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【発明の名称】 切断装置及びカッター刃の装着方法
【発明者】 【氏名】野中 英明

【要約】 【課題】カッター刃ホルダに対してカッター刃を自動的に着脱することのできる切断装置及びカッター刃の装着方法を提供すること。

【構成】ロボット本体20の自由端側にカッター刃ホルダ22が設けられ、当該カッター刃ホルダ22の先端部には、相互に離間接近する方向に移動可能な一対の移動部材37が設けられている。カッター刃21は、カッター刃供給装置11から供給され、前記移動部材37間にカッター刃21の基部領域が挿入された状態で前記移動部材37を相互に接近させることでカッター刃ホルダ22にカッター刃21が装着される。切断装置10は、カッター刃21をウエハWの外周に沿って移動させることで、当該ウエハWに貼付されたシートSをウエハWの形状に合わせて切断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット本体の自由端側に設けられたカッター刃ホルダと、このカッター刃ホルダに装着されたカッター刃とを含む切断装置において、
前記カッター刃ホルダは、前記カッター刃が着脱自在に設けられていることを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記カッター刃ホルダは、先端部にチャックを備え、当該チャックを介して前記カッター刃が着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1記載の切断装置。
【請求項3】
前記チャックは、前記カッター刃の相対する縁部を受容する溝を備えた一対の移動部材により構成されていることを特徴とする請求項2記載の切断装置。
【請求項4】
複数のカッター刃を収容するとともに、当該カッター刃を一枚ずつ供給可能に設けたカッター刃供給装置と、ロボット本体の自由端側に設けられるとともに、先端部に前記カッター刃が取り付けられるカッター刃ホルダとを含み、
前記カッター刃供給装置によりカッター刃が所定位置に供給された状態で、当該位置に前記カッター刃ホルダを移動させて前記カッター刃を装着することを特徴とするカッター刃の装着方法。
【請求項5】
前記カッター刃は刃先検査手段によって刃先検査され、刃先の異常が検出されたときに交換されることを特徴とする請求項4記載のカッター刃の装着方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は切断装置及びカッター刃の装着方法に係り、更に詳しくは、カッター刃が着脱自在に設けられた切断装置及びカッター刃の装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体ウエハ(以下、単に、「ウエハ」と称する)等の板状部材には、その回路面を保護するための保護シートを貼付することが行われている。
【0003】
このようなシートの貼付方法において、帯状の剥離シートに帯状のシートが仮着された原反を用いた場合には、そのシートを剥離シートから剥離してウエハに貼付した後に、ウエハ外周に沿って切断装置による切断を行うことが必要となる。特許文献1には、ロボットがカッター刃を装着し、所定動作を行う切断装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−335893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、ロボットの自由端側に設けられたチャックに位置合わせをして係合させる専用のカッター刃ホルダを設け、カッター刃の使用を終了したときに、カッター刃ホルダごとの自動交換が行える構成が採用されている。
しかしながら、特許文献1の構成にあっては、カッター刃のみの交換を自動で行うことができない。従って、カッター刃の交換は人手によらなければならないものとなり、作業に危険が伴う、という不都合がある。また、用いるシートの性状によりカッター刃を加熱する必要がある場合には、その温度が下がるまでカッター刃の交換を行うことができず、作業効率が低下する、という不都合もある。
【0006】
[発明の目的]
本発明の目的は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、カッター刃ホルダに対してカッター刃を自動的に着脱することのできる切断装置及びカッター刃の装着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、ロボット本体の自由端側に設けられたカッター刃ホルダと、このカッター刃ホルダに装着されたカッター刃とを含む切断装置において、
前記カッター刃ホルダは、前記カッター刃が着脱自在に設けられる、という構成を採っている。
【0008】
本発明において、前記カッター刃ホルダは、先端部にチャックを備え、当該チャックを介して前記カッター刃が着脱自在に設けられている。
【0009】
また、前記チャックは、前記カッター刃の相対する縁部を受容する溝を備えた一対の移動部材により構成することができる。
【0010】
更に、本発明は、複数のカッター刃を収容するとともに、当該カッター刃を一枚ずつ供給可能に設けたカッター刃供給装置と、ロボット本体の自由端側に設けられるとともに、先端部に前記カッター刃が取り付けられるカッター刃ホルダとを含み、
前記カッター刃供給装置によりカッター刃が所定位置に供給された状態で、当該位置に前記カッター刃ホルダを移動させて前記カッター刃を装着する、という方法を採っている。
【0011】
前記方法において、前記カッター刃は刃先検査手段によって刃先検査され、刃先の異常が検出されたときに交換する、という方法を採るとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カッター刃ホルダに対してカッター刃が着脱自在に設けられており、当該着脱がチャックを介して行われることにより、カッター刃の交換を容易且つ迅速に行うことができる。この際、カッター刃に作業者が直接触れる必要もないため、危険な作業から開放され、しかも、カッター刃が加熱される場合においても、当該カッター刃の交換作業を効率的に行うことが可能となる。
また、カッター刃の相対する縁部を保持することのできるチャックを採用することにより、カッター刃の幅が種々異なるものであってもこれに対応することができる。
更に、本発明の方法によれば、カッター刃の供給位置に対して切断ロボットの自由端側がアクセスできるように設定しておくだけで、カッター刃の自動的な装着が可能となる。
また、刃先検査を行う工程を含むことで、カッター刃の欠陥や、経時的な損傷等が生じても、常に正常なカッター刃を利用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1には、本実施形態に係る概略斜視図が示されている。この図において、切断装置10の近傍に、カッター刃供給装置11と、ウエハWを支持するテーブル13と、カッター刃の刃先検査手段14が配置されている。ここで、ウエハWの上面(例えば、回路面)には、帯状をなす保護シートS(以下「シートS」と称す)が貼付されており、当該シートSは、ウエハWの外縁に沿って、前記切断装置10により切断されるようになっている。
【0015】
前記切断装置10は、図2にも示されるように、ロボット本体20と、当該ロボット本体20の自由端側に支持されたカッター刃21とを備えて構成されている。ロボット本体20は、ベース部23と、当該ベース23部の上面側に配置されて矢印A〜F方向に回転可能に設けられた第1アーム23A〜第6アーム23Fと、第6アーム23Fの先端側に取り付けられた工具保持チャック29とを含む。第2、第3及び第5アーム23B、23C、23Eは、図2中Y×Z面内で回転可能に設けられているとともに、第1、第4及び第6アーム23A、23D、23Fは、その軸周りに回転可能に設けられている。
【0016】
前記工具保持チャック29は、図3及び図4に示されるように、略円筒状をなす受容体30と、当該受容体30の周方向略120度間隔を隔てた位置に配置されるとともに、先端部にカッター刃21が着脱自在に装着されるカッター刃ホルダ22を着脱自在に保持する三つのチャック爪31(図3参照)とを備えて構成されている。各チャック爪31は、内方端が鋭角となる先尖形状部31Aとされており、空圧によって、受容体30の中心に対して径方向に進退可能に設けられている。なお、切断装置10は、図示しない制御装置によって制御され、この制御装置は、切断装置10によって保護シートSを切断する際の移動制御や、カッター刃21の自動的な着脱動作を制御するように設けられている。
【0017】
前記カッター刃ホルダ22は略円柱状の基部領域と、当該基部領域から先端に向かって次第に扁平となる傾斜領域を含む形状に設けられている。このカッター刃ホルダ22は、前記基部領域における外周面の周方向略120度間隔位置に設けられた図示しない長溝に前記チャック爪31の先尖形状部31Aが係合することで、工具保持チャック29に対する位置が一定に保たれるようになっている。
【0018】
前記カッター刃ホルダ22の先端側には、カッター刃21を着脱自在とするチャック35が設けられている。このチャック35はカッター刃21の相対する縁部を受容する溝36を備えた一対の移動部材37により構成されている。これら移動部材37は、カッター刃ホルダ22内に設けられた図示しない駆動機構を介して相互に離間、接近可能に設けられており、離間方向に移動した状態でカッター刃21の基部側が挿入可能となる一方、接近方向に移動した状態で、カッター刃21を挟み込んで当該カッター刃21を固定的に支持するようになっている。なお、各移動部材37において、溝36の相対する開口側は傾斜面36Aとされており、これにより、カッター刃21の挿入動作がスムースに行えるように構成されている。
【0019】
本実施形態において、前記カッター刃ホルダ22の内部には、図示しないコイルヒーター等の加熱手段が設けられており、当該コイルヒーターに通電することで、カッター刃21を所定温度に加熱した状態に保つことができ、これにより、切断対象となるシートSに応じてカッター刃21を加熱できるようになっている。この際、カッター刃ホルダ21は、放熱を防止するため、例えば、セラミックス等、保温特性を備えた材料で構成することが好ましい。また、本実施形態では、超音波振動等による図示しない振動付与手段がカッター刃ホルダ22内に内蔵されており、当該振動付与手段によってカッター刃21を振動させながら切断動作も行えるようになっている。
【0020】
前記カッター刃供給装置11は、図1及び図4に示されるように、ケース本体40と、当該ケース本体40内に収容された多数のカッター刃21のうち、最下位に位置するカッター刃21を支持して外部に繰り出す移動プレート41とを備えて構成されている。ケース本体40は、ボックス型をなし、その一側面に長溝状の窓穴43が形成され、当該窓穴43を通じて前記移動プレート41が図示しない移動機構を介して出没自在に設けられている。移動プレート41は、平面視略L字状の段部41Aを位置決め部とする刃載置面41Bを備えた形状をなし、当該刃載置面41Bは、カッター刃21の全長よりも短い長さに設定され、これにより、カッター刃22の基部側が刃載置面41Bからはみ出して前記チャック35に対する挿入代が形成される。
【0021】
前記刃先検査手段14は、カッター刃供給装置11に併設されている。この刃先検査手段14はカメラ50により構成されており、撮像データを画像処理してカッター刃21の異常を検出するようになっている。具体的には、刃縁に接着剤が許容範囲を超えて転着したり、一部が折損する等の異常を検出したときに、新たなカッター刃21と交換するよう、図示しない制御装置に信号を出力することとなる。
【0022】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0023】
カッター刃21を装着するときは、カッター刃供給装置11の移動プレート41がケース本体40から突出した繰出位置となる。この状態で、ロボット本体20が駆動して自由端側、すなわちカッター刃ホルダ22がカッター刃21に向かって移動し、予め離間状態に保たれている移動部材37間にカッター刃21の基部領域が挿入される。この挿入が所定深さまで行われると、前記移動部材37が相互に接近する方向に移動してカッター刃21の相対する縁部を挟み込んで固定保持することとなる。
【0024】
カッター刃21の保持が完了すると、当該カッター刃21は、前記カメラ50によって刃先検査を受けることとなり、異常の有無が予め検査され、異常がある場合には、図示しない回収容器にカッター刃21を落とし込み、カッター刃供給装置11から供給される次のカッター刃21と交換される。なお、前記移動プレート41は、カッター刃21がロボット本体20側に装着された後にケース本体40内に後退し、当該ケース本体40内における最下位のカッター刃21が刃載置面41B上に位置して次の繰り出しに備えるようになっている。
【0025】
正常なカッター刃21がカッター刃ホルダ22に装着された切断装置10は、図2に示されるように、テーブル13上に支持されたウエハWにシートSが貼付された後に、シートSを突き刺してウエハWの外縁に沿って移動することによって、ウエハW形状に合わせたシートSの切断が行えるようになっている。この切断に際し、常温でのシートSの切断が困難な場合は、カッター刃ホルダ22内のコイルヒーターを介してカッター刃21を加熱してもよいし、超音波振動装置によって振動させてもよい。これにより、シートSは、ウエハWの外縁に一致する状態で、しかも、切断抵抗を非常に小さくした状態で切断することができる。
【0026】
シートSの切断が終了すると、カッター刃21は、カメラ50により再び刃先検査を受ける。この刃先検査において、カッター刃21の折損や、接着剤の転着が許容範囲を超える等の異常が検出されると、当該カッター刃21が図示しない回収容器に回収され、新たなカッター刃に交換される。
【0027】
従って、このような実施形態によれば、ロボット本体20の自由端側に装着されたカッター刃ホルダ22に対してカッター刃21を自動的且つ着脱自在に装着することができるため、カッター刃21の装着や、交換作業に際して人手を全く必要とすることがない。従って、手作業による危険性を未然に回避することが可能となる。
【0028】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
【0029】
例えば、前記実施形態では、カッター刃ホルダ22に設けられたチャック35は、カッター刃21の相対する縁部を挟み込む一対の移動部材37により構成された場合を図示説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カッター刃21の面に対して進退可能な一対の移動部材等を採用することを妨げない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明がシート切断装置に適用された実施形態を示す全体構成斜視図。
【図2】図1の側面図
【図3】切断装置の自由端側にカッター刃が装着された状態を拡大して示す要部概略斜視図。
【図4】図1の要部拡大概略斜視図。
【符号の説明】
【0031】
10 切断装置
11 カッター刃供給装置
14 刃先検査手段
20 ロボット本体
21 カッター刃
22 カッター刃ホルダ
35 チャック
36 溝
37 移動部材
50 カメラ(刃先検査手段)
S 保護シート
【出願人】 【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
【出願日】 平成18年7月5日(2006.7.5)
【代理人】 【識別番号】100101188
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 義雄


【公開番号】 特開2008−12614(P2008−12614A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−185082(P2006−185082)