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【発明の名称】 食肉スライサ
【発明者】 【氏名】三浦 保徳

【氏名】板谷 嘉一

【要約】 【課題】

【構成】肉箱2から所定の厚みで送り出される材料を回転する刃物1で連続的に切り落としてスライス片を得るとともに、前記刃物1の切り落とし位置の下方に搬出部3の基端部3aをおいてスライス片を送り出すようにした食肉スライサ。前記搬出部3を覆う受取カバー3cを開けても、前記肉箱2内にスタート位置と前端位置との間を往復するように配置されている肉送り部2aが、スタート位置まで後退するように設定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肉箱から所定の厚みで送り出される材料を回転する刃物で連続的に切り落としてスライス片を得るとともに、前記刃物の切り落とし位置の下方に搬出部の基端部をおいてスライス片を送り出すようにした食肉スライサにおいて、前記搬出部を覆う受取カバーを開けても、前記肉箱内にスタート位置と前端位置との間を往復するように配置されている肉送り部が、スタート位置まで後退するように設定されていることを特徴とする食肉スライサ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、食肉スライサにおける肉送り部の駆動制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
肉箱から所定の厚みで送り出される材料を回転する刃物で連続的に切り落としてスライス片を得るとともに、前記刃物の切り落とし位置の下方に搬出部の基端部をおいてスライス片を送り出すようにした食肉スライサとして、以下のようなものが提案されている。
【0003】
【特許文献1】実開平6−61492号公報(例えば、第5頁、図1参照)
【0004】
【特許文献2】特開2006−116615号公報(例えば、第2頁、図1参照)
【0005】
これらの食肉スライサにあっては、肉箱の直ぐ前にこの肉箱から所定の厚みで送り出される材料を連続的に切り落とすための刃物が、前記刃物の切り落とし位置の下方には搬出部が、さらに、前記肉箱内にはスタート位置と前端位置との間を往復する肉送り部などが設けられている。機械の運転中これらの駆動部分が露出すると極めて危険であるから、前記刃物部分、搬出部、肉箱は全てカバーで覆われている。
【0006】
そして、機械稼動中の安全の面から、これらのカバーのうち肉箱を覆うカバーを開けると、図4のフローチャートに示すように、前記肉送り部(それに備えられている爪も含む)が停止し、前記刃物も緊急停止するように設定されている。また、搬出部を覆うカバーを開けると、図4のフローチャートに示すように、前記肉送り部(それに備えられている爪部も含む)が停止するように設定されている。これらの動作は、通常、カバーが開けられたことをセンサで読み取り、その信号で前記肉送り部駆動用モータおよび搬出部駆動モータを停止させることにより行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、前記搬出部については、スライス片が次々に送り出されて来るところでもあるので、作業者は少しでも早く次の作業に移りたいなどの理由から、搬出部を覆っている受取カバーを開けてしまう。すると、上述したように、前記肉送り部(それに備えられている爪部も含む)が停止するので、最初のスタート時の位置まで戻ろうとしている途中で止まってしまうことになる。運転スタート時には、前記肉送り部(それに備えられている爪部も含む)は最初のスタート時の位置になければならないから、そこまで戻すために再び受取カバーを締める等の操作が必要であり、また、元の位置まで戻るのに時間を要する分だけ次のスタートが遅くなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明では、肉箱から所定の厚みで送り出される材料を回転する刃物で連続的に切り落としてスライス片を得るとともに、前記刃物の切り落とし位置の下方に搬出部の基端部をおいてスライス片を送り出すようにした食肉スライサにおいて、前記搬出部を覆う受取カバーを開けても、前記肉箱内にスタート位置と前端位置との間を往復するように配置されている肉送り部が、スタート位置まで後退するように設定されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、このように設定されているので、たとえ搬出部を覆う受取カバーを開けても、肉送り部は途中で止まることなくスタート位置まで後退する。従って、運転スタート時には、前記肉送り部は最初のスタート時の位置に戻っており、次のスタートがそれだけ早くなるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、本発明をチョッパースライサに適用した場合の一例を示す。図1は、その全体斜視図、図2は、図1に示すチョッパースライサの平面図である。
ここに例示するスライサSには、機台F上の定位置で回転する勾玉形の刃物1を備え、同じく機台F上の定位置に設置され、冷凍肉などの材料を積載して自動的に設定量ずつ送り出すようにした肉箱2を備えている。刃物1は、機台F上に立設した刃物カバー1a内に回転自在に取り付けられている。そして、肉箱2は、刃物1の回転面に前端面を沿わせて刃物カバー1aに接続されており、回転する刃物1に向けて材料を定量ずつ送り出すことができるように、肉送り部2aとこの肉送り部2aから先端が突出している複数本の爪部2b、2bを備えている。肉箱2の上方開口部を覆うように安全カバー2cが設けられている。
なお、図1、図2ともに、肉箱2および搬出部3を覆う安全カバー2c、受取カバー3cを開けた状態で示す。
【0011】
肉箱2の前方には、刃物1の切り落とし位置に基端部3aをおいて、肉箱2の底面と同じ高さに連設され、底面に搬出方向に沿う凸条3bを設けてスライス片を送り出させ得る搬出部3が備えられている。搬出部3の上方開口部を覆うように受取カバー3cが設けられている。
そして、この搬出部3内であって、その基端部3aの側方(図1、2の奥側)には、スライス片の搬出方向と横断方向との間を往復(開閉)するスライス片受取り用の受取り板4が備えられている。受取り板4の基部は図示しないヒンジを介してブラケット4aに取り付けられており、このブラケット4aをリンク4bにより図示しないプランジャその他の作動手段と連結することにより、受取り板4を開閉させることができる。なお、図2では、これらの機構の図示を省略してある。
【0012】
スライサSをスタートして運転を開始すると、図3のフローチャートに示すように、刃物1が回転し、受取り板4が開いて搬出部3の基端部3aの横断方向に沿う初期位置に達する。次いで、肉箱2内で肉送り部2aとこの肉送り部2aから先端が突出している複数本の爪部2b、2bとにより肉送りが始まると、スライスが始まる。
刃物1に最初に切り落とされるスライス片は、初期位置にある受取り板4の表側に受け取られて搬出部3の基端部3a上で垂直に姿勢をとり、順次切り落とされたスライス片は切り落とされた順に垂直に並ぶ。そして、あらかじめ設定された枚数に達すると、受取り板4が閉じられるので、受取り板4の制約から開放されたスライス片は、自動的に垂直状態から前傾して搬出部3上に横積み状に並べられてその姿勢を変え、後続のスライス片は、傾いている前のスライス片の上に傾いた状態で重ね合わされ、スライスされるすべてのスライス片が搬出部3上に横積み状に並べられて整列する。
【0013】
これら一連の動作は従来の場合と同様であり、図3、図4のフローチャートを対比すれば、容易に理解できる。また、肉箱2内で肉送り部2a(この肉送り部2aから先端が突出している複数本の爪部2b、2bを含む)が動いているとき、肉箱2を覆っている安全カバー2cを開けると、従来の場合と同様に、肉送り部2a(複数本の爪部2b、2bを含む)が停止し、刃物1も緊急停止するように設定されている。
【0014】
肉箱2内で肉送り部2a(この肉送り部2aから先端が突出している複数本の爪部2b、2bを含む)が前端位置に到達して、上述したスライス作業が終了すると、肉送り部2a(この肉送り部2aから先端が突出している複数本の爪部2b、2bを含む)が停止し、刃物1も定位置で停止する。すると、肉送り部2a(この肉送り部2aから先端が突出している複数本の爪部2b、2bを含む)が後退設定位置(最初のスタート時の位置)に戻るように設定されている。
これら一連の動作も従来の場合と同様であり、図3、図4のフローチャートを対比すれば、容易に理解できる。
【0015】
ところで、従来の場合には、前記肉送り部2a(この肉送り部2aから先端が突出している複数本の爪部2b、2bを含む)が後退設定位置(最初のスタート時の位置)に戻るべく作動しているとき、搬出部3を覆う受取カバー3cを開けると、肉送り部(それに備えられている爪部も含む)が停止するので、最初のスタート時の位置まで戻ろうとしている途中で止まってしまう。この動作は、図4に示すフローチャートにおいて、「受取カバー開」のステップにおいて、「YES」の場合に「肉送り部(爪部)停止」とあることからも、容易に理解できる。
【0016】
これに対して、ここ例示するスライサSにあっては、たとえ前記搬出部3を覆う受取カバー3cを開けても、肉送り部2a(この肉送り部2aから先端が突出している複数本の爪部2b、2bを含む)は途中で止まることなくスタート位置まで後退する。この動作は、図3に示すフローチャートにおいて、「受取カバー開」のステップにおいて、「YES」の場合でも「肉送り部(爪部)後退位置到達」とあることからも、容易に理解できる。
【0017】
このように、たとえ前記搬出部3を覆う受取カバー3cを開けても、肉送り部2a(この肉送り部2aから先端が突出している複数本の爪部2b、2bを含む)は途中で止まることなくスタート位置まで後退するように設定されていると、そこまで戻すために再び受取カバー3cを締める等の操作は必要なく、また、元の位置まで戻るのに時間を要することもない。さらに、この場合には、運転スタート時において、前記肉送り部は最初のスタート時の位置に戻っており、次のスタートがそれだけ早くなるという利点を有している。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明による技術は、ここに例示するような勾玉形の刃物と固定設置形の肉箱を備えたチョッパースライサのみに限られない。また、ここでは、回転する刃物が通過する間隙を隔てて肉箱に搬出部を連接しているが、搬出用のコンベアを肉箱に接続させることもできる。
なお、各部の構成は、本発明の趣旨に沿って適宜設計変更し得ることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明をチョッパースライサに適用した場合の一例を示す全体斜視図で、肉箱および搬出部を覆うカバーを開けた状態で示す。
【図2】図1に示すチョッパースライサの平面図である。
【図3】ここに例示したスライサの運転を説明するフローチャートである。
【図4】従来のスライサの運転を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0020】
S スライサ
F 機台
1 刃物
1a 刃物カバー
2 肉箱
2a 肉送り部
2b 爪部
2c 安全カバー
3 搬出部
3a 基端部
3b 凸条
3c 受取カバー
4 受取り板
4a ブラケット
4bリンク
【出願人】 【識別番号】591076028
【氏名又は名称】株式会社なんつね
【出願日】 平成18年8月8日(2006.8.8)
【代理人】 【識別番号】100103654
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 邦彦

【識別番号】100118522
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 典彦


【公開番号】 特開2008−36794(P2008−36794A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−216050(P2006−216050)