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【発明の名称】 穿孔装置及びこれを備えた画像形成装置に於ける後処理装置
【発明者】 【氏名】馬場 健次

【要約】 【課題】複数のパンチ部材を所定ストロークで往復動するスライドカムなどの伝動部材で複数の作動グループを切換える際に、この切換え動作時間を短時間で高速に行うことが出来る穿孔装置を提供する。

【構成】駆動モータによって所定ストロークで左限位置と右限位置の間を往復動する伝動部材50と、この伝動部材の移動で第1、第2グループに区分けされた複数のパンチ部材を上下動するカム手段を設け、このカム手段は上記伝動部材を左限位置と右限位置の中間位置を基点(ホーム位置)として駆動モータの一方向回転で第1グループのパンチ部材を作動し、反対方向回転で第2グループのパンチ部材を作動するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを載置する紙載台と、
上記紙載台の上方に所定間隔で上下動自在に配置された複数のパンチ部材と、
上記パンチ部材を上下動する駆動手段と、を備え、
上記駆動手段は、
所定ストロークで左限位置と右限位置の間を往復動する伝動部材と、
この伝動部材の往復動で上記パンチ部材を上下動するカム手段と、
上記伝動部材を往復動する正逆転可能な駆動モータと、
この駆動モータを制御する制御手段と、
で構成され、
上記複数のパンチ部材は、少なくとも第1、第2グループに区分けされ、
上記カム手段は、上記伝動部材が上記左限位置と右限位置の中間位置を基点に上記駆動モータの一方向回転で上記第1グループのパンチ部材を、反対方向回転で上記第2グループのパンチ部材をそれぞれ上下動するように構成され、
上記制御手段は上記伝動部材を上記基点と右限との間を往復動することによって上記第1グループのパンチ部材を作動し、上記基点と左限位置との間を往復動することによって上記第2グループのパンチ部材を作動するように上記駆動モータを制御することを特徴とする穿孔装置。
【請求項2】
前記カム手段は、前記伝動部材と前記パンチ部材との間若しくは前記パンチ部材と装置フレームとの間に配置され、
前記伝動部材は、所定ストロークで直線的に往復動するスライド部材若しくは所定ストロークで往復回転する回転部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の穿孔装置。
【請求項3】
前記制御手段は前記シートの長さサイズに応じて前記第1グループのパンチ部材を作動するか前記第2グループのパンチ部材を作動するかを選定するパンチ設定手段を備え、このパンチ設定手段で設定された回転方向に前記駆動モータを回転制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の穿孔装置。
【請求項4】
前記伝動部材は前記左限位置と右限位置の中間に位置する基点を検出するホームポジションセンサを備え、
前記制御手段は一連のシートへの穿孔が終了したジョブ終了時、及び/又は装置起動時に上記伝動部材を上記基点位置に移動待機させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載の穿孔装置。
【請求項5】
シートを載置する紙載台と、
上記紙載台にシートを給排送するシート搬送手段と、
上記紙載台の上方に所定間隔で上下動自在に配置された複数のパンチ部材と、
上記パンチ部材を上下動するパンチ駆動手段と、
上記シート搬送手段と上記パンチ駆動手段とを制御する制御手段と、を備え、
上記パンチ駆動手段は、所定ストロークで往復動する伝動部材と、この伝動部材の往復動で上記パンチ部材を上下動するカム手段と、上記伝動部材を往復動する正逆転可能な駆動モータとで構成され、
上記カム手段は、上記伝動部材と上記パンチ部材との間若しくはパンチ部材と装置フレームとの間に、その一方にカム部材を他方にカムフォロア部材を配置して構成され、
上記制御手段は、(1)上記シート搬送手段で上記紙載台にシートを搬送セットする前に上記駆動モータを起動して上記カム部材の係合位置を予め設定した待機位置に先行して移動するか、若しくは(2)上記パンチ部材を下死点から上死点に復帰移動する際に上記駆動モータを逆転して上記カム部材の係合位置を予め設定した待機位置に後退して待機させることを特徴とする穿孔装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記駆動モータを回転して前記パンチ部材を下死点から上死点に移動した後、この駆動モータを所定量逆回転して前記カム部材の係合位置を予め設定した待機位置に後退して停止待機させることを特徴とする請求項5に記載の穿孔装置。
【請求項7】
前記カム部材の予め設定された待機位置は、前記パンチ部材が上死点と下死点との間に位置するように設定され、前記制御手段はこの待機位置から下死点に前記パンチ部材を移動することによって前記シートに穿孔することを特徴とする請求項5に記載の穿孔装置。
【請求項8】
前記駆動モータと前記伝動部材との間には該伝動部材の移動量を検出するエンコーダその他の移動量検出手段が設けられ、
上記移動量検出手段は上記伝動部材で前記パンチ部材を下死点から上死点に移動する際に前記前記カム部材の係合位置が予め設定された待機位置から停止位置までオーバランする移動量を検出し、
前記制御手段は上記オーバランした移動量に応じて前記カム部材の係合位置を上記待機位置に後退移動することを特徴とする請求項5に記載の穿孔装置。
【請求項9】
前記駆動モータはステッピングモータで構成され、
前記制御手段は、前記伝動部材で前記パンチ部材を下死点から上死点に移動する際に前記カム部材の係合位置が予め設定された待機位置から停止するまでのステップ数を計測するカウンタを備え、
上記制御手段は上記オーバランしたステップ数に応じて上記カム部材の係合位置を上記待機位置に後退移動することを特徴とする請求項5に記載の穿孔装置。
【請求項10】
前記駆動モータはDCモータで構成され、
前記制御手段は、上記駆動モータを前記パンチ部材が下死点から上死点に移動する速度に対して上死点から前記待機位置に後退移動させる速度を低速に設定し、この待機位置で上記駆動モータを停止することを特徴とする請求項5乃至9の何れかの項に記載の穿孔装置。
【請求項11】
画像形成装置からのシートに順次穿孔処理する処理トレイと、
上記処理トレイに配置された穿孔装置と、
上記処理トレイからのシートを積載収納する収納スタッカとを備え、
上記穿孔装置は請求項1乃至11の何れかの項に記載の構成を有していることを特徴とする画像形成装置に於ける後処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複写機、印刷機、プリンタなどの画像形成装置から搬出されるシートにパンチ穴を穿孔する穿孔装置及びこれをユニットとして内蔵した画像形成装置などの後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、紙などのシートにファイリング用のパンチ穴を穿孔する穿孔装置は事務機器として数枚のシートにパンチ部材を手動で押下して穿孔するものと、印刷機、複写機などから搬出されたシートに自動的に穿孔するものが知られている。前者はシートを挟んでフレーム部材に円柱状のパンチ部材を上下動自在に配置し、これを操作レバーで押し下げてシートを貫通させる装置として広く知られている。一方後者は順次搬出されるシートを所定の処理位置にセットし、これにパンチ部材を駆動モータで押下して穴あけする装置として種々の装置に組み込まれて使用されている。そしてこれらの装置ではシートに所定間隔で2箇所、3箇所若しくは4箇所に同時に穿孔処理し、これらの穴数および間隔は統一した規格が設定されている。
【0003】
そこで従来、後者の装置としては、例えば特許文献1に開示されている構造が知られている。同文献には、上部フレームと下部フレームが所定間隔で対向配置され、その間に穿孔するシートをセットするように構成され、この上部フレームには複数のパンチ部材が上下動自在に支持され、下部フレームには各パンチ部材と適合するダイ(刃受孔)が形成されている。そしてこの複数のパンチ部材は所定ストロークで往復動するスライドカム板に形成されたV溝カムに係合され、駆動モータでスライドカムを移動することによって各パンチ部材に穿孔動作をさせている。同様に特許文献2には上記と同様の構成のパンチ部材を偏心カムによって上下動させることによって穿孔動作を行う構造が提案されている。
【0004】
このように複数列状に配置したパンチ部材を、直線運動するスライドカム、或いは回転動する偏心カムで上下動させる構成は広く知られ、この複数のパンチ部材をスライドカムの左右移動方向又は偏心カムの回転方向で2穴或いは3穴若しくは4穴など穴位置と穴間隔を選択することも同文献2に開示されている。そして上記スライドカム或いは偏心カムには駆動モータが連結され、この駆動モータの回転制御によってパンチ部材を上死点から下死点に移動制御している。また、同文献には開示されていないが駆動モータの制御は一般的にDCモータを用いる場合には電機ブレーキで停止位置を制御し、ステッピングモータは電源パルス制御によって停止位置を制御している。
【0005】
そこで特許文献3には上記文献1と同様に複数のパンチ部材をスライドカム板で上下動する構成において、このスライドカム板を第1起動位置、第1パンチ動作位置、第2パンチ動作位置、第2起動位置の順に位置検出し、第1、第2のパンチ動作が選択された際に、穿孔前の初期化動作でこのカム板を選択されたパンチ動作に応じた起動位置に移動する制御構成が開示されている。また、特許文献4には上記文献2と同様の構成でパンチ部材を上死点から下死点に移動する際にシートを穿孔位置にセットする前にパンチ部材を起動する制御構成が開示されている。
【特許文献1】特開2001−9791号公報(図6乃至図8)セーコウ
【特許文献2】特開2001−26370号公報(図5)キヤノンアプテックス
【特許文献3】特許第3684166号公報 キヤノン
【特許文献4】特開2000−334694号公報 日立金属
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように複数のパンチ部材を第1第2グループに区分して選択的にカム手段で穿孔方向に作動する際に、従来は前掲特許文献3のように左右に往復動するスライドカム板にその左限側に第1待機位置を右限側に第2待機位置を設け、この2つのホームポジションを基準にスライドカム板を移動することによって第1、第2グループのパンチ部材を選択的に作動させている。このため、連続して搬出されるシートに第1グループのパンチ部材を作動させ、後続する次シートに第2グループのパンチ部材を作動させる場合にはシートが紙載台(ダイプレート)に給配送される間にホーム位置を移動させなければならず高速に給排送されるシートに連続して穿孔する場合には適さない。同時にまた2つのホーム位置で互いに位置ズレが生じることがある。例えば右限側のホーム位置にカム板を移動するときと左限側のホーム位置にカム板を移動するときにはバックラッシュなどによって位置ズレが起きる。この位置ズレはシートへの穿孔タイミングの遅れをもたらすため高速に穿孔処理することができない。これはバックラッシュなどによって穿孔タイミングが遅れるとシートを搬出するタイミングと合わないため、穿孔時間を遅く設定しなければジャムを誘発する。
【0007】
また、前掲特許文献4にはシートをダイプレートにセットする前にパンチ部材を起動させる制御機構が開示されているが、パンチ部材を駆動する偏心カムの回転軸をエンコーダで検出してパンチ部材を先行起動するため偏心カムとパンチ部材とは軸連結して互いに移動しない構成が開示されているのみである。これと同時に第1第2グループのパンチ部材を選択的に作動することは何等開示されていない。これは、複数の偏心カムに複数のパンチ部材を軸連結し、このカム軸の回転方向を正逆転することによって第1第2グループのパンチ部材を選択的に作動することは不可能に近いことである。
【0008】
従って、従来の複数のパンチ部材を第1第2グループに区分けして所定ストロークで往復動するスライドカムなどの伝動部材で各グループのパンチ部材の作動を切換える際に、伝動部材とパンチ部材との係合位置を適格にコントロールして切換え動作時間とそれぞれのパンチ動作時間の両者を高速、短時間に実行することの可能な穿孔機構はいずれの特許文献にも開示されていない。
【0009】
そこで本発明は複数のパンチ部材を所定ストロークで往復動するスライドカムなどの伝動部材で複数の作動グループを切換える際に、この切換え動作時間を短時間で高速に行うことが出来る穿孔装置の提供をその第1の課題としている。
更に本発明はパンチ部材を上死点と下死点との間で往復動するパンチ動作を連続して給排送されるシートに対して高速・短時間に穿孔処理することが可能な穿孔装置の提供を第2の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用する。まず上記第1の課題を達成するため本発明は、駆動モータによって所定ストロークで左限位置と右限位置の間を往復動する伝動部材と、この伝動部材の移動で第1、第2グループに区分けされた複数のパンチ部材を上下動するカム手段を設け、このカム手段は上記伝動部材を左限位置と右限位置の中間位置を基点(ホーム位置)として駆動モータの一方向回転で第1グループのパンチ部材を作動し、反対方向回転で第2グループのパンチ部材を作動するように構成する。
【0011】
次に上記第2の課題を達成するため本発明は、所定ストロークで往復動するスライドカムなどの伝動部材とパンチ部材との間若しくはパンチ部材と装置フレートの間にこのパンチ部材が上死点と下死点との間で上下動するように一方にカム部材を他方にカムフォロア部材を設けて係合し、(1)シート搬送手段で紙載台にシートを搬送セットする前に駆動モータを起動してカム部材の係合位置を予め設定した待機位置に先行して移動するか、若しくは(2)パンチ部材を下死点から上死点に復帰移動する際に駆動モータを逆転してカム部材の係合位置を予め設定した待機位置に後退して待機させるように構成する。
【0012】
シートを載置する紙載台と、この紙載台の上方に所定間隔で上下動自在に配置された複数のパンチ部材と、上記パンチ部材を上下動する駆動手段とを備える。そして上記駆動手段は、所定ストロークで左限位置と右限位置の間を往復動する伝動部材と、この伝動部材に移動で上記パンチ部材を上下動するカム手段と、上記伝動部材を往復動する正逆転可能な駆動モータと、この駆動モータを制御する制御手段と、で構成する。また上記複数のパンチ部材は、少なくとも第1、第2グループに区分けする。そして上記カム手段は上記伝動部材が左限位置と右限位置の中間位置を基点に上記駆動モータの一方向回転で上記第1グループのパンチ部材を、反対方向回転で上記第2グループのパンチ部材を上下動するように構成する。上記制御手段は上記伝動部材を上記基点と右限との間を往復動することによって上記第1グループのパンチ部材を作動し、上記基点と左限位置との間を往復動することによって上記第2グループのパンチ部材を作動するように上記駆動モータを制御する。
【0013】
また前記カム手段は、前記伝動部材とパンチ部材との間又はパンチ部材と装置フレームとの間に配置する。そして前記伝動部材は、所定ストロークで直線的に往復動するスライド部材若しくは所定ストロークで往復回転する回転部材で構成する。
【0014】
また前記制御手段は、前記シートの長さサイズに応じて前記第1グループのパンチ部材を作動するか前記第2グループのパンチ部材を作動するかを選定するパンチ設定手段を備え、このパンチ設定手段で設定された回転方向に前記駆動モータを回転制御する。
【0015】
また前記伝動部材は、前記左限位置と右限位置の中間に位置する基点を検出するホームポジションセンサを備え、前記制御手段は一連のシートへの穿孔が終了したジョブ終了時、及び/又は装置起動時に上記伝動部材を上記基点位置に移動して待機させる。
【0016】
シートを載置する紙載台と、上記紙載台にシートを給排送するシート搬送手段と、上記紙載台の上方に所定間隔で上下動自在に配置された複数のパンチ部材と、上記パンチ部材を上下動するパンチ駆動手段と、上記シート搬送手段と上記パンチ駆動手段とを制御する制御手段とを備える。そして上記パンチ駆動手段は、所定ストロークで往復動する伝動部材と、この伝動部材を往復動する正逆転可能な駆動モータとで構成する。上記伝動部材と上記パンチ部材との間若しくは上記パンチ部材と装置フレームとの間には、このパンチ部材を上死点と下死点との間で上下動するように一方にカム部材を他方にカムフォロア部材を設ける。
上記制御手段は、(1)上記シート搬送手段で上記紙載台にシートを搬送セットする前に上記駆動モータを起動して上記カム部材の係合位置を予め設定した待機位置に先行して移動するか、若しくは(2)上記パンチ部材を下死点から上死点に復帰移動する際に上記駆動モータを逆転して上記カム部材の係合位置を予め設定した待機位置に後退して待機させる。
【0017】
前記制御手段は、前記駆動モータを回転して前記パンチ部材を下死点から上死点に移動する過程で前記シートを紙載台から搬出し、この駆動モータを所定量逆回転して前記カム部材の係合位置を予め設定した待機位置に後退して待機させ、次シートを上記紙載台に給送する。
【0018】
前記カム部材の予め設定された待機位置は、前記パンチ部材が上死点と下死点との間に位置するように設定され、前記制御手段はこの設定位置から下死点に前記パンチ部材を移動することによって前記シートに穿孔する。
【0019】
前記駆動モータと前記伝動部材との間には該伝動部材の移動量を検出するエンコーダその他の移動量検出手段を設ける。そしてこの移動量検出手段は上記伝動部材で前記パンチ部材を下死点から上死点に移動する際に前記前記カム部材の係合位置が予め設定された待機位置からオーバランする移動量を検出し、前記制御手段はこのオーバランした移動量に応じて前記カム部材の係合位置を予め設定された待機位置に移動する。
【0020】
前記駆動モータをステッピングモータで構成する場合は、前記制御手段は、前記伝動部材で前記パンチ部材を下死点から上死点に移動する際に前記カム部材の係合位置が予め設定された待機位置からオーバランして停止する間のパルス数を計測するカウンタを備える。そして上記制御手段は上記オーバランしたパルス数に応じて上記カム部材の係合位置を予め設定された待機位置に移動する。
【0021】
前記駆動モータをDCモータで構成する場合、前記制御手段は駆動モータをパンチ部材が下死点から上死点に移動する速度に対して上死点から前記待機位置に後退移動させる速度を低速となるように制御し、この待機位置で駆動モータを停止してパンチ部材をこの位置に待機させ、次シートを紙載台に給送セットした後、このパンチ部材を下死点に向けて移動する。
更に本発明に係わる後処理装置は、画像形成装置からのシートに順次穿孔処理する処理トレイと、上記処理トレイに配置された穿孔装置と、上記処理トレイからのシートを積載収納する収納スタッカとを備える。そして上記穿孔装置は上述の構成を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明は駆動モータによって所定ストロークで往復動する伝動部材と第1、第2グループに区分けされた複数のパンチ部材をカム手段で互いに係合し、この伝動部材を左限位置と右限位置の中間位置を基点(ホーム位置)として駆動モータの一方向回転で第1グループのパンチ部材を作動し、反対方向回転で第2グループのパンチ部材を作動するようにしたものであるから、基点である中間位置に位置する伝動部材を駆動モータの回転方向を制御することによって作動するパンチ部材を切換えることが出来、伝動部材の位置を移動することなく瞬時に2穴4穴などの選択されたパンチ部材を作動することが出来る。従って連続して給送されるシートに異なるパンチ孔を形成する場合に時間を要せず高速にパンチ処理を実行することが可能となる。
【0023】
また、本発明は所定ストロークで往復動する伝動部材とパンチ部材とをカム部材で係合し、シート搬送手段で紙載台にシートを搬送セットする前にカム部材の係合位置を予め設定した待機位置に先行して移動するか、若しくはパンチ部材を上死点に復帰移動する際に駆動モータを逆転してカム部材の係合位置を予め設定した待機位置に後退して待機させるようにしたものであるから、カム部材を上死点側に移動する際にカムの係合位置がオーバランするなど位置ズレが生じても、この係合位置を所定の待機位置に位置補正することとなり、常に好適なタイミングでシートを穿孔することが可能である。特に待機位置を上死点と下死点との間に設定することによって穿孔処理の高速化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下図示の実施の態様に基づいて本発明を詳述する。図1は本発明に係わる穿孔装置の全体構成を示す説明図であり、図2はその要部の断面図、図3(a)はパンチ部材の斜視図であり、同図(b)は傾斜カムの形状説明図である。図4は図1の装置に於ける穿孔状態を示す動作状態説明図である。
【0025】
まず本発明に係わる穿孔装置Aについて説明すると、図1に示すように被穿孔シートS(以下単に「シート」という)に応じた長さ寸法のベースフレーム(以下「上部フレーム」という)30と、この上部フレーム30との間にシートをセットする間隔Sdを有する下部フレーム35と、上部フレーム30に取り付けられたパンチ部材40と、下部フレーム(ダイプレート)35に設けられた刃受孔38とから構成される。上記パンチ部材40は通常の円柱形状に構成され、その先端に穿孔刃41が設けてある。このパンチ部材40は上部フレーム30に所定の規格(ファイル穴規格)に応じた間隔で、2穴、3穴、4穴など、図示のものは4箇所に第1パンチ部材40a、第2パンチ部材40b、第3パンチ部材40c、第4パンチ部材40dが配置されている。特に本発明は、この第1、第2、第3、第4パンチ部材40a乃至40dで第1グループを構成し、4穴のパンチ孔を穿孔する。また、第2、第3パンチ部材40b、40cが第2グループを構成し、2穴のパンチ孔を穿孔する。このようにパンチ部材40は、パンチ孔の規格に応じて少なくとも2つのグループに区分けされる。このグループ分けは、2穴/4穴に限らず、2穴/3穴或いは2穴/5穴などに区分けられる。以下2穴/4穴のパンチ部材40についてその構成を例示的に説明する。
【0026】
上記各パンチ部材40a〜40dは同一構造で構成されているので以下その1つについて説明する。上記上部フレーム30は図2に示すように断面コ字状のチャンネル部材で構成され、上下に対向する上ガイド31と下ガイド32にガイド孔31a、32aが設けられている。パンチ部材40はこのカイド孔31aに上部軸部42aが、ガイド孔32aに下部軸部42bが嵌合支持されている。従ってパンチ部材40は上部フレーム30に図2上下方向(穿孔方向)に摺動自在に支持されている。
【0027】
また、上記下部フレーム35にはパンチ部材40先端の穿孔刃41に適合する刃受孔38が設けられている。この刃受孔38の口径Dは穿孔刃41の口径dに対し少許の間隙(ギャップ)を形成するようにD=d+α(αはギャップ)の関係にしてある。そして下部フレーム35の上表面はガイド板37(以下ダイプレートという)が重ね合せてあり、このダイプレート37が紙載台を形成し、後述するシート搬送手段26b(図11(b))によってシートを穿孔位置に案内して載置セットする。
【0028】
そこで上記パンチ部材40にはカム手段(図示のものは円筒カム44)が一体に設けてあり、この円筒カム44の外周には傾斜カム面45θを有するカム溝45が形成してある。この円筒カム44で構成したカム手段は後述するようにパンチ部材40に作用する駆動力をスラスト方向とラジアル方向に運動変換する。一方前記上部フレーム30にはこのカム溝45と係合するカムフォロア部材33が固定してあり、カム溝を備えたパンチ部材40を上下スラスト方向に運動させる。図示のカムフォロア部材33は、台座部33aとガイド軸部33bとカム係合部(以下リードピンという)33cとを備え、前記ガイド孔31a、32aと所定の位置関係となるように上部フレーム30に形成した取付け孔に嵌合し台座部33aをビスなどで固定する。そしてガイド軸部33bは後述するスライド部材50をガイドし、リードピン33cは上記カム溝45と係合するピン形状に構成されている。従ってパンチ部材40は上部フレーム30に上下摺動自在に支持され、これに設けたリードピン33cにカム溝45が係合保持される。このリードピン33cがカムフォロアを構成している。
【0029】
また、上記パンチ部材40には受動歯車46が一体に取り付けられている。この受動歯車46は駆動モータMに連結された伝動部材(後述のスライド部材50)に歯合される。このように構成されたパンチ部材40は、穿孔刃41及び上下軸部42a、42bを例えばSUS系鋼材のような研磨性の良い素材で構成する。この他鉄系金属或いはセラミックなどで形成しても良い。また、円筒カム44と受動歯車46とはPOM(ジュラコン樹脂)などの合成樹脂で成形することが加工性、静音性などから好ましが、特にその材質を特定するものではない。そしてパンチ部材40の穿孔刃41と円筒カム44と受動歯車46とを一体化する。この一体化はこれらの三者を一体的に回転させる為であり、成型時にインサート成形によって一体化するか或いは固定ビス、接着剤などで固定する。例えばパンチ部材40の軸部を断面非円形(角軸、Dカット軸など)に形成し、これに例えば樹脂で一体成形した円筒カム44と受動歯車46とを圧入して必要に応じて固定ビス、接着剤などで固定する。尚上記円筒カム44に形成したカム溝45の形状については後述する。
【0030】
また上記パンチ部材40の先端に設けられた穿孔刃41の形状は図6に示すように先端面が断面U字状、V字状など波状にカットされ、シートSと当接する端面は凹凸形状に形成されている。これはシートSを貫通する穿孔刃41を先鋭状に形成するのと同時にパンチ部材40をラジアル方向に回転させながら穿孔する際の剪断作用を大きくするためである。更に穿孔刃41の形状は図示しないが一端が先鋭状に尖った斜裁形状に構成することによって更に穿孔時の剪断作用を大きくすることが出来る。
【0031】
次に上部フレーム30には前述のパンチ部材を上下動させるために次の伝動部材が配置される。この伝動部材は所定ストロークで左右直線動するスライド部材(図6の構成)若しくは所定ストロークで往復動する駆動軸(図9の構成)が配置される。図1及び図6に示すスライド部材50は左右方向に移動自在に上部フレーム30に組み込まれ、ラック歯車51が形成され、このラック歯車51は上述のように上部フレーム30に複数(図示のものは4箇所)配置されたパンチ部材40a〜40dの各受動歯車46と噛合するようになっている。上記スライド部材50には駆動モータMが連結されている。前記上部フレーム30にはブラケット53で駆動モータMが取り付けてあり、その回転軸は減速歯車を介して駆動歯車G1に連結されている。そしてこの駆動歯車G1がスライド部材50のラック歯車51に歯合してある。従って駆動モータMの正逆転でスライド部材50は図1左右方向に移動することとなる。尚図示54はモータの回転軸に設けたエンコーダであり、Seはこれを検出するエンコードセンサであるがその作用は後述する。
【0032】
また、上記スライド部材50にはその位置を検出するポジションセンサが配置されている。図7(a)、(b)に示すようにスライド部材50には第1センサフラグ55a、55b、55cと、第2センサフラグ56が設けてあり、第1センサフラグ55a〜55cを第1ポジションセンサSp1が、第2センサフラグ56を第2ポジションセンサSp2と第3ポジションセンサSp3がそれぞれ位置検出するようになっている。この各ポジションセンサについては後述する。
【0033】
次に上述のように構成されたパンチ部材40のカム溝45について説明する。前述のように各パンチ部材40a〜40dに設けられた円筒カム44には図4に示すようなカム溝45が設けられている。同図(b)は円筒カムを平面状に展開した説明図であり、第1第4パンチ部材45a、45dには外周1箇所に1つの逆V字状溝カム(溝カムA)が、また第2第3パンチ部材45b、45cには外周2箇所に2つの逆V字状溝カム(溝カムAと溝カムB)が形成してある。
従って、第1乃至第4パンチ部材の外周90度位置にはそれぞれ逆V字状カム(溝カムA)が形成してあり、外周270度位置には第1、第4パンチ部材に逆V字状溝カム(溝カムB)が形成してある。そして中央180度位置が穿孔動作の基点HP(ホームポジション)に設定してあり、この基点HPと90度位置図示P1との間でカムを回転すると第1乃至第4パンチ部材40a〜40dが溝カムAによって上死点Aから下死点Cに移動して4箇所にパンチ孔を穿孔する。また基点Hpと270度位置Wp2との間で回転すると第2第3パンチ部材40b、40cのみが溝カムBによって上死点P1から下死点P2に移動して2箇所にパンチ孔を穿孔する。
【0034】
上記各カム溝45a〜45dの上記溝カムAと溝カムBはそれぞれ穿孔方向に(図4(a)上下方向)に対し所定角度(θ)傾斜した傾斜カム面45θで形成され、この傾斜カム面45θは円筒カム44の例えば90度位置など略々同一角度位置(第1角度位置)に配置され、また第2,第3カム溝45b、45cの第2カムも同様に穿孔方向に対し所定角度(θ)傾斜した傾斜カム面45θで形成され、上記第1角度位置と異なる角度位置(第2角度位置)に形成されている。この第2角度位置では第1,第4カム溝45a、45dは円筒カム44の外周方向に水平な直線溝で形成されている。従って円筒カム44を、基点Hpを基準に時計方向に回転すると4穴のパンチ孔を穿孔し、反時計方向に回転すると2穴にパンチ孔を穿孔することとなる。
【0035】
また上記パンチ部材40a〜dに設けられた溝カム44は、所定角度ずつ位相差を有するように上部フレーム30に取り付けられている(図8参照)。これは図1に示すように例えば4孔開けの時、各パンチ部材40a〜40dは、第1パンチ部材40a、第2パンチ部材40b、第3パンチ部材40c、第4パンチ部材40dの順に時間差(カム溝の変移差)を持って孔開けタイミングをズラしている。2孔開けの時も同様に第2パンチ部材40b、第3パンチ部材40cの順に位相差を持たせている。
【0036】
次に上記カム手段の制御動作について説明する。上記溝カム44は図5に示すように溝カムAと溝カムBの中間位置にホームポジションHPが設定され、4穴パンチのときにはスライド部材50を右方向に移動すると溝カム44はHP→W1(待機)→P2に移動し、パンチ部材40は上死点P1から下死点P2に移動し、次いでP2→W1’(通過)→R1の順に移動すると、パンチ部材は下死点P2から上死点P1に移動する。この間で先行する第1のシートに穿孔する。次いで駆動モータを逆転してスライド部材50を図5右方向に移動すると溝カム44はR1→W1’(待機)→P2に移動し、パンチ部材は上死点P1から下死点P2に移動し、次いでP2→W1→HPに移動する。この間で後続するシートに穿孔する。このように図5HPとR1との間を往復動する間で順次シートには4穴の穿孔処理が施される。
【0037】
同様に2穴パンチのときにもホームポジションHPから溝カムを図4反時計方向に回転するとHP→W2(待機)→P2、次いでP2→W2’(通過)→R2に移動して先行する第1シートに穿孔し、スライド部材50を反対方向に移動するとR2→W2’(待機)→P2に移動して後続シートに先行し、ついでP2→W2’(通過)→HPに戻る。
【0038】
そこで本発明は(1)シートが穿孔位置に給送セットされる前に駆動モータMを起動してパンチ部材をホームポジションHPから待機位置W1(W1’)、W2(W2’)に移動して待機させ、シートが給送セットされた段階で駆動モータMを再起動してパンチ部材をこの待機位置から下死点P2に移動することによって高速処理を図ることを特徴としている。このため、予め設定された待機位置を上死点と下死点との間に設定し、この待機位置には低速度で移動する。つまり図5に示すように図示Hの移動は高速で、図示Lの移動は低速に設定してある。この低速制御は駆動モータがステッピングモータのときには電源パルスのデューティで制御し、DCモータのときにはチョッパ制御によって制御する。
【0039】
また、上記(1)とは異なる方法として(2)上記パンチ部材を下死点から上死点に復帰移動する際に上記駆動モータを逆転して上記カム部材の係合位置を予め設定した待機位置に後退して待機させることによっても高速処理が可能である。上記(1)及び(2)場合、例えば図8(c)に示すスライド部材50のフラグ55bをポジションセンサSp1が検出した立ち上がり信号で駆動モータMを制動して停止する。これと同時に駆動モータMに連結したエンコーダ(移動量検出手段)54で検出信号からモータが停止するまでのオーバラン量(移動量)を検出する(図7(c)参照)。そして駆動モータMを逆転させてこのエンコーダで検出した移動量に相当する距離分スライド部材50を後退させる。これによって前記カム部材をホームポジションHPから待機位置W1、W2に後退させる。
【0040】
次に前述したパンチ部材40の穿孔刃41と下部フレーム35の刃受孔38との位置合わせについて説明する。この穿孔刃41と刃受孔38とは断面同一形状で刃受孔38が若干大きく前述した(D=d+α)の関係に形成される必要がある。これは両者が同一径(D=d)の時には互いに干渉し摩損の問題が起き穿孔負荷が増大する。逆にギャップ(α)が大きいと穿孔時の負荷が大きく、薄紙穿孔時の穴品位が低下する。又このギャップが偏ると穿孔した穴形状が歪むことがある。そこでこのギャップ(α)を偏ることなく穿孔刃41と刃受孔38とを位置合わせするため下部フレーム35は次のように構成されている。下部フレーム35はフレーム基盤36とダイプレート37で構成されている。
【0041】
次に上述のパンチ部材40の動作制御について説明する。まず前述のスライド部材50には第1センサフラグ55と第2センサフラグ56と、これらのフラグを検出する第1ポジションセンサSp1と第2ポジションセンサSp2、Sp3が設けられている。また駆動モータMにはエンコーダ54とエンコードセンサSeが配置されている。そこで前記第1センサフラグ55は図6に示すように等間隔に前記スライド部材50に配置された3つのフラグ55a、55b、55cから構成されている。この各フラグは前記パンチ部材40がシートSに孔開けしているか否かを第1ポジションセンサSp1で検出する位置関係に配置されている。また前記第2センサフラグ56は第2、第3ポジションセンサSp2、Sp3と対向する位置で前記スライド部材50に配置されている。
【0042】
これらのセンサフラグ及びポジションセンサは図8に示す位置関係に配置されている。同図(a)の状態でSp1「ON」Sp2「OFF」Sp3「ON」となり、スライド部材50の左限位置と4穴孔開け時のリターンR1(動作開始&終了位置)を検出する。つまり駆動モータMでスライド部材50が同図左側に移動しているときにはこの位置検出で左限位置を検知してモータを停止し、スライド部材50をリターンする。またスライド部材50が同図右側に移動しているときにはこの位置検出で4穴孔開け時のリターンポジションRP1(動作開始位置)を検知し、このリターン位置から駆動モータMの回転量を制御する。尚スライド部材50が右方向移動であるか左方向移動であるかは例えば上記各センサの動作順序から判断するか駆動モータMに設けたエンコーダ54から判断する。また、図8(b)に示す状態でSp1「OFF」、Sp2「ON」、Sp3「ON」となり、4穴孔開け動作位置を検出する。この状態で前記パンチ部材40a、40b、40c、40dはシートSへの穿孔を実行している。
【0043】
次に図8(c)に示す状態でSp1「ON」、Sp2「ON」、Sp3「OFF」となり、この位置はスライド部材の制御の基点としてホームポジションHPに設定されている。つまり2穴、4穴いずれの孔開けの場合にもこのポジションHPを基準にスライド部材50を制御する。このポジションHPを基準に4穴孔開けのときにはスライド部材50を図8左側に移動し、2穴孔開けのときには同図右側に移動する。次に図8(d)のSp1「OFF」、Sp2「OFF」、Sp3「OFF」のとき2穴孔開け動作位置を検出する。この状態で前記パンチ部材40b、40cはシートSへの穿孔を実行している。
【0044】
次に図8(e)のSp1「ON」Sp2「OFF」Sp3「OFF」のとき2穴孔開け動作のリターンR2を検出する。つまり、2穴孔開けのときには、この状態検出で駆動モータMを停止した後、その回転を逆転する。尚前述の駆動モータMに設けたエンコーダ54はモータMの回転軸の回転量を検出してモータを回転制御するタイミング信号を得ている。
【0045】
以上説明した装置構成において、紙などの被穿孔シートSに2穴、若しくは4穴の孔開けを施す穿孔動作は次のように行う。穿孔装置Aには図示しない制御手段が例えば制御CPUで設けられている。そして上述のスライド部材50を基本的に次のよう制御する。
装置起動時および中断後の再起動時にはスライド部材を上記(c)のホームポジションに移動する。これは前記センサSp1「ON」、Sp2「ON」、Sp3「OFF」の状態から判断する。
一連の穿孔動作が終了したとき例えば画像形成装置などからジョブエンド信号を受けたとき上記スライド部材50をホームポジションに位置させる。
このように装置起動時及び動作終了時にスライド部材50をホームポジションに位置させる。そして、画像形成装置などから2穴/4穴のパンチ設定手段からの信号で例えば(3)2穴パンチのときにはスライド部材50をホームポジションHPから右側に移動して前記(d)、(e)の動作状態に移行し、右限R2に移動する。そしてこの2穴パンチを継続するときには次シートを前記(e)、(d)、(c)に移動する過程で穿孔処理する。更に2穴パンチを継続するときには上記動作を繰り返す。また動作終了の「ジョブエンド」信号を受けるとスライド部材50をホームポジションHPに移動して全ての動作を終了する。
【0046】
一方(4)4穴パンチのときにはスライド部材50をHPから左側に移動し前記(b)、(a)の動作を実行して左限位置R1に移動する。この過程でシートには4穴の孔開け処理される。次いで次シートも4穴孔開けのときには次シートを前記(a)、(b)、(c)の順に移動する過程で穿孔処理する。更に4穴パンチを継続するときには上記動作を繰り返す。また動作終了の「ジョブエンド」信号を受けるとスライド部材50をホームポジションHPに移動して全ての動作を終了する。
【0047】
次に図10のフローチャートに基づいてパンチ動作を説明する。装置電源が投入され、装置が起動する(St100)と制御手段はイニシャライズ動作を行う。この動作はスライド部材50がホームポジションHPに位置するか否かを検出して、この位置以外のときには前記センサSp1、Sp2、Sp3でその位置を検出してスライド部材50をホームポジションHPに移動する(St101)。このときスライド部材50がHPに移動しないときには装置故障としてエラー警告する。次に制御手段は例えば後処理装置Aはから2穴孔開けであるか4穴孔開けであるか孔開けモードの選択信号(St102)を受ける。そこで制御手段は駆動モータMを低速駆動して4穴パンチのときには図4の待機位置W1に移動し、2穴パンチのときには図4の待機位置W2に移動する(St103)。その後駆動モータを停止して待機する。
【0048】
尚、上記駆動モータMの低速駆動について説明すると、前述のように制御手段は駆動モータMを2穴パンチのときと4パンチのときでは正逆反対方向に回転する。そして前記スライド部材50を図4に示すホームポジションHPから予め設定された待機位置W1、W2に低速移動する(St103)。この低速移動は駆動モータMがステッピングモータのときにパルス電源のデューティを疎に設定する。また駆動モータMがDCモータのときにはチョッパ制御によって低速駆動する。なお、この低速値はパンチ部材が上死点から下死点に移動する速度、及び下死点から上死点に移動する速度より遅い速度に設定する。なお、このスライド部材50をホームポジションから待機位置に移動する移動量は前述のように移動量検出手段(エンコーダ54)で検出した検出値に基づいて移動する。
【0049】
次いでシートSが所定のセット位置に準備されるとそのセット終了信号(St104)で制御手段は駆動モータMを回転駆動しスライド部材50を図8右方向、又は左方向に移動する。するとパンチ部材40は図6(イ)の状態から(ロ)、(ハ)、(ニ)の状態に徐々に反時計方向に回転しながら穿孔方向(スラスト方向)に移動する。この過程でシートSには4穴又は2穴のパンチ孔が穿孔される(St105)。
【0050】
次いで制御手段は孔開け動作が終了したか否かを前記第1第2ポジションセンサで判断(Sp1「OFF」でSp2とSp3がともに「ON」又は「OFF」)する(St106)。そして次シートが存在するか否かを判断して、次シートが存在するときには駆動モータMを停止し、ステップ103に戻る。また、次シートが存在しない場合にはスライド部材50をホームポジションHPに戻し、駆動モータMを停止する。また、上記ステップSt106で例えば予め設定したジャム時間が経過してもセンサが上記動作終了位置を検出しないときにはジャムと判断し、駆動モータMを逆回転させる(St108)。この駆動モータMの逆回転でスライド部材50とパンチ部材40はホームポジションにバックし、これを前記第1第2ポジションセンサで検知する(St109)。そこで制御手段ジャム信号を発し、例えば後処理装置Aのコントロールパネルに「ジャム」表示を行わせる。これと同時に装置電源をOFFする(St110)。
【0051】
駆動モータMの逆回転でスライド部材50及びパンチ部材40がホームポジションに移動しないときには装置故障と見なしエラー信号を発し、コントロールパネルに「装置故障」を表示する(St111)。シートSへの穿孔が正常に実行されると制御手段は、例えば後処理装置Aに穿孔終了信号を発し、後処理装置AはシートSを所定のセット位置から外部に搬出する。このシートSの搬出と前後して制御手段は駆動モータMを逆回転させてスライド部材50をホームポジションに復帰させる。
【0052】
斯かる過程で本発明はパンチ部材40がホームポジションから穿孔位置に移動する過程で穿孔刃41はスラスト方向への移動と同時にラジアル方向に回転し図6(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の順に捻り運動でシートSにパンチ孔を穿孔する。この為穿孔刃41のシートに及ぼす剪断力は刃を単純にスラスト方向に移動する場合に比べ数倍に増大する。例えば本実施形態においては剪断力を2倍に増大させることが出来、結果として駆動モータの負荷トルクを半減させることが可能となった。逆に穿孔速度を2倍にしてもモータに及ぶ負荷が増大することがなく伝動機構の簡素化とパンチ動作の高速化が可能となった。
【0053】
尚、上述の装置では傾斜カム面45θをパンチ部材40に一体化した円筒カム44に形成し、カムフォロア部材33をベースフレーム30に配置する場合を説明した。一方このカム手段とカムフォロア部材とは逆に構成することが可能であり、これを図12に示す。図1のものと同一符号で説明する。カムフォロア部材を構成するリードピン33cをパンチ部材40の軸部に圧入して一体化し、傾斜カム45θを形成した半円状円筒カム44は上部フレーム30にビスなどで固定する。その他の構成は図1のものと同様であり、同一部号を付してその説明を省略する。この図12の構成であっても上述の動作と同様にパンチ部材40はラジアル方向に回転しながらスラスト方向に移動し、その過程でシートSにパンチ穴を穿孔することとなる。このようにカム手段とカムフォロア部材とは図1と逆の構成とすることも可能である。
【0054】
また、図1及び図12の構成にあって、パンチ部材40は駆動モータMにスライド部材50と、これに形成したラック歯車51で回転駆動する場合を説明したが、スライド部材50を設けることなくパンチ部材40と駆動モータMとはタイミングベルト、歯車列などの伝動機構を用いても良いことは勿論である。
【0055】
次に図1の装置と異なる実施態様について図8、9に従って説明する。図1に示した上述のものはスライド部材50に設けたラック歯車51でパンチ部材40の円筒カム44を回転させて穿孔刃41にスラスト力を及ぼす場合を示したが、図8に示すものは円筒カム66をベースフレームに固定し、この円筒カム66のカム溝67に係合するリードピン65をパンチ部材側に設けた場合を示す。上述のものと同一の構成については同一番号を付して説明を省略する。
【0056】
そこで上部フレーム30と下部フレーム35は図1のものと同様に構成し、両者を結合してユニット化されている。上部フレーム30には駆動モータMと、この駆動モータMに連結された駆動軸60が図8(a)のように配置されている。また上部フレーム30には前述のものと同様に上ガイド31と下ガイド32が設けられ、この上下ガイドのガイド孔31a、32aにパンチ部材40が上下摺動自在に嵌合支持されている。パンチ部材40は適宜複数箇所に配置され、図示のものは前述と同様4箇所に第1乃至第4パンチ部材40a、40b、40c、40dが所定間隔で配置されている。この各パンチ部材40a〜40dには、その軸部にリードピン65が一体に形成されている。一方上部フレーム30には円筒カム66が固定され、この円筒カム66には傾斜カム面67θを有するカム溝67が設けられ、上記リードピン65はこのカム溝67に係合している。傾斜カム面67θは穿孔方向(図9上下方向)と所定角度(θ)で傾斜している。
【0057】
上記円筒カム66は例えば合成樹脂で前述と同様に形成され、パンチ部材40はSUS系鋼材等で形成し、その先端には穿孔刃41が形成されている。またパンチ部材40にはその軸部に鍔状フランジ68が設けられ、この鍔状フランジ68と上記円筒カム66との間に復帰スプリング69が配置されている。そこで上記駆動軸60には駆動カム61が図8(a)のように取り付けられている。第1パンチ部材40aと対向する位置に第1駆動カム61a、第2パンチ部材40bの対向位置に第2駆動カム61b、同様に第3駆動カム61c、第4駆動カム61dが配置されている。
【0058】
そして第1,第4駆動カム61a、61dには1箇所に第1カム面61Xが、第2,第4駆動カム61b、61cには2箇所に第1カム面61Xと第2カム面61Yがそれぞれ形成してある。そして各駆動カム61a〜61dは駆動軸60に第1カム面61Xが略々同時に第1乃至第4パンチ部材40a〜40dの頭部に係合し、詳細には第1パンチ部材40a、第2パンチ部材40b、第3パンチ部材40c、第4パンチ部材40dの順に少許の時間差を持って係合するようになっている。
【0059】
そこで駆動軸60を第1カム面61Xの位置で所定角度回転すると第1乃至第4パンチ部材40a〜40dが穿孔方向に移動し、シートSに4穴の穿孔を施す。また第2カム面61Yの位置で所定角度回転すると第2、第3パンチ部材40b,40cがシートSに2穴の穿孔を施す。この穿孔後には各パンチ部材40a〜40dは復帰スプリング69で原位置に復帰する。尚図示しないが駆動モータMには図1の装置と同様にエンコーダとエンコードセンサが配置され、駆動軸60のホームポジションにはポジションセンサが配置される。従って図1の装置と同様に駆動モータMの回転制御によって駆動カム61の角度制御で2穴穿孔と、4穴穿孔が選択され、各パンチ部材40a〜40dでシートの所定位置にパンチ穴が穿孔されることとなる。
【0060】
以上パンチ穴を2穴,4穴にする場合について説明したが、前述のパンチ部材40の配置間隔及び配置数を変更することにより3穴打ち、或いは中央の間隔を異ならせてシート上下に4穴穿孔することも可能であることは勿論である。また、図1の装置で円筒カム44にはその外周全域にカム溝45を形成したが、これは傾斜カム面45θの部分のみに形成し、このカム部分でパンチ部材40を往復動する構成であっても良い。更に本発明にあって穿孔刃41の端面形状をU字、V字状にカットする場合を示したがこれは半裁円形状であっても良い。
[後処理装置の実施形態の説明]
【0061】
次に本発明に係わる画像形成装置における後処理装置の構成を図11に従って説明する。図11に示す画像形成システムは、シートに順次印刷を施す画像形成装置Bと、この画像形成装置Bの下流側に付設された後処理装置Cとから構成されている。そして画像形成装置Bで画像形成したシートを後処理装置Cで印刷済のシートに穿孔処理を施すように構成されている。まず画像形成装置Bは複写機、プリンタ、印刷機など種々の構造のものが採用可能であるが図示のものは静電印刷装置を示す。この画像形成装置Bはケーシング1内に給紙部2と、印字部3と、排紙部4と制御部(図示せず)とが内蔵されている。給紙部2にはシートサイズに応じた複数のカセット5が準備され、制御部から指示されたサイズのシートが給紙経路6に繰り出される。この給紙経路6にはレジストローラ7が設けられ、シートを先端揃えした後所定のタイミングで下流側の印字部3に給送する。
【0062】
印字部3には静電ドラム10が設けられ、このドラム10の周囲には印字ヘッド9、現像器11、転写チャージャ12などが配置されている。そして印字ヘッド9は例えばレーザ発光器などで構成され、静電ドラム10上に静電潜像を形成し、この潜像に現像器11でトナーインクを付着し、転写チャージャ12でシートに印刷する。この印刷シートは定着器13で定着され排紙経路17に搬出される。排紙部4には上記ケーシング1に形成した排紙口14と排紙ローラ15が配置されている。尚図示16は循環経路であり、排紙経路17からの印刷シートをスッチバック経路で表裏反転した後再びレジストローラ7に送り、印刷シートの裏面に画像形成する。このように片面若しくは両面に画像形成された印刷シートは排紙口14から排紙ローラ15で搬出される。
【0063】
尚図示20はスキャナユニットであり、上記印字ヘッド9で印刷する原稿画像を光学的に読み取る。その構造は一般的に知られているように原稿シートを載置セットするプラテン23と、このプラテン23に沿って原稿画像をスキャンするキャリッジ21と、このキャリッジ21からの光学像を光電変換する光学読取手段(例えばCCDディバイス)22とから構成されている。また図示のものは原稿シートを自動的にプラテンに給送する原稿送り装置25がプラテン23上に装備してある。
【0064】
そこで上記画像形成装置Bの排紙口14には後処理装置Cが連設してある。この後処理装置Cはシート搬送経路26と、この搬送経路26に配置したパンチユニット27と排紙スタッカ28とから構成されている。シート搬送経路26にはパンチユニット27の上流側に整合手段26aが設けられ、シート後端を整合する。また搬送経路26には正逆転ローラ26bが配置され、搬入口26cからのシートを整合手段26aに突き当て整合し、同時にこの正逆転ローラ26bはパンチユニット27からシートを排紙スタッカ28に搬出する。図示Siはシート検知センサである。尚パンチユニット27は先に説明した図1に示す装置若しくは図8に示す装置で構成されている。
【0065】
このように構成された後処理装置Cは画像形成装置Bから印刷済のシートを搬入口26cから受け取り、シート後端をシート検知センサSiで検知し、シート後端が整合手段26aを通過したタイミングで正逆転ローラ26bを逆転(図示反時計方向)する。するとシートはスイッチバックされシート後端が整合手段26aに突き当て整合される。この整合後に正逆転ローラ26bは停止し、シートをその位置に保持する。この状態でパンチユニット27は駆動モータMを駆動して前述の穿孔動作を実行する。穿孔動作の実行後は前述のポジションセンサS1からのエンド信号で正逆転ローラ26bを図示時計方向に回転しパンチ穴を施されたシートを排紙スタッカ28に搬出する。尚この後処理装置Cには、図示しないがステープルユニット、スタンプユニットなどが装置仕様に応じて組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係わる穿孔装置の全体構成を示す説明図。
【図2】図1の装置における要部断面図。
【図3】図1の装置におけるパンチ部材の説明図。
【図4】図1の装置におけるパンチ部材のカム部材の説明図。
【図5】図1の装置におけるパンチ部材のカム部材の動作状態説明図。
【図6】図1装置におけるパンチ部材の穿孔動作状態の説明図。
【図7】図1装置における駆動機構のポジションセンサの構成図であり、(a)はその平面図、(b)は断面図、(C)はセンサの検出状態の説明図。
【図8】図1の装置におけるスライド部材の動作状態の説明図。
【図9】図1の装置と異なるパンチ部材の駆動カム構造の説明図。
【図10】図1及び図9の装置の制御を示すフローチャート。
【図11】本発明に係わる画像形成装置における後処理装置の構成説明図。
【図12】図1の装置に於けるカム手段の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
【0067】
30 上部フレーム(ベースフレーム)
31 上ガイド
31b マーカ
32 下ガイド
33 リードピン(カムフォロア)
35 下部フレーム
36 フレーム基盤
37 ダイプレート
38 刃受孔
39 固定ネジ
40 パンチ部材
40a 第1パンチ部材
40b 第2パンチ部材
40c 第3パンチ部材
40d 第4パンチ部材
41 穿孔刃
46 受動歯車
42a 上部軸部
42b 下部軸部
42c Dカット
43 鍔状段差部
44 円筒カム
45θ 傾斜カム面
45 カム溝
50 スライド部材
51 ラック歯車
53 モータブラケット
54 エンコーダ
Se エンコードセンサ
Sp1 第1ポジションセンサ
Sp2 第2ポジションセンサ
Sp3 第3ポジションセンサ
M 駆動モータ
G1 駆動歯車
【出願人】 【識別番号】595165047
【氏名又は名称】株式会社セーコウ
【出願日】 平成18年8月3日(2006.8.3)
【代理人】 【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章

【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司

【識別番号】100101889
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 俊郎


【公開番号】 特開2008−36752(P2008−36752A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−212649(P2006−212649)