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【発明の名称】 小形電気機器のスイッチ構造
【発明者】 【氏名】西本 裕章

【要約】 【課題】ロック状態を確実に維持できるにもかかわらず、使用者の明確な意図の許にロック解除操作するときはスイッチノブをオン位置側へ軽快に切り換えることができる、使い勝手に優れた小形電気機器のスイッチ構造を提供する。

【解決手段】スイッチノブ5と、節度ピース24と、外殻壁1dと節度ピース24との間に設けられるロック構造と、ロック構造をロック解除操作するロック解除体25と、スイッチ構造の終段に設けられるスイッチ端子27などを含む。ロック構造は、外殻壁1dに形成されるロック段部47と、節度ピース24の側に設けられるロック爪44とで構成する。節度ピース24の面壁に両持ち支持される弾性アーム35を設ける。弾性アーム35のオン位置側の端部寄りに前記ロック爪44を設け、ロック爪44よりオフ位置側の弾性アーム35の中途部にロック解除体25を接当させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケース(1)の外殻壁(1d)の外面に設けられて往復スライドするスイッチノブ(5)と、外殻壁(1d)の内面に配置されてスイッチノブ(5)と同行移動する節度ピース(24)と、外殻壁(1d)と節度ピース(24)との間に設けられるロック構造と、スイッチノブ(5)に組み込まれてロック構造をロック解除操作するロック解除体(25)と、節度ピース(24)のスライド動作を受け継いで切り換え操作されるスイッチ端子(27)とを含むスイッチ構造であって、
ロック構造が、外殻壁(1d)の内面に形成されるロック段部(47)と、節度ピース(24)の側に設けられてロック段部(47)でスライド不能に受け止められるロック爪(44)とで構成されており、
節度ピース(24)の面壁に両持ち支持される弾性アーム(35)が設けられており、
弾性アーム(35)のオン位置側の端部寄りに前記ロック爪(44)が設けられ、ロック爪(44)よりオフ位置側の弾性アーム(35)の中途部にロック解除体(25)が接当している小形電気機器のスイッチ構造。
【請求項2】
節度ピース(24)と、節度ピース(24)の内面に対向する固定壁(1a)との間に、オフ位置、および少なくともひとつのオン位置において弾性係合して、節度ピース(24)およびスイッチノブ(5)を位置保持する節度構造が設けられており、
節度構造が、節度ピース(24)の側に設けられて、同ピース(24)の厚み方向へ弾性変形する節度アーム(38)と、節度アーム(38)と対向する固定壁(1a)に設けられる節度ベース(51)と、節度アーム(38)および節度ベース(51)の接合面に設けられて、互いに凹凸係合する第1位置決め体(52)と第2位置決め体(53)とで構成してある請求項1記載の小形電気機器のスイッチ構造。
【請求項3】
節度ピース(24)の面壁に両持ち支持される弾性アーム(35)が設けられており、
弾性アーム(35)の、少なくともオフ位置側のアーム基端の左右両側に、左右一対の節度アーム(38)が配置してある請求項2記載の小形電気機器のスイッチ構造。
【請求項4】
節度ピース(24)の面壁に外郭壁(1d)と接当する複数個のスライド突起(37)が突設されており、
スライド突起(37)によって、節度ピース(24)と外郭壁(1d)との間に節度アーム(38)の弾性変形を許す動作隙間(E)が確保してある請求項2または3記載の小形電気機器のスイッチ構造。
【請求項5】
スイッチ構造が、スイッチノブ(5)と、ロック解除体(25)と、スイッチノブ(5)と同行移動する節度ピース(24)と、ロック構造と、節度ピース(24)のスライド動作を受け継いで揺動動作に変換する変換レバー(26)と、変換レバー(26)で切り換え操作されるスイッチ端子(27)を含み、
スイッチ端子(27)が変換レバー(26)に対して、変換レバー(26)の揺動動作に同行して往復揺動できるよう連動連結してある請求項1から4のいずれかに記載の小形電気機器のスイッチ構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電気かみそりやバリカンなどの小形電気機器に適用されるスイッチ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明のスイッチ構造に関して特許文献1が公知である。そこでは電気かみそりの本体ケース(またはスイッチパネル)の内外に配置されるスイッチノブとロック体を兼ねる節度ピース、およびスイッチノブに組み付けられて、節度ピースをロック解除操作するロック解除ボタンなどでスイッチ構造を構成している。スイッチノブがオフ位置にあるときは、節度ピースに設けた係合部が本体ケースの内面に設けた係合段部で受け止められて、スイッチノブのオン位置側へのスライド切り換えが規制されており、ロック解除ボタンを押し込み操作して係合部と係合段部との係合を解除すると、スイッチノブをオン位置へ切り換えることができる。
【0003】
本発明においては、スイッチ構造周辺部の防水化を実現するために、節度ピースのスライド動作を変換レバーで往復回動動作に変換し、変換レバーのレバー軸の変位動作によってスイッチ端子を切り換え操作するが、このように、スイッチノブのスライド動作を変換レバーで変換する形態のスイッチ構造は特許文献2に公知である。そこでは、節度ピースのスライド動作を変換レバーで往復回動動作に変換し、変換レバーと同行揺動する内操作レバーでスイッチ端子をスライド操作している。つまり、スライド−揺動―揺動−スライドの順に動作変換を行っている。
【0004】
【特許文献1】特公平2−48268号公報(第3頁左欄6〜26行、第1図)
【特許文献2】特開2002−369982号公報(段落番号0028、図13)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のスイッチ構造によれば、ロック解除ボタンを押し込み操作しない限りはスイッチノブをオフ位置からオン位置側へ切り換え操作できない。しかし、片持ち支持した弾性アームの先端にロック構造の係合部を設けるので、係合部と本体ケースの内面に設けた係合段部との係合状態が解除されやすく、例えば、単にスイッチノブをオン位置側へスライド操作しようとしただけでロック解除ボタンが押し込み操作され、ロック状態が解除されるおそれがある。落下衝撃を受けた弾性アームがたわみ変形して、ロック状態が解除されるおそれもある。弾性アームが片持ち支持されていて、より小さな力でたわみ変形しやすいこともロック解除ボタンの誤動作を生じやすい要因となっている。
【0006】
本体ケースの内面に突設した左右一対のピンと、両ピンの外側面を乗り越える弾性変形可能な位置決めアームでクリック構造を構成するので、ピンおよび位置決めアームの位置および形状精度に少しでもばらつきがあると、スイッチノブを切り換え操作するときの操作力、つまり、ピンを乗り越えるときの位置決めアームの変形抵抗が大小にばらつきやすく、とくに変形抵抗が小さくなる場合にスイッチノブを過剰操作しやすい。
【0007】
特許文献2のスイッチ構造は、節度ピースの切り換え動作を、スライド−揺動―揺動−スライドの順に動作変換する。つまり、スライド動作を揺動動作に変換したうえで、揺動動作を再度スライド動作に変換してスイッチ端子を往復スライド操作する。そのためスイッチ構造が複雑になり、その分だけ組立に余分な手間が掛かるうえ、製造に要するコストが嵩む不利もある。
【0008】
本発明の目的は、ロック状態を確実に維持できるにもかかわらず、使用者の明確な意図の許にロック解除操作するときはスイッチノブをオン位置側へ軽快に切り換えることができ、したがって従来のこの種のスイッチ構造に比べて安定した状態でオン・オフ切り換えを行いながら、オン位置およびオフ位置を確実に位置保持できる、使い勝手に優れた小形電気機器のスイッチ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のスイッチ構造は、本体ケース1の外殻壁1dの外面に設けられて往復スライドするスイッチノブ5と、外殻壁1dの内面に配置されてスイッチノブ5と同行移動する節度ピース24と、外殻壁1dと節度ピース24との間に設けられるロック構造と、スイッチノブ5に組み込まれてロック構造をロック解除操作するロック解除体25と、節度ピース24のスライド動作を受け継いで切り換え操作されるスイッチ端子27とを含む。ロック構造は、外殻壁1dの内面に形成されるロック段部47と、節度ピース24の側に設けられてロック段部47でスライド不能に受け止められるロック爪44とで構成する。節度ピース24の面壁に両持ち支持される弾性アーム35を設ける。弾性アーム35のオン位置側の端部寄りに前記ロック爪44を設け、ロック爪44よりオフ位置側の弾性アーム35の中途部にロック解除体25を接当させる。
【0010】
節度ピース24と、節度ピース24の内面に対向する固定壁1aとの間に、オフ位置、および少なくともひとつのオン位置において弾性係合して、節度ピース24およびスイッチノブ5を位置保持する節度構造を設ける。節度構造は、節度ピース24の側に設けられて、同ピース24の厚み方向へ弾性変形する節度アーム38と、節度アーム38と対向する固定壁1aに設けられる節度ベース51と、節度アーム38および節度ベース51の接合面に設けられて、互いに凹凸係合する第1位置決め体52と第2位置決め体53とで構成する。
【0011】
節度ピース24の面壁に両持ち支持される弾性アーム35を設ける。弾性アーム35の、少なくともオフ位置側のアーム基端の左右両側に、左右一対の節度アーム38を配置する。
【0012】
節度ピース24の面壁に外郭壁1dと接当する複数個のスライド突起37を突設し、スライド突起37によって、節度ピース24と外郭壁1dとの間に節度アーム38の弾性変形を許す動作隙間Eを確保する。
【0013】
スイッチ構造は、スイッチノブ5と、ロック解除体25と、スイッチノブ5と同行移動する節度ピース24と、ロック構造と、節度ピース24のスライド動作を受け継いで揺動動作に変換する変換レバー26と、変換レバー26で切り換え操作されるスイッチ端子27を含む。スイッチ端子27は変換レバー26に対して、変換レバー26の揺動動作に同行して往復揺動できるよう連動連結する。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、同行移動するスイッチノブ5および節度ピース24と、ロック構造と、ロック構造をロック解除操作するロック解除体25と、節度ピース24のスライド動作を受け継いで切り換え操作されるスイッチ端子27などからなるスイッチ構造において、外殻壁1dの内面に形成されるロック段部47と、節度ピース24の側に設けられるロック爪44とでロック構造を構成した。さらに、節度ピース24の面壁に設けられる弾性アーム35を両持ち支持構造として、弾性アーム35のオン位置側の端部寄りに前記ロック爪44を設け、ロック爪44よりオフ位置側の弾性アーム35の中途部にロック解除体25を接当させるようにした。
【0015】
上記のように、節度ピース24に設けられる弾性アーム35を両持ち支持構造とすると、片持ち支持した弾性アームに比べて、弾性アーム35に設けたロック爪44をより安定した状態で支持でき、弾性アーム35がアーム長手方向と交差する方向に遊動変位することも規制できる。一定の力で弾性アーム35が弾性変形されるときの変形量が大小にばらつくことも防止でき、全体としてロック爪44とロック段部47との係合状態を常に確実に維持して、ロック構造が不用意にロック解除操作さされるのを防止できる。
【0016】
その一方で、弾性アーム35のオン位置側の端部寄りにロック爪44を設け、ロック爪44よりオフ位置側の弾性アーム35の中途部にロック解除体25を接当させることにより、後述するように、使用者の明確な意図の許にロック解除ボタン25が押し込み操作されるときは、ロック爪44とロック段部47との係合状態をより軽快にしかも確実に解除できるようにした。したがって、本発明のスイッチ構造によれば、ロック状態を確実に維持できるにもかかわらず、使用者の明確な意図の許にロック解除操作するときは、スイッチノブ5をオン位置側へ軽快に切り換えることができ、従来のこの種のスイッチ構造に比べて安定した状態でオン・オフ切り換えを行いながら、オン位置およびオフ位置を確実に位置保持できる使い勝手に優れたスイッチ構造が得られる。
【0017】
ロック爪44とロック段部47との係合状態をより軽快にしかも確実に解除できるのは以下の理由による。ロック解除ボタン25を押し込んで、ロック爪44とロック段部47との係合を解除するときは、ロック爪44のロック段部47との係合面44aが、節度ピース24の進行方向に対して後傾する。そのため、ロック解除ボタン25の押し込み量が不足していたとしても、先の係合面44aをロック段部47に対して斜めに後傾した状態で接当させることができる。これにより、節度ピース24がオン位置側へ移動するときの、ロック爪44とロック段部47との接当面における操作反力の分力をロック爪44に作用させて、ロック爪44がロック段部47を乗り越えるのを補助でき、その分だけ両者44・47のロック解除操作を軽快に行うことができるからである。
【0018】
節度ピース24と固定壁1aとの間に設けられる節度構造を、節度ピース24の厚み方向へ弾性変形する節度アーム38と、固定壁1aに設けられる節度ベース51と、両者38・51の接合面に設けられる第1位置決め体52、および第2位置決め体53とで構成すると、弾性アーム35と節度アーム38のたわみ方向が同一方向となる。このことは、ロック解除体25で弾性アーム35を押し込み操作して、ロック構造をロック解除操作するときの押し込み力によって、節度アーム38を節度ベース51に押し付けることができることを意味する。したがって、節度アーム38と節度ベース51の位置および形状精度にばらつきがあったとしても、これらのばらつきを吸収しながら節度動作を発揮でき、従来の節度構造に比べてより確実な節度感が得られ、しかもスイッチノブ5が過剰操作されるのを確実に防止できるスイッチ構造とすることができる。
【0019】
両持ち支持される弾性アーム35の、少なくともオフ位置側のアーム基端の左右両側に左右一対の節度アーム38を配置するスイッチ構造によれば、ロック構造をロック解除操作するときのロック解除ボタン25の押し込み力で、節度アーム38が節度ベース51に押し付けられるので、第1位置決め体52と第2位置決め体53が相対移動するときの接触圧力を大きくでき、その分だけクリック感を明確にして、スイッチノブ5がオン位置、またはオフ位置に切り換わったことを使用者に明確に感知させることができる。
【0020】
節度ピース24の面壁に外郭壁1dと接当する複数個のスライド突起37を突設するスイッチ構造によれば、スライド突起37のみが外郭壁1d1dに接当した状態で節度ピース24を上下スライドできるので、節度ピース24がスイッチノブ5とともにスライド変位するときの摺接抵抗を小さくでき、その分だけスイッチノブ5のオン・オフ切り換えを軽快に行うことができる。また、スライド突起37を設けることによって、節度ピース24と外郭壁1dとの間に動作隙間Eを確保できるので、節度アーム38が弾性変形するときにその一部が外郭壁1dに接当するのを避けて、節度アーム38の節度ベース51に対する係脱動作を円滑化できる。
【0021】
上記の構成に加えて変換レバー26を設け、変換レバー26で節度ピース24のスライド動作を揺動動作に変換し、スイッチ端子27を変換レバー26と同行揺動できるように連動連結したスイッチ構造によれば、節度ピース24の動作を、スライド−揺動―揺動の順に変換するだけでスイッチ切り換えを行うことができるので、従来のこの種のスイッチ構造に比べて全体構造を簡素化し、同時に組立工数を削減でき、スイッチ構造の製造に要するコストを削減できる。揺動変位する変換レバー26のレバー軸57を利用して、簡単に防水構造を付加できる利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(実施例) 図1ないし図8は本発明を水洗い式の電気かみそりに適用した実施例を示す。図2ないし図4において電気かみそりは、本体ケース1と、本体ケース1の内部に組み付けられる作動ユニット2と、本体ケース1の後面に組み付けられるトリマーユニット3などで構成する。本体ケース1は、上下面が開口する主ケース1aと、主ケース1aの下端開口に外嵌装着される底ケース1bと、主ケース1aおよび底ケース1bの下半外面に外嵌される有底筒状の化粧ケース1cと、主ケース1aの前面に係合装着されるスイッチパネル(外殻壁)1dとの四者で構成してある。底ケース1bおよび化粧ケース1cは、それぞれ作動ユニット2の電池枠4の下端にビス7・8で固定してある。スイッチパネル1dの外面に、後述するモーターへの通電状態を切り換えるスイッチ構造のスイッチノブ5が組み込まれ、スイッチパネル1dの下部に電気かみそりの運転状態を表示する表示灯6が設けてある。
【0023】
作動ユニット2は、電池枠4に組み付けられる2次電池10および回路基板11などからなる電装品部と、電装品部の上部に設けられるかみそりヘッド12とで構成してあり、電装品部のみが主ケース1aの内部に収容される。かみそりヘッド12は主ケース1aにビスで締結されており、両者1a・12の締結部分にシールリングを配置することにより電装品部が水密状に封止してある。回路基板11には、先のスイッチノブ5で切り換え操作される接触端子28や、制御回路を構成する電子部品、および表示灯6の光源となるLEDなどが実装してある。
【0024】
かみそりヘッド12は、内刃15および外刃16とからなるメイン刃と、内刃15の駆動源となるモーター17と、内刃15を駆動するためにモーター17の回転動力を往復動力に変換する振動子18と、これらの部材を収容するモーターホルダー19、およびヘッドケース20と、ヘッドケース20に着脱される外刃ホルダー21などで構成してある。トリマーユニット3の可動刃は、振動子18の往復動力を受け継いで往復駆動される。図3に示すように、かみそりヘッド12の中心軸線は、本体ケース1の中心軸線に対して前傾させてある。
【0025】
上記のような電気かみそりにおいて、そのスイッチ構造を以下のように構成する点に本発明の特長がある。図5においてスイッチ構造は、スイッチパネル1dの外面に設けられて上下に往復スライドするスイッチノブ5と、スイッチパネル1dの内面に配置されてスイッチノブ5と同行移動する節度ピース24と、スイッチパネル1dの内面と節度ピース24との間に設けられるロック構造と、スイッチノブ5に組み込まれてロック構造をロック解除操作する三日月型のロック解除ボタン(ロック解除体)25と、節度ピース24のスライド動作を受け継いで揺動動作に変換する変換レバー26と、変換レバー26で切り換え操作されるスイッチ端子27、および回路基板11に設けられる接触端子28などで構成する。
【0026】
スイッチノブ5は下向きにすぼまる楯形状に形成してあり、その外面下側に指受突起5aを有し(図3参照)、内面に4個の連結ピン30が突設してある。指受突起5aの上側のノブ壁には内外貫通状の開口5bが形成され、この開口5bにロック解除ボタン25がノブ内面側から組み込まれて出没可能に支持してある。ロック解除ボタン25には、抜け出し防止用の突起31が形成してある。スイッチノブ5は、スイッチパネル1dの外面に設けたスライド凹部32に組み付けられて、その下端がスライド凹部32の下端で受け止められるオフ位置(図1および図2に示す状態)と、その上端がスライド凹部32の上端で受け止められるオン位置との間を上下にスライド変位できる。
【0027】
節度ピース24は、平板状のピース本体34を主体にして構成してあり、ピース本体34の左右中央部の上半部に弾性アーム35を一体に形成し、ピース本体34の下端に斜めに傾く溝カム36が一体に形成してある。弾性アーム35の上寄りの左右両側方と、弾性アーム35の下方との3箇所には、スイッチパネル1dの内面と接当するV字状の3個のスライド突起37が突設されている。スライド突起37を設けることによって、節度ピース24とスイッチパネル1dとの間に後述する節度アーム38の弾性変形を許す動作隙間Eが確保してある(図7参照)。
【0028】
弾性アーム35の下端側(オフ位置側)のアーム基端の左右両側には、左右一対の節度アーム38が一体に形成してある。左右のスライド突起37と弾性アーム35との間、および節度アーム38の上方で弾性アーム35の左右両側との4個所には、スイッチノブ5の連結ピン30を係合するためのピン穴39が形成してある。
【0029】
図6において弾性アーム35は、上下中央の逆五角形状の弾性ベース41と、弾性ベース41の上縁を支持する左右一対の上支持アーム42と、弾性ベース41の下縁中央寄りを支持する左右一対の下支持アーム43とで構成されていて、弾性アーム35の全体が上下の支持アーム42・43で両持ち支持してある。弾性ベース41の上端側(オン位置側)の端部両側には、ロック構造を構成する左右一対のロック爪44がスイッチパネル1dの側へ向かって突設してある。また、弾性ベース41の下端には、先のロック解除ボタン25と接当する受動突起45が膨出形成してある。ロック爪44は、上面が平坦な三角形状の突起からなる。
【0030】
ロック構造は、上記の弾性ベース41に設けた一対のロック爪44と、スイッチパネル1dのスライド凹部32の内面に突設した左右一対のロック段部47とで構成する。図7に示すようにロック段部47は、下面が平坦な三角形状の突起からなる。スイッチノブ5がオフ位置にあるとき、ロック段部47とロック爪44とは、図1に示すように上下に係合しており、これによりオフ位置にあるスイッチノブ5が不用意にオン状態に切り換えられるのを防ぐことができる。図5に示すように、スイッチパネル1dにはスイッチノブ5の上下スライドを許す羽子板形の操作開口48が形成してあり、この操作開口48の上縁の左右にロック段部47が下向きに突設してある。
【0031】
スイッチノブ5をオン・オフの各位置において位置決めし、さらに切り換え操作時にクリック感を与えるために、主ケース(固定壁)1aの外面と弾性ベース41との間に節度構造を設けている。節度構造は、弾性ベース41の厚み方向へ弾性変形できる片持ち支持状の節度アーム38と、左右の節度アーム38に対応して主ケース1aの外面左右に突設される節度ベース51と、節度アーム38の上端(遊端)内面に設けられる半円状の突起からなる第1位置決め体52と、第1位置決め体52に対応して節度ベース51に設けられる部分円弧状の2個の凹部からなる第2位置決め体53とで構成してある。
【0032】
図6に示すように、左右の節度アーム38を、弾性アーム35の下側アーム基端の左右両側に設けると、ロック解除操作するときのロック解除ボタン25の押し込み力を節度アーム38に受け止めさせることができるので、後述する第1位置決め体52が第2位置決め体53の間の突部を乗り越えるときの乗り越え抵抗を大きくでき、その分だけクリック感を明確にして、スイッチノブ5がオン位置あるいはオフ位置に切り換わったことを使用者に明確に感知させることができる。
【0033】
節度ピース24のスライド動作を受け継いで揺動動作に変換するために、節度ピース24の内面下方に変換レバー26を設け、両者24・26をカム機構を介して連結している。変換レバー26は、レバー本体56と、レバー本体56の下端基部の内面に突設されるレバー軸57と、レバー軸57の突端側に形成される断面四角形状の連結軸58と、レバー本体56の揺動先端の外面に突設されるカムピン59とを一体に備えている。
【0034】
変換レバー26のレバー軸57は、主ケース1aに設けた軸受穴61で揺動可能に軸支される。軸受穴61の外面周縁にはボス62が形成してあり、ボス62とレバー軸57との間に組み付けたシールリング63で軸受穴61が水密状に封止してある。ボス62の左右には、レバー本体56の基部を分離不能に、しかし往復用動は可能に係合保持する左右一対の保持爪64が突設してある。
【0035】
カム機構は、節度ピース24の下端に設けた溝カム36とカムピン59とで構成してあり、節度ピース24がスイッチノブ5とともに上下スライドするとき、斜めに傾く溝カム36でカムピン59を左右に往復揺動することにより、変換レバー26をオフ位置(図6に示す状態)と、オン位置(図8に示す状態)とに切り換え操作できる。その詳細は後述する。
【0036】
スイッチ端子27は、小判形の端子ベース66と、端子ベース66の内面に固定される左右一対の銅板製の端子板67とで構成してある。端子ベース66の中央外面には、先の連結軸58を係合連結するための連結穴68が凹み形成してあり、端子ベース66の中央内面には揺動軸69が形成され、揺動軸69の上下に抜止脚70が突設してある。揺動軸69の一側に矯正ピン71が突設してある。
【0037】
基板11の板面に設けた軸受穴73に揺動軸69を、部分円弧状のガイド溝74に矯正ピン71をそれぞれ組み付け、軸受穴73の上下に設けた連結溝75に抜止脚70を係合装着することにより、スイッチ端子27を基板と一体化し、揺動軸69を中心にして左右揺動可能に支持できる。この組み付け状態において、端子板67は弾性変形して基板11の表面に圧接しており、図8に示すようにスイッチ端子27をオン位置へ切り換えた状態において、端子板67は基板11に埋設した接触端子28と密接して、上下一対ずつの接触端子28を導通させる。
【0038】
スイッチノブ5がオフ位置にあるとき、節度ピース24に設けたロック爪44とスイッチパネル1dに設けたロック段部47とは、図1に示すように上下に係合しているので、スイッチピース5を押し上げ操作することはできない。このとき、変換レバー26およびスイッチ端子26は図6に向かって左側へ傾いており、カムピン59は溝カム36の傾斜上端に位置している。
【0039】
この状態から、ロック解除ボタン25を押し込み操作すると、図7に示すように上下の支持アーム42・43を弾性変形させながら、弾性ベース41がケース内方へ押し込まれ、ロック爪44とロック段部47との係合状態が解除される。この状態でスイッチノブ5を押し上げ操作すると、節度アーム38を弾性変形させながら、第1位置決め体52が下方の第2位置決め体53から抜け出て、両位置決め体52・53の間の突部に乗りあがり、上方の第2位置決め体53へと落ち込む。第1位置決め体52が両位置決め体52・53の間の突部を乗り越えるとき、弾性変形した節度アーム38の先端はピース本体34の板面からスイッチパネル1dの側へ突出するが、スライド突起37によって動作隙間Eが確保してあるので、節度アーム38がスイッチパネル1dと接当干渉するのを防止できる。
【0040】
スイッチノブ5の上方移動に伴って、溝カム36が節度ピース24とともに上方移動するとき、カムピン59と節度ピース24との隣接間隔が大きくなる。そのため、カムピン59は溝カム36に案内されて傾斜下端側へ相対移動しながら揺動操作される。カムピン59の相対移動に伴って、変換レバー26は図6において時計回転方向へ揺動し、最終的に図8に示すようにオン状態に切り換わる。なお、スイッチノブ5をオフ位置へ戻すときは、各部材は上記の動作を逆に辿り、ロック爪44がロック段部47を乗り越えて再係合することにより、スイッチノブ5をオフ位置に保持できる。ロック解除ボタン25は、弾性ベース41が自由状態に復帰する力によって押し戻されて、図1に示す待機姿勢に復帰する。
【0041】
以上のように、弾性アーム35の弾性ベース41が上下の支持アーム42・43で両持ち状に支持してあると、弾性アームが片持ち支持されていた従来構造に比べて、弾性ベース41を上下の支持アーム42・43で安定的に支持して、ロック爪44とロック段部47との係合状態を確実に維持できる。落下衝撃などによって、弾性ベース41がロック解除方向へ変位することも良く防止できる。したがって、使用者の明確な意図の許にロック解除ボタン25を押し込み操作しない限りはロック状態を保持して、ロック解除ボタン25の誤動作を一掃できる。
【0042】
節度ピース24はスイッチパネル1dの内面に沿って上下動するが、そのピース本体34に設けた3個のスライド突起37のみがスイッチパネル1dに接当した状態で上下動するので、節度ピース24がスイッチノブ5とともにスライド変位するときの摺接抵抗を小さくでき、その分だけスイッチノブ5のオン・オフ切り換えを軽快に行うことができる。節度ピース24の上下動作を、変換レバー26で揺動動作に変換して、スイッチ端子27を往復揺動操作してオン・オフ切り換えを行うので、スライド−揺動―揺動−スライドの順に動作変換する従来のスイッチ構造に比べて全体構造を簡素化し、さらに組立の手間を省いて製造に要するコストを削減できる。
【0043】
弾性アーム35のオン位置側の端部寄りにロック爪44を設け、ロック爪44よりオフ位置側の弾性アーム35の中途部にロック解除体25を接当させるスイッチ構造によれば、図7に示すようにロック解除ボタン25で弾性ベース41を押し込んで、ロック爪44とロック段部47との係合を解除するとき、ロック爪44のロック段部47との係合面44aを、節度ピース24に進行方向に対して後傾させることができる。そのため、ロック解除ボタン25による弾性ベース41の押し込み量が少なかったとしても、ロック段部47に対して先の係合面44aが斜めに後傾した状態で接当するので、節度ピース24が上方移動するときの、係合面44aとロック段部47との接当面における押し上げ反力の分力をロック爪44に作用させて、両者44・47のロック解除をより軽快に行うことができる。
【0044】
因みに、上記とは逆にロック爪44よりオン位置側の弾性アーム35の中途部にロック解除体25を接当させる場合には、ロック爪44の係合面44aが節度ピース24の進行方向と同じ方向へ前傾して、ロック段部47に対して突っ支い棒のように接当するので、弾性ベース41を充分に押し込み操作して両者44・47を常に完全に分離操作する必要があり、スイッチノブ5のオン位置への切り換え操作を軽快に行うことができない。
【0045】
図9は節度構造の別実施例を示す。そこでは主ケース1aの外面左右に、3個の突起77・77・78を上下に隣接する状態で突設して、上下両端の突起77・77と中央の突起78との間に形成される凹部を第2位置決め体53とした。節度アーム38の第1位置決め体52は、中央の突起78を乗り越えて上側または下側の第2位置決め体53に落み込み係合する。このように、第2位置決め体53は複数個の突起77・78で形成することができる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0046】
上記の実施例以外に、第1位置決め体52を凹部で形成し、第2位置決め体53を突起で形成することができる。上記の実施例では本体ケース1が4個のケース部品で構成してある場合について説明したが、本体ケース1は1ないし2個のケース部品で構成することができる。その場合には、本体ケース1を外殻壁として、その内外にスイッチノブ5と節度ピース24を配置することができ、本体ケース1の内部に配置した基板11を固定壁として、その外面に節度ベース51を設けることができる。
【0047】
水洗い式ではない電気かみそり等においては、変換レバー26を省略して節度ピース24でスイッチ端子27を直接切り換え操作することができる。オン位置が複数位置に設けてある場合には、第2位置決め体53、または第1位置決め体52をオン位置に応じて3個以上設けることができる。ロック解除体25は押しボタン構造である必要はなく、スイッチノブ5の厚み方向に揺動変位するレバーで構成することができる。弾性アーム35は両持ち支持構造であればよく、例えば弾性ベース41の上下が弾性変形可能な上下1個ずつの支持アーム42・43で支持してあってもよい。弾性アーム35は、線ばねあるいは板ばねなどの補助ばねを使用してロック付勢することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】スイッチ構造を示す縦断側面図である。
【図2】電気かみそりの正面図である。
【図3】電気かみそりの側面図である。
【図4】電気かみそりの分解断面図である。
【図5】スイッチ構造の分解斜視図である。
【図6】オフ状態におけるスイッチ構造の正面図である。
【図7】ロック爪をロック解除操作した状態の縦断側面図である。
【図8】オン状態に切り換えたスイッチ構造の正面図である。
【図9】節度構造の別実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 本体ケース
1d スイッチパネル(外殻壁)
5 スイッチノブ
24 節度ピース
25 ロック解除ボタン(ロック解除体)
27 スイッチ端子
35 弾性アーム
38 節度アーム
44 ロック爪
47 ロック段部
【出願人】 【識別番号】000164461
【氏名又は名称】九州日立マクセル株式会社
【出願日】 平成18年9月28日(2006.9.28)
【代理人】 【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡

【識別番号】100081891
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 茂雄


【公開番号】 特開2008−80019(P2008−80019A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−266081(P2006−266081)