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【発明の名称】 果菜カッティング装置
【発明者】 【氏名】松本 英司

【要約】 【課題】カッティングの種類が多く、しかも十分な処理能力を有し、果実の加工にも利用し得る果菜カッティング装置を提供することを課題とする。

【構成】投入された果菜を遠心力でラジアル方向に導く回転体8を備えた円筒形の投入室2を設け、前記投入室2の側面に開口11を形成し、前記開口11に臨むように複合刃を設置して成り、前記複合刃は、高速回転する丸刃13と、多数の切り刃18を前記丸刃13の周縁部裏側に沿って円弧状に配置して成るロータリーくし刃14と、前記丸刃13の外周に沿うように、前記丸刃13と平行又は平行に近い面上に水平方向に延びる刃を適宜間隔置きに多数並設して成る静止くし刃15とで構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された果菜を遠心力でラジアル方向に導く回転体を備えた円筒形の投入室を設け、前記投入室の側面に開口を形成し、前記開口に臨むように複合刃を設置して成り、前記複合刃は、高速回転する丸刃と、多数の切り刃を前記丸刃の周縁部裏側に沿って円弧状に配置して成るロータリーくし刃と、前記丸刃の外周に沿うように、前記丸刃と平行又は平行に近い面上に水平方向に延びる刃を適宜間隔置きに多数並設して成る静止くし刃とで構成されることを特徴とする果菜カッティング装置。
【請求項2】
前記複合刃は、前記投入室の側面に設置されるモータケースの前記投入室側端面に配備される請求項1に記載の果菜カッティング装置。
【請求項3】
前記モータケースは、その前記投入室側端面の一側部が軸支されて水平方向に枢動可能であり、その枢動に伴って前記複合刃の露出が可能である請求項2に記載の果菜カッティング装置。
【請求項4】
前記ロータリーくし刃は、2枚対置された刃取付盤の各周縁部に適宜間隔置きに形成された差込スリット間に切り刃を差し渡して構成されたものである請求項1に記載の果菜カッティング装置。
【請求項5】
前記ロータリーくし刃は、前記丸刃と共通の駆動軸に固定されて前記丸刃と一体となって回転する請求項1又は4に記載の果菜カッティング装置。
【請求項6】
前記刃取付盤は交換可能である請求項4に記載の果菜カッティング装置。
【請求項7】
前記静止くし刃は、前記丸刃の外周に対応する円弧状に配設される請求項1に記載の果菜カッティング装置。
【請求項8】
前記静止くし刃は、刃が互い違いになるようにして二重又は三重に配設される請求項7に記載の果菜カッティング装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は果菜カッティング装置、より詳細には、食品工場、スーパー、大型レストラン等において、大根、ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ、生姜等の野菜や、リンゴ、メロン、イチゴ等の果実を、調理したり、そのまま販売したりするためにカッティングする果菜カッティング装置に関するものである。本発明においていう「カッティング」には、平切り、千切り、みじん切り、ダイスカット等の、果菜調理に当って包丁等の器具を利用して行なう種々の処理や、ジューサー(粗びき)の如き処理が含まれる。
【背景技術】
【0002】
千切りしたり、スライスしたり、みじん切りにしたりした大根、ニンジン、ゴボウ、ジャガイモ、玉ねぎ、生姜等の野菜素材が大量に必要となる食品工場、デパート、スーパー、仕出し店、レストラン等においては、それらの野菜のカッティング作業は、効率面、コスト面から人手によらず、機械に頼ることが多い。
【0003】
そのための野菜カッティング装置として、例えば本願出願人の出願に係る特開2003−181795号公報に記載のものが知られている。これは、投入物を遠心力でラジアル方向に導く回転体と、内周面に適宜歯刃と生成物の通抜孔を有していて前記回転体を僅かな間隙を保持して取り囲む歯刃筒と、前記歯刃筒の外側に、前記通抜孔からの生成物飛出し用スペースを保持して前記歯刃筒を取り囲むカバーを含む回収部とから成るものである。
【0004】
この野菜カッティング装置には、大根卸し、切干大根やキンピラの素材等を人手によらずに効率よく、材料に無駄を出さずに量産できるという効果があるが、これによってできるのは平切り、千切り、卸し等に限られ、ダイスカット、みじん切り等を行なうことはできず、また、処理能力の点で問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−181795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように従来の野菜カッティング装置の場合は、カッティングの種類に限りがあり、また、処理能力が十分でないという問題があったので、本発明はそのような問題のない、即ち、カッティングの種類が多く、しかも十分な処理能力を有し、果実の加工にも利用し得る果菜カッティング装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、投入された果菜を遠心力でラジアル方向に導く回転体を備えた円筒形の投入室を設け、前記投入室の側面に開口を形成し、前記開口に臨むように複合刃を設置して成り、前記複合刃は、高速回転する丸刃と、多数の切り刃を前記丸刃の周縁部裏側に沿って円弧状に配置して成るロータリーくし刃と、前記丸刃の外周に沿うように、前記丸刃と平行又は平行に近い面上に水平方向に延びる刃を適宜間隔置きに多数並設して成る静止くし刃とで構成されることを特徴とする果菜カッティング装置、を以て上記課題を解決した。
【0008】
好ましくは、前記複合刃は、前記投入室の側面に設置されるモータケースの前記投入室側端面に配備されるものとし、前記モータケースは、その前記投入室側端面の一側部が前記投入室の外側面に軸支されて水平方向に枢動可能にされ、その枢動に伴って前記複合刃の露出が可能となるようにされる。
【0009】
また、好ましくは前記ロータリーくし刃は、2枚対置された刃取付盤の各周縁部に適宜間隔置きに形成された差込スリット間に切り刃を差し渡して構成され、前記ロータリーくし刃は、前記丸刃と共通の駆動軸に固定されて前記丸刃と一体となって回転するようにされ、前記刃取付盤は交換可能にされ、更に、前記静止くし刃は、前記丸刃の外周に対応する円弧状に配設され、前記静止くし刃は、刃が互い違いになるようにして二重又は三重に配設される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述した通りであって、丸刃とロータリーくし刃と静止くし刃とを組み合わせ、あるいは、使い分けることにより、平切り、千切り、ダイスカット、みじん切り、その他種々のカッティングが可能で、材料に無駄を出さずに十分な処理能力をもって量産できる効果がある。
【0011】
請求項3に記載の発明においては、複合刃の露出が容易であって、その清掃、修理、交換も容易に行うことができ、装置の性能を落とさず且つ装置を清潔に維持し得る効果がある。
【0012】
請求項4に記載の発明においては、多数の切り刃を有するロータリーくし刃の製造が容易で、その修理、交換も容易なる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態を添付図面に依拠して説明する。図1乃至図4は、本発明に係る装置の構成例を示す斜視図である。図中1はキャスター付き架台であり、架台1上に、円筒形の投入室2が配置される。投入室2の上面及び下面は、複数本の支持棒5を介して連結された上面板3と下面板4により閉塞される。
【0014】
上面板3には果菜投入口6が形成され、下面板4には、モータケース7が設置される。モータケース7内には回転体駆動用のモータ(図示してない)が配置され、その出力軸が下面板4を貫いて投入室2内に延び、投入室2内に配備される回転体8に連結され、以て回転体8が回転駆動される。回転体8は、高速回転し、投入口6から投入された果菜に遠心力を付与し、これを投入室2の内側面に高速で擦り付ける作用を果たす。
【0015】
図6に示す回転体8は、その中心から投入室2の内周面直近まで放射状に伸びる仕切板9を複数設けたもので、仕切板9間の扉形の区画内に投入された果菜は、回転体8の回転に伴ない、仕切板9に後押しされ、遠心力で投入室2の内周面に押し付けられつつ、内周面に沿って高速移動する。
【0016】
図7に示す回転体8は、中心軸を囲むようにして仕切板9を井桁状に組んだもので、各仕切板9は、投入された果菜に対し、上記の場合と同様に作用する。
【0017】
投入室2の側面には開口11が形成され、そこを塞ぐようにしてカッティング機構が設置される。カッティング機構は、モータケース12に内蔵されたモータ12a(図8参照)と、モータケース12の正面側(開口部11に臨む面側)に設置される複合刃とから成る。複合刃は、モータケース12内のモータ12aによって回転駆動される丸刃13と、多数の切り刃18を環状に配置して成るロータリーくし刃14と、丸刃13の外周の一部に沿ってモータケース12の正面側に配置される静止くし刃15とで構成される。
【0018】
図2乃至図4は、この3種の刃13〜15を示すために、モータケース12を枢動させて複合刃を投入室2から引き出して示したものである。図から明らかなように、モータケース12は、投入室2の外側面に、枢軸22を介して枢動可能に軸支される。丸刃13は、開口11の内径より少し小径であって、モータケース12から突出するモータ軸16に、モータケース12の開口11対向面と平行になるように固定されて回転駆動される。
【0019】
ロータリーくし刃14は、モータ軸16に2枚対置固定される刃取付盤17、17の周縁部間に、適宜間隔置きに多数配置される。ロータリーくし刃14は、文房具のカッターの刃の如き切り刃18を、刃取付盤17、17の周縁部に形成される差込スリット19、19間に差し渡すことにより、設置される(特に図4、図5参照)。刃取付盤17、17は、好ましくは、丸刃13と共にモータ軸16に対し脱着可能にされる。
【0020】
静止くし刃15は、モータケース12の前面に配置された刃形成ボックス20上に形成され、カッティング時には静止状態を維持する。刃形成ボックス20の静止くし刃15形成面は、丸刃13と平行ないし平行に近い面である。静止くし刃15は適宜間隔置きに、水平方向に延びるように、且つ、丸刃13の外周に沿うように円弧状に配置される。図示した実施形態においては、互い違いになるようにして二重に配置されているが(特に図3参照)、一重又は三重であってもよい。
【0021】
この静止くし刃15を構成する各くし刃21間の間隔によって果菜の千切り幅が決まるので、くし刃21の間隔の違う刃形成ボックス20をいくつか用意し、選択交換可能にすることが好ましい。
【0022】
複合刃の下流側、即ち、静止くし刃15設置側と反対の側に、カッティングされた果菜を回収容器(図示してない)にガイドするためのフード23が設置される。
【0023】
かかる構成において、投入口6から果菜25を投入して回転体駆動用モータを駆動させると、回転体8が高速回転し、仕切板9で果菜25を後押しする。高速で後押しされた果菜25は遠心力で外方向に移動し、投入室2の内周面に沿って擦り付けられる。
【0024】
そして、その状態で複合刃の位置に到来すると、先ず、静止くし刃15に当たり、そこを通過することにより、くし刃21の高さ分の深さの切れ目列が水平方向に入れられる。その切れ目の間隔(切り幅)は、くし刃21の間隔によって決まる。
【0025】
次いで、果菜25は丸刃13に当たってその当接部がそがれることにより(平切り)、千切り状態にされる。この千切り状態にされた千切り果菜25aは、丸刃13の裏側と丸刃13側に位置する刃取付盤17との間に導かれるが、そこにおいて、丸刃13と一体となって高速回転するロータリーくし刃14の多数の切り刃18によって細かくカットされ(ダイスカット果菜25b)、フード23にガイドされて回収容器に回収される。
【0026】
上記複合刃の作用から理解し得るように、複合刃のうちロータリーくし刃14を除くと、例えばキンピラや切干大根等のための千切りが可能であり、ロータリーくし刃14と静止くし刃15を除くと、丸刃13により、例えばポテトチップス製造用にジャガイモをスライスすることができる。
【0027】
本装置によった場合、複合刃駆動用のモータ12a及び/又は回転体駆動用のモータの回転速度を変えることによって、カッティングサイズの調整が可能で、また、従来の装置では不可能であった、3mm以下のダイスカットが可能である。この均一にダイスカットされたものは、みじん切りされたものと異なって、1粒1粒に食感が感じられるものとなり、例えば、ギョウザの具として用いるのに好適なものとなる。更に、十分にストローを通り抜けるサイズに果実をカッティングすることができるので、本装置はジュース製造用に利用することもできる。
【0028】
また、複合刃の引出しが容易であって、その引出した状態において複合刃を構成する各刃を清掃し、修理し、あるいは、交換することができ、常に装置の清潔性を維持でき、また、その性能を維持することができる。
【0029】
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る果菜カッティング装置の斜視図である。
【図2】本発明に係る果菜カッティング装置の複合刃を露出させた状態の斜視図である。
【図3】本発明に係る果菜カッティング装置の複合刃及びその設置部分を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る果菜カッティング装置の複合刃を示す要部斜視図である。
【図5】本発明に係る果菜カッティング装置におけるロータリーくし刃の刃取付版盤を示す正面図である。
【図6】本発明に係る果菜カッティング装置における回転体の構成例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る果菜カッティング装置における回転体の他の構成例を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る果菜カッティング装置の作用を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1 架台
2 投入室
3 上面板
4 下面板
5 支持棒
6 果菜投入口
7 モータケース
8 回転体
9 仕切板
11 開口
12 モータケース
12a モータ
13 丸刃
14 ロータリーくし刃
15 静止くし刃
16 モータ軸
17 刃取付盤
18 切り刃
19 差込スリット
20 刃形成ボックス
21 くし刃
23 フード
25 果菜
25a 千切り果菜
25b ダイスカット果菜
【出願人】 【識別番号】501405247
【氏名又は名称】松本 英司
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100081558
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 晴男


【公開番号】 特開2008−18516(P2008−18516A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194480(P2006−194480)