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バリカン - 特開2008−80111 | j-tokkyo
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【発明の名称】 バリカン
【発明者】 【氏名】福谷 誠

【氏名】生田 利夫

【要約】 【課題】刃体間の刃溝に導入された毛髪を刃溝の中程に誘導して毛髪が刃溝から抜け出ることを防止でき、可動刃の刃体の突出方向の全長に亘る部分で毛髪を効率良く切断でき且つ毛引きが発生することを防止できるバリカンを提供する。

【解決手段】刃体30を多数並設してなる櫛状の固定刃2及び可動刃3を重ねる。可動刃3を固定刃2に対して刃体30の並設方向に往復摺動して毛髪40を切断するバリカンである。可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31をく字状又は逆く字状に形成する。可動刃3の切刃部31における先側直線部35及び基側直線部36は固定刃2の刃体20の両側に形成した切刃部21に対して傾斜してこの間に鋭角なはさみ角αを形成する。可動刃3の切刃部31は先側直線部35及び基側直線部36の全長に亘って固定刃2と反対側の面が可動刃3の摺動方向に対して傾斜してこの間に鋭角なすくい角βを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃体を多数並設してなる櫛状の固定刃及び可動刃を重ねて、可動刃を固定刃に対して刃体の並設方向に往復摺動して毛髪を切断するバリカンにおいて、可動刃の各刃体の両側の切刃部を、刃体の先端から基端側に行く程刃体間の距離が長くなるように傾斜した先側直線部と、一端が先側直線部に接続されて該接続部分から刃体の基端側に行く程刃体間の距離が短くなるように傾斜した基側直線部とで構成し、該可動刃の切刃部における先側直線部及び基側直線部は固定刃の刃体の両側に形成した切刃部に対して傾斜してこの間に鋭角なはさみ角を形成し、且つ該可動刃の切刃部は先側直線部及び基側直線部の全長に亘って固定刃と反対側の面であるすくい面が可動刃の摺動方向に対して傾斜してこの間に鋭角なすくい角を形成することを特徴とするバリカン。
【請求項2】
上記はさみ角の角度αを0<α<40とすることを特徴とする請求項1に記載のバリカン。
【請求項3】
可動刃の各刃体の固定刃側の半部の両側に上記切刃部を形成すると共に、可動刃の各刃体の固定刃と反対側の半部の両側に切刃部のすくい面から立ち上げた立上面を形成し、可動刃の各刃体の両側の立上面を、刃体先端側の先側直線部に対応する位置にあって刃体の基端側に行く程刃体間の距離が長くなるように傾斜した先側テーパ面と、刃体基端側の基側直線部に対応する位置にあって刃体の基端側に行く程刃体間の距離が短くなるように傾斜した基側テーパ面と、先側テーパ面と基側テーパ面の中間に位置して先側テーパ面と基側テーパ面を接続する接続面とで構成し、該接続面を刃体の突出方向と略平行な平行面として成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバリカン。
【請求項4】
上記可動刃の各刃体の両側の切刃部のすくい角を20〜70°とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバリカン。
【請求項5】
刃体を多数並設してなる櫛状の固定刃及び可動刃を重ねて、可動刃を固定刃に対して刃体の並設方向に往復摺動して毛髪を切断するバリカンにおいて、可動刃の各刃体の固定刃側の半部の両側に切刃部を形成すると共に、可動刃の各刃体の固定刃と反対側の半部の両側に切刃部の固定刃と反対側の面であるすくい面から立ち上げた立上面を形成し、
前記可動刃の各刃体の両側の切刃部を、刃体の先端から基端側に行く程刃体間の距離が長くなるように傾斜した先側直線部と、一端が先側直線部に接続されて可動刃の突出方向と略平行な中間直線部と、一端が中間直線部に接続されて該接続部分から刃体の基端側に行く程刃体間の距離が短くなるように傾斜した基側直線部とで構成し、
該可動刃の切刃部における先側直線部及び基側直線部は固定刃の刃体の両側に形成した切刃部に対して傾斜してこの間に鋭角なはさみ角を形成し、且つ該可動刃の切刃部は先側直線部及び中間直線部及び基側直線部の全長に亘ってすくい面が可動刃の摺動方向に対して傾斜してこの間に鋭角なすくい角を形成し、
前記可動刃の各刃体の両側の立上面を、刃体先端側の先側直線部に対応する位置にあって刃体の基端側に行く程刃体間の距離が長くなるように傾斜した先側テーパ面と、刃体基端側の基側直線部に対応する位置にあって刃体の基端側に行く程刃体間の距離が短くなるように傾斜した基側テーパ面と、先側テーパ面と基側テーパ面の中間で且つ中間直線部に対応する位置にあって先側テーパ面と基側テーパ面を接続する接続面とで構成し、該接続面を刃体の突出方向と略平行な平行面とすることを特徴とするバリカン。
【請求項6】
刃体を多数並設してなる櫛状の固定刃及び可動刃を重ねて、可動刃を固定刃に対して刃体の並設方向に往復摺動して毛髪を切断するバリカンにおいて、可動刃の各刃体の固定刃側の半部の両側に切刃部を形成すると共に、可動刃の各刃体の固定刃と反対側の半部の両側に切刃部の固定刃と反対側の面であるすくい面から立ち上げた立上面を形成し、
前記可動刃の各刃体の両側の切刃部を、刃体の先端から基端側に行く程刃体間の距離が長くなるように傾斜した先側直線部と、一端が先側直線部に接続されて刃体の幅方向内側に向かって突となる弧状の中間弧状部と、一端が中間弧状部に接続されて該接続部分から刃体の基端側に行く程刃体間の距離が短くなるように傾斜した基側直線部とで構成し、
該可動刃の切刃部における先側直線部及び基側直線部は固定刃の刃体の両側に形成した切刃部に対して傾斜してこの間に鋭角なはさみ角を形成し、且つ該可動刃の切刃部は先側直線部及び中間弧状部及び基側直線部の全長に亘ってすくい面が可動刃の摺動方向に対して傾斜してこの間に鋭角なすくい角を形成し、
前記可動刃の各刃体の両側の立上面を、刃体先端側の先側直線部に対応する位置にあって刃体の基端側に行く程刃体間の距離が長くなるように傾斜した先側テーパ面と、刃体基端側の基側直線部に対応する位置にあって刃体の基端側に行く程刃体間の距離が短くなるように傾斜した基側テーパ面と、先側テーパ面と基側テーパ面の中間で且つ中間弧状部に対応する位置にあって先側テーパ面と基側テーパ面を接続する刃体の幅方向内側に向かって突となる弧状の弧状接続面とで構成することを特徴とするバリカン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は固定刃に対して可動刃を往復摺動させて毛髪を切断するバリカンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から刃体を多数並設してなる櫛状の固定刃及び可動刃を重ね、可動刃を固定刃に対して刃体の並設方向に往復摺動して毛髪を切断するバリカンが知られている。
【0003】
一般的な可動刃3の刃体30は図13に示すように先細状に形成してあるが、この可動刃3を固定刃に対して摺動した場合、図中の矢印に示すように刃体30間の刃溝32に導入された毛髪40が刃溝32の開口から抜け出てしまい、毛髪40を効率良く切断できない。
【0004】
また例えば特許文献1では固定刃及び可動刃の夫々の刃体間に円形の刃溝を形成してあり、このものは刃体間に形成される刃溝の溝幅が中間から奥側及び開口側に行く程小さくなるので、刃溝に導入された毛髪を刃溝の中央に誘導して上記刃溝の開口から毛髪が抜け出すことは防止できる。しかし特許文献1の刃体の両側に形成された切刃部は弧状に形成してあるため、このような弧状の切刃部で毛髪を挟み込んだ場合、可動刃の切刃部と固定刃の切刃部とでなすはさみ角が刃体の突出方向において変化し、毛髪の切断に有効である鋭角なはさみ角を得ることができない。
【0005】
また特許文献1には変形例として刃体の側縁をく字状又は逆く字状に形成したものが図示されているが、該刃体の切刃部やすくい角についての記載はない。
【特許文献1】特開2000−308768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、刃体間の刃溝に導入された毛髪を刃溝の中程に誘導して毛髪が刃溝から抜け出ることを防止でき、可動刃の刃体の突出方向の全長に亘る部分で毛髪を効率良く切断でき且つ毛引きが発生することを防止できるバリカンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1のバリカンは、刃体20、30を多数並設してなる櫛状の固定刃2及び可動刃3を重ねて、可動刃3を固定刃2に対して刃体30の並設方向に往復摺動して毛髪40を切断するバリカンにおいて、可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31を、刃体30の先端から基端側に行く程刃体30間の距離が長くなるように傾斜した先側直線部35と、一端が先側直線部35に接続されて該接続部分から刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が短くなるように傾斜した基側直線部36とで構成し、該可動刃3の切刃部31における先側直線部35及び基側直線部36は固定刃2の刃体20の両側に形成した切刃部21に対して傾斜してこの間に鋭角なはさみ角αを形成し、且つ該可動刃3の切刃部31は先側直線部35及び基側直線部36の全長に亘って固定刃2と反対側の面であるすくい面が可動刃3の摺動方向に対して傾斜してこの間に鋭角なすくい角βを形成することを特徴とする。
【0008】
このように可動刃3の切刃部31をく字状又は逆く字状に形成することで、刃体30間に形成される刃溝32の溝幅を中間から奥側及び開口側に行く程小さくでき、これにより刃溝32に導入された毛髪40を刃溝32の溝幅の大きな中程に誘導できる。また可動刃3の切刃部31は、刃体30の先端側の先側直線部35も刃体30の基端側の基側直線部36も共に固定刃2の切刃部31に対して傾斜した鋭角なはさみ角αを有するので、可動刃3の刃体30の突出方向Yの全長に亘る部分で毛髪40を効率良く切断できる。またこの場合、可動刃3の切刃部31の先端部は先側直線部35及び基側直線部36の全長に亘って鋭角なすくい角βを有しているので、毛髪40が可動刃3の切刃部31に引っ張られて毛引きが発生することを可動刃3の刃体30の突出方向Yの全長に亘る部分で防止できる。
【0009】
また、上記はさみ角の角度αを0<α<40とすることも好ましい。
【0010】
また、可動刃3の各刃体30の固定刃2側の半部の両側に上記切刃部31を形成すると共に、可動刃3の各刃体30の固定刃2と反対側の半部の両側に切刃部31のすくい面37から立ち上げた立上面38を形成し、可動刃3の各刃体30の両側の立上面38を、刃体30先端側の先側直線部35に対応する位置にあって刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が長くなるように傾斜した先側テーパ面41と、刃体30基端側の基側直線部36に対応する位置にあって刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が短くなるように傾斜した基側テーパ面42と、先側テーパ面41と基側テーパ面42の中間に位置して先側テーパ面41と基側テーパ面42を接続する接続面43とで構成し、該接続面43を刃体30の突出方向Yと略平行な平行面とすることが好ましい。
【0011】
この場合、各刃体30の固定刃2と反対側の半部の両側面をすくい面37から立ち上げた立上面38とすることで、刃体30の断面積が増して刃体30の剛性が増す。また、先側テーパ面41と基側テーパ面42を接続する突出方向Yと略平行な接続面43を有することで、両側の切刃部31をく字状又は逆く字状としたことで、幅が短くなった刃体30の基先方向における中間部の固定刃2と反対側の半部の幅寸法Aを長くでき、同部の剛性を高めることができ、尚且つ、刃体30の先端の幅寸法Bを短くでき、これにより刃体30間に形成される刃溝32に毛髪を導入しやすくなる。さらには先側テーパ面41と基側テーパ面42の間にカットされた毛髪が密集してカット時において毛髪が飛散することを防止できるといった効果もある。
【0012】
また、上記可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31のすくい角βを20〜70°とすることが好ましい。すくい角βを20°以上とすることで、可動刃3を固定刃2との摺動面となる側から切削加工するものにおいては、この際の切削量にばらつきが生じたとしてもすくい面37の面積の増減量を抑えることができ、すくい面37の面積を一定にできる。また、すくい角βを70°以下とすることで、切刃部31のエッジを確保でき、また、立上面38の高さDを長くできて一層剛性を高めることができる。
【0013】
また、請求項5のバリカンは、刃体20、30を多数並設してなる櫛状の固定刃2及び可動刃3を重ねて、可動刃3を固定刃2に対して刃体30の並設方向に往復摺動して毛髪を切断するバリカンにおいて、可動刃3の各刃体30の固定刃2側の半部の両側に切刃部31を形成すると共に、可動刃3の各刃体30の固定刃2と反対側の半部の両側に切刃部31の固定刃2と反対側の面であるすくい面37から立ち上げた立上面38を形成し、前記可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31を、刃体30の先端から基端側に行く程刃体30間の距離が長くなるように傾斜した先側直線部35と、一端が先側直線部35に接続されて可動刃3の突出方向Yと略平行な中間直線部44と、一端が中間直線部44に接続されて該接続部分から刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が短くなるように傾斜した基側直線部36とで構成し、該可動刃3の切刃部31における先側直線部35及び基側直線部36は固定刃2の刃体20の両側に形成した切刃部21に対して傾斜してこの間に鋭角なはさみ角αを形成し、且つ該可動刃3の切刃部31は先側直線部35及び中間直線部44及び基側直線部36の全長に亘ってすくい面37が可動刃3の摺動方向に対して傾斜してこの間に鋭角なすくい角βを形成し、前記可動刃3の各刃体30の両側の立上面38を、刃体30先端側の先側直線部35に対応する位置にあって刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が長くなるように傾斜した先側テーパ面41と、刃体30基端側の基側直線部36に対応する位置にあって刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が短くなるように傾斜した基側テーパ面42と、先側テーパ面41と基側テーパ面42の中間で且つ中間直線部44に対応する位置にあって先側テーパ面41と基側テーパ面42を接続する接続面43とで構成し、該接続面43を刃体30の突出方向Yと略平行な平行面とすることを特徴とする。
【0014】
上記構成により、請求項1のバリカンと同様の効果が得られると共に、可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31が中間直線部44を有することで、中間直線部44で構成される先側直線部35と基側直線部36の接続部分におけるすくい面37の幅C2を長くでき、先側直線部35と基側直線部36の接続部分を構成する中間直線部44において切刃部31を毛髪に充分に食い込ませた状態で毛髪を確実に切断できる。
【0015】
また、請求項6のバリカンは、刃体20、30を多数並設してなる櫛状の固定刃2及び可動刃3を重ねて、可動刃3を固定刃2に対して刃体30の並設方向に往復摺動して毛髪を切断するバリカンにおいて、可動刃3の各刃体30の固定刃2側の半部の両側に切刃部31を形成すると共に、可動刃3の各刃体30の固定刃2と反対側の半部の両側に切刃部31の固定刃2と反対側の面であるすくい面37から立ち上げた立上面38を形成し、前記可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31を、刃体30の先端から基端側に行く程刃体30間の距離が長くなるように傾斜した先側直線部35と、一端が先側直線部35に接続されて刃体30の幅方向内側に向かって突となる弧状の中間弧状部45と、一端が中間弧状部45に接続されて該接続部分から刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が短くなるように傾斜した基側直線部36とで構成し、該可動刃3の切刃部31における先側直線部35及び基側直線部36は固定刃2の刃体20の両側に形成した切刃部21に対して傾斜してこの間に鋭角なはさみ角αを形成し、且つ該可動刃3の切刃部31は先側直線部35及び中間弧状部45及び基側直線部の全長に亘ってすくい面37が可動刃3の摺動方向に対して傾斜してこの間に鋭角なすくい角βを形成し、前記可動刃3の各刃体30の両側の立上面38を、刃体30先端側の先側直線部35に対応する位置にあって刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が長くなるように傾斜した先側テーパ面41と、刃体30基端側の基側直線部36に対応する位置にあって刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が短くなるように傾斜した基側テーパ面42と、先側テーパ面41と基側テーパ面42の中間で且つ中間弧状部45に対応する位置にあって先側テーパ面41と基側テーパ面42を接続する刃体30の幅方向内側に向かって突となる弧状の弧状接続面46とで構成することを特徴とする。
【0016】
上記構成により、請求項1と同様の効果が得られると共に、可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31が中間弧状部45を有することで、中間弧状部45で構成される先側直線部35と基側直線部36の接続部分におけるすくい面37の幅C2を長くでき、先側直線部35と基側直線部36の接続部分を構成する中間弧状部45において切刃部31を毛髪に充分に食い込ませた状態で毛髪を確実に切断できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、刃体間の刃溝に導入された毛髪を刃溝の中程に誘導して毛髪が刃溝から抜け出ることを防止でき、可動刃の刃体の突出方向の全長に亘る部分で毛髪を効率良く切断でき且つ毛引きが発生することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。本発明の実施形態における一例のバリカンは、図2に示すような把持部を兼ねた細長形状の本体部1の長手方向先端(図2では上端)に、固定刃2と可動刃3とを有する刃ブロック4を装着し、本体部1内に配してあるモータ5を駆動源として刃ブロック4の可動刃3を固定刃2に対して本体部1の短手方向(図2(b)中の左右方向)に往復摺動させることで、固定刃2先端の刃溝22内に導入した毛髪40を可動刃3との間で挟み込んで切断するものである。
【0019】
図3に示すように本体部1は、片手で把持し得る側面視略S字状の外殻を成す本体ハウジング6内に、充電池7と、充電池7により電力を供給されて往復駆動されるモータ5と、モータ5の往復駆動力を図中上端側に伝達する動力伝達機構8と、動力伝達機構8により往復駆動される出力軸9と、外部に露出させてある操作スイッチ10の押込み操作に応じてモータ5への電力供給を制御する制御部11とを具備している。出力軸9は、刃ブロック4に備えてある後述の案内板17と連結するように本体ハウジング6から図中上方に突出してある。また、本体ハウジング6外面における操作スイッチ10の図中上方部分には、刈り高さ調整用のダイヤル13を回動自在に配設してあり、本体ハウジング6内にはダイヤル13の正逆回転と連動して刃ブロック4に備えてある後述の切替レバー19を起倒操作する伝達機構15を備えている。
【0020】
図4には刃ブロック4の全体斜視図、図5には図4の要部拡大図、図6には刃ブロック4の分解斜視図を示している。刃ブロック4は、両側に切刃部21を有する先細状の刃体20を多数並設して成る櫛状の固定刃2と、同じく両側に切刃部31を有する刃体30を多数並設して成る櫛状の可動刃3と、固定刃2に係合させるためのフック16aを有して該フック16aにより固定刃2を固定する固定板16と、可動刃3に係合させるためのフック17aを有して該フック17a及びヒートシールにより可動刃3を固定する案内板17と、可動刃3を固定刃2側に押し付ける付勢力を与えるような弾性変形状態で固定板16と案内板17との間に配されるコイル状の押上ばね18と、固定板16に形成してある半円溝部16bに枢支される円柱部19aを有して該円柱部19aを中心として固定板16上に起倒自在に配されると共に、押上ばね18のコイル部分が嵌合配置されることで該押上ばね18により倒伏姿勢側に付勢される切替レバー19とを具備し、押上ばね18の付勢力に抗して切替レバー19を起立姿勢側に回動操作すれば押上ばね18及び案内板17を介して、可動刃3が固定刃2に対して押圧状態を保持しながら刃体20,30の突出方向Y(図1参照)に向けてスライドするようになっている。
【0021】
切替レバー19の起倒操作は伝達機構15で為される。つまりダイヤル13の回転位置を所定の正方向に移動させると伝達機構15を介して切替レバー19が押上ばね18の付勢力に抗して起立姿勢に向けて回動され、これにより可動刃3はその刃体30の先端が固定刃2の刃体20の先端に接近するようにスライドする。そしてダイヤル13の回転位置を逆方向に移動させると切替レバー19は押上ばね18の付勢力により倒伏姿勢に向けて回動し、可動刃3はその刃体30の先端が固定刃2の刃体20の先端から離れるようにスライドする。固定刃2の刃体20は肉厚が突出方向Yに沿って変化するように側面視尖鋭形状に形成してあるから、上記の如く固定刃2に対する可動刃3のスライド位置を変更することで毛髪40の刈り高さを調整できる。
【0022】
図1及び図5に示すように固定刃2の各刃体20の先端部は可動刃3の各刃体30よりも突出し、該先端部よりも基端側部分の両側には突出方向Yと略平行な一直線状の切刃部21を形成している。なお図示例の切刃部21は刃体20間に形成される刃溝22の幅が基部側程狭くなるよう突出方向Yに対して若干傾斜している。また固定刃2の各刃体20の先端部の両側面は刃体20間の距離が刃体20の先端側程長くなるように切刃部21よりも大きな傾斜角で突出方向Yに対して傾斜しており、該先端部は毛髪40を刃溝22にスムーズに導入するためのガイド部12となっている。
【0023】
一方、上記固定刃2に重ねられる可動刃3の各刃体30は固定刃2の刃体20と略同一方向に突出し、各刃体30の両側に形成した切刃部31は各刃体30の突出方向Yの全長に亘って形成されている。可動刃3の各刃体30は先端側程幅を徐々に広くした正面視等脚台形状の先部33と、基端側程幅を徐々に広くした正面視等脚台形状の基部34で構成してある。従って刃体30の固定刃2側部分の両側に形成した切刃部31は、先部33の両側に形成した切刃部、即ち刃体30の先端から基端側に行く程刃体30間の距離(即ち刃溝32の幅)が長くなるように傾斜した図中35に示す先側直線部と、基部34の両側に形成した切刃部、即ち先側直線部35の刃体30の基端側に連続して接続されて該接続部分から刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が短くなるように傾斜した図中36に示す基側直線部とで構成され、各切刃部31は直線状の先側直線部35及び基側直線部36で正面視く字状又は逆く字状に形成されている。なお、く字状又は逆く字状には、屈曲部分に第三面を設けること、即ち先側直線部35及び基側直線部36の各切刃部31間にこれらとは異なる角度の傾斜面や、突出方向Yと平行な面を設けることも含まれる。
【0024】
各刃体30の両側の切刃部31の先側直線部35及び基側直線部36はこれらと挟み切りを行う固定刃2の直線状の切刃部31に対して傾斜してこの間に鋭角なはさみ角αを形成している。はさみ角αは固定刃2の切刃部21の先端縁と可動刃3の切刃部31の先端縁とでなす角度であるが、この角度αは先側直線部35においても基側直線部36においても共に0<α<40の範囲に設定されている。なおこのはさみ角αの範囲は実験により求めた図7のはさみ角αと毛髪40の切断本数との関係から導き出した最適値である。また同図より、最大切断本数の8割以上に当たる好ましい範囲は11°〜30°であり、略最大切断本数を達成できる、より好ましい範囲は16°〜23°である。
【0025】
また可動刃3の各切刃部31は先側直線部35及び基側直線部36の全長に亘って、固定刃2と反対側の面が可動刃3の摺動方向に対して傾斜してこの間に鋭角なすくい角βを形成してあり、各切刃部31の固定刃2と反対側の面(上側の非当接面)は切刃部31の先端側に行く程固定刃2側に位置するように傾斜したすくい面37となっている。なお可動刃3の各刃体30の切刃部31よりも固定刃2と反対側部分の両側面は固定刃2との摺動面に対して略垂直な面となっており、刃体30の断面形状は固定刃2側の半部(上半分)が台形で反対側の半部(下半分)が矩形となっている。
【0026】
上記バリカンは各刃体30の両側の切刃部31をく字状又は逆く字状に形成してあるので、毛髪40を切断する際には図8に示すように可動刃3の各刃溝32に導入された毛髪40を溝幅の大きな刃溝32の中程に誘導できて刃溝32に導入された毛髪40が抜け出ることを防止できる。また可動刃3の各切刃部31は全長に亘って固定刃2の刃体20の両側に形成した切刃部21に対して傾斜してこの間に鋭角なはさみ角αを形成しているので、可動刃3の刃体30の突出方向Yの全長に亘る部分で毛髪40を効率良く切断できる。また例えば図14の参考例に示すように切刃部31に鋭角なすくい角βを設けず、すくい面37を形成しない場合には、毛髪40を切断する際に毛髪40が可動刃3に引っ張られて毛引きが発生する恐れがあるが、本発明では可動刃3の各切刃部31は全長に亘って固定刃2と反対側の面が可動刃3の摺動方向に対して傾斜してこの間に鋭角なすくい角βを形成することで、各切刃部31の全長に亘って毛髪をすくうすくい面37を形成してあるので、毛髪40が可動刃3の切刃部31に引っ張られて毛引きが発生することを可動刃3の刃体30の突出方向Yの全長に亘る部分で防止できる。
【0027】
次に他例のバリカンについて説明する。なお以下の説明では一例のバリカンと同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0028】
図9及び図10に示すように、本例のバリカンの可動刃3の各刃体30は、固定刃2側の半部の両側に上記切刃部31を形成すると共に、固定刃2と反対側の半部の両側に切刃部31のすくい面37から立ち上げた立上面38を形成してある。このように各刃体30の固定刃2と反対側の半部の両側面をすくい面37から立ち上げた立上面38とすることで、刃体30の厚み方向の全長に亘って切刃部31を設けたものと比較して、刃体30の断面積が増して刃体30の剛性が増す。
【0029】
上記各刃体30の両側の切刃部31は、直線状の先側直線部35と一端が先側直線部35に接続された直線状の基側直線部36とでく字状又は逆く字状に形成してあり、また、刃体30の突出方向Yの全長に亘ってすくい角βを一定とすると共に20〜70°の範囲に設定している。
【0030】
また、各刃体30の両側のすくい面37の固定刃2と反対側の端から立ち上げた立上面38は可動刃3と固定刃2の摺動面に対して略垂直な面となっている。各刃体30の両側の立上面38は、刃体30先端側の先側直線部35に対応する位置にあって刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が長くなるように傾斜した先側テーパ面41と、刃体30基端側の基側直線部36に対応する位置にあって刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が短くなるように傾斜した基側テーパ面42と、先側テーパ面41と基側テーパ面42の中間に位置して一端が先側テーパ面41に接続されると共に他端が基側テーパ面42に接続される接続面43とで構成してある。先側テーパ面41及び基側テーパ面42の夫々は先側直線部35の刃先縁及び基側直線部36の刃先縁と平行となり、また、立上面38の接続面43は刃体30の突出方向Yと平行な直線状の平行面となっている。
【0031】
このように先側テーパ面41と基側テーパ面42を接続する突出方向Yと平行な接続面43を有することで、図15(a)に示す比較例の立上面38をく字状又は逆く字状とした刃体30と比較して、両側の切刃部31がく字状又は逆く字状としたことで幅が短くなった刃体30の基先方向における中間部の固定刃2と反対側の半部の幅寸法Aを長くでき、同部の剛性を高めることができる。また、剛性を確保するために図15(a)に示す刃体30の幅寸法Aを図15(b)に示すように長くしたものと比較した場合には、刃体30の先端の幅寸法Bを短くでき、これにより刃体30間に形成される刃溝32に毛髪を導入しやすくなる。さらには先側テーパ面41と基側テーパ面42の間にカットされた毛髪が密集してカット時において毛髪が飛散することを防止できるといった効果もある。
【0032】
また、各刃体30の両側の切刃部31のすくい角βを20°以上とすることで、可動刃3を固定刃2との摺動面となる側から切削加工するものにおいては、この際の切削量にばらつきが生じたとしてもすくい面37の面積の増減量を抑えることができ、すくい面37の面積を一定にできる。また、すくい角βを70°以下とすることで、切刃部31のエッジを確保でき、また、立上面38の高さDを長くできて一層剛性を高めることができる。なお、本例と同様に図1に示すバリカンの可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31のすくい角βを20〜70°の範囲に設定しても良いものとする。
【0033】
次に更に他例のバリカンについて説明する。なお以下の説明では図9に示す他例のバリカンと同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0034】
図11(a)に示すように、本例のバリカンは、可動刃3の各刃体30の先部33及び基部34を接続する正面視方形状の中間部39を備えている。そして、可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31を、刃体30の先端から基端側に行く程刃体30間の距離が長くなるように傾斜した先側直線部35と、中間部39の両側に位置して一端が先側直線部35に接続されて可動刃3の突出方向Yと平行な中間直線部44と、一端が中間直線部44に接続されて該接続部分から刃体30の基端側に行く程刃体30間の距離が短くなるように傾斜した基側直線部36とで構成してあり、立上面38の中間部を構成する接続面43は中間直線部44に対応する位置にある。また、各刃体30の両側の切刃部31はすくい角βを20〜70°の範囲に設定している。
【0035】
このように可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31が中間直線部44を有することで、図11(b)に示す他例の刃体30と比較して、中間直線部44で構成される先側直線部35と基側直線部36の接続部分におけるすくい面37の幅C2を長くでき、先側直線部35と基側直線部36の接続部分を構成する中間直線部44において切刃部31を毛髪に充分に食い込ませた状態で毛髪を確実に切断できる。また、例えば各切刃部31の刃体30の突出方向Yの全長に亘ってすくい角βを一定にすることで、先側直線部35、中間直線部44、基側直線部36の夫々のすくい面37の幅C1、C2、C3を、切刃部31の先側直線部35、中間直線部44、基側直線部36の全長に亘って一定としたり(C1=C2=C3)、先側直線部35及び基側直線部36のすくい角βよりも中間直線部44のすくい角βを鋭角にして、先側直線部35及び基側直線部36のすくい面37の幅C1、C3よりも中間直線部44のすくい面37の幅を長くする(C1=C3<C2)等して、中間直線部44のすくい面37の幅C2を長くすることも可能となる。
【0036】
なお、図9や図11(a)のバリカンにおける中間直線部44や立上面38の接続面43は厳密に刃体30の突出方向Yと平行である必要はなく、刃体30の突出方向Yに対して傾斜する先側直線部35の傾斜角度及び基側直線部36の傾斜角度や、先側テーパ面41の傾斜角度及び基側テーパ面42の傾斜角度よりも傾斜角度が小さいものであれば、刃体30の突出方向Yに対してわずかに傾斜していても良く、即ち立上面38の接続面43は刃体30の突出方向Yと略平行であれば良いものとする。
【0037】
次に更に他例のバリカンについて説明する。なお以下の説明では図11(a)に示す他例のバリカンと同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0038】
図12に示すように、本例のバリカンは、可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31における中間直線部44を刃体30の幅方向内側に向かって突となる弧状の中間弧状部45としてあり、中間弧状部45の一端が先側直線部35に接続され、基側直線部36の一端が中間弧状部45に接続され、先側直線部35と基側直線部36を弧状の中間弧状部45を介して接続している。また、各刃体30の両側の立上面38の接続面43は刃体30の幅方向内側に向かって突となる弧状の弧状接続面46としてあり、該弧状接続面46は中間弧状部45の刃先縁と平行で刃体30の突出方向Yと略平行な面となっている。また、各刃体30の両側の切刃部31はすくい角βを20〜70°の範囲に設定している。
【0039】
このように、先側テーパ面41と基側テーパ面42を接続する突出方向Yと略平行な弧状接続面46を有することで、図9や図11(a)に示すバリカンにおいて、先側テーパ面41と基側テーパ面42を接続する突出方向Yと平行な接続面43を有することから奏し得る効果と同様の効果を得ることができる。
【0040】
また、可動刃3の各刃体30の両側の切刃部31が中間弧状部45を有することで、図11(a)に示す他例のバリカンにおいて、中間直線部44を有することから奏し得る効果と同様の効果を得ることができる。即ち、中間弧状部45を有することで、図11(b)に示す他例の刃体30と比較して、中間弧状部45で構成される先側直線部35と基側直線部36の接続部分におけるすくい面37の幅C2を長くでき、先側直線部35と基側直線部36の接続部分を構成する中間弧状部45において切刃部31を毛髪に充分に食い込ませた状態で毛髪を確実に切断できる。また、例えば各切刃部31の刃体30の突出方向Yの全長に亘ってすくい角βを一定にすることで、先側直線部35、中間弧状部45、基側直線部36の夫々のすくい面37の幅C1、C2、C3を、切刃部31の先側直線部35、中間弧状部45、基側直線部36の全長に亘って一定としたり(C1=C2=C3)、先側直線部35及び基側直線部36のすくい角βよりも中間直線部44のすくい角を鋭角にして、先側直線部35及び基側直線部36のすくい面37の幅C1、C3よりも中間直線部44のすくい面37の幅を長くする(C1=C3<C2)等して、中間弧状部45のすくい面37の幅C2を長くすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、刃ブロックの要部拡大正面図である。
【図2】同上のバリカン全体を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図3】同上のバリカンの断面図である。
【図4】同上の刃ブロックの全体斜視図である。
【図5】同上の刃ブロックの要部拡大斜視図である。
【図6】同上の刃ブロックの分解斜視図である。
【図7】はさみ角と毛髪の切断本数との関係を示すグラフである。
【図8】可動刃の刃部により毛髪が刃溝の中程に誘導される様子を示す説明図である。
【図9】他例のバリカンの要部拡大斜視図である。
【図10】同上の正面図である。
【図11】(a)は更に他例のバリカンの可動刃の刃体の説明図であり、(b)は図9に示すバリカンの可動刃の刃体を示す説明図である。
【図12】更に他例のバリカンの可動刃の刃体の説明図である。
【図13】従来のバリカンにおいて、可動刃の刃部により毛髪が刃溝から抜け出す様子を示す説明図である。
【図14】すくい面を形成していない刃部を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図15】(a)比較例の刃体を示す説明図であり、(b)は他の比較例の刃体を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
α はさみ角
β すくい角
2 固定刃
3 可動刃
20 刃体
21 切刃部
30 刃体
31 切刃部
35 先側直線部
36 基側直線部
37 すくい面
38 立上面
40 毛髪
41 先側テーパ面
42 基側テーパ面
43 接続面
44 中間直線部
45 中間弧状部
46 弧状接続面46
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成19年8月28日(2007.8.28)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清

【識別番号】100085604
【弁理士】
【氏名又は名称】森 厚夫


【公開番号】 特開2008−80111(P2008−80111A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2007−221825(P2007−221825)