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【発明の名称】 シート状部材の裁断装置および画像形成装置
【発明者】 【氏名】篠 敏

【要約】 【課題】裁断装置に供給される記録用紙等のシート状部材の状態不良による不具合を防ぐことのできる、シート状部材の裁断装置および画像形成装置を提供する。

【構成】裁断装置70は、記録用紙Pを所定の状態(姿勢と搬送方向左右位置)に矯正する搬送矯正部71と、記録用紙Pの縁部分を切除して縁無しの所定形状に裁断する裁断部72とからなる。搬送矯正部71は、記録用紙Pを支持するテーブル73と、斜行ロール74と、矯正案内板75と、を備え、記録用紙Pをテーブル73の支持面73Hで支持し、斜行ロール74がテーブル73との間に挟んで矯正案内板75に向かって斜めに移動させてその側縁辺を矯正案内板75に沿わせ、記録用紙Pの姿勢と搬送方向における左右の位置とを裁断部72の裁断位置に適合させるように矯正するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状部材を所定形状に裁断する裁断装置であって、
前記シート状部材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される前記シート状部材を切断する切断機構と、
前記シート状部材の状態を前記切断機構に適合するように矯正する矯正手段と、
を備えることを特徴とするシート状部材の裁断装置。
【請求項2】
前記矯正手段は、
前記シート状部材を移動可能に支持する支持部材と、
前記支持部材に支持された前記シート状部材の姿勢と搬送方向に対する左右の位置とを矯正操作する矯正操作部材と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のシート状部材の裁断装置。
【請求項3】
前記切断機構は、
第一のロール部材を備える第一の支持軸と、
第二のロール部材を備え当該第二のロール部材を前記第一のロール部材に圧接させて設けられた第二の支持軸と、
前記第一の支持軸に設けられた第一の丸刃部材と、
前記第二の支持軸に支持されて前記第一の丸刃部材と刃先を所定量重合させて配置された第二の丸刃部材と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のシート状部材の裁断装置。
【請求項4】
記録媒体シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって画像形成された前記記録媒体シートを所定形状に裁断する裁断機構と、
前記画像形成部によって画像形成されて前記裁断機構に供給される前記記録媒体シートの供給状態を当該裁断機構に適合するように矯正する矯正手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記矯正手段は、
前記記録媒体シートを支持する支持面を有する支持部材と、
前記支持部材の前記支持面に支持された前記記録媒体シートの姿勢と搬送方向に対する左右の位置とを矯正操作する矯正操作部材と、を備え、
前記支持部材は、前記支持面で前記記録媒体シートの画像形成された表面側を支持し、
前記矯正操作部材は、前記記録媒体シートの画像形成されない裏面側を操作するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記支持部材の前記支持面には、前記記録媒体シートを部分的に支持する所定幅で所定高さの支持凸部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状部材の裁断装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、画像形成装置等によって画像形成された用紙端部の余白を切り落とす切断装置は知られている。(特許文献1乃至2参照)。
これらの特許文献は、余白のない画像(縁なしプリント)を形成するために画像の余白部分を切断する切断装置等に関し、互いにオーバーラップしてかみ合い回転する第一丸刃及び第二丸刃とを備え、シートを第一丸刃及び第二丸刃で挟み、シートと第一および第二丸刃を相対的に移動させることでシートを移動方向に切断する丸刃対カッターが開示されている。
また、特許文献1には、シートの切り屑を所定方向へ排出するように案内する案内部材を有する丸刃対カッターが開示されている。
さらに、特許文献2には、シートの切り屑を所定方向に分離する分離部材を有する構成が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−262408号公報
【特許文献2】特開2005−262409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、たとえば、画像形成部が記録用紙の周囲に余白を残して画像形成を行った後、裁断装置によってその余白部分を切除して縁なし画像を形成する場合等では、裁断装置に供給される記録用紙の状態(姿勢や搬送方向に対する左右の位置)が予定された範囲から外れると、余白部分が切除されずに残ったり、辺縁が画像に対して角度を有して見苦しくなるという不具合を生ずる。
本発明は、裁断装置に供給される記録用紙等のシート状部材の状態不良による不具合を防ぐことのできる、シート状部材の裁断装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために、本発明のシート状部材の裁断装置は、シート状部材を所定形状に裁断する裁断装置であって、シート状部材を搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送されるシート状部材を切断する切断機構と、シート状部材の状態を切断機構に適合するように矯正する矯正手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、矯正手段は、シート状部材を移動可能に支持する支持部材と、支持部材に支持されたシート状部材の姿勢と搬送方向に対する左右の位置とを矯正操作する矯正操作部材と、を備えることを特徴とすることができる。
また、切断機構は、第一のロール部材を備える第一の支持軸と、第二のロール部材を備え第二のロール部材を第一のロール部材に圧接させて設けられた第二の支持軸と、第一の支持軸に設けられた第一の丸刃部材と、第二の支持軸に支持されて第一の丸刃部材と刃先を所定量重合させて配置された第二の丸刃部材と、を備えることを特徴とすることができる。
【0006】
本発明の画像形成装置は、記録媒体シートに画像を形成する画像形成部と、画像形成部によって画像形成された記録媒体シートを所定形状に裁断する裁断機構と、画像形成部によって画像形成されて裁断機構に供給される記録媒体シートの供給状態を裁断機構に適合するように矯正する矯正手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、矯正手段は、記録媒体シートを支持する支持面を有する支持部材と、支持部材の支持面に支持された記録媒体シートの姿勢と搬送方向に対する左右の位置とを矯正操作する矯正操作部材と、を備え、支持部材は、支持面で記録媒体シートの画像形成された表面側を支持し、矯正操作部材は、記録媒体シートの画像形成されない裏面側を操作するように構成されていることを特徴とすることができる。
また、支持部材の支持面には、記録媒体シートを部分的に支持する所定幅で所定高さの支持凸部が形成されていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1のシート状部材の裁断装置によれば、シート状部材の状態を切断機構に適合するように矯正することができ、本構成を備えないものに比較して、裁断装置に供給されるシート状部材の状態不良による不具合を抑制することができる。
請求項2のシート状部材の裁断装置によれば、支持部材が支持したシート状部材を矯正操作部材が矯正操作してシート状部材の状態を切断機構に適合するように矯正することができ、本構成を備えないものに比較して、裁断装置に供給されるシート状部材の状態不良による不具合を抑制することができる。
請求項3のシート状部材の裁断装置によれば、切断機構はシート状部材をロール部材で搬送しつつ丸刃部材で切断することができ、本構成を備えないものに比較して、合理的に構成できる。
請求項4の画像形成装置によれば、画像形成した記録媒体シートの状態を切断機構に適合するように矯正することができ、本構成を備えないものに比較して、裁断装置に供給される記録媒体シートの状態不良による不具合を抑制することができる。
請求項5の画像形成装置によれば、支持部材の支持面が支持した記録媒体シートを矯正操作部材で矯正操作して記録媒体シートの状態を切断機構に適合するように矯正することができ、本構成を備えないものに比較して、裁断装置に供給される記録媒体シートの状態不良による不具合を抑制することができる。矯正操作部材は記録媒体シートの画像形成されない裏面を操作し、本構成を備えないものに比較して、矯正操作による画像形成面の画像乱れや傷付きを抑制できる。
請求項6の画像形成装置によれば、支持部材の支持面に形成された支持凸部で記録媒体シートを部分的に支持することができ、本構成を備えないものに比較して、記録媒体シートの支持面への張り付きや画像形成面の傷付き等の不具合発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態)の一構成例について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態が適用された画像処理複合機1の概略構成図である。
図1に示す画像処理複合機1は、画像形成装置2と、原稿読取装置3とから構成されている。
画像形成装置2は、いわゆるタンデム型のカラー画像形成装置であって、電子写真方式によって各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)と、トナー容器17(17Y,17M,17C,17K)と、中間転写ベルト20とを備えている。また、中間転写ベルト20上のトナー像を、シート状部材である記録媒体シートとしての記録用紙P上に転写する二次転写部40と、記録用紙P上にトナー像を定着する定着装置50とを備えている。
【0009】
さらに、用紙トレイ61に収容された記録用紙Pを二次転写部40に搬送すると共に、二次転写部40から定着装置50に搬送する記録用紙搬送系60と、定着装置50によって定着された記録用紙Pを所定形状に裁断する裁断装置70とを備えている。
この実施の形態では、裁断装置70を除く上記各構成部(すなわち上記画像形成ユニット10,トナー容器17,中間転写ベルト20,二次転写部40,定着装置50,および記録用紙搬送系60等)が、本発明における画像形成部を構成しているものである。
【0010】
各画像形成ユニット10は、図1中矢印方向に回転する感光体ドラム11を各々備えている。各感光体ドラム11の周囲には、イエローのトナー像を形成する画像形成ユニット10Yに代表して示すように、その回転方向に沿って、感光体ドラム11を帯電させる帯電器12と、感光体ドラム11上に静電潜像を書き込むレーザ露光装置13と、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14と、感光体ドラム11上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写ロール15と、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ16等の電子写真用デバイスが順次配設されている。各画像形成ユニット10は、図中矢印で示す中間転写ベルト20の移動方向上流側から、イエローのトナー像を形成する画像形成ユニット10Y,マゼンタのトナー像を形成する画像形成ユニット10M,シアンのトナー像を形成する画像形成ユニット10C,黒のトナー像を形成する画像形成ユニット10Kの順で配置されている。
【0011】
トナー容器17は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の各色と対応してそれぞれ設けられており、それぞれ収容するトナーを必要に応じて各画像形成ユニット10の現像装置14に補給する。
中間転写ベルト20は、所定の幅および長さの無端ベルトであって、駆動ロール21と、いくつかのテンションロールと、二次転写部40のバックアップロール42とに掛け回されて、各画像形成ユニット10の図中上側に各画像形成ユニット10を廻る経路で周回可能に設けられている。駆動ロール21は図示しないモータにより回転駆動されるようになっており、中間転写ベルト20はこの駆動ロール21によって図中矢印で示す方向に周回駆動されるようになっている。
【0012】
各画像形成ユニット10の一次転写ロール15は、中間転写ベルト20を挟んで各画像形成ユニット10の感光体ドラム11と対峙して位置している。これらの一次転写ロール15にはトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、その電位差によって感光体ドラム11上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20に転写する。
また、中間転写ベルト20を挟んで、バックアップロール42と対峙する位置に二次転写ロール41が設けられている。これら二次転写ロール41とバックアップロール42とで二次転写部40を構成している。二次転写ロール41にはトナーの帯電極性と逆極性(正極性)の電圧が印加され、これによって中間転写ベルト20の担持したトナー像を記録用紙Pに転写する。
【0013】
記録用紙搬送系60は、二組の用紙トレイ61(第一用紙トレイ61A,第二用紙トレイ61B)と、これら第一用紙トレイ61Aと第二用紙トレイ61Bとに設けられたピックアップロール62A,62Bと、捌きロール対63A,63Bおよび搬送ロール対64A,64Bとを備えている。また、レジストロール対65と、経路切り替えシュート66と、第一排出ロール対67と、第二排出ロール対68とを備えている。さらに、排紙トレイ92を備えている。
【0014】
第一用紙トレイ61Aと第二用紙トレイ61Bとには、異なる種類の記録用紙(記録シート)P(PA,PB)が収容される。本実施の形態では、第一用紙トレイ61Aにはハガキサイズの記録用紙PAが、第二用紙トレイ61BにはA3サイズの記録用紙PBがそれぞれ収容されるようになっている。なお、第一用紙トレイ61Aに収容される記録用紙PAは、その表面(トナー画像が転写される面)にトナーの基材を構成する樹脂と同系統の樹脂で構成される受像層を有し、後述する二次定着装置52によって高光沢処理が可能なものである。
そして、記録用紙搬送系60は、用紙トレイ61に収容された記録用紙Pを二次転写部40に搬送すると共に、二次転写部40から定着装置50に搬送し、さらに、定着装置50から裁断装置70または排紙トレイ92に搬送する。
【0015】
定着装置50は、記録用紙Pにトナー像を定着させる一次定着装置51と、この一次定着装置51による一次定着後の記録用紙Pにさらに高光沢処理を施す二次定着装置52とを備えている。
一次定着装置51は、いわゆる熱ロール定着装置であって、加熱される加熱ロールに加圧ロールが所定の圧力で圧接されて構成され、トナー像が転写された記録用紙Pを加圧ロールによって加熱ロールに圧接してトナーを溶融させて固定(定着)する。
【0016】
二次定着装置52は、平滑な表面を有する素材で無端状に形成された定着ベルト52Aと、この定着ベルト52Aを張架する加熱ロール52Bと、定着ベルト52Aを挟んで加熱ロール52Bに圧接された加圧ロール52Cとを備えている。また、定着ベルト52Aの裏面側に接触して配置されたヒートシンク52Dを備えている。
加熱ロール52Bは、所定の温度に加熱されると共に図示しない駆動源によって回転駆動されるようになっており、巻回する定着ベルト52Aを加熱すると共に周回駆動する。
【0017】
そして、二次定着装置52は、一次定着装置51によってトナー像が一次定着された記録用紙PAを、加圧ロール52Cによって定着ベルト52Aに押圧する。これにより、加熱ロール52Bからの熱と圧力によってトナー像を記録用紙PAの受像層に埋没させると共に、記録用紙PAの画像面に定着ベルト52Aの表面の平滑性を転写して高い光沢の画像面とする。その後、定着ベルト52Aに密着した状態で搬送される記録用紙PAを、ヒートシンク52Dにより強制的に冷却し、定着ベルト52Aから剥離させて裁断装置70に向けて送り出す。
【0018】
ここで、記録用紙搬送系60の経路切り替えシュート66は、一次定着装置51による一次定着後に記録用紙P(PA,PB)を排紙トレイ92まで搬送する経路と、一次定着後の記録用紙PAをさらに二次定着装置52に搬送する経路とに切り替えるようになっている。つまり、本実施の形態では、経路切り替えシュート66は、第一用紙トレイ61Aに収容された記録用紙PAを用いて光沢仕上げとする場合に二次定着装置52側に切り替えられ、その他の場合には排紙トレイ92側とされる。
【0019】
裁断装置70は、二次定着装置52から送り出された記録用紙PAを受け取って、その四辺の縁部分を所定幅で切除して縁なしの所定形状とし、その備える排紙トレイ91へと排出する。この裁断装置70については、後に詳述する。
【0020】
そして、上記のように構成された画像形成装置2は、下記のごとく作用して記録用紙P上に画像を形成する。
すなわち、駆動ロール21によって周回駆動される中間転写ベルト20上に、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分のトナー像を、それぞれ一次転写ロール15の作用で順次転写(一次転写)する。そして、中間転写ベルト20上に保持された重ね画像を、記録用紙搬送系60によって搬送される記録用紙Pに、二次転写部40で一括転写(二次転写)する。その後、この記録用紙Pに二次転写された画像を定着装置50で定着させて排紙する。
【0021】
第一用紙トレイ61Aと第二用紙トレイ61Bの何れに収容されている記録用紙P(PA又はPB)に画像形成を行うかは、使用者の指示または形成する画像に応じて自動的に設定される。また、光沢処理を行うか否かは使用者の指示によって設定される。そして、用いる記録用紙P(PA又はPB)および設定に応じて、記録用紙搬送系60の経路切り替えシュート66が記録用紙Pの搬送方向を切り替える。
すなわち、第二用紙トレイ61Bに収容された記録用紙PBに画像形成する際、および、第一用紙トレイ61Aに収容された記録用紙PAに画像形成する際でも光沢処理を行わない場合には、一次定着装置51による一次定着後に、記録用紙P(PB,PA)を排紙トレイ92に排出する。一方、第一用紙トレイ61Aに収容された記録用紙PAに画像形成して光沢処理を行う際には、一次定着装置51による一次定着後の記録用紙PAを、さらに二次定着装置52に搬送する。
そして、二次定着装置52によって記録用紙PAに対して高光沢処理を施し、その記録用紙PAの四辺の縁部分を裁断装置70で切除して縁無しの所定形状に裁断し、排紙トレイ91へと排出するものである。
【0022】
つぎに、本発明の主要部分である裁断装置70について説明する。
図2は裁断装置の構成を概念的に示す平面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図2のB−B断面図である。また、図5は搬送矯正部71の拡大平面図、図6は図5のC−C断面図である。
裁断装置70は、二次定着装置52から供給された記録用紙PA(以下単に記録用紙Pと称する)を所定の状態(姿勢と搬送方向左右位置)に矯正する矯正手段としての搬送矯正部71と、記録用紙Pの四辺の縁部分を切除して縁無しの所定形状に裁断する切断機構としての裁断部72とからなる。
【0023】
搬送矯正部71は、記録用紙Pを支持する支持部材としてのテーブル73と、矯正操作部材としての斜行ロール74と、搬送方向側方に設けられた矯正案内板75と、を備えて構成されている。
テーブル73は、搬送矯正部71の全域に亘る大きさの平板状で水平に配置され、二次定着装置52(図1参照)から画像形成面を下向きとして送り出される記録用紙Pを下側から支持してその上下方向の搬送経路を規定する。テーブル73は、鋼板等によって形成された基板73Bの表面を摺動シート73Sで覆って構成されており、その表面が支持面73Hとなっている。
摺動シート73Sは、たとえば、ポリイミド樹脂中にカーボンブラックを分散させる等して導電性を持たせて形成された表面が平滑で低摩擦係数のシートで、たとえば、表面粗さRz(Max高さ):0.0015mm以下、厚さ:0.065±0.005mm、体積抵抗率:10±2logΩcm(100V/荷重2Kg)に形成されている。
【0024】
ここで、摺動シート73Sによって形成される支持面73Hには、図5に示すように、所定幅の帯状の支持凸部73Pが複数形成されて凹凸を有している。
支持凸部73Pは、たとえば幅3〜10mm、高さは1mm未満(たとえば0.2mm)に突出し、その延設方向は、記録用紙Pの搬送移動軸方向に対して所定の角度:α(たとえば45°)を有し、所定間隔(たとえば記録用紙Pの移動方向と直行する方向に25mm間隔)で複数設けられている。
このような支持凸部73Pは、図6(a)に示すように、基板73Bの表面をプレス加工等によって突出させて、その表面に摺動シート73Sを密着させて接着することで形成することができる。また、図6(b)に示すように、摺動シート73Sと基板73Bの表面との間に支持凸部73Pと対応する大きさおよび厚さの樹脂シート等のスペーサ73Nを介装することで形成することができる。
【0025】
斜行ロール74は、所定硬度の弾性変形可能な素材によって形成されたロール74Rを備えるロール軸74Sが、そのロール74Rを所定の面圧でテーブル73に接触させて設けられている。
ロール74Rは、発泡ウレタンや天然又は合成ゴムによって形成されている。たとえば直径20mm×幅6mmに形成され、発泡ウレタン等では硬度:20±5°(アスカーC)、ゴムでは硬度:Hs73±5°に形成されたものを用いることができる。
斜行ロール74の軸心は、テーブル73の支持面73Hと平行で、且つ、テーブル73の一方側方に設けられた矯正案内板75に向けて記録用紙Pを移動駆動するように、記録用紙Pの搬送経路軸CAと直交する線に対して所定の角度:β(たとえば15〜20°)を有して設定されている。また、斜行ロール74は、ユニバーサルジョイント74Jを介してモータ等の駆動手段に連繋されており、斜行ロール74はこの駆動手段によって回転駆動されるようになっている。駆動手段は、図示しない制御装置によって駆動制御される。
【0026】
さらに、斜行ロール74の記録用紙Pの搬送方向における二次定着装置52に対する位置は、記録用紙Pの後端部が二次定着装置52によって移動(搬送)駆動されている状態で、記録用紙Pの先端部を斜行ロール74がテーブル73との間に挟むように設定されている。また、記録用紙Pを搬送駆動する速度は、二次定着装置52と斜行ロール74とを等しく、又は、斜行ロール74を二次定着装置52より速く設定する。これにより、記録用紙Pを二次定着装置52から斜行ロール74に受け渡して搬送を円滑に継続し得るようになっている。二次定着装置52と斜行ロール74とに速度差がある場合には、斜行ロール74が記録用紙Pに対してスリップしてこれを吸収する。従って、二次定着装置52と斜行ロール74とによって同時に搬送駆動される状態では、記録用紙Pは二次定着装置52の搬送速度で搬送されるものである。
【0027】
矯正案内板75は、所定長さの平板状でその板面を鉛直且つ記録用紙Pの搬送経路軸CAと平行として、記録用紙搬送経路の一方側部(本実施の形態では搬送方向に向かって右側)に設けられている。その位置は、正常な搬送経路で二次定着装置52から送り出された記録用紙Pの側辺縁より、所定量:X外側に設定されている。そして、側縁がこの矯正案内板75に沿った状態(姿勢と搬送方向における左右方向の位置)で、記録用紙Pの中心軸が裁断部72の中心軸と合致するようになっている。
【0028】
このように構成された搬送矯正部71は、二次定着装置52から排出された記録用紙Pを、テーブル73の支持面73Hで支持し、斜行ロール74がテーブル73との間に挟んで矯正案内板75に向かって斜めに移動させる。そして、記録用紙Pの側縁辺を矯正案内板75に沿わせ、記録用紙Pの姿勢と搬送方向における左右の位置とを矯正(状態矯正)する。つまり、斜行ロール74が記録用紙Pを支持面73H上で移動させて、記録用紙Pの姿勢および搬送方向左右位置を、裁断部72の裁断位置に適合させるように状態設定を行うものである。
【0029】
ここで、記録用紙Pは、画像形成された表面を下側とし、画像形成されない裏面を上側とした状態で二次定着装置52から送り出され、搬送矯正部71のテーブル73の支持面73Hは、その画像形成された表面側を支持する。二次定着装置52から送り出されて間もない記録用紙Pの画像形成面は、冷却が充分でなくなお温度が高い(たとえば50〜70℃)状態で表面樹脂が柔らかい。本構成では、滑らかな支持面73Hで記録用紙Pの表面側を支持すると共に、画像形成されない裏面側を斜行ロール74で操作するため、画像形成面に傷を付けることなく状態矯正を行うことができる。
【0030】
また、支持面73Hには支持凸部73Pが形成されており、この支持凸部73Pが記録用紙Pに部分的に当接して支持する。これにより、記録用紙Pは容易に移動可能であって、記録用紙Pの画像形成面が支持面73Hに密着して接着状態となって搬送不良を生ずることを防ぐことができる。また、支持凸部73Pは、記録用紙Pの搬送移動方向に対して所定の角度を有して形成されているため、記録用紙Pの先端縁が支持凸部73Pの辺縁に角度を持って接触し、記録用紙Pの同一部位が支持凸部73Pによって長期間支持されることが無く、傷の形成を抑えることができる。
さらに、支持面73Hを形成する摺動シート73Sは導電性を有するため、記録用紙Pが帯電した静電気を逃がすことができ、記録用紙Pが支持面73H上に静電吸着することで移動を阻害することがない。
【0031】
裁断部72は、図2中矢印で示すように、第一搬送経路FXと、この第一搬送経路FXと同一平面で略直角に交差する第二搬送経路FYとを備えている。この第一搬送経路FXと第二搬送経路FYの交差部位は、搬送方向を転換する転向部FCとなっている。そして、縁部分切断前の記録用紙P1を、第一搬送経路FXで転向部FCまで搬送しつつ搬送方向(FX)と平行な両側の縁部分(以下水平縁と称する)を切除して記録用紙P2とし、さらに転向部FCから第二搬送経路FYで搬送しつつ搬送方向(FY)と平行な両側の縁部分(以下垂直縁と称する)を切除して縁なしの所定形状に裁断された記録用紙P3とする。
【0032】
第一搬送経路FXには、その搬送方向上流側から下流側に向けて、記録用紙P1を第一搬送経路FX方向に搬送する第一搬送ロール対721と、第一搬送経路FXと平行な記録用紙Pの両水平縁を切断する第一カッター機構81と、第二搬送ロール対722とが順番に配置されている。
第二搬送経路FYには、その搬送方向上流側(転向部FC)から下流側に向けて、記録用紙P2を第二搬送経路FY方向に搬送する第三搬送ロール対723と、第二搬送経路FYと平行な記録用紙P2の両垂直縁を切断する第二カッター機構82とを備えている。
これら、第一搬送ロール対721、第一カッター機構81、第二搬送ロール対722、第三搬送ロール対723、第二カッター機構82は、本構成例における搬送手段を構成しているものである。
【0033】
第一搬送ロール対721は、この裁断部72に記録用紙P(P1)を導入するロール対であって、記録用紙搬送軸方向における搬送矯正部71の斜行ロール74に対する位置は、記録用紙P(P1)の後端部が斜行ロール74とテーブル73との間に挟まれている(操作されている)状態で、記録用紙P(P1)の先端部を第一搬送ロール対721が挟むように設定されている。また、記録用紙P(P1)の搬送駆動速度は、斜行ロール74と第一搬送ロール対721とを等しく、又は、第一搬送ロール対721を斜行ロール74より速く設定する。これにより、記録用紙P(P1)を搬送矯正部71から第一搬送ロール対721に受け渡して搬送を円滑に継続し得るようになっている。斜行ロール74と第一搬送ロール対721とに速度差がある場合には、斜行ロール74が記録用紙P(P1)に対してスリップしてこれを吸収する。従って、斜行ロール74と第一搬送ロール対721とによって同時に搬送駆動される状態では、記録用紙P(P1)は第一搬送ロール対721の搬送速度で搬送されるようになっている。
【0034】
第二搬送ロール対722および第三搬送ロール対723は、転向部FCに設けられている。
第一搬送ロール対721と、第二搬送ロール対722と、第三搬送ロール対723とは、第二搬送ロール対722の長さが他より短い以外は、基本的に同様の構成となっている。
すなわち、両端にそれぞれロール70Rを備えるロール軸70S(上ロール軸70SU,下ロール軸70SL)が、記録用紙Pの水平な搬送経路を挟んで上下に配置されて構成されている。つまり、ロール70Rで搬送経路の記録用紙Pを挟むように、上ロール軸70SUと下ロール軸70SLとが上下に配置されているものである。
【0035】
ロール軸70Sに設けられたロール70Rは、たとえば摩擦係数の高い弾性素材(たとえばクロロプレンゴムやウレタンゴム)等によって形成されている。
下ロール軸70SLは、図示しないシャーシに上下移動不能に支持されている。また、図示しないモータ等の回転駆動手段と駆動機構を介して連繋されて、回転駆動されるようになっている。回転駆動手段は、図示しない制御装置によって駆動制御される。
上ロール軸70SUは、図示しないシャーシに回転自在、且つ、上下方向に所定量移動可能に支持され、図示しないスプリング等の付勢手段によって下ロール軸70SLに向けて押圧付勢されている。
【0036】
このような構成により、上ロール軸70SUのロール70Rが下ロール軸70SLのロール70Rに圧接され、両ロール軸70SU,70SLのロール70Rが記録用紙を所定の圧力で挟み(支持し)、その挟んだ記録用紙Pを下ロール軸70SLの回転によって搬送するようになっているものである。
【0037】
また、転向部FCに配置される第二搬送ロール対722と第三搬送ロール対723とは、それぞれ上側のロール軸70SUが、図3および図4中に矢印で示すように、上下方向に所定量移動可能となっている。そして、上ロール軸70SUのロール70Rが下ロール軸70SLのロール70Rに圧接する作用位置と、上ロール軸70SUのロール70Rが下ロール軸70SLのロール70Rから離間する退避位置との間を移動し得るようになっている。その駆動は、図示しないが駆動機構を介して連繋されたソレノイド等の駆動手段によって行われるようになっている。その駆動手段は、図示しない制御装置によって駆動制御される。
【0038】
第一カッター機構81と、第二カッター機構82とは、前述の搬送ロール対(第一搬送ロール対721,第三搬送ロール対723)と同様の構成のロール対に、丸刃カッターを備えて構成されている。
すなわち、それぞれロール80R(第二のロール部材としての80RU,第一のロール部材としての80RL)を備えたカッターロール軸(第二の支持軸部材としての上カッターロール軸80SU,第一の支持軸部材としての下カッターロール軸80SL)に、それぞれ丸刃対カッター80Cを構成する丸刃(第二の丸刃部材としての上丸刃80CU,第一の丸刃部材としての下丸刃80CL)を備え、これら上カッターロール軸80SUと下カッターロール軸80SLとが記録用紙Pの水平方向の搬送経路を挟んで上下に配置されている。
【0039】
丸刃対カッター80Cは、下カッターロール軸80SLに設けられた下丸刃80CLと、上カッターロール軸80SUに設けられた上丸刃80CUとの対によって構成されている。
下丸刃80CLは、上カッターロール軸80SUに固定されている。その固定位置は、記録用紙P1,P2の縁部分を切断する規定位置に設定されている。
上丸刃80CUは、下カッターロール軸80SLに回転自在且つ軸方向に移動可能として支持されている。
そして、上丸刃80CUが下丸刃80CLの外側(記録用紙搬送経路の中心側とは逆側)に、上丸刃80CUと下丸刃80CLの刃先が径方向に所定量重合するように位置し、図示しないスプリングで下丸刃80CLに向けて押圧付勢されている。
【0040】
このように構成された第一カッター機構81および第二カッター機構82は、上カッターロール軸80SUのロール80RUと下カッターロール軸80SLのロール80RLとが記録用紙Pを所定の圧力で挟み(支持し)、その挟んだ記録用紙Pを図示しないモータ等の駆動手段で駆動される下カッターロール軸80SLの回転によって搬送すると共に、丸刃対カッター80Cによってその縁を切断する。つまり、搬送手段も兼ねる構成となっているものである。その切断位置は、下丸刃80CLによって規定される。
第一カッター機構81と第二カッター機構82との側端部には、それぞれ切断した縁部分を分離する切り屑分離ガイド94,95が設けられている。
【0041】
第一搬送経路FXの下側には、無端のコンベアベルトが周回可能に張架されて成る切り屑搬送ベルト93が、第一搬送経路FXと平行に設けられている。切り屑搬送ベルト93は、第一カッター機構81および第二カッター機構82で切断された切り屑をその下流側に設けられた図示しない切り屑収容容器に搬送する。
第二搬送経路FYの最も下流側には、四辺の縁部分が切断されて所定形状に裁断された記録用紙P(P3)を収容する排紙トレイ91が設けられている。
【0042】
また、記録用紙Pの搬送制御情報とするためにその位置を検知する用紙位置センサ83が、第一搬送経路FXの第一カッター機構81と第二搬送ロール対722との間の、幅方向中央下面側に設けられている。
なお、裁断部72の駆動制御は、画像処理複合機1(図1参照)の図示しない制御装置によって行われ、用紙位置センサ83による記録用紙P1の検知情報はこの制御装置に入力されるようになっている。
【0043】
上記のごとく搬送矯正部71と裁断部72とを備えて構成された裁断装置70は、図示しない制御装置によって制御され、搬送矯正部71が記録用紙Pの姿勢と搬送位置を矯正し(図2中記録用紙P1)、その記録用紙P1を裁断部72が縁なしの所定形状に裁断する(記録用紙P3)。
すなわち、搬送矯正部71は、二次定着装置52を経て送られる記録用紙Pを、斜行ロール74によって矯正案内板75に向かって斜めに移動させて、記録用紙Pの側縁辺を矯正案内板75に沿わせ、記録用紙Pの状態(姿勢と搬送方向左右位置)を所定に矯正する(記録用紙P1)。
【0044】
裁断部72は、搬送矯正部71によって状態が矯正されて供給される記録用紙P1を、第一搬送ロール対721と第一カッター機構81との駆動によって第一搬送経路FXを搬送しつつ、第一カッター機構81によってその搬送方向と平行な両縁(水平縁部分)を切断して記録用紙P2として転向部FCの所定位置に停止させる。この転向部FCの所定位置への停止は、用紙位置センサ83が記録用紙Pの先端を検知してから所定時間後に、第一搬送ロール対721,第一カッター機構81および第二搬送ロール対722の駆動を停止させることで行う。
なお、この状態では、第二搬送ロール対722は作用位置とされ、第三搬送ロール対723は退避位置とされる。
第一カッター機構81によって切断された水平縁部分は、切り屑分離ガイド94によって記録用紙P2から分離されて切り屑搬送ベルト93上に導かれ、切り屑搬送ベルト93によって図示しない切り屑収容容器に搬送される。
【0045】
その後、第二搬送ロール対722を退避位置とすると共に、第三搬送ロール対723を作用位置として、転向部FCに位置する記録用紙P2を第三搬送ロール対723で挟み、第三搬送ロール対723と第二カッター機構82とを駆動し、記録用紙P2を第二搬送経路FY方向に搬送しつつ第二カッター機構82によってその搬送方向と平行な両縁(垂直縁部分)を切断して記録用紙P3として排紙トレイ91に排出する。切断された垂直縁部分は、切り屑分離ガイド95によって記録用紙P2から分離されて切り屑搬送ベルト93上に導かれ、切り屑搬送ベルト93によって図示しない切り屑収容容器に搬送される。
【0046】
上記のごとき裁断装置70によれば、供給される記録用紙Pの状態不良による不具合を防いで、記録用紙Pを縁なしの所定形状に裁断(記録用紙P3)とすることができる。
すなわち、二次定着装置52から送られる記録用紙Pは、前工程における種々の要因によって、側縁辺がその搬送方向と平行でない姿勢となったり(姿勢ズレ)、また、所定の搬送経路から側方にずれて搬送されたり(側方位置ズレ)、さらには、移動方向が搬送方向と一致しない状態(搬送方向ズレ:斜行)となったりする等の搬送不良を生ずることがある。
このような搬送不良状態のまま裁断を行うと、余白部分が残ったり、切除後の外縁辺が画像に対して角度を有して見苦しくなるという不具合を生ずる虞があるが、本構成の裁断装置70によれば、このようなことを防ぐことができる。
【0047】
図7は、その作用説明図であって、(a)は搬送矯正部を備えない例、(b)は搬送矯正部71を備える例である。また、図8は、記録用紙Pに対する画像形成領域と、記録用紙Pの搬送不良と、裁断不良の関係の具体例を示す図である。
図7に示す例は、一次定着装置51の定着ロール51Aの角度に起因して(定着ロール51Aの軸心が記録用紙Pの搬送経路軸CAに対して直角でないために)記録用紙Pが斜行して、その搬送位置が図中左側に側方位置ズレを生じたものである。
【0048】
図中7(a)で示す搬送矯正部を備えない構成の裁断装置70′では、ズレた側である記録用紙Pの図中左側の辺縁が幅広く切除され、右側の辺縁が切除されずに余白部分が残ってしまうことがある。
図8は、官製はがきサイズ(100mm×148mm)の記録用紙Pに、95mm×133mmの画像を形成し、これをL版サイズ(89mm×127mm)に裁断する例である。その幅方向を見ると、記録用紙Pが正しく搬送されれば、(a)に示すように幅方向の縁辺が左右両側共にそれぞれ5.5mmの幅で切除される。画像形成されない余白の幅は2.5mmなので、切断位置は画像範囲に3mm入り込んだ位置となる。このような設定で、用紙トレイ61から二次転写部40までの間の記録用紙搬送系60(図1参照)中において、記録用紙Pが横方向(搬送方向に向かって左側)に2mm側方位置ズレを生じたとする。画像形成は記録用紙Pの位置検知とデジタル露光の制御とによって記録用紙Pの中央に対して行われるとすると、(b)に示すように、余白は左右均等の2.5mmであり、狭い側の切除幅は5.5mm−2mm=3.5mmとなる。この狭い側における切断位置は画像側に1mm入り込み、余白が残存することはない。しかし、この状態からさらに、定着装置50(一次定着装置51)から裁断装置70までの搬送途中に記録用紙Pが同じ側に1mm以上ズレたり姿勢が変化すると、(c)に示すように余白が残存したり辺縁が画像に対して角度を有することとなる。また、切除された切り屑の幅が2.5mm以下となって機構の可動部等に詰まり易くなって、作動の障害を招くという問題がある。
【0049】
一方、図7(b)に示すように搬送矯正部71を備える本実施の形態のごとき構成の裁断装置70では、搬送矯正部71が記録用紙Pを搬送経路軸CAと平行な矯正案内板75に沿わせ、記録用紙Pの姿勢と搬送方向における左右方向の位置とを裁断部72に適合させる。これにより、裁断部72によって記録用紙Pの左右の辺縁を均等に切除することができる。その結果、余白部分が残ったり、辺縁が画像に対して角度を有するようなことがない。また、切除した幅の狭い縁が機構部に絡んだり詰まったりすることによる作動不良の発生を防ぐことができる。
【0050】
図7(b)に示す構成では、裁断装置70の位置基準ポイントSPを基準として、位置基準ポイントSPから搬送矯正部71の矯正案内板75までの距離:Yと、位置基準ポイントSPから裁断部72の切断位置(第一カッター機構81の下丸刃80CLの位置)間での距離:Zとを設定することで、切断幅:Wを設定することができる。たとえば図8の例のごとく中心振り分けで片側5.5mmの切断幅:Wとする場合には、Z−Y=5.5mmと設定するものである。また、図中Xは、正常な搬送経路で二次定着装置52から送り出された記録用紙Pの、搬送矯正部71における側方移動量である。
【0051】
ここで、裁断部72に至る記録用紙Pの状態を矯正する構成は、上記の搬送矯正部71の構成に限定されるものではなく、適宜変更可能なものである。
図9は、上記構成例とは異なる搬送矯正部710の平面図である。なお、図中上記構成例と同機能の部位には同符号を付して説明を省略する。
図9に示す搬送矯正部710は、矯正ロール軸710Sが搬送経路を挟んで上下に配置されて成る矯正ロール対711を備えている。
【0052】
矯正ロール対711を構成する矯正ロール軸710Sは、その軸方向を記録用紙の搬送方向と直交させた姿勢で、その軸方向に所定範囲で移動可能として、左右両側に立設されたシャーシ712に設けられている。
両矯正ロール軸710Sには、一対のロール710R(710RL,710RR)がそれぞれ独立して回転可能に設けられている。
上側の矯正ロール軸710Sの各ロール710Rは、それぞれギア組710G(710GL,710GR)を介して姿勢変更モータ710M(710ML,710MR)と連繋されており、姿勢変更モータ710Mの回転によって独立して任意の速度で回転駆動されるようになっている。また、ギア組710Gの歯は矯正ロール軸710Sと平行となっており、噛み合った状態のまま(すなわち駆動力伝達状態)で矯正ロール軸710Sの軸方向の移動が可能となっている。
【0053】
また、矯正ロール軸710Sの一方の端部には、ラックギア710RGが装着されており、このラックギア710RGに位置変更モータ710MSの回転軸に装着されたピニオンギア710PGが噛み合っている。これにより、位置変更モータ710MSの回転によって、矯正ロール軸710Sをその軸方向に移動駆動することができるようになっている。
姿勢変更モータ710Mおよび位置変更モータ710MSは、図示しない制御装置によって制御駆動されるようになっている。制御装置は、記録用紙Pの位置および姿勢を検知する図示しないセンサからの検知情報に基づいて、姿勢変更モータ710Mおよび位置変更モータ710MSを駆動制御して記録用紙Pの位置および姿勢を矯正する。
【0054】
すなわち、搬送矯正部710は、ロール710RL,710RRの速度差によって記録用紙Pの姿勢をその辺縁が搬送方向と一致するように矯正すると共に、位置変更モータ710MSによって矯正ロール軸710Sを軸方向に移動させることで搬送方向に対する左右方向の位置を矯正し、図示しない裁断部に適合するようにすることができるものである。
【0055】
なお、本発明は、上記のごとき実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更可能なものである。たとえば、上記実施の形態は本発明をタンデム型のカラー画像形成装置に適用したものであるが、他の構成の画像形成装置に適用しても良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態が適用された画像処理複合機の概略構成図である。
【図2】裁断装置の構成を概念的に示す平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】搬送矯正部の拡大平面図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【図7】裁断装置の作用説明図である。
【図8】記録用紙に対する画像形成領域と搬送不良と裁断不良の関係の具体例を示す図である。
【図9】異なる構成の搬送矯正部の平面図である。
【符号の説明】
【0057】
1…画像処理複合機、2…画像形成装置(画像形成部)、70…裁断機構(裁断装置)、71,710…搬送矯正部(矯正手段)、711…矯正ロール対(矯正操作部材)、72…裁断部(切断機構)、721…第一搬送ロール対、722…第二搬送ロール対、723…第三搬送ロール対、73…テーブル(支持部材)、73H…支持面、73P…支持凸部、74…斜行ロール(矯正操作部材)、80RL…ロール(第一のロール部材)、80RU…ロール(第二のロール部材)、80CL…下丸刃(第一の丸刃部材)、80CU…上丸刃(第二の丸刃部材)、80SL…下カッターロール軸(第一の支持軸)、80SU…上カッターロール軸(第二の支持軸)、P(P1,P2,P3)…記録用紙(記録媒体シート)
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成18年8月28日(2006.8.28)
【代理人】 【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎

【識別番号】100118201
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 武


【公開番号】 特開2008−49461(P2008−49461A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−231204(P2006−231204)