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【発明の名称】 刃カバーを有するT型安全カミソリ
【発明者】 【氏名】熊田 純夫

【要約】 【課題】刃カバーが取り付けたままになるとともに、この刃カバーが使用時に全く邪魔にならないようにすることのできるT型安全カミソリを提供すること。

【解決手段】刃カバー30を、ヘッド20の下面を覆うカバー部と、このカバー部の両側に一体的に形成されて、刃体支持部11の両側に向けて延在する回動アーム32とにより構成するとともに、刃体支持部11の先端両側に、回動アーム32を回動軸31によって回動可能に連結したこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップの先端の刃体支持部に、前記グリップと直交することになるカミソリ刃を保持するヘッドを連結し、このヘッド及びこれに保持させた前記カミソリ刃を刃カバーによって包み込めるようにしたT型安全カミソリにおいて、
前記刃カバーを、前記ヘッドの下面を覆うカバー部と、このカバー部の両側に一体的に形成されて、前記刃体支持部の側面に向けて延在する回動アームとにより構成するとともに、
前記刃体支持部の先端両側に、前記回動アームを回動軸によって回動可能に連結したことを特徴とする刃カバーを有するT型安全カミソリ。
【請求項2】
前記刃カバー側の前記回動アームの、前記回動軸の直近に、前記ヘッド側のアーム部に形成した一つのストッパに係止されることになる前後二つの係止部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の刃カバーを有するT型安全カミソリ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、T型安全カミソリに関し、特に、カミソリ刃を包み込む刃カバーを有したT型安全カミソリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
T型安全カミソリは、手に持って使用するのに非常に便利であることから種々なものが提案されてきており、特に近年では、所謂使い捨てのものとしても開発が進んできている。そして、この種の使い捨てされるT型安全カミソリでは、そのカミソリ刃部分を刃カバーによって包み込むようにすることがなされている。
【0003】
従来の刃カバーは、本体とは別体のものとして形成されていたため、本体から分離してそのまま浴室の洗い場上の転がっていってしまうことがあった。この種の刃カバーは、小さいものであり、洗い場のタイルや目地と区別が付かなくなって探すのが大変であったし、場合によってはこの刃カバーが落ちていることを知らずに踏んでしまうということがあった。
【0004】
このため、本発明者等は、例えば特許文献1にて、刃カバーをヘッドに対して回転自在となるようにしたT型安全カミソリを提案したのである。これにより、刃カバーが本体側に繋がっていて脱落することがないため、前述したような問題はなくなった。
【特許文献1】特開2003−236272号公報、要約、代表図
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明は、「この種の刃カバーを有するT型安全カミソリの使用勝手をさらに向上させること」を目的としてなされたもので、図8及び図9に示すように、「グリップの先端に、これと直交することになるカミソリ刃を保持するヘッドを連結し、このヘッド及びこれに保持させた前記カミソリ刃を刃カバーによって包み込めるようにしたT型安全カミソリにおいて、前記グリップの前記ヘッドに対する連結を、間に指入れ空間を形成することになる2本の略板状の連結部によって行うとともに、前記刃カバーに、これにより前記カミソリ刃等を包み込んだとき、前記ヘッドまたはカミソリ刃に形成した第一係止部分に係合する第一係合部を形成し、この刃カバーに、これが外されて前記グリップの内側に回動されたとき、グリップ側の第二係止部分に係合する第二係合部を形成するとともに、前記指入れ空間内で臨むことになる突出部を形成したこと」といった構成を有したものである。
【0006】
この特許文献1のT型安全カミソリによれば、「刃カバー40によるカミソリ刃30の包み込み状態及び開放状態の両状態を確実に維持することができることは当然として、開放状態にあった刃カバー40の再度の閉止状態への操作を、2本の連結部15間に形成されている指入れ空間16内に指を差し入れることにより、簡単に行える」ものとなっているのであるが(特許文献1の段落0015)、外された刃カバーは、図9にも示すように、グリップの連結部の下側になるため、当該カミソリの使用時に邪魔になる場合もあり得るものとなっている。
【0007】
そこで、本発明者等が、当該T型カミソリの使用時に刃カバーが全く邪魔にならないようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0008】
すなわち、本発明の目的とするところは、刃カバーが取り付けたままになるとともに、この刃カバーが使用時に全く邪魔にならないようにすることのできるT型安全カミソリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「グリップ10の先端の刃体支持部11に、グリップ10と直交することになるカミソリ刃21を保持するヘッド20を連結し、このヘッド20及びこれに保持させたカミソリ刃21を刃カバー30によって包み込めるようにしたT型安全カミソリ100において、
刃カバー30を、ヘッド20の下面を覆うカバー部30aと、このカバー部30aの両側に一体的に形成されて、刃体支持部11の両側に向けて延在する回動アーム32とにより構成するとともに、
刃体支持部11の先端両側に、回動アーム32を回動軸31によって回動可能に連結したことを特徴とする刃カバー30を有するT型安全カミソリ100」
である。
【0010】
すなわち、この請求項1に係るT型安全カミソリ100は、図1の(a)及び(b)に示すように、そのグリップ10の先端に形成した刃体支持部11に、グリップ10と直交することになるカミソリ刃21を保持するヘッド20を連結し、このヘッド20及びこれに保持させたカミソリ刃21を刃カバー30によって包み込めるようにしたものである。なお、「ヘッド20の連結」とは、ヘッド20が替え刃タイプのものであって、グリップ10に対して交換自在である場合は勿論、グリップ10に対して一体化されていて、グリップ10とともに使い捨てする場合も含むものである。
【0011】
また、この請求項1に係るT型安全カミソリ100は、図4の(a)及び(b)に示すように、刃カバー30を、ヘッド20の下面を覆うカバー部30aと、このカバー部30aの両側に一体的に形成した回動アーム32とにより構成するとともに、グリップ10の刃体支持部11の先端両側に、刃カバー30の回動アーム32を回動軸31によって回動可能に連結したものである。
【0012】
以上のように構成した本発明に係るT型安全カミソリ100では、図4の(a)に示すように、これを使用しない場合には、ヘッド20及びカミソリ刃21は刃カバー30によってほぼ完全に包み込まれた状態になる。つまり、図2の(b)に示すように、刃カバー30を構成しているカバー部30aがヘッド20の下面を完全に覆っているのである。このため、当該T型安全カミソリ100を手に持ったり、鞄に入れておいたものを取り出す場合などにおいて、手指をカミソリ刃21によって傷付けることが防止されている。
【0013】
次に、当該T型安全カミソリ100を使用するために、刃カバー30を、図4の(a)に示した状態から同(b)に示すような状態に引き起こす。このときには、刃カバー30のカバー部30aはグリップ10の上側に移動して、図4の(b)に示すように、ヘッド20の下側は完全なオープンな状態となる。従って、グリップ10の下側にカミソリ刃21が露出することになるから、ひげ剃りや無駄毛剃りが何等の邪魔ものもない状態で行えるのである。勿論、ひげ剃り等の使用時に、この刃カバー30が外れてしまうことはない。この刃カバー30は、その両回動アーム32が回動軸31によってグリップ10の先端部両側に連結されているからである。
【0014】
なお、後述する最良形態においては、図1等に示すように、この刃カバー30が有するカバー部30aの外側に指が掛けられる開閉突起34が一体的に形成してあり、この開閉突起34に指を掛けて押し引きすることにより、当該刃カバー30の開閉が簡単に行えるようになっている。
【0015】
従って、この請求項1に係るT型安全カミソリ100は、刃カバー30が取り付けたままになるとともに、この刃カバー30が使用時に全く邪魔にならないようになっていて、ひげ剃りや無駄毛剃りが容易に行え、使用勝手のよいものとなっているのである。
【0016】
上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の刃カバー30を有するT型安全カミソリ100について、
「刃カバー30側の回動アーム32の、回動軸31の直近に、ヘッド20側のアーム部22に形成した一つのストッパ25に係止されることになる前後二つの係止部33を形成したこと」
である。
【0017】
すなわち、この請求項2のT型安全カミソリ100では、例えば図4の(a)及び(b)に示すように、刃カバー30側の回動アーム32に二つの係止部33が形成してあり、これらの係止部33は回動軸31の直近に位置していて、この回動軸31を中心にした円周上にあるものである。これらの係止部33は、グリップ10に固定されているヘッド20のアーム部22に形成してあるストッパ25に係合するものであり、刃カバー30が閉じられた状態を示す図4の(a)では、一つ目の係止部33がヘッド20側のストッパ25の図示右側に位置して、刃カバー30の閉じ状態を維持しているものである。
【0018】
一方、刃カバー30が開かれた状態を示す図4の(b)では、一つ目の係止部33がストッパ25を乗り越えて上方に位置し、二つ目の係止部33がヘッド20側のストッパ25の図示右側に係止して、刃カバー30の解放状態を維持しているものである。勿論、この状態でヘッド20を下方にすれば、刃カバー30は閉じ方向に回動することになるが、当該T型安全カミソリ100の使用時では、ヘッド20を上方になるようにしているので、この刃カバー30が閉じられることはない。
【0019】
従って、この請求項2のT型安全カミソリ100は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮する他、刃カバー30の解放状態や閉じ状態の維持を確実に行えるものとなっているのである。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明した通り、本発明においては、
「グリップ10の先端の刃体支持部11に、グリップ10と直交することになるカミソリ刃21を保持するヘッド20を連結し、このヘッド20及びこれに保持させたカミソリ刃21を刃カバー30によって包み込めるようにしたT型安全カミソリ100において、
刃カバー30を、ヘッド20の下面を覆うカバー部30aと、このカバー部30aの両側に一体的に形成されて、刃体支持部11の両側に向けて延在する回動アーム32とにより構成するとともに、
刃体支持部11の先端両側に、回動アーム32を回動軸31によって回動可能に連結したこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、刃カバー30が取り付けたままになるとともに、この刃カバー30が使用時に全く邪魔にならないようにすることができて、使用勝手のよいT型安全カミソリ100を提供することができたのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した最良の形態であるT型安全カミソリ100について説明するが、この最良形態のT型安全カミソリ100は、上記各請求項に係る発明の全てを含むものである。
【0022】
図1には、本発明に係るT型安全カミソリ100の斜視図が示してあり、(a)には刃カバー30によってカミソリ刃21を覆ったときの斜視図が、(b)には刃カバー30を開放したときの斜視図がそれぞれ示してある。このT型安全カミソリ100は、図2及び図3にも示したように、グリップ10の先端である刃体支持部11にカミソリ刃21を有するヘッド20を取り付けたものであるが、このヘッド20の取り付けは、グリップ10に対して一体的であっても、また交換自在であってもよいものである。
【0023】
本最良形態に係るヘッド20は、3枚一組のカミソリ刃21を有するものであり、図1にも示したように、左右一対のアーム部22の間に揺動自在に支持されているものである。つまり、本最良形態のT型安全カミソリ100において、左右一対のアーム部22は、ヘッド20と一体的な差込部23の先端に一体化されたものであるが、図6及び図7に示したように、これら各アーム部22にはヘッド20を揺動自在に支持するための揺動軸22aがそれぞれ形成してある。
【0024】
各揺動軸22aの形成位置は、ヘッド20側であっても、また刃体支持部11側であってもよいものではあるが、この揺動軸22aに、図7にも示したように、ヘッド20側のアーム部22を軸止して、ヘッド20が揺動可能になるようにしたものである。これにより、当該ヘッド20は、グリップ10に対して揺動することになり、ひげ剃り時において、カミソリ刃21を顔の曲面に沿った適宜な角度で移動させることができるものとなっているのである。
【0025】
ヘッド20の各アーム部22には、図3及び図4に示したように、ヘッド20を図示反時計方向に付勢するスプリング部24が一体的に形成してあり、このスプリング部24の付勢力によって、ヘッド20は図示した状態に常に戻るものとなっている。つまり、このヘッド20は、所謂「首振り」を行うものである。
【0026】
また、各アーム部22のスプリング部24の内側には一つのストッパ25が形成してあり、このストッパ25には、後述する刃カバー30側の係止部33が係合するものである。つまり、このストッパ25は、刃カバー30側の回動を規制することになるものである。
【0027】
刃カバー30は、図1〜図4に示したように、ヘッド20側のカミソリ刃21を覆うことになるカバー部30aと、このカバー部30aの両側に一体的に形成した回動アーム32を有しているものである。そして、これらの回動アーム32は、図7にも示したように、刃体支持部11側の側面に位置する回動軸31によって回動可能に軸止されるものであり、ヘッド20のカミソリ刃21を覆っていたカバー部30aを刃体支持部11の上方、つまり各カミソリ刃21が露出しているのとは反対側に回動できるものである。
【0028】
また、各回動アーム32の、回動軸31を中心とする円弧上となる部分には、図7等にて示したように、二つの係止部33が一体的に形成してあり、これら各係止部33は、ヘッド20側のストッパ25に向けて突出し得るものとなっている。これら各係止部33は、刃カバー30の閉止位置あるいは開放位置において、この刃カバー30を固定的にするものであり、当該T型安全カミソリ100の使用時において刃カバー30が邪魔にならないようにするとともに、ヘッド20を覆った状態の刃カバー30をヘッド20に対して固定するものでもある。
【0029】
なお、本最良形態に係る刃カバー30では、図3及び図4に示したように、カバー部30aの外側に開閉突起34が一体的に形成してあり、この開閉突起34に指を掛けて押し引きすることにより、当該刃カバー30の開放操作や閉じ操作を容易に行えるようにしてある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るT型安全カミソリを示すもので、(a)は刃カバーによってカミソリ刃21を覆ったときの斜視図、(b)は刃カバーを開放したときの斜視図である。
【図2】同T型安全カミソリを示すもので、(a)は平面図、(b)は底面図である。
【図3】同T型安全カミソリを示すもので、(a)は刃カバーによってカミソリ刃21を覆ったときの側面図、(b)は刃カバーを開放したときの側面図である。
【図4】同T型安全カミソリを部分的に拡大して示すもので、(a)は刃カバーによってカミソリ刃21を覆ったときの部分拡大側面図、(b)は刃カバーを開放したときの部分拡大側面図である。
【図5】同T型安全カミソリを示すもので、(a)は拡大正面図、(b)は拡大背面図である。
【図6】同T型安全カミソリを部分的に拡大して示す部分拡大平面図である。
【図7】同T型安全カミソリの刃カバーを開放したときの部分拡大側面図である。
【図8】従来の技術を示す部分斜視図である。
【図9】図8に示したものの縦断面図である。
【符号の説明】
【0031】
100 T型安全カミソリ
10 グリップ
11 刃体支持部
20 ヘッド
21 カミソリ刃
22 アーム部
22a 揺動軸
23 差込部
24 スプリング部
25 ストッパ
30 刃カバー
30a カバー部
31 回動軸
32 回動アーム
33 係止部
34 開閉突起
【出願人】 【識別番号】594136170
【氏名又は名称】ニッケンかみそり株式会社
【出願日】 平成18年9月21日(2006.9.21)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典

【識別番号】100129698
【弁理士】
【氏名又は名称】武川 隆宣

【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一

【識別番号】100135585
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 務


【公開番号】 特開2008−73203(P2008−73203A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2006−255476(P2006−255476)