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【発明の名称】 炭素繊維強化プラスチック製カッターロールとその製造方法
【発明者】 【氏名】江里口 誠

【氏名】有村 勝信

【氏名】大村 悟

【要約】 【課題】軽量で慣性モーメント(GD2)が小さく堅牢な炭素繊維強化プラスチック製カッターロールとその製造方法を提供する。

【構成】炭素繊維強化プラスチック製カッターロールは、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維またはマトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグをスチール製コアの外周面に巻き付けて炭素繊維が積層されたコア表面層にカッター刃6を取り付ける。その製造方法は、スチール製コアの外面にマトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維または炭素繊維プリプレグを巻き付けて積層する積層工程10と、加熱硬化させる硬化工程30と、冷却後表面を研磨する研磨工程40と、ジャーナルの先端に連結された追加軸を切り落とすジャーナル形成工程50と、表面にカッター刃を取り付けるカッター刃取付工程60とからなる。積層工程と硬化工程の間に型締めによって外面形状を形成する成型工程20を設けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチール製コアにマトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を巻き付けて炭素繊維の層を積層し、またはマトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを巻き付けて炭素繊維の層を積層してコアの外周面に表面層を形成し、前記表面層にカッター刃を取り付けてなることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック製カッターロール。
【請求項2】
表面層は、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して略90度に巻き付けて積層した後、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して一定の角度を付け巻き付けて積層し、このように軸方向に対して略90度に巻き付けた層と一定の角度を付けて巻き付けた層とを複数回繰り返して形成してなることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化プラスチック製カッターロール。
【請求項3】
表面層は、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して一定の角度を付け巻き付けて積層した後、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して略90度に巻き付けて積層し、このように軸方向に対して一定の角度を付けて巻き付けた層と略90度に巻き付けた層とを複数回繰り返して形成してなることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化プラスチック製カッターロール。
【請求項4】
表面層を研磨した後に、マトリックス樹脂をコーティングしたコーティング層を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素繊維強化プラスチック製カッターロール。
【請求項5】
軸方向に対して1つ以上の平面部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭素繊維強化プラスチック製カッターロール。
【請求項6】
スチール製コアの外面に、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を巻き付けて積層し、または炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを巻き付けて積層する積層工程、加熱硬化させる硬化工程、冷却後表面を研磨する研磨工程、炭素繊維層を形成するためにジャーナルの先端に連設された追加軸を切り落とすジャーナル形成工程、表面にカッター刃を取り付けるカッター刃の取付工程を含むことを特徴とする炭素繊維強化プラスチック製カッターロールの製造方法。
【請求項7】
積層工程と硬化工程の間に型締めによって外面形状を形成する成型工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の炭素繊維強化プラスチック製カッターロールの製造方法。
【請求項8】
積層工程では、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して略90度に巻き付けて積層した後、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して一定の角度を付けて巻き付けて積層し、このように軸方向に対して略90度に巻き付けた層と一定の角度を付けて巻き付けた層とを複数回繰り返して炭素繊維の層を形成することを特徴とする請求項6又は7に記載の炭素繊維強化プラスチック製カッターロールの製造方法。
【請求項9】
積層工程では、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して一定の角度を付けて巻き付けて積層した後、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して略90度に巻き付けて積層し、このように軸方向に対して一定の角度を付けて巻き付けた層と略90度に巻き付けた層とを複数回繰り返して炭素繊維の層を形成することを特徴とする請求項6又は7に記載の炭素繊維強化プラスチック製カッターロールの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
技術分野
この発明は、長尺の紙又は板紙を連続的に所定の長さに切断するロータリーカッター装置における炭素繊維強化プラスチック製カッターロールとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺の紙又は板紙を連続的に所定の長さに切断するには、ロータリーカッター装置が用いられている。ロータリーカッター装置は、ナイフを取り付けたカッターロールとそのカッターロールに対向し、回転軸が平行なボトムロールによって構成され、駆動装置によって駆動される。前記カッターロールとボトムロールとの間を紙又は板紙を通すことによって裁断するようにしている。
【0003】
これらのロータリーカッター装置では、ボトムロールの外周面はカッター刃が当たっても摩耗し難く、しかも裁断する紙に切り残しが出ないように硬い金属で形成されているから、裁断する際にカッター刃には強い衝撃を受けることになる。また、その衝撃によってカッターロールが変形し裁断できなくなるおそれもある。そのために、従来カッターロールには金属製ロールが用いられ、かつ金属には焼き入れを行って強度(弾性率)を向上させている。
【0004】
このようなカッターロールは、金属製であるために重量が重く、全体の撓みが大きくなるとともに、慣性モーメント(GD)も大きくなりスピードも上げられないとう問題がある
【0005】
そのために、出願人は、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を巻き付けて炭素繊維の層を積層し、またはマトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを巻き付けて炭素繊維の層を積層して形成した中空構造のロール本体の両端部にジャーナルを取り付けたカッターロールを提案した。
【特許文献1】特開2006−102832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記公報記載のカッターロールは、中空構造のロール本体の両端部にジャーナルを嵌合させて形成しているために、切断時の衝撃が大きいと嵌合部分に負荷が生じ、嵌合部分が緩むおそれがある。
【0007】
この発明は、かかる現状に鑑みてされたものであり、スチール製コアを使用するものの重量が比較的軽く、従って、慣性モーメント(GD2)も比較的小さい炭素繊維強化プラスチック製カッターロールとその製造方法を提供することを目的とする。
また、慣性モーメント(GD2)も比較的小さいために、ラインスピードもアップできる炭素繊維強化プラスチック製カッターロールとその製造方法を提供することを目的とする。
さらに、コアとジャーナルとを一体に形成することによって、ジャーナルが緩むことのない炭素繊維強化プラスチック製カッターロールとその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上記目的を達成するために次のような構成とした。即ち、この発明に係る炭素繊維強化プラスチック製カッターロールは、スチール製コアにマトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を巻き付けて炭素繊維の層を積層し、またはマトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを巻き付けて炭素繊維の層を積層してコアの外周面に表面層を形成し、前記表面層にはカッター刃を取り付けてなることを特徴とする。
【0009】
炭素繊維からなる表面層は、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して略90度に巻き付けて積層した後、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して一定の角度を付け巻き付けて積層し、このように軸方向に対して略90度に巻き付けた層と一定の角度を付けて巻き付けた層とを複数回繰り返すことによって形成してなる。また、炭素繊維からなる表面層は、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して一定の角度を付け巻き付けて積層した後、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して略90度に巻き付けて積層し、このように軸方向に対して一定の角度を付けて巻き付けた層と略90度に巻き付けた層とを複数回繰り返すことによって形成してなる。
【0010】
ロール本体の表面を研磨した後に、マトリックス樹脂をコーティングしたコーティング層を形成してもよい。また、スチール製コアには、軸方向に対して1つ以上の平面部を有するものを用いることができる。
【0011】
また、この発明に係る炭素繊維強化プラスチック製カッターロールの製造方法は、スチール製コアの外面に、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を巻き付けて積層し、または炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを巻き付けて積層する積層工程、加熱硬化させる硬化工程、冷却後表面を研磨する研磨工程、炭素繊維層を形成するためにジャーナルの先端に連設された追加軸を切り落とすジャーナル形成工程、表面にカッター刃を取り付けるカッター刃の取付工程を含むことを特徴とする。積層工程と硬化工程の間に型締めによって外面形状を形成する成型工程を設けることができる。
【0012】
前記積層工程では、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して略90度に巻き付けて積層した後、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して一定の角度を付けて巻き付けて積層し、このように軸方向に対して略90度に巻き付けた層と一定の角度を付けて巻き付けた層とを複数回繰り返して炭素繊維の層を形成することができる。また、積層工程では、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して一定の角度を付けて巻き付けて積層した後、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して略90度に巻き付けて積層し、このように軸方向に対して一定の角度を付けて巻き付けた層と略90度に巻き付けた層とを複数回繰り返して炭素繊維の層を形成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る炭素繊維強化プラスチック製カッターロールは、スチール製コアと表面層の炭素繊維の層とからなるから、慣性モーメント(GD2)を比較的小さくすることができる。また、慣性モーメント(GD2)も比較的小さいために、ラインのスピードアップによる高速化と省力化を図ることができる。また、コアとジャーナルとを一体に形成することによって、切断時の負荷を受けてもジャーナルが緩むことがなく、カッターロール全体としては軽すぎず、重すぎず適度な重量のために切断面をきれいに切断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、この発明に係る炭素繊維強化プラスチック製カッターロールの実施形態について詳細に説明する。図1及び図2に示すように、カッターロール1は、スチール製コア2の両端部にはジャーナル3を取り付けてなり、スチール製コア2外表面にマトリックス樹脂を含浸させながら巻き付けて積層した炭素繊維の層4を形成してなる。前記コア2とジャーナル3とは一体に形成してなる。前記スチール製コア2は、表面に平らな平面部5を軸方向に対して平行に設けた略小判型断面形状に形成されている。
【0015】
前記炭素繊維の層4の表面には軸方向にカッター刃6を取り付けてなる。この実施形態では、スチール製コアは平らな平面部7を軸方向に対して平行に設けた略小判型断面形状としたが、コアの断面形状は種々に変形させることができる。例えば、断面が円形である場合の他、断面が正三角形のもの、正方形のもの、正五角形のもの等とすることができる。このようにコアの断面形状を変形した場合でも、カッター刃6は頂点の位置に取り付けられる。
【0016】
前記炭素繊維の層4は、炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させながら巻き付けて形成してもよいし、あるいは炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを巻き付けて形成してもよい。炭素繊維の層4を炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させながら巻き付けて形成する場合には、樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して略90度に巻き付けて積層した後、樹脂を含浸させた炭素繊維を軸方向に対して一定の角度を付けながら巻き付けて積層し、このように軸方向に対して略90度に巻き付けた層と一定の角度を付けて巻き付けた層とを交互に複数回繰り返して形成することが好ましい。
【0017】
カッター刃6の取り付け構造は、特に限定されるものではなく公知の構造によって取り付ければよい。例えば、図2に示すように、一対の略L字形カッターホルダー6a,6aを炭素繊維の層4の外周面上に対向して固定し、これらのカッターホルダー6a,6a間にカッター刃6を介装する取り付け構造とすることができる。
【0018】
この場合には、前記一対の略L字形カッターホルダー6a,6aは、炭素繊維の層4の外周面上に接着剤を用いて接着すると共に、ボルト6bによって固定することが好ましい。ボルト6bだけではなく接着剤を用いることによって一層強固に固定することができると共に、ボルト6bの数を減らすことができる。
【0019】
次に、この発明に係る炭素繊維強化プラスチック製カッターロールの製造方法の実施形態について詳細に説明する。この発明に係るカッターロールの製造方法の概略は、図3に示すように、マトリックス樹脂を含浸させた炭素繊維をスチール製コアに巻き付けて炭素繊維の層4を形成する積層工程10と、炭素繊維の層4の外周面の形状を整える成型工程20と、加熱炉による硬化工程30と、表面を平滑にする研磨工程40と、炭素繊維層を形成するためにジャーナルの先端に連設された追加軸を切り落とすジャーナル形成工程50と、カッター刃の取付工程60とからなる。
【0020】
積層工程10では、まず、カッターロールの外面形状に応じたマンドレル11を用意する。図4は、図1及び図2に示すスチール製コア2とジャーナル3を備えたマンドレル11を示し、ジャーナル3の先端に炭素繊維の層を形成する際の軸となる追加軸12を連結することによって形成されている。追加軸12のジャーナル3側には、外周面に溝を形成することによって括れ部13が設けられており、括れ部13には、後述する押し型を固定するための穴14が穿設されている。
【0021】
スチール製コア2には、軸方向に対して平行な平面部7,7が対向するように形成されている。この実施形態では、炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させながらマンドレルに巻き付けて炭素繊維の層を形成するフィラメントワインディング製法に基づいている。
【0022】
積層工程10では、ボビン16から炭素繊維を引き出し、マトリックス樹脂含浸装置17によって樹脂を含浸させながらマンドレル11に巻き取られる。ボビン16は、図示する実施形態では、4列三段に配列されており、炭素繊維は一対の引き出しロール18によって引き出されて1本にまとめられる。前記マトリックス樹脂含浸装置17は、樹脂槽17a内にはボビン16から引き出した炭素繊維に槽内の樹脂液17bを付着させる付着ロール17cが配設されている。前記付着ロール17cは、樹脂液17bに直径の2分の1以下、好ましくは3分の1程度を浸漬するように配設されている。
【0023】
前記樹脂槽17a内の樹脂液17bには、電気絶縁用エポキシ樹脂を使用することが好ましい。マトリックス樹脂としては、前記エポキシ樹脂の他に、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を使用することができる。
【0024】
前記構成によって、ボビン16から繰り出された炭素繊維は、引き出しロール18によって引き出されて付着ロール17cに接触しながらマンドレル11に巻き取られる。付着ロール17cは炭素繊維の巻き取り速度とほぼ同調して回転しており、樹脂槽17a内の樹脂液17bを付着させる。
【0025】
マンドレル11への炭素繊維の巻き取りは、例えば、次のようにして行うことができる。まず、第1ステップでは、軸方向に対して90度方向に6プライ巻き付け、その上に軸方向に対して20度傾けたヘリカル巻きを4プライ巻き付け、第2ステップでは、軸方向に対して90度方向に4プライ巻き付け、その上に軸方向に対して12度傾けたヘリカル巻きを4プライ巻き付け、第3ステップでは、第2ステップと同様に巻きつけ、第4ステップでは、軸方向に対して90度方向に4プライ巻き付け、その上に軸方向に対して15度傾けたヘリカル巻きを4プライ巻き付ければよい。このようにして、炭素繊維の層を形成した中間ロール体1Aを得た。
【0026】
次の成型工程20では 平面部7,7を平行に成型するために、図5に示す押し型21を用いた。尚、押し型21は、図示する実施形態に限定されるものではなく、ロール本体の外面形状に応じて変更されることは当然である。
【0027】
押し型21は、平面部を成型する押圧板22、22と、前記押圧板22、22を固定するとともに、追加軸12の括れ部13に取り付けられる連結板23とからなる。前記押圧板22、22は、長尺板22aの両端部にリブ22b、22bを直角に立設した断面凹状板であって、長尺板22aの両端部にボルト挿通用の長孔22cが穿設されている。
【0028】
一方、連結板23は、2つに分割された一対の分割片23aと分割片23bとからなり、それぞれの分割片の突き合わせ面には括れ部13を挟持するための凹部24a、24bが設けられている。前記分割片23a、23bの上下面には、前記長孔22cに挿通するボルト24と螺合するネジ穴25が穿設されている。さらに、分割片23bには側面に貫通する貫通孔26が設けられている。また、分割片23aの内側側面には、つき合わせたとき前記貫通孔26と一致するとともに、ボルトを螺合するネジ穴27が穿設されている。凹部24aには括れ部13の穴14に挿入されるピン28が突設されている。ボルト29は、貫通孔26に挿入され、先端部がネジ穴27に螺合する。
【0029】
上記構成に係る押し型21を用いるには、分割片23aのピン28を括れ部13の穴14に嵌入するとともに、分割片23aと分割片23bとを突き合わせて凹部24a、24bで括れ部13を挟持し、ボルト29を貫通孔26に挿入して先端部をネジ穴27に螺合することによって一体に組み立てる。ピン28が括れ部13の穴14に嵌入しているから、連結板23は回動することなく、一体に取り付けられている。
【0030】
次いで、押圧板22を前記連結板23の上下面に対峙させ、両端部の長孔22cからボルト24を挿入してネジ孔25と螺合させて緊締すればよい。押圧板22は、連結板23に平行に固定され、しかも連結板23自体は回動することがない。そして、分割片23の高さは、中間ロール体1Aの表面の平行な平面部を押圧する高さに形成されている。したがって、中間ロール体1Aの表面には、押圧版22によって平行な平面部を成型することができる。
【0031】
硬化工程30は、前記押し型21で型締めされた中間ロール体1Aを加熱硬化炉31で硬化させる。加熱硬化炉31での硬化は、2段階に温度を上げて行うことが好ましく、例えば、約1時間かけて80℃まで上げて約4時間加熱した後、さらに1時間かけて140℃まで上げて約4時間加熱し、その後加熱硬化炉31から取り出して自然冷却すればよい。
【0032】
中間ロール体1Aは研磨工程40で研磨される。中間ロール体1Aの表面は、均一な平滑面ではないために、表面を研磨加工することが必要である。研磨後は、表面の炭素繊維が脱落するおそれがあり、表面をコーティングすることが好ましい。表面のコーティングは、炭素繊維に含浸させたマトリックス樹脂をそのまま用いてもよいし、マトリックス樹脂にフッ素系パウダーやシリコーン樹脂を混ぜて紙粉がカッターロール表面に付着し難くしたり、マトリックス樹脂にセラミックス系パウダーを混ぜてカッターロール表面の耐磨耗性を向上させることも可能である。
【0033】
次に、ジャーナル形成工程50で、中間ロール体1Aの成型のために連設された追加軸12を切断して切り離す。追加軸12の切断は、ジャーナル先端面の接合部分12aから切り離し、正規の寸法のジャーナル3とすればよい。押し型21を取り付けるためにジャーナル3には穴を開けることができないから、押し型21の取り付け用として追加軸12を連設したものであり、追加軸12を切り落とすことによって正規の寸法のジャーナル3となる。
【0034】
最後に、カッター刃の取付工程60でカッター刃6を取り付ければよい。このカッター刃の取付工程60では、カッター刃6を公知の手段によって取り付ければよく、特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明に係る炭素繊維強化プラスチック製カッターロールの正面図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】製造工程を示す説明図である。
【図4】マンドレルの一例を示す斜視図である。
【図5】成型工程における押し型を分解し、組み立て前の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1:カッターロール
2:スチール製コア
3:ジャーナル
4:炭素繊維の層
5:平面部
6:カッター刃
6a:カッターホルダー
6b:ボルト
7:平面部
10:積層工程
11:マンドレル
12:追加軸 13:括れ部
14:穴
16:ボビン
17:マトリックス樹脂含浸装置
18:引き出しロール
20:成型工程
21:押し型
22:押圧板
22c:長孔
23:連結板
24:ボルト
25:ネジ穴
26:貫通孔
27:ネジ穴
28:ピン
29:ボルト
30:硬化工程
40:研磨工程
50:ジャーナル形成工程
60:カッター刃取付工程
【出願人】 【識別番号】391047857
【氏名又は名称】旭マシナリー株式会社
【識別番号】000155229
【氏名又は名称】株式会社明治ゴム化成
【出願日】 平成18年9月6日(2006.9.6)
【代理人】 【識別番号】100081329
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 光生


【公開番号】 特開2008−62327(P2008−62327A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−241509(P2006−241509)