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【発明の名称】 打ち抜き方法ならびに打ち抜き装置および切断装置
【発明者】 【氏名】花上 博明

【要約】 【課題】原反における湿布剤製品の4隅になる部分の打ち抜きを長時間良好に行うことを可能にする。

【構成】回転軸から等距離を有して打ち抜く図形を形成する刃先16aを備えた打ち抜き刃9と回転軸に平行な回転軸を有するアンビルロール8とを互いに逆方向に回転させてこれらの間を通過する帯状の原反M1に通過方向に一定の間隔で図形を打ち抜く打ち抜き方法であって、刃先の周速度と原反の通過速度とを等しくし、アンビルロールの周速度を刃先の周速度よりも遅くする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸から等距離を有して打ち抜く図形を形成する刃先を備えた打ち抜き刃と前記回転軸に平行な回転軸を有するアンビルロールとを互いに逆方向に回転させてこれらの間を通過する帯状の原反に通過方向に一定の間隔で前記図形を打ち抜く打ち抜き方法であって、
前記刃先の周速度と前記原反の通過速度とを等しくし、
前記アンビルロールの周速度を前記刃先の周速度よりも遅くする
ことを特徴とする打ち抜き方法。
【請求項2】
回転軸から等距離を有して打ち抜く図形を形成する刃先を備えた打ち抜き刃と、
前記回転軸と平行な回転軸を有し前記刃先にその周面が接して回転可能なアンビルロールと、
前記打ち抜き刃をその回転軸周りに回転させる第1の回転手段と、
前記アンビルロールをその回転軸周りに前記打ち抜き刃の回転と逆方向に回転させる第2の回転手段と、を有し
前記第2の回転手段は、
前記第1の回転手段により回転する前記打ち抜き刃の前記刃先の周速度よりも前記アンビルロールの回転における周速度が遅くなるように構成されてなる
ことを特徴とする打ち抜き装置。
【請求項3】
特定の幅を有し搬送方向に長い帯状の原反から略矩形状の製品を切り分ける切断装置であって、
幅方向に等間隔で複数配置された請求項2に記載された図形打ち抜き装置と、
前記図形打ち抜き装置で打ち抜かれた前記搬送方向における隣り合う図形跡の間を切断するスリッター装置と、
前記スリッター装置で切り分けられた原反について幅方向における隣り合う前記図形跡の間を切断する寸断装置と、を有する
ことを特徴とする切断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、原反から矩形状の製品を切り分ける切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
筋肉痛、肩こりの軽減、または捻挫の治療等に、不織布や樹脂シート等の台シートに消炎および鎮痛成分を含む薬剤が塗布された湿布剤が使用される。
このような湿布剤は、塗布された薬剤を保護するための保護材が薬剤の表面に張り合わされており、使用時に保護材を剥がして使用するようになっている。
ところで、湿布剤は、患部に貼り付けられて着用される衣類に覆われるのが通常である。その場合、日常の活動において衣類と台シートとが擦れ合い、完全な矩形の湿布剤は4隅からめくれが生じ易いことが知られている。これに対して、4隅の角をなくしてアールにし、または4隅を鈍角の組み合わせとすることで、めくれの程度を軽減できることも知られている。
【0003】
特許文献1には、台シートに薬剤を塗布し保護材で保護されたカッティング前の湿布剤(以下、「原反」という)を製品に切り分ける際に、製品の4隅をアールに加工する技術が開示されている。特許文献1に開示された技術は、スリッター装置により原反を3つの帯状物に分断した後、図8に示される回転カッター71により製品に切り分ける。回転カッター71には、分断された帯状物を送り方向に切り分ける軸方向に延びた凸刃72,…,72が周方向に所定の間隔を有して3列設けられ、それぞれの凸刃72,…,72の両端には、製品の4隅にアールを形成するための二股アール部73,…,73が備えられている。
【0004】
しかし、特許文献1における回転カッター71は、凸刃72,…,72の全体に渡って切り残しが生じないようにするために、回転カッター71を油圧などによって強力に帯状物に押しつける必要がある。そのため、帯状物の反対側で凸刃72,…,72を受け止めるアンビルロールとの摩擦により刃先の損傷が激しく、回転カッター71全体を取り替える煩雑な作業を頻繁に行わなければならなかった。
この問題に対し本出願人は先の出願(特願2005−340992)において、原反から4隅を打ち抜きその後4辺を切り分けて1枚の湿布剤製品とすること、および4隅を打ち抜くカッターの刃のみを容易に交換することができるカッターを開示した。図9はカッター74の正面図、図10はカッター74の側面図である。カッター74は正面視の形状が星形の刃75を有する刃部76と刃部76を支持するための支持部77とからなり、刃部76は4本の6角孔付きボルトBT,…,BTによって支持部77に着脱可能に固定される。
【特許文献1】特開2004−17272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図9および図10に示される構成のカッター74は、消耗したカッター74の交換が容易であり、かつ特許文献1に示された回転カッター71に比べて刃の消耗が少ないものであった。
カッター74は、このように一定の効果が得られるものであったが、長時間使用すると台シートである不織布の繊維を完全に切断することができないで打ち抜きが不完全になりやすく、また対向して配置されたアンビルロール(図1における第1アンビルロール8に該当)の周面に損傷が生じやすいという点で、長時間の連続運転には必ずしも十分なものではなかった。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、原反における湿布剤製品の4隅になる部分の打ち抜きを長時間良好に行うことができる打ち抜き方法ならびに打ち抜き装置および切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る打ち抜き方法は、回転軸から等距離を有して打ち抜く図形を形成する刃先を備えた打ち抜き刃と前記回転軸に平行な回転軸を有するアンビルロールとを互いに逆方向に回転させてこれらの間を通過する帯状の原反に通過方向に一定の間隔で前記図形を打ち抜く打ち抜き方法であって、前記刃先の周速度と前記原反の通過速度とを等しくし、前記アンビルロールの周速度を前記刃先の周速度よりも遅くする。
本発明に係る打ち抜き装置は、回転軸から等距離を有して打ち抜く図形を形成する刃先を備えた打ち抜き刃と、前記回転軸と平行な回転軸を有し前記刃先にその周面が接して回転可能なアンビルロールと、前記打ち抜き刃をその回転軸周りに回転させる第1の回転手段と、前記アンビルロールをその回転軸周りに前記打ち抜き刃の回転と逆方向に回転させる第2の回転手段と、を有し前記第2の回転手段は、前記第1の回転手段により回転する前記打ち抜き刃の前記刃先の周速度よりも前記アンビルロールの回転における周速度が遅くなるように構成されてなる。
【0008】
本発明に係る切断装置は、特定の幅を有し搬送方向に長い帯状の原反から略矩形状の製品を切り分ける切断装置であって、幅方向に等間隔で複数配置された前記図形打ち抜き装置と、前記図形打ち抜き装置で打ち抜かれた原反における前記搬送方向に隣り合う図形跡の間を切断するスリッター装置と、前記スリッター装置で切り分けられ帯状物となった原反について幅方向における隣り合う前記図形跡の間を切断する寸断装置と、を有する。
上記発明において、「図形跡」とは、原反における打ち抜き刃の刃先が形成する図形が打ち抜かれた後の原反を表裏を貫通する孔を意味するものである。スリッター装置で切り分けられた後に「図形跡」と称するものは、スリッター装置で2分割された後における一方の「図形跡」を意味する。また、「回転軸」とは回転運動における中心の直線をいうものとする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、原反における湿布剤製品の4隅になる部分の打ち抜きを長時間良好に行うことができる打ち抜き方法ならびに打ち抜き装置および切断装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明に係る切断装置1の構成図、図2は切断装置の側面概略図、図3は切断装置の平面概略図、図4はカッター9の正面図、図5はカッター9の側面図、図6は切断装置1を稼働させた後の第1アンビルロール8の斜視図である。
図1ないし3において、切断装置1は、供給装置2、打ち抜き装置3、スリッター装置4、寸断装置5などからなる。
以下、供給装置2から供給される切断対象物を「原反M1」、原反M1に打ち抜き装置3によって星形が打ち抜かれ打抜片が除去されたものを「打ち抜き物M2」、打ち抜き物M2をスリッター装置4により幅方向に切り分けたものを「帯状物M3」、帯状物M3が寸断装置5により寸断されたものを「製品」ということがある。なお、「打抜片」とは、原反M1から切り離されたものを意味するものとする。
【0011】
供給装置2は、ロール状に巻き取られた原反M1をその長手方向に連続的に繰り出すためのものである。原反M1は、切断装置1による切断の対象物であり、ポリアミド系(ナイロン)、ポリエステル系、ポリアクリル系、綿等の不織布または合成樹脂製のシート等からなる台シートに消炎および鎮痛成分を含む薬剤が塗布され、薬剤を保護するためのポリプロピレンフイルム等の保護材が張り合わされたものである。供給装置2による原反M1の繰り出しは、原反M1を支持するシャフト6の回転を図示しないサーボモータにより制御しながら行われる。
【0012】
打ち抜き装置3は、回転カッター7および第1アンビルロール8などからなる。
回転カッター7は複数のカッター9,…,9を連ねて形成され、カッター9は支持部10と刃部11とからなる。
支持部10は肉厚の円板であり、支持部10の周の一部が平らな面12に加工されて、面12には断面が略円形の収容孔13が設けられている。支持部10の両側面14,14には、カッター軸15,15が側面14,14と直角に外方に延びている。
刃部11は、図4によく示されるように、4分の1の円弧をいずれも内側に凸となるようにして4つ連ねて配置した平面視の形状が星形の刃16と、刃16を支持する基部17とからなる。刃16は、図5によく示されるように、刃先16aが側面視においてカッター軸15,15の軸心を中心とする円弧となっており、刃先16aは原反M1を打ち抜くことが可能なように鋭利に形成されている。基部17は、断面形状が収容孔13に嵌合可能なように略円形に形成され、4つのネジ用孔18,…,18を有している。基部17は、原反M1の搬送方向および搬送方向に直交する方向に星形の頂点が位置するようにして一部が収容孔13に嵌入され、ネジ用孔18,…,18に貫通させた4本の6角孔付きボルトBT,…,BTによって支持部10に固定されている。刃部11は刃物鋼で製作される。
【0013】
回転カッター7は、図3によく示されるように、複数のカッター9,…,9のカッター軸15,15同士が直列に連なって構成される。回転カッター7は、第1アンビルロール8側に押しつけられたときにカッター軸15,…,15に過度のたわみが生じにくい位置、例えば、図3におけるB−B,C−Cの位置において図示しないベアリングを介してカッター支持台19の軸受け20に回転可能に支持されている。軸受け20は、ボールネジ21と固定的に接続され且つカッター支持台19に対して移動可能に構成されている。各カッター9,…,9は、ボールネジ軸22の回転に応じて軸受け20が図2における左右方向に移動することにより、対向する第1アンビルロール8との距離が調整可能になっている。回転カッター7および第1アンビルロール8は、いずれもタイミングプーリーおよびタイミングベルトにより図示しない別々のサーボモータに連結されており、後に説明する寸断装置5の移動刃33の動作にあわせて間欠的に回転するように制御される。
【0014】
第1アンビルロール8は、周面が研磨された凹凸の無い円柱状のロールであり、切断装置1においてその回転軸が回転カッター7の回転軸と平行になるように配置され、両端が第1支持台23の軸受け24に図示しないベアリングを介して回転可能に支持されている。第1支持台23は、油圧シリンダ25により、回転カッター7側に押圧可能に構成されている。第1アンビルロール8は、刃部11よりも耐摩耗性の劣る刃物鋼で製作される。
スリッター装置4は、スリッター26および第2アンビルロール27などからなる。
スリッター26は、図3に示されるように、円柱状のロールの周面に複数の環状の丸刃28,…,28を有している。丸刃28,…,28は、それぞれが軸方向に一定の間隔を有して配置されており、その間隔は、切断装置1で切断された後の製品の縦方向長さになるように調整されている。スリッター26は、切断装置1においてその回転軸が回転カッター7の回転軸と平行になるように配置されている。スリッター26の両端は、スリッター支持台29の軸受け30に図示しないベアリングを介して回転可能に支持されている。スリッター支持台29は、油圧シリンダ31により、第2アンビルロール27側に押圧可能に構成されている。
【0015】
第2アンビルロール27は、周面が研磨された凹凸の無い円柱状のロールであり、その回転軸がスリッター26の回転軸と平行になるように配置され、両端が図示しない支持台の軸受けに回転可能に支持されている。第2アンビルロール27は、その一端がタイミングベルトにより図示しないサーボモータに連結されており、寸断装置5の移動刃33の動作に関連させて回転するように制御される。
寸断装置5は、いわゆるギロチンカッターと同様の原理で帯状物M3を寸断するものであり、固定刃32と固定刃32に対して若干角度を有する移動刃33とを噛み合わせる構造となっている。移動刃33は、固定刃32に対して近接離反可能に構成されており、近接離反のタイミングは、原反M1の間欠的な繰り出しに関連づけて制御される。移動刃33の近接離反の動作は、図示しない油圧シリンダにより行われる。
【0016】
打ち抜き装置3とスリッター装置4との間には、打ち抜き装置3により打ち抜かれた打抜片を回収するための回収装置34が設けられている。回収装置34は、打ち抜き装置3で形成されたそれぞれの星形の切れ込みに対面する位置に1基ずつ配置されている。回収装置34は、回転カッター7により星形の切り込みが形成された打ち抜き物M2から打抜片を切り離し、回収容器35内に空気圧で吹き飛ばす。
切断装置1における回収装置34に対面する部分には、打抜片を通過させることが可能な通過孔が設けられたガイド36,37が、原反M1を挟むようにして設けられている。
【0017】
また、ガイド36,37を中にして回収装置34の反対側には、通過孔に回収口38を対向させた回収容器35が設けられている。
次に、切断装置1の動作について説明する。
原反M1を、供給装置2、打ち抜き装置3、ガイド36,37の間、スリッター装置4、および寸断装置5に通した後に、供給装置2から、原反M1が間欠的に繰り出されて切断動作が行われる。
原反M1が繰り出されると、原反M1の繰り出し速度にあわせて回転カッター7および第1アンビルロール8は互いに逆方向に回転し、回転カッター7と第1アンビルロール8との間を通過する原反M1に星形の切れ込みを形成する。さらに原反M1が繰り出され、星形の切れ込みがガイド36,37の間に入りこんで通過孔50に達すると、供給装置2は原反M1の繰り出しを停止する。
【0018】
ここで、原反M1に星形の切れ込みを形成するために必要なカッター9と第1アンビルロール8との形状における関係を説明する。
カッター9は、上に説明したように第1アンビルロール8との間に原反M1を挟み、回転しながら刃16が原反M1に星形の切り込みを形成する。打ち抜き物M2から切り込まれた打抜片を回収装置34により完全に切り離すには、切れ込み形成時に刃16の刃先16aは、カッター9の回転に伴って周方向の一方から他方に向けてその部位が移動しながら第1アンビルロール8の周面に常に接しなければならない。したがって、カッター9の刃先16aは側面視においてカッター軸15,15の軸心を中心とする円弧となっている。そこで、図5に示されるように、刃先16aは、カッター9に第1アンビルロール8の回転軸に直交する断面を回転中心を一致させて重ね合わせたとき、刃先16a全体は、半径Rの第1アンビルロール8の外周上に位置するように構成されている。
【0019】
そして、星形の切れ込みを形成するとき、回転カッター7および第1アンビルロール8の回転は、それぞれ独立してサーボモータにより制御される。原反M1に星形の切り込みを形成するときの第1アンビルロール8の周速度は、回転カッター7の刃先16aの周速度つまり原反M1の繰り出し速度よりも遅く設定される。例えば、第1アンビルロール8は、回転カッター7の刃先16aの周速度の0.95倍の周速度になるように回転が制御される。
さて、原反M1に切り込みが形成されて繰り出しが停止すると、回転カッター7および第1アンビルロール8は回転を停止する。星形の切れ込み部分(打抜片)は回収装置34により原反M1から引き離され、通過孔および回収口38を経由して回収容器35内に回収される。
【0020】
供給装置2が原反M1の繰り出しを停止して回収装置34が打抜片の回収を行っている間、寸断装置5では、移動刃33が固定刃32に噛み合わされて、帯状物M3を所定の長さの製品とするために寸断が行われる。
供給装置2の原反M1の繰り出し停止後所定時間が経過すると、再び供給装置2による原反M1の繰り出しが開始される。また、寸断装置5では、供給装置2の繰り出しが開始されるまでに移動刃33が固定刃32から離反し、次の寸断動作に備える。
スリッター装置4は、供給装置2が繰り出しを行っているとき、回収装置34を経た打ち抜き物M2の打ち抜き跡の間を切断して所定の横幅の帯状物M3に切り分ける。
【0021】
寸断装置5では、帯状物M3を幅方向における打ち抜き跡の間を切断して所定の長さの製品に切り分ける。寸断装置5は、原反M1の繰り出しが停止されたときに、帯状物M3が製品になるために寸断されるべき部分(打ち抜き跡)が位置する場所に設置される。
供給装置2による原反M1の繰り出しおよび停止、回転カッター7および第1アンビルロール8の回転、回収装置34の動作、第2アンビルロール27の回転、ならびに寸断装置5の移動刃33の動作は、図示しない制御機器により適切に行われる。
本発明に係る切断装置1における打ち抜き装置3では、刃先16aの摩耗を低減させるために、第1アンビルロール8は、刃部11に比べて耐摩耗性の劣る材料で製作されている。そのため、第1アンビルロール8の周面が刃先16aが原反M1を打ち抜くときにごく僅か摩耗する。しかし、打ち抜き装置3は、刃先16aの回転半径と第1アンビルロール8の回転半径とが同じに構成され、かつ打ち抜き作業時に刃先16aの周速度を第1アンビルロール8の周速度より早くなるように設定されている。したがって、図6に示されるように、第1アンビルロール8はカッター9が1回転するごとに刃先16aに接する部分Tw、つまり第1アンビルロール8の周面の摩耗する部分が少しずつずれ、第1アンビルロール8の周面の摩耗が周面全体に分散され、第1アンビルロール8の長時間使用が可能になる。
【0022】
このように、第1アンビルロール8の周速度を回転カッター7の周速度よりも遅く設定することにより、第1アンビルロール8はその摩耗が周面全体に均一に分散されてその機能を長時間維持することができる。そして、打ち抜き装置3は、長時間の連続運転においても、台シートである不織布の繊維の良好な切断を行うことができる。
また、第1アンビルロール8の周速度を回転カッター7の周速度よりも遅くすることにより、刃先16aが第1アンビルロール8の周面を僅かにこするように(例えば歯ぎしりのように)移動して不織布の繊維を切断する。そのため、刃先16aは、長時間の連続運転により若干摩耗しても良好な打ち抜きを行うことができ、打ち抜き装置3は、不織布の繊維の切り残しを生ずることなく原反M1の打ち抜き作業を長時間継続することができる。
【0023】
例えば、径(2R)が67.83mmの第1アンビルロール8と、図4,5に示される刃部11が1つで刃先16aの回転半径が第1アンビルロール8の回転半径と同じカッター9とを使用し、第1アンビルロール8の周速度を回転カッター7の周速度の0.95倍に設定して原反M1の打ち抜き(打ち抜き回数70回/分)を行ったところ、約180万回連続して原反M1の打ち抜きを行っても、打ち抜き装置3は、不織布の繊維の切り残しがない良好な打ち抜きを維持することが可能であった。
なお、第1アンビルロール8の周速度は、回転カッター7の周速度の0.97倍から0.85倍の範囲とするのが望ましい。
【0024】
図7は刃部11を4つ備えたカッター9Bを有する打ち抜き装置3Bの側面図である。
カッター9Bにはその周面に90度間隔で4つの刃部11,…,11が取り付けられている。刃部11,…,11の刃16,…,16の刃先16a,…,16aは、側面視において第1アンビルロール8Bと重ね合わせたときにその外周の一部を形成するように構成され、刃先16a,…,16aの回転半径は、第1アンビルロール8Bの回転半径RBと同じになっている。打ち抜き装置3Bでは、1つの刃部11の打ち抜き動作は4回に1回の割合、つまり図1における打ち抜き装置3の4分の1の回数であり、可能な連続運転の時間(打ち抜く回数)は図1における打ち抜き装置3の4倍になる。
【0025】
打ち抜き装置3Bにおいても、第1アンビルロール8Bの周速度はカッター9Bの周速度よりも遅く設定され、第1アンビルロール8Bの周面の摩耗する部分が少しずつずれることにより刃部11,…,11の切断能力は長時間維持され、第1アンビルロール8Bも長時間の連続運転が可能である。
打ち抜き装置3を、カッター9の刃先16aの回転半径と第1アンビルロール8の回転半径とが異なる構成とすることができる。例えば、第1アンビルロールの半径をカッター9の刃先16aの回転半径よりも大きいものとし、かつ刃先16aの周速度が第1アンビルロールの周速度より早くなるように設定することにより、刃先16aを第1アンビルロールの周面を僅かにこするように移動させれば、刃先16aが若干摩耗した後も、打ち抜き作業において不織布の繊維を切断し続けることができる。
【0026】
カッター9の刃先16aの回転半径と第1アンビルロール8の回転半径とを異なるものとするときは、第1アンビルロールの回転半径R2をカッターの刃先の回転半径R1よりも大きくし、かつカッターの刃先の回転半径R1と第1アンビルロールの回転半径R2とが次の関係を有するように設計することが、第1アンビルロールの周面の摩耗を分散させ長時間の運転を可能とするために好ましい。
2≠N×α×R1 … (1)
ここで、αは(第1アンビルロールの周速)÷(カッターの刃先の周速)、Nは1以上の整数である。(1)式を満足するカッターの刃先の周速および第1アンビルロールの周速を設定することにより、第1アンビルロールの周面の摩耗する部分を少しずつずらすことができ、かつ刃先16aが若干摩耗した後も、打ち抜き作業において不織布の繊維を切断し続けることができる。
【0027】
上述の実施形態において、カッター9,9Bを、図10に示されるような180度間隔で2つの刃部11,11が取り付けられたもの、または刃部11を周方向に等間隔で3つもしくは5つ以上としてもよい。刃16の平面視における形状は星形に限られず、例えば、長円、楕円または4n角形(n≧1)を、図心をそれぞれが含むように4等分しそれぞれ前記図心について対向する側に置換して組み合わせた形状とし、刃部11を支持部10に取り付けるときに、原反M1の搬送方向および搬送方向に直交する方向に不連続点が位置するような形状としてもよい。
【0028】
その他、切断装置1、供給装置2、打ち抜き装置3、回収装置34、スリッター装置4、および寸断装置5の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、原反から矩形状の製品を切り分ける工程、例えば、湿布効果を有する薬剤が塗布された原反を所定の寸法の製品に切り分ける工程に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る切断装置の構成図である。
【図2】切断装置の側面概略図である。
【図3】切断装置の平面概略図である。
【図4】カッターの正面図である。
【図5】カッターの側面図である。
【図6】切断装置を稼働させた後の第1アンビルロールの斜視図である。
【図7】刃部を4つ備えたカッターを有する打ち抜き装置の側面図である。
【図8】従来技術における回転カッターの平面図である。
【図9】カッターの正面図である。
【図10】カッターの側面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 切断装置
3 図形打ち抜き装置(打ち抜き装置)
4 スリッター装置
5 寸断装置
8 アンビルロール(第1アンビルロール)
9 打ち抜き刃(カッター)
16a 刃先
M1 原反
M2 打ち抜かれた原反(打ち抜き物)
M3 帯状物となった原反(帯状物)
【出願人】 【識別番号】502223404
【氏名又は名称】花栄機械工業株式会社
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄

【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄


【公開番号】 特開2008−55553(P2008−55553A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−235799(P2006−235799)