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カッティングプロッタ - 特開2008−6523 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B26 切断手工具;切断;切断機

【発明の名称】 カッティングプロッタ
【発明者】 【氏名】濱村 聡司

【要約】 【課題】巻取装置によりシート材の弛みを小さくしながら、挟持移動機構によるシート材の搬送速度を一定に保つことができるカッティングプロッタを提供する。

【構成】シート材100を上下に挟持するとともに前後に搬送する挟持搬送機構11,12、支持部材10の支持面10a上方に設けられた加工具21を左右に移動させる加工具移動機構15,20、および、支持部材10の前方に設けられてシート材100の加工済み部分を巻き取る巻取装置30を作動制御する作動制御装置50により、巻取装置30の作動時には加工具21による加工を中断させるとともに、加工具21による加工時には巻取装置30を停止させる制御が行われ、左右に並ぶ加工対象の加工を行った回数およびシート材100の加工済み部分を搬送した回数の少なくともいずれか一方が所定回数に達するごとに巻取装置30を作動させる制御が行われるように構成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象が前後左右に並んで設定されたシート材の一部を載置する支持面が形成された支持部材と、
シート材を前記支持面とほぼ同一平面上において上下に挟持するとともに前後に搬送する挟持搬送機構と、
前記支持面の上方に設けられた加工具を左右に移動させる加工具移動機構と、
前記支持部材の前方に設けられてシート材の加工済み部分を巻き取る巻取装置と、
前記挟持搬送機構、前記加工具移動機構および前記巻取装置を作動制御する作動制御装置とを有し、
前記作動制御装置により、前記挟持搬送機構および前記加工具移動機構を作動させて前記支持面上のシート材を前記加工具に対して前後左右に相対移動させながら前記加工具により左右に並ぶ加工対象に対して1列加工する制御と、前記挟持搬送機構を作動させてシート材の加工済み部分を前方に搬送するとともに次列の加工対象が設定された部分を後方から前記支持面上に搬送する制御とが繰り返し行われるカッティングプロッタであって、
前記作動制御装置により、
前記巻取装置を作動させているときには前記加工具によるシート材の加工が中断されるとともに、前記加工具による加工時には前記巻取装置を停止させる制御が行われ、
左右に並ぶ加工対象の加工を行った回数およびシート材の加工済み部分を前方に搬送した回数の少なくともいずれか一方が所定回数に達するごとに前記巻取装置を作動させる制御が行われることを特徴とするカッティングプロッタ。
【請求項2】
前記挟持搬送機構は、前記巻取装置が停止している状態において前記巻取装置に巻き取られたシート材を前記支持部材側に搬送可能に構成されており、
前記作動制御装置により、前記巻取装置にシート材が巻き取られて前記巻取装置を停止させた後であって前記加工具による加工を再開させる前に、前記挟持搬送機構を作動させて前記支持部材と前記巻取装置との間でシート材を弛ませる制御が行われることを特徴とする請求項1に記載のカッティングプロッタ。
【請求項3】
前記巻取装置は、シート材を巻き取る速度が前記挟持搬送機構によりシート材が搬送される速度よりも速くなるように駆動され、
前記作動制御装置により、前記巻取装置にシート材の加工済み部分が巻き取られた後に、前記巻取装置を作動させながら前記支持部材からシート材の加工済み部分を搬送する制御が行われることを特徴とする請求項1または2に記載のカッティングプロッタ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材の一部を載置する支持面が形成された支持部材の前方に、シート材の加工済み部分を巻き取る巻取装置が設けられて構成されたカッティングプロッタに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなカッティングプロッタは、シート材を支持面上で上下に挟持するとともに前後に搬送する挟持搬送機構と、支持面と上下に対向するカッタ等の加工具を左右に移動させる加工具移動機構とが設けられて構成されており、挟持搬送機構および加工具移動機構を作動させることによりシート材を加工具に対して前後左右に相対移動させながら切断加工を行う。
【0003】
また、支持部材から送り出されたシート材の加工済み部分を巻き取る巻取装置を備えたカッティングプロッタが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の巻取装置は、シート材を巻き付ける巻取軸に伝達される回転駆動力を制限するトルクリミッタを備えている。このトルクリミッタの作用により、巻取装置を作動させ続けても、常にシート材が挟持搬送機構により挟持された状態に保たれる。
【0004】
このカッティングプロッタにおいては、巻取装置を常時作動させることにより、シート材の加工済み部分を下方に弛ませることなく巻取装置で巻き取ることができる。これにより、シート材が地面に付いて汚れたりせず、また、常に加工済み部分にテンションがかかった状態で巻取軸に巻き付けられることから、シート材を蛇行させたり撓ませたりせずに巻き取ることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−26198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このように巻取装置を作動させると、加工中に支持部材から巻取装置に送り出されたシート材の加工済み部分に常にテンションがかかった状態になる。したがって、加工に際してシート材を後方に送るときには、トルクリミッタの作用によりシート材を搬送すること自体は可能であるが、シート材に作用するテンションが大きくなって前方に送るときに対して搬送速度が遅くなるおそれがある。このように搬送方向によって速度が異なると、予め想定した通りにシート材を加工具に対して相対移動させることが難しくなり、正確に加工することが難しくなるおそれがあった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、巻取装置の作動により加工対象物の下方への弛みを小さくしながら、挟持移動機構によるシート材の搬送速度を一定に保つことができるカッティングプロッタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的達成のため、本発明に係るカッティングプロッタは、加工対象が前後左右に並んで設定されたシート材の一部を載置する支持面が形成された支持部材と、シート材を支持面とほぼ同一平面上において上下に挟持するとともに前後に搬送する挟持搬送機構と、支持面の上方に設けられた加工具を左右に移動させる加工具移動機構と、支持部材の前方に設けられてシート材の加工済み部分を巻き取る巻取装置と、挟持搬送機構、加工具移動機構および巻取装置を作動制御する作動制御装置とを有し、作動制御装置により、挟持搬送機構および加工具移動機構を作動させて支持面上のシート材を加工具に対して前後左右に相対移動させながら加工具により左右に並ぶ加工対象に対して1列加工する制御と、挟持搬送機構を作動させてシート材の加工済み部分を前方に搬送するとともに次列の加工対象が設定された部分を後方から支持面上に搬送する制御とが繰り返し行われるカッティングプロッタに関する。その上で、作動制御装置により、巻取装置を作動させているときには加工具によるシート材の加工が中断されるとともに、加工具による加工時には巻取装置を停止させる制御が行われ、左右に並ぶ加工対象の加工を行った回数およびシート材の加工済み部分を前方に搬送した回数の少なくともいずれか一方が所定回数に達するごとに巻取装置を作動させる制御が行われる。
【0009】
また、挟持搬送機構を、巻取装置が停止している状態において巻取装置に巻き取られたシート材を支持部材側に搬送可能に構成しており、作動制御装置により、巻取装置にシート材が巻き取られて巻取装置を停止させた後であって加工具による加工を再開させる前に、挟持搬送機構を作動させて支持部材と巻取装置との間でシート材を弛ませる制御が行われることが好ましい。
【0010】
また、巻取装置を、シート材を巻き取る速度が挟持搬送機構によりシート材が搬送される速度よりも速くなるように駆動し、作動制御装置により、巻取装置にシート材の加工済み部分が巻き取られた後に、巻取装置を作動させながら支持部材からシート材の加工済み部分を搬送する制御が行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
以上のように構成される本発明に係るカッティングプロッタによると、加工中には巻取装置を停止させており、所定回数の加工が行われた後に加工を中断して巻取装置を作動させるようになっており、加工中にはシート材の加工済み部分に従来のようにテンションが作用しない。したがって、加工中に挟持搬送機構によりシート材を前後いずれに搬送しても搬送速度を一定に保つことができる。
【0012】
また、巻取装置により加工済み部分を巻き取って巻取装置を停止させた後に、挟持搬送機構を作動させて加工済み部分を僅かに弛ませることにより、加工再開直後にシート材を搬送する必要があっても、過大なテンションが作用するおそれがなく、加工時の搬送速度をより確実に一定に保つことができる。
【0013】
また、シート材の巻取速度が搬送速度よりも速くなるように構成するとともに、巻取装置を作動させながら支持面上の加工済み部分を送り出すことにより、送り出される加工済み部分にテンションをかけながら巻取装置に巻き取らせることができる。これにより、シート材が巻取装置に巻き取られるときに左右に蛇行せず、シート材を巻取装置に正確に巻き付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。まず、図1を参照してカッティングプロッタCPの装置構成について説明する。なお、説明の便宜上、図中に「前」,「左」,「上」と付記した矢印の方向をそれぞれ、前方、左方、上方とする。
【0015】
カッティングプロッタCPは、地面に近接する基台2aの左右両端を上下に延びる支柱2bを有してなる脚2から構成されて直立状態に設置された支持体1と、支持体1の上端に左右に延びて設けられてシート材100の一部を支持するプラテン10と、シート材100を上下に挟持するとともに前後に搬送する上下一対の送りローラ11および押えローラ12と、プラテン10の上方を左右に水平に延びて設けられたガイドレール15に取り付けられたヘッド20とから構成されている。なお、プラテン10およびガイドレール15は、支持体1の上端に設けられたカバー5により左右に支持されている。
【0016】
プラテン10は、前後中央部が水平に延びるとともに前後端部がそれぞれ下方に向けて湾曲しており、この前後中央部の上面10aにシート材100を水平に載置して支持することができるようになっている。
【0017】
プラテン10には、複数組の送りローラ11および押えローラ12が前後中央部を左右に並んで設けられている。各送りローラ11は、プラテン10の下側(内側)に設けられており、サーボモータ等からなる電動モータ51により正逆方向に同期して回転駆動される。プラテン10には左右に所定間隔をおいて複数の貫通孔が形成されており、送りローラ11は、この貫通孔を介して外周面11aの一部を上面10a上に臨ませている。押えローラ12は、プラテン10の上側(外側)に設けられており、プラテン10の前後中央部の上面10aとほぼ同一平面上で送りローラ11と上下に対向する挟持位置(実線)と、プラテン10の上方に退避させた退避位置(二点鎖線)との間で移動可能になっている。
【0018】
ヘッド20は、電動モータ52によりガイドレール15に沿って左右に水平移動可能になっている。ヘッド20の下面には、下方に突出してシート材100を切断するためのカッタ21が着脱自在に取り付けられている。カッタ21は、プラテン10の前後中央部の上方を左右に移動可能になっている。また、ヘッド20はガイドレール15に対して上下に移動可能に構成されており、カッタ21を上下動させることも可能になっている。
【0019】
このカッティングプロッタCPにおいては、プラテン10に後側からシート材100を供給して押えローラ12を挟持位置に位置させると、シート材100が送りローラ11および押えローラ12により上下に挟持されてプラテン10の上面10aに支持される。この状態で送りローラ11を正方向(矢印R1方向)に回転させることによりシート材100が前方に送られ、また、逆方向(矢印R2方向)に回転させることによりシート材100が後方に送られる。このとき、ヘッド20を下動させてカッタ21をシート材100に接触させた状態にしてヘッド20を左右に移動させることにより、シート材100をカッタ21に対して前後左右に相対移動させ、切断加工を行わせることができる。本実施例では、シート材100の未加工部分がプラテン10に後方から送られ、シート材100の加工済み部分がプラテン10の前方に送られる。
【0020】
支持体1には、支柱2bから前方に延びて設けられた左右一対の前ブラケット3を介して巻取装置30がプラテン10の前下方に固定され、また、支柱2bから後方に延びて設けられた左右一対の後ブラケット4を介して支持機構40がプラテン10の後下方に固定されている。
【0021】
巻取装置30は、シート材100を巻き付けるための円筒状の巻取軸31を回転自在に設けて構成されている。巻取軸31は、電動モータ53により所定方向に回転駆動される。巻取軸31を回転させることにより、プラテン10から前方に送り出されたシート材100の加工済み部分を巻き取ることができる。支持機構40は、それぞれ左右に延びて前後に並ぶ2本の支持バー41,42を有して構成されている。これら2本の支持バー41,42に加工前のシート材100がロールされた状態で載置支持される。
【0022】
カッティングプロッタCPには、電動モータ51〜53の駆動制御を行う作動制御装置50が備えられている。この作動制御装置50により行われる電動モータ51〜53の駆動制御により、送りローラ11、ヘッド20および巻取装置30が作動制御される。
【0023】
また、巻取装置30には、駆動モータ53から巻取軸31に伝達されるトルクを所定値以下に制限するトルクリミッタ32が備えられている。このトルクリミッタ32の作用により、送りローラ11が停止している状態において巻取装置30の巻取軸31が回転駆動されても、シート材100が送りローラ11および押えローラ12により挟持された状態に保たれてプラテン10の上面10aを前方にスリップするようなことがない。
【0024】
一方、送りローラ11には駆動モータ51から大きなトルクが伝達されており、押えローラ12とともにシート材100をしっかりと挟持していることと相俟って、巻取装置30の巻取軸31が停止している状態において送りローラ11が逆方向に駆動されたときには、巻き取られたシート材100がプラテン10側に戻されるようになっている。
【0025】
巻取装置30によりシート材100が巻き取られる速度(巻取速度)は、送りローラ11によりシート材100が送られる速度(搬送速度)よりも速くなるように構成されている。ただし、トルクリミッタ32の作用により、加工済み部分が弛んでおらず、送りローラ11が正方向に回転している状態において巻取装置30を作動させても、シート材100が上記同様にスリップせずにプラテン10から前方に送られる。
【0026】
図2に、シート材100を例示している。このシート材100は、台紙101の上面にシール紙102を剥離可能に貼り着けてなる。シール紙102の表面には、矩形状の作図領域110,110,…を区画する作図データ111,111,…が印刷されており、作図領域110,110,…が前後左右に略マトリクス状に並んでいる。各作図領域110の内部には図示しない所定の図柄が印刷されている。カッティングプロッタCPにより、各作図領域110の内部に印刷された図柄の輪郭に沿った形状(加工対象)に、カッタ21でシール紙102のみを切断する加工が行われる。
【0027】
この加工を行うにあたっては、まず、プラテン10の後側から供給されたシート材100において最前列の作図領域を区画する作図データが印刷された部分が、プラテン10の上面10aに支持される。そして、これら最前列で左右に並ぶ加工対象に対して右端の加工対象から順に加工が行われる(図3のステップS1に相当)。最前列で左右に並ぶ全加工対象に対する加工が終了すると、送りローラ11が正方向に回転駆動され、加工済み部分がプラテン10から前方に送り出されるとともに、前から2列目の作図領域を区画する作図データが印刷された部分が後方から送られてプラテン10の上面10aに支持される(図3のステップS3に相当)。この2列目の加工対象に対し、上記同様に右側から順に加工が行われ、加工終了後に送りローラ11が正方向に回転駆動され、加工済み部分が送り出されて未加工部分が上面10aに支持される。以下、最後列の加工対象に対する加工が終了するまで、同様の作動が繰り返される。この作動は、作動制御装置50により駆動モータ51,52が駆動制御されて行われる。
【0028】
なお、各図柄に対する加工については、カッタ21を適宜上下させてシール紙102に対して離接させるとともに、シート材100をカッタ21に対して前後左右に相対移動させるため、送りローラ11が正逆方向に回転駆動されるとともにヘッド20が左右に駆動される。作動制御装置50は、シート材100の前後左右への相対移動を行わせるため、予め定めた順序にしたがって電動モータ51,52を駆動制御して送りローラ11およびヘッド20の作動制御を行う。
【0029】
次に、図3を参照して作動制御装置50により行われる巻取装置30等の作動制御方法について説明する。上記の通りある列で左右に並ぶ加工対象に対する加工処理(ステップS1)が終了すると、この左右方向への加工回数が予め定めた指定数に達したか否かが判断される(ステップS2)。指定数に達していないと判断されるときには、上記の通り上面10aに支持されている加工済み部分が前方に送り出されるとともに、次列の未加工部分が後方からプラテン10の上面10aに送られる(ステップS3)。次いで、全ての加工(すなわち、最後列の加工対象に対する加工)が終了したか否かが判断され(ステップS4)、終了したと判断された場合には、所定の終了処理を行って(ステップS5)、処理を終了する。終了していないと判断された場合には、ステップS1に戻って次列の加工対象に対する加工処理が行われる。
【0030】
ステップS2において指定数に達したと判断された場合には、下記ステップS11〜S15からなるシート巻取処理(ステップS10)が行われる。図3に示すように、このシート巻取処理を行っている間は加工処理が中断され、また、加工中には巻取装置30が停止されてシート巻取処理が行われないようになっている。なお、指定数に達するまでは、ステップS1〜S4を繰り返してシート材100の加工済み部分が前方に送り出され続けるが、この指定数は、前方に送り出されたシート材100が地面に付くことがないように設定されている。
【0031】
このシート巻取処理では、まず、電動モータ53を駆動して巻取装置30を作動させる(ステップS11)。指定数に達するまでは、ステップS3における加工済み部分を前方に送り出す処理が繰り返されるため、シート材100の加工済み部分が巻取装置30の下方に弛んだ状態になる。巻取装置30を作動させることにより、この弛んだ部分が巻取装置30に巻き取られ、送りローラ11および押えローラ12と巻取装置30との間において、シート材100の加工済み部分にテンションが作用した状態になる。
【0032】
そして、送りローラ11が正方向に回転駆動されてシート材100の加工済み部分が前方に送り出される(ステップS12)。ステップS3と同じ作動を行わせているが、このステップS12を行わせているときには、巻取装置30が継続して作動している。上記の通り、巻取装置30による巻取速度は送りローラ11による搬送速度よりも速く設定されているため、シート材の加工済み部分にテンションを作用させた状態で巻取装置30にシート材100を巻き取らせることができる。
【0033】
シート材100の加工済み部分が送り出されて次列の未加工部分が上面10aに支持されると、送りローラ11を停止させるとともに巻取装置30を停止させる(ステップS13)。ここで、ステップS11における巻取装置30の作動時間は、1列に並ぶ加工対象の前後方向長さ、ステップS2において指定される指定数、および、巻取速度に基づいて、作動制御装置50に予めその時間設定させておくことができ、特殊なセンサ等を用いた制御を必要としない。同様に、ステップS12において巻取装置30とともに作動する送りローラ11の作動時間やステップS3における送りローラ11の作動時間についても、1列に並ぶ加工対象の前後方向長さ、および、搬送速度に基づいて、作動制御装置50に予めその時間を設定させることができる。上記の通り、トルクリミッタ32の作用により、シート材100の加工済み部分にテンションが作用している状態で巻取装置30を作動させてもシート材100が巻取装置30側にスリップしないため、予め想定される長さだけシート材100を搬送すれば、次列の未加工部分を正確に上面10aに支持させた状態にすることができる。同様に、送りローラ11が停止した状態で巻取装置30を作動させてもシート材100が巻取装置30側にスリップしないため、ステップS13における巻取装置30の停止タイミングをシビアに設定する必要がなくなり、また、巻取軸31の制動応答性をシビアに設定する必要がなくなる。
【0034】
そして、送りローラ11が逆方向に回転駆動されてシート材100が所定の長さだけ後方に送られる(ステップS14)。上記の通り、巻取装置30が停止した状態で送りローラ11が逆方向に駆動されたときには、巻取軸31に巻き取られたシート材100についてもプラテン10側に繰り出されて戻される。これにより、プラテン10の上面10aに支持されていた次列の加工対象が設定されている部分が後方に送られる。
【0035】
さらに、送りローラ11が正方向に回転駆動されてシート材100が前方に送られる(ステップS15)。このときの搬送長さは、ステップS14における後方への搬送長さと同じ長さに設定されている。これにより、プラテン10の上面10aには、後方に送られた次列の加工対象が設定されている部分が、再びプラテン10の上面10aに支持された状態になる。また、プラテン10と巻取装置30との間で、ステップS14の搬送長さに応じてシート材100が僅かに弛む。ステップS14が終了するとステップS4に戻る。
【0036】
なお、ステップS4に戻り、さらに、ステップS1に戻って次列に左右に並ぶ加工対象に対する加工処理を行う前には、ステップS2において指定数と比較される蓄積させた加工数はリセットされる。すなわち、シート巻取処理(ステップS10)は、指定回数の加工が行われるたびに行われるようになっており、巻取装置30を停止させた状態で行われるカッタ21を用いた加工処理と、カッタ21をシート材100から上方に離隔させてヘッド20を停止させた状態で行われる巻取装置30を用いたシート巻取処理とが交互に行われる。
【0037】
このように、このカッティングプロッタCPにおいては、加工中(ステップS1)に巻取装置30を停止させ、巻取装置30の作動中(ステップS11)には加工を中断しているため、シート材100の加工済み部分に従来のようにテンションが作用しない。したがって、加工に際して送りローラ11を正逆方向に駆動してシート材100を前後に搬送してもその搬送速度を一定に保つことができる。
【0038】
また、巻取装置により加工済み部分を巻き取って巻取装置を停止させた(ステップS13)後に、シート材100を後方に搬送し(ステップS14)、さらに、前方に搬送する(ステップS15)ようになっており、ステップS1に戻って加工が再開される前に巻取装置30の下方に僅かにシート材100を弛ませるようになっている。これにより、例えば加工再開直後にシート材100を後方に搬送する必要があっても、シート材100に過大なテンションが作用するおそれがなく、加工時の搬送速度をより確実に一定に保つことができる。
【0039】
また、巻取装置30による巻取速度が送りローラ11による搬送速度よりも速くなるように構成し、巻取装置30を作動させながら上面10aに支持されたシート材100の加工済み部分を送り出すことにより(ステップS12)、送り出される加工済み部分にテンションをかけながら巻取装置30に巻き取らせることができる。これにより、シート材100が巻取装置30に巻き取られるときに左右に蛇行せず、シート材100を巻取装置30に正確に巻き付けることができる。
【0040】
これまで、本発明に係るカッティングプロッタについて説明したが、本発明は上記構成に限られるものではない。ステップS2の判断処理に用いる指定回数については、ステップS3においてシート材100の加工済み部分を前方に送り出した回数としてもよいし、左右方向への加工回数と前方に送り出した回数の両方を設定してもよい。
【0041】
なお、図4には、本発明に係るカッティングプロッタの変更構成例として第2のカッティングプロッタCP2を示している。このカッティングプロッタCP2は、図1に示すカッティングプロッタCPに設けられていた支持機構40を省略しており、替わりに、装置後方にインクジェットプロッタIPが備えられている。支持体1、プラテン10、ヘッド20、巻取装置30、各電動モータ51〜53については、上記カッティングプロッタCPと同様に構成されている。さらに、作動制御装置50についても、図3に示す処理を行うように構成されている。
【0042】
インクジェットプロッタIPは、カッティングプロッタCP,CP2と同様構成の支持体201、プラテン210、送りローラ211および押えローラ212を有して構成されている。プラテン210の上方には、左右に延びるガイドレール215が設けられており、このガイドレール215に沿ってインクジェットノズル221を内蔵したヘッド220が左右に移動可能に取り付けられている。また、支持体201には、プラテン210の後側下部に位置して、シート100を支持する支持機構240が後ブラケット204を介して固定されている。支持機構240は、カッティングプロッタCPと同様構成になっており、ロールされた無地のシート材100を支持可能になっている。
【0043】
このようなインクジェットプロッタIPによれば、支持機構240に支持された無地のシート材100が、送りローラ211の回転に応じて後側からプラテン210に供給され、プラテン210から前側に排出される。シート材100は、プラテン210通過時に、表面にヘッド220からインクが噴射され、図2に示すように作図データ111,111,…が印刷されるとともに、作図データ111,111,…により区画された作図領域の内部に所定の図柄が印刷される。
【0044】
カッティングプロッタCPおよびインクジェットプロッタIPは、それぞれの基台2a,202aに跨設された連結部材161を介して前後に連結され、これによりプラテン10,210の左右の中心が前後に整合される。そして、インクジェットプロッタIPのプラテン210の前方に送り出された印刷済みであって切断加工前のシート材100が、カッティングプロッタCP2のプラテン10に後側から供給される。それぞれの基台2a,202aには、前後水平に対向するフォトセンサ171a,171bが設けられている。カッティングプロッタCPおよびインクジェットプロッタIPは、発光側フォトセンサ171aから発光された検出光170がシート材100の印刷済み部分により常に遮られるように作動する。すなわち、シート材100の印刷済み部分は基台2a、202aの近くまで弛ませるようになっており、プラテン10,210の上面10a,210aに支持されたシート材100に過大なテンションが作用しないようになっている。カッティングプロッタCP2のプラテン10に送られたシート材100は、カッタ21による加工が行われて前方に送り出され、図3に示すシート巻取処理(ステップS10)が行われて巻取装置30に巻き取られる。
【0045】
このような装置構成としても、上記のカッティングプロッタCPと同様に、前後のシート搬送速度を一定に保つことができるとともに、シート材を蛇行させずに巻き取らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るカッティングプロッタの側面図である。
【図2】上記カッティングプロッタにより切断加工されるシート材を示しており、(a)がシート材の平面図、(b)がシート材の断面図である。
【図3】上記カッティングプロッタの加工時の処理内容を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係るカッティングプロッタの変更構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0047】
CP,CP2 カッティングプロッタ
10 プラテン(支持部材)
10a 上面(支持面)
11 送りローラ(挟持搬送機構)
12 押えローラ(挟持搬送機構)
15 ガイドレール(加工具移動機構)
20 ヘッド(加工具移動機構)
21 カッタ(加工具)
30 巻取装置
31 巻取軸
32 トルクリミッタ
40,240 支持機構
50 作動制御装置
100 シート材
【出願人】 【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟

【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之

【識別番号】100140800
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 丈世


【公開番号】 特開2008−6523(P2008−6523A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−177849(P2006−177849)