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【発明の名称】 多目的回転作業台
【発明者】 【氏名】小西 秀樹

【要約】 【課題】基板と回転板とを通常時には相対回転可能な状態に一体的に結合保持させておくことができ、必要時には容易に分離可能とし、また、基板と回転板との相対回転を円滑化させ、ガタをなくして精密な作業を可能とし得る多目的回転作業台を提供すること。

【構成】非磁性体からなる基板2と回転板3とを中心部4で回転可能に磁力によって吸着保持させてある。前記基板2及び回転板3の中心部4には、対向面の極性を互いに逆にした磁石5,6を対設し、或いは、一方に磁石5を、他方に磁性体6aを対設してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性体からなる回転板(3)の中心部(4)を、非磁性体からなる基板(2)に対し回転可能に磁力によって吸着保持させてなることを特徴とする多目的回転作業台。
【請求項2】
前記基板(2)及び回転板(3)の中心部(4)には、対向面の極性を互いに逆にした磁石(5)(6)が対設してあることを特徴とする請求項1に記載の多目的回転作業台。
【請求項3】
前記基板(2)及び回転板(3)の一方の中心部(4)には磁石(5)が、他方の中心部(4)には磁性体(6a)が対設してあることを特徴とする請求項1に記載の多目的回転作業台。
【請求項4】
前記対設された磁石(5)(6)同士又は磁石(5)と磁性体(6a)は、円柱形状若しくは正多角柱形状としてあることを特徴とする請求項2又は3に記載の多目的回転作業台。
【請求項5】
前記対設された磁石(5)(6)同士又は磁石(5)と磁性体(6a)は、少なくとも一方が他方に向けて基板(2)又は回転板(3)から僅かに突出していることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の多目的回転作業台。
【請求項6】
前記対設された磁石(5)(6)同士又は磁石(5)と磁性体(6a)の対向面には、カバーシール(7)(8)が貼付してあることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の多目的回転作業台。
【請求項7】
前記基板(2)の裏面には、滑り止め部材(9)が貼付してあり、また、前記回転板(3)の表面には、作業用マット(10)が貼付してあることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の多目的回転作業台。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、紙や布等の裁断作業を行う場合、粘土細工や陶芸作業を行う場合、彫刻細工や木工作業を行う場合、その他、各種の作業を行う場合等に利用される多目的回転作業台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上に回転板をリベットで回転可能に載置した回転カッティングマットが提案されている(特許文献1参照)。
また、上記リベットの代わりに、回転板の裏面に軸部材を突設し、基板に受入孔を設けて前記軸部材を受入孔に嵌合させることにより、基板上に回転板を回転可能に載置した回転式カッティングマットも提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】登録実用新案第3022789号公報
【特許文献2】特開2006−82198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1のものは、基板と回転板とがリベットで一体に結合されているため、必要に応じて簡単に分離することができず、不便であった。また、回転板の下面が基板の上面にベタ当たりして回転が不円滑となる欠点があった。さらに、リベットとリベット孔との回転隙間分だけガタが生じることが避けられない欠点があった。
また、前記特許文献2のものは、簡単に分離することができるが、回転板の裏面に軸部材が一体的に突出しているため、回転板だけを別の平坦面上に載せて作業しようとすると、回転板の裏面に突出している前記軸部材が邪魔になり、水平状態で安定して作業を行うことができない欠点があった。また、基板と回転板とは一体状態に固定保持させることができず、保管時等に分離して紛失する恐れがあり、不便であった。しかも、回転受け台の下面が基板の上面にベタ当たりして回転が不円滑となる欠点があった。さらに、軸部材と受入孔との回転隙間分だけガタが生じることが避けられない欠点があった。
【0004】
本発明は、従来技術の上記欠点に鑑みて開発されたもので、基板と回転板とを通常時には相対回転可能な状態に一体的に結合保持させておくことができ、必要時には容易に分離可能とし、また、基板と回転板との相対回転を円滑化させ、ガタをなくして精密な作業を可能とし得る多目的回転作業台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明は、非磁性体からなる回転板の中心部を、非磁性体からなる基板に対し回転可能に磁力によって吸着保持させてなることを特徴としている。
上記構成によれば、本発明の多目的回転作業台は、基板と回転板とを通常時には磁力によって一体的に結合保持させておくことができ、必要時には容易に分離可能とすることができる。そして、基板から回転板を分離した場合、裏面には突起物がなく、平坦面に乗せても不安定とならず、精度を要する作業等を安定して行うことができる。また、上記磁力は、基板と回転板をその中心部に吸着保持させる中心維持作用を発揮し、これによって、基板と回転板とに相対的な回転トルクが作用したとき、前記中心部の相対移動を防止して円滑な回転を可能とし、ガタもなくして精密な作業を実現することができる。また、本発明の多目的回転作業台は、中心部の磁力を利用して、スチール製品に水平状態は勿論のこと、垂直に或いは傾斜状態で貼付固定させることができ、保管や陳列展示に便利であると共に、傾斜状態に貼付固定して楽な姿勢で各種の作業を行うこともできる。さらに、本発明の多目的回転作業台は、スチール製定規やスチール製押さえ板或いは位置決めストッパーやクランプ等を前記磁力によって回転板上に貼付固定して紙、布等への線引き作業やカッティング作業等を容易に行うことができ、また、粘土細工や陶芸、彫刻、木工細工等の作業対象物を回転板上に位置決め固定して安定した状態で作業を進めることができる。
【0006】
前記基板及び回転板の中心部には、対向面の極性を互いに逆にした磁石が対設してあることを特徴としている。
上記構成によれば、基板と回転板とを相互の磁力で強固に吸着保持させることができ、基板と回転板との中心維持作用を強力にすることができる。
前記基板及び回転板の一方の中心部には磁石が、他方の中心部には磁性体が対設してあることを特徴としている。
上記構成によっても、基板と回転板とを磁力で強固に吸着保持させることができ、基板と回転板との中心維持作用を具備させることができる。
【0007】
前記対設された磁石同士又は磁石と磁性体は、円柱形状若しくは正多角柱形状としてあることを特徴としている。
上記構成によれば、基板と回転板との中心部に同心円状の磁界を形成させることができ、基板と回転板との相対回転を円滑に維持させることができると共に、中心維持作用を具備させることができる。
前記対設された磁石同士又は磁石と磁性体は、少なくとも一方が、他方に向けて基板又は回転板から僅かに突出していることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、回転板が基板にベタ当たりせず、前記突出部だけで接触させることができる。上記突出部の突出量は僅かであるため、回転板を基板から分離して他の平坦面上に載置しても不安定とならず、安定して作業することができる。
前記対設された磁石同士又は磁石と磁性体の対向面には、カバーシールが貼付してあることを特徴としている。
上記構成によれば、対設された磁石同士又は磁石と磁性体の対向面がカバーシールで被覆保護されているため、該対向面が平滑面となって磨耗を軽減し、相対回転を円滑化することができ、また、このカバーシールによって、磁石や磁性体を基板や回転板に固定保持させることができる。
【0009】
前記基板の裏面には、滑り止め部材が貼付してあり、また、前記回転板の表面には、作業用マットが貼付してあることを特徴としている。
上記構成によれば、基板を滑り止め部材によって機台やテーブル上に載置して安定して作業を行うことができ、また、回転板の表面の作業用マットによって回転板の表面の損傷を防止すると共に、各種作業に応じた作業補助線、目盛り、標準パターン、その他、種々のデザインやプリント模様等を施しておくことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基板と回転板とを通常時には相対回転可能な状態に一体的に結合保持させておくことができ、必要時には容易に分離可能とし、また、基板と回転板との相対回転を円滑化させ、ガタをなくして精密な作業を可能とし得る多目的回転作業台を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の多目的回転作業台1は、図1〜図4に示すように、基板2と回転板3とからなり、これらをその中心部4で回転可能に磁力によって吸着保持させてある。
基板2と回転板3は、非磁性体、例えば、木製や樹脂製等からなり、平面形状が正方形、正多角形、円形、その他、任意の形状とされ、表裏面が平坦面で板状とされている。
上記基板2と回転板3の中心部4には、凹部2a、3aが対向して形成してあり、この凹部2a、3aには、対向面の極性を互いに逆にした磁石5,6が対設してある。なお、別の構成として、一方には磁石5を、他方には磁性体6aを対設してもよい。
【0012】
上記のように対設された磁石5,6同士又は磁石5と磁性体6aは、図2に拡大誇張して示すように、少なくとも一方を他方に向けて基板2又は回転板3から僅かに突出(例えば、0.5mm程度突出)させてある。
このようにしておくことにより、回転板3が基板2にベタ当たりせず、前記突出部だけで接触させることができる。上記突出部の突出量は僅か(図2は磁石6又は磁性体6aの突出量を拡大誇張して示しているが、実際には、0.5mm程度の僅かな突出量である)であるため、回転板3を基板2から分離して他の平坦面上に載置しても不安定とならず、安定して作業することができる。
【0013】
また、上記のように対設された磁石5,6同士又は磁石5と磁性体6aの対向面には、薄いカバーシール7,8が貼付してある。このカバーシール7,8には、ポリプロピレンシート、アルミ箔、その他、ラミネートシート等が使用され、その厚さは、薄く、例えば、0.1mm以下であるが、図2においては、カバーシール7,8の厚さを拡大誇張して示しているため、及び磁石6又は磁性体6aの突出量を拡大誇張して示しているため、基板2と回転板3との隙間が大きく表現されているが、実際には、基板2と回転板3とは、0.5mm程度の僅かな隙間が存在する程度である。
【0014】
上記のようにカバーシール7,8を貼付しておくことにより、対設された磁石5,6同士又は磁石6と磁性体6aの対向面がカバーシール7,8で被覆保護されているため、該対向面が平滑面となって磨耗を軽減し、相対回転を円滑化することができ、また、このカバーシール7,8によって、磁石5,6や磁性体6aを基板2や回転板3の凹部2a、3aに固定保持させることができる。
上記基板2の裏面には、滑り止め部材9が四隅と中央に貼付してある。この構成によれば、基板2を滑り止め部材9によって機台やテーブル上に滑り止め状態で載置して安定して作業を行うことができる。上記滑り止め部材9は、基板2の裏面の全面若しくは適宜位置に分散して貼付してもよい。
【0015】
また、回転板3の表面には、作業用マット10が貼付してある。この構成によれば、回転板3の表面の作業用マット10によって回転板3の表面の損傷を防止すると共に、各種作業に応じた作業補助線、目盛り、標準パターン、その他、種々のデザインやプリント模様等を作業用マット10に施しておくことができる。図3に例示した作業用マット10の場合は、枡目だけでなく、端から始まる0(ゼロ)スタート目盛り(数字)が施してあるため、対象物を回転板3の端に当てるだけで簡単に長さを測ったり、カットすることができ、また、0(ゼロ)スタート目盛りは、右利きの作業者の場合と左利きの作業者の場合との両方に対応させて設けてあるため、対象物の長さの測定やカットが容易にできる。
【0016】
前記磁石5,6は、相互に同一形状の円柱形状とされている。なお、磁石5,6の形状は、正多角柱形状としてもよい。また、上記磁石5,6の代わりに、一方を磁石5とし、他方を磁性体6aとする場合でも、これらの形状は、相互に同一形状とするのが好ましく、また、それらを円柱形状若しくは正多角柱形状とするのが好ましい。
また、上記磁石5,6は、ネオジウム磁石が好ましいが、他の磁石、例えば、サマリウム・コバルト磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石等であってもよい。
磁石5,6の厚さ及び直径は、使用する磁石の種類と基板2及び回転板3の大きさ及び厚さにもよるが、基板2が32cm×32cm×1.5mm、回転板3が32cm×32cm×2.0mmの樹脂板製でネオジウム磁石を使用した場合では、例えば、厚さ1.5mm、直径15mmのものがよいが、これに制約されるものではなく、自由に設定することができる。
【0017】
また、基板2の凹部2aは、上記例の場合では、直径15mmの貫通孔とし、この貫通孔に磁石5を嵌め込み、表面側をカバーシール7で貼付被覆し、裏面側を滑り止め部材9で貼付被覆して磁石5を基板2に固定保持させているが、有底の凹部であってもよい。また、回転板3の凹部3aは、貫通孔ではなく、天井部に底を有する有底の凹部とするのが好ましく、上記例の場合では、直径15mmで深さ1.0mmの凹部とし、磁石6を嵌め込んで回転板3の裏面側にカバーシール8で貼付固定している。
本発明の多目的回転作業台1の実施形態は、以上の構成からなるため、基板2と回転板3とを通常時には対設した磁石5,6同士の磁力又は磁石5と磁性体6aとの磁気吸着力によって一体的に結合保持させておくことができ、必要時には容易に分離可能とすることができる。そして、基板2から回転板3を分離した場合、裏面には突起物がなく、平坦面に乗せても不安定とならず、精度を要する作業等を安定して行うことができる。また、上記のように対設した磁石5,6同士又は磁石5と磁性体6aとの間に作用する磁気吸着力は、基板2と回転板3をその中心部4に吸着保持させる中心維持作用を発揮し、これによって、基板2と回転板3とに相対的な回転トルクが作用したとき、前記中心部4の相対移動を防止して円滑な回転を可能とし、ガタもなくして精密な作業を実現することができる。また、本発明の多目的回転作業台1は、中心部4の磁力を利用して、スチール製品に水平状態は勿論のこと、垂直に或いは傾斜状態で貼付固定させることができ、保管や陳列展示に便利であると共に、傾斜状態に貼付固定して楽な姿勢で各種の作業を行うこともできる。さらに、本発明の多目的回転作業台1は、スチール製定規やスチール製押さえ板或いは位置決めストッパーやクランプ等を前記磁力によって回転板3上に貼付固定して紙、布等への線引き作業やカッティング作業等を容易に行うことができ、また、粘土細工や陶芸、彫刻、木工細工等の作業対象物を回転板3上に位置決め固定して安定した状態で作業を進めることができる。
【0018】
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、上記実施形態にのみ制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載した意味と範囲内で自由に変更して実施することができる。例えば、粘土細工の場合では、回転板3の作業用マット10は木製としたり、カッティング作業の場合では、ゴム製とするなど、各種の作業内容や目的に応じたものを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の多目的回転作業台の斜視図である。
【図2】本発明の多目的回転作業台の縦断側面図である。
【図3】本発明の多目的回転作業台の表面の作業用マットに施した作業補助パターンの一例を示す平面図である。
【図4】本発明の多目的回転作業台の基板の裏面に貼付した滑り止め部材の貼付例を示す底面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 多目的回転作業台
2 基板
3 回転板
4 中心部
5 磁石
6 磁石
6a 磁性体
7 カバーシール
8 カバーシール
9 滑り止め部材
10 作業用マット
【出願人】 【識別番号】592129660
【氏名又は名称】共栄プラスチック株式会社
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄

【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄


【公開番号】 特開2008−23651(P2008−23651A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−198569(P2006−198569)