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【発明の名称】 シート材の抜き型及び押し型固定方法
【発明者】 【氏名】冨田 昌嗣

【要約】 【課題】各種の押し型の交換を、簡易な作業で、短時間に行う。抜き型に押し型を取付ける際に、被係止部に設けられた位置決め軸にそれぞれの押し型に設けられた孔を挿嵌することにより高い精度で位置決めして取付けることができ、取付け作業を短時間で、且つ効率的に行う。シート材の型抜き作業時においては、取付け盤から型取付け台や、該型取付け台に対して押し型を位置決めするための位置決め軸が脱落するのを防止して型抜く作業を安全に行う。

【構成】他方の押し型が仮止めされた一方の押し型が固着された型取付け台を、取付け盤に設けられた開口部に対して着脱可能に挿嵌すると共に係止部材を型取付け台に係止して抜け出しを規制する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付け盤にシート材を所望の形状に切抜きする型抜き刃及び切抜かれるシート材の製品に所望の記号を型押しする少なくとも一方の押し型が取付けられたシート材の抜き型において、
取付け盤に設けられた開口部に対して着脱可能に挿嵌される型取付け台と、
型取付け台に固着される一方の押し型及び該一方の押し型に仮止可能な他方の押し型と、
取付け盤に設けられ、該取付け盤に挿嵌された型取付け台の一部に係止して抜け出しを規制する係止部材と、
を備えたシート材の抜き型。
【請求項2】
取付け盤にシート材を所望の形状に切抜きする型抜き刃が取付けられたシート材の抜き型において、
該取付け盤の開口部に着脱可能に挿嵌され、端部に被係止部を有した押し型の取付け平面部が形成された型取付け台と、
型取付け台の被係止部に出没可能に挿入される少なくとも2本の位置決め軸と、
型取付け台に対し、挿入される位置決め軸により位置決めされた状態で固着される一方の押し型と、
一方の押し型と反対の面に粘着材が設けられ、該一方の押し型に対し、挿入される位置決め軸により位置決めされた状態で仮止可能な他方の押し型と、
被係止部に係止して取付け盤から型取付け台が抜け出すのを規制すると共に被係止部内に没入した位置決め軸の突出を規制する係止部材と、
を備えたシート材の抜き型。
【請求項3】
請求項2の一方の押し型は、端部に、位置決め軸が挿入される孔を有した位置決め部を一体に設けたシート材の抜き型。
【請求項4】
請求項3において、位置決め部は、一方の押し型端部において切離可能としたシート材の抜き型。
【請求項5】
請求項4において、位置決め部は、肉薄部及びミシン目の少なくともいずれかにより切離可能としたシート材の抜き型。
【請求項6】
請求項2において、一方の押し型の端部に設けられた位置決め部は、取付け平面部の側面に粘着可能としたシート材の抜き型。
【請求項7】
請求項2の係止部材は、係止位置と非係止位置の間で移動可能に支持されたシート材の抜き型。
【請求項8】
取付け盤にシート材を所望の形状に切抜きする型抜き刃及び切抜かれるシート材の製品に所望の記号を型押しする押し型が取付けられたシート材の抜き型において、
取付け盤の開口部に対し、固定側定盤に相対する面に一方の押し型が固着された型取付け台を着脱可能に挿嵌して押し型の交換を可能にすると共に取付け盤に移動可能に支持された係止部材を型取付け台に係止して抜け出しを規制する抜き型における押し型固定方法。
【請求項9】
取付け盤にシート材を所望の形状に切抜きする型抜き刃及び切抜かれるシート材の製品に所望の記号を型押しする押し型が取付けられたシート材の抜き型において、
取付け盤の開口部に着脱可能に取付けられる型取付け台の被係止部に設けられた位置決め軸に一方の押し型を挿嵌した位置決め状態で型取付け台に固着し、該一方の押し型に対して位置決め軸に他方の押し型を挿嵌して位置決め状態で仮止めして取付けると共に取付け盤の開口部に挿嵌された型取付け台の被係止部及び該被係止部に没入した位置決め軸に対して取付け盤に支持された係止部材を係止して取付け盤から型取付け台の抜け出しを規制する抜き型における押し型固定方法。
【請求項10】
請求項9において、型取付け台に一方の押し型を固定する際に、両端部の孔に位置決め軸を挿入して位置決めして固定すると共に固定された一方の押し型に対して他方の押し型を仮止めする際に、両端部の孔に位置決め軸を挿入して位置決めする抜き型における押し型固定方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール紙やクラフト紙等の板紙、合成樹脂シート、布や皮革、薄手状金属シート等の各種シート板を所望の展開形状に打ち抜くと同時に所望の記号を型押しするシート材の抜き型及び押し型固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、特許文献1に示すように、シート材を所望の展開形状に打ち抜くと同時に打ち抜かれるシート材に、例えば社章や点字、識別記号等の各種記号を型押しする押し型を備えた抜き型を提案した。
【0003】
即ち、特許文献1の抜き型は、シート材を所望の形状に型抜きする切り刃を設けた取付け盤に、シート材に所望のマークを型押しする一対の押し型の一方を固定し、かつ他方を一方の押し型に対して切り離し可能に仮止めすると共に型受け台に対して固定可能にしたことを特徴としている。
【0004】
しかし、特許文献1に示す抜き型にあっては、型押しされる押し型を交換する際には、取付け盤から一方の押し型を取外した後に、新たな一方の押し型を固着しなければならず、その交換作業に時間と手間がかかる問題を有している。
【0005】
また、シート材型抜き装置の固定側定盤に対して他方の押し型を固着させるには、シート材の型抜き作業に先立って、切り刃や罫線刃が取付けられる取付け盤に対し、押し型の一方を構成する雌押し型を高い位置精度で固着した後に、該雌押し型に対し、下面に両面テープ等の粘着材が設けられた雄押し型を、突部(コア)と凹部(キャビィティ)を高い精度で一致させて仮止めする必要があるが、この仮止め作業に手間と時間がかかり、作業性が悪い問題を有している。
【特許文献1】特開2003−1595公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、各種の押し型を交換する際に、手間と時間がかかり、作業性が悪い点にある。抜き型に雌押し型と雄押し型からなる一対の押し型を取付ける際に、押し型相互を高い位置精度で位置決めして取付けるのに手間と時間がかかって作業性が悪い点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1は、取付け盤にシート材を所望の形状に切抜きする型抜き刃及び切抜かれるシート材の製品に所望の記号を型押しする少なくとも一方の押し型が取付けられたシート材の抜き型において、取付け盤に設けられた開口部に対して着脱可能に挿嵌される型取付け台と、型取付け台に固着される一方の押し型及び該一方の押し型に仮止可能な他方の押し型と、取付け盤に設けられ、該取付け盤に挿嵌された型取付け台の一部に係止して抜け出しを規制する係止部材とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2は、取付け盤にシート材を所望の形状に切抜きする型抜き刃が取付けられたシート材の抜き型において、該取付け盤の開口部に着脱可能に挿嵌され、端部に被係止部を有した押し型の取付け平面部が形成された型取付け台と、型取付け台の被係止部に出没可能に挿入される少なくとも2本の位置決め軸と、型取付け台に対し、挿入される位置決め軸により位置決めされた状態で固着される一方の押し型と、一方の押し型と反対の面に粘着材が設けられ、該一方の押し型に対し、挿入される位置決め軸により位置決めされた状態で仮止可能な他方の押し型と、被係止部に係止して取付け盤から型取付け台が抜け出すのを規制すると共に被係止部内に没入した位置決め軸の突出を規制する係止部材とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項8は、取付け盤にシート材を所望の形状に切抜きする型抜き刃及び切抜かれるシート材の製品に所望の記号を型押しする押し型が取付けられたシート材の抜き型において、取付け盤の開口部に対し、固定側定盤に相対する面に一方の押し型が固着された型取付け台を着脱可能に挿嵌して押し型の交換を可能にすると共に取付け盤に移動可能に支持された係止部材を型取付け台に係止して抜け出しを規制することを特徴とする。
【0010】
請求項9は、取付け盤にシート材を所望の形状に切抜きする型抜き刃及び切抜かれるシート材の製品に所望の記号を型押しする押し型が取付けられたシート材の抜き型において、取付け盤の開口部に着脱可能に取付けられる型取付け台の被係止部に設けられた位置決め軸に一方の押し型を挿嵌した位置決め状態で型取付け台に固着し、該一方の押し型に対して位置決め軸に他方の押し型を挿嵌して位置決め状態で仮止めして取付けると共に取付け盤の開口部に挿嵌された型取付け台の被係止部及び該被係止部に没入した位置決め軸に対して取付け盤に支持された係止部材を係止して取付け盤から型取付け台の抜け出しを規制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、各種の押し型の交換を、簡易な作業で、短時間に行うことができる。抜き型に押し型を取付ける際に、被係止部に設けられた位置決め軸にそれぞれの押し型に設けられた孔を挿嵌することにより高い精度で位置決めして取付けることができ、取付け作業を短時間で、且つ効率的に行うことができる。シート材の型抜き作業時においては、取付け盤から型取付け台や、該型取付け台に対して押し型を位置決めするための位置決め軸が脱落するのを防止して型抜く作業を安全に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、他方の押し型が仮止めされた一方の押し型が固着された型取付け台を、取付け盤に設けられた開口部に対して着脱可能に挿嵌すると共に係止部材を型取付け台に係止してシート材の型抜き時に型取付け台が脱落するのを規制することを最良の形態とする。
【実施例1】
【0013】
以下に実施形態を示す図に従って本発明を説明する。
本実施例は、請求項2及び請求項9に対応し、図1〜図3において、本発明に係る抜き型1は、シート材型抜き装置(図示せず)において昇降駆動されるスライダー(図示せず)の下面に取付けられ、スライダーを固定側定盤3に向って下降駆動した際に、固定側定盤3上に供給されたシート材(図示せず)から所望の展開形状からなる製品(図示せず)を型抜きする。
【0014】
抜き型1の取付け盤7は、例えばベニヤ合板等の木質板材からなり、その下面(図1に示す上面)にはシート材から製品を打ち抜く型抜き刃9が、製品の外形状に一致して取付けられている。また、型抜き刃9内に位置する取付け盤7には、罫線刃11が製品の折り目箇所に一致して取付けられている。
【0015】
また、取付け盤7における型抜き刃9内の適宜箇所には開口部7aが形成され、該開口部7a内には押し型17を取付けるための型取付け台13が着脱可能に挿嵌されている。該型取付け台13は、例えば硬質樹脂材、木質材または金属材からなり、その下部は両側が所要の幅で切欠かれた段差状の被係止部13aを有し、型抜き刃9の刃高にほぼ一致する高さで、下面に後述する押し型17が取付けられる取付け平面部13bが形成される。
【0016】
型取付け台13の各被係止部13aには、上下方向に軸線を有した軸孔13cがそれぞれ形成されている。そして各軸孔13cには位置決め軸としての位置決めピン15がそれぞれ出没可能に挿嵌されている。各位置決めピン15は、その軸下端が取付け平面部13bより若干下方へ突出した状態において軸上部が軸孔13cに挿嵌された状態を保たれると共に軸孔13c内に没入された際に、軸上端が取付け平面部13bから突出しない軸線長さに設定される。
【0017】
上記した位置決めピン15は、それぞれの被係止部13aの非対称位置に設けられた軸孔13cに挿嵌される少なくとも2本であればよいが、例えば一方の被係止部13aに2本、他方の被係止部13aに1本の計3本以上が望ましい。
【0018】
上記型取付け台13における取付け平面部13bの下面には、押し型17を構成する一方の雌押し型19が、例えば両面テープや接着剤等により固着されている。雌押し型19は、例えばステンレス等の金属板やPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂板からなり、その下面には型押しされる社標や点字、識別記号等の各種記号に一致する凹部(キャビィティー)19aが形成される。また、雌押し型19の両端部には位置決め部としての位置決め板19bがそれぞれ水平方向へ延出し、かつ取付け平面部13bの両端で切離可能に一体形成されている。そして各位置決め板19bには上記した位置決めピン15が挿入される孔19cが形成されている。
【0019】
尚、雌押し型19において位置決め板19bは、境界箇所に肉薄部19dやミシン目(図示せず)を形成して切離可能にする構成であればよい。
【0020】
取付け平面部13bの下面に雌押し型19を固着する際、位置決めピン15の軸下部を位置決め板19bの孔19cに挿入した状態で、雌押し型19を取付け平面部13bに固着することにより取付け平面部13bに対して雌押し型19を位置決めした状態で固定させる。
【0021】
また、雌押し型19の下面には押し型17の他方を構成する雄押し型21が仮止めされる。該雄押し型21は、例えばステンレス等の金属板からなり、その上面には型押しされる各種記号に一致する突部(コア)21aが形成される。雌押し型19の位置決め板19bに相対する雄押し型21の両端部には雌押し型19の孔19cを挿通した位置決めピン15の軸下部が挿通される孔21bがそれぞれ形成される。上記孔19c・21bは雌押し型19の各凹部19aと、これに相対する突部21aが一致するように、それぞれの中心軸線を一致させて形成される。
【0022】
更に、雄押し型21の下面には、例えば両面テープ等の粘着材23がほぼ全体にわたって取付けられている。該粘着材23の粘着面には、剥離紙25が取付けられて非粘着状態になっている。
【0023】
雌押し型19に対して雄押し型21を仮止めする際に、孔19cを挿通して突出する位置決めピン15を孔21b内に挿嵌した際の摩擦力により抜け出しを規制して仮止めするものとしたが、雌押し型19と雄押し型21の間に両面テープ等の粘着材や、ホットメルト(熱可塑性樹脂接着剤)をスポット状に介在させ、粘着材23の粘着力より弱い粘着力で仮止めする構成であってもよい。
【0024】
型取付け台13の各角部に応じた取付け盤7には係止部材27が、被係止部13aに対して係止可能にそれぞれ取付けられている。各係止部材27は、先端部に係止部27aを、また基端部側に長孔27bを有し、長孔27b内に抜け止めされた状態で摺接するように挿入されたネジ29を取付け盤7にネジ止めして後述する係止位置と非係止位置との間で移動される。
【0025】
即ち、各係止部材27は、係止部27aが型取付け台13の被係止部13aに係止して取付け盤7から型取付け台13が、また軸孔13c内に没入した位置決めピン15の下端面に係止して位置決めピン15が抜け出して脱落するのを規制する係止位置と、係止部27aが型取付け台13の被係止部13aから離間した非係止位置の間でスライド可能に支持され、少なくとも係止位置に移動した際にはネジ29によりネジ止めして固定される。
【0026】
次に、抜き型1に押し型17を取付ける際の作用及び方法を説明する。
先ず、型取付け台13の軸孔13cに挿嵌された位置決めピン15を、その突出側軸端が取付け平面部13bより若干突出する位置に移動させる。この状態にて取付け平面部13bに対して雌押し型19を、各位置決め板19bの孔19cに突出した位置決めピン15の軸端を挿嵌した状態で、両面テープや接着剤により固着させる。このとき、雌押し型19は孔19cに対する位置決めピン15の挿嵌により型取付け台13に対して位置決めされた状態で固定される。(図4参照)
【0027】
次に、上記状態にて型取付け台13の取付け平面部13bに固着された雌押し型19に対して雄押し型21を、孔19c内に挿嵌された各位置決めピン15の軸端が孔21b内に挿嵌して重ね合せる。このとき、雄押し型21は各孔21bに対するそれぞれの位置決めピン15の挿嵌により雌押し型19に対して位置決めされ、凹部19aに対して突部21aを一致させる。また、雄押し型21の孔21b内に挿嵌された位置決めピン15との摩擦力により抜け出しを規制して雌押し型19に雄押し型21を仮止めさせる。(図5参照)
【0028】
尚、孔21b内における位置決めピン15の摩擦力が弱く、位置決めピン15から雄押し型21が抜け出し易い場合には、雌押し型19及び雄押し型21の間に両面テープ又はホットメルトを点着して雌押し型19に対して雄押し型21を、粘着材23による粘着力より弱い粘着力(接着力)で仮止めしてもよい。
【0029】
また、型取付け台13に雌押し型19及び雄押し型21を取付ける態様としては、取付け盤7の開口部7a内に型取付け台13を挿嵌した後に、該型取付け台13に押し型17を取付ける態様、型取付け台13に押し型17を取付けた後に、該型取付け台13を取付け盤7の開口部7a内に型取付け台13を挿嵌して取付ける態様のいずれであってもよい。
【0030】
次に、シート材の型抜き作業に先立って、雌押し型19及び雄押し型21が取付けられた抜き型1をスライダーの下面に固定すると共に雄押し型21下面の粘着材23から剥離紙25を剥した後に、該スライダーを下降駆動して型抜き刃9の刃先を、固定側定盤3の上面に対して可及的に近接する最下点に移動させる。このとき、固定側定盤3の上面に対して雌押し型19に仮止めされた雄押し型21が押付けられて粘着材23の粘着力により固着される。(図6参照)
【0031】
次に、スライダーを上昇駆動すると、図7に示すように、固定定盤3上面に固着された雄押し型21の孔21bから位置決めピン15を抜け出させて分離し、固定側定盤3の上面に雄押し型21を残した状態で抜き型1を上昇させる。そして上方に移動した抜き型1の型取付け台13に固着された雌押し型19の位置決め板19bを取付け平面部13bの両端に位置する肉薄部19dで切離すと共に各位置決めピン15を、その軸下端が被係止部13aの下面にほぼ一致するように軸孔13c内に没入させる。(図8参照)
【0032】
次に、非係止位置に移動していた各係止板27を、係止部27aが被係止部13aの下面及び軸孔13c内に没入した各位置決めピン15の軸下端面にそれぞれ係止する位置へ移動させた後、ネジ29をネジ締めして固定させる。これによりスライダーを昇降駆動してシート材から製品を型抜きする際に作用する振動により取付け盤7から型取付け台13が、また軸孔13cから位置決めピン15が抜け出すのを規制する。(図9参照)
【0033】
本実施例は、型取付け台13の軸孔13cに挿嵌された各位置決めピン15に対して雌押し型19及び雄押し型21の各孔19c・21bを挿嵌させることにより雌押し型19と雄押し型21を位置決めした状態で取付けることができ、両型19・21を高い精度で位置決めして仮止めすることができる。
【0034】
また、固定側定盤3の上面に雄押し型21を固着させた後においては、各位置決めピン15が不要になるが、該位置決めピン15を軸孔13c内に没入させることにより型抜き作業時に位置決めピン15がシート材に押し当たって傷付けたり、余分な押し跡が形成されるのを防止し、シート材から製品を高品質に型抜きすることができる。
【0035】
同様に、雌押し型19に仮止めされた雄押し型21を固定側定盤3の定面に固着した後においては、雌押し型19の両側に設けられた位置決め板19bは、型抜き作業時においては、シート材の表面に傷を付ける恐れがあり、不要である。このため、型抜き作業を開始する前に、該位置決め板19bを切り離して除去し、シート材が傷付くのを防止し、シート材から製品を高品質に型抜きすることができる。
【0036】
更に、シート材の型抜き作業時においては、スライダーの昇降及びシート材に対する型抜き刃9の衝突時に発生する振動により取付け盤7から型取付け台13が、また被係止部13aから位置決めピン15が脱落して型抜き作業の障害になる恐れがあるが、係止部材27により型取付け台13及び位置決めピン15の抜け出しを防止し、シート材の型抜き作業を安全に行うことができる。
【実施例2】
【0037】
本実施例は、請求項1及び請求項8に対応し、型押しされる記号等の押し型17を変更する際の交換作業を簡易、且つ短時間に行うことを可能にする抜き型51に関する。
図10及び図11において、抜き型51の取付け盤7に形成された開口部7aには、型取付け台13が着脱可能に挿嵌される。該型取付け台13は両側に被係止部13aを有した取付け平面部13bが形成されている。該被係止部13aは、その上面が取付け盤7の下面に一致するように形成されると共に取付け平面部13bは取付け盤7に設けられた型抜き刃9の刃高にほぼ一致する高さになるように形成される。
【0038】
そして取付け平面部13bの下面には押し型17の一方である雌押し型19が、予め位置合わせした状態で固着されている。また、雌押し型19には、雄押し型21が、雌押し型19の凹部19aと雄押し型21の突部21aとが一致した状態で、例えばスポット状に設けられた両面テープ等の粘着材やホットメルト等の接着剤により仮止めされている。この型取付け台13は、異なる種類の押し型17毎に予め用意されている。
【0039】
また、開口部7aの各角部に応じた取付け盤7には係止部材27がそれぞれ設けられている。各係止部材27は、係止部27aが、被係止部13aに係止する係止位置と被係止部13aから離間した被係止位置との間で移動可能に支持され、係止位置へ移動された際には、ネジ29により固定される。
尚、実施例1と同一の部材に付いては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
本実施例は、製品の型押しされる記号に応じて予め雌押し型19及びこれに雄押し型21が仮止めされて用意された型取付け台13を、取付け盤7の開口部7aに挿嵌した後に、係止部材27の係止部27aを被係止部13aに係止して取付け盤7から型取付け台13が抜け出すのを規制する。(図12参照)
【0041】
このため、本実施例は、取付け盤7に対する押し型17の交換作業を簡易、且つ短時間に行うことができ、作業性に優れている。また、取付け盤7に取付けられた型取付け台13にあっては、型抜き作業時においては、係止部材27により取付け盤7からの抜け出しが規制されるため、型抜き作業中に取付け盤7から外れる恐れがなく、型抜き作業を安全に行うことができる。
【0042】
本発明は、以下のように変更実施することができる。
1.実施例1にあっては、固定側定盤3の上面に雄押し型21を固着させた後に、型取付け台13に固着された雌押し型19の位置決め板19bを切離す構成としたが、図13に示すように位置決め板19bの上面に、予め両面テープ等の粘着剤を設けておき、位置決め板19bを切り離す代わりに折り曲げて取付け平面部13bの段差側面に粘着する構成であってもよい。
また、位置決め板19bを折り曲げて取付け平面部13bを段差側面に粘着して固定する代わりに、位置決め板19bを段差側面に沿うように折り曲げた後に、被係止部13aに係止する係止部材27を押当てて折曲げ状態を保つように構成してもよい。
【0043】
2.上記説明は、係止部材27を、長孔27bに沿って移動して被係止部13aに係止する構成としたが、図14に示すように開口部7aの側方に応じた取付け盤7に取付けられた2本のネジ81により支持された係止板83を、被係止部13aに向かって移動して係止して取付け盤7に型取付け台13を抜止めする構成、図15に示すように開口部7aの側縁に応じた取付け盤7にネジ止めされたネジ85に、一端部に係止部87a、他端部に操作部87bを有してL字形の係止アーム87を回動可能及び移動可能に支持し、係止部87aを被係止部13aに係止して取付け盤7に型取付け台13を抜止めして固定する構成であってもよい。
【0044】
3.スライダーに抜き型1・51を取付ける際には、該抜き型1・51の型取付け台13に雌押し型19を固着すると共に該雌押し型19に対して位置決めした状態で雄押し型21を仮止めする構成としたが、本発明においては、型取付け台13に固着された雌押し型19に対して雄押し型21を予め位置決めした状態で仮止めしておくことは、必須の構成ではなく、スライダーに抜き型1・51を取付ける際に、型取付け台13の雌押し型19に対して雄押し型21を位置決めした状態で仮止めする構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1に係る抜き型を、型抜き刃側を上方に向けた状態を示す全体斜視図である。
【図2】上部型取付け盤に対する押し型の取付け状態を示す分解斜視図である。
【図3】図1A−Aの中央縦断面図である。
【図4】型取付け台に雌押し型を固着した状態を示す説明図である。
【図5】雌押し型に雄押し型を仮止めした状態を示す説明図である。
【図6】固定側定盤に雄押し型を固着する状態を示す説明図である。
【図7】雌押し型から雄押し型を分離させる状態を示す説明図である。
【図8】位置決めピンを没入させる状態を示す説明図である。
【図9】型取付け台の係止状態を示す説明図である。
【図10】実施例2に係る抜き型を、型抜き刃側を上方に向けた状態を示す説明図である。
【図11】抜き型の分解斜視図である。
【図12】型取付け台の交換状態を示す説明図である。
【図13】変更実施例を示す説明図である。
【図14】変更実施例を示す説明図である。
【図15】変更実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1 抜き型
3 固定側定盤
7 取付け盤
9 型抜き刃
13 型取付け台
13a 被係止部
15 位置決め軸としての位置決めピン
17 押し型
19 一方の押し型としての雌押し型
19a 凹部
19b 位置決め部としての位置決め板
19c 孔
21 他方の押し型としての雄押し型
21a 突部
21b 孔
23 粘着材
27 係止部材
【出願人】 【識別番号】596015516
【氏名又は名称】冨田 昌嗣
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100081466
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 研一


【公開番号】 特開2008−44027(P2008−44027A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−219310(P2006−219310)