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【発明の名称】 シート穿孔装置、シート処理装置、および画像形成装置
【発明者】 【氏名】青木 和弘

【要約】 【課題】パンチ刃先の1周期の移動の中で確実にパンチ刃先からパンチ屑を除去でき、パンチ刃先側の機構に干渉することなくパンチ屑の除去機構を小型軽量に構成できるシート穿孔装置を提供する。

【構成】モータ33が、駆動ギア37と駆動ギア102とを連動回転させることにより、表面が起毛状を成すパンチ屑排除ローラ104が回転して、パンチングロッド47の穿孔刃先47aを摺擦する。これにより、穿孔刃先47aに付着したパンチ屑を掻き落すことが可能となる。パンチングロッド47の穿孔刃先47aに対応させてパンチ屑排除ローラ104が配置されている。3つのパンチ屑排除ローラ104は、パンチ屑排除駆動軸103に固定されて一体に回転する。パンチ屑排除ローラ104は、工具鋼の穿孔刃先47aを磨耗させない真鍮線の植毛を中心ローラの側面に密に配置した回転ブラシとして形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材を貫通して穿孔する凸刃を有する凸刃部材と、
前記凸刃が貫通する開口刃を有してシート材を支持する支持部材と、
前記凸刃部材を駆動してシート材と前記開口刃との重なりに前記凸刃を貫通させる駆動手段と、を備えたシート穿孔装置において、
前記開口刃を貫通した側で前記凸刃を摺擦して抜き屑を移動させる摺擦手段を備えたことを特徴とするシート穿孔装置。
【請求項2】
1枚ずつ供給されたシート材を位置決めて前記駆動手段を作動させる制御手段を備え、
前記凸刃部材は、前記制御手段によって位置決められたシート材の縁に対応させて複数配置され、
前記支持部材は、それぞれの前記凸刃部材が貫通する複数の前記開口刃を有し、
前記摺擦手段は、それぞれの前記凸刃部材に対応させて複数配置され、
複数の前記摺擦手段は、前記駆動手段に連動して回転する共通の駆動軸に固定されて一体に回転することを特徴とする請求項1記載のシート穿孔装置。
【請求項3】
前記摺擦手段は、弾性体材料の摺擦部材を弾性変形状態で前記凸刃に接触させることを特徴とする請求項1または2記載のシート穿孔装置。
【請求項4】
前記摺擦手段は、弾性体材料の植毛を有して回転されるブラシ部材であることを特徴とする請求項1または2記載のシート穿孔装置。
【請求項5】
前記凸刃部材の周期と前記ブラシ部材の回転周期とが異なることを特徴とする請求項4記載のシート穿孔装置。
【請求項6】
前記凸刃は、中央を円筒面状に後退させた底面を有し、
前記摺擦手段は、前記底面の等高線に沿った方向に前記凸刃を摺擦することを特徴とする請求項1または2記載のシート穿孔装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれか1項記載のシート穿孔装置と、
前記シート穿孔装置によって穿孔されたシート材を処理するシート処理手段と、を備えたことを特徴とするシート処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至6いずれか1項記載のシート穿孔装置と、
シート材に画像形成する画像形成手段と、を備え、
前記画像形成手段によって画像形成したシート材を前記シート穿孔装置に供給して穿孔処理することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、供給されたシート材をパンチ刃先に位置決めて穿孔処理するシート穿孔装置、詳しくは、穿孔処理後のパンチ刃先からパンチ屑を除去する機構に関する。
【背景技術】
【0002】
シート穿孔装置を内蔵して、画像形成されたシート材にファイル用の綴じ孔を形成する画像形成装置が実用化されている。また、シート穿孔装置を内蔵して、画像形成装置等から受け入れたシート材にファイル用の綴じ孔を形成した後に仕分けや綴じ処理を行うシート処理装置が実用化されている。各種の画像形成装置やシート処理装置へ連結可能にユニット化されたオプション機器としてのシート穿孔装置も実用化されている。
【0003】
特許文献1には、静電写真方式の画像形成装置と、束折り機構を備えたシート処理装置との間に配置されたシート穿孔装置が示される。ここでは、複数のダイス孔を形成した支持板がシート材の搬送経路に配置され、パンチ刃先を垂直に往復動作させてシート材とダイス孔との重なりをパンチ刃先が貫通してファイル用の綴じ孔を穿孔する。シート材から打ち抜かれたパンチ屑は、ダイス孔下に配置されたパンチ屑回収容器に落下して回収される。
【0004】
特許文献2には、パンチ刃先を垂直に往復動作させてシート材とダイス孔との重なりにパンチ刃先を貫通させるシート穿孔装置が示される。ここでは、パンチの中心軸に配置した棒材を刃先から出し入れして刃先に付着したパンチ屑を強制的に突き落している。
【0005】
【特許文献1】特開2001−26370号公報
【特許文献2】特開2002−127126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のシート穿孔装置では、極めて薄いシート材や粘着層を有するシート材に穿孔処理を行うと、シート材から打ち抜いたパンチ屑がパンチ刃先に付着したまま支持板上に持ち上げられる可能性がある。長期間使用してパンチ刃先やダイス孔が磨耗した場合や錆び付いた場合も、パンチ刃先に繊維がからんでパンチ屑がパンチ刃先に付着し易くなる。
【0007】
この結果、シート材の搬送経路に持ち上げられたパンチ屑が散乱してしまい、シート材とともにパンチ屑が下流側のシート処理装置へ持ち込まれたり、床面へパンチ屑が落ちて室内の見栄えを損ねたりした。
【0008】
特許文献2のシート穿孔装置では、パンチ刃先を昇降してシート材に穿孔する機構と同じ側に、棒材を出し入れしてパンチ屑を突き落とす機構を配置する必要がある。従って、パンチ刃先側の機構との緩衝を避けた棒材側の機構設計が必要となって穿孔機構が大型化する。パンチの中心に棒材を通すのでパンチの強度が下がり、加工精度を要して部品コストも上昇する。特許文献1に示されるようなカム機構によってパンチを昇降させる場合、そもそもパンチの中心に棒材を通すことができない。表面に粘着性があるパンチ屑は棒材の先端に付着してパンチ刃先へ再貼り付けされることもある。
【0009】
また、圧縮空気をパンチ刃先の側方から吹き付けてパンチ屑を吹き落とすことも検討されたが、この場合、コンプレッサー等の高価な機器を要し、支持板下のパンチ屑が逆に周囲へ吹き散らかされる。
【0010】
また、パンチ刃先を2往復させてダイス孔との摩擦等でパンチ刃先から落下させることも検討されたが、この場合、シート材を退避させて追加の昇降を行う間、次の穿孔処理を待たせる必要がある。
【0011】
本発明は、パンチ刃先の1周期の移動の中で確実にパンチ刃先からパンチ屑を除去でき、パンチ刃先側の機構に干渉することなくパンチ屑の除去機構を小型軽量に構成できるシート穿孔装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のシート穿孔装置は、シート材を貫通して穿孔する凸刃を有する凸刃部材と、前記凸刃が貫通する開口刃を有してシート材を支持する支持部材と、前記凸刃部材を駆動してシート材と前記開口刃との重なりに前記凸刃を貫通させる駆動手段とを備えたものである。前記開口刃を貫通した側で前記凸刃を摺擦して抜き屑を移動させる摺擦手段を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシート穿孔装置では、開口刃に凸刃を貫通させると、支持部材上のシート材が開口刃のエッジと凸刃のエッジとの間でせん断される。摺擦手段は、開口刃の貫通側で凸刃を摺擦して凸刃から抜き屑を移動して剥落させたり掻き落したりする。少なくとも開口刃の平面から抜き屑を移動させて、開口刃のエッジに抜き屑が引っ掛かるようにして、凸刃を抜き出す過程で抜き屑がそのまま開口刃を通り抜けることを阻止する。
【0014】
従って、パンチ刃先の1周期の移動の中で確実にパンチ刃先からパンチ屑を除去でき、凸刃に付着したパンチ屑がシート材の搬送経路に持ち上げられない。シート材とともにパンチ屑が下流側の装置へ持ち込まれたり、床面へパンチ屑が散乱したりしない。
【0015】
また、凸刃の中心を貫通して棒材を配置する必要が無い。摺擦手段は、開口刃の貫通側に配置されるので、その支持機構等を含めて、凸刃の先端以外には凸刃部材にも凸刃の駆動機構にも、さらにはシート材の搬送経路にも干渉しない。
【0016】
従って、パンチ刃先側の機構に干渉することなくパンチ屑の除去機構を小型軽量に構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態であるシート穿孔装置2について、図面を参照して詳細に説明する。本発明のシート穿孔装置は、以下に説明する実施形態の限定的な構成には限定されない。開口刃を形成した支持板上のシート材に凸刃を貫通させて穿孔する限りにおいて、各実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施可能である。
【0018】
本実施形態では、画像形成装置とシート処理装置との間に配置されるシート穿孔装置を説明する。しかし、本発明のシート穿孔装置は、各種の画像形成装置やシート処理装置に内蔵して、穿孔機能付き画像形成装置や穿孔機能付きシート処理装置として実施してもよい。
【0019】
本実施形態では、感光体ドラムに形成したトナー像を記録材に転写してモノクロ画像を形成する画像形成装置を説明する。しかし、本発明の画像形成装置は、1以上の感光体ドラムに形成した各分解色のトナー像を中間転写ベルト等に一次転写した後に記録材へ二次転写するフルカラー画像形成装置でも実施できる。本発明のシート穿孔装置は、電子写真方式の画像形成装置のみならず、インクジェット方式、熱転写方式、各種印刷方式等、種々の画像形成装置に搭載可能である。プリンタに限らず、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置として実施可能である。
【0020】
<画像形成装置、シート処理装置>
図1は画像形成装置システムの全体構成を断面で示した説明図である。図1に示すように、感光体ドラム14を用いて電子写真方式の画像形成を行う画像形成装置(複写機)1とシート処理装置3との間に、オプション機器としてのシート穿孔装置2が配置されている。画像形成装置1は、上部に画像読取部4、下部に給送部5、中央に画像形成部6および両面ユニット7を配置している。画像読取部4は、プラテンガラス8上に載置された原稿や原稿搬送装置10にセットされた束原稿から画像を読み取って複写用の画像データを生成する。
【0021】
給送部5は、シート束を貯留したカセット11から給送装置12によってシートを一枚ずつ取り出して画像形成部6に給送する。シートは感光体ドラム14手前のレジストローラ対13で待機し、感光体ドラム14のトナー像に同期させて、感光体ドラム14と転写ローラ18の転写ニップに送り込まれる。
【0022】
感光体ドラム14を囲んで、帯電器15、露光装置16、現像装置17、転写ローラ18、およびクリーニング装置19が配置される。帯電器15は、回転する感光体ドラム14の表面を一様に帯電する。露光装置16は、一様に帯電した表面にレーザー光を走査して静電潜像を形成する。現像装置17は静電潜像にトナーを供給してトナー像に顕像化する。転写ローラ18は、トナー像を感光体ドラム14の表面からシートへ転写する。クリーニング装置19は、転写後の感光体ドラム14上に残留したトナーを除去して次の画像形成に備えさせる。
【0023】
トナー像を転写されたシートは、定着装置21で熱と圧力を加えられて、表面にトナー像が溶融、定着される。片面印刷の場合、定着済みシートは、排出ローラ対54からシート穿孔装置2を通過してシート処理装置3へ送り込まれる。しかし、両面印刷の場合、両面ユニット7で表裏反転して画像形成部6に再給送し、裏面にもトナー像を転写、定着し、その後、シート穿孔装置2を通過してシート処理装置3へ送り込まれる。シートの搬送を含めた画像形成プロセスは、制御部25によって制御される。
【0024】
シート処理装置3は、画像形成されたシートを受け入れて、仕分け積載処理、針綴じ処理、束折り処理等の指定された後処理を行う。仕分け積載処理(ソート機能)は、中間トレイ27上にシートを積載してシート束を形成し、シート束ごとに側面をずらせて排出トレイ29に束排出して積載させる。針綴じ処理(ステイプル機能)は、中間トレイ27上に形成したシート束をステイプラ22で針綴じした後に排出トレイ29に積載させる。束折り処理(製本機能)は、下方の束折り部23へシートを搬送してシート束を形成し、突き板23bで折り線を折りローラ23aに突き出して搬送させることにより、シート束を二つ折りする。
【0025】
<シート穿孔装置>
図2はシート穿孔装置を正面側から見た断面図、図3はシート穿孔装置を側方から見た断面図、図4はパンチの構造を拡大して示す斜視図、図5はパンチによる穿孔動作の説明図である。図5中、(a)は待機状態、(b)は下降状態、(c)は下死点、(d)は上昇状態である。
【0026】
図2に示すように、画像形成装置1とシート処理装置3との間にシート穿孔装置2が配置される。画像形成装置1側の排出ローラ対54から受け入れたシートは、フレーム体49とパンチングダイ50との間のシート搬送パス51を搬送され、シート処理装置3のシート入口搬送路55を通って、シート処理装置3側の搬送ローラ対56に受け渡される。シート搬送パス51のシートは、センサフラグ52を回転させてフォトインタラプタ53を作動させる。制御部25は、フォトインタラプタ53の出力を検知して、シートの先端と後端とを識別し、シートの通過と滞留とを認識する。
【0027】
穿孔処理が指定されている場合、制御部25は、シートの先端を識別して所定の搬送距離で排出ローラ対54および搬送ローラ対56を停止させることにより、シートを穿孔位置に位置決め停止させる。そして、シート穿孔装置2を作動させて、シートにファイル用の綴じ孔を形成する。穿孔されたシートは、図示しないモータによってシート処理装置3の搬送ローラ対56を駆動させることにより搬送を再開してシート処理装置3に送出される。
【0028】
図3に示すように、シート穿孔装置2は、前側板31に取り付けたモータ33を作動させることにより、パンチングロッド47を昇降させてシートを穿孔する。同時に、パンチ屑排除ローラ104を回転させてパンチングロッド47の穿孔刃先47aを摺擦させる。
【0029】
モータ軸33aに取り付けられたモータギア34は、ギア軸36に回転自在に軸支された段ギア35を介して、駆動軸38に固定された駆動ギア37に係合する。駆動軸38は、軸受38aによって前側板31及び後側板32に回転自在に軸支され、3つのパンチユニット43を連動させて駆動する。
【0030】
駆動軸38の前側板31側には、切り欠きを形成したセンサフラグ39および多数のスリットを形成したエンコーダ板41が固定されている。図2に示すように、前側板31には、センサフラグ39の切り欠きを検知するフォトインタラプタ40、およびエンコーダ板41を検知するフォトインタラプタ42が取り付けられている。
【0031】
制御部25は、フォトインタラプタ40の出力を検知してパンチングロッド47の原点復帰を制御する。また、フォトインタラプタ42の出力パルスをカウントして駆動軸38の回動位置(パンチングロッド47の下降高さ)を識別して、穿孔処理の各工程を制御する。
【0032】
制御部25は、図3に示すように、フレーム体49とパンチングダイ50との間隔にシートを位置決め停止した状態で、パンチングロッド47をパンチングダイ50に対して往復運動させてシートの縁を穿孔する。パンチングダイ50の下方に配置されたダストボックス58は、穿孔で生じるシートのパンチ屑を受け止めて貯留する。図2に示すように、ダストボックス58は、シート穿孔装置2の正面側へ引き出してパンチ屑を捨てることができる。
【0033】
図4に示すように、パンチユニット43は、駆動軸38に偏芯カム44を固定し、これの外周に回転可能にカムホルダ45を嵌入している。カムホルダ45の下端に、穿孔刃先47aを有する円形のパンチングロッド47が支軸46により回動可能に取り付けられている。
【0034】
パンチングロッド47の先端は、フレーム体49に固定されたパンチガイド48に摺動可能に挿入されている。フレーム体49に対向するパンチングダイ50には、パンチングロッド47の穿孔刃先47aと係合可能な係合穴50aが形成されている。
【0035】
尚、パンチユニット43は、駆動軸38ごと交換してシート穿孔装置2を2つ孔仕様に変更できる。フレーム体49には、2つ孔仕様のパンチングロッド47に対応させたパンチガイド48(図3)も準備されている。
【0036】
<第1実施形態のパンチ屑排除機構>
図3に示すように、本発明の要旨であるパンチ屑排除機構は、第1実施形態においては、モータ33が、駆動ギア37と駆動ギア102とを連動回転させることにより、表面が起毛状を成すパンチ屑排除ローラ104が回転して、パンチングロッド47の穿孔刃先47aを摺擦する。これにより、穿孔刃先47aに付着したパンチ屑を掻き落すことが可能となる。
【0037】
パンチングロッド47の穿孔刃先47aに対応させてパンチ屑排除ローラ104が配置されている。3つのパンチ屑排除ローラ104は、パンチ屑排除駆動軸103に固定されて一体に回転する。パンチ屑排除駆動軸103に固定された駆動ギア102は、ギア軸100に回転自在に軸支されたアイドラギア101を介して、駆動軸38に固定された駆動ギア37に係合する。
【0038】
パンチ屑排除ローラ104は、工具鋼の穿孔刃先47aを磨耗させない真鍮線の植毛を中心ローラの側面に密に配置した回転ブラシとして形成されている。パンチングロッド47の下死点位置でパンチ屑排除ローラ104の植毛が弾性変形して穿孔刃先47aに接触するように、パンチ屑排除ローラ104の直径と、駆動軸103の高さとが設計されている。パンチ屑排除ローラ104は、弾性変形するので、パンチングロッド47の下死点の前後でも穿孔刃先47aに接触して摺擦時間を十分に確保できる。また、パンチングロッド47の下死点でもパンチングロッド47の過大な駆動抵抗や、パンチ屑排除ローラ104の過大な摺擦摩擦を発生しない。
【0039】
従って、パンチ屑排除ローラ104の駆動がモータ33に過負荷を与えることがなく、穿孔刃先47aの磨耗やパンチ屑排除ローラ104のへたりを早めることもない。パンチ屑排除ローラ104の外周を形成する起毛状部材は、パンチングロッド47の下限位置とオーバーラップするように構成されている。
【0040】
図2に示すように、駆動ギア37と駆動ギア102との歯数は、駆動軸38と駆動軸103との回転が同期しないように、また、同時に、駆動軸103の回転速度が駆動軸38よりも高くなるように設定してある。
【0041】
従って、パンチングロッド47の下死点付近だけの間欠的な接触でも、パンチ屑排除ローラ104の外周が均等に穿孔刃先47aを摺擦して片減りしない。また、パンチングロッド47の下死点付近の短い接触時間でもパンチ屑排除ローラ104による摺擦長さを十分に確保できる。
【0042】
図5の(a)に示すように、パンチングロッド47は、偏芯カム44を上死点位置に停止させて上に持ち上げられた状態で待機する。モータ33(図3)を作動させて駆動軸38を回転させると、図5の(b)に示すように、偏芯カム44が回転してパンチングロッド47が下方に押圧される。このとき、パンチングロッド47は、パンチガイド48によって垂直方向に案内されているので、偏芯カム44の外周に嵌入されたカムホルダ45が支軸46を中心に回転する。
【0043】
偏芯カム44が回転してパンチングロッド47がさらに下方へ押圧され、フレーム体49とパンチングダイ50との隙間に突出した穿孔刃先47aがシートを穿孔した後に係合穴50aに嵌合する。
【0044】
図5の(c)に示すように、駆動軸38が半回転した位置で係合穴50aから突き出した穿孔刃先47aは、回転するパンチ屑排除ローラ104に接触してパンチ屑を除去される。偏芯カム44が回転してパンチングロッド47が下死点を抜けて上昇を開始しても、しばらくはパンチ屑排除ローラ104が弾性変形を解放しつつ接触し続ける。
【0045】
その後も駆動軸38が回転を続けることにより、穿孔刃先47aが係合穴50aを抜けて、シートを抜け、図5(d)に示すように、偏芯カム44はカムホルダ45の支軸を中心に回転させられ、パンチングロッド47を上方に退避するように作用して再度図5(a)に示す待機位置に復帰させる。
【0046】
上述したように第1実施形態においては、パンチ屑排除部材を、起毛状を成すパンチ屑排除ローラにより構成したが、他の弾性部材により構成することも可能である。
【0047】
また、パンチ屑排除部材の駆動をシート穿孔機構の駆動と共通化しているが、本発明の主旨はこの限りではない。
【0048】
第1実施形態のシ−ト穿孔装置は、ポンチ手段を備えた凸刃と、ポンチ刃と係合するダイス手段を備えた凹刃とを有し、凸刃を凹刃に嵌入させて、用紙に穿孔を開けるパンチ機構において、凸刃が嵌入し、凹刃下部からパンチ屑が排出される方向の、凸刃出没部にパンチ屑排除機構を備える。これにより、画像形成装置から排出される排出紙の状態に関わらず、パンチ屑を回収容器(ダストボックス58)へ確実に排出させることが可能となる。
【0049】
従って、パンチ屑がシート穿孔装置の下方側に設けた回収容器(ダストボックス58)方向に落ちずに、凸刃(ポンチ)、或いは、凹刃(ダイス)内に残り、それが蓄積され、搬送路中にパンチ屑が散乱することを防止できる。これにより、シート搬送の信頼性を向上させることができる。
【0050】
すなわち、画像形成装置から排出される排出紙の状態(カール、剛性等)が、使用紙種、機体の稼動環境等によって変化するため、用紙上方より凸刃(ポンチ)を凹刃(ダイス)に嵌入させて穿孔する際において、パンチ屑がシート穿孔装置の下方側に設けた回収容器方向に落ちずに、凸刃(ポンチ)、或いは、凹刃(ダイス)内に残り、それが蓄積されることにより、搬送路中にパンチ屑が散乱してしまうことがあった。第1実施形態のシート穿孔装置2は、このような従来技術の課題を解決しており、画像形成装置1から排出される排出紙の状態に関わらず、パンチ屑を回収容器へ確実に排出させることが可能である。
【0051】
また、パンチ屑排除機構は、パンチ機構の穿孔動作の駆動源と共通の駆動源(モータ33)により動作するように構成したので、省スペース、且つ、低コストによりシート穿孔装置の信頼性向上を達成できる。
【0052】
<第2実施形態のパンチ屑排除機構>
図6は第2実施形態のパンチ屑排除機構の説明図である。第2実施形態は、パンチ屑排除ローラ104による穿孔刃先47aの摺擦方向が異なる以外は第1実施形態と同様に構成される。従って、図6中、図2〜図5と共通する構成には共通の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】
図6に示すように、パンチングロッド47の先端には、シートの搬送方向の中央を円筒面状に後退させた穿孔刃先47aが形成されている。個別の駆動軸113によって回転駆動されるパンチ屑排除ローラ104は、穿孔刃先47aの円筒面(溝)に沿った方向、言い換えれば穿孔刃先47aの等高線に沿った方向に回転して穿孔刃先47aを摺擦する。
【0054】
これにより、第1実施形態よりもパンチ屑を回収容器(ダストボックス58)へ確実に排出させることが可能となる。また、穿孔刃先47aの最も重要な前後の尖った部分がパンチ屑排除ローラ104の摺擦によって磨耗することがなく、穿孔刃先47aの寿命が延びる。
【0055】
<第3実施形態>
第1実施形態ではシート穿孔装置2を独立した筐体に収納して画像形成装置1とシート処理装置3との間にオプション機器として配置した。しかし、画像形成装置1の筐体内にシート穿孔装置2の機構を配置して、穿孔機能付きの画像形成装置としてもよい。
【0056】
同様にシート処理装置3の筐体内にシート穿孔装置2の機構を配置して穿孔機能付きのシート処理装置としてもよい。
【0057】
第1実施形態では、シート穿孔装置2は機構部分のみとし、画像形成装置1の制御部25によって穿孔処理を制御させた。しかし、シート穿孔装置2にマイコン制御装置を備えて穿孔処理を制御させてもよく、シート処理装置3側に配置されたマイコン制御装置によって穿孔処理を制御させてもよい。
【0058】
<発明との対応>
第1実施形態のシート穿孔装置2は、シートを貫通して穿孔する穿孔刃先47aを有するパンチングロッド47と、穿孔刃先47aが貫通する係合穴50aを有してシートを支持するパンチングダイ50と、パンチングロッド47を駆動してシートと係合穴50aとの重なりに穿孔刃先47aを貫通させるモータ33とを備える。そして、係合穴50aを貫通した側で穿孔刃先47aを摺擦して抜き屑を移動させるパンチ屑除去ローラ104を備える。
【0059】
第1実施形態のシート穿孔装置2は、1枚ずつ供給されたシートを位置決めてモータ33を作動させる制御部25を外部に備え、パンチングロッド47は、制御部25によって位置決められたシートの縁に対応させて複数配置され、パンチングダイ50は、それぞれのパンチングロッド47が貫通する複数の係合穴50aを有し、パンチ屑除去ローラ104は、それぞれのパンチングロッド47に対応させて複数配置される。そして、複数のパンチ屑除去ローラ104は、モータ33に連動して回転する共通の駆動軸103に固定されて一体に回転する。
【0060】
パンチ屑除去ローラ104は、弾性体材料の回転ブラシを弾性変形状態で穿孔刃先47aに接触させる。パンチ屑除去ローラ104は、弾性体材料の植毛を有して回転されるブラシ部材である。パンチングロッド47の周期とパンチ屑除去ローラ104の回転周期とが異なる。
【0061】
第2実施形態では、穿孔刃先47aは、中央を円筒面状に後退させた穿孔刃先47aを有し、パンチ屑除去ローラ104は、穿孔刃先47aの等高線に沿った方向に穿孔刃先47aを摺擦する。
【0062】
第3実施形態で説明したように、シート穿孔装置2と、シート穿孔装置2によって穿孔されたシートを処理するステイプラ22、折りローラ23a、突き板23b、中間トレイ27とを備えたシート処理装置を構成できる。
【0063】
第3実施形態で説明したように、シート穿孔装置2と、シートに画像形成する画像形成部6とを備え、画像形成部6によって画像形成したシートをシート穿孔装置2に供給して穿孔処理する画像形成装置を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】画像形成装置システムの全体構成を断面で示した説明図である。
【図2】シート穿孔装置を正面側から見た断面図である。
【図3】シート穿孔装置を側方から見た断面図である。
【図4】パンチの構造を拡大して示す斜視図である。
【図5】パンチによる穿孔動作の説明図である。
【図6】第2実施形態のパンチ屑排除機構の説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
2 シート穿孔装置
3 シート処理装置
6 画像形成手段(画像形成部)
11 カセット
14 感光体ドラム
18 転写ローラ
21 定着装置
22、23a、23b、27 シート処理手段(ステイプラ、折りローラ、突き板、中間トレイ)
29 排出トレイ
31 前側板
33 駆動手段(モータ)
35 段ギア
37、102 駆動ギア
38、103 駆動軸
43 パンチユニット
44 偏芯カム
45 カムホルダ
47 凸刃部材(パンチングロッド)
47a 凸刃(穿孔刃先)
48 パンチガイド
49 フレーム体
50 支持部材(パンチングダイ)
50a 開口刃(係合穴)
51 シート搬送パス
58 ダストボックス
104 摺擦手段(パンチ屑排除ローラ)
【出願人】 【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテック株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫


【公開番号】 特開2008−44039(P2008−44039A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220379(P2006−220379)