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【発明の名称】 食肉スライサー
【発明者】 【氏名】仲野 整

【氏名】大西 秀明

【要約】 【課題】露出状態の肉箱4が左右および上下方向に移動することに起因して発生する作業者との接触事故を防止し、スライス作業時、作業終了後の清掃、整備作業などにおいても支障をきたすことのない安全で操作性の良い食肉スライサーSを提供する。

【構成】左右または上下方向の一定区間を往復移動するよう機台1に支持されて食肉を送り出す肉箱4および肉箱4の先端から送り出された食肉の先端を切削する刃物2を備えた食肉スライサーSにおいて、肉箱4の移動範囲全域にわたって肉箱4を覆う肉箱カバー12が設けられ、肉箱カバー12の上縁の地上高を、人の手先が可動部分に触れられない寸法とし、肉箱カバー12の天井の全部乃至一部を開放した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右または上下方向の一定区間を往復移動するよう機台に支持されて食肉を送り出す肉箱および該肉箱の先端から送り出された食肉の先端を切削する刃物を備えた食肉スライサーにおいて、前記肉箱の移動範囲全域にわたって該肉箱を覆う肉箱カバーが設けられ、該肉箱カバーの上縁の地上高を、人の手先が可動部分に触れられない寸法とし、該肉箱カバーの天井の全部乃至一部を開放したことを特徴とする食肉スライサー。
【請求項2】
前記肉箱カバーを前記内箱の移動範囲を囲う板状の縦壁で構成したことを特徴とする請求項1に記載の食肉スライサー。
【請求項3】
左右または上下方向の一定区間を往復移動するよう機台に支持されて食肉を送り出す肉箱および前記肉箱の先端から送り出された食肉の先端を切削する刃物を備えた食肉スライサーにおいて、前記肉箱の移動範囲全域にわたって該肉箱を覆う肉箱カバーが設けられ、該肉箱カバーはスライサーの機台とは別の支持部材に支持されていることを特徴とする食肉スライサー。
【請求項4】
前記支持部材が可搬式であることを特徴とする請求項3に記載の食肉スライサー。
【請求項5】
前記肉箱カバーの上縁の地上高を、人の手先が可動部分に触れられない寸法とし、該肉箱カバーの天井の全部乃至一部を開放したことを特徴とする請求項3または4に記載の食肉スライサー。
【請求項6】
前記肉箱カバーを前記肉箱が露出する状態まで上昇可能としたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の食肉スライサー。
【請求項7】
少なくとも前記肉箱カバーの前記肉箱の停止位置に対応する天井部分が開放されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の食肉スライサー。
【請求項8】
前記肉箱カバーの前記肉箱の停止位置には、材料が供給可能な開閉扉が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の食肉スライサー。
【請求項9】
前記肉箱の往復移動の始端位置において停止中の肉箱へ少なくとも原料の食肉が供給できる広さを有する供給口が開口され、該供給口の開口部には、開口部を塞ぐことができる大きさの開閉可能な供給口カバーが設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の食肉スライサー。
【請求項10】
前記肉箱カバーは、少なくとも前記肉箱に載置された材料の残量を外から監視することが可能な板状部材で形成されていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の食肉スライサー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、食肉スライサーに関し、より詳しくは、現在最も広く普及しているタイプの食肉スライサーにおける食肉供給部位の安全性の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
最も一般的な食肉スライサーにおいては、特許文献1(特開2003−170390公報)の図1などに示されるように、垂直面内で回転する丸刃の回転面にブロック肉の前端面を沿わせ、ブロック肉を収納した肉箱をクランク機構によってレール上を左右方向に往復移動させる水平往復型となっている。この特許文献1に記載の食肉スライサーでは、クランク機構が、肉箱の直下で水平方向に回転するように備えられている。
【0003】
一方、特許文献2(特開2002−239981公報)の図3および図4に示されるように、刃物架台の下部に縦方向に回転するように、クランク機構を配置した食肉スライサーもある。
【0004】
特許文献1および特許文献2の何れに記載された食肉スライサーでも、肉箱は露出したままで左右方向に移動するので、作業者に対して極めて危険な状態である。しかし、上述の食肉スライサーは古くから使われている構成であって、他の部分は改良が重ねられたが、肉箱が露出した状態は現在もそのまま踏襲され、未だに改良されようとしていない。
【0005】
もともと、この種の食肉スライサーを操作すること自体が、危険作業であるとの認識の下に、作業者はそれなりに一定期間訓練され、熟練した使用技術を有する「職人」と呼ばれる人たちだけであったので、上述の危険な状態が問題視されることが少なかった。
【0006】
ところが最近になって、作業者が経験の浅いパートの女性や意思伝達が難しい外国人労働者など所謂「素人」に変わってきて、事故が多発する傾向にある。因みに、厚生労働省の統計によれば、平成13年度におけるカッター、スライサーによる事故は698件とされているが、実数はこれを越えているものと思われ、食肉加工現場からは安全性の高い食肉スライサーの開発が強く望まれるようになった。
【0007】
このような状況下において、安全性向上策の一つとして特許文献3(特許第3335989号公報)に示されるように、肉箱を上下方向に往復移動させる方式の食肉スライサーが発表された。しかし、特許文献3においても、肉箱は前述の食肉スライサーと同様に露出状態であり、移動する肉箱に作業者が不用意に接触して予期しない事故を起こす恐れは、依然として解消されていない。
【特許文献1】特開2003−170390公報
【特許文献2】特開2002−239981公報
【特許文献3】特許第3335989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述のような食肉スライサーにおいて、特に露出状態の肉箱が左右および上下方向に移動することに起因して発生する作業者との接触事故を防止し、しかもスライス作業時は勿論、作業終了後の清掃、整備作業などにおいても支障をきたすことのない安全で操作性の良い食肉スライサーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては、上記目的を、左右または上下方向の一定区間を往復移動するよう機台に支持されて食肉を送り出す肉箱および該肉箱の先端から送り出された食肉の先端を切削する刃物を備えた食肉スライサーにおいて、前記肉箱の移動範囲全域にわたって該肉箱を覆う肉箱カバーが設けられ、該肉箱カバーの上縁の地上高を、人の手先が可動部分に触れられない寸法とし、該肉箱カバーの天井の全部乃至一部を開放したことを特徴とする食肉スライサーにより達成する。この場合に、肉箱カバーを内箱の移動範囲を囲う板状の縦壁で構成することが好ましい。
【0010】
更に、本発明においては、上記目的を、左右または上下方向の一定区間を往復移動するよう機台に支持されて食肉を送り出す肉箱および前記肉箱の先端から送り出された食肉の先端を切削する刃物を備えた食肉スライサーにおいて、前記肉箱の移動範囲全域にわたって該肉箱を覆う肉箱カバーが設けられ、該肉箱カバーはスライサーの機台とは別の支持部材に支持されていることを特徴とする食肉スライサーにより達成する。
【0011】
この場合に、支持部材が可搬式であることが好ましい。また、肉箱カバーの上縁の地上高を、人の手先が可動部分に触れられない寸法とし、肉箱カバーの天井の全部乃至一部を開放とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、肉箱の移動範囲全域にわたって肉箱を覆う肉箱カバーが設けられ、該肉箱カバーの上縁の地上高を、人の手先が可動部分に触れられない寸法としており、特に露出状態の肉箱が左右または上下方向に移動することに起因して発生する作業者との接触事故を防止できる。しかも、本発明においては、肉箱カバーの天井の全部乃至一部を開放したので、スライス作業時は勿論、作業終了後の清掃、整備作業などにおいても支障をきたすことのない安全で操作性の良い食肉スライサーが提供される。
【0013】
本発明においては、肉箱カバーを内箱の移動範囲を囲う板状の縦壁で構成することにより、構造が簡潔となり好ましい。
【0014】
また、本発明においては、肉箱の移動範囲全域にわたって該肉箱を覆う肉箱カバーが設けられ、肉箱カバーはスライサーの機台とは別の支持部材に支持されていることにより、スライサー本体は殆ど変更しないで肉箱カバーが自由に構成できる。この構成により、既販機に対しての対応も容易である。特に、支持部材を可搬式とすることにより、肉匣からの脱着が容易に行なえる。また、スライサーの機台に肉箱カバーの重量がかからないので、食肉スライサーの機台の強度上の心配が要らない。
【0015】
また、本発明においては、肉箱カバーを肉箱が露出する状態まで上昇可能として、肉箱の点検・清掃を行なうに際して肉箱が露出する状態まで肉箱カバーを上昇させることにより、肉箱の点検・清掃作業が容易に行なえ、好ましい。
【0016】
更に、本発明においては、材料の供給を容易に行なうために、少なくとも肉箱カバーの肉箱の停止位置に対応する天井部分が開放されているか、または肉箱カバーの肉箱の停止位置に、材料が供給可能な開閉扉が設けられていることが好ましい。
【0017】
本発明においては、肉箱カバーを透明部材により製作したり、肉箱カバーに指の侵入を防止する大きさの多数の透かし穴を具備させるなどして、少なくとも肉箱に載置された材料の残量を外から監視することが可能な板状部材で形成して、肉箱カバーの外部から肉箱カバーの内部が見通せるようにすることにより作業が容易となり好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の幾つかの実施例を図示した添付図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は肉箱カバーが肉箱の移動軌跡を包み込むことができるようにし、肉箱カバーの天井の略全部を開放した本発明の第1実施例である。
【実施例2】
【0020】
図2は肉箱カバーが肉箱の天井の一部を開放している本発明の第2実施例である。
【0021】
図1、図2に示す本発明に係る食肉スライサーSの第1、第2実施例においては、垂直面内で回転する丸刃2の回転面に前端面を沿わせ、クランク機構によってレールまたはガイドに沿って、左右または上下方向に往復移動する肉箱4を備えた公知の構成の食肉スライサーSにおいて、改良として、肉箱4の左右または上下移動範囲全域を覆う肉箱カバー12を食肉スライサーSの機台1に装着している。なお、本発明は、食肉をスライスする刃物として丸刃に限られず、帯刃など他の刃物を用いることも可能である。
【0022】
図1、図2を参照して第1、第2実施例の構成を説明する。ここに、図1、図2は肉箱4を左右方向に往復移動させるクランク装置が肉箱4の直下に平面で回転するように配置されている特許文献1に示されるタイプの食肉スライサーSの斜視図である。
【0023】
機台1の内部にモーター(図示せず)を設置し、機台1の前側で垂直面内で回転する丸刃2を丸刃駆動モーターによって駆動する。
【0024】
この他に丸刃2と肉箱4を適宜傾斜させた状態で肉箱4を左右方向に往復移動させる方式のハムスライサーSや冷凍した食肉を切削する冷凍肉スライサーSがあり、これらのスライサーSにおいても本発明は適応できる。
【0025】
機台1内に肉箱駆動モーター(図示せず)を設置し、この肉箱駆動モーターによりクランク(図示せず)を機台1上で水平面上で回転させる。肉箱4は図2に破線で示しており、肉箱4はクランク(図示せず)に連結され、前後をガイドレール(図示せず)に支持されて左右方向の一定区間を水平に往復移動する。上記構成により、肉箱4は始端部位置からスライス位置迄の間を水平に往復移動する。
【0026】
更に、図2に示すように、肉箱4の底部には肉送りコンベヤ5が設けられている。また、肉箱4の上方には複数本の上部送りローラー6、6が揺動可能な支持アーム7に支持されて設けられている。上部送りローラー6、6は、肉箱4に収納された食肉の上面部に接して食肉を送出す作用位置および原料の食肉を肉箱4へ供給する位置を取る。
【0027】
図1の実施例では肉箱カバー12の天井の略全部を開放しており、また、図2の実施例では肉箱カバー12が肉箱4の天井の一部を開放している。このため、上部送りローラー6、6は、作用位置と食肉の肉箱4内への供給の支障にならない上方の退避位置との間を揺動移動可能である。食肉の送出し装置は前述の肉送りコンベヤ5とおよび上部送りローラー6、6により構成されている。
【0028】
肉箱4の丸刃2側の先端部には、食肉先端全面を受ける当板10を食肉の送り出し方向(前後方向)に位置調節可能に機台1に取着している。この当板10はハンドルで調節して丸刃2で切削されてできる薄肉片の厚みを調節できる構成としている。
【0029】
丸刃2は肉箱4の先端部付近に立設された支柱に支持され公知の駆動手段(上述した丸刃駆動モーター)により垂直面内で高速回転され、肉箱4の丸刃2側先端部から送り出される食肉の先端部を切削して薄肉片とする。
【0030】
上述のように構成された第1実施例における肉箱カバー12の構成について説明する。本発明に係る肉箱カバー12はステンレス鋼や合成樹脂などの薄い板状部材を用いて製作している。この場合に、肉箱カバー12は、少なくとも肉箱4に載置された材料の残量を外から監視することが可能なように肉箱カバー12の全部乃至一部に多数の長方形状、楕円形状または円形状の開口を形成したり、透明な合成樹脂の板を使用することが好ましい。
【0031】
図1に示す第1実施例においては、肉箱カバー12は左右方向に往復移動する肉箱4の移動軌跡を包み込むことができるよう板状の縦壁で箱状に構成されており、しかも肉箱カバー12の上縁の地上高(肉箱カバー12の上縁から床面までの距離)を高く、すなわち、人の手先がスライサーSの可動部分に触れられない寸法としている。これにより、床面に立つ人の手先が、内箱カバー12の天井の開放部から、移動する付属装置を含む肉箱4に接触する恐れをなくし、安全性を高めている。すなわち、図1においては、肉箱カバー12の上縁の地上高を、人の手先が可動部分に触れられない寸法としているので、外部から人体が肉箱4に接触できない。そして肉箱カバー12の天井の全部(図1参照)乃至一部(後述の図2参照)を開放している。
【0032】
上記の構造のみでもよいが、図1においては、更に、機台1の四隅に垂直なガイド筒1aを設け、肉箱カバー12の案内支柱12aをガイド筒1aに沿って昇降可能に緩く嵌合させている。肉箱カバー12の案内支柱12aにはラック12bを形成している。2本の水平ロッド1cを機台1に回動可能に支承し、水平ロッド1cの両端部に止着した歯車1dを前述した案内支柱12aのラック12bに噛合している。一方の水平ロッド1cの端部には肉箱カバー12を昇降させるハンドル1eが取着されている。また、2本の水平ロッド1cの間にはチェーン、歯付ベルトなどの無端状の伝導部材1fを張架している。
【0033】
上記構成により、ハンドル1eを人手で回転操作すると、水平ロッド1cが回転され伝導部材1fを介して両水平ロッドlcに固着された4個の歯車ld、が一斉に回転され、歯車ldに噛み合ったラック12bを介して各案内支柱12aは同時に上下方向に移動され、肉箱カバー12は昇降する。食肉スライサーSの作動時には肉箱カバー12を下降させ少なくとも肉箱4を覆う図1の実線位置をとらせるとともに、肉箱4の清掃・点検時には肉箱4が露出する位置まで一点鎖線で示すように上昇させる。また、肉箱4への材料供給時に肉箱カバー12を上昇させるようにしてもよい。なお、肉箱カバー12を実線で表示したスライサーSの作動状態位置と仮想線で表示した肉箱4の清掃・点検位置のそれぞれの位置に固定できるロック装置を設けることが好ましい。
【0034】
また、肉箱カバー12の昇降機構は、上述したものに限られず、例えば、ハンドルを手動で操作することに代え、昇降モーターまたは昇降シリンダにより操作してもよいし、肉箱カバー12の頭部に形成したフックにウィンチ(共に図示せず)を係合させて昇降させてもよい。
【0035】
本実施例においては、肉箱カバー12が食肉スライサーSの上でそのまま上昇するので点検、清掃時に取り外した肉箱カバー12の特別な置き場所を必要とせず、また、肉箱4の点検、清掃作業の邪魔にならない。
【0036】
なお、肉箱4への材料供給位置(肉箱4の往復移動の始端部位置)に対応する縦壁には、少なくとも停止中の肉箱4のコンベヤ5上に材料の食肉を供給できるように開閉扉13を設けることが好ましい。すなわち、肉箱4への材料供給位置に対応する縦壁に、上部に蝶番13aを取付けて開閉可能とした開閉扉13を設け、開閉扉13を開けて停止中の肉箱4のコンベヤ5上に比較的低い位置から材料の食肉を供給できるようにしている。開閉扉13も内部が見通すことができるような部材で構成することが好ましい。
【0037】
また、肉箱カバー12を形成する縦壁のうち、丸刃2側に面する縦壁は丸刃2と当板10とに対応する部分を、図1において仮想線(一点鎖線)で表示するような形状に、適宜切り欠いている。
【0038】
肉箱カバー12を形成する板状の縦壁は、四隅の案内支柱12a間を折り曲げまたは四隅の案内支柱12a間に金属や合成樹脂などの剛性を有する薄板を適宜貼り付けて形成して強度を保持させることが好ましい。実施例においては、天井の開放部に面する縦壁は補強のために適宜巾寸法を内側に向けて折り曲げている。
【0039】
各縦壁は、肉箱4の清掃・点検を容易にするために簡単に脱着できるように、いずれも図示しないが、複数のねじ付きノブで螺着したり、案内支柱12a間を連結部材(図示せず)で連結し枠状に構成した各縦壁を連結部材に引っ掛けて取り付けられるようにすることが好ましい。また、各縦壁をそれぞれ上述の開閉扉13のように開閉扉としてもよい。その帆か、各縦壁を多数の細枠からなる公司状に形成したり、指先の入らない目合の金網を用いたりすることもできる。
【0040】
また、各縦壁をキャンバスなどの可撓性材料で形成してホックやマジックファスナー(登録商標)と呼ばれる面ファスナーなどを用いて簡単に脱着可能とし、案内支柱12a間に巻き付けて止着したり、必要に応じて一部を巻き上げるようにすると便利である。
【0041】
更に、安全のために、上述した縦壁や、開閉扉13が開放された場合には、運転ができないようにするなど安全のためのインターロックを施している。
【0042】
一方、図2に示す実施例においても、肉箱カバー12の上縁の地上高を、人の手先が可動部分に触れられない寸法とし、少なくとも肉箱4の停止位置(材料供給位置)に対応する肉箱カバー12の天井部分が開放されているが、肉箱4の移動範囲における機台1、当板10、丸刃2などでカバーされる区域を除いて、外部から人体が接触できないように囲っている。こうすることによって、肉箱4の停止位置(材料供給位置)において、肉箱4に取り付けられた揺動可能な支持アーム7に支持された上部送りローラー6を、材料の食肉をコンベヤ5上に供給するとき支障とならない上方の退避位置(図2に示す位置)へ退避させることができる。
【0043】
図2に示す第2実施例においても、図1の第1実施例と同様に、肉箱カバー12の肉箱4の停止位置(材料供給位置)には、材料が比較的低い位置から供給可能な開開扉13が設けられている。また、図1に示す第1実施例と同様に、図2に示す第2実施例においても肉箱カバー12を肉箱4が露出する状態まで上昇可能としてもよい。
【実施例3】
【0044】
次に図3〜図6を参照して、肉箱カバー12を食肉スラーサーSとは別の支持部材21に支持させた本発明の第3実施例について説明する。図3は本発明の第3実施例の正面図であり、図4は図3に示した実施例の肉箱カバー12を食肉スラーサーSに装着する手順を説明する斜視図である。図5は図3に示した実施例の側面図であり、図6は図3に示した実施例の肉箱カバー12の斜視図である。
【0045】
図3において食肉スライサーSを仮想線で表示している。本実施例においても食肉スライサーSは公知のものであって、丸刃2の回転面に沿わせて水平方向に往復移動する肉箱4を備えている。食肉スライサーSとは別の支持部材21が設けられ、肉箱4の移動範囲の全域にわたって肉類4を覆う肉箱カバー12が支持部材21に支持されている。
【0046】
本実施例における支持部材21は、例えば図6に示されるように、適宜サイズの角管鋼材や丸管鋼材を用いて枠体状に構成されている。すなわち、支持部材21はコの字状の肉箱カバー保持部21aを含んでおり、肉箱カバー保持部21aは肉箱カバー12の前方(丸刃2側)を除く三方の下部周囲を巻くようにして肉箱カバー12を保持している。脚部21cが保持部21aと同様に前方が開放されたコの字状に形成されている。肉箱カバー保持部21aに、H字状をした縦部材である連結部21dを溶接などにより連結し、更に、連結部21dを介して、脚部21cが溶接などにより連結されている。脚部21cには床面に接する複数のキャスター21bが装着されており、支持部材21はキャスター21bにより床面上を移動可能である。
【0047】
本実施例の肉箱カバー12は、スライサーSに装着されたときに肉箱4の移動範囲全面を覆うことができる構成とされているが、スライサーSから取り外されたときは図6に示されるように前方(丸刃2側)の端面が解放されている。そのため図4に示すように丸刃2と当板10の外周部には肉箱カバー12の前方開放部に合致する覆い板l0aを食肉スライサーS側に設けて隙間を埋めるようにしている。
【0048】
次に、図3および図4を参照して、前述のように構成された本実施例の肉箱カバー12を食肉スライサーSに装着する手順を説明する。図3、4に示すように、支持部材21に載置した状態で、肉箱カバー12を横方向に移動させて食肉スライサーSの背後(図3の右方向)から食肉スライサーSの上部に被せる。このとき肉箱カバー12と保持部21aとに形成されたガイド面21e(図6参照)が肉箱カバー12および保持部21aを案内する。更に、セットプレート21fが連結部21dに設けられており、セットプレート21fが食肉スライサーSの機台1に当接した状態で、ねじ付ノブ21gで肉箱カバー保持部21aを肉箱カバー12に締結する。
【0049】
なお、図示は省略したがガイド面21eの前方位置などから適宜ねじによる押圧具などを用いて側方から肉箱カバー12を食肉スライサーSの機台1に押圧して肉箱カバー12をより強く保持させることもできる。
【0050】
肉箱4の清掃・点検時には、上述と逆の手順で肉箱カバー12をスライサーSから取り外す。
【0051】
また、前述した実施例について説明した技術的事項を本実施例に適宜適用することも可能である。例えば、肉箱カバー12の上縁の地上高を、人の手先が可動部分に触れられない寸法とし、肉箱カバー12の天井の全部乃至一部を開放してもよい。また、図示は省略するが、この実施例においても前述した実施例と同様に、支持部材21の連結部21dを形成する丸管材からなる2本の縦部材をガイド筒とし、このガイド筒に緩く嵌めこまれる支持脚を上部の肉箱カバー12の保持部21aから下方に延設して組み合わせ、上下方向に移動自在とし、肉箱カバー12を肉箱4が露出するまで適宜機構で上昇させるように構成することもできる。
【0052】
肉箱カバー12は、内箱4の移動範囲全面を覆うものに限定されることなく、前述実施例のように天井が開放されていても縦壁が高くて可動部分に人手が届かない構成のものであってもよい。
【0053】
また、脚部21cの接地部には広く用いられる上下方向の調節ねじを有した椀状の接地具を使用してもよい。さらには、接地具を用いることなく脚部21cの底面を直接接地させるようにしてもよい。
【0054】
これら肉箱カバー12は支持部材21に溶接などで一体的に構成するほか、図示しないが適宜締結具を使用して簡単に着脱できるようにしてもよく、この場合には、いちいち支持部材21を移動させなくとも肉箱4を露出状態にすることが可能である。
【0055】
支持部材21は本実施例のような可搬式に限ることなく、例えば、図示しないが、スライサーSが設置された作業状の建屋の天井からワイヤーなどで肉箱カバー12を吊り下げて支持させるようにしてもよい。
【0056】
食肉スライサーSには、本実施例とは別に主に冷凍肉をスライスする肉箱4が傾斜状とされたものがあるが、本発明は一部設計変更を施すことでこの食肉スライサーSにも容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1実施例であり、肉箱を左右方向に往復移動させるクランク装置が肉箱の直下に平面で回転するように配置されている特許文献1に示されるタイプの食肉スライサーの斜視図であり、肉箱カバーが肉箱の移動軌跡を包み込むことができるようにし、肉箱カバーの天井の略全部を開放している。
【図2】肉箱カバーが肉箱の天井の一部を開放している本発明の食肉スライサーの第2実施例の斜視図である。
【図3】肉箱カバーを食肉スラーサーとは別の支持部材に支持させた本発明の第3実施例の正面図である。
【図4】図3に示した実施例の肉箱カバーを食肉スラーサーに装着する手順を説明する斜視図である。
【図5】図3に示した実施例の側面図である。
【図6】図3に示した実施例の肉箱カバーの斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 機台
2 丸刃
4 肉箱
5 肉送りコンベヤ
6 上部送りローラー
7 支持アーム
10 当板
12 肉箱カバー
13 供給カバー
21 支持部材
S 食肉スライサー
【出願人】 【識別番号】000152815
【氏名又は名称】株式会社日本キャリア工業
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100082681
【弁理士】
【氏名又は名称】三中 英治

【識別番号】100077654
【弁理士】
【氏名又は名称】三中 菊枝


【公開番号】 特開2008−30149(P2008−30149A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205810(P2006−205810)