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コネクティングロッドの製造装置 - 特開2008−6527 | j-tokkyo
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【発明の名称】 コネクティングロッドの製造装置
【発明者】 【氏名】小口 嗣夫

【氏名】奥村 秀樹

【氏名】橋本 祐孝

【要約】 【課題】異なる内径を有する種々のコネクティングロッドの大端部を破断分割することが可能な汎用性を持たせることにある。

【構成】固定ステージ62と接近又は離間自在に設けられた可動ステージ64と、前記固定ステージ62側に着脱自在に設けられた第1マンドレル114及び前記可動ステージ64側に着脱自在に設けられ前記可動ステージ64と一体的に変位する第2マンドレル120と、大端部38の結合孔36及び小端部40の孔部39の中心を結ぶ延長線上であって前記可動ステージ64側に偏位した部位に設けられ、荷重機構によって荷重が付与されることにより前記固定ステージ62から前記可動ステージ64を離間させる単一の楔部材122とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大端部と小端部とを有するコネクティングロッドを一体成形した後、前記大端部の結合孔を一組の拡張具にセットし、前記拡張具を拡張させることで、前記大端部をキャップ部とロッド部に破断分割するコネクティングロッドの製造装置であって、
基台上に固定された固定ステージと、
前記固定ステージと対向配置され水平方向に沿って該固定ステージと接近又は離間自在に設けられた可動ステージと、
前記固定ステージ又は前記可動ステージに着脱自在に設けられたロッド部側の一方の拡張具、及び前記可動ステージ又は前記固定ステージに着脱自在に設けられたキャップ部側の他方の拡張具と、
前記大端部の結合孔の中心と前記小端部の孔部の中心とを結んだ延長線上であって前記一組の拡張具から偏位した部位に設けられ、圧入されることにより前記固定ステージから前記可動ステージを離間させる単一の楔部材と、
前記大端部を破断分割するために、前記単一の楔部材の圧入方向に破断荷重を付与する荷重機構と、
を備えることを特徴とするコネクティングロッドの製造装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記単一の楔部材は、前記大端部の結合孔の中心と前記小端部の孔部の中心とを結んだ延長線上であって前記可動ステージ側又は前記固定ステージ側に偏位した部位に設けられることを特徴とするコネクティングロッドの製造装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、
前記大端部の結合孔の内面に一組の拡張具を略圧着させるために、前記単一の楔部材の圧入方向に予備荷重を付与する予備荷重付与機構が設けられることを特徴とするコネクティングロッドの製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両用のエンジン部品を構成するコネクティングロッドの製造装置に関し、一層詳細には、大端部と小端部とを有するコネクティングロッドを一体成形した後、前記大端部をキャップ部とロッド部に破断分割するコネクティングロッドの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、車両用のエンジンには、ピストンピンとクランクピンとを連結するコネクティングロッドが広く用いられている。このコネクティングロッドは、前記クランクピンに連結される大端部と、前記ピストンピンに連結される小端部とを有しており、その製造工程では、コネクティングロッドの大端部から小端部までを、例えば、鍛造成形等によって一体成形した後、前記大端部をキャップ部とロッド部とに破断分割することが一般的に行われている。
【0003】
この種のコネクティングロッドを破断分割する装置として、例えば、特許文献1には、コネクティングロッドの軸受部の軸受孔に外方向への内圧を付与する内圧付与装置と前記軸受部に外圧を付与する一組の外圧付与装置とを設け、前記一組の外圧付与装置によって前記軸受部に外圧を付与すると共に前記内圧付与装置によって前記軸受部に内圧を付与し、内圧付与装置による内圧が軸受部を分割し得る内圧にあるときに前記外圧付与装置の外圧を瞬間的に開放し、前記内圧によって軸受部を瞬間的に分割する装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、コネクティングロッドを載置するパレットの基盤に互いに離反する方向に移動可能に配設され前記コネクティングロッドを水平に支持する第1及び第2の支持部材と、これらの第1及び第2の支持部材に垂設され各外周面がそれぞれ開口部内面に当接するマンドレル半部からなる半割形のマンドレルと、各マンドレル半部の対向する端面と当接する面がそれぞれテーパ面をなし各マンドレル半部を均等に離反拡張させる楔と、前記楔に荷重を付与するアクチュエータと、前記アクチュエータに初期荷重を付与して開口部内面に各マンドレル半部を当接させた後、破断荷重を加えて開口部を瞬間的に破断する制御回路とを備えたコネクティングロッドの破断装置が開示されている。
【0005】
次に、この種のコネクティングロッドの破断分割に関し、例えば、特許文献3には、コネクティングロッドの大端孔に嵌合された一対の半円柱状突起の軸方向両側に前記一対の半円柱状突起を互いに隔離させる方向の破壊力を均等に付与することにより、分割後の大端孔の歪みを防止することができる、と記載されたコネクティングロッドの分割装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平10−277848号公報
【特許文献2】特開2002−66998号公報
【特許文献3】特開平6−42527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1〜3にそれぞれ開示された破断分割装置では、半円柱状突起からなる一組のマンドレル半部が組み合わされて構成されたマンドレルに対し、コネクティングロッドの大端部の孔部を挿通させて位置決めした後、前記一組のマンドレル半部に形成された断面矩形状孔部の間に楔部材を圧入して一組のマンドレル半部を相互に離間させることにより前記大端部をキャップ部とロッド部とに破断分割している。
【0008】
換言すると、前記特許文献1〜3にそれぞれ開示された破断分割装置では、コネクティングロッドの大端部の孔部に係合する一組のマンドレル半部間に楔部材を圧入し、一組のマンドレル半部に対して直接的に荷重を付与して前記一組のマンドレル半部を相互に離間させることにより、前記一組のマンドレル半部に係合する大端部をキャップ部とロッド部とに破断分割している。
【0009】
この場合、車種が異なる他のコネクティングロッドでは、大端部の内径がそれぞれ異なっているため、前記大端部の孔部の内径に対応する外径からなる一組のマンドレル半部を有する複数の破断分割装置が必要となり、製造及び管理コストが上昇するという問題がある。
【0010】
すなわち、特許文献1〜3に開示された破断分割装置では、大端部の内径がマンドレルの外径と略同一である特定のコネクティングロッドのみを位置決めした状態で破断分割することができるが、大端部の内径が異なる他の種類のコネクティングロッドを破断分割することが困難であり、前記大端部の異なる内径に対応した外径を有する他のマンドレルが設けられた他の破断分割装置が必要となる。
【0011】
本発明の目的は、異なる内径を有する種々のコネクティングロッドの大端部を破断分割することが可能な汎用性を有するコネクティングロッドの製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために、本発明は、大端部と小端部とを有するコネクティングロッドを一体成形した後、前記大端部の結合孔を一組の拡張具にセットし、前記拡張具を拡張させることで、前記大端部をキャップ部とロッド部に破断分割するコネクティングロッドの製造装置であって、
基台上に固定された固定ステージと、
前記固定ステージと対向配置され水平方向に沿って該固定ステージと接近又は離間自在に設けられた可動ステージと、
前記固定ステージ又は前記可動ステージに着脱自在に設けられたロッド部側の一方の拡張具、及び前記可動ステージ又は前記固定ステージに着脱自在に設けられたキャップ部側の他方の拡張具と、
前記大端部の結合孔の中心と前記小端部の孔部の中心とを結んだ延長線上であって前記一組の拡張具から偏位した部位に設けられ、圧入されることにより前記固定ステージから前記可動ステージを離間させる単一の楔部材と、
前記大端部を破断分割するために、前記単一の楔部材の圧入方向に破断荷重を付与する荷重機構と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
この場合、前記単一の楔部材は、前記大端部の結合孔の中心と前記小端部の孔部の中心とを結んだ延長線上であって前記可動ステージ側又は前記固定ステージ側に所定長だけ偏位した部位に設けられるとよい。また、前記単一の楔部材の圧入方向に予備荷重を付与する予備荷重付与機構を設けることにより、前記大端部の結合孔の内面に一組の拡張具を略圧着させてキャップ部とロッド部とに確実に破断することができる。
【0014】
本発明によれば、先ず、コネクティングロッドのロッド部を、例えば、固定ステージ側にセットすると共に、前記コネクティングロッドのキャップ部を、例えば、前記固定ステージに対して移動可能に設けられた可動ステージ側にセットする。
【0015】
続いて、荷重機構を介して単一の楔部材に対して荷重を付与することにより固定ステージから可動ステージが離間すると共に、前記固定ステージ側に設けられた一方の拡張具から前記可動ステージ側に設けられた他方の拡張具が離間して、大端部がキャップ部とロッド部とに破断分割される。
【0016】
さらに本発明では、固定ステージ及び可動ステージに対してそれぞれ一組の拡張具が着脱自在に設けられているため、前記楔部材を交換することがなく、所望の外径を有する他の拡張具と交換することにより、車種等が異なる多種類のコネクティングロッドの大端部を破断することができ、作業効率及び汎用性を向上させることができる。
【0017】
さらにまた、本発明では、交換可能に着脱自在に設けられた一組の拡張具に対して直接的に破断荷重を付与することがなく、大端部の結合孔の中心と小端部の孔部の中心とを結んだ延長線上であって可動ステージ側又は固定ステージ側に偏位した部位に設けられた矩形状の孔部内に前記単一の楔部材を圧入することによって固定ステージから可動ステージを離間させ、前記一組の拡張具に対して間接的に破断荷重が付与されるように構成されることにより、耐久性を向上させて量産可能とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、車種等が異なる多種類のコネクティングロッドの大端部を破断することができ、作業効率及び汎用性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係るコネクティングロッドの製造装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1Aは、本発明が適用される被加工物としてのコネクティングロッド30の斜視図であり、図1Bは、コネクティングロッド30がキャップ部32とロッド部34に破断分割された状態を示す斜視図である。
【0021】
このコネクティングロッド30は、略円形状の結合孔36を介してキャップ部32とロッド部34とが一体的に形成された大端部38と、大端部38とは反対側に配置され前記結合孔36よりも小径な略円形状の孔部39が形成された小端部40とを有する。このコネクティングロッド30は、例えば、鋳造又は鍛造等によって一体成形される。
【0022】
また、コネクティングロッド30の大端部38の両側には、例えば、ドリル等の図示しない穿孔機構によってボルト孔42a、42bがそれぞれ形成される。これらのボルト孔42a、42bには、例えば、エンジン等の組立工程において、図示しないボルトがキャップ部32側からそれぞれ螺入され、キャップ部32がロッド部34に締め付けられる。このようにして、破断分割されたキャップ部32とロッド部34とを一体的に締結することにより、コネクティングロッド30の大端部38が前記エンジンのクランクピンに連結される。
【0023】
なお、図1A中、参照符号44は、大端部38におけるキャップ部32とロッド部34との境界部位となる分割部を示す。この分割部44は、大端部38の両側において、結合孔36を中心に対向した部位に設定される。
【0024】
次に、本発明の実施形態に係る分割加工装置50を図2〜4に示す。図2は、前記分割加工装置50の一部分解斜視図、図3は、前記図2の一部断面平面図、図4は、図3の軸線方向に沿った縦断面図である。
【0025】
この分割加工装置50は、コネクティングロッド30が所定位置に位置決めされた状態でセットされると共に、前記セットされたコネクティングロッド30を保持するワーク位置決め保持機構52と、コネクティングロッド30の大端部38を破断分割するための破断分割機構54と、前記破断分割機構54に予備荷重(プリロード)を付与する予備荷重付与機構56(図7及び図8参照)と、おもり(重量物)57を落下させることによって破断分割機構54に衝撃荷重を付与する荷重機構58(図7及び図8参照)とを有する。
【0026】
ワーク位置決め保持機構52は、上方から見て略長方形状に形成された基台60と、前記基台60上に固定された固定ステージ62と、前記固定ステージ62と対向配置され該固定ステージ62に対して前記基台60の軸線方向に沿った水平方向において接近又は離間自在に設けられた可動ステージ64と、前記基台60の軸線方向の外方に向かって突出するように該基台60の両端部にそれぞれ固定された第1ブラケット66及び第2ブラケット68とを備える。
【0027】
前記固定ステージ62は、第1ブラケット66を介して基台60に固定された固定テーブル70と、前記固定テーブル70に固設される第1油圧シリンダ72と、前記第1油圧シリンダ72のピストンロッド72aの先端部に連結され、ガイドレール74に沿ってコネクティングロッド30の軸線方向に沿って進退自在に設けられた可動ブロック76と、前記可動ブロック76の端部から所定長だけ突出するように前記可動ブロック76の溝部に固定され、前記第1油圧シリンダ72の駆動作用下にコネクティングロッド30の小端部40に係合して該小端部40を軸線方向に沿った大端部38側に向かって押圧する第1ワーク支持部材78とを含む。
【0028】
前記第1油圧シリンダ72は、供給される圧油の圧力を図示しない切換弁の切換作用下に低圧と高圧とに切り換えることにより、コネクティングロッド30の小端部40を軸線方向に沿った大端部38側に向かって押圧する力(推力)を切り換えることができる。
【0029】
なお、前記第1ワーク支持部材78の先端部には、図2及び図5に示されるように、コネクティングロッド30の小端部40に係合する断面v字状に窪んだテーパ状の係合部80が形成される。
【0030】
さらに、前記固定ステージ62は、前記可動ブロック76を間にして固定テーブル70上に略平行に固定された一組のガイド部材82a、82bと、前記ガイド部材82a、82bに沿って摺動する一組のガイドブロック84を介してコネクティングロッド30に対して進退自在に設けられたスライダ86と、前記固定テーブル70に固設され前記スライダ86を進退動作させる第1エアシリンダ88とを有する。
【0031】
前記スライダ86には、一組の軸受ブロック90a、90bに軸着された第1ピン92を支点として所定角度だけ回動自在に設けられた第2エアシリンダ94と、二股の分岐部を有し前記第2エアシリンダ94のピストンロッド94aに連結されたジョイント部材96と、一端部が第2ピン98を介して前記ジョイント部材96の分岐部の間に軸着され中央部が第3ピン100を介して前記スライダ86の連結プレート102に軸支された第2ワーク支持部材104とが設けられる。
【0032】
前記第2ワーク支持部材104の先端部には略Y字状を呈する押圧部104aが設けられ、前記押圧部104aは、前記第2エアシリンダ94の駆動作用下に前記第3ピン100を回動支点として所定角度揺動(回動)することにより、コネクティングロッド30の大端部38(ロッド部34)の上面部を下方に向かって押圧して該コネクティングロッド30を保持する機能を有する。
【0033】
前記固定テーブル70に近接する基台60上には、図5に示されるように、断面矩形状の凹部106を間にして上方に向かって二股状に突出した固定ブロック108が固定され、前記固定ブロック108の凹部106には、小端部40の孔部39を貫通してコネクティングロッド30の端部を位置決めすると共に保持する位置決め固定ピン110が設けられる。
【0034】
この場合、前記固定ブロック108の断面矩形状の凹部106に沿って第1ワーク支持部材78が水平方向から進入することにより、前記第1ワーク支持部材78とコネクティングロッド30との軸線が一致した状態で該第1ワーク支持部材78の先端部に形成された係合部80がコネクティングロッド30の小端部40に対して確実に係合するように案内される。
【0035】
図4及び図6に示されるように、前記固定ブロック108と可動ステージ64との間には、基台60上に固定された第1連結ブロック107aが設けられる。前記第1連結ブロック107aの上面中央部には、大端部38の結合孔36に接触する半円状の凸部を有する第1マンドレル114が着脱自在に設けられる。この場合、図17に示されるように、第1マンドレル114に形成された半円形状凹部112aを第1連結ブロック107に膨出形成された半円形状突起部112bに対して嵌入し、あるいは図示しないボルト部材によって締結するとよい。
【0036】
また、図10及び図12に示されるように、可動ステージ64側に近接する前記第1連結ブロック107aの一端部には、水平方向に沿って延在する断面矩形状プレート121が突出して形成される。前記断面矩形状プレート121の先端面は、図4及び図6に示されるように、後述する楔部材122の直線状の側面部と係合するように設けられる。
【0037】
基台60上には、図2及び図3に示されるように、コネクティングロッド30の軸線方向に沿って可動ステージ64を案内する一組の第1ガイド要素116a、116bが略平行に固定される。前記一組の第1ガイド要素116a、116bには基台60の上面との間で軸線方向に沿って延在する長溝がそれぞれ形成され、前記長溝に対してスライドブロック118のフランジ部118aが摺動するように設けられる。
【0038】
図4及び図6に示されるように、前記スライドブロック118の上面には第2連結ブロック107bが固定され、前記第2連結ブロック107bの上面中央部には、大端部38の結合孔36に接触する半円状の凸部を有する第2マンドレル120が着脱自在に設けられる。この場合、図17に示されるように、第2マンドレル120に形成された半円形状凹部119aを第2連結ブロック107bに膨出形成された半円形状突起部119bに対して嵌入し、あるいは図示しないボルト部材によって締結するとよい。
【0039】
また、前記第2連結ブロック107bには、第1連結ブロック107aの断面矩形状プレート121に対応する断面矩形状溝部123が水平方向に沿って形成され、固定側である第1連結ブロック107aの断面矩形状プレート121と可動側である第2連結ブロック107bの断面矩形状溝部123との摺動作用下に前記第2連結ブロック107bが変位自在に設けられる。
【0040】
さらに、可動ステージ64の上面に固定された第2連結ブロック107bには、単一の楔部材122が摺動する断面矩形状の長孔113が設けられる。この断面矩形状の長孔113は、大端部38の結合孔36の中心と小端部40の孔部39の中心とを結ぶ延長線上であって前記第1マンドレル114及び第2マンドレル120から可動ステージ64側に向かって所定距離だけ偏位した部位に設けられる(図3参照)。また、前記長孔113は、上下方向に沿って延在するように形成され、第2連結ブロック107bの長孔113の内壁には該楔部材122を案内する傾斜面からなるガイド面115が形成されている。
【0041】
この場合、前記第2マンドレル120が可動ステージ64と一体的に変位することにより、固定ステージ62側の第1マンドレル114に対して所定距離だけ接近又は離間可能に設けられる。なお、半円状の凸部を有する前記第1及び第2マンドレル114、120は、それぞれ、一組の拡張具として機能するものである。
【0042】
なお、図18に示されるように、固定ステージ62側に固定された第1連結ブロック107aに略半円状の凹部109aを形成すると共に、可動ステージ64側に固定された第2連結ブロック107bに略半円状の凹部109bを形成し、第1マンドレル114に形成されたフランジ114a及び第2マンドレル120に形成されたフランジ120aにそれぞれ挿通される取付ねじ111によって着脱自在で他のマンドレルと交換可能に設けられるようにしてもよい。
【0043】
第1及び第2マンドレル114、120の各半円状の凸部がそれぞれ合体して円形状の凸部となり、前記円形状の凸部に対してコネクティングロッド30の大端部38の結合孔36がセットされる。なお、前記第1及び第2マンドレル114、120が合体して形成される円形状の凸部の外径は、予めコネクティングロッド30の結合孔36の内径に対応して設定されたものであり、例えば、異なる種類のコネクティングロッドの場合にはその結合孔36の内径が異なるため、図示しない他の第1及び第2マンドレル114、120が半円形状凹部112a、119a及び半円形状突起部112b、119bを介して装着される。
【0044】
さらに、前記スライドブロック118の端部には鉛直方向に沿って立設する連結プレート124が固定され、前記連結プレート124には一組の第3エアシリンダ126a、126bが水平方向に沿って所定間隔離間して連結される(図3参照)。前記第3エアシリンダ126a、126bのピストンロッドの先端部には、シャフト128を介して、一組の第3ワーク支持部材130a、130bが連結される。一組の第3ワーク支持部材130a、130bは、それぞれ、一組の第3エアシリンダ126a、126bの駆動作用下にコネクティングロッド30の軸線方向に沿って第2マンドレル120の平面上を進退自在に設けられる。
【0045】
前記一組の第3ワーク支持部材130a、130bの軸線方向に沿った一端部には、コネクティングロッド30の大端部38のキャップ部32に当接し、該コネクティングロッド30を大端部38から小端部40側に向かって軸線方向と平行に押圧する一組の突起部132が設けられる。前記突起部132と反対側の第3ワーク支持部材130a、130bの他端部には、後述する第4ワーク支持部材134a、134bの押圧面136に係合する傾斜面138が設けられる。
【0046】
この場合、前記一組の第3ワーク支持部材130a、130bは、図2及び図3に示されるように、第2マンドレル120の平面部の上面に略平行に固定された二組の第2ガイド要素140a〜140dの案内作用によってコネクティングロッド30の軸線方向に沿って直線状に変位するように設けられる。
【0047】
さらにまた、スライドブロック118の上面には固定板141が設けられ、前記固定板141の上方には支持部142によって支持された天板144を介して一組の第2油圧シリンダ146a、146bが固定される(図2参照)。前記一組の第2油圧シリンダ146a、146bのピストンロッドの先端部には、略立方体状のブロック体からなる一組の第4ワーク支持部材134a、134bが連結され、前記第4ワーク支持部材134a、134bは鉛直上下方向に沿って変位自在に設けられる。
【0048】
前記一組の第2油圧シリンダ146a、146bは、それぞれ、供給される圧油の圧力を図示しない切換弁の切換作用下に低圧と高圧とに切り換えることにより、一組の第3ワーク支持部材130a、130bをコネクティングロッド30のキャップ部32側に向かって押圧する力(推力)を切り換えることができる。
【0049】
前記第4ワーク支持部材134a、134bの一側面には、第3ワーク支持部材130a、130bの傾斜面138に係合して該第3ワーク支持部材130a、130bをコネクティングロッド30側に向かって押圧する押圧面136が形成される。
【0050】
前記支持部142は、図3に示されるように、前記固定板141の上面に立設して固定され、所定間隔離間してコネクティングロッド30の軸線と略平行に延在する一組の第1支持板142a、142bと、前記一組の第1支持板142a、142bの上部側壁に略水平方向に沿って横架されるように連結された第2支持板142cと、前記第2支持板142cの鉛直面に沿って略平行に連結された一組の第3支持板142d、142eとによって構成される。
【0051】
前記第3支持板142d、142eには鉛直方向に沿って略平行に延在する一組の凸部148が形成され、前記第4ワーク支持部材134a、134bにそれぞれ形成された凹部150と前記凸部148とが係合することにより、該第4ワーク支持部材134a、134bが鉛直方向に沿って円滑に案内される。
【0052】
また、第4ワーク支持部材134a、134bの押圧面136が第3ワーク支持部材130a、130bの傾斜面138に係合して該第3ワーク支持部材130a、130bを押圧したときの反力は、鉛直方向に沿って立設する第1支持板142a、142bを介して一組の第3支持板142d、142eによって好適に支持される。
【0053】
基台60から外方に向かって突出する第2ブラケット68の第1側壁部68aには、第1ピストンロッド152aの先端部が連結プレート124に連結されて可動ステージ64全体をコネクティングロッド30の軸線方向に沿って変位させる第4エアシリンダ152が固定される。
【0054】
前記第4エアシリンダ152は、シリンダチューブの軸線方向に沿った両端部から第1ピストンロッド152a及び第2ピストンロッド152bのそれぞれが突出する両ロッドタイプによって構成される。この場合、第1ピストンロッド152aは、スライドブロック118に連結された連結プレート124に固定され、第2ピストンロッド152bは自由端として設けられる。
【0055】
また、前記第2ブラケット68の第1側壁部68aには、前記第4エアシリンダ152を間にしてその両側に一組のバックアップシリンダ153、155が固定される。前記一組のバックアップシリンダ153、155のピストンロッド153a、155aの先端部は、それぞれ、連結プレート124に連結されて可動ステージ64全体をコネクティングロッド30の軸線方向に沿って変位させ、後述するように可動ステージ64と一体的に変位するキャップ部32の破断面を固定側のロッド部34の破断面と当接させるように設けられている。
【0056】
第2ブラケット68の第2側壁部68bには第5エアシリンダ154が固定され、前記第5エアシリンダ154のピストンロッド154aの端部は、第4エアシリンダ152の第2ピストンロッド152bに臨んで当接可能に設けられる。この第5エアシリンダ154を駆動させてピストンロッド154aを伸長させることにより前記第4エアシリンダ152の第2ピストンロッド152bに当接し、可動ステージ64全体を押圧して水平方向に沿って変位させることができる。
【0057】
破断分割機構54は、大端部38の結合孔36がセットされる一対の半円状の凸部を有する第1及び第2マンドレル114、120に対して相互に離間させる力が伝達され、固定ステージ62と可動ステージ64とを相互に離間する方向に拡張させるために圧入される単一の楔部材122を備えている。
【0058】
前記単一の楔部材122は、固定ステージ62と可動ステージ64との境界部位に介装されると共に、大端部38の結合孔36の中心と小端部40の孔部39の中心とを結ぶ延長線上であって合体した第1及び第2マンドレル114、120から所定距離だけ可動ステージ64側に向かって偏位した部位に配置される。前記可動ステージ64には、前記楔部材122が摺動する断面矩形状の長溝117が形成される(図4及び図6参照)。
【0059】
楔部材122は、その上端部に指向して拡幅するテーパ面と、鉛直方向に沿って直線状に形成された直線部とを有する。この楔部材122のテーパ面が第2連結ブロック107bのガイド面115に摺接するようにして、楔部材122が長孔113内に嵌挿される。従って、単一の楔部材122が図4中、下方側に付勢されると、そのテーパ面と可動ステージ64側である第2連結ブロック107bのガイド面115との摺動作用によって、固定ステージ62に対して可動ステージ64がスライドしながら離間する方向に拡張されることになる。
【0060】
図7に示されるように、予備荷重付与機構56には、楔部材122に対して付与する予備荷重を発生させる第3油圧シリンダ156が備えられている。この第3油圧シリンダ156は、連結ピン158等から構成される連結機構160を介して楔部材122の端部に連結されるピストンロッド(荷重伝達具)162と、ピストンロッド162に形成された環状の段差面162aに係合する段部164aを有するピストン164を備えている。
【0061】
ピストンロッド162は、ピストン164の中央部を貫通し、ピストン164に対して摺動自在に設けられている。従って、第3油圧シリンダ156のピストン164は、ピストンロッド162に対して楔部材122の圧入方向に向かって一体的に変位すると共に、楔部材122の圧入方向とは反対方向に離間可能に設けられている。換言すると、第3油圧シリンダ156は、ピストン164を介して、ピストンロッド162の一方向(鉛直下方向)にのみ前記予備荷重を付与することが可能である。
【0062】
予備荷重付与機構56と荷重機構58には、ピストンロッド162を介して楔部材122に連結される荷重伝達用のシャフト(荷重伝達具)166が備えられている。このシャフト166は、前記段差面162a側において、ピストンロッド162と一体的に形成されている。また、シャフト166の他端側には、フランジ部166aが設けられており、このフランジ部166aは、シャフト166の軸方向に位置調節可能である。
【0063】
荷重機構58には、おもり57を載置すると共に、前記フランジ部166aに上方側から当接することにより、シャフト166を介して楔部材122に付与する衝撃荷重を発生させる昇降テーブル168と、前記昇降テーブル168を鉛直上下方向に沿って摺動自在に支持する一組のガイド部材170a、170bと、前記落下する昇降テーブル168の衝撃を緩和する一組の緩衝部材172a、172bとが備えられている。
【0064】
なお、荷重機構58には、前記昇降テーブル168の落下ストロークの下限位置が調節可能な図示しないストッパ機構と、落下した昇降テーブル168を上方側の落下待機位置に復帰させる図示しない昇降テーブル復帰機構と、大端部の破断分割時に下方側に向かって変位した楔部材122を初期位置に復帰させる図示しない復帰用シリンダとが備えられている。
【0065】
本発明の実施の形態に係るコネクティングロッドの分割加工装置50は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果を図11に示されるフローチャートに基づいて以下詳細に説明する。
【0066】
先ず、一体成形されたコネクティングロッド30がワーク位置決め保持機構52にセットされる(図4参照)。その際、コネクティングロッド30は、位置決め固定ピン110が孔部39に挿入されることによって小端部40側が位置決めされると共に、大端部38の結合孔36が第1及び第2マンドレル114、120の合わされた円形状の凸部に嵌め込むようにセットされる(ステップS1)。
【0067】
このようにしてセットされたコネクティングロッド30は、ワーク位置決め保持機構52を介して所定位置に保持される。すなわち、第1油圧シリンダ72を駆動させることにより、ピストンロッド72aの先端部に連結された可動ブロック76がガイドレール74の案内作用下にコネクティングロッド30側に向かって変位する。前記可動ブロック76の溝部に固定された第1ワーク支持部材78がコネクティングロッド30の小端部40に係合して該小端部40を軸線方向に沿った大端部38側に向かって押圧する(ステップS2)。
【0068】
この場合、図5に示されるように、固定ブロック108の二股状に分岐した断面矩形状の凹部106に沿って第1ワーク支持部材78が水平方向に沿って前進することにより、前記第1ワーク支持部材78の先端部に形成された断面v字状の係合部80がコネクティングロッド30の小端部40に対して軸線方向に沿った同軸の状態で係合するように案内される。
【0069】
続いて、一組の第3エアシリンダ126a、126bをそれぞれ駆動させることにより、シャフト128を介してピストンロッドの先端部に連結された一組の第3ワーク支持部材130a、130bが、第2ガイド要素140a〜140dの案内作用下にコネクティングロッド30の軸線方向に沿って摺動変位する。従って、前記一組の第3ワーク支持部材130a、130bの突起部132がコネクティングロッド30のキャップ部32の両肩部に当接し、該コネクティングロッド30を大端部38から小端部40側に向かって軸線方向に沿って押圧することにより、キャップ部32の両肩部が横方向(水平方向)から支持される(ステップS3)。
【0070】
この場合、前記第3ワーク支持部材130a、130bの突起部132がコネクティングロッド30のキャップ部32の両肩部に当接することにより、前記コネクティングロッド30の傾き(軸線)を予め設定された位置決め方向と一致させる(コネクティングロッド30の軸線方向に対する矯正)程度の軽度の押圧がなされる。
【0071】
続いて、第2エアシリンダ94を駆動させジョイント部材96に連結されたピストンロッド94aを伸長させることにより、第2ワーク支持部材104が第3ピン100を回動支点として下方側に向かって所定角度だけ回動する。前記第2ワーク支持部材104が所定角度だけ回動することにより、略Y字状からなる押圧部104aの先端部がコネクティングロッド30の結合孔36近傍の大端部38上面と2点で接触し、前記大端部38を下方側に向かって押圧する(ステップS4)。
【0072】
この場合、コネクティングロッド30の大端部38側の結合孔36に対して第1及び第2マンドレル114、120の凸部が係合すると共に、小端部40側の孔部39に位置決め固定ピン110が係合し、且つ第1マンドレル114の上面の平面部に対してコネクティングロッド30が着座したことを図示しない着座確認機構によって確認する(ステップS5)。
【0073】
具体的には、例えば、着座確認機構として第1マンドレル114の上面の平面部にエア吐出孔を設け、該コネクティングロッド30が第1マンドレル114の平面部に着座して前記エア吐出孔が閉塞されてエアの吐出流量が減少したこと(エア吐出孔からのエアの吐出圧力が減少したこと)を図示しないセンサによって検知することにより、コネクティングロッド30が確実に着座したことが確認される。
【0074】
次に、予備荷重付与機構56の第3油圧シリンダ156を駆動させることによりピストン164が下方側に向かって付勢され、このピストン164の下降動作に伴って、段部164aに係合されている段差面162aを介してピストンロッド162が同様に下方に作動される(図7参照)。これと同時に、ピストンロッド162に連結された楔部材122が下方に付勢され、前記楔部材122に予備荷重が付与される(ステップS6)。
【0075】
これにより、前記楔部材122が固定ステージ62と可動ステージ64との間に形成された長孔113に沿って引張され、前記可動ステージ64側である第2連結ブロックのガイド面115と楔部材122のテーパ面との摺動作用下に、固定ステージ62に対して可動ステージ64がスライドしながら僅かに拡張される。そして、固定ステージ62側に固着された第1マンドレル114の凸部と可動ステージ64側に固着された第2マンドレル120の凸部とが相互に水平方向に沿って所定距離だけ離間して前記凸部が結合孔36の内面に略圧着される。
【0076】
この場合、楔部材122に付与される予備荷重は、前記凸部が大端部38の結合孔36の内面に接触しても、大端部38が破断されない程度、すなわち、大端部38の弾性変形可能な範囲内に設定されている。これにより、大端部38と第1及び第2マンドレル114、120の凸部との間にがたつきを生じることがなく、被加工物であるコネクティングロッド30が第1及び第2マンドレル114、120の凸部によって確実に保持される。
【0077】
このようにしてコネクティングロッド30の大端部38の結合孔36に対して予備荷重が付与された状態において、一組の第2油圧シリンダ146a、146bを駆動させてブロック体からなる第4ワーク支持部材134a、134bを鉛直下方向に向かって変位させる。この場合、支持部142の一組の第3支持板142d、142eに形成された凸部148と、前記第3支持板142d、142eに対向する第4ワーク支持部材134a、134bの側面に形成された凹部150とが係合することにより鉛直下方向に対するガイド作用が営まれる(図3参照)。
【0078】
前記第4ワーク支持部材134a、134bが下降することにより、該第4ワーク支持部材134a、134bの押圧面136と第3ワーク支持部材130a、130bの端部に形成された傾斜面138とが相互に係合して一組の第3ワーク支持部材130a、130bをコネクティングロッド30のキャップ部32側に向かって押圧する(ステップS7)。
【0079】
この結果、前記コネクティングロッド30のキャップ部32は、一組の第4ワーク支持部材134a、134bの鉛直下方向に対する押圧作用下に、該キャップ部32の両肩部を支持する一組の第3ワーク支持部材130a、130bと、該キャップ部32の両肩部間の第2マンドレル120のフランジ120aとの間に完全に固定されたロック状態となる。
【0080】
このようにコネクティングロッド30のキャップ部32が強固にロックされた状態において、昇降テーブル168に対するストッパが解除された後、おもり57と共に昇降テーブル168が、ガイド部材170a、170bの案内作用下に落下する。従って、落下した前記昇降テーブル168がシャフト166のフランジ部166aに当接することによって、シャフト166が下方側に向かって付勢されて楔部材122に衝撃荷重が付与される(図8参照)(ステップS8)。その際、第3油圧シリンダ156のピストン164が、シャフト166に対して楔部材122の圧入方向、すなわち前記衝撃荷重の方向とは反対方向に離間可能であるため、この衝撃荷重が第3油圧シリンダ156によって減衰されることがなく、楔部材122に所定の衝撃荷重が確実に付与される。
【0081】
そして、楔部材122が固定ステージ62と可動ステージ64との間に圧入されて、可動ステージ64側である第2連結ブロック107bのガイド面115とと楔部材122のテーパ面との摺動作用下に、スライドしながらさらに拡張される。前記固定ステージ62に対して可動ステージ64の離間する力が前記固定ステージ62側の第1マンドレル114と前記可動ステージ64側の第2マンドレル120にそれぞれ伝達される。
【0082】
従って、固定ステージ62側の第1マンドレル114から可動ステージ64側の第2マンドレル120が略水平方向に沿って所定距離だけ離間することにより、大端部38は、その弾性変形可能な限界を超えて、応力が集中された分割部44を境界にキャップ部32とロッド部34とに破断分割される(図9及び図10参照)(ステップS9)。その際、キャップ部32は、第2油圧シリンダ146a、146bの付勢作用下に第3ワーク支持部材130a、130bの突起部132によって保持されているため、破断分割されたキャップ部32の飛散が確実に阻止される。
【0083】
すなわち、固定ステージ62側に設けられた第1マンドレル114が固定された状態において、固定ステージ62と可動ステージ64の間に介装された単一の楔部材122に対して所定の衝撃荷重が付与されることにより、可動ステージ64側に設けられた第2マンドレル120が、第1ガイド要素116a、116bのガイド作用下にスライドブロック118と一体的に基台60上を摺動変位する。
【0084】
従って、コネクティングロッド30のロッド部34が第1マンドレル114、位置決め固定ピン110及び第1ワーク支持部材78によって固定ステージ62側に固定された状態において、キャップ部32が一組の第4ワーク支持部材134a、134b、第3ワーク支持部材130a、130b及び第2マンドレル120によって強固にロックされた状態を保持しながら、可動ステージ64側の第2マンドレル120及びスライドブロック118が前記固定ステージ62から離間する方向に向かって基台60上を摺動変位することにより、前記コネクティングロッド30がキャップ部32とロッド部34とに破断分割される。
【0085】
コネクティングロッド30の大端部38がキャップ部32とロッド部34とに破断分割された後、図示しない復帰用シリンダを駆動させて楔部材122を上昇させて初期位置に復帰させる。
【0086】
このように楔部材122の上端部が破断分割されたキャップ部32とロッド部34との間の上面から所定長だけ露呈した状態において、第2ブラケット68を介してピストンロッド152a、153a、155aの各先端部が可動ステージ64に固定された第4エアシリンダ152及び一組のバックアップシリンダ153、155をそれぞれ略同時に駆動し、各ピストンロッド152a、153a、155aをそれぞれ伸長させて可動ステージ64を固定ステージ62側に向かって変位させることにより、大端部38のキャップ部32の破断面とロッド部34の破断面とを当接させる。
【0087】
このように破断分割されたキャップ部32とロッド部34とが当接した状態において、図示しない切換弁の切換作用下に第1油圧シリンダ72に供給される圧油の油圧を低圧から高圧に切り換えることにより、コネクティングロッド30の小端部40を軸線方向に沿った大端部38側に向かって押圧する力(推力)を増大させ、同時に、図示しない切換弁の切換作用下に一組の第2油圧シリンダ146a、146bに供給される圧油の圧力を低圧から高圧に切り換えることにより、一組の第3ワーク支持部材130a、130bをコネクティングロッド30のキャップ部32側に向かって押圧する力(推力)を増大させる。
【0088】
この結果、図12に示されるように、大端部38のキャップ部32の破断面とロッド部34の破断面とを所定の推力が付与された状態で当接させることができる(ステップS10)。換言すると、大端部38のキャップ部32の破断面とロッド部34の破断面とを当接させた後、破断合わせ面に付与される推力(押圧力)を低圧から高圧に同時に切り換えることにより、前記破断合わせ面に発生した欠片の除去乃至離脱を好適に促進させることができる。
【0089】
この場合、例えば、図13A〜図13Cに示されるように、キャップ部32とロッド部34とに破断する際、主亀裂200が伝播することによって脆性破壊が進行し、この主亀裂200の伝播中に前記主亀裂200が分岐することに起因して微細な副亀裂202が発生するおそれがある。コネクティングロッド30を内燃機関に組み付ける際や内燃機関を駆動させる際に前記副亀裂202が成長し、あるいは前記副亀裂202同士が伝播し合って、キャップ部32の破断面とロッド部34の破断面との合わせ面における接点が略消失した箇所204が発生する(図13B参照)。このような箇所204は脆弱であり、何らかの原因によって前記箇所204に荷重(応力)が付与されると、図13Cに示されるように、当該箇所204が欠落して欠片となることが懸念される。
【0090】
そこで、本実施の形態では、楔部材122の降下作用によってコネクティングロッド30がキャップ部32とロッド部34とに破断分割された直後に、第4エアシリンダ152、一組のバックアップシリンダ153、153をそれぞれ略同時に駆動させて可動ステージ64を固定ステージ62側に向かって変位させ、大端部38のキャップ部32の破断面とロッド部34の破断面とを当接させた後、破断合わせ面に対して所定の推力を付与することにより、前記破断合わせ面に発生した欠片を離脱させ、あるいは前記欠片の離脱を好適に促進させることができる。
【0091】
このように本実施の形態では、キャップ部32とロッド部34とに破断分割した直後に、前記キャップ部32及びロッド部34がそれぞれ可動ステージ64及び固定ステージ62に保持された状態において、前記可動ステージ64を固定ステージ62側に移動させてキャップ部32の破断面をロッド部34の破断面に当接させてさらに破断合わせ面を押圧することにより、仮に破断合わせ面に欠片が発生した場合であっても前記欠片を除去しあるいは前記欠片の離脱を好適に促進させることができる。
【0092】
なお、前記欠片の離脱が促進されたコネクティングロッド30は、次工程における、例えば、金属製のブラシ、粘着テープ、吸引機又は加振機等によって前記破断面から確実に欠片を除去することができる。すなわち、金属製のブラシを用いる場合には、破断面に対してブラッシングを行う。また、粘着テープを用いる場合には、破断面に粘着テープを押し当てて貼着した後、前記粘着テープを破断面から引きはがすことにより欠片を粘着テープに付着させることができる。そして、吸引機を用いる場合には、吸引機を吸引作用下に破断面から欠片を剥離させることができる。このようにいずれの場合であっても、破断面から確実に欠片を除去することができる。
【0093】
破断分割されたキャップ部32の破断面とロッド部34の破断面とが当接した欠片の除去乃至離脱が促進された後、前記キャップ部32とロッド部34に対して所定の推力を付与していた第1油圧シリンダ72及び一組の第2油圧シリンダ146a、146bをそれぞれ滅勢してコネクティングロッドの破断合わせ面に対する推力の付与を解除する。この結果、キャップ部32とロッド部34との破断合わせ面が僅かに離間して前記破断合わせ面に発生した欠片が円滑に離脱される。
【0094】
続いて、第1油圧シリンダ72、第2油圧シリンダ146a、146b、第2エアシリンダ94、第3エアシリンダ126a、126b、第4エアシリンダ152及びバックアップシリンダ153、155を、それぞれ駆動させることにより、第1〜第4ワーク支持部材78、104、130a、130b、134a、134bが略同時に初期位置に復帰する(ステップS11)。
【0095】
このようにして破断分割されたコネクティングロッド30のキャップ部32とロッド部34とをそれぞれ拘束する部材が初期位置に復帰してコネクティングロッド30が開放された後、図示しない多軸ロボットのアームに装着された一組のチャック機構によってキャップ部32とロッド部34とをそれぞれ把持し、前記キャップ部32とロッド部34とが次工程に移送される。最後に、第5エアシリンダ154を駆動させて可動ステージ64全体が変位し、該可動ステージ64が初期位置に復帰する。
【0096】
例えば、図14に示されるように、従来技術に係る図示しない破断分割装置を用いて大端部をキャップ部とロッド部とに破断分割する際、先破断(部位)と後破断(部位)との間で僅かなタイムラグが発生すると、先破断の応力がロッド部に作用して該ロッド部を後破断部位側に向かって変形させる力が付与される。この結果、図14中の二点鎖線で示すようにロッド部を変形させると共に、小端部の孔部を変形させるという悪影響が発生するおそれがある。なお、コネクティングロッド30では、その製品として特性からロッド部及び小端部の孔部の形状に高い寸法精度が要求される。
【0097】
換言すると、一体成形されたコネクティングロッド30をキャップ部32とロッド部34との二つの部品に分割する際、その分割部分の一部に曲げ応力が作用する結果、分割面の一部に歪みが生じたり、部品精度に悪影響を及ぼす場合が生じる。すなわち、前記二つの部品は分割によってそれぞれ二股状の脚部を有することとなるが、分割時には、両脚部での分割が全く同時に進行するわけではなく、通常、何れか一方の脚部での分割が先行し、他方の脚部ではこれに対して多少の時間的遅れを伴って分割が進行することとなる。従って、先に破断する一方の脚部の分割が終了した時点では、後に破断する他方の脚部での分割がまだ進行中であり、この他方の脚部の分割の遅くとも終期には、先行して分割された前記一方の脚部側では両部品間の離間が始まるからである。
【0098】
これに対して、本実施の形態では、コネクティングロッド30の大端部38のロッド部34側を固定ステージ62に固定する一方、キャップ部32側を一組の第3ワーク支持部材130a、130b及び該第3ワーク支持部材130a、130bをロックする一組の第2油圧シリンダ146a、146bによって可動ステージ64側に強固に固定している。
【0099】
このような状態において、本実施の形態では、前記コネクティングロッド30の大端部38をキャップ部32とロッド部34とに破断分割したとき、前記キャップ部32のみが可動ステージ64と共に一体的に変位するように構成しているため、前記キャップ部32とロッド部34との破断面における先破断と後破断とのタイムラグを極力抑制することができる。
【0100】
この結果、本実施の形態では、従来技術のように外圧を開放するタイミングが不要となると共に、先破断と後破断とのタイムラグを極力縮小することができる。
【0101】
さらに、本実施の形態では、重量物の落下による衝撃荷重に基づいてコネクティングロッド30を破断分割するように説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図15の他の実施の形態に係る分割加工装置に示されるように、単一のアクチュエータとして機能する油圧シリンダ156の駆動力のみによって楔部材122を下方側に向かって引張し該楔部材122に対して破断荷重を付与するようにしてもよい。
【0102】
この場合、図16に示されるように、楔部材122に対して予備荷重(プリロード)を付与することがなく、油圧シリンダ156の駆動力(引張力)を徐々に上昇させることにより、大端部38をキャップ部32とロッド部34とに破断分割することができる(ステップS7参照)。
【0103】
次に、異なる内径を有する種々のコネクティングロッドの大端部を破断分割する場合について説明する。
【0104】
例えば、図18に示されるように、取付ねじ111を緩めることにより固定ステージ62側の第1連結ブロック107aに連結された第1マンドレル114を凹部109aから取り外すと共に、可動ステージ64側の第2連結ブロック107bに連結された第2マンドレル120を凹部109bから取り外す。そして、図示しない他のコネクティングロッドの大端部の結合孔の内径に対応する外径を有する凸部を備えた他の図示しない第1マンドレル114及び第2マンドレル120をそれぞれ取付ねじ111を介して第1連結ブロック107a及び第2連結ブロック107bに固定する。
【0105】
このように、本実施の形態では、楔部材122を交換することがなく、所望の外径を有する他の図示しない第1マンドレル114及び第2マンドレル120と交換することにより、作業効率及び汎用性を向上させることができる。
【0106】
また、本実施の形態では、従来技術のように一対のマンドレル間に形成された断面矩形状の溝部内に楔部材を圧入して直接的に一対のマンドレル間に破断荷重を付与するのではなく、固定ステージ62と可動ステージ64の境界部位であって大端部38の結合孔36の中心と小端部40の孔部39の中心とを結ぶ延長線上であって可動ステージ64側に向かって所定距離だけ偏位した部位に単一の楔部材122を配置し、第1マンドレル114及び第2マンドレル120に対して破断荷重が間接的に付与されるように構成されている。
【0107】
すなわち、他の種類のコネクティングロッド30の大端部38を破断するために第1マンドレル114及び第2マンドレル120を交換した場合、前記第1マンドレル114及び第2マンドレル120の凸部の外径が変化すると共に、前記第1マンドレル114及び第2マンドレル120の凸部の肉厚も変化して薄肉又は厚肉となる。この場合、従来技術のように第1マンドレルと第2マンドレルとの間に楔部材を直接的に圧入すると、薄肉となったマンドレルの凸部に対して破断荷重が付与され、長期間の使用によって耐久性が劣化し前記凸部が破損する可能性があり、大量生産方式に不向きである。
【0108】
これに対し、本実施の形態では、交換可能に着脱自在に設けられた第1マンドレル114及び第2マンドレル120に対して直接的に破断荷重を付与することがなく、楔部材122によって固定ステージ62から可動ステージ64を離間させて前記第1マンドレル114及び第2マンドレル120に対して間接的に破断荷重が付与されるように構成されることにより、耐久性を向上させて量産可能に設けられている。
【0109】
このように、本実施の形態では、単一の分割加工装置50によって多種類のコネクティングロッド30の大端部38の破断分割に対応することができることから、作業効率を向上させると共に、ライン化によって量産が可能となる。
【0110】
さらに、本実施の形態では、楔部材122によって固定ステージ62から可動ステージ64を離間させて前記第1マンドレル114及び第2マンドレル120に対して間接的に破断荷重が付与されるように構成されることにより、一度に複数のコネクティングロッド30を略同時に破断分割することが可能となり、より一層量産化を図ることができる。
【0111】
次に、本発明のさらに他の実施の形態に係る分割加工装置を図19に示す。
【0112】
さらに他の実施の形態に係る分割加工装置では、図示しない基台上に固定された固定ステージ300と、前記固定ステージ300と対向配置され該固定ステージ300に対して前記基台の軸線方向に沿った水平方向において接近又は離間自在に設けられた可動ステージ302とを備え、前記固定ステージ300側にコネクティングロッド30のキャップ部32が位置決め係止されていると共に、前記可動ステージ302側にコネクティングロッド30のロッド部34が位置決め係止されている点で図2に示される前記実施の形態と相違している。
【0113】
さらに、断面矩形状の長孔304に沿って摺動する単一の楔部材306は、大端部38の結合孔36の中心と小端部40の孔部39の中心とを結ぶ延長線上であってロッド部34側(可動ステージ302側)に向かって所定距離だけ偏位した部位に設けられる点で図2に示される前記実施の形態と相違している。
【0114】
なお、前記楔部材306の一側面には、可動ステージ302側の長孔304の案内面と係合するテーパ面308が形成され、前記楔部材306のテーパ面(傾斜面)308と可動ステージ302側の案内面との摺動作用下に前記可動ステージ302が固定ステージ300から離間する方向に変位するように設けられている。
【0115】
キャップ部32側に楔部材122を配置した場合には、ロッド部34側に楔部材306を配置した場合と比較して、可動ステージ64と固定ステージ62との摺動部位が短縮されるために、摺動部の加工精度等を考慮するとキャップ部32側に配置されることが望ましいが、装置の構成に基づいて楔部材122をキャップ部32側に配置することが困難な場合には、図19に示されるようにロッド部34側に配置してもよい。なお、その他の作用効果は、図2に示す前記実施の形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】図1Aは、本発明が適用されるコネクティングロッドの斜視図であり、図1Bは、前記コネクティングロッドがキャップ部とロッド部に破断分割された状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る分割加工装置の一部分解斜視図である。
【図3】図2に示す分割加工装置の一部断面平面図である。
【図4】図3に示す分割加工装置の軸線方向に沿った縦断面図である。
【図5】図2に示す分割加工装置の一部断面拡大斜視図である。
【図6】図4に示す分割加工装置の部分拡大縦断面図である。
【図7】前記分割加工装置における予備荷重付与機構により予備荷重が付与された状態を示す一部断面正面図である。
【図8】前記予備荷重付与機構により衝撃荷重が付与された状態を示す一部断面正面図である。
【図9】コネクティングロッドがキャップ部とロッド部とに破断された状態を示す部分拡大斜視図である。
【図10】コネクティングロッドがキャップ部とロッド部とに破断された状態を示す部分拡大斜視図である。
【図11】図2の分割加工装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】破断分割されたキャップ部の破断面とロッド部の破断面とが当接して押圧された状態を示す部分拡大斜視図である。
【図13】図13A〜図13Cは、破断面から亀裂が進展して副亀裂が生じ、さらに前記副亀裂同士が伝播し合った結果、欠片として欠落するまでの過程をそれぞれ示す要部拡大正面図である。
【図14】キャップ部とロッド部との破断される際、先破断と後破断との間でタイムラグがある場合の悪影響の説明に供される図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る分割加工装置の縦断面図である。
【図16】図15の分割加工装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】一対のマンドレルが半円形状凹部を介して着脱自在に設けられた状態を示す一部破断斜視図である。
【図18】一対のマンドレルが取付ねじを介して着脱自在に設けられた状態を示す一部破断斜視図である。
【図19】本発明のさらに他の実施の形態に係る分割加工装置の一部省略概略構成斜視図である。
【符号の説明】
【0117】
30…コネクティングロッド 32…キャップ部
34…ロッド部 36…結合孔
38…大端部 39…孔部
40…小端部 50…分割加工装置
52…ワーク位置決め保持機構 54…破断分割機構
56…予備荷重付与機構 58…荷重機構
62、300…固定ステージ 64、302…可動ステージ
66、68…ブラケット 107a、107b…連結ブロック
111…取付ねじ 113…長孔
114、120…マンドレル 115…ガイド面
122、306…楔部材
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏

【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸

【識別番号】100077805
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 辰彦


【公開番号】 特開2008−6527(P2008−6527A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178344(P2006−178344)