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【発明の名称】 切断装置
【発明者】 【氏名】小原 ▲しょう▼

【要約】 【課題】帯状フィルムを簡素な機構かつ低コストで製造できる切断装置を使用して精度良く切断する

【構成】送られている帯状フィルムFを、その長手方向について分離されるように切断するに際し、帯状フィルムFの一面側と他面側に相互に開閉される第1刃部10及び第2刃部25を配置する。前記第1刃部10又は第2刃部25の一方の刃部10は、帯状フィルムの長手方向に間隔が空けられ、かつ、開閉方向に並列して配置された前刃11と後刃12とで構成し、前刃11を後刃12に対して帯状フィルムFに相対的に近く、かつ、送り方向の上流側に配置する一方で、他方の刃部25を、第1刃部10と第2刃部との開閉に伴って、他方の刃部10の帯状フィルムFの送り方向の位置を決定する位置決め手段13,14,20により前刃11又は後刃12に対応する位置に調節する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に送られている帯状フィルムを、前記長手方向について分離されるように前記帯状フィルムを切断する切断装置において、
前記帯状フィルムの一面側と他面側にて、この帯状フィルムを横断して配されて、相互に開閉される第1刃部及び第2刃部を具備し、
前記第1刃部又は第2刃部の一方の刃部は、前記帯状フィルムの長手方向に間隔が空けられ、かつ、これら第1刃部及び第2刃部の開閉方向に並列して配置された前刃と後刃から構成され、
前記前刃が前記後刃に対して前記帯状フィルムに相対的に近く、かつ、前記帯状フィルムの送り方向の下流側に配置され、
前記第1刃部又は第2刃部の他方の刃部は、これら第1刃部及び第2刃部の開閉に伴って、他方の刃部の前記帯状フィルムの送り方向の位置を決定する位置決め手段により前刃又は後刃に対応する位置に調節されることを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記位置決め手段は、前記前刃の一面側と前記後刃の一面側とを滑らかに連続させる傾斜面を有し、他方の刃部をこの傾斜面に沿ってスライドさせて案内する案内部と、他方の刃部をこれら前刃及び後刃の前記一面側に付勢させる付勢手段と、他方の刃部を前記帯状フィルムの送り方向に沿って移動させる移動手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記位置決め手段は、前記前刃及び前記後刃の一面側に取り付けられて、これら前刃と後刃との前記帯状フィルムの送り方向に形成されている間隔に対応する段差が滑らかな傾斜面で形成されたカムと、他方の刃部に取り付けられて前記カムの表面に沿って移動されるカムフロアと、他方の刃部をこれら前刃及び後刃の一面側に付勢させる付勢手段と、他方の刃部を前記帯状フィルムの送り方向に沿って移動させる移動手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項4】
前記移動手段は、前記帯状フィルムの送り方向に延びる案内レールと、この案内レールに沿って移動する移動体とから構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の切断装置。
【請求項5】
前記移動手段は、位置決めされる他方の刃部が、その基部を軸として刃先が前記帯状フィルムの送り方向に揺動されるよう他方の刃部の基部を支持する揺動機構であることを特徴とする請求項2に記載の切断装置。
【請求項6】
前記第1刃部と前記第2刃部とは、前記帯状フィルムの一方の側縁における両者の間隔が、他方の側縁における両者の間隔よりも広くなるように相互の軸方向が斜めに傾けて配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の切断装置。
【請求項7】
切断により生じる切断片をこの切断装置から吸引して排出する排出装置が別途設けられ、
前記切断片を吸い込む吸引口が前記前刃と前記後刃との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の切断措置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体を製造する際に、帯状フィルムがその長手方向に分離されるよう切断する切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、包装体を製造する場合に帯状フィルムの長手方向に連ねて個々の包装体の部材取りをして、この帯状フィルムをその長手方向に分離するよう切断して包装体を製造する手法が採られている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の発明では、2層に重ね合わされたプラスチックフィルムを一定長さずつ間欠送りし、送り停止時に、このプラスチックフィルムをヒートシールし、また、プラスチックフィルムの両サイドにノッチを形成し、その後に、このノッチの形成された位置でプラスチックフィルムを切断することが行われている。
【0004】
同様に特許文献2に開示の発明においても、プラスチックフィルムの両サイドにノッチを形成し、その後に、このノッチの形成された位置でプラスチックフィルムを切断することが行われている。
【0005】
このように、フィルム材の両サイドにノッチを形成し、この部分でフィルム材を切断する場合、切断位置を正確に決定することが極めて困難で、フィルム材の長手方向に関してズレが生ずることが多々あった。このようなズレが生じると、図17に示したように、フィルム材に「鬼歯」といわれる切断不良部分Xが形成されることがある。
【0006】
この切断不良部分の形成を防止するために、特許文献1に開示の発明では、ノッチの形状をビデオカメラで読み込んで画像処理を行うことで切断位置のずれが生じないようにしている。また、特許文献2に開示の発明では、隣接する包装体同士の間に微小幅の捨しろとなるドブ幅を設け、2回に分けて切断している。
【0007】
【特許文献1】特開平9−295625号公報
【特許文献2】特開2001−79964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示の発明では、画像処理を行うための機構が必要となり、切断装置が極めて高価なものとなってしまう。また、画像処理を行いつつ切断作動をフィードバック制御するため、制御のための様々な機構が必要となり、装置自体が複雑となる。
【0009】
その一方、特許文献2に開示の発明では、帯状フィルムの送り方向の2ヶ所に分けてカッターを設ける必要がある。このため、先の切断位置から後の切断位置にフィルムが移動する間にフィルムの長手方向に微小なズレが生じた場合、上述した切断不良部分Xが形成される恐れがなお存在する。
【0010】
そこで、本発明では、簡素な機構かつ低コストで製造でき、しかも、精度良く帯状フィルムを切断するこができる切断装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明では、長手方向に送られている帯状フィルムを、前記長手方向について分離されるように前記帯状フィルムを切断する切断装置において、前記帯状フィルムの一面側と他面側にてこの帯状フィルムを横断して配されて、相互に開閉される第1刃部及び第2刃部を具備し、前記第1刃部又は第2刃部の一方の刃部は、前記帯状フィルムの長手方向に間隔が空けられ、かつ、これら第1刃部及び第2刃部の開閉方向に並列して配置された前刃と後刃から構成され、前記前刃が前記後刃に対して前記帯状フィルムに相対的に近く、かつ、前記帯状フィルムの送り方向の下流側に配置され、前記第1刃部又は第2刃部の他方の刃部は、これら第1刃部及び第2刃部の開閉に伴って、他方の刃部の前記帯状フィルムの送り方向の位置を決定する位置決め手段により前刃又は後刃に対応する位置に調節される切断装置を採用することとした。
【0012】
かかる切断装置について、本発明では、上記位置決め手段として次の構成を採用した。
【0013】
その一つは、前記位置決め手段としては、前記前刃の一面側と前記後刃の一面側とを滑らかに連続させる傾斜面を有し、他方の刃部をこの傾斜面に沿ってスライドさせて案内する案内部と、他方の刃部をこれら前刃及び後刃の前記一面側に付勢させる付勢手段と、他方の刃部を前記帯状フィルムの送り方向に沿って移動させる移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
他の前記位置決め手段は、前記前刃及び前記後刃の一面側に取り付けられて、これら前刃と後刃との前記帯状フィルムの送り方向に形成されている間隔に対応する段差が滑らかな傾斜面で形成されたカムと、他方の刃部に取り付けられて前記カムの表面に沿って移動されるカムフロアと、他方の刃部をこれら前刃及び後刃の一面側に付勢させる付勢手段と、他方の刃部を前記帯状フィルムの送り方向に沿って移動させる移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】
また、上記移動手段についても次のような構成を採用した。
【0016】
その一つは、前記帯状フィルムの送り方向に延びる案内レールと、この案内レールに沿って移動する移動体とから構成されていることを特徴とするものであり、他の前記移動手段は、位置決めされる他方の刃部が、その基部を軸として刃先が前記帯状フィルムの送り方向に揺動されるよう他方の刃部の基部を支持する揺動機構であることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明では以上の切断装置について、前記第1刃部と前記第2刃部とは、前記帯状フィルムの一方の側縁における両者の間隔が、他方の側縁における両者の間隔よりも広くなるように相互の軸方向が斜めに傾けて配置されていることを特徴としている。
【0018】
さらに、切断により生じる切断片をこの切断装置から吸引して排出する排出装置が別途設けられ、前記切断片を吸い込む吸引口が前記前刃と前記後刃との間に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、帯状フィルムをその長手方向に間欠的に送りながら、一定の隙間が空けられた2ヶ所を切断する際に、切断装置のワンアクションで切断できる。このため、帯状フィルムの微小送りの工程を設ける必要が無くなる。また、微小送りを行うことなくワンアクションで2ヶ所を切断するため、帯状フィルムの一度の停止の間に2ヶ所を切断でき、送りの間欠条件を一度設定すれば、帯状フィルムの長手方向に関して一定の間隔毎に確実に2ヶ所を切断する。
【0020】
また、第1刃部又は第2刃部を帯状フィルムの長手方向に移動させるという構成を採用したことから、前述の間隔を小さな寸法に設定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に関する切断装置1Aの正面図を示し、図2はその側面図を示している。
【0023】
この切断装置1Aは、送り出された帯状フィルムFに対し、その長手方向について一定の隙間が空けられた2ヶ所をワンアクションで切断可能とするものである。図1において切断の対象となる帯状フィルムFは、紙面の裏面から表面へ貫くように、図2においては紙面の右から左に送られる。
【0024】
この切断装置1Aは、上下に移動可能な第1刃部である上刃10を、第2刃部である下刃25に対して移動させて帯状フィルムFを切断するように構成されたもので、ベース2と、ベース2上にて帯状フィルムFの上側に設置された第1刃部である上刃10と帯状フィルムFの下側に設置された第2刃部である下刃25とを備えている。また、上刃10を上下に往復動させる駆動装置30がベース2の下方に設けられている。ベース2の左右両サイドには上下に延びる上下移動装置3が設置されており、上刃10は、この上下移動装置3に支持されている。また、ベース2には、この上下移動装置3の間に前後移動装置20が配置されていて、下刃25は、この前後移動装置20に支持されている。
【0025】
上下移動装置3は、ベース2の両サイドに設置された上下に延びるガイドレール4と、各ガイドレール4に取り付けられて、ガイドレール4に沿って上下に移動する移動ブロック5とを備えているそして、これら移動ブロック5は、この切断装置1Aの幅方向に左右に延びる固定ボード6によって相互に連結されている。
【0026】
そして、固定ボード6の下部には刃物取付部7が設けられており、この刃物取付部7に前刃11と後刃12とが相互に平行をなして上下に並列して固定されている。刃物取付部7は、前刃11と後刃12とが、斜めに傾けられて、一端側が相対的にベース2に近く、他端側が相対的にベース2から離されるようにして固定ボード6に取り付けられるように構成されている。この刃物取付部7の位置には、移動ブロック5同士の間の区間に、上下方向の中央に一定幅のスリット8が固定ボード6の板厚方向を貫通するようにして軸方向に沿って形成されている。前刃11と後刃12とは、このスリット8の形成された区間に一致されて、このスリット8を間に挟んで配置されて刃物取付部7に固定されている。
【0027】
前刃11はスリット8の下側に取り付けられている一方で、後刃12はスリット8の上側に取り付けられている。これら前刃11及び後刃12は、帯状フィルムFの送り方向における上流側に向けられた面が切断面として構成されており、下刃25は、これら前刃11及び後刃12の切断面11a,12aをスライドして帯状フィルムFを切断するように構成されている。この前刃11及び後刃12の板圧は、後刃12の板圧が前刃11の板圧に比して厚く形成されており、後刃12が前刃11に比べ、帯状フィルムFの送り方向の上流側に突出されている。このため、帯状フィルムFは、前刃11によって、その送り方向の下流側で切断された後に後刃12により送り方向の上流側にて切断される。
【0028】
これら前刃11と後刃12の軸方向の一端には、下側に向けて突出する案内部13,14がそれぞれ設けられている。これら案内部13,14は、この上刃10が下刃25に対して閉じられた際に下刃25を前後方向に移動させる部位であり、帯状フィルムFの送り方向の上流側に向けられた面に下刃25が突き当てられる。これらの案内部13,14は、後刃12の案内部14の下端が前刃11の案内部13の上端に突き当てられており、この位置で連続されている。そして、前刃11の案内部13は、全高にわたって前刃11と同寸の板圧に形成されている。その一方で、後刃12の案内部14は、下側に向かうに連れて板厚が薄くなるように形成され、その下端は、前刃11の案内部13と同寸の板厚となされている。このため、これらの案内部13,14は後刃12の案内部14の下端、かつ、前刃11の案内部13の上端の位置において段差が形成されることなく滑らかに接続されている。
【0029】
そして、これらの前刃11及び後刃12が固定されている固定ボード6には、前刃11及び後刃12の取り付けられている面とは逆側の面にバキューム管40が取り付けられている。このバキューム管40は、固定ボード6の刃物取付部7と平行をなしており、刃物取付部7に形成されているスリット8と連通路41を介して連通されている。
【0030】
このバキューム管40には図示しないブロア装置が接続されており、バキューム管40の内部を負圧にして吸引作用が付与される。この吸引作用を利用して、帯状フィルムFの切断により発生する切断片Dを吸引し、切断装置1Aから除去する。
【0031】
このような前刃11と後刃12とを備えた上刃10は、ベース2の下方に配されている駆動装置30により上下に往復動される。駆動装置30には、図示しない駆動モータが設けられ、この駆動モータの回転を上刃10に伝達する伝達機構が設けられている。この伝達機構は、ベース2の下方にて、左右に延びるシャフト31と、シャフト31の軸方向の両端に取り付けられたレバー32と、レバー32の先端から上方に延びて、その上端が固定ボード6に取り付けられた連結ロッド33とから構成されている。
【0032】
シャフト31は、駆動モータによって一定の回転角θの範囲だけ時計回り・反時計回りを繰り返し回転駆動される。シャフト31が一定の回転角θの範囲を繰り返し回転されることにより、シャフト31の両端に取り付けられたレバー32は、その先端が一定の回転角の範囲で揺動される。そして、このレバー32の揺動に伴って、レバー32と固定ボード6とを連結している連結ロッド33は上下に移動されるように構成されている。
【0033】
一方、帯状フィルムFの下側に配されている下刃25は、その両端が前後移動装置20によって支持されている。前後移動装置20は、帯状フィルムFの送り方向に延びるようにしてベース2上に取り付けられたガイドレール22と、各ガイドレール22に沿って移動する移動ブロック21とから構成されている。そして、これらの移動ブロック21は左右に延びるホルダブロック23により相互に連結されている。下刃25は、刃先が帯状フィルムFの搬送方向の下流側に向けられて、このホルダブロック23上面に取り付けられている。そして、下刃25の軸方向の一端側は上刃10を構成している前刃11の案内部13,14に突き当てられている。
【0034】
この下刃25を支持する前後案内装置の移動ブロック21は、スプリング24により下流側に向けて付勢されており、下刃25の一端側が常時上刃10の案内部13,14に押し当てられるように構成されている。
【0035】
以上の構成を備えた切断装置1Aによれば、送られている帯状フィルムFは次のようにして切断される。
【0036】
帯状フィルムFは切断される前に、図3に示すように、シール工程、パンチ工程、図柄検査工程を経て、切断装置1Aまで送られる。帯状フィルムFは、間欠送りローラ104により一定時間搬送された後に一定時間搬送が停止されることが繰り返し行われて間欠的に送られる。ます、シール工程では、ヒートシール装置101等によって帯状フィルムFが包装体の外縁の形状にヒートシールされる。なお、このシール工程ではヒートシール後に冷却が行われる。次いで、帯状フィルムFは、パンチ装置102により両側部パンチが入れられる。パンチが入れられる位置は、ヒートシールされた包装体の境界位置である。次いで、光電管検査装置103により帯状フィルムFの印刷層にズレが生じていないかどうかを検査する。
【0037】
これらの工程を経て帯状フィルムFは切断装置1Aへ送られる。そして、送られてきた帯状フィルムFは、切断しようとする位置が第1刃部と第2に刃部との間に到達すると、間欠送りローラ104の作用によって、一時的にその送りが停止される。
【0038】
送りが停止されると、上刃10が降下して帯状フィルムFの切断が開始される。帯状フィルムFが切断される様子を詳細に示したものが図4〜図8である。上刃10が降下されると、図4に示すように、上刃10及び下刃25の軸方向の一端にて、前刃11の案内部13の表面が下刃25の先端に擦られながらスライドする。なお、下刃25を支持する前後移動装置20の移動ブロック21はスプリング24により付勢されているため、刃先が常に案内部13の表面に密接される。
【0039】
さらに、図5に示すように、上刃10が降下されると、上刃10を構成する前刃11の刃先が下刃25の刃先と交差される。なお、上刃10は案内部13,14の設けられている一端が相対的に下側に位置されるよう斜めに傾けられて設置されているので、前刃11の刃先は、この一端側から他端側に向けて順次に下刃25の刃先と交差される。
【0040】
さらに上刃10を降下させると、図6に示すように、一端側では、後刃12の案内部14が下刃25の刃先の位置まで到達する。そして、後刃12の案内部14の表面が下刃25の刃先に擦れながらスライドする。当該後刃12の案内部14はその表面が斜面で形成されているため、スライドに伴って、スプリング24の付勢力に抗して下刃25を上流側に押し退ける。これにより、移動ブロック21が一定の寸法だけ上流側に移動されて、下刃25の刃先が後刃12の切断面の位置まで移動される。
【0041】
この状態で上刃10が降下されると、図7に示すように、帯状フィルムFは、先に前刃11によって切断された位置から上流側に一定の寸法だけ離れた位置が、後刃12により切断される。この場合も、後刃12は、その軸方向の一端側から順次に他端側が下刃25と交差される。切断が終了すると、この切断位置において、前刃11と後刃12との間に、帯状フィルムFから分離された切断片Dが発生する。この切断片Dは、上刃10を保持する刃物取付部7に形成されたスリット8からバキューム管40へ吸い込まれ、切断装置1から排出される。これにより切断片Dの巻き込みが効果的に阻止される。
【0042】
このようにして切断が終了すると、図8に示すように、降下されていた上刃10が上昇される。上刃10の軸方向の一端側では下刃25の先端がスプリング24の付勢力で案内部13,14に押し付けられているため、この上昇工程では、案内部13,14のスライドに伴って、下刃25が送り方向に移動される。このため、上昇が終了した後には、移動ブロック21がガイドレール22上を移動して、元の位置に戻されて、下刃25が再び前刃11の案内部13,14の下端と突き合わされた状態となる。
【0043】
このような動作を帯状フィルムFの送り方向について一定の間隔毎に行って、帯状フィルムFを順次切断する。なお、前刃11と後刃12の板圧の差を所定の寸法に設定するなどして、それぞれの切断面11a,12aの位置を変化させることにより切断される位置の間隔を所望の寸法に設定することができる。
【0044】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。
【0045】
この第2実施形態にかかる切断装置1Bでは、カム装置50を利用して下刃25に対して上刃10をスライドさせている点で上記の第1実施形態にかかる切断装置1Bとは異なっている。もっとも、切断装置1Bの基本構造自体は第1実施形態にかかる切断装置1Bと同様である。
【0046】
図9は、切断装置1Bの幅方向の一端側を拡大して示した正面図で、図10は図9に示す位置の側面図である。
【0047】
この切断装置1Bは、ベース2と、ベース2上にて帯状フィルムFの上側に設置された第1刃部である上刃10と帯状フィルムFの下側に設置された第2刃部である下刃25とを備えている。また、上刃10を上下に往復動させる駆動装置がベース2の下方に設けられている。また、ベース2の左右両サイドには上刃10を上下に移動させる上下移動装置3が設置され、この上下移動装置3の間に、下刃25を帯状フィルムFの送り方向に移動させる前後移動装置20が配置されている。
【0048】
そして、上刃10は、前刃11と後刃12が固定ボード6の刃物取付部7に、上下に平行をなして取り付けられている。この固定ボード6は上下移動装置3の移動ブロック同士を連結するようにして取り付けられており、上下移動装置3により上下に移動されて上刃10を上下に移動させている。一方、下刃25は、前後移動装置20に両端が支持されたホルダブロック23に取り付けられており、その刃先が帯状フィルムFの搬送方向における下流側に向けられている。この前後移動装置20の移動ブロック21も、スプリング24により下流側に向けて付勢されている。
【0049】
そして、この第2実施形態にかかる切断装置1Bでは、カム装置50を利用して上刃10を下刃25に対してスライドさせている。このカム装置50は、上刃10側に取り付けられた上下に延びる板カム51と、下刃25側に取り付けられて、この板カム51の表面に沿って移動するカムフロア52とから構成されている。
【0050】
板カム51は、上刃10が固定されている固定ボード6の一端側にて上下に延びるようにして取り付けられている。この板カム51は、細長い部材により形成されており、高さの異なる二つの部位51a,51bからなり、両者は傾斜面51cによって連続されている。傾斜面51cを境に下側半分の部位51aが低く形成され、上側半分の部位51bが高く形成されている。そして、低く形成されている部位51aの上面は、上刃10を構成している前刃11の切断面1aと面一となるように配される一方で、高く形成されている部位51bの上面は、後刃12の切断面12aと面一となるように配されている。
【0051】
これに対し、カムフロア52は、一端側にて移動ブロック21に支持されているホルダブロック23の上側に取り付けられている。このカムフロア52は、その中心が中心軸周りに自在に回転されるように支持され、外周面が板カム51の上面に接触されている。
【0052】
この実施形態にかかる切断装置1Bにおいても、移動ブロック21はスプリング24によって帯状フィルムFの搬送方向に関し、その下流側に向けて付勢されている。このため、カムフロア52は板カム51に押し付けられている。
【0053】
このような構成を備えた切断装置1Bによれば、上刃10が降下されると、最初にカムフロア52が板カム51の低く形成された部位51aの上面で回転させながら、搬送方向についてはカムフロア52を押し退けることなく移動ブロック21をそのままの位置に維持させる。このため、前刃11の切断面に下刃25の刃先が擦られるようにして両者が交差される。
【0054】
降下が進み、板カム51の斜面部51cがカムフロア52の位置まで移動すると、カムフロア52は斜面部51cにより押し退けられて、移動ブロック21が徐々に上流側に移動される。そして、傾斜面51cと板カム51の高く形成された部位51bとのつなぎ目がカムフロア52の位置まで到達すると、図11に示すように、移動ブロック21が完全に上流側まで後退され、下刃25の刃先が後刃12の切断面12aの位置に一致される。
【0055】
この状態で上刃10が更に降下されることで、下刃25の刃先が後刃12の切断面12aに擦られるようにして両者が交差される。これによりフィルム材が切断される。なお、前刃11が切断する位置と後刃12が切断する位置との間隔は、板カム51に形成された段差に対応する。
【0056】
[第3実施形態]
次に、図12〜図16を参照して本発明の第3実施形態にかかる切断装置1Cについて説明する。この第3実施形態にかかる切断装置1Cは、下刃60が、上刃10を構成する前刃11と後刃12に対応する位置まで揺動して移動する点に特徴がある。
【0057】
この切断装置1Cについても、全体構成は、これまでに説明した第1及び第2の実施形態にかかる切断装置1Cと同様にベース2と、ベース2上にて帯状フィルムFの上側に設置された第1刃部である上刃10と帯状フィルムFの下側に設置された第2刃部である下刃60とを備えている。また、上刃10を上下に往復動させる駆動装置30がベース2の下方に設けられている。そして、ベース2の左右両サイドには上下に延びる上下移動装置3が設置されており、上刃10は、この上下移動装置3に支持されている。また、ベース2には、この上下移動装置3の間に前後移動装置が配置されていて、下刃60は、この前後移動装置に支持されている。
【0058】
上下移動装置3は、ベース2の両サイドに設置された上下に延びるガイドレール4と、各ガイドレール4に取り付けられて、ガイドレール4に沿って上下に移動する移動ブロック5とを備え、移動ブロック5は、左右に延びる固定ボード6によって相互に連結されている。そして、上刃10は、固定ボード6の下部に刃物取付部7を介して取り付けられている。この上刃10も、前刃11と後刃12とが相互に平行をなしてスリット8を間に挟んで上下に並列されて刃物取付部7に固定されている。さらに、この上刃10は、その軸方向の一端側が相対的にベース2に近く、他端側が相対的にベース2から離されるようにして傾斜して配されている。
【0059】
また、下側に取り付けられた前刃11及び上側に取り付けられた後刃12は、帯状フィルムFの送り方向における上流側に向けられた面が切断面11a,12aとして構成され、下刃60の刃先がこれらの切断面11a,12aをスライドし、前刃11及び後刃12の刃先と下刃60の刃先とが相互に交差した際に帯状フィルムFを切断する。前刃11及び後刃12の板圧は、後刃12の板圧が前刃11の板圧に比して厚く形成され、後刃12が前刃11に比べ、帯状フィルムFの送り方向の上流側に突出されている。このため、帯状フィルムFは、前刃11によって、その送り方向の下流側で切断された後に後刃12により送り方向の上流側にて切断される。
【0060】
また、上刃10の軸方向の一端側には、下側に向けて突出する案内部13,14がそれぞれ設けられている。この案内部13,14も下刃60の刃先が突き当てられる部位であり、後刃12の案内部14の下端が前刃11の案内部13の上端に密接され、この部分で連続されている。そして、板圧が全高にわたり均一に形成された前刃11の案内部13に対し、後刃12の案内部14は、下側に向かうに連れて板厚が薄くなるように形成され、前刃11の案内部13と同寸の板厚となされている。
【0061】
これに対し、下刃60は、前後移動装置により帯状フィルムFの搬送方向に沿って前後に移動可能に支持されている。下刃60は、板状の本体部61と、本体部61の上端縁にてほぼ直角に折れ曲がる刃先部62とから構成されている。本体部61は、一定の高さに形成されており、左右に延びるようにして配されている。この本体部61には貫通孔が形成されており、この貫通孔にねじが通されて下刃60がホルダ75にねじ止めされるよう構成されている。刃先部62は本体部61の上端縁において帯状フィルムFの搬送方向における下流側に向けて屈曲している。
【0062】
この下刃60の刃先部62の先端が上刃10を構成する前刃11及び後刃12の各切断面11a,12aに突き当てられる。そして、下刃60の軸方向の一端側では、刃先が前刃11及び後刃12の一端側に形成された案内部13,14の表面に突き当てられている。
【0063】
このような下刃60は、前後移動装置である揺動装置65に保持される。揺動装置65は下刃60の下側を軸として、この下刃60を前後に揺動させる装置であり、ベース2に取り付けられた支持ブロック70と、下刃60の本体部61をその背面側から保持するホルダ75とを備え、ホルダ75の下部が支持ブロック70に球面ジョイント80により回転自在に支持されている。なお、この下刃60についても、その刃先が前刃11及び後刃12の切断面11a,12aに押し付けられるように、スプリングなどの付勢部材24により搬送方向の下流側に向けて付勢されている。
【0064】
この第3実施形態にかかる切断装置1Cは、次のようにして帯状フィルムFを切断する。
【0065】
帯状フィルムFの送りが停止されると、上刃10が降下する。上刃10が降下されると、図13に示すように、上刃10を構成する前刃11の案内部13の表面が、下刃60の刃先に擦られながらスライドする。さらに上刃10が降下されると、図14に示すように、上刃10を構成する前刃11の刃先が下刃60の刃先と交差される。これにより、帯状フィルムFは切断される。
【0066】
さらに上刃10を降下させると、端部では、後刃12の案内部14が下刃60の刃先の位置まで到達する。そして、後刃12の案内部14の表面が下刃60の先端に対してスライドされる。この後刃12の案内部14はその表面が斜面で形成されているため、図15に示すように、スライドに伴って、下刃60を付勢している付勢部材24の付勢力に抗して下刃60を上流側に押し退ける。これにより、下刃60は下部を軸に上部が上流側に揺動されて、下刃60の刃先が後刃12の切断面12aの位置まで移動される。なお下刃60は、下刃60を保持するホルダ75と支持ブロック70を連結する球面ジョイント80を支点に揺動される。
【0067】
この状態で上刃10がさらに降下されると、図16に示すように、帯状フィルムFは、前刃11によって切断された位置から上流側に一定の寸法だけ離れた位置が、後刃12により切断される。なお、この実施形態にかかる切断装置1Cにおいても、前刃11の切断線と後刃12の切断線との間から発生する切断片Dは、上刃10を保持する刃物取付部7に形成されたスリット8から連通部41を介してバキューム管40へと排出される。これにより切断片Dの巻き込みが効果的に阻止される。
【0068】
このようにして切断が終了すると、降下されていた上刃10が上昇される。このような動作を帯状フィルムFの送り方向について一定の間隔毎に行って、帯状フィルムFを順次切断する。
【0069】
以上、第1〜第3の実施形態における切断装置では、第1刃部である上刃に前刃と後刃を設け、第2刃部である下刃を、前刃又は後刃の位置に移動させるものを例に説明したがこれには限定されない。即ち、第2刃部である下刃に前刃と後刃とを設け、上刃をこれら前刃又は後刃の位置に移動させる構成を採用しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に第1実施形態にかかる切断装置の正面図。
【図2】図1に示す切断装置の側面図。
【図3】帯状フィルムから包装体を製造する製造工程の概要を示す説明図。
【図4】切断装置が帯状フィルムをする前段階の上刃と下刃の状態を示す図。
【図5】上刃の前刃で帯状フィルムを切断した状態を示す図。
【図6】下刃が案内部により上流側へ押し退けられている様子を示す図。
【図7】後刃で帯状フィルムを切断した状態を示す図。
【図8】切断後に上刃が再び上昇された状態を示す図。
【図9】本発明の第2実施形態にかかる切断装置の側部を正面から拡大して示した図。
【図10】図9に示した部位を切断装置に側部から見た図。
【図11】図10の状態から上刃が降下された状態を示す図。
【図12】本発明の第3実施形態にかかる切断装置の側面図。
【図13】切断装置が帯状フィルムをする前段階の上刃と下刃の状態を示す図。
【図14】上刃の前刃で帯状フィルムを切断した状態を示す図。
【図15】下刃が案内部により上流側へ押し退けられている様子を示す図。
【図16】後刃で帯状フィルムを切断した状態を示す図。
【図17】帯状フィルムを切断する際に生じる従来技術の問題点を示す図。
【符号の説明】
【0071】
1A,1B,1C 切断装置
2 ベース
3 上下移動装置
6 固定ボード
8 スリット
10 上刃(第1刃部)
11 前刃
12 後刃
13,14 案内部
20 前後移動装置
25 下刃(第2刃部)
30 駆動装置
40 バキューム管
50 カム装置
51 板カム
52 カムフロア
65 揺動装置(前後移動装置)
70 支持ブロック
75 ホルダ
80 球面ジョイント
【出願人】 【識別番号】599034228
【氏名又は名称】有限会社 小原技研
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男


【公開番号】 特開2008−23640(P2008−23640A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−197720(P2006−197720)