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多孔質炭素板用穿孔装置 - 特開2008−87130 | j-tokkyo
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【発明の名称】 多孔質炭素板用穿孔装置
【発明者】 【氏名】吉田 幸代

【氏名】井上 幹夫

【要約】 【課題】ヒビ割れや粉塵の発生が少なく、安価に種々の孔径の異なる貫通孔を有する多孔質炭素板を製造する多孔質炭素板用穿孔装置を提供する。

【解決手段】所定数の針が突設された可動式針床と、該針床の針によって多孔質炭素板に所望の径の貫通孔を穿設する穿孔装置において、前記針床の針の突設位置に該針床の針が貫通可能な穴を有する多孔質炭素板の受台と、該多孔質炭素板を前記針床と前記受台との間で挟む方向に移動可能に配置された、前記針床の針が貫通可能な穴を有する多孔質炭素板の押え板と、さらに前記受台の前記針床とは反対側に設けられた、前記受台の針穴を通過する多孔質炭素板の粉塵を吸引する吸引手段とを備えたことを特徴とする多孔質炭素板用穿孔装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数の針が突設された可動式針床と、該針床の針によって多孔質炭素板に所望の径の貫通孔を穿設する穿孔装置において、前記針床の針の突設位置に該針床の針が貫通可能な穴を有する多孔質炭素板の受台と、該多孔質炭素板を前記針床と前記受台との間で挟む方向に移動可能に配置された、前記針床の針が貫通可能な穴を有する多孔質炭素板の押え板と、さらに前記受台の前記針床とは反対側に設けられた、前記受台の針穴を通過する多孔質炭素板の粉塵を吸引する吸引手段とを備えたことを特徴とする多孔質炭素板用穿孔装置。
【請求項2】
前記受台と前記押え板とが多孔質炭素板を挟んだときの多孔質炭素板にかかる面圧が、0.001〜1.2MPaとなるように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の多孔質炭素板用穿孔装置。
【請求項3】
前記押え板の穴面積a’が、前記受台の穴面積aよりも小さくされていることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質炭素板用穿孔装置。
【請求項4】
前記針床に突設された針の直径が、先端から針床にむけて径が増大していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質炭素板用穿孔装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電極用材料、特に固体高分子型燃料電池のガス拡散体、膜−電極接合体および燃料電池などに好適な多孔質炭素板の製造用の穿孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料電池電極のガス拡散体の材料としては、炭素短繊維を炭素で結着してなる多孔質炭素板を用いたものが知られており、このような多孔質炭素板を用いた固体高分子型燃料電池では、高電流密度域での発電反応において、カソード触媒で生成した水を効率よく系外に排出できず、溜まった生成水のため反応に必要な酸素をカソード触媒へ十分に供給できなくなり、電池の出力低下が生じるという問題があった。
【0003】
上記のような問題に対して、その厚さ方向に貫通孔を有する炭素繊維板に撥水処理を施した材料がガス拡散体として提案されている。(例えば、特許文献1参照)。このように炭素繊維板への貫通孔を開けるだけでなく、孔径や孔密度のパターンを最適化することにより電池としての出力が向上するという結果が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
このような貫通孔を開ける方法として、炭素繊維紙に樹脂を含浸させたものを一旦硬化させた後の前駆基材に、剣山やニードルパンチなどで貫通孔を開ける方法が提案されている(例えば、特許文献3、4参照)。
【0005】
しかしながら、硬化後の基材に貫通孔を空けた場合、基材の強度が低下して次工程で破損したり、また製品となったときまで孔形状が維持できず緻密で分布のあるパターンをもつ貫通孔設計が困難になったりする。
【0006】
また、多孔質炭素板に直接貫通孔を開ける方法として、生け花に用いられる様な剣山状の治具を用いる方法も一般的である(例えば、特許文献3参照)。また、シート状の物に孔を開ける穿孔装置などを適用することも可能である(例えば、特許文献5参照)。
【0007】
しかしながら、このような針山を用いて貫通孔を開ける場合、貫通孔の径を変更させるためには、針径の異なる針山や針密度の異なる針山を個別に準備する必要があり、設計変更の際の作業性が悪いという問題がある。
【0008】
さらに、剣山のような治具を用いて穴を開ける際に、受台を使用しない場合は脆い多孔質炭素板は壊れやすく、また受台としてカッターマットのような針を貫通させないものを使用した場合は、孔を開ける度に破損した繊維や炭化樹脂のなどの粉塵がカッターマット上に堆積し、さらには多孔質炭素板中の空隙や表面、また貫通孔中粉塵が付着したまま残留するという懸念点があり、連続して大量に穿孔加工を行うのが非常に困難となる。
【0009】
また、炭素繊維を含む多孔質炭素板に直接針を貫通させて孔を開ける場合には、針の貫通時に一時的に押し広げられた炭素繊維や炭化樹脂が針を抱え込むために、針を引き抜く際に多孔質炭素板を持ち上げてしまったり、無理に引き抜こうとすると多孔質炭素板がもろいために周辺にヒビが入ったり破損したりするという問題がある。
【0010】
また、既存の穿孔装置では、基材の端部を押さえて穿孔するものが多いため、引き抜き時に貫通孔の周辺にヒビが入る可能性がある。また、連続的に孔径や孔密度を容易に変更することができないという欠点がある。
【0011】
このように、種々の貫通孔パターンを有する貫通孔を多孔質炭素板に設けるためには、加工性と同時に加工時の粉塵除去の問題を解決する必要がある。
【特許文献1】特開平8−111226号公報
【特許文献2】特開2004−30959号公報
【特許文献3】特許第2820492号公報
【特許文献4】特開2005−38738号公報
【特許文献5】特開平5−318448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、前記のような問題を解消し、ヒビ割れや粉塵の発生が少なく、安価で効率的に種々の貫通孔パターンを有する多孔質炭素板を製造する多孔質炭素板用穿孔装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)所定数の針が突設された可動式針床と、該針床の針によって多孔質炭素板に所望の径の貫通孔を穿設する穿孔装置において、前記針床の針の突設位置に該針床の針が貫通可能な穴を有する多孔質炭素板の受台と、該多孔質炭素板を前記針床と前記受台との間で挟む方向に移動可能に配置された、前記針床の針が貫通可能な穴を有する多孔質炭素板の押え板と、さらに前記受台の前記針床とは反対側に設けられた、前記受台の針穴を通過する多孔質炭素板の粉塵を吸引する吸引手段とを備えたことを特徴とする多孔質炭素板用穿孔装置。
【0014】
(2)前記受台と前記押え板とが多孔質炭素板を挟んだときの多孔質炭素板にかかる面圧が、0.001〜1.2MPaとなるように調整されていることを特徴とする前記(1)に記載の多孔質炭素板用穿孔装置。
【0015】
(3)前記押え板の穴面積a’が、前記受台の穴面積aよりも小さくされていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の多孔質炭素板用穿孔装置。
【0016】
(4)前記針床に突設された針の直径が、先端から針床にむけて径が増大していることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔質炭素板用穿孔装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ヒビ割れや粉塵の発生が少なく、安価で効率的に種々の貫通孔パターンを有する多孔質炭素板を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の最良の実施形態の例を多孔質炭素板用穿孔装置に適用した場合を例にとって、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1(a)〜(f)は、本発明の実施の形態にかかる穿孔装置の断面概念図である。図1(a)〜(f)中のAは本発明の実施の形態における被加工物である多孔質炭素板であり、炭素繊維と炭化樹脂が結着してなる炭素板、炭素繊維からなる紙、不織布、織物のいずれの形態にも適用できる。
【0020】
図1(a)に示すように、穿孔装置には、上記多孔質炭素板Aに所望の径の貫通孔を設けるための針5が突設させた針床1と、上記多孔質炭素板Aを支えるための受台2と、受台2との間で多孔質炭素板Aを挟んで固定させることができる移動可能な押え板3が設置されている。また、可動式針床1が多孔質炭素板Aを貫通が可能なように、受台2および押え板3には、針床1の針5が貫通する位置に針5の貫通用の穴が設けられている。さらに、多孔質炭素板Aを穿孔した際に生じる粉塵を吸引するための吸引手段4が、受台2の針床1とは反対側に設けられている。多孔質炭素板Aは外部の駆動装置を用いて、2辺の支柱の間を断面図の前後の方向に、間欠的に搬送することができる。
【0021】
図1(b)、(c)に示すように、可動式針床1は、2辺の支柱により支持された上下に移動可能な針床支持台に取り付けられており、針床支持台を上下にスライドさせることで多孔質炭素板Aに貫通孔を穿設させることができる。
【0022】
所定数の針5が突設された可動式針床1には、多孔質炭素板Aの搬送方向と交差する方向(針床支持台方向)に、一列当たり好ましくは2〜20個/cm程度の針が設けられている。また、図1(d)に示すように、可動式針床1は、針床支持台を多孔質炭素板Aの搬送方向と交差する方向(針床支持台方向)にスライドする機能を有し、一列あたりに可動式針床1の針5の針数の整数倍の貫通孔を穿設することできる。また、針床1当たりの針列の数を増加させることで、穿孔時間を短縮することが可能となる。
【0023】
針5の材質としては、多孔質炭素板Aとの摩擦が小さく、軽い剪断力で多孔質炭素板Aを貫通させることができ、硬度の高いものであれば材質を選ばない。例えば、鉄、ステンレス、プラスチック、セラミックスなどが挙げられるが、より好ましくはステンレス製の針である。
【0024】
多孔質炭素板Aに穿設する所望の径の貫通孔は、好ましくは0.05〜3mmであり、このような孔径の貫通孔を得るためには、針床1の針5の最大径が0.05〜3mmのものを用いるとよい。
【0025】
前記針床1の針5が貫通可能な穴を有する受台2は、針5が受台2を貫通可能になるように針5が貫通する位置に対応した位置に面積aの穴を有する。針床1の針5が多孔質炭素板Aを穿孔する際に針先が、この受台2の穴を貫通することにより、発生した多孔質炭素板の粉塵が受台2の上に残留し難くすることができる。
【0026】
受台2の穴の面積aは、針5の針径にもよるが最大径は0.2〜6mmであることが好ましい。針床1の針径よりも大き過ぎると穿孔時に多孔質炭素板Aを支える面が小さくなるため、貫通孔周辺にヒビが入り易くなったり、一方、受台2の穴の面積aが小さ過ぎると粉塵が受台2上に残り易くなるため、多孔質炭素板Aに付着したりするので、受台2の穴の径は、多孔質炭素板Aに穿設する貫通孔の径に対して、0.15〜3mm程大きいことが好ましい。
【0027】
このような受台2の材質としては、受台2上で多孔質炭素板Aをスライドさせたときに摩擦で傷をつけたり、毛羽を発生させたりしないものであれば材質を選ばない。また、穿孔時の衝撃で受台2がたわんで多孔質炭素板Aを破損させない程度の厚さであることが好ましい。
【0028】
前記針床1と前記受台2との間で前記受台2と多孔質炭素板Aを挟む方向に移動可能に配置された、前記針床1の針5が貫通可能な穴を有する多孔質炭素板Aの押え板3は、針5が貫通できるように穴が設けられている。また、押え板3は、2辺を支柱で支持されており、駆動装置により上下に移動可能で、多孔質炭素板Aを受台2との間に挟み、貫通穴以外の面(貫通孔が存在しない面)にかかる圧力を調整することができる。押え板3は、針床1の針5が多孔質炭素板Aから完全に引き抜かれた後に、針床1の方向にスライドさせて、多孔質炭素板Aを解放することができる。
【0029】
このような押え板3の材質としては摩擦が生じる材質であってもよいが、粉塵の付着が生じない材質が好ましい。また、多孔質炭素板Aの貫通孔周辺に発生した粉塵の吸引力を向上させるためには、押え板3の材質がガスを通さないものであることが好ましい。たとえば、ステンレス、ガラス、プラスチックなどが挙げられるが、より好ましくはステンレス製の板である。
【0030】
吸引手段4は、ポンプなどにより雰囲気を減圧することで吸引する装置であり、受台2の針床1とは反対側に設置されており、針5が多孔質炭素板Aを貫通させた後に生じる粉塵を針床1とは反対側から吸引して除去する機能を有する。
【0031】
前記受台2と押え板3とが多孔質炭素板Aを挟んだときの多孔質炭素板Aにかかる面圧とは、受台2と押え板の貫通穴以外の面(貫通孔が存在しない面)が多孔質炭素板Aを挟んだ時にかかる面圧であって、面圧が高すぎると基材を壊す可能性があり、面圧が低すぎると針5の引き抜きの力に負けて、多孔質炭素板Aにひび割れや破損が生じる可能性がある。このような多孔質炭素板Aを挟むための面圧としては、0.001〜1.2MPaの範囲が好ましく、多孔質炭素板Aの特性により調整することがより好ましい。前記面圧は、多孔質炭素板Aの代わりに所定圧力を検出可能な感圧紙を挟むことで計測が可能である。
【0032】
また、貫通孔中の粉塵の吸引効率を向上させるためには、押え板3中にある針貫通用の穴面積a’が小さいほど、選択的に貫通孔部の粉塵の吸引効率が向上する。押え板3の穴面積a’を受台2の穴面積aよりも小さくすることで、貫通孔部の粉塵が除去でき、受台2への残存を最小限にすることが可能となる。穴面積a’の最小面積は、針5のスライドを阻害しない程度の面積であることが好ましく、多孔質炭素板Aに穿設する貫通孔の径に対して、0.10〜3mm程大きいことが好ましい。
【0033】
多孔質炭素板Aに穿設する貫通孔の孔径の種類を変化させるためには、針形状は円錐形等のように先端から針床1の方向にむけて径が増加していることが好ましい。このような針5を突設した針床1を用いて穿孔すると、図1(e)、(f)に示すように、同じ針床1を用いていても、貫通深さを変化させることによって、多孔質炭素板Aの孔径を変化させることが可能である。 本発明は、上記の機能を有する多孔質炭素板用の穿孔装置を用いることで、粉塵の付着がなく、孔径の異なる貫通孔を有する多孔質炭素板が安価で効率的に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(a)〜(f)は、本発明の多孔質炭素板用穿孔装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0035】
A:多孔質炭素板
1:針床
2:受台
3:押え板
4:吸引手段
5:針
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【出願日】 平成18年10月4日(2006.10.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−87130(P2008−87130A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−272626(P2006−272626)