図である。
【図7】実施形態2に係る図1相当図である。
【図8】実施形態2の他側軸部材を示し、(a)は図8(b)のC−C線断面図であり、(b)は図8(a)のY矢視図である。
【図9】実施形態2の穿孔装置を他側から見た図である。
【符号の説明】
【0070】
1 穿孔装置
2 ロール
3 穿孔針
4 支持台
5 カートリッジヒータ(加熱手段)
5a 電線
6 支軸
7 ロータリコネクタ
12 断熱リング(熱伝達抑制部)
30 筒状部材(断熱材)
42a 空気導入通路(冷却風導入部)
72a 通風孔(冷却風導入部)
66 コネクタ保持部材(断熱材)
110 外部電線
F フィルム(ワーク)
【出願人】 【識別番号】000253433
【氏名又は名称】萬国製針株式会社
【識別番号】505130112
【氏名又は名称】株式会社プライムポリマー
【出願日】 平成18年10月30日(2006.10.30)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓

【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也


【公開番号】 特開2008−110424(P2008−110424A)
【公開日】 平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願番号】 特願2006−294363(P2006−294363)