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【発明の名称】 フレキシブルダイ
【発明者】 【氏名】忍 昌憲

【要約】 【課題】マグネットローラ等の円筒状のローラに「ベースの浮き」のない状態で巻き付けることが可能なフレキシブルダイを提供する。

【構成】フレキシブルベース2の一方の面(表面)にエンボス加工用凸部3が所定のパターンで形成されたフレキシブルダイ1において、フレキシブルベース2の他方の面(裏面)のうち、少なくともにエンボス加工用凸部3の形成領域の裏側に相当する部分に凹凸4や線状の凹部を形成する。このようにフレキシブルベース2の裏面に凹凸4や線状の凹部を形成しておくと、エンボス加工用凸部3の形成部分の曲げ剛性(ローラ巻き付け方向の曲げ剛性)が弱くなって曲がり易くなり、これによってフレキシブルダイ1をマグネットローラ701に巻き付けるときに、エンボス加工用凸部3の形成部分がマグネットローラ701の外周面に沿って湾曲変形するようになるので「ベースの浮き」が発生しなくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルベースの一方の面に押切刃またはエンボス加工用凹凸の少なくとも一方が形成されており、前記フレキシブルベースを円筒状のローラに巻き付けて使用するフレキシブルダイであって、
前記フレキシブルベースの他方の面には、少なくとも前記押切刃の形成領域の裏側、または/及び、少なくとも前記エンボス加工用凹凸の形成領域の裏側に相当する部分に凹凸が形成されていることを特徴とするフレキシブルダイ。
【請求項2】
フレキシブルベースの一方の面に線状パターンの押切刃または線状パターンのエンボス加工用凹凸の少なくとも一方が形成されており、前記フレキシブルベースを円筒状のローラに巻き付けて使用するフレキシブルダイであって、
前記フレキシブルベースの他方の面には、前記線状パターンの押切刃、または/及び、前記線状パターンのエンボス加工用凹凸の裏側に相当する部分に沿って延びる線状の凹部が形成されていることを特徴とするフレキシブルダイ。
【請求項3】
請求項2記載のフレキシブルダイにおいて、
前記線状の凹部内に1つまたは複数の凸部が形成されていることを特徴とするフレキシブルダイ。
【請求項4】
フレキシブルベースの一方の面に面状パターンのエンボス加工用凹凸が形成されており、前記フレキシブルベースを円筒状のローラに巻き付けて使用するフレキシブルダイであって、
前記フレキシブルベースの他方の面には、前記面状パターンのエンボス加工用凹凸の裏側に相当する部分に線状の凹部が形成されていることを特徴とするフレキシブルダイ。
【請求項5】
請求項4記載のフレキシブルダイにおいて、
前記線状の凹部が、前記面状パターンのエンボス加工用凹凸の輪郭に対応する形状で形成されていることを特徴とするフレキシブルダイ。
【請求項6】
請求項5記載のフレキシブルダイにおいて、
前記フレキシブルベースの他方の面には、前記線状の凹部の内側の領域に凹凸が形成されていることを特徴とするフレキシブルダイ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば紙シートやプラスチックシート(フィルム)などのシート材等の打抜加工(押切加工)やエンボス加工に用いられるフレキシブルダイ(シート状刃板)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、打抜加工やハーフカットなどの加工を行う方法としては、ベニヤ板等のダイボードに、打抜パターンに応じた溝切加工を行い、その加工した溝に帯状の刃(トムソン刃)を嵌め込んだダイを作製し、このダイをプレス加工機などに装着してプラスチックシート等の打抜加工やハーフカットを行うという方法が採られている。
【0003】
最近では、フレキシブルベース(強磁性体)の片面に、カッティングラインの形状に応じたパターンの押切刃を有するフレキシブルダイを作製し、このフレキシブルダイを、図33に示すようなロータリ加工装置700のマグネットローラ701に巻き付けて、紙シートやプラスチックシートなどの打抜加工やハーフカットを行うという方法も採用されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。なお、マグネットローラ701には、フレキシブルダイを安定して磁気吸着させるために、外周面に多数の永久磁石が埋め込み配置されている。
【0004】
また、プラスチックシート(フィルム)などのシート材の表面にエンボスを加工する方法においても、フレキシブルベース(強磁性体)の片面に、所定パターンのエンボス加工用凹凸を有するフレキシブルダイを作製し、このフレキシブルダイを同様にロータリ加工装置700のマグネットローラ701に巻き付けてプラスチックシートなどの表面にエンボス加工を行うという方法が採用されている。なお、エンボス加工を行うフレキシブルダイとしては、フレキシブルベースの表面に所定パターンの加工用凸部を形成したフレキシブルダイ、または、フレキシブルベースの表面に所定パターンの加工用凹部を形成したフレキシブルダイ、あるいは、それら加工用凸部と加工用凹部とを組み合わせたフレキシブルダイがある。
【0005】
そして、以上のようなフレキシブルダイは機械加工やエッチングにて製作されており、エッチングにより製作されたものは一般にエッチングダイと呼ばれている。
【特許文献1】特開2000−190284号公報
【特許文献2】特開2002−221220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記したフレキシブルダイにおいては、押切刃やエンボス加工用凹凸が部分的に集中するようなパターンである場合や、フレキシブルダイのマグネットローラへの巻き付け方向に沿って延びる押切刃やエンボス加工用凹凸が多く存在する場合、フレキシブルダイのマグネットローラへの巻き付け性が悪くなり、フレキシブルベースの一部がマグネットローラの外周面から浮くという「ベースの浮き」が生じることがある。
【0007】
例えば、図34に示すような加工パターンPaのエンボス加工用凸部803がフレキシブルベース802の表面に形成されたフレキシブルダイ801では、エンボス加工用凸部803の形成部分の剛性(ローラ巻き付け方向Rの曲げ剛性)が高くて曲がり難くなる。このため、図36に示すように、フレキシブルダイ801をマグネットローラ701に巻き付ける際に、エンボス加工用凸部803の加工パターンPaとPaとの間に「ベースの浮き」が生じてしまい、正確なエンボス加工を行うことができなくなる。
【0008】
また、例えば図35に示すような面状パターン(ハート形状)のエンボス加工用凸部903がフレキシブルベース902の表面に形成されたフレキシブルダイ901においてもエンボス加工用凸部903の形成部分の剛性(ローラ巻き付け方向Rの曲げ剛性)が高くて曲がり難くなるため、マグネットローラ701に巻き付けたときに、エンボス加工用凸部903の形成部の間に「ベースの浮き」が生じてしまい、正確なエンボス加工を行うことができなくなる。
【0009】
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、マグネットローラなどの円筒状のローラに「ベースの浮き」のない状態で巻き付けることが可能なフレキシブルダイの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、フレキシブルベースの一方の面(表面)に押切刃またはエンボス加工用凹凸の少なくとも一方が形成されており、前記フレキシブルベースを円筒状のローラに巻き付けて使用するフレキシブルダイにおいて、フレキシブルベースの他方の面(裏面)に、凹凸または線状の凹部を形成して、押切刃の形成部やエンボス加工用凹凸の形成部の曲げ剛性(ローラ巻き付け方向の曲げ剛性)を弱くすることで、フレキシブルダイをローラに「ベースの浮き」のない状態で装着できるようにする点に特徴がある。その具体的な構成を以下に説明する。
【0011】
本発明は、フレキシブルベースの一方の面に押切刃またはエンボス加工用凹凸の少なくとも一方が形成されており、前記フレキシブルベースを円筒状のローラに巻き付けて使用するフレキシブルダイであって、前記フレキシブルベースの他方の面には、少なくとも前記押切刃の形成領域の裏側、または/及び、少なくとも前記エンボス加工用凹凸の形成領域の裏側に相当する部分に凹凸が形成されていることを特徴としている。
【0012】
この発明において、フレキシブルベースの他方の面(裏面)のほぼ全域にわたって凹凸を形成しておいてもよい。
【0013】
この発明によれば、フレキシブルベースの他方の面(押切刃やエンボス加工用凹凸の形成面の裏側面)に凹凸を形成しているので、押切刃やエンボス加工用凹凸の形成部分の曲げ剛性(ローラ巻き付け方向の曲げ剛性)が弱くなって曲がり易くなる。これによって、押切刃やエンボス加工用凹凸の形成部分がローラの外周面に沿って湾曲変形するようになり、フレキシブルダイをローラに「ベースの浮き」のない状態で装着することが可能になる。
【0014】
なお、この発明の具体的な構成として、フレキシブルベースの一方の面(表面)に面状パターンのエンボス加工用凹凸が形成されたフレキシブルダイにおいて、フレキシブルベースの他方の面(裏面)のうち、面状パターンのエンボス加工用凹凸の形成領域の裏側の部分に凹凸を形成するという構成や、フレキシブルベースの一方の面(表面)に複数の押切刃からなる刃群が形成されたフレキシブルダイにおいて、フレキシブルベースの他方の面(裏面)のうち、前記刃群の形成領域の裏側に相当する部分に凹凸を形成するという構成を挙げることができる。さらに、凹凸の形態としては、正面形状が、四角形、円形または楕円形などのドット状の凸部が2次元状(マトリクス状)に配置された凹凸、あるいは、正面形状が、四角形、円形または楕円形などのドット状の凹部が2次元状(マトリクス状)に配置された凹凸を挙げることができる。
【0015】
本発明は、フレキシブルベースの一方の面に線状パターンの押切刃または線状パターンのエンボス加工用凹凸の少なくとも一方が形成されており、前記フレキシブルベースを円筒状のローラに巻き付けて使用するフレキシブルダイであって、前記フレキシブルベースの他方の面には、前記線状パターンの押切刃、または/及び、前記線状パターンのエンボス加工用凹凸の裏側に相当する部分に沿って延びる線状の凹部が形成されていることを特徴としている。
【0016】
このように、フレキシブルベースの他方の面(押切刃やエンボス加工用凹凸の形成面の裏側面)に、線状パターンの押切刃や線状パターンのエンボス加工用凹凸の裏側に相当する部分に沿って延びる線状の凹部を形成することにより、押切刃やエンボス加工用凹凸の形成部分の曲げ剛性(ローラ巻き付け方向の曲げ剛性)が弱くなって曲がり易くなる。これによって、押切刃やエンボス加工用凹凸の形成部分がローラの外周面に沿って湾曲変形するようになり、フレキシブルダイをローラに「ベースの浮き」のない状態で装着することが可能になる。
【0017】
ここで、この発明のように、線状パターンの押切刃や線状パターンのエンボス加工用凹凸の裏面側に、線状の凹部を形成する場合、線状の凹部の幅等の関係上、線状パターンの押切刃や線状パターンのエンボス加工用凹凸の形成部分の強度が弱くなって加工時に加わる力に耐えることができなくなる場合がある。このような点を考慮して、線状の凹部内に1つまたは複数の補強用の凸部(凸条を含む)を形成してもよい。
【0018】
本発明は、フレキシブルベースの一方の面に面状パターンのエンボス加工用凹凸が形成されており、前記フレキシブルベースを円筒状のローラに巻き付けて使用するフレキシブルダイであって、前記フレキシブルベースの他方の面には、前記面状パターンのエンボス加工用凹凸の裏側に相当する部分に線状の凹部が形成されていることを特徴としている。より具体的には、前記面状パターンのエンボス加工用凹凸の裏側に相当する部分に、当該エンボス加工用凹凸の輪郭に対応する形状の線状の凹部が形成されていることを特徴とする。
【0019】
このように、フレキシブルベースの他方の面(エンボス加工用凹凸の形成面の裏側面)のうち、面状パターンのエンボス加工用凹凸の裏側に相当する部分に、当該エンボス加工用凹凸の輪郭に対応する形状の線状の凹部を形成することにより、エンボス加工用凹凸の形成部分の曲げ剛性(ローラ巻き付け方向の曲げ剛性)が弱くなって曲がり易くなる。これにより、エンボス加工用凹凸が面状パターンであっても、そのエンボス加工用凹凸の形成部分がローラの外周面に沿って湾曲変形するようになり、フレキシブルダイをローラに「ベースの浮き」のない状態で装着することが可能になる。なお、フレキシブルベースの他方の面に形成する線状の凹部はエンボス加工用凹凸の輪郭に対応する形状に限られることなく、任意の形状であってもよい。
【0020】
この発明において、フレキシブルベースの他方の面(裏面)のうち、線状の凹部の内側の領域に凹凸を形成しておけば、エンボス加工用凹凸の形成部分が更に曲がり易くなる。
【0021】
なお、本発明は、フレキシブルベースの表面にエンボス加工用凹凸(エンボス加工用凸部やエンボス加工用凹部)のみが形成されたフレキシブルダイや、フレキシブルベースの表面に押切刃のみが形成されたフレキシブルダイに限られることなく、フレキシブルベースの表面にエンボス加工用凹凸及び押切刃の双方が形成されたフレキシブルダイにも適用することができる。
【0022】
また、本発明は、マグネットローラに装着して使用されるフレキシブルダイのほか、マグネット(永久磁石)を備えていないローラに装着されるフレキシブルダイにも適用することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のフレキシブルダイによれば、フレキシブルベースの裏面で押切刃やエンボス加工用凹凸の裏側となる部分に、凹凸や線状の凹部を形成しているので、当該フレキシブルダイをマグネットローラなどの円筒状ローラに「ベースの浮き」のない状態で巻き付けることが可能になり、打抜加工(押切加工)やエンボス加工などの加工を正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
<実施形態1>
図1は本発明のフレキシブルダイの一例を示す正面図である。図2はそのフレキシブルダイの要部縦断面図である。図3は図1のフレキシブルダイの裏面図である。
【0026】
この例のフレキシブルダイ1は、エンボス加工を行うロータリ加工装置に使用するロータリダイであって、フレキシブルベース2の一方の面(表面)にエンボス加工用凸部3が所定のパターンで形成されている。エンボス加工用凸部3の加工パターンPaは、線状パターンであって、長方形「□」の内部に対角線に沿って延びる「×」模様を組み合わせた形状となっている。加工パターンPa・・Paは、フレキシブルダイ1のマグネットローラ701への巻き付け方向R(以下、ローラ巻き付け方向Rともいう)と直交する方向及びローラ巻き付け方向Rに沿う方向の各方向にそれぞれ複数配置されている。
【0027】
以上の構造のフレキシブルダイ1は、図4に示すようにロータリ加工装置のマグネットローラ701に巻き付けて使用される。ここで、この例のフレキシブルダイ1では、ローラ巻き付け方向Rに沿って多数のエンボス加工用凸部3・・3が存在するので、そのエンボス加工用凸部3の形成部分の剛性(ローラ巻き付け方向Rの曲げ剛性)が高くて曲がり難くなる。このような点を考慮して、この例のフレキシブルダイ1では、フレキシブルベース2の他方の面(エンボス加工用凸部3の形成面とは反対側の面(裏面))のうち、エンボス加工用凸部3の形成部分の裏側に相当する領域に凹凸4を形成している点に特徴がある。なお、この例では、4つの加工パターンPa・・Paを1つのパターン群とし、そのパターン群の裏面側の領域Fa(4つの加工パターンPa・・Paのパターン群よりも面積が大きな領域Fa)に凹凸4を形成している。また、フレキシブルベース2の裏面の凹凸4は、凹部4a内に多数のドット状の凸部4b・・4bを2次元状に配置した形態で形成されている。
【0028】
このように、フレキシブルベース2の他方の面(裏面)に凹凸4を形成しておくと、フレキシブルベース2をマグネットローラ701に「ベースの浮き」のない状態で巻き付けることが可能になる。この点について以下に説明する。
【0029】
まず、図1に示すような加工パターンPaでエンボス加工用凸部3が形成されたフレキシブルダイ1では、エンボス加工用凸部3の形成部分の剛性が高くて曲がり難いため、フレキシブルベース2の裏面に凹凸が形成されていない場合、マグネットローラ701に巻き付けたときに、図36に示すように、エンボス加工用凸部3(803)の形成部分は殆ど変形せず、加工パターンPaとPaとの間に「ベースの浮き」が生じる。
【0030】
これに対し、エンボス加工用凸部3の形成部分の曲げ剛性が高くても、エンボス加工用凸部3の形成部分の裏側に相当する領域に凹凸4を形成しておくと、フレキシブルダイ1をマグネットローラ701に巻き付けるときにエンボス加工用凸部3の形成部分が曲がり易くなる。これによって図5に示すように、エンボス加工用凸部3の形成部分がマグネットローラ701の外周面に沿って湾曲変形するようになり、フレキシブルダイ1をマグネットローラ701に「ベースの浮き」のない状態で装着することが可能になる。その結果として、正確なエンボス加工を実現することができる。
【0031】
ここで、フレキシブルベース2の裏面に形成する凹凸4の凹部4aの深さ、凸部4bのドットピッチなどは、フレキシブルダイ1をマグネットローラ701に巻き付けたときに「ベースの浮き」が生じないように、フレキシブルベース2の厚さ、エンボス加工用凸部3の形成部分の曲げ剛性、及び、マグネットローラ701の外周面の曲率などを考慮して、実験・計算等により決定するようにすればよい。
【0032】
なお、図1〜図3に示す例では、フレキシブルベース2の裏面のうち、エンボス加工用凸部3の形成部分の裏側に相当する領域に凹凸4を形成しているが、これに限られることなく、フレキシブルベース2の裏面のほぼ全域にわたって凹凸4を形成してもよい。
【0033】
また、フレキシブルベース2の裏面に形成する凹凸4としては、凹部4a内に多数のドット状の凸部4b・・4bを2次元状に配置した形態の凹凸のほか、フレキシブルベース2の他方の面(裏面)の領域Faに多数のドット状の凹部を2次元状に配置した形態の凹凸であってもよい。さらに、凹凸4の凸部4b(または凹部)の正面形状は、四角形に限られることなく、円形や楕円形などの他の任意の形状であってもよい。
【0034】
−製造方法−
次に、図1〜図3に示すフレキシブルダイの製造方法の一例を図6〜図8を参照しながら説明する。
【0035】
(1)図7に示すように、図1のエンボス加工用凸部3の形状に対応する露光パターン23aを有するフォトマスク(ネガフィルム)23を製版しておく。また、図8に示すように、フレキシブルベース2の裏面の凹凸4(凹部4a)に対応する形状の露光パターン24aを有するフォトマスク(ポジフィルム)24を製版しておく。
【0036】
(2)図6(A)に示すように、金属板10の表面にフォトレジストを一様に塗布し、さらに、金属板10の裏面にフォトレジストを一様に塗布して、金属板10の表面及び裏面にそれぞれフォトレジスト膜21,22を形成する。
【0037】
(3)図6(B)に示すように、金属板10の表面のフォトレジスト膜21上にフォトマスク(ネガフィルム)23(図7参照)を配置・位置決めするとともに、金属板10の裏面のフォトレジスト膜22上に前記フォトマスク(ポジフィルム)24(図8参照)を配置・位置決めする。なお、金属板10の表面側のフォトマスク23と裏側のフォトマスク24とはレジストマークを基準として相互に位置合わせした状態で、それらフォトマスク23,24の一端部を粘着テープ30にて接合する。
【0038】
(4)金属板10の表裏のフォトレジスト膜21,22の露光と現像を行ってレジストパターン21aと、凹凸4の凹部4aに相当する位置に開口部22bを有するレジストパターン22aとを形成する(図6(C))。
【0039】
(5)金属板10の表裏のレジストパターン21a,22aをマスクとして金属板10のエッチングを開始し、エッチングの進行が、凹凸4の凹部4aの深さに相当する量に達した時点でエッチングを一度停止する(図6(D))。この1度目のエッチングにより、フレキシブルベース2の裏面に凹凸4が形成される(図2、図3参照)。このように、凹凸4の形成(凹部4aのエッチング)を先に実施することにより、凹部4aの深さを精度よくコントロールすることができるので、凹凸4の形成部分の曲げ剛性を容易に調整することができる。
【0040】
(6)図6(E)に示すように、金属板10の裏面にマスキングシート25を貼着して、先のエッチングで形成した凹凸4(凹部4a及び凸部4b)をエッチング液に対して保護し、この状態で、再度エッチングを開始する。この2度目のエッチングの進行が、所定深さ([エンボス加工用凸部3の高さ]−[凹凸4の凹部4aの深さ]を考慮した深さ)に達した時点でエッチングを停止する。このようなエッチングにより、図6(F)に示すように、フレキシブルベース2及び断面台形状の突部(突条)、つまりエンボス加工用凸部3が形成される。このエッチングの完了後にマスキングシート25を剥がしておく。また、フレキシブルベース2の上面側及び裏側に残ったレジストパターン21a,22aを除去しておく。
【0041】
なお、エッチングによりエンボス加工用凸部3を形成した後(図6(F)の工程が終了した後)、必要であれば、NC加工機等を使用して、エンボス加工用凸部3の両側面等に切削工具にて切削するという工程(仕上工程など)を付加してもよい。
【0042】
<実施形態2>
図9は本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。図10はそのフレキシブルダイの要部縦断面図である。図11は図9のフレキシブルダイの裏面図である。
【0043】
この例のフレキシブルダイ101は、エンボス加工を行うロータリ加工装置に使用するロータリダイであって、図1〜図3の例と同様に、フレキシブルベース102の一方の面(表面)にエンボス加工用凸部103が形成されている。エンボス加工用凸部103の加工パターンPaは線状パターンであって、長方形「□」の内部に対角線に沿って延びる「×」模様を組み合わせた形状となっている。加工パターンPa・・Paは、フレキシブルダイ101のマグネットローラ701(図4参照)への巻き付け方向R(以下、ローラ巻き付け方向Rともいう)と直交する方向及びローラ巻き付け方向Rに沿う方向の各方向にそれぞれ複数配置されている。
【0044】
この例のフレキシブルダイ101においては、図10及び図11に示すように、フレキシブルベース102の他方の面(エンボス加工用凸部103の形成面とは反対側の面(裏面))に、エンボス加工用凸部103の裏側に相当する部分に沿って一様幅で延びる線状の凹部(凹条)104を形成している点に特徴がある。
【0045】
このように、フレキシブルベース102の他方の面(裏面)に線状の凹部104を形成しておくと、エンボス加工用凸部103の形成部分の曲げ剛性(ローラ巻き付け方向Rの曲げ剛性)が弱くなって曲がり易くなる。これによってエンボス加工用凸部103の形成部分がマグネットローラ701(図4参照)の外周面に沿って湾曲変形するようになり、フレキシブルダイ101をマグネットローラ701に「ベースの浮き」のない状態で装着することが可能になる。その結果として、正確なエンボス加工を実現することができる。
【0046】
図10及び図11に示す例では、エンボス加工用凸部103の裏側に相当する部分に沿って連続的に延びる線状の凹部104を形成しているが、これに限られることなく、エンボス加工用凸部103の裏側に相当する部分に沿って断続的に延びる線状の凹部を形成してもよい。
【0047】
ここで、図10及び図11の例のように、線状パターンのエンボス加工用凸部103の裏面側に、線状の凹部104を形成する場合、線状の凹部104の幅等の関係上、エンボス加工用凸部103の形成部分の強度が弱くなってエンボス加工時に加わる力に耐えることができなくなる場合がある。このような点を考慮して、線状の凹部104内に複数の補強用の凸部を形成しておいてもよい(図25参照)。また、このような凸部に替えて、線状の凹部104内に1条もしくは複数の凸条を形成しておいてもよい。
【0048】
−製造方法−
次に、図9〜図11に示すフレキシブルダイの製造方法の一例を図12及び図13を参照しながら説明する。
【0049】
(1)図9のエンボス加工用凸部103の形状に対応する露光パターンを有するフォトマスク(ネガフィルム)を製版しておく。このフォトマスクは図7に示したフォトマスク23と同じ形態のものを使用する。また、図13に示すように、フレキシブルベース102の裏面の線状の凹部104に対応する形状の露光パターン124aを有するフォトマスク(ポジフィルム)124を製版しておく。
【0050】
(2)図12(A)に示すように、金属板110の表面にフォトレジストを一様に塗布し、さらに、金属板110の裏面にフォトレジストを一様に塗布して、金属板110の表面及び裏面にそれぞれフォトレジスト膜121,122を形成する。
【0051】
(3)図12(B)に示すように、金属板110の表面のフォトレジスト膜121上にフォトマスク(ネガフィルム)23(図7参照)を配置・位置決めするとともに、金属板110の裏面のフォトレジスト膜122上に前記フォトマスク(ポジフィルム)124(図13参照)を配置・位置決めする。なお、金属板110の表面側のフォトマスク23と裏側のフォトマスク124とはレジストマークを基準として相互に位置合わせした状態で、それらフォトマスク23,124の一端部を粘着テープ130にて接合する。
【0052】
(4)金属板110の表裏のフォトレジスト膜121,122の露光と現像を行ってレジストパターン121aと、線状の凹部104に相当する位置に開口部122bを有するレジストパターン122aとを形成する(図12(C))。
【0053】
(5)金属板110の表裏のレジストパターン121a,122aをマスクとして金属板110のエッチングを開始する。このエッチングの進行が、所定深さ([エンボス加工用凸部3の高さ]を考慮した深さ)に達した時点でエッチングを停止する。このようなエッチングにより、図12(D)に示すように、フレキシブルベース102及び断面台形状の突部(突条)つまりエンボス加工用凸部103が形成されるとともに、フレキシブルベース102の裏面に線状の凹部104(図11参照)が形成される。このエッチングの完了後に、フレキシブルベース102の上面側及び裏側に残ったレジストパターン121a,122aを除去しておく。
【0054】
なお、エッチングによりエンボス加工用凸部103を形成した後(図12(D)の工程が終了した後)、必要であれば、NC加工機等を使用して、エンボス加工用凸部103の両側面等に切削工具にて切削するという工程(仕上工程など)を付加してもよい。
【0055】
<実施形態3>
図14は本発明のフレキシブルダイの一例を示す正面図である。図15はそのフレキシブルダイの要部縦断面図である。図16は図14のフレキシブルダイの裏面図である。
【0056】
この例のフレキシブルダイ201は、エンボス加工を行うロータリ加工装置に使用するロータリダイであって、フレキシブルベース202の一方の面(表面)にエンボス加工用凸部203が所定のパターンで形成されている。エンボス加工用凸部203の加工パターンは、ハート形の面状パターンであって、フレキシブルダイ201のマグネットローラ701(図4参照)への巻き付け方向R(以下、ローラ巻き付け方向Rともいう)と直交する方向及びローラ巻き付け方向Rに沿う方向の各方向にそれぞれ複数配置されている。
【0057】
以上の構造のフレキシブルダイ201は、図4に示すようなロータリ加工装置のマグネットローラ701に巻き付けて使用される。ここで、この例のフレキシブルダイ201では、面状パターンのエンボス加工用凸部203・・203が形成されているので、そのエンボス加工用凸部203の形成部分の剛性(ローラ巻き付け方向Rの曲げ剛性)が高くて曲がり難くなる。このような点を考慮して、この例のフレキシブルダイ201では、フレキシブルベース202の他方の面(エンボス加工用凸部203の形成面とは反対側の面(裏面))のうち、エンボス加工用凸部203の形成部分の裏側に相当する領域Fbに凹凸204を形成している点に特徴がある。なお、この例では、フレキシブルベース202の裏面の凹凸204は、凹部204a内に多数のドット状の凸部204b・・204bを2次元状に配置した形態で形成されている。
【0058】
このように、フレキシブルベース202の他方の面(裏面)に凹凸204を形成しておくと、エンボス加工用凸部203の形成部分の曲げ剛性(ローラ巻き付け方向Rの曲げ剛性)が弱くなって曲がり易くなる。これによってエンボス加工用凸部203の形成部分がマグネットローラ701(図4参照)の外周面に沿って湾曲変形するようになり、フレキシブルダイ201をマグネットローラ701に「ベースの浮き」のない状態で装着することが可能になる。その結果として、正確なエンボス加工を実現することができる。
【0059】
この例のフレキシブルダイ201は、上記した図6に示した処理と基本的には同様なエッチング処理によって作製することができる。
【0060】
なお、フレキシブルベース202の裏面に形成する凹凸204としては、凹部204a内に多数のドット状の凸部204b・・204bを2次元状に配置した形態の凹凸のほか、エンボス加工用凸部203の形成部分の裏側に相当する領域Fbに多数のドット状の凹部を2次元状に配置した形態の凹凸であってもよい。さらに、凹凸204の凸部204b(または凹部)の正面形状は、四角形に限られることなく、円形や楕円形などの他の任意の形状であってもよい。
【0061】
<実施形態4>
図17は本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。図18はそのフレキシブルダイの要部縦断面図である。図19は図17のフレキシブルダイの裏面図である。
【0062】
この例のフレキシブルダイ301は、エンボス加工を行うロータリ加工装置に使用するロータリダイであって、図14の例と同様に、フレキシブルベース302の一方の面(表面)にエンボス加工用凸部303が形成されている。
【0063】
エンボス加工用凸部303の加工パターンは、ハート形の面状パターンであって、フレキシブルダイ301のマグネットローラ701(図4参照)への巻き付け方向R(以下、ローラ巻き付け方向Rともいう)と直交する方向及びローラ巻き付け方向Rに沿う方向の各方向にそれぞれ複数配置されている。
【0064】
この例のフレキシブルダイ301においては、図18及び図19に示すように、フレキシブルベース302の他方の面(エンボス加工用凸部303の形成面とは反対側の面(裏面))のうち、エンボス加工用凸部303の裏側に相当する部分に線状の凹部(凹条)304を形成している点に特徴がある。この例の線状の凹部304は、エンボス加工用凸部303の輪郭(ハート形の輪郭)に対応する形状の線状パターンであって、エンボス加工用凸部303の輪郭の裏側に沿って一様幅で形成されている。
【0065】
このように、フレキシブルベース302の他方の面(裏面)に線状の凹部304を形成しておくと、エンボス加工用凸部303の形成部分の曲げ剛性(ローラ巻き付け方向Rの曲げ剛性)が弱くなって曲がり易くなる。これによってエンボス加工用凸部303の形成部分がマグネットローラ701(図4参照)の外周面に沿って湾曲変形するようになり、フレキシブルダイ301をマグネットローラ701に「ベースの浮き」のない状態で装着することが可能になる。その結果として、正確なエンボス加工を実現することができる。
【0066】
なお、この例のフレキシブルダイ301は、上記した図12に示した処理と基本的には同様なエッチング処理によって作製することができる。
【0067】
ここで、この例のように、フレキシブルベース302の一方の面(表面)に形成するエンボス加工用凸部303が面状パターンで、その裏面に線状の凹部304を形成する場合、例えば図20に示すように、線状の凹部304の内側の領域に凹凸314を形成しておけば、エンボス加工用凹凸303の形成部分が更に曲がり易くなる。この場合、凹凸314としては、凹部314a内に多数のドット状の凸部314b・・314bを2次元状に配置した形態の凹凸であってもよいし、線状の凹部304の内側の領域に多数のドット状の凹部を2次元状に配置した形態の凹凸であってもよい。さらに、凹凸314の凸部314b(または凹部)の正面形状は、四角形に限られることなく、円形や楕円形などの他の任意の形状であってもよい。
【0068】
また、例えば図21に示すように、線状の凹部304の内側の領域に、ローラ巻き付け方向Rと直交する方向に沿って延びる複数のスリット状の凹部(スリット状の溝)324・・324を、ローラ巻き付け方向Rに沿って所定のピッチで形成して、線状の凹部304の内側の領域に凹凸を設けてもよい。なお、スリット状の凹部324は1条であってもよい。
【0069】
以上の図17〜図19に示す例では、エンボス加工用凸部303の裏側に相当する部分に沿って連続的に延びる線状の凹部304を形成しているが、これに限られることなく、エンボス加工用凸部303の裏側に相当する部分に沿って断続的に延びる線状の凹部を形成してもよい。
【0070】
また、以上の例では、線状の凹部304を、エンボス加工用凸部303の輪郭(ハート形状の輪郭)に対応する形状としているが、これに限られることなく、フレキシブルベース302の他方の面(裏面)のうち、面状パターンのエンボス加工用凸部303の裏側に相当する部分(例えば輪郭よりも内側の部分)に直線または曲線の線状凹部を形成しておいてもよい。
【0071】
さらに、以上の例では、フレキシブルベース302の裏面の線状の凹部304をエッチングにより加工しているが、これに限られることなく、線状の凹部304を微細な機械加工によって形成してもよい。
【0072】
<実施形態5>
図22は本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。図23はそのフレキシブルダイの要部縦断面図である。図24は図22のフレキシブルダイの裏面図である。
【0073】
この例のフレキシブルダイ401は、エンボス加工を行うロータリ加工装置に使用するロータリダイであって、フレキシブルベース402の一方の面(表面)にエンボス加工用凸部403が形成されている。エンボス加工用凸部403の加工パターンは、ハート形の輪郭を模った線状パターンであって、フレキシブルダイ401のマグネットローラ701(図4参照)への巻き付け方向R(以下、ローラ巻き付け方向Rともいう)と直交する方向及びローラ巻き付け方向Rに沿う方向の各方向にそれぞれ複数配置されている。
【0074】
この例のフレキシブルダイ401においては、図23及び図24に示すように、フレキシブルベース402の他方の面(エンボス加工用凸部403の形成面とは反対側の面(裏面))に、線状パターンのエンボス加工用凸部403の裏側に相当する部分に沿って一様幅で延びる線状の凹部404を形成している点に特徴がある。
【0075】
このように、フレキシブルベース402の他方の面(裏面)に線状の凹部404を形成しておくと、エンボス加工用凸部403の形成部分の曲げ剛性(ローラ巻き付け方向Rの曲げ剛性)が弱くなって曲がり易くなる。これによってエンボス加工用凸部403の形成部分がマグネットローラ701(図4参照)の外周面に沿って湾曲変形するようになり、フレキシブルダイ401をマグネットローラ701に「ベースの浮き」のない状態で装着することが可能になる。その結果として、正確なエンボス加工を実現することができる。
【0076】
なお、この例のフレキシブルダイ401は、上記した図12に示した処理と基本的には同様なエッチング処理によって作製することができる。
【0077】
ここで、図23及び図24の例のように、線状パターンのエンボス加工用凸部403の裏面側に、線状の凹部404を形成する場合、線状の凹部404の幅等の関係上、エンボス加工用凸部403の形成部分の強度が弱くなってエンボス加工時に加わる力に耐えることができなくなる場合がある。このような点を考慮して、例えば図25に示すように、線状の凹部404内に複数の補強用の凸部414・・414を形成しておいてもよい。また、このような凸部414に替えて、線状の凹部404内に1条もしくは複数の凸条を形成しておいてもよい。
【0078】
なお、図23及び図24に示す例では、エンボス加工用凸部403の裏側に相当する部分に沿って連続的に延びる線状の凹部404を形成しているが、これに限られることなく、エンボス加工用凸部403の裏側に相当する部分に沿って断続的に延びる線状の凹部を形成してもよい。
【0079】
また、以上の例では、フレキシブルベース402の裏面の線状の凹部404をエッチングにより加工しているが、これに限られることなく、線状の凹部404を微細な機械加工によって形成してもよい。
【0080】
以上の各例では、フレキシブルベースの表面に所定パターンのエンボス加工用凸部を形成したフレキシブルダイに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、フレキシブルベースの表面に所定パターンのエンボス加工用凹部を形成したフレキシブルダイ、あるいは、フレキシブルベースの表面にエンボス加工用凸部及びエンボス加工用凹部の双方を形成したフレキシブルダイにも適用可能である。
【0081】
<実施形態6>
図26は本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。図27はそのフレキシブルダイの要部縦断面図である。図28は図26のフレキシブルダイの裏面図である。
【0082】
この例のフレキシブルダイ501は、ロータリ加工装置のマグネットローラ701(図4参照)に巻き付けて使用するロータリダイであって、フレキシブルベース502の一方の面(表面)に多数の押切刃503・・503が形成されている。押切刃503・・503は、プラスチックシート等に切込みを入れる傾斜刃であり、フレキシブルベース502のマグネットローラ701への巻き付け方向R(以下、ローラ巻き付け方向Rともいう)に沿って所定ピッチで配置されている。
【0083】
このように多数の押切刃503・・503がローラ巻き付け方向Rに沿って部分的に集中した形態で形成されたフレキシブルダイ501では、それら押切刃503・・503の形成部分の剛性(ローラ巻き付け方向Rの曲げ剛性)が高くて曲げ難くなる。このような点を考慮して、この例のフレキシブルダイ501においては、フレキシブルベース502の他方の面(押切刃503の形成面とは反対側の面(裏面))のうち、押切刃503の形成部分の裏側に相当する領域Fcに凹凸504を形成している点に特徴がある。なお、この例では、フレキシブルベース502の裏面の凹凸504は、凹部504a内に多数のドット状の凸部504b・・504bを2次元状に配置した形態で形成されている。
【0084】
このようにフレキシブルベース502の他方の面(裏面)に、凹凸504を形成しておくと、フレキシブルダイ501をマグネットローラ701(図4参照)に巻き付けるときに、押切刃503の形成部分の曲げ剛性(ローラ巻き付け方向Rの曲げ剛性)が弱くなって曲がり易くなる。これによって、押切刃503の形成部分がマグネットローラ701の外周面に沿って湾曲変形するようになるので、フレキシブルダイ501をローラに「ベースの浮き」のない状態で装着することが可能になる。その結果として、正確な加工(切込み加工)を実現することができる。
【0085】
この例のフレキシブルダイ501は、上記した図6に示した処理と基本的には同様なエッチング処理によって作製することができる。ただし、エッチングによりフレキシブルベース502の裏面に凹凸504を形成し、フレキシブルベース502の表面に断面台形状の突部(突条)を形成した後(図6(F)の工程が終了した後)、NC加工機等を使用して、図29(A)〜(C)に示すように、押切刃503に対応する断面台形状の突部503′の両側面を円錐形状の切削工具500にて切削して刃先加工を行うことにより、図27に示す形状の押切刃503を得る。
【0086】
なお、図26〜図28に示す例では、フレキシブルベース502の裏面のうち、押切刃503・・503の形成部分の裏側に相当する領域に凹凸504を形成しているが、これに限られることなく、フレキシブルベース502の裏面のほぼ全域にわたって凹凸504を形成してもよい。
【0087】
また、フレキシブルベース502の裏面に形成する凹凸504としては、凹部504a内に多数のドット状の凸部504b・・504bを2次元状に配置した形態の凹凸のほか、フレキシブルベース502の裏面の領域Fcに多数のドット状の凹部を2次元状に配置した形態の凹凸であってもよい。
【0088】
さらに、図26〜図28に示す例では、フレキシブルベース502の裏面に凹凸504を形成しているが、これに替えて、フレキシブルベース502の裏面のうち、押切刃503・・503の形成部分の裏側に相当する領域Fcに、図10や図23等に示すような線状の凹部を形成してもよい。
【0089】
ここで、以上の図26の例では、多数の押切刃503・・503がローラ巻き付け方向Rに沿って形成されたフレキシブルダイ501に本発明を適用した例を示しているが、本発明はこれに限られることなく、例えば図30に示すように、多数の押切刃513・・513がローラ巻き付け方向Rと直交する方向に沿って並ぶ形態の押切刃群530・・530がローラ巻き付け方向Rに沿って所定の間隔で形成されたフレキシブルダイ511にも適用可能である。
【0090】
<他の実施形態>
以上の各例では、エンボス加工用凸部(またはエンボス加工用凹部)のみがフレキシブルベースに形成されたフレキシブルダイ、あるいは、押切刃のみがフレキシブルベースに形成されたフレキシブルダイに、本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、フレキシブルベースの表面にエンボス加工用凹凸及び押切刃の双方が形成されたフレキシブルダイにも適用することができる。
【0091】
その一例として、図31に示すように、フレキシブルベース602の表面に矩形パターン(4角アール)の押切刃631が形成され、その押切刃631にて囲われる領域内に、図1に示すような加工パターンPaのエンボス加工用凸部632が複数箇所に形成されたフレキシブルダイ601を挙げることができる。
【0092】
そして、このようなフレキシブルダイ601においても、図32に示すように、フレキシブルベース602の他方の面(押切刃631及びエンボス加工用凸部632の形成面とは反対側の面(裏面))に凹凸604を形成しておくことで、フレキシブルダイ601をマグネットローラ701(図4参照)に「ベースの浮き」のない状態で装着することが可能になる。なお、フレキシブルベース602の裏面に形成する凹凸604としては、凹部604a内に多数のドット状の凸部604b・・604bを2次元状に配置した形態の凹凸のほか、フレキシブルベース602の裏面に多数のドット状の凹部を2次元状に配置した形態の凹凸であってもよい。
【0093】
また、図32に示す例では、フレキシブルベース602の裏面に凹凸604を形成しているが、これに替えて、フレキシブルベース602の裏面のうち、押切刃631の裏側及びエンボス加工用凸部632の裏側に相当する部分に、図10や図23等に示すような線状の凹部を形成してもよい。
【0094】
ここで、本発明において、フレキシブルダイに形成するエンボス加工用凹凸や押切刃の形状(加工パターン)は図1や図10に示すような形状あるいは図14や図19に示すようなハート形に限られることなく、例えば、三角形や丸形状、あるいは、動物・アニメーションのキャラクタ等の図柄、花柄模様、文字等の他の任意の形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明のフレキシブルダイの一例を示す正面図である。
【図2】図1のフレキシブルダイの要部縦断面図である。
【図3】図1のフレキシブルダイの裏面図である。
【図4】図1のフレキシブルダイをマグネットローラに巻き付けた状態を示す斜視図である。
【図5】図1のフレキシブルダイの作用説明図である。
【図6】図1〜図3のフレキシブルダイの製造方法の一例を模式的に示す図である。
【図7】図6の製造方法に使用するフォトマスクを模式的に示す図である。
【図8】図6の製造方法に使用するフォトマスクを模式的に示す図である。
【図9】本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。
【図10】図9のフレキシブルダイの要部縦断面図である。
【図11】図9のフレキシブルダイの裏面図である。
【図12】図9〜図11のフレキシブルダイの製造方法の一例を模式的に示す図である。
【図13】図12の製造方法に使用するフォトマスクを模式的に示す図である。
【図14】本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。
【図15】図14のフレキシブルダイの要部縦断面図である。
【図16】図14のフレキシブルダイの裏面図である。
【図17】本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。
【図18】図17のフレキシブルダイの要部縦断面図である。
【図19】図17のフレキシブルダイの裏面図である。
【図20】本発明のフレキシブルダイの他の例を示す裏面図である。
【図21】本発明のフレキシブルダイの他の例を示す裏面図である。
【図22】本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。
【図23】図22のフレキシブルダイの要部縦断面図である。
【図24】図22のフレキシブルダイの裏面図である。
【図25】本発明のフレキシブルダイの他の例を示す要部拡大図である。
【図26】本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。
【図27】図26のフレキシブルダイの要部縦断面図である。
【図28】図26のフレキシブルダイの裏面図である。
【図29】図26〜図28のフレキシブルダイの製造方法の一例を模式的に示す図である。
【図30】本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。
【図31】本発明のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。
【図32】図31のフレキシブルダイの要部縦断面図である。
【図33】ロータリ加工装置の一部を模式的に示す斜視図である。
【図34】エンボス加工用のフレキシブルダイの一例を示す正面図である。
【図35】エンボス加工用のフレキシブルダイの他の例を示す正面図である。
【図36】図34のフレキシブルダイをマグネットローラに巻き付ける際に発生する問題点を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1,101 フレキシブルダイ
2,102 フレキシブルベース
3,103 エンボス加工用凸部(線状パターン)
4 凹凸
104 線状の凹部
201,301 フレキシブルダイ
202,302 フレキシブルベース
203,303 エンボス加工用凸部(面状パターン)
204 凹凸
304 線状の凹部
501 フレキシブルダイ
502 フレキシブルベース
503 押切刃
504 凹凸
R ローラ巻き付け方向
701 マグネットローラ
【出願人】 【識別番号】391002568
【氏名又は名称】株式会社塚谷刃物製作所
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗


【公開番号】 特開2008−36718(P2008−36718A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−209975(P2006−209975)