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シート束断裁装置 - 特開2008−30130 | j-tokkyo
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【発明の名称】 シート束断裁装置
【発明者】 【氏名】久保 政義

【氏名】前原 和也

【要約】 【課題】シート束の断裁縁を押圧支持する際に、断裁長さに応じて容易に押圧力を変更することが出来る装置を簡単な構造で小型コンパクトに提供する。

【構成】シート束を断裁位置で押圧保持する断裁縁プレス手段を、断裁方向に移動自在の可動押圧部材と、この可動押圧部材を上記シート束から離間した退避位置と上記シート束を押圧する押圧位置との間でシフトする駆動手段(プレスモータなど)とから構成する。そしてこの可動押圧部材と駆動手段との間に加圧スプリングから成る圧力可変手段を設け、駆動手段の作動ストロークによって加圧スプリングの変位量を大小異ならせることによって可動押圧部材のシート束に及ぼす押圧力を調整する。また駆動モータに作用する負荷変動を軽減するため、可動押圧部材を退避位置から断裁位置に駆動する過程で駆動モータの減速比を変更するように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート束を所定の断裁位置に搬送するシート束搬送手段と、
上記シート束を上記断裁位置で押圧保持する断裁縁プレス手段と
上記断裁位置のシート束を断裁するカッタ手段とを備え、
上記断裁縁プレス手段は、断裁方向に移動自在の可動押圧部材と、この可動押圧部材を上記シート束から離間した退避位置と上記シート束を押圧する押圧位置との間でシフトする駆動手段とから構成され、
上記可動押圧部材と上記駆動手段との間には上記押圧位置における上記可動押圧部材の押圧力を高低調整する圧力可変手段が設けられ、この圧力可変手段は上記駆動手段と上記可動押圧部材との間に配置された加圧スプリングで構成され、
上記駆動手段の作動ストロークによる上記加圧スプリングの変位量に応じて上記可動押圧部材の上記シート束に及ぼす押圧力を高低調整することを特徴とするシート束断裁装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、前記加圧スプリングの変位量をシート束の裁断長さに応じて少なくとも2段階に異ならせることを特徴とする請求項1に記載のシート束断裁装置。
【請求項3】
前記駆動手段は駆動モータで構成され、この駆動モータと前記加圧スプリングとの間には減速比を異ならせる変速機構が介在されていることを特徴とする請求項1に記載のシート束断裁装置。
【請求項4】
前記駆動手段は駆動モータで構成され、この駆動モータと前記加圧スプリングとの間には減速比を異ならせる変速機構が設けられ、
上記駆動モータの制御手段はシート束の裁断長さに応じて上記駆動モータの作動ストロークを異ならせると共に上記変速機構の減速比制御を実行することを特徴とする請求項2に記載のシート束断裁装置。
【請求項5】
シート束を所定の断裁位置に搬送するシート束搬送手段と、
上記シート束を上記断裁位置で押圧保持する断裁縁プレス手段と
上記断裁位置のシート束を断裁するカッタ手段とを備え、
上記断裁縁プレス手段は、断裁方向に移動自在の可動押圧部材と、この可動押圧部材を上記シート束から離間した退避位置と上記シート束を押圧する押圧位置との間でシフトする駆動モータと、この駆動モータの制御手段とから構成され、
上記可動押圧部材と上記駆動モータとの間には上記押圧位置における上記可動押圧部材の押圧力を高低調整する加圧スプリングが配置され、
上記制御手段はシート束の断裁長さ情報に基づいて上記駆動モータの作動ストロークを制御することによって上記加圧スプリングの変位量を異ならせ、上記可動押圧部材の上記シート束に及ぼす押圧力を調整することを特徴とするシート束断裁装置。
【請求項6】
前記シート束搬送手段は、前記シート束を旋回して前記断裁位置に搬送するシート姿勢偏向手段を備え、
前記制御手段は、シート束の天部、地部、小口部などの断裁位置を設定する断裁位置設定手段からの情報と前記シート束のサイズ情報とから前記裁断長さを演算することを特徴とする請求項5に記載のシート束断裁装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、順次給送されるシート束を裁断するシート束断裁装置に係わり、例えば画像形成装置から搬出される印刷シートを半裁或いはその周縁部を断裁刃で断裁する際にシート束の断裁縁を確実に保持して断裁品位に優れた断裁機構の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にこの種のシート束断裁装置は、供給口に準備されたシート束を断裁位置に給送セットし、その所定位置を断裁するスタンドアロン装置として構成するか、或いは製本装置内にユニットとして組込まれ表紙装丁された冊子状シートの周縁を切り揃える装置構成などが知られている。特に最近、各種画像形成装置の高速化と多様化が進み、画像形成装置から画像形成されたシートを受け取ってこれを束状に部揃えし、このシート束に表紙シートを綴じ合わせて冊子状シート束を形成し、この冊子状シート束の周縁をトリミングカットする印刷製本システムが提案されるに至っている。
【0003】
上述のように部揃えされたシート束、或いは冊子状に綴じ合わせたシート束を例えば、その中央で半裁する1/2カット、その周縁を切り揃えるトリミングカットなど断裁処理する断裁装置は、シート束の断裁縁をプレス手段で押圧保持して断裁時の剪断力でシート束が崩れないように配慮する必要がある。このようなプレス手段は例えば特許文献1に開示されている。同文献にはシート束を回転テーブル上に保持してその天部、地部、小口部を順次断裁刃で断裁する断裁装置が開示されている。
【0004】
そしてこの回転テーブルには平刃状の断裁刃と断裁縁プレス部材が装備されている。つまりシート束を回転テーブルでその天部、地部、小口部を順次断裁位置に臨ませ、次いでこのシート束をプレス部材で挟圧保持し、この状態で断裁刃によって断裁するように構成されている。そしてプレス手段は固定受け台と可動押え板で構成され、固定受け台は回転テーブルに面一に配置され、これに対して可動押え板は圧接離間するように装置フレームに支持されている。そしてこの可動押え板を油圧シリンダで昇降駆動する機構で押圧力を調整している。同文献には可動押え板の押圧力をシートの天部、地部、小口部など断裁個所によって異ならせシート束に付与する単位長さ当たりの押圧力が一定となるように電磁制御弁で油圧機構の出力を調整することが提案されている。このように従来はシート束の断裁縁を押圧支持する場合には主に油圧機構が採用されている。これは断裁刃で断裁する際にシート束には非常に大きな剪断力が作用し、シート束に衝撃が及んで断裁中に位置ズレが生じて剪断面が曲がることがあり、これを防ぐためには油圧機構など大型プレス機構の採用を余儀なくされている為である。
【特許文献1】特開2003−071779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようにシート束を断裁するときその断裁縁をプレス部材で押圧する際に、従来は裁断長さに拘わらず一定の押圧力でシート束を押圧保持している。この為プレス部材に押圧力を付与するプレス機構は最大の条件、例えば最大サイズのシート束の裁断長さを基準に押圧力を設定している。従って駆動モータなど駆動装置の容量も動作時間も最大裁断長さを基準に構成するため動作時間が長く、装置構成が大型化する問題がある。
【0006】
そこで前掲特許文献1にはシート束の裁断長さに応じてプレス部材に付与する加圧力を大小加減することが提案されている。しかしその加圧には従来一般的に用いられていた油圧機構を採用しているため次の問題を抱えている。まず第1に加圧力調整を油圧機構で構成しているため装置が大型となり、大きな設置スペースを必要とする。油圧機構はコンプレッサなどのポンプ装置とこれを駆動する駆動モータと押圧力を生成する油圧シリンダを備えるため装置が大型化することが知られ、例えば製本装置などに裁断装置をユニットとしてコンパクトに内蔵することは困難とされている。
【0007】
また第2に前掲特許文献1には油圧シリンダの駆動機構は開示されていないが、プレス部材による押圧力を大小加減する場合に駆動モータに作用する付加変動が著しく大きくなる問題がある。例えば小サイズシートの裁断長さと大サイズシートの裁断長さとで単位長さ当たりの押圧力を均一に設定すると駆動モータに作用する付加変動は数十倍となることがある。このような場合従来は、駆動モータの容量を最大負荷に耐え得る大きさに構成しているため装置、特に駆動部の大型化を招き消費電力もまた動作時の振動、騒音も大きくなる問題がある。
【0008】
そこで本発明は、シート束の断裁縁を押圧支持する際に、断裁長さに応じて容易に押圧力を変更することが出来、その為の構造が簡単で小型コンパクトなシート束断裁装置の提供をその主な課題としている。
更に本発明はシート束を断裁する際に確実に断裁縁を押圧保持することによって高品位の裁断と同時にその断裁動作の高速化をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用する。まず本発明はシート束を断裁位置で押圧保持する断裁縁プレス手段を、断裁方向に移動自在の可動押圧部材と、この可動押圧部材を上記シート束から離間した退避位置と上記シート束を押圧する押圧位置との間でシフトする駆動手段(プレスモータなど)とから構成する。そしてこの可動押圧部材と駆動手段との間に加圧スプリングから成る圧力可変手段を設け、駆動手段の作動ストロークによって加圧スプリングの変位量を大小異ならせることによって可動押圧部材のシート束に及ぼす押圧力を調整する。このように加圧スプリングの変位量を異ならせて可動押圧部材の押圧力を調整することによって可動押圧部材の駆動機構を小型コンパクトに構成することが可能となる。
【0010】
更に本発明は、上述の加圧スプリングの変位量を異ならせる際に駆動モータに作用する負荷変動を軽減するため、可動押圧部材を退避位置から断裁位置に駆動する過程で駆動モータの減速比を変更することを特徴としている。これによって駆動モータの小型化と低消費電力化を計っている。つまり、例えば裁断長さが長い(大きい)場合には加圧スプリングの変位量を大きく設定し、裁断長さが短い場合には加圧スプリングの変位量を小さく設定する。このとき駆動モータには大きな負荷変動が及ぶため、可動押圧部材を初期の退避位置からシート束に接する位置若しくはその直前までは低減速比で高速に移動し、その後は高減速比で低速に加圧スプリングを変位させることによって、負荷変動の影響を軽減する。これによって駆動モータの小型化とプレス動作の高速化が可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、断裁位置でシート束を押圧支持する可動押圧部材を駆動手段との間に配置した加圧スプリングの変位量によって可動押圧部材の押圧力を調整するようにしたものであるから、断裁縁の可動押圧部材の押圧力を例えば裁断長さに応じて高低調節する際にその駆動部を簡単な構造で小型コンパクトに構成することが出来る。つまり従来の可動押圧部材に油圧機構で押圧力を付与する駆動部は駆動モータ、減速機構、油圧ポンプ、油圧シリンダで構成されているのに比べ、本発明はシート束を押圧する可動押圧部材を例えば駆動モータ、減速機構、加圧スプリング、牽引ベルトなどで構成することが可能となり著しい装置の小型化が可能である。
【0012】
また本発明は、上述の加圧スプリングの変位量を大小変更する際に駆動モータと加圧スプリングとの間に減速比を異ならせる変速機構を設けることによって例えば可動押圧部材の動作初期は高速駆動し、加圧スプリングを変位させる動作後期には低速駆動する制御が可能となる。この為、加圧スプリングを変位させる過程で駆動モータに及ぶ負荷が軽減され、駆動モータの小型化と消費電力の小容量化が可能となる。
【0013】
更に、本発明はシート束の断裁長さに応じて上述の駆動モータ(駆動手段)の作動ストロークを異ならせて可動押圧部材の押圧力を調整し、この作動ストロークの変化による駆動モータに与える負荷変動を、減速比を変化させることによって軽減する制御をモータ、クラッチなどの電気的制御で行うことが可能となり、小型コンパクトで制御が容易な断裁装置の提供が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図示の好適な実施の形態に基づいて本発明を詳述する。図1は本発明に係わるシート束断裁装置の全体構成を示す説明図であり、図2はその要部の斜視図、図3は図1の装置における平面構成の説明図である。
【0015】
図1に示すシート束断裁装置Aは、シートの束搬送経路11と、この束搬送経路11に沿って順次下流側に配置された束搬送手段(後述の回転テーブルユニット)20と、断裁縁プレス手段40と、断裁手段30と、収納スタッカ15とから構成されている。そして束搬送経路11に供給セットされたシート束を回転テーブルユニット20で所定の姿勢に偏向して断裁位置Cpに給送セットする。断裁位置Cpではシート束の断裁縁を断裁プレス手段40で押圧支持した状態で断裁刃31によって所定量断裁し、断裁後のシート束を下流側の収納スタッカ15に収容する。図1に示す束搬送経路11は略々鉛直方向に配置され、シート束を倒立姿勢で断裁し、この姿勢で収納スタッカ15に収納するレイアウトにしてある。
【0016】
上記束搬送経路11には受入口11aと搬入ローラ12とが設けられている。搬入ローラ12は一対のローラで構成され、その一方はシート束の厚さ方向(図1左右方向)に移動可能に構成され、この可動側ローラに束厚さ検知手段13が設けられている。束厚さ検知手段13は具体的構成を図示しないが、可動側ローラが待機位置からシート束の表面に当接するニップ位置に移動する距離を例えばスライダックセンサで検出することによって束厚さを検知することが出来る。この束厚さ検知手段13で検出したシート束の厚さ情報は後続する動作の制御に使用する。この制御は、例えば(1)回転テーブルユニット20においてシート束をグリップする動作開始位置を束厚さに応じて設定する。また、(2)断裁縁プレス手段40のシート束押圧力を束厚さに応じて厚い場合には強く、薄い場合には弱く調整する。また、(3)断裁刃31の動作開始位置を束厚さに応じて設定する、など各動作を最適化或いは動作時間を短縮する目的で使用する。
【0017】
上記束搬送経路11には搬入ローラ12の下流側に断裁位置Cpが設定され、この断裁位置Cpには断裁手段30が配置される。またその上流側には回転テーブルユニット20と断裁縁プレス手段40が配置される。回転テーブルユニット20は、断裁位置Cpで断裁するシート束の姿勢を偏向する機能と、この偏向したシート束を断裁位置Cpにセットするため束搬送経路11に沿ってシート束を搬送する機能を備える。この為回転テーブルユニット20は、装置フレームと異なるユニットフレーム21を備えている。このユニットフレーム21は束搬送経路11に沿って図示上下方向に移動可能に支持され、図示しない駆動モータ(昇降モータMS)によって上下動する。図示22は上下駆動するためのタイミングベルトであり、上記昇降モータMSに連結されている。
【0018】
そこで上記ユニットフレーム21には束搬送経路11を挟んで一対の回転テーブル23a、23bがそれぞれ回転自在に軸受支持され、一方の回転テーブル23bはシート束厚さ方向(束搬送経路11に対して直交する方向)に移動自在に支持されている。そして各回転テーブル23a、23bには束搬送経路11内でシート束を姿勢偏向するように旋回モータMt1、Mt2が設けられている。また可動側の回転テーブル23bには図1左右方向に移動するグリップモータMgが装備されている。
【0019】
従って束搬送経路11内に導かれたシート束は、左右一対の回転テーブル23a、23bでグリップ把持され旋回モータMt1、Mt2によってシート束の姿勢方向を偏向する。例えば背部を下側に搬入されたシート束を90度旋回して天部を下側に、次いで180度旋回して地部を下側に、更に90度旋回して小口部を下側に姿勢偏向し、断裁位置Cpでそれぞれの縁部を所定量断裁することによってシート束の3方向を切り揃えることが出来る。なお、上記可動側の回転テーブル23bにはグリップセンサSg(図示せず)が設けられ、左右の回転テーブル23a、23b間にシート束が確実にグリップされたのを検知し、この検知後回転テーブル23a、23bを旋回駆動するように構成されている。そして上記ユニットフレーム21は昇降モータMSによってシート束を束搬送経路11に沿って下降させ、その送り量で断裁位置Cpにおける断裁幅を設定するようになっている。この断裁幅の算出方法については後述する。
【0020】
上述のようにシート束は束搬送経路11内でその姿勢方向を偏向され、断裁位置Cpに給送セットされる。この断裁位置Cpには刃受部材33が準備されている。この刃受部材33は金属などの剛性に富んだ材料で比較的強靱に構成され、断裁時の衝撃と後述する可動押圧部材41による押圧力に耐え得るようになっている。そしてこの刃受部材33の断裁位置Cpには刃受面33a(図4(a)参照)が合成樹脂、ゴム質材など比較的軟質な材料で設けられている。
【0021】
前記断裁縁プレス手段40は、図4(a)に示すように上記刃受部材33と、この刃受部材33に対して圧接離間する可動押圧部材41とで構成されている。刃受部材33は固定側の固定押圧部材を構成し、図示のような板状部材で装置フレームに固定されている。一方可動押圧部材41はシート束表面と接する押圧片41aと加圧部材41bで構成され、加圧部材41bの両端(図2における左右端)には可動プーリ42a、42bが加圧ロッド43a、43bを介して連結されている。
【0022】
そして可動プーリ42a、42bは装置フレームに束搬送経路11と直交する加圧方向(図1左右方向)に移動自在に支持され、この左右一対の可動プーリ42a、42bを加圧方向に移動することによって加圧部材41bを加圧方向に移動する。このとき加圧部材41bは左右一対の可動プーリ42a、42bが斜行することがあるためシート束と接する押圧片41aをシート幅方向の中心で加圧部材41bに軸係合してあり、図2に示す軸42cを中心に押圧片41aは左右揺動して幅方向に均一な姿勢でシート束を押圧するようになっている。
【0023】
つまり可動押圧部材41は固定押圧部材(刃受部材)33に対して平行姿勢を保持しながらシート束を押圧する必要があり、この平行姿勢が損なわれ斜行するとシート束に対して幅方向(断裁方向)の押圧力が不均一となり断裁精度が低下する。このためシート束を押圧する押圧片41aは断裁方向の略中央部で軸42cをピボット支点に揺動可能に構成することによって押圧力の均一化を図っている。
【0024】
上記左右一対の可動プーリ42a、42bは次のように牽引駆動される。この左右一対の可動プーリ42a、42bは同一構造であるのでその一方について図4に基づいて説明すると、可動プーリ42は加圧スプリング44、牽引ベルト45、ボールネジ46、プレスモータMpによって加圧方向に牽引される。まず可動プーリ42には図4(a)に示す待機位置Wp(束搬送経路11から退避した位置)に常時付勢する復帰スプリング(図示せず)が設けられ、常時図4(a)の状態に付勢されている。この可動プーリ42に牽引ベルト45が巻回され、このベルト基端部45aは加圧スプリング44の先端部44aに連結シリンダ48で連結されている。この加圧スプリング44の基端部44bは装置フレームに固定されている。
【0025】
一方牽引ベルト45の先端部45bはボールネジ46に螺合したナット状スライダ47に固定されている。このボールネジ46は装置フレームに回動自在に軸受46cで固定してある。従ってボールネジ46を正方向に回転することによって可動プーリ42は図示しない復帰スプリングに抗して図4(a)の待機位置Wpから同図(b)の押圧位置Ppに移動し、ボールネジ46を逆方向に回転すると復帰スプリングの作用で押圧位置Ppから待機位置Wpに移動する。
【0026】
上記ボールネジ46には上述のナット状スライダ47が螺合支持されている。そしてこのボールネジ46には高速側伝動ギア46aと低速側伝動ギア46bが設けられ、この両伝動ギア46a、46bにはプレスモータMpが連結されている。プレスモータMpは正逆転モータで構成され、その駆動軸には第1電磁クラッチCL1を介して高速側伝動ギア列GHと、第2電磁クラッチCL2を介して低速側伝動ギア列GLが駆動連結されている。そして高速側伝動ギア列GHに上記高速側伝動ギア46aが、低速側伝動ギア列GLに上記低速側伝動ギア46bが歯合連結されている。
【0027】
つまり後述するが第1電磁クラッチCL1をON(駆動連結)するとプレスモータMpの回転は高速側伝動ギア列GHを介してボールネジ46を回転駆動し、第2電磁クラッチCL2をONすると低速側伝動ギア列GLを介してボールネジ46を回転駆動するようになっている。そして上記高速側伝動ギア列GHと低速側伝動ギア列GLとは略々50倍程度の減速比に設定してあり、その理由は後述する。
【0028】
尚牽引ベルト45の牽引駆動を図示のものはボールネジ機構で可動プーリ42を牽引する場合について説明したが、ボールネジによらず捲上プーリ機構でワイヤなどの牽引部材を捲き上げることによって可動プーリ42を牽引しても良い。また、牽引速度を第1及び第2の電磁クラッチによって高低2段階に減速比を異ならせる場合を説明したが、これは例えば摩擦クラッチなどで無段階に減速比を異ならせても良いことは勿論である。
【0029】
上述のようにプレスモータMpの駆動によって可動プーリ42及びこれに連結した可動押圧部材41を加圧方向に移動し、この可動押圧部材41と固定押圧部材(刃受部材)33との間にシート束を挟持することとなるが、このとき前記加圧スプリング44が次のように作用する。プレスモータMpの作動で牽引ベルト45の先端部45bを図4(b)矢視a方向に牽引すると、ベルト基端部45bが加圧スプリング44を矢視b方向に牽引する。すると加圧スプリング44は蓄勢され、その蓄力が可動プーリ42の復帰スプリングの付勢力を超過(オーバ)すると可動プーリ42は図示矢視c方向、即ち加圧方向に移動する。
【0030】
そして可動プーリ42に連結された可動押圧部材41は待機位置Wpからシート束と当接する押圧位置Ppに移動する。この可動押圧部材41が押圧位置Ppに移動した後、更にプレスモータMpを加圧方向に回転駆動すると、加圧スプリング44の先端部44aは矢視b方向に引っ張られる。このときの加圧スプリング44の変位量ΔXに応じて(比例して)可動押圧部材41は押圧力Pでシート束を押圧するようになっている。
【0031】
このため、基端部44bを固定した加圧スプリング44の先端部44aを検出して加圧スプリング44の変位量ΔXを検知するテンションセンサStと、可動押圧部材41がシート束表面と接するタイミングを検出するプレスエンドセンサSpが設けてある。テンションセンサStは種々の構成が採用可能であるが、例えば加圧スプリング44の先端部44aと牽引ベルト45との間に設けた連結シリンダ48に位置検出用のフラグを設け、このフラグをホトセンサ、スライダックセンサなどで検出する。図示のものは加圧スプリング44の変位量を4段階で検出するように構成している。
【0032】
上述の構成において、断裁位置Cpにセットされたシート束を断裁縁プレス手段40で押圧する動作について説明する。図5は前記プレスモータMpの駆動系を示すブロック図であり、図6はプレス動作のフロー図である。プレスモータMpは前述のように第1、第2電磁クラッチCL1、CL2で構成される駆動切換手段を介して前記可動押圧部材41を高速側伝動ギア列GHによって高速低トルクで駆動するか、或いは低速側伝動ギア列GLによって低速高トルクで駆動するように切換え駆動される構成になっている。そこで束搬送経路11に供給されたシート束は前述の回転テーブル23で断裁方向の姿勢を偏向し、断裁位置Cpに給送セットされる。このとき断裁縁プレス手段40の加圧部材41bは、図4(a)の待機位置Wpに位置している。このため待機位置Wpにはホームポジションセンサ(図示せず)が配置されている。そこでシート束が断裁位置Cpにセットされると、これを断裁位置Cpに設置されたシート先端検知センサSe(図7(a)に示す)で検知し、検知後所定時間後に前記プレスモータMpを回転起動する。
【0033】
上記プレスモータMpは起動時には前記第1電磁クラッチCL1がONされ、第2電磁クラッチCL2はOFF状態に保持されている。そこで前記ボールネジ46は高速側伝動ギア列GHを介して高速回転され、ナット状スライダ47は牽引ベルト45を図4(b)矢視a方向に牽引する。この牽引ベルト45によって可動プーリ42は矢視c方向に移動し、可動プーリ42に連結された加圧ロッド43も矢視c方向に移動する。尚、このときの可動プーリ42(動滑車)の移動量はボールネジ46に歯合したスライダ47の移動量の1/2となる。従ってボールネジ46の駆動力に対し、2倍の押圧力が加圧ロッド43に作用する。従って前記高速側伝動ギア列GH(低速側伝動ギア列GLも同様)の機械的強度を軽減することが出来る。
【0034】
次に上記牽引ベルト45の牽引により可動押圧部材41(押圧片41a、加圧部材41b)が加圧方向に移動し、押圧片41aがシート束表面に当接するとプレスエンドセンサSpがこれを検知する。このプレスエンドセンサSpの検知信号で前記第1電磁クラッチCL1をOFFし、第2電磁クラッチCL2をONする。この第2電磁クラッチCL2のONでプレスモータMpの駆動は低速側伝動ギア列GLを介してボールネジ46に伝達され、ボールネジ46は低速回転する。この低速回転は前述のように高速回転の略1/50に設定されている。ボールネジ46の低速回転に伴って牽引ベルト45は低速で可動プーリ42を加圧方向に移動し、同時にベルト基端部45bがこれに連結された加圧スプリング44の先端部44bを図4(b)矢視b方向に牽引する。このとき押圧片41aはシート束に当接しているため、ボールネジ46の移動量に相当する変位量で加圧スプリング44は伸張される。
【0035】
加圧スプリング44の伸張でその先端部44aに配置されたテンションセンサStがONされるとプレスモータMpを停止する。このときシート束に当接した押圧片41aは押圧力Pでシート束を押圧する。本発明はこの押圧力Pをシート束の断裁長さLに応じて次のように強弱調整することを特徴としている。まず、押圧力Pは前記加圧スプリング44の変位量によって強弱調整する。このため前述したように加圧スプリング44の変位量ΔXは前記テンションセンサStによってΔX1、ΔX2(>ΔX1)、ΔX3(>ΔX2)、ΔX4(>ΔX3)のように複数段階で検出される。
【0036】
一方シート束の断裁長さLは、シートのサイズ情報によって設定される。このサイズ情報はオペレータが入力手段によって情報入力する場合と、前記束搬送経路11の受入口11aの上流側に例えば画像形成装置が連接されている場合には、この画像形成装置からサイズ情報を電送する。また、図示しない制御部(例えば制御CPU)は上記サイズ情報に基づいてシート束の天部、地部、小口部の断裁量を算出する。この断裁量算出は、例えば天部、地部の場合の断裁量=(シートサイズ長さ−仕上寸法)/2で演算し、小口部の場合の断裁量=(シートサイズ長さ−仕上寸法)で演算する。
【0037】
そしてこの制御部は前記回転テーブル23を制御してシート束の断裁姿勢を偏向し、その姿勢に於ける断裁量に応じてシート束を断裁位置Cpにセットする。この過程で制御部はシート束の断裁長さLをサイズ情報に基づいて算出する。例えばシート束の周縁を天部、地部、小口部の順に断裁するときには天部及び地部の断裁長さはシートサイズ長さと等しい長さに、小口部の断裁長さは仕上寸法サイズと等しい長さに設定する。
【0038】
このように断裁刃31で断裁するシート束の断裁長さLが設定されると、制御部はこの断裁長さに応じた押圧力Pが押圧片41aに作用するように加圧スプリング44の変位量ΔXを設定する。そしてこの変位量ΔXを前記テンションセンサStで検出したとき、プレスモータMpを停止する。すると加圧スプリング44及びこれに連結された牽引ベルト45はボールネジ46とスライダ47の係合位置で保持され、牽引ベルト45が弛むことなく押圧片41aは加圧スプリング44の変位量に応じた押圧力Pでシート束を押圧する。
【0039】
ここで適正な押圧力Pについて説明すると、この適正押圧力Pは、シート束を押える押圧力の単位幅をlとし単位幅あたりの押圧力をpとし、シート束の断裁長さをLとすると、次式で求められる。
適正押圧力P=p×(L/l)
この適正押圧力Pを生起する加圧スプリング44の変位量ΔXを前記テンションセンサStが検出したとき前記プレスモータMpを停止制御する。これによってシート束の断裁長さLが短いときには小さい押圧力で、断裁長さLが長いときには大きい押圧力で可動押圧部材41がシート束を押圧支持する。そして単位長さ当たりの押圧力は略々一定となる。
【0040】
上述のようにシート束の断裁長さに応じて断裁縁プレス手段40の押圧力を加圧スプリング44の変位量ΔXを加減調整する場合、(1)図示実施例のように加圧スプリング44の変位量ΔXを段階的に位置検出してプレスモータMpを停止制御する(段階的加圧力調整)。また(2)加圧スプリング44の変位量ΔXを段階的に位置検出し、この検出値を基準に適正押圧力に達する見込み時間の後プレスモータMpを停止制御する(無段階加圧力調整)。若しくは(3)加圧スプリング44の変位量ΔXを無段階で位置検出してプレスモータMpを停止制御する(無段階加圧力検出)。上記(3)の場合には例えば加圧スプリング44の先端位置をスライダックセンサなどで無段階検出し、変位量ΔXが適正押圧力に達したときプレスモータMpを駆動停止する。また上記(1)の場合、断裁長さLに応じて予め設定された押圧力に達したときプレスモータMpを駆動停止し、この押圧力Pを適正押圧力Pに近似させる。
【0041】
更に、本発明にあって上記断裁縁プレス手段40の押圧力Pを「断裁長さLに応じて強弱調整する」のと同時に押圧力Pを「シート束の束厚さに応じて強弱調整する」ことも可能である。つまり断裁位置Cpにおけるシート束の押圧力Pはシート束が厚いときには大きい力で押圧し、薄いときには小さい力で押圧することが好適である。この場合前記式の単位長さ当たりの押圧力pをシート束厚さ(n)によって異ならせる。例えばシート束厚さが0〜3mmのときにはp=p1、3.1〜6mmのときにはp=p2、6.1〜9mmのときにはp=p3のように単位長さ当たりの押圧力pをシート束厚さ(n)によって複数、段階的に異ならせることにより、より適切な押圧力調整が可能となる。
【0042】
上述のように設定した押圧力Pでシート束の断裁縁を押圧保持し、その押圧力を前記プレスモータMpの動作ストロークによって断裁長さLに応じた適正押圧力に調整した後、後述のように断裁手段30で断裁動作を実行する。この断裁動作完了後、前記プレスモータMpを加圧時と逆方向に回転起動し、このとき第1電磁クラッチCL1をON、第2電磁クラッチCL2をOFFし、高速側伝動ギア列GHで前記ボールネジ46を回転する。するとボールネジ46は高速回転し、これに噛合したスライダ47は図4(a)矢視aと逆方向に移動する。これによって可動プーリ42は復帰スプリング(不図示)によって押圧位置Ppから待機位置Wpに復帰する。
【0043】
次に断裁位置Cpにおいて断裁刃31によるシート束の断裁動作について説明する。上記回転テーブルユニット20の下流側には断裁位置CPに断裁手段30が配置されている。図示の断裁手段30は平刃状の断裁刃31とこれを駆動するカッタモータMCで構成され、断裁刃31は前記刃受面33aに束搬送経路11を挟んで対向配置されている。この断裁刃31は図7(a)の待機位置と同(b)の断裁位置との間で移動自在に支持され、カッタモータMCによって往復動する。
【0044】
従って回転テーブル23a、23bから送られたシート束は断裁縁プレス手段40で保持され、この状態で断裁手段30によって縁部を裁断される。シート束の一端面、例えば天部を裁断した後は回転テーブル23で姿勢偏向され、次に例えば地部を裁断し、その後小口部を裁断する。このように所定の縁部を裁断した後、回転テーブル23の挟持を解除するとシート束は下流側の排紙ローラ50に向けて落下する。排紙ローラ50は一対のローラ対で構成され、図示しない駆動モータに連結されている。上記排紙ローラ50の下流にはフラッパ部材51が設けられ、上記断裁位置Cpから落下する切断屑を屑収容ボックス52に案内するように配置されている。このフラッパ部材51は基端部を揺動自在に支持され、図示しないフラッパモータに連結されている。
【0045】
またこの時、断裁された屑はフラッパ部材51により屑箱へ自重で落下し収納される。断裁が開始されると、図示しない制御手段によりフラッパ部材51が屑受け位置へ移動する。断裁終了に伴い自重落下してきた断裁屑をフラッパ部材51で、屑収容ボックス52へと収納しフラッパ部材51は元の位置へ戻る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係わるシート束断裁装置の全体構成を示す説明図。
【図2】図1の装置の要部を示す斜視図。
【図3】図1の装置における平面構成の説明図。
【図4】プレス手段の構成説明図であり、(a)は待機位置にある状態を示し、(b)は押圧位置を示す。
【図5】プレスモータの駆動系を示すブロック図。
【図6】図5のプレスモータの駆動系の動作手順を示すフローチャート。
【図7】図1の装置における断裁刃の位置状態を示し、(a)は裁断刃が待機位置にある場合を示し、(b)は断裁位置にある場合を示す。
【符号の説明】
【0047】
11 束搬送経路
15 収納スタッカ
20 束搬送手段(回転テーブルユニット)
21 ユニットフレーム
22 タイミングベルト
23a 回転テーブル
23b 回転テーブル(可動側)
30 断裁手段
31 断裁刃
33 刃受部材(固定押圧部材)
40 断裁縁プレス手段
41 可動押圧部材
41a 押圧片
41b 加圧部材
42a、42b 可動プーリ
42c 軸
43a、43b 加圧ロッド
44 加圧スプリング
44a 先端部
44b 基端部
45 牽引ベルト
45a 先端部
46 ボールネジ
46a 高速側伝動ギア
46b 低速側伝動ギア
46c 軸受
47 ナット状スライダ
48 連結シリンダ
Cp 断裁位置
CL1 第1電磁クラッチ
CL2 第2電磁クラッチ
GL 低速側伝動ギア列
GH 高速側伝動ギア列
Mg グリップモータ
Mp プレスモータ
Mt1 旋回モータ
Mt2 旋回モータ
Ms 昇降モータ
Sp プレスエンドセンサ
St テンションセンサ
【出願人】 【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテック株式会社
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章

【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司


【公開番号】 特開2008−30130(P2008−30130A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−203862(P2006−203862)