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【発明の名称】 弾性発泡体の穿孔方法及びその装置
【発明者】 【氏名】桐山 卓也

【要約】 【課題】圧縮状態の弾性発泡体に形成された挿通孔の内周面の加工精度を向上することができる弾性発泡体の穿孔方法を提供する。

【構成】収容治具11の収容ケース12の収容室12a内に上下の圧縮ピン15により圧縮された弾性発泡体Wを収容し、収容ケース12と圧縮ピン15を連結・保持具18により保持する。この収容治具11の下端部を支持板25に支持された回転支持筒27に嵌合し、上端部を主軸29に設けた嵌合部材30に嵌合する。主軸29を回転させて、収容治具11を回転させ、下方から圧縮ピン15に形成された工具挿通孔15aにドリル45を通して弾性発泡体Wに進入させ、挿通孔Whを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性発泡体を収容室内に圧縮状態で保持する第1の工程と、
上記第1の工程により圧縮状態にされた弾性発泡体を回転し、前記弾性発泡体に穿孔工具を進入させて弾性発泡体に挿通孔を形成する第2の工程と、
上記第2の工程の後に弾性発泡体の圧縮状態を解除する第3の工程と
を含むことを特徴とする弾性発泡体の穿孔方法。
【請求項2】
請求項1において、前記第2の工程において、前記穿孔工具は非回転状態に保持されることを特徴とする弾性発泡体に対する穿孔方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記第2の工程は、前記収容室の下方に穿孔工具が支持され、該穿孔工具が上方に指向した状態で行われることを特徴とする弾性発泡体の穿孔方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、前記第2の工程は、前記弾性発泡体が所定位置において回転され、前記穿孔工具が弾性発泡体に向かって進入されることにより行われることを特徴とする弾性発泡体の穿孔方法。
【請求項5】
弾性発泡体を圧縮状態で収容する収容ケースと、
上記収容ケースを回転する回転機構と、
上記回転機構により回転される収容ケース内の圧縮状態の弾性発泡体に穿孔工具を進入させて該弾性発泡体に挿通孔を形成する穿孔工具の送り機構と
を備えたことを特徴とする弾性発泡体の穿孔装置。
【請求項6】
請求項5において、前記収容ケースは圧縮された弾性発泡体を収容した状態で、単体として取り扱うことができるように収容治具として構成されていることを特徴とする弾性発泡体の穿孔装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性発泡体の穿孔方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複写機の供紙ローラやトナー供給ローラとして、図10に示すようにウレタンフォーム、ゴムスポンジ等の弾性発泡体Wよりなる角柱状のローラ素材にシャフトSの挿通孔Whを形成し、この挿通孔WhにシャフトSを貫通して接着し、前記ローラ素材を図11に示すように円柱状に機械加工したものが用いられる。図10に示す角柱状の弾性発泡体Wに挿通孔Whを開ける装置として、従来、特許文献1又は特許文献2に開示されたものが提案されている。
【0003】
特許文献1に開示された穴明け装置は、支持台に対し筒状の枠体を固定するとともに、前記支持台にガイドレールを介して往復動可能に支持された押圧体を前記枠体の内部に挿入し、角柱状の弾性発泡体(ローラ素材)を圧縮する。その後、円筒状刃物を回転させて枠体に形成した刃物挿入穴から圧縮された弾性発泡体に進入させ、弾性発泡体に穴(挿通孔)を形成するようにしている。
【0004】
又、特許文献2に開示された弾性体に対する穿孔装置は、作業板の上面に四角筒状の押圧部材を立設固定し、筒状枠体の内部に角柱状の弾性体(ローラ素材)を収容して、前記押圧部材の上方から前記筒状枠体を該押圧部材に嵌合し、該筒状枠体をピストンロッドに連結した押圧板により下方に押圧することにより弾性体を圧縮する。そして、前記押圧板及び筒状枠体の蓋板の中心部に形成した通孔から穿孔工具を回転させながら圧縮された弾性体に進入させて該弾性体に挿通孔を穿孔するようになっている。
【特許文献1】特開平8−126997号公報
【特許文献2】特開2001−18197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に開示された弾性発泡体(弾性体)の穴明け(穿孔)装置は、圧縮装置により圧縮された弾性発泡体を所定位置に保持した状態で、円筒状刃物(ドリル)を回転しながら弾性発泡体に進入させて穿孔する方法を採っていたので、次のような問題があった。即ち、前記円筒状刃物(ドリル)の回転により切粉が遠心力により穿孔された挿通孔の内周面に押し付けられ、円筒状刃物(ドリル)に螺旋状に形成された切屑逃し溝から外部に排出され難くなる。従って、穿孔作業中において切粉の排出が適正に行われず、穿孔工具の外周面と挿通孔の内周面との間に切屑が噛み込まれて該内周面が滑らかに加工されず粗面となり、挿通孔の内周面の加工精度が低下するという問題があった。前記弾性発泡体の挿通孔の加工精度が低下すると、外周面にホットメルト接着剤を被覆したシャフトを前記挿通孔に貫通して、加熱することによりシャフトと弾性発泡体を接着する際に、接着面積が減少するとともに、均一な接着力が得られない。この結果、例えばトナー供給ローラとして用いた場合にシャフトと弾性発泡体の接着破壊が生じ、ローラとしての機能を適正に発揮できなくなるおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、弾性発泡体に形成された挿通孔の内周面の加工精度を向上することができる弾性発泡体の穿孔方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば棒状の弾性発泡体を収容室内に圧縮して収容する。この圧縮状態にされた弾性発泡体を回転する。この回転中の弾性発泡体に穿孔工具を進入させて弾性発泡体に挿通孔を形成する。この工程の後に収容室内の弾性発泡体の圧縮状態を解除する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第2の工程において、前記穿孔工具が非回転状態に保持される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記第2の工程は、前記弾性発泡体を収容する収容室の下方に穿孔工具が支持され、該穿孔工具が上方に指向した状態で行われる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記第2の工程は、前記弾性発泡体が所定位置において回転され、前記穿孔工具が弾性発泡体に進入されることにより行われる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、弾性発泡体を圧縮状態で収容する収容ケースと、上記収容ケースを弾性発泡体とともに回転する回転機構と、上記回転機構により回転される収容ケース内の圧縮状態の弾性発泡体に穿孔工具を進入させて該弾性発泡体に挿通孔を形成する穿孔工具の送り機構とを備えている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記収容ケースは圧縮された弾性発泡体を収容した状態で、単体として取り扱うことができるように例えば筒状の収容治具として構成されている。
【0012】
(作用)
この発明は収容室内に弾性発泡体を圧縮状態で収容し、弾性発泡体を回転させた状態で、弾性発泡体に穿孔工具を進入して挿通孔を形成する。このため、穿孔工具を非回転とすることができ、穿孔工具の回転遠心力により切屑が穿孔された挿通孔の内周面に押し付けられることはなく、穿孔工具に形成された切屑の逃し溝から切屑が挿通孔の外部に円滑に排出される。
【0013】
又、この発明は、圧縮状態の弾性発泡体を高速で回転させても切屑がその回転遠心力を受けないので、切屑の排出が円滑に行われ、穿孔工具を非回転状態で低速送りすることにより、弾性発泡体に形成された挿通孔の内周面の加工面を滑らかな仕上げ面とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、弾性発泡体の挿通孔の穿孔作業中に穿孔工具に形成された切屑の逃し溝から切屑が挿通孔の外部に円滑に排出されるので、切屑が穿孔工具の外周面と挿通孔の内周面との間に噛み込まれて挿通孔の内周面が変形して、該内周面の加工精度が低下するのを防止でき、弾性発泡体の挿通孔の加工精度を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の弾性発泡体の穿孔方法及び穿孔装置を具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
この実施形態の穿孔装置の概略構成について説明すると、この穿孔装置は、円柱状の弾性発泡体W(図8に示す挿通孔Whの形成されていない弾性発泡体W)を圧縮状態で収容し、単体(一つのワーク)として取り扱うことができる図4に示す弾性発泡体Wの収容治具11を使用している。そして、この収容治具11を図1に示す穿孔装置の回転機構により回転して、収容治具11内に収容された圧縮状態の弾性発泡体Wに穿孔工具としての木工用ドリル45を進入して、弾性発泡体Wに挿通孔Whを形成するようにしている。
【0016】
そこで、最初に、図4〜図6に基づいて、前記収容治具11について説明する。図4に示す弾性発泡体Wの収容治具11の円筒状をなす収容ケース12は、図6に示すように、半円筒状に分割された第1及び第2ケース片13,14により分離可能に構成されている。両ケース片13,14が図4及び図5に示すように接合された状態で、半円筒状の二つの丸溝13a,14aにより収容ケース12の中心部に円筒状の収容室12aが形成される。この収容室12a内に円柱状の弾性発泡体Wを圧縮するための二本の圧縮ピン15及び圧縮された弾性発泡体Wが収容されるようにしている。両圧縮ピン15の中心部には圧縮された弾性発泡体Wに挿通孔Whを形成するドリル45を挿通するための工具挿通孔15aが形成され、一端部には小径部15b及び段差部15cが形成されている。
【0017】
図6に示すように前記第1ケース片13の接合面には、二箇所に位置決め孔13bが形成されている。前記第2ケース片14には、前記位置決め孔13bと対応して取付孔14bが二箇所(一箇所のみ図示)に形成され、両取付孔14bには、図5に示すように前記位置決め孔13bに挿入される位置決めピン16がボルト17により取り付けられている。そして、前記両ピン16が位置決め孔13bに係合されることにより、両第1及び第2ケース片13,14を正規の組み合わせ状態に保持するようにしている。
【0018】
前記第1及び第2ケース片13,14の両端部には、半円筒状の小径半筒部13c,14cがそれぞれ形成され、それらの端部寄り外周面には、半円弧状の係止突条13d,14dが形成されている。前記両ケース片13,14は、図6に示す連結・保持具18によって連結されるようにしている。この連結・保持具18は、前記第1及び第2ケース片13,14が図4及び図5に示すように接合された状態で、両者を連結する機能と、前記圧縮ピン15が収容室12aから離脱するのを阻止する機能とを備えている。この連結・保持具18には前記両小径半筒部13c,14cに対し両筒部を挟持するように嵌合されて、第1及び第2ケース片13,14を連結する凹状の連結突条18aが設けられている。又、前記連結・保持具18には、前記収容ケース12の収容室12a内に収容された前記圧縮ピン15が弾性発泡体Wを圧縮した状態で、両圧縮ピン15を圧縮位置にそれぞれ保持するための凹状の保持突条18bが設けられている。そして、作業者が前記連結・保持具18の連結突条18aを前記両小径半筒部13c,14cに嵌合するとともに、前記係止突条13d,14dに係止し、前記圧縮ピン15の小径部15bの基端部に前記保持突条18bを嵌合して該保持突条18bにより段差部15cを係止する。これにより、圧縮ピン15が圧縮状態の弾性発泡体Wの圧縮反力により収容ケース12の収容室12aから抜けないようにしている。
【0019】
以上のように構成された収容治具11の収容ケース12内には、図7に示すように簡略化された圧縮装置を用いて非圧縮状態の弾性発泡体Wが圧縮されて収容される。この圧縮動作について説明すると、図7に示すように所定位置に配置された下部ケース保持型19Aの半円筒状の保持溝に第1ケース片13を保持し、丸溝13aに弾性発泡体Wの中間部を収容する。その後、第1ケース片13に第2ケース片14を接合し、両ケース片13,14を前記下部ケース保持型19Aと上部ケース保持型19Bとの間で挟着固定する。
【0020】
次に、収容ケース12の収容室12aから外部にはみ出している弾性発泡体Wを接近・離隔可能な下部及び上部発泡体収容型20A,20Bによって形成された円筒状の収容室Hに収容するとともに、該収容室Hに前記圧縮ピン15を挿入して、両圧縮ピン15を収容ケース12内にシリンダ(図示略)を用いて押し込む。
【0021】
その後、両圧縮ピン15が収容ケース12の収容室12a内に図4に示すように押し込まれたとき、図7に示す下部及び上部発泡体収容型20A,20Bを収容ケース12から離隔して、前記連結・保持具18を第1及び第2ケース片13,14の両端部に装着する。
【0022】
このようにして、収容治具11内に弾性発泡体Wを圧縮状態で保持することができる。この収容治具11は単体で取り扱うことができるので、例えば、図8に示すように収容治具11を上下方向に指向して回転させることができる。
【0023】
図1〜図3に示す弾性発泡体の穿孔装置は、弾性発泡体Wを圧縮状態で収容する収容治具11を図8に示すように上下方向に保持した状態で回転させて弾性発泡体Wにドリル45によって挿通孔Whを形成するようにしている。
【0024】
図2に示すように、フレーム21の前面に対し互いに平行に、かつ上下方向に敷設されたガイドレール22には、昇降サドル23が昇降用シリンダ24によって昇降可能に支持されている。前記昇降サドル23に水平に取り付けられた支持板25には、図1に示すようにラジアルベアリング26を介して回転支持筒27のボス部27aが回転可能に支持されている。この回転支持筒27の嵌合穴27bには、前記収容治具11の下端部が嵌入され、ボス部27aの中心部に形成された貫通孔27cには、前記圧縮ピン15の小径部15bが嵌入されるようになっている。
【0025】
図2に示すように、前記フレーム21の前面には、前記回転支持筒27の上方に位置するように主軸装置28が上下方向に装着され、この主軸装置28の主軸29の下端部には、前記収容治具11の上端部を嵌入するための嵌合部材30が連結されている。前記フレーム21の前面には、モータ31が取り付けられ、ベルト駆動機構32により前記主軸29を回転するようになっている。
【0026】
図1に示すように、前記嵌合部材30は、前記主軸29の先端面にボルトにより固定された貫通孔33aを有する台座33と、この台座33の下面にボルトにより固定された前記収容治具11の上端部を嵌入可能な嵌合穴34aを有する嵌合筒部34とにより構成されている。
【0027】
前記主軸29の中心部には貫通孔29aが形成され、この貫通孔29aにはエアブローノズル35が収容治具11の上部に位置する一方の圧縮ピン15の挿通孔15aに向かってエアを噴射することができるようになっている。
【0028】
図2,3に示すように前記フレーム21の前面には、前記支持板25の下方に位置するようにボールねじナット方式の送り機構41が上下方向に装着され、そのサーボモータ42により昇降動作される昇降サドル43には工具チャック44が上向きに立設されている。この工具チャック44には前記ドリル45が取り外し可能に支持され、このドリル45の上端が前記回転支持筒27の貫通孔27cと対応するようになっている。このドリル45は図3の部分拡大図に示すように先端部にケガキ刃45a、スクイ刃45b及び先ネジ45cを有し、外周面全域に螺旋状の切屑の逃し溝45dを有している。前記圧縮ピン15の工具挿通孔15aの内径寸法は、前記ドリル45の外径寸法よりも僅かに大きく設定され、木工用ドリル45が工具挿通孔15aによって案内移動されるようにしている。
【0029】
次に、前記のように構成された弾性発泡体Wの穿孔装置の動作について説明する。
図2及び図3に示すように、昇降サドル23及び昇降サドル43が最下端の退避位置に保持された状態で、作業者によって回転支持筒27の嵌合穴27bに収容治具11の下端部が嵌入される。次に、前記昇降用シリンダ24が作動されて昇降サドル23、支持板25及び回転支持筒27が収容治具11とともに、退避位置から上昇して作動位置に停止される。これによって、図1に示すように収容治具11の上端部が嵌合部材30の嵌合穴34aに嵌入されるとともに、圧縮ピン15の小径部15bの先端部が台座33の貫通孔33aに嵌入される。
【0030】
次に、モータ31が作動されて主軸装置28の主軸29が例えば1000〜2500/分範囲の回転速度で回転され、嵌合部材30を介して収容治具11が回転される。この状態で、送り機構41を作動して、昇降サドル43を退避位置から作動位置に上昇させると、ドリル45が非回転のまま図1に示すよう回転支持筒27の貫通孔27cから下部に位置する圧縮ピン15の挿通孔15aに挿入され、圧縮状態の弾性発泡体Wに進入される。このため、ドリル45により弾性発泡体Wに挿通孔Whが形成される。
【0031】
弾性発泡体Wに挿通孔Whが形成された後、前記昇降サドル43が工具チャック44及びドリル45とともに退避位置に移動される。この状態で前記エアブローノズル35からエアが下方に噴射され、挿通孔Wh内に残留していた切粉が外部に排出される。
【0032】
次に、前記昇降用シリンダ24が作動されて、昇降サドル23が収容治具11とともに作動位置から退避位置に移動され、作業者によって回転支持筒27から収容治具11が取り外される。
【0033】
最後に、収容治具11の収容ケース12内に収容されている弾性発泡体Wの取り出し動作は、前述した図7に示す弾性発泡体Wの圧縮装置を用いて、弾性発泡体Wの圧縮動作と逆の手順により行われる。
【0034】
上記実施形態の穿孔装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、圧縮された弾性発泡体Wを収容した収容治具11を所定位置において回転するとともに、非回転のドリル45を弾性発泡体Wに進入するようにした。このため、弾性発泡体Wの穿孔作業中に切粉がドリル45の回転による遠心力を受けないので、切屑がドリル45の逃し溝45dから挿通孔Whの外部に円滑に排出され、挿通孔Whの加工精度を向上することができる。
【0035】
(2)上記実施形態では、圧縮された弾性発泡体Wを回転するようにした。このため、弾性発泡体Wの回転速度を高速にしても穿孔作業中に切粉が弾性発泡体Wの回転遠心力の影響を受けないので、切屑の排出が円滑に行われ、ドリル45の送り速度を低速にすることにより弾性発泡体Wに形成された挿通孔Whの内周面の加工面を滑らかな仕上げ面とすることができ、挿通孔Whの加工精度を向上することができる。このため、外周面にホットメルト接着剤を被覆したシャフトを弾性発泡体Wの挿通孔Whに貫通して、加熱することによりシャフトと弾性発泡体Wを接着する際に、接着面積が広くなり、均一な接着力が得られる。従って、弾性発泡体Wを例えば複写機のトナー供給ローラとして用いた場合にシャフトと弾性発泡体Wの接着破壊が防止され、ローラとしての機能を適正に発揮することができる。
【0036】
(3)上記実施形態では、収容治具11を上下方向に指向するとともに、ドリル45を下方から弾性発泡体Wに進入するようにしたので、切屑が自重により下方に円滑に移動されて、切屑が挿通孔Whの外部に円滑に排出され、挿通孔Whの加工精度をさらに向上することができる。
【0037】
(4)上記実施形態では、単体として取り扱うことができる収容治具11を回転するようにしたので、収容治具11の回転に必要な動力を低減することができる。
(5)上記実施形態では、弾性発泡体Wに気泡がなくなる程度に圧縮してその密度を「1」にすることにより、弾性発泡体Wの挿通孔Whの内周面の切削精度を向上することができる。
【0038】
(6)上記実施形態では、弾性発泡体Wに挿通孔Whを形成する際に、ドリル45の先端を上側の圧縮ピン15の下面に接近させた位置で停止するようにすることにより、ドリル45の先端が圧縮ピン15に接触するのを無くして、ドリル45の刃先の損傷を防止することができる。
【0039】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図9に示すように収容ケース12を四角柱状に形成するとともに、第1及び第2ケース片13,14にV字状の角溝13e,14eを形成することにより収容ケース12の収容室12aを四角筒状に形成し、圧縮ピン15を四角柱状に形成してもよい。この場合には、図1に示す回転支持筒27の嵌合穴27b及び嵌合筒部34の嵌合穴34aが四角筒状に形成され、図7に示す下部及び上部ケース保持型19A,19Bの各保持溝が凹状溝に形成され、下部及び上部発泡体収容型20A,20Bにより形成される収容室Hが四角筒状に形成されるようにしている。
【0040】
上記の実施形態においては、四角柱状の弾性発泡体Wに挿通孔Whを形成した後に、挿通孔Whに対しシャフトをホットメルト接着剤を用いて貫通接着し、シャフトとともに弾性発泡体Wを回転させて、弾性発泡体Wの外周面を四角筒状から円筒状に機械加工する。
【0041】
・前記ドリル45を収容治具11の回転方向とは逆の方向に低速の回転速度(例えば20〜60回/分)で回転させるようにしてもよい。
・図1において、主軸29、嵌合部材30を下側に配設し、ドリル45を上側に配設するようにしてもよい。
【0042】
・収容治具11を横向きに保持して回転させ、ドリル45を横方向から弾性発泡体Wに進入させるようにしてもよい。
・前記収容治具11の第1及び第2ケース片13,14を一体に構成してもよい。又、圧縮ピン15を一本にしてもよい。
【0043】
・ドリル45を所定位置に保持した状態のまま、収容治具11を回転しつつドリル45に向かって移動して、穿孔を行うようにしてもよい。
・単体として取り扱いが可能な収容治具11を用いないで、圧縮装置の収容ケース内に弾性発泡体Wを圧縮して収容した後、前記収容ケースを回転装置により回転させ、ドリル45を弾性発泡体Wに進入させて挿通孔Whの穿孔作業を行うようにしてもよい。
【0044】
この実施形態の穿孔装置は、弾性発泡体Wの加工個数が少なくて収容治具11を使用する必要がない場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の弾性発泡体の穿孔装置を示す中央部縦断面図。
【図2】穿孔装置の正面図。
【図3】穿孔装置の右側面図。
【図4】弾性発泡体を圧縮して収容する収容治具を示す中央部縦断面図。
【図5】図4の1−1線拡大断面図。
【図6】収容治具の分解斜視図。
【図7】収容治具に弾性発泡体を圧縮する圧縮装置の中央部縦断面図。
【図8】収容治具に弾性発泡体を圧縮して収容した状態を示す中央部縦断面図。
【図9】この発明の別の実施形態を示す収容治具の横断面図。
【図10】複写機に用いれるローラ素材の斜視図。
【図11】複写機に用いれるローラの斜視図。
【符号の説明】
【0046】
45…穿孔工具としての木工用ドリル、W…弾性発泡体、Wh…挿通孔、11…収容治具、12…収容ケース、41…送り機構。
【出願人】 【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠


【公開番号】 特開2008−55567(P2008−55567A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−236916(P2006−236916)