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【発明の名称】 不定形食肉原木のハーフカット装置
【発明者】 【氏名】鳥井 弘隆

【要約】 【課題】ベーコン原木やハム原木などの不定形の食肉原木を、長手方向に切断して横幅方向に正確に2等分することができる簡単な構造の不定形食肉原木のハーフカット装置を提供すること。

【構成】ハーフカット装置1を、食肉原木Bの載置台2と、載置台に設けられた幅方向位置規制手段4と、切断手段と、原木送出手段6とを備え、切断手段が、食肉原木の送出方向に対して前傾して固定された長板状の刃物3を有し、幅方向位置規制手段が、前記載置台に貫設された一対の対向配置された可動起立部と、該一対の可動起立部4a,4bを、食肉原木の送出方向に直交する方向でかつ互いに相反する方向に、前記刃物の刃先3aから等距離に保持しながら広狭可能に移動させることができるピニオン−ラック機構と、前記一対の可動起立部を少なくとも互いに近づける方向に付勢することができる付勢機構とを有する構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食肉原木を載置する載置台と、該載置台に設けられた幅方向位置規制手段と、該幅方向位置規制手段に連接して設けられた切断手段と、載置台上に載置された食肉原木を前記幅方向位置規制手段を介して切断手段に送り出す原木送出手段と、を備えた不定形食肉原木を長手方向に切断して幅方向に2等分するハーフカット装置であって、
前記切断手段が、食肉原木の送出方向に対して前傾して固定された長板状の刃物を有し、
前記幅方向位置規制手段が、前記載置台に貫設された一対の対向配置された可動起立部と、該一対の可動起立部を、食肉原木の送出方向に直交する方向でかつ互いに相反する方向に、前記刃物の刃先から等距離に保持しながら広狭可能に移動させることができるピニオン−ラック機構と、前記一対の可動起立部を少なくとも互いに近づける方向に付勢することができる付勢機構とを有する、
ことを特徴とするハーフカット装置。
【請求項2】
さらに、載置台上に原木を載置し、また幅方向をガイドしながら搬送するための幅方向ガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のハーフカット装置。
【請求項3】
切断手段における刃物が、両刃の刃物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハーフカット装置。
【請求項4】
幅方向位置規制手段におけるピニオン−ラック機構が、載置台表面より下方位置において、一端が可動起立部のそれぞれに固定され、他端が他方の可動起立部のそれぞれに摺動可能な状態で支持された一対の対向配置されたラックと、かかる一対のラックと噛み合って、これらを食肉原木の送出方向に直交する方向で、かつ互いに相反する方向に等距離移動させるピニオンを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハーフカット装置。
【請求項5】
幅方向位置規制手段における付勢機構が、一対の可動起立部の少なくとも一方を付勢する付勢装置を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハーフカット装置。
【請求項6】
付勢装置が、エアシリンダであることを特徴とする請求項5に記載のハーフカット装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーコン原木やハム原木などの不定形な食肉原木を、長手方向に切断して2等分することができる不定形食肉原木のハーフカット装置に関する。
【0002】
一般に、スライスベーコンやスライスハムを製造する場合は、例えば横幅約22cm、高さ約4.2cm、長さ約110cmの大きさに成形したベーコン原木やハム原木をスライス装置によって薄く切って、横幅約22cm、縦幅4.2cm、厚さ約1mmのスライスベーコンやスライスハムを製造している。また、このように製造された製品の半分の横幅の製品(以下、ハーフサイズ製品という)を製造する場合には、食肉原木をその横幅が半分になるようにあらかじめ長手方向に切断し、切断されて横幅約11cmになった食肉原木をスライス装置によって薄く切って製造している。そして、ハーフサイズ製品の製造においては、1パック当りの重量を一定にするために、食肉原木を長手方向に切断して正確に2等分することが望まれている。
【0003】
従来から、ベーコン原木やハム原木などの不定形な食肉原木を長手方向に切断して2等分する装置(以下、ハーフカット装置という)として、幅方向ガイド部材を備えた食肉原木を載置する載置台と、この載置台上を前記幅方向ガイド部材にガイドされながら搬送される食肉原木を切断する円板形の回転刃とを備えたハーフカット装置が用いられている。このハーフカット装置では、幅方向ガイド部材を構成する一対の対向配置されたガイド壁が回転刃の刃先から等距離に配置されており、食肉原木を幅方向ガイド部材に沿って回転刃の方へ送り出すことによって、食肉原木を長手方向に切断して横幅方向にほぼ2等分にしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記ハーフカット装置では、食肉原木が不定形であり横幅寸法も一定しないために、固定された幅方向ガイド部材によっては食肉原木の横幅方向の中心を常に刃先に案内できるとは限らない。また、長手方向の一側面の途中に凹部や凸部を有する食肉原木の場合には、当初は食肉原木の中心を刃先に案内できたとしても、凹部や凸部を有する箇所においても当初の食肉原木の横幅方向の中心の位置で切断し続けることから、凹部や凸部を有する箇所においては中心から外れた位置を切断することになる。そのために、長手方向の一側面の途中に凹部や凸部を有する食肉原木の場合には、凹部や凸部を有する箇所において横幅方向に正確に2等分することができず、切断された食肉原木の間で重量にばらつきが生じる。そして、このような重量にばらつきのある切断された食肉原木を薄切りにすると、スライスベーコンやスライスハムの1枚当たりの重量にばらつきが生じるために、1パック当たりの重量を一定にすることが困難になるという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、前記した問題を解決し、ベーコン原木やハム原木などの不定形の食肉原木を、長手方向に切断して横幅方向に正確に2等分することができる簡単な構造の不定形食肉原木のハーフカット装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究し、載置台に貫設された一対の対向配置された可動起立部と、該一対の可動起立部を、食肉原木の送出方向に直交する方向でかつ互いに相反する方向に、前記刃物の刃先から等距離に保持しながら広狭可能に移動させることができるピニオン−ラック機構と、前記一対の可動起立部を少なくとも互いに近づける方向に付勢することができる付勢機構とを有する幅方向位置規制手段と、食肉原木の送出方向に対して前傾して固定された長板状の刃物を備えたハーフカット装置で、不定形の食肉原木を長手方向に幅方向に切断すると、2等分食肉原木の幅方向の中心を常に刃先に案内することができ、かかるハーフカット装置により不定形の食肉原木を長手方向に切断すると、正確に幅方向に2等分しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(1)食肉原木を載置する載置台と、該載置台に設けられた幅方向位置規制手段と、該幅方向位置規制手段に連接して設けられた切断手段と、載置台上に載置された食肉原木を前記幅方向位置規制手段を介して切断手段に送り出す原木送出手段と、を備えた不定形食肉原木を長手方向に切断して幅方向に2等分するハーフカット装置であって、前記切断手段が、食肉原木の送出方向に対して前傾して固定された長板状の刃物を有し、前記幅方向位置規制手段が、前記載置台に貫設された一対の対向配置された可動起立部と、該一対の可動起立部を、食肉原木の送出方向に直交する方向でかつ互いに相反する方向に、前記刃物の刃先から等距離に保持しながら広狭可能に移動させることができるピニオン−ラック機構と、前記一対の可動起立部を少なくとも互いに近づける方向に付勢することができる付勢機構とを有する、ことを特徴とするハーフカット装置や、(2)さらに、載置台上に原木を載置し、また幅方向をガイドしながら搬送するための幅方向ガイド部材が設けられていることを特徴とする上記(1)のハーフカット装置や、(3)切断手段における刃物が、両刃の刃物であることを特徴とする上記(1)又は(2)のハーフカット装置や、(4)幅方向位置規制手段におけるピニオン−ラック機構が、載置台表面より下方位置において、一端が可動起立部のそれぞれに固定され、他端が他方の可動起立部のそれぞれに摺動可能な状態で支持された一対の対向配置されたラックと、かかる一対のラックと噛み合って、これらを食肉原木の送出方向に直交する方向で、かつ互いに相反する方向に等距離移動させるピニオンを有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のハーフカット装置や、(5)幅方向位置規制手段における付勢機構が、一対の可動起立部の少なくとも一方を付勢する付勢装置を備えたことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のハーフカット装置や、(6)付勢装置が、エアシリンダであることを特徴とする上記(5)のハーフカット装置に関する。
【発明の効果】
【0008】
前記(1)に係る発明によれば、ハーフカット装置が、前記載置台に貫設された一対の対向配置された可動起立部と、該一対の可動起立部を、食肉原木の送出方向に直交する方向でかつ互いに相反する方向に、前記刃物の刃先から等距離に保持しながら広狭可能に移動させることができるピニオン−ラック機構を有する幅方向位置規制手段を備えているので、不定形食肉原木の横幅方向の中心を常に刃先に案内することができる。そのために、横幅寸法が一定しない不定形食肉原木や、長手方向の一側面の途中に凹部や凸部を有する不定形食肉原木であっても、食肉原木の横幅方向中心を常に刃先に案内し、また切断途中であっても食肉原木の横幅方向中心を常に刃先に案内することで、不定形食肉原木を長手方向に切断して正確に2等分することができる。また、固定された長板状の刃物により食肉原木を切断するようにしたので、従来の円板形の回転刃と比べて食肉原木に接する刃先の長さを短くでき、加えて食肉原木に差し入れられる刃物の面積を少なくできるために、食肉原木を切断しながら食肉原木を送出方向に対して左右に動かすことができる。そのために、切断途中であっても食肉原木の中心が刃物の刃先に位置するように、食肉原木を送出方向に対して横幅方向に動かして不定形食肉原木を長手方向に切断して正確に2等分することもできる。また、この長板状の刃物を食肉原木の送出方向に対して前傾して固定したので、刃物が食肉原木を載置台側に付勢して、食肉原木の撥ね上がりを防止することもできる。
【0009】
前記(2)に係る発明によれば、載置台上に原木を載置し、また幅方向をガイドしながら搬送するための幅方向ガイド部材が設けられているので、食肉原木を幅方向位置規制手段にスムーズに送り込むことができる。また、前記(3)に係る発明によれば、刃物を両刃としたので、食肉原木を切断しながら送出方向に対して左右に動かす際にかかる抵抗を、左右均等にすることができる。そのために、幅方向位置規制手段の可動起立部を食肉原木の送出方向に直交しかつ相反する方向に広狭可能に移動させることで、食肉原木を送出方向に対して横幅方向に円滑に動かすことができ、不定形食肉原木を長手方向に切断して正確に2等分することができる。
【0010】
また、前記(4)に係る発明によれば、幅方向位置規制手段におけるピニオン−ラック機構を、載置台の下方において、一端が可動起立部のそれぞれに固定され、他端が他方の可動起立部のそれぞれに摺動可能な状態で支持された一対の対向配置されたラックと、かかる一対のラックと噛み合って、これらを食肉原木の送出方向に直交する方向で、かつ互いに相反する方向に等距離移動させるピニオンを有する構成としたので、より簡単な構造により、一対の可動起立部を食肉原木の送出方向に直交する方向でかつ互いに相反する方向に、前記刃物の刃先から等距離に保持しながら広狭自在に移動させることができる。
【0011】
さらに前記(5)に係る発明によれば、幅方向位置規制手段がこの幅方向位置規制手段の少なくとも一方を付勢する付勢装置によって付勢するようにしたので、可動起立部の動きを確実に制御することができる。そして、前記(6)に係る発明によれば、付勢装置としてエアシリンダを用いたので、油漏れによる食品汚染や漏電を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のハーフカット装置としては、食肉原木を載置する載置台と、該載置台に設けられた幅方向位置規制手段と、該幅方向位置規制手段に連接して設けられた切断手段と、載置台上に載置された食肉原木を前記幅方向位置規制手段を介して切断手段に送り出す原木送出手段と、を備えた不定形食肉原木を長手方向に切断して幅方向に2等分するハーフカット装置であって、前記切断手段が、食肉原木の送出方向に対して前傾して固定された長板状の刃物を有し、前記幅方向位置規制手段が、前記載置台に貫設された一対の対向配置された可動起立部と、該一対の可動起立部を、食肉原木の送出方向に直交する方向(左右方向)でかつ互いに相反する方向に、前記刃物の刃先から等距離に保持しながら広狭可能に移動させることができるピニオン−ラック機構と、前記一対の可動起立部を少なくとも互いに近づける方向に付勢することができる付勢機構とを有する装置であれば特に制限されないが、以下、本発明の説明において、前後とは、図2における右側を前、左側を後といい、また左右とは、前から後に向かっての左右をいう。
【0013】
上記食肉原木としては、横幅寸法が一定しない食肉原木であれば特に制限されず、例えばリテーナによって成型される食肉原木を挙げることができる。この食肉原木の種類としては、ベーコンやハムなどの加工肉類用の原木を具体的に例示することができ、食肉原木の形状としては、その断面形状が長方形、円形、楕円形等の柱状物を挙げることができる。
【0014】
上記載置台としては、食肉原木を支持しうる強度を有する表面が平らな厚板状のものであれば特に制限されないが、作業性からして有脚の硬質プラスチック製の厚板を例示することができる。そして、載置台上面は通常水平面として形成されるが、搬送を容易にするため緩い前傾斜面としたり、摩擦を大きくして確実に切断するために後傾斜面とすることもできる。この載置台には、その最前方に食肉原木載置ステーションが、後方には幅方向位置規制ステーションが設けられている。載置台の幅方向位置規制ステーションには、一対の対向配置された可動起立部が左右方向へ移動できる2つの角孔が設けられているが、2つの角孔間の平面部は食肉原木が搬送可能な幅が確保されている。また、食肉原木載置ステーションを含めて幅方向位置規制ステーションまでの間に、幅方向ガイド部材を設けることが好ましい。また、前記幅方向位置規制ステーションの後側の載置台に近接して切断ステーションを連接することが特に好ましい。載置台に切断ステーションを設けた場合、切断ステーションの後方をハーフカットされた食肉原木を受け取る受取ステーションとしてもよい。
【0015】
上記幅方向ガイド部材としては、食肉原木の横幅より少し広めの間隔を有し、載置台に立設された一対のガイド壁を好適に例示することができる。ガイド壁の高さは、ふつう食肉原木の高さと同程度が好ましい。この幅方向ガイド部材を設けることにより、安定して食肉原木を載置することができる食肉原木載置ステーションが確保できる上に、食肉原木載置ステーションから幅方向位置規制ステーションまで幅方向をガイドしながら安定した状態で食肉原木を搬送することができるので、幅方向位置規制ステーションにおける食肉原木の幅方向位置規制が容易となる。一対のガイド壁は平行に対向配置してもよく、また、前方に向かって幅狭に対向配置してもよい。さらに、食肉原木の搬送を容易にするために、ガイド壁内面やガイド壁間の載置台上面を滑車面とすることもできる。
【0016】
上記幅方向位置規制ステーションには幅方向位置規制手段が設けられている。幅方向位置規制手段におけるピニオン−ラック機構としては、一対の可動起立部を左右方向でかつ互いに相反する向きに、前記刃物の刃先から等距離に保持しながら広狭可能に移動させることができるピニオンとラックを備えたものであれば特に制限されないが、載置台表面より下方位置において、一端が可動起立部のそれぞれに固定され、他端が他方の可動起立部のそれぞれに摺動可能な状態で支持された一対の対向配置されたラックと、かかる一対のラックと噛み合って、これらを左右方向で、かつ互いに相反する向きに等距離移動させるピニオンを有するピニオン−ラック機構を好適に例示することができる。また、上記幅方向位置規制手段における付勢機構としては、一対の可動起立部を少なくとも互いに近づける方向に付勢することができるものであれば、流体シリンダ、バネなど特に制限されないが、エアシリンダが液漏れ・油漏れがなく、かつ確実に付勢しうる点で好ましい。また、前記ピニオン−ラック機構を採用しているので、一対の可動起立部の少なくとも一方を付勢する付勢装置を設けておくと、他方の可動起立部も同様に付勢されることになるが、両方の可動起立部を付勢する付勢装置を設けておくこともできる。
【0017】
前記切断手段は、前記のように載置台の切断ステーションに配設することが好ましいが、載置台の後端に隣接して設けることもできる。かかる切断手段としては、食肉原木の送出方向に対して前傾して固定された長板状の刃物を有するものであれば特に制限されず、前傾の程度としては、食肉原木の硬さや食肉原木の送出速度などによって好適に定めることができるが、載置台表面が水平の場合、水平面に対して45〜75°、好ましくは50〜70°、特に好ましくは65°前後前傾して固定される。しかし、例えば載置台表面が前傾斜面である場合、食肉原木の送出方向も前傾しているので、この場合「送出方向に対して前傾して固定」は載置台表面に対して前傾して固定を意味する。そして、長板状の刃物における刃物の刃の長さや厚みや幅などは食肉原木を切断でき、かつ食肉原木を切断しながらも可動起立部による幅方向に対する押圧によって食肉原木を前後方向に対して左右に動かすことができるように好適に定めることができるが、両刃の刃物とすることが、食肉原木を切断しながら送出方向に対して左右に動かす際にかかる抵抗を、左右均等にすることができるため、幅方向位置規制手段の可動起立部を左右方向かつ相反する向きに広狭可能に移動させることで、食肉原木を送出方向に対して横幅方向に円滑に動かすことができ、不定形食肉原木を長手方向に切断して正確に2等分することができる点で好ましい。
【0018】
前記原木送出手段としては、載置台の最前方に位置する食肉原木載置ステーションに載置された食肉原木を、幅方向位置規制ステーション及び切断ステーションまで送り出すことができるものであれば特に制限されず、食肉原木載置ステーションの前方に配設された油圧シリンダ、モーター等を駆動源とするプッシャーを好適に例示できるが、食肉原木載置ステーションから切断ステーションまでの載置台表面に設けられた搬送コンベアの他、人手による送出しや載置台表面を前傾斜とする送出しも原木送出手段とすることもできる。原木送出手段による食肉原木の送出し速度としては、200〜10cm/秒、特に50〜30cm/秒が好ましく、連続的に送り出すものが好ましい。
【0019】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においても、前後とは、図2における右側を前、左側を後といい、また左右とは、前から後に向かっての左右をいう。特に、載置台の内で刃物を備えた側を載置台の後側、後側と対向する側を載置台の前側といい、図中のFrは前方、Rrは後方、Lは左方、Rは右方を示す。
【0020】
図1は本発明のハーフカット装置の斜視図であり、図2は本発明のハーフカット装置の要部側面図であり、図3は発明のハーフカット装置の要部載置内平面図である。図1に示すように、ハーフカット装置1は、載置台2と、載置台2の後側に設けられた刃物3と、刃物3の刃先3a側に近接した前方両側に位置する、載置台2に貫設された可動起立部4a,4bを有する幅方向位置規制手段4と、該幅方向位置規制手段4の前方から載置台2の前側まで延設され、載置台2上にベーコン原木Bの幅よりもわずかに広い間隔を空けて平行に対向して設けられた一対のガイド壁5,5からなる幅方向ガイド部材と、幅方向ガイド部材のガイド壁5,5間を前後に往復動する原木送出手段6とを備えている。そして、ハーフカット装置1は、幅方向ガイド部材のガイド壁5,5間に載置されたベーコン原木Bを、原木送出手段6によって載置台2の前側から後側に送り出すように構成されている。
【0021】
上記載置台2は、長方形の平面が所定の高さを持った脚付き厚板状に構成され、上面がほぼ水平になるように調節されている。そして、この載置台2には、刃物3と、幅方向位置規制手段4と、幅方向ガイド部材のガイド壁5,5と、原木送出手段6とが配設されている。さらに、載置台2の後方には、載置台2に連接するように、ハーフカットされたベーコン原木Bを受け取る受取台7やスライサー(図示せず)が併設されている。
【0022】
上記刃物3は、長板状の両刃の刃物であって、したがって刃先3aの両側に刃を有している。この刃物3は、載置台2の後側であって載置台2の左右方向のほぼ中央の位置に、ベーコン原木Bの送出方向に対して刃先3aが向き、かつベーコン原木Bの送出方向に対して前傾して固定されている。図2は本発明のハーフカット装置1の要部側面図であり、図2に示すように、この刃物3が載置台2に対して60°に前傾して固定されている。
【0023】
上記幅方向位置規制手段4は、刃先3aに近接した前方両側に位置する載置台2に貫設された可動起立部4a,4bを有している。図3は本発明のハーフカット装置1の要部載置内平面図であり、図3に示すように、幅方向位置規制手段4は、可動起立部4a,4bのほかに、載置台表面より下方位置において、一端が可動起立部4a,4bのそれぞれに固定され、他端が他方の可動起立部4a,4bのそれぞれに摺動可能な状態で支持され、平行に設けられた棒状の一対のラック4c,4dと、かかる一対のラック4c,4dと噛み合って、これらを互いに相反する左右方向に平行に等距離移動させるピニオン4eと、載置台表面より下方位置の可動起立部4a,4bのそれぞれの内面側に結合され、可動起立部4a,4bを互いに近づける方向(内側方向)に付勢することができる一対のエアシリンダ4f,4gとから構成されている。そして、一対のラック4c,4dと、一対のラック4c,4dに噛み合うピニオン4eとによって、可動起立部4a,4bを、食肉原木の送出方向(前後方向)に直交する方向(左右方向)であって、かつ互いに相反する方向に同期移動させることができ、これにより一方の可動起立部4aと刃物3との間隔及び他方の可動起立部4bと刃物3との間隔を等距離に維持しながら、可動起立部4a,4b同士の間隔を幅方向ガイド部材のガイド壁5,5同士の間隔よりも広狭可能にすることができる。
【0024】
可動起立部4a,4bは、載置台2の下から上に貫設し、ベーコン原木Bを受け入れる少なくとも載置台表面より上方位置において前方内側がテーパ面に形成された直方体状の一対の部材として構成されている。この可動起立部4aの外側(対向する側の反対側)の後方下部と可動起立部4bの外側の前方下部には、前記ラック4dとラック4cの一端をそれぞれ固定するための固定板が固着されており、可動起立部4aの前方下部と可動起立部4bの後方下部には、前記ラック4cとラック4dをそれぞれ摺動可能な状態で支持するための挿通孔が設けられている。そして、ラック4dは、その左端が可動起立部4aの外側の後方下部に固定され、右端部側が可動起立部4bの後方下部の挿通孔に摺動自在に支持され、ラック4cは、その右端が可動起立部4bの外側の後方下部に固定され、左端部側が可動起立部4aの前方下部の挿通孔に摺動自在に支持され、ベーコン原木Bの幅より長い棒状のラック4cとラック4dは、ピニオン4eに噛み合うように平行に対向して前後に配置されている。したがって、例えば、可動起立部4aが右側に距離sだけ移動すると、可動起立部4aに固定されたラック4dも右側に距離sだけ移動し、距離sに相当する分だけピニオン4eが時計方向に回転し、ピニオン4eの時計方向の回転に伴いラック4cが左側に距離sだけ移動し、その結果可動起立部4bも左側に距離sだけ移動することになり、可動起立部4a,4bの中心に刃物3が配設されていると、可動起立部4aと刃物3との間隔及び可動起立部4bと刃物3との間隔を等距離に維持しながら、可動起立部4a,4b同士を広狭可能に移動させることができる。なお、この実施形態では、刃先3aの延長線上前方に軸中心が来るようにピニオン4eが、すなわち、可動起立部4a,4bから等距離となるように軸中心がくるようにピニオン4eが配置されているが、可動起立部4a,4b間の真ん中から多少左右にずれた位置に軸中心がくるようにピニオン4eを配置することもできる。
【0025】
以上のように構成された不定形食肉原木のハーフカット装置1では、図1に示すように、幅方向ガイド部材のガイド壁5,5間に載置されたベーコン原木Bを、原木送出手段6によって載置台2の前側から後側に連続的に送り出しながら、刃物3によって長手方向に切断して2つに切り分けるように構成されている。そして、このハーフカット装置1では、図3に示すピニオン−ラック機構によって可動起立部4a,4bが刃先3aから等距離に保持され、かつ可動起立部4a,4bが刃先3aから等距離の状態を保持しながらベーコン原木Bの送出方向に直交しかつ相反する方向に広狭可能に載置台2上で移動するように構成されていることで、ベーコン原木Bを横幅方向の長さが等しくなるように正確に2等分することができる。
【0026】
続いて、図3を参照しながら、本発明のハーフカット装置1の作動状態、特に幅方向位置規制手段4の作動状態について説明する。まず、ベーコン原木Bが幅方向位置規制手段4に送り入れられる前の待機状態において、エアシリンダ4f,4gによる内側方向の付勢力が解除されており、可動起立部4a,4bは、幅方向ガイド部材のガイド壁5,5同士の間隔よりもわずかに広い間隔を空けて刃先3aから等距離に待機している。そして、この可動起立部4a,4bは、ベーコン原木Bが幅方向位置規制手段4に送り入れられる受入初期状態において、エアシリンダ4f,4gによって可動起立部4a,4bが内側方向に移動し、ベーコン原木Bを左右に動かし得る力で内側方向に付勢される。このとき、例えばベーコン原木Bの横幅方向の中心が刃先3aに対して左側にずれて幅方向位置規制手段4に送り入れられた場合は、ベーコン原木Bは、可動起立部4aによって右側に向けて押され、可動起立部4bがベーコン原木Bの右側面に当接する位置まで右側Rに動かされる。その結果として、ベーコン原木Bは、その幅方向中心が常に刃先3aに位置するように案内される。
【0027】
次に、ベーコン原木Bが幅方向位置規制手段4に送り入れられ、ベーコン原木Bが切断されている切断状態における、幅方向位置規制手段4の作動状態について説明する。切断状態においても、前記受入初期状態と同様に、可動起立部4a,4bは刃先3aから等距離に常に保持されるように内側方向に付勢されているために、ベーコン原木Bは、その中心が常に刃先3aに位置するように案内される。また、例えば左側面の途中に凹面を有するベーコン原木Bは、その凹面部分において、可動起立部4bがベーコン原木Bの右側面を左側に向けて押すことによって、可動起立部4aが凹面に当接する位置まで左側に動かされる。その結果として、例えば長手方向の一側面の途中に凹面を有するようなベーコン原木Bであっても、その凹面を有する部分においてもその中心が常に刃先3aに位置するように案内される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のハーフカット装置の斜視図である。
【図2】本発明のハーフカット装置の要部側面図である。
【図3】本発明のハーフカット装置の要部載置内平面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ハーフカット装置
2 載置台
3 刃物
3a 刃先
4 幅方向位置規制手段
4a,4b 可動起立部
4c,4d ラック
4e ピニオン
4f,4g エアシリンダ
5 幅方向ガイド部材のガイド壁
6 原木送出手段
7 受取台
B ベーコン原木
【出願人】 【識別番号】000113067
【氏名又は名称】プリマハム株式会社
【出願日】 平成18年8月18日(2006.8.18)
【代理人】 【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀

【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次

【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作

【識別番号】100123168
【弁理士】
【氏名又は名称】大▲高▼ とし子

【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也

【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真


【公開番号】 特開2008−44084(P2008−44084A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−223594(P2006−223594)