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【発明の名称】 穿孔装置及び穿孔方法
【発明者】 【氏名】冨永 秀樹

【要約】 【課題】銀行通帳等の取引記載を読み取ることができるとともに、預金通帳の磁気ストライブの書き込み情報を読み取り不可能に穿孔できる穿孔装置及び穿孔方法を提供する。

【構成】穿孔ピン14と、この穿孔ピンと共働して穿孔対象物を穿孔する貫通穴15と、上記穿孔ピンを上下動させて上記貫通穴に出没させる穿孔機構3と、上記穿孔機構を駆動させる駆動手段5とを備え、上記穿孔対象物に設けられた磁気ストライブに書き込まれた情報を読み取り不可能に穿孔する穿孔装置であって、少なくとも、上記磁気ストライブの長さ方向中間部を幅方向に横断して穿孔できる1又は2以上の上記穿孔ピン及びこれらに対応する上記貫通穴を備えて構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔ピンと、この穿孔ピンと共働して穿孔対象物を穿孔する貫通穴と、上記穿孔ピンを上下動させて上記貫通穴に出没させる穿孔機構と、上記穿孔機構を駆動させる駆動手段とを備え、上記穿孔対象物に設けられた磁気ストライブに書き込まれた情報を読み取り不可能に穿孔する穿孔装置であって、
少なくとも、上記磁気ストライブの長さ方向中間部を幅方向に横断して穿孔できる1又は2以上の上記穿孔ピン及びこれらに対応する上記貫通穴を備えて構成されている、穿孔装置。
【請求項2】
上記磁気ストライブを切断できる断面矩形状の穿孔ピン及びこれに対応する貫通穴を設けた、請求項1に記載の穿孔装置。
【請求項3】
上記磁気ストライブを幅方向に0.5mm以下の間隔を開けて穿孔できる複数の穿孔ピン及びこれら穿孔ピンに対応する貫通穴を設けた、請求項1に記載の穿孔装置。
【請求項4】
上記穿孔ピンを断面円形に形成するとともに、上記穿孔穴を円筒内面状に形成した、請求項3に記載の穿孔装置。
【請求項5】
複数の穿孔ピン及び貫通穴を2列以上に配列して設けた、請求項1から請求項4のいずれかに記載の穿孔装置。
【請求項6】
上記穿孔ピン又は上記貫通穴の近傍に、上記磁気ストライブに書き込まれた情報を読み取り不可能にするマグネットを設けた、請求項1から請求項5のいずれかに記載の穿孔装置。
【請求項7】
上記穿孔対象物を上記穿孔ピンに対して位置決めできる位置決め手段を設けた、請求項1から請求項6のいずれかに記載の穿孔装置。
【請求項8】
形態の異なる2以上の穿孔対象物を位置決めできる位置決め手段を備える、請求項7に記載の穿孔装置。
【請求項9】
上記位置決め手段は、上記穿孔ピンの上記穿孔位置を表示する穿孔位置表示である、請求項7又は請求項8のいずれかにに記載の穿孔装置。
【請求項10】
上記穿孔対象物の縁部に当接してこれを位置決めできる位置決め手段を備える、請求項7から請求項9のいずれかに記載の穿孔装置。
【請求項11】
預金通帳の磁気ストライブを穿孔できる上記穿孔ピン及び位置決め手段を設けた、請求項7から請求項10のいずれかに記載の穿孔装置。
【請求項12】
キャッシュカード及び/又はクレジットカードの磁気ストライブを穿孔できる上記穿孔ピン及び位置決め手段を設けた、請求項7から請求項11のいずれかに記載の穿孔装置。
【請求項13】
ICカードのICチップを穿孔できる上記穿孔ピンを及び位置決め手段を設けた、請求項7から請求項12のいずれかに記載の穿孔装置。
【請求項14】
穿孔対象物に設けられた磁気ストライブを穿孔して、これに書き込まれた情報を読出不可能にする穿孔方法であって、
上記磁気ストライブの長さ方向中間部を幅方向に横断する1又は2以上の上記穿孔穴を形成する、磁気ストライブの穿孔方法。
【請求項15】
上記磁気ストライブの幅方向に、0.5mm以下の間隔を開けて複数の穿孔穴を形成する、請求項14に記載した磁気ストライブの穿孔方法。
【請求項16】
上記磁気ストライブを穿孔するとともに磁気を作用させる、請求項14又は請求項15のいずれかに記載の穿孔方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願発明は、穿孔装置及び穿孔方法に関する。詳しくは、銀行の通帳やクレジットカード、さらに、ICカード等に書き込まれた情報を読み出し不可能に穿孔する穿孔装置及び穿孔方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銀行の取引がオンライン化され、現金自動支払い機等においては、磁気カード等の認証カードと暗証番号の組合せにより認証が行われるのが一般的である。また、預金通帳への取引等の記入も現金自動支払機等において行われるため、預金通帳にも認証情報が書き込まれている。
【0003】
上記磁気カードや預金通帳に設けられる認証情報は、磁気ストライブを所定位置に貼着して設けられることが多い。上記磁気ストライブは、磁性粉体を塗着したシートから形成されており、上記磁性粉体を所定パターンで磁化することにより、認証情報を書き込めるように構成されている。
【0004】
上記磁気ストライブの書き込み情報は読み取られ易く、また、同じ磁気ストライブを複製することも容易であるため、カード等が偽造される可能性も高い。このため、最近ではICチップを埋め込んだICカードや、生体認証カード等が提供されている。
【0005】
上記のカード類は、シュレッダー等で粉砕すれば情報を読み取られる恐れはなくなる。一方、銀行通帳は取引情報を記載したものであり、長期間保存しなければならない。このため、従来は、使用後に取引情報等を読むことができる程度の穿孔を設けて、通帳を使用できなくしている。
【0006】
【特許文献1】実開平7−5748
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載されたような穿孔機を用いて通帳を穿孔することにより、取引明細が追記できないことが容易に判別でき、また、現金自動支払機で使用できなくすることができる。
【0008】
ところが、上記穿孔装置は、通帳が使用不可能であることを一見して判断でき、また通帳を現金自動支払い機等において使用できなくするものであり、通帳に設けられた磁気ストライブの情報を抹消するものではない。このため、取引が終了した通帳が悪用されると認証情報が盗み取られ、犯罪につながる恐れもある。一方、上記通帳を完全に破壊するか、あるいは、上記磁気ストライブの領域を破壊する程度に穿孔することも考えられるが、そうすると、通帳に記載された取引内容まで読み取ることができなくなる。
【0009】
また、クレジットカードを更新した場合、それまでのカードを廃棄しなければならない。この場合においても、磁気ストライブの部分を破断しなければ、情報が読み取られる恐れがある。
【0010】
本願発明は、上述の事情のもとで考え出されたものであって、銀行通帳等の取引記載を読み取ることができるとともに、預金通帳の磁気ストライブの書き込み情報を読み取り不可能に穿孔できる穿孔装置及び穿孔方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の請求項1に記載された発明は、穿孔ピンと、この穿孔ピンと共働して穿孔対象物を穿孔する貫通穴と、上記穿孔ピンを上下動させて上記貫通穴に出没させる穿孔機構と、上記穿孔機構を駆動させる駆動手段とを備え、上記穿孔対象物に設けられた磁気ストライブに書き込まれた情報を読み取り不可能に穿孔する穿孔装置であって、少なくとも、上記磁気ストライブの長さ方向中間部を幅方向に横断して穿孔できる1又は2以上の上記穿孔ピン及びこれらに対応する上記貫通穴を備えて構成したものである。
【0012】
本願発明に係る穿孔装置は、穿孔ピンとこの穿孔ピンと共働して穿孔対象物を穿孔する貫通穴とを備えて構成される。預金通帳等の穿孔対象物は、離間状態にある上記穿孔ピンと上記貫通穴の間の空間に位置決めされ、上記穿孔ピンを上記貫通穴に押し込むことにより、上記穿孔ピンの断面に対応する部分が切除される。
【0013】
上記穿孔ピンは上記穿孔機構によって上記穿孔穴に対して上下動させられる。上記穿孔機構として種々の機構を採用することができる。
【0014】
また、上記穿孔機構は、駆動手段によって駆動される。上記駆動手段も限定されることはなく、たとえば、手動の装置においては回動可能なアーム部を設け、このアーム部を回動操作することにより、上記穿孔ピンを上下動させるように構成することができる。また、電動モータ等の動力を用いて上記駆動手段を構成することもできる。
【0015】
一般に、キャシュカード等に設けられる上記磁気ストライブは、磁性体を所定の幅でバーコード状に磁化することにより情報が書き込まれる。したがって、情報が記憶された最小単位の幅で、上記磁気ストライブを横断するように穿孔すると、情報の一部が削除されて、上記磁気ストライブから情報を読み出せなくなる。なお、上記磁気ストライブに複数のトラックが設けられることもあるが、上記磁気ストライブを横断、すなわち、磁気ストライブの全幅にわたるように穿孔することにより、上記複数のトラックに記載された情報も読み出せなくなる。
【0016】
上記情報を記憶する磁化領域の最小単位幅は記録方式によって異なる。このため、所定の銀行等で使用される磁気ストライブに対応した幅で穿孔するように設定すればよい。なお、磁気ストライブの上記最小単位幅は通常の光学方式バーコードの単位幅以下である。したがって、上記光学方式のバーコードの単位幅あるいは穿孔ピンを製作可能な最小幅で磁気ストライブを横断して穿孔すれば、ほとんどの磁気ストライブ内の情報を読み出せなくなる。また、磁気ストライブの一部が消滅するため、他の部位から情報を復元するのも困難となる。穿孔ピンを容易に製作でき、また、穿孔する際に要する力を小さくするため、0.5〜3mm程度の幅で、上記磁気ストライブを幅方向に穿孔するように構成するのが好ましい。
【0017】
一方、本願発明に係る穿孔装置においては、非常に小さい幅で磁気ストライブを横断するように穿孔するため、通帳に記載された取引明細内容まで識別不可能になることはない。このため、通帳の取引内容を識別できる程度の穿孔で、上記磁気ストライブの認証情報等を読出不可能にすることが可能となる。
【0018】
上記穿孔ピンの数は特に限定されることはない。請求項2に記載した発明のように、上記磁気ストライブを所定幅で切断できる断面矩形状の穿孔ピン及びこれに対応する貫通穴を設けることができる。上述したように、上記穿孔ピンの縦横の寸法は磁気ストライブの記録方式に応じて設定することができる。また、セキュリティ性を高めるため、複数の穿孔ピンで、磁気ストライブの複数箇所を穿孔できるように構成してもよい。
【0019】
磁気ストライブの形態は、銀行等によって異なり一定ではない。非常に幅方向寸法の大きなものもある。このような大きな磁気ストライブにおいては、幅方向を連続して全て切り欠くように穿孔すると、取引明細が判読しにくくなる恐れがある。また、大きな長さを有する穿孔ピンを製作するのは困難である。さらに、一度に大きな穴を開けるため、穿孔するのに要する力も大きくなる。
【0020】
本願の請求項3に記載した発明は、上記磁気ストライブを幅方向に0.5mm以下の間隔を開けて穿孔できる複数の穿孔ピン及びこれら穿孔ピンに対応する貫通穴を設けたものである。
【0021】
本願発明者らの研究の結果、磁気ストライブの全幅を連続的に切除しなくても、0.5mm以下の間隔で、磁気ストライブを横断する複数の穿孔を設けた場合にも、書き込まれた情報を読み出せなくなることが判明した。
【0022】
複数の穿孔ピンを用いて穿孔することにより、通帳等の複数の穿孔穴間が繋がることになり、取引明細が判読不可能になる恐れも少なくなる。このため、大きな幅寸法を備える磁気ストライブに対応することができる。また、穿孔ピンを容易に製作することもできる。さらに、穿孔ピンを順次貫通穴に挿入するように穿孔機構を構成することにより、穿孔するのに要する力を小さくすることも可能となる。
【0023】
上記穿孔ピンの形態は特に限定されることはないが、請求項4に記載した発明のように、上記穿孔ピンを断面円形に形成するとともに、上記穿孔穴を円筒内面状に形成するのが好ましい。また、各穿孔ピンの直径も限定されることはないが、製作上及び穿孔するのに要する力を小さくするために、3mm以下に設定するのが好ましい。
【0024】
本願の請求項5に記載した発明は、穿孔ピン及び貫通穴を2列以上に配列して設けたものである。
【0025】
2列以上に配列することにより、磁気ストライブの複数の箇所を横断するように穿孔することができるため、より確実に情報を破壊することができる。また、穿孔領域が大きくなるため、穿孔ミスを防止することができる。
【0026】
さらに、複数例の穿孔ピンを千鳥状に配置して、磁気ストライブの読み取り方向(長手方向)に重なるようにすると、いずれの部位においても情報が切断されることになる。このため、磁気ストライブの情報を確実に読み取り不可能にすることができる。
【0027】
請求項6に記載した発明は、上記穿孔ピン又は上記貫通穴の近傍に、上記磁気ストライブに書き込まれた情報を読み取り不可能にするマグネットを設けたものである。
【0028】
請求項1から請求項6に記載した発明は、磁気ストライブの一部を切除することにより、情報を読出し不可能にするものではあるが、切除された部分以外の部分には、情報がそのまま保持されていることになる。このため、切除部分の記録内容が判明すると磁気ストライブの情報を読み取られる恐れがある。
【0029】
請求項6に記載した発明は、磁気ストライブに磁力を作用させることにより、記録された情報を攪乱した上で切除できるため磁気ストライブの情報を完全に読み出せなくなる。したがって、セキュリティ性が格段に向上する。
【0030】
本願発明では、上記穿孔ピン又は貫通穴の近傍にマグネットを配置しているため、上記穿孔操作を行うだけで、磁気ストライブに磁気を作用させることができる。しかも、上記穿孔ピン及び貫通穴は、鉄等の磁性体から形成されているため、上記穿孔ピンを介して磁気ストライブに強力な磁力を直接作用させることも可能となり、さらに効果が高まる。
【0031】
上記磁気ストライブの情報を攪乱できる程度であれば、上記マグネットの磁力の強さは限定されることはない。確実に情報を攪乱するには、1500ガウス以上の磁力を磁気ストライブの表面に作用させるのが好ましい。
【0032】
本願の請求項7に記載した発明は、上記穿孔対象物を上記穿孔ピンに対して位置決めできる位置決め手段を設けたものである。
【0033】
穿孔ピンを広い範囲設ければより確実に磁気ストライブを穿孔できるが、穿孔領域が大きくなるほど穿孔するために要する力が大きくなり、取り扱い性が低下する。また、穿孔ピンの本数も多くなり、製造コストを増大させる。このため、本願発明では、穿孔領域をできるだけ小さくするとともに、穿孔対象物を上記穿孔ピンに対して位置決めできる位置決め手段を設けている。磁気ストライブを横断するように穿孔できるように位置決めできれば、種々の位置決め手段を採用することができる。
【0034】
さらに、請求項8に記載した発明のように、形態の異なる2以上の穿孔対象物を位置決めできる位置決め手段を備えるように構成するのが好ましい。たとえば、預金通帳とキャッシュカードの双方の磁気ストライブを穿孔できるように、それぞれ位置決めできる位置決め手段を設けることができる。
【0035】
上記位置決め手段として、請求項9に記載した発明のように、上記穿孔ピンの穿孔位置を表示する穿孔位置表示を採用することができる。たとえば、上記穿孔対象物を上記穿孔ピンと上記貫通穴の間の空間へ挿入する際に、上記穿孔位置を示す範囲や矢印等をケーシングに設けて位置決め手段とすることができる。使用者が、上記矢印等を目印に磁気ストライブを穿孔装置に挿入すればよい。
【0036】
また、請求項10に記載した発明のように、上記穿孔対象物の縁部に当接してこれを位置決めする位置決め手段を採用することができる。
【0037】
たとえば、穿孔対象物を挿入する隙間の奥部に、穿孔対象物の磁気ストライブが上記穿孔ピンの位置に対応するように位置決めできる壁部や段部を設けることができる。
【0038】
本願発明が適用される穿孔対象物は、特に限定されることはない。たとえば、請求項11に記載した発明のように、預金通帳の磁気ストライブを穿孔できる上記穿孔ピン及び位置決め手段を設けて構成することができる。また、請求項12に記載した発明のように、キャッシュカード及び/又はクレジットカードの磁気ストライブを穿孔できる上記穿孔ピン及び位置決め手段を設けて構成することができる。
【0039】
さらに、本願発明は、磁気ストライブを備えるもののみに限定されるものではなく、請求項12記載した発明のように、ICカードのICチップを穿孔できる、上記穿孔ピン及び位置決め手段を設けて構成することもできる。
【0040】
ICチップは、磁気ストライブより情報が不正に読み出される危険生は低いが、大量の情報が記憶されているため、万一情報が読み出されると被害も大きくなる。また、ICの読み出し装置が悪用される恐れもある。このため、ICカード廃棄する場合にも注意が必要である。
【0041】
ICカードに設けられるICチップは、磁気ストライブと配置及び形態が異なる。このため、ICカード用の位置決め手段を設けるのが好ましい。なお、ICを読み取り不可能にするには、IC領域に一つの穿孔を形成するだけで足りる。また、ICチップと磁気ストライブの双方を備えるカードもある。したがって、上記ICチップに対応する位置と、上記磁気ストライブの双方の位置に、カードを位置決めできる位置決め手段を設けるのが好ましい。なお、磁気ストライブはある程度の長さで設けられることが多い一方、ICチップは矩形板状のICチップをカードの縁部から所定の距離を開けて配置されていることが多。このため、上記ICチップの位置を基準として上記段部等の位置を設定すると、上記ICチップと上記磁気ストライブの双方に適用できる位置決め手段を構成できる。
【0042】
本願の請求項14に記載した発明は、穿孔対象物に設けられた磁気ストライブを穿孔して、これに書き込まれた情報を読出不可能にする穿孔方法であって、上記磁気ストライブの長さ方向中間部を幅方向に横断する1又は2以上の上記穿孔穴を形成する、磁気ストライブの穿孔方法に係るものである。
【0043】
本願の請求項15に記載した発明は、上記磁気ストライブの幅方向に、0.5mm以下の間隔を開けて複数の穿孔穴を形成する、磁気ストライブの穿孔方法に係るものである。
【0044】
本願の請求項16に記載した発明は、上記磁気ストライブに磁気を作用させるように構成した穿孔方法に係るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本願発明に係る実施の形態を図に基づいて具体的に説明する。
【0046】
図1に穿孔装置1の側面図、図2に正面図を示す。穿孔装置1は、ベース部2と、上記ベース部2に取り付けられ、内部に穿孔機構3が設けられる側板4,4と、上記側板4,4に回動可能に保持されて上記穿孔機構を駆動するアーム部5とを備えて構成される。
【0047】
図3に、図2における III−III 線に沿う断面図を示す。
【0048】
上記ベース部2は、矩形状の金属厚板材から形成されており、前部には、穿孔した切除片を収容する穴部6が上下に貫通状に形成されている。上記穴部6の下部開口は、樹脂で形勢された蓋部材7が着脱可能に装着されている。上記ベース部2の下面には、ゴムのスベリ止め8,8が貼着されている。
【0049】
上記ベース部2の後部上面には、上記側板4,4の後方下部を連結するように一体成形された連結部4aが、ネジ10,10よって一体的に連結されている。
【0050】
上記穿孔機構3は、上記穴部6の上部開口を覆うように連結された穿孔プレート11と、上記穿孔プレート11の上面に対して所定隙間Hをあけて保持された案内プレート12と、上記アーム部5の回動操作によって、上下動させられる押圧部材13と、上記押圧部材13の内部に頭部が保持された穿孔ピン14とを備えて構成されている。
【0051】
上記穿孔プレート11には、各穿孔ピン14に対応し、上記穴部6に連通する貫通穴15形成されている。また、上記穿孔プレート11には、中間部に段部16が設けられており、穿孔対象物を上記段部16に係止して位置決めできるように構成されている。
【0052】
上記案内プレート12には、上記穿孔ピン14の先端部が挿入された案内穴17が形成されている。上記案内穴17は、上記貫通穴15に対応する位置に形成されており、上記穿孔ピン14を位置決め案内して上記貫通穴15に突入できるように摺動可能に保持している。上記案内プレート12の、上記案内穴17の前部には、マグネット装着穴18が形成されており、保持部材19の下端部に保持されたマグネット20が、下面を上記隙間Hに露出するように保持されている。
【0053】
上記穿孔プレート11と上記案内プレート12とは、ネジ21を用いて上記ベース部2の上面に連結されている。上記穿孔プレート11と上記案内プレート12との間には、上記段部16によって形成される2段階の隙間H1,H2が形成されている。
【0054】
上記押圧部材13は、両縁部に上記側板4の内面に沿う一対の対向壁部21,21が一体形成されており、上記対向壁部21,21の前縁部から水平方向に延びる長穴22が形成されている。上記押圧部材13は、上記案内プレート12の上面からスペーサ部材23を介して所定高さに設けられた規制部材24によって上方への移動が規制されている。
【0055】
上記アーム部5は、前端部が上記側板4,4に掛け渡し状に保持される回動軸25に回動可能に保持されているとともに、バネ26によって、上方に向けて(図3における反時計回り方向)弾力付勢されている。
【0056】
上記アーム部5の前部下面には、略コ字状部材27がネジ28によって連結されている。この略コ字状部材27の対向壁部27a,27aに、押圧バー29が掛け渡し状に保持されている。上記押圧バー29の両端部は、上記押圧部材13の対向壁部21,21に形成された上記長穴22,22にそれぞれ係合させられている。
【0057】
図3の状態から、アーム部5を矢印F方向に回動操作すると、上記押圧バー29が上記長穴22の下縁部を押圧して、上記押圧部材13を下方へ移動させる。これに伴い、上記穿孔ピン14が、上記案内穴17に案内されて下方に移動し、上記隙間Hに突出して位置決めされた穿孔対象物を貫通して、上記貫通穴15に突入させられる。上記穿孔ピン14によって切除された切除片は、上記穴部6に収容される。
【0058】
一方、上記アーム部5に加える力を解除すると、上記バネ26の弾力によって、上記アーム部5が上方に回動こさせられ、上記押圧バー29が上記長穴22の上縁部を押圧して上記押圧部材13が上方に引上げられ、これに伴い、上記穿孔ピン14が上方に移動させられて、穿孔対象物から離間させられる。
【0059】
図6に示すように、本実施の形態では、通帳31等に貼着された磁気ストライブ32を幅方向に横断して穿孔できる9本の穿孔ピン14及びこれに対応する貫通穴15を一列状に設けている。なお、本実施の形態では、理解を容易にするため、上記磁気ストライブ32を目視できるバーコード状に磁化した例を示している。なお、実際には、上記磁気ストライブ32の情報は視認できないように形成されている。また、書き込まれ情報もバーコード状であるとは限らない。
【0060】
図1及び図2に示すように、本実施の形態では、上記側板4,4の前方空間を封止する樹脂製の封止部材33が装着されており、この封止部材33及び側板4,4の表面に、上記穿孔ピン14の穿孔位置を示す「パンチ範囲」の表示34、及び上記マグネット20の位置を示す「消磁範囲」の位置決め表示35が設けられている。
【0061】
図6に示すように、上記パンチ範囲の表示34に合わせて、上記通帳31の磁気ストライブ32を上記隙間Hに挿入する。通帳31の場合、穿孔装置の正面の上記表示に合わせて、隙間Hの最奥部の通帳位置まで挿入することにより、上記磁気ストライブ32の長手方向中央部が、上記穿孔ピン14の下方に位置するように設定されている。上記位置に通帳31を位置決めして、上記アーム部5を押し下げることにより、上記磁気ストライブ32を穿孔することができる。
【0062】
図7及び図8に、上記穿孔装置1で、磁気ストライブを穿孔した穴35の状態を示す。本実施の形態では、直径D=1.8mmの9本の穿孔ピン14が、S=0.4mmの間隔をあけて一列状に配置されており、W2=19.4mmの範囲に渡って穿孔できるように構成されている。一方、上記磁気ストライブ32の幅が、W1=15mmに設定されており、上記9本の穿孔ピン14によって、上記磁気ストライブ32を幅方向に横断して穿孔することができる。
【0063】
上記各穿孔ピン14の間隔を0.4mmに設定することにより、磁気ストライブ32を幅方向に横断する穿孔領域の一部に繋がった部分があっても、上記磁気ストライブ32の情報を読み出せなくなる。また、上記穿孔位置を磁気ストライブ32の長手方向中央部に設定することにより、磁気ストライブ32の情報書き込み部分を確実に穿孔することができる。
【0064】
図9に、本実施の形態に係る穿孔装置1を用いて磁気ストライブ36が貼着されたカード37を穿孔する状態を示す。この図に示すように、上記カード37の磁気ストライブ36を、上記図2に示すパンチ範囲の表示34に沿って、上記隙間Hに挿入する。本実施の形態では、上記穿孔プレート11にカード位置決め用の段部16が設けられているため、穿孔位置を上記磁気ストライブ37の中央部に容易に位置決めすることができる。
【0065】
さらに、図10に示すように、本実施の形態に係る穿孔装置1を、ICカード40のIC41を穿孔するように構成することもできる。この場合、上記段部16を、カードの縁部からIC領域までの長さに設定することにより対応できる。特に、カード40の上記IC41の位置に合わせて上記段部16を設定することにより、磁気ストライブ36の中央部を穿孔できる位置決め手段とすることができる。
【0066】
上記位置決め手段は、各銀行等で使用されるカードや通帳の磁気ストライブの位置及び大きさに応じて設定することができる。
【0067】
図11及び図12に、第2の実施の形態を示す。この実施の形態は、本願発明に係る穿孔装置を、3列に渡って配置される複数の穿孔ピン14を備えて構成したものである。
【0068】
図12に示すように、本実施の形態では、各列の穿孔ピン14の間隔Sを、穿孔ピン14の直径Dより小さく設定している。この構成を採用すると、読み取り方向(R方向)に対して、いずれの幅方向位置においても穿孔部分が存在することになる。したがって、よりセキュリティの高い穿孔を施すことが可能となる。
【0069】
本願発明は、上述の実施の形態に限定されることはない。実施の形態では、断面円形状の複数の穿孔ピンを一列状に配列することにより、磁気ストライブの幅方向に横断する領域を穿孔したが、上記磁気ストライブの幅以上の長さを備える断面矩形状の穿孔ピンを採用することもできる。
【0070】
また、実施の形態では、各穿孔対象物を位置決め手段を固定的に設けたが、移動可能に構成して、種々の穿孔対象物に適用できるように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本願発明に係る穿孔装置の側面図である。
【図2】図1に示す穿孔装置の正面図である。
【図3】図2における III−III 線に沿う断面図である。
【図4】図3に示す穿孔装置でアーム部を押し下げて穿孔する状態を示す断面図である。
【図5】図1に示す穿孔装置の封止部材を除去した場合の拡大正面図である。
【図6】図1に示す穿孔装置で通帳の磁気ストライブを穿孔する操作を説明する説明図である。
【図7】図6に示す穿孔装置で、磁気ストライブを穿孔した状態を示す説明図である。
【図8】穿孔装置よって形成される穴の状態を示す拡大図である。
【図9】図1に示す穿孔装置で磁気カード磁気ストライブを穿孔する操作を説明する説明図である。
【図10】図1に示す穿孔装置でICカードを穿孔する操作を説明する説明図である。
【図11】本願発明の第2の実施の形態を示す図であり、図7に相当する説明図である。
【図12】図11に示す穴の状態を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0072】
1 穿孔装置
3 穿孔機構
5 アーム部(駆動手段)
14 穿孔ピン
15 貫通穴
【出願人】 【識別番号】594057200
【氏名又は名称】有限会社冨永製作所
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100101605
【弁理士】
【氏名又は名称】盛田 昌宏


【公開番号】 特開2008−23613(P2008−23613A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195831(P2006−195831)