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【発明の名称】 挟み具
【発明者】 【氏名】宇野 公二

【要約】 【課題】従来の挟み具では、テコの原理を利用して握力よりも強い力を挟み部に発生させようとする際、一対のアーム体の回転中心を構成する軸ピンと、軸ピンが嵌合される穴形状が邪魔をして、中心軸線の間際まで挟み部を設けることが困難である。よって、挟み部に強い力を発生させるには指掛部をとても長くするか、リンク機構による倍力機構を用いなければならず、挟み具が大げさになってしまう。

【構成】円盤状部の外周付近に嵌合形状を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周付近に第1嵌合形状を有する第1円盤状部と、
前記第1円盤状部に垂直で、前記第1円盤状部の中心点を通る中心軸線と、
前記中心軸線に略平行な方向に、前記第1円盤状部に設けられる第1貫通穴と、
前記第1貫通穴の内壁に設けられる第1挟み部と、
前記第1円盤状部から外側に向かって、前記中心軸線に略垂直な方向に設けられる第1指掛部と、
を備える第1アーム体と、
前記中心軸線を中心に回転可能に、前記第1円盤状部に接するように前記第1嵌合形状に隙間嵌合される第2嵌合形状を有する第2円盤状部と、
前記中心軸線に略平行な方向に、前記第2円盤状部に設けられる第2貫通穴と、
前記第2貫通穴の内壁に設けられる第2挟み部と、
前記第2円盤状部から外側に向かって、前記中心軸線に略垂直な方向に設けられる第2指掛部と、
を備える第2アーム体と
を備え、
前記第1指掛部が前記第2指掛部に近づく方向に前記第1指掛部及び前記第2指掛部を握ることで、前記第1挟み部及び前記第2挟み部が閉じる方向に移動する、
挟み具。
【請求項2】
前記第1円盤状部は、前記中心軸線に略平行な方向に設けられ前記第2貫通穴に挿入される、第1略扇形断面形状を有し、
前記第1略扇形断面形状の第1円周部が摺動可能な第2摺動部を前記第2貫通穴の内壁に有し、
前記第2円盤状部は、前記中心軸線に略平行な方向に設けられ前記第1貫通穴に挿入される、第2略扇形断面形状を有し、
前記第2略扇形断面形状の第2円周部が摺動可能な第1摺動部を前記第1貫通穴の内壁に有することで、
前記隙間嵌合は構成される、
請求項1に記載の挟み具。
【請求項3】
前記第1円周部以外の前記第1略扇形断面形状に前記第1挟み部を有し、
前記第2円周部以外の前記第2略扇形断面形状に前記第2挟み部を有する、
請求項2に記載の挟み具。
【請求項4】
前記中心軸線に略平行な方向に、前記第1円盤状部及び前記第2円盤状部はそれぞれ、第3貫通穴及び第4貫通穴を有し、
前記第1円盤状部は、前記中心軸線に略平行な方向に設けられ前記第4貫通穴に挿入される、第1略扇形断面形状を有し、
前記第1略扇形断面形状の第1円周部が摺動可能な第4摺動部を前記第4貫通穴の内壁に有し、
前記第2円盤状部は、前記中心軸線に略平行な方向に設けられ前記第3貫通穴に挿入される、第2略扇形断面形状を有し、
前記第2略扇形断面形状の第2円周部が摺動可能な第3摺動部を前記第3貫通穴の内壁に有することで、
前記隙間嵌合は構成される、
請求項1に記載の挟み具。
【請求項5】
前記第1挟み部及び前記第2挟み部には、一対の刃形状が設けられる、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の挟み具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ハサミ、ニッパー、ペンチ等の、挟み具に関する。
【背景技術】
【0002】
挟み具の中でもペンチやニッパーにおいては、特許文献1のように一対のアーム体の一端に設けられた指掛部を握ることで、一対のアーム体の他端に設けられた挟み部が閉じられるように、一対のアーム体の略中央部に回転中心軸ピンが設けられ、テコの原理を利用して握力よりも強い力を挟み部に発生させるような構造のものが多い。
【0003】
【特許文献1】特開2002−307317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の挟み具では、テコの原理を利用して握力よりも強い力を挟み部に発生させようとする際、一対のアーム体の回転中心を構成する軸ピンと、軸ピンが嵌合される穴形状が邪魔をして、中心軸線の間際まで挟み部を設けることが困難である。
よって、挟み部に強い力を発生させるには指掛部をとても長くするか、リンク機構による倍力機構を用いなければならず、挟み具が大げさになってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態図等を用いて以下に説明するが、これは本発明の内容をより把握しやすいようにする為で、添付の特許請求の範囲を縮小するものではない。
また、各図に記載の符号は数字のみ、あるいは数字とアルファベットの小文字で構成されているが、数字が同一であるということは、互いに対応している部分であることを表す。よって、数字のみの符号は、数字が同一であり数字とアルファベットの小文字で構成される符号を含む。
【0006】
発明1に係る挟み具は、例えば図1から図6のように、
外周付近に第1嵌合形状を有する円盤状部3と、
円盤状部3に垂直で、円盤状部3の中心点を通る中心軸線50と、
中心軸線50に略平行な方向に、円盤状部3に設けられる貫通穴5と、
貫通穴5の内壁に設けられる挟み部7と、
円盤状部3から外側に向かって、中心軸線50に略垂直な方向に設けられる指掛部9と、
を備える第1アーム体と、
中心軸線50を中心に回転可能に、円盤状部3に接するように前記第1嵌合形状に隙間嵌合される第2嵌合形状を有する円盤状部4と、
中心軸線50に略平行な方向に、円盤状部4に設けられる貫通穴6と、
貫通穴6の内壁に設けられる挟み部8と、
円盤状部4から外側に向かって、中心軸線50に略垂直な方向に設けられる指掛部10と、
を備える第2アーム体と
を備え、
指掛部9が指掛部10に近づく方向に指掛部9及び指掛部10を握ることで、挟み部7及び挟み部8が閉じる方向に移動する、
挟み具である。
【0007】
発明2に係る挟み具は、発明1の挟み具において、例えば図1から図4のように、
円盤状部3は、中心軸線50に略平行な方向に設けられ貫通穴6に挿入される、略扇形断面形状11を有し、
略扇形断面形状11の円周部1が摺動可能な摺動部20を貫通穴6の内壁に有し、
円盤状部4は、中心軸線50に略平行な方向に設けられ貫通穴5に挿入される、略扇形断面形状12を有し、
略扇形断面形状12の円周部2が摺動可能な摺動部19を貫通穴5の内壁に有することで、
前記隙間嵌合は構成される、
挟み具である。
【0008】
発明3に係る挟み具は、発明2の挟み具において、例えば図1から図4のように、
円周部1以外の略扇形断面形状11に挟み部7を有し、
円周部2以外の略扇形断面形状12に挟み部8を有する、
挟み具である。
【0009】
発明4に係る挟み具は、発明1の挟み具において、例えば図5及び図6のように、
中心軸線50に略平行な方向に、円盤状部3及び円盤状部4はそれぞれ、貫通穴27及び貫通穴28を有し、
円盤状部3は、中心軸線50に略平行な方向に設けられ貫通穴28に挿入される、略扇形断面形状11を有し、
略扇形断面形状11の円周部1が摺動可能な摺動部26を貫通穴28の内壁に有し、
円盤状部4は、中心軸線50に略平行な方向に設けられ貫通穴27に挿入される、略扇形断面形状12を有し、
略扇形断面形状12の円周部2が摺動可能な摺動部25を貫通穴27の内壁に有することで、
前記隙間嵌合は構成される、
挟み具である。
【0010】
発明5に係る挟み具は、発明1から発明4のいずれかの挟み具において、例えば図5及び図6のように、
挟み部7及び挟み部8には、一対の刃形状が設けられる、
挟み具である。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明では、シンプルで丈夫な構造を維持しながら、挟み部7及び挟み部8を中心軸線50の間際まで設けることが可能となる。
【0012】
さらに発明2によると、第1アーム体及び第2アーム体を共通部品とすることが容易になる。
【0013】
さらに発明3によると、円盤状部3及び円盤状部4の形状が最大限にシンプルになる。
【0014】
さらに発明4によると、挟み部7及び挟み部8の個数や形状の自由度が増す。
【0015】
さらに発明5によると、切断能力の非常に高い挟み具となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
〔第1実施形態〕
図1及び図2において、図2は共通形状である第1アーム体及び第2アーム体の一方を第三角法によって表した図であり、図1は両方を組み合わせた動作図である。
【0017】
図2において、第1(第2)アーム体は、鉄製の円盤状部3a(4a)と指掛部9a(10a)を一体に鍛造成型したものである。ここで、一体成型でなくても別に成型後、溶接や嵌合等によって接合されても良い。
また、円盤状部3a(4a)には195度開いた扇形の貫通穴5a(6a)が設けられており、貫通穴5a(6a)以外の円盤状部3a(4a)には165度開いた略扇形断面形状11a(12a)が隆起するように一体に設けられている。ここで、一体成型でなくても別に成型後、溶接や嵌合等によって接合されても良い。
また、貫通穴5a(6a)及び略扇形断面形状11a(12a)の境界部分には挟み部7a(8a)が一体に設けられている。ここには、ローレットや凹形状等、被挟持物を確実に挟持する為の形状が設けられる、あるいはニッパーのように刃が設けられても良い。
また、円盤状部3a(4a)の中心軸線50aに平行な方向に、略扇形断面形状11a(12a)の円周部1a(2a)付近に、ネジ穴21a(22a)が3個設けられている。
また、円盤状部3a(4a)から伸びる棒状の指掛部9a(10a)の根元付近には、中心軸線50aに平行な方向に穴23a(24a)が設けられている。
【0018】
図1において、組み合わされた第1アーム体及び第2アーム体には、中心軸線50aに沿う方向に互いが外れないように係止片15aが略扇形断面形状11aのネジ穴21aに螺合するネジ13aによって固定されている。ここで、略扇形断面形状12aのネジ穴22aにも同様に係止板が固定されても良い。
また、略扇形断面形状11a(12a)が円盤状部3a(4a)に別体に成型された後に接合される場合は、略扇形断面形状11a(12a)に係止片15a等が一体に成型されても良い。
【0019】
また、挟み部7a及び挟み部8aが開く方向に付勢する付勢部材51aであるネジリコイルバネの両端には輪状部が設けられており、それぞれ穴23a及び穴24aに圧入嵌合される軸ピン17a及び軸ピン18aに回転可能に係止される。
【0020】
〔第2実施形態〕
図3及び図4において、図4は共通形状である第1アーム体及び第2アーム体の一方を第三角法によって表した図であり、図3は両方を組み合わせた動作図である。
【0021】
第2実施形態の挟み具は、第1実施形態の挟み具において、図3及び図4のように略扇形断面形状11b(12b)及び扇形の貫通穴5b(6b)からなる挟み部7b(8b)がもう一組同様に設けられたものであり、貫通穴5b(6b)の扇形の開き角度は105度、略扇形断面形状11b(12b)の開き角度は75度である。
【0022】
〔第3実施形態〕
図5及び図6において、図6は共通形状である第1アーム体及び第2アーム体の一方を第三角法によって表した図であり、図5は両方を組み合わせた動作図である。
【0023】
図6において、第1(第2)アーム体は、鉄製の円盤状部3c(4c)と指掛部9c(10c)を一体に鍛造成型したものである。ここで、一体成型でなくても別に成型後、溶接や嵌合等によって接合されても良い。
また、円盤状部3c(4c)には159度開いた略扇形の貫通穴27c(28c)が設けられており、貫通穴27c(28c)以外の円盤状部3c(4c)には129度開いた略扇形断面形状11c(12c)が隆起するように一体に設けられている。ここで、一体成型でなくても別に成型後、溶接や嵌合等によって接合されても良い。
また、貫通穴27c(28c)及び略扇形断面形状11c(12c)以外の円盤状部3c(4c)には、挟み部7c(8c)が内壁に一体に設けられている貫通穴5c(6c)が設けられている。この挟み部7c(8c)には刃が設けられている。
また、円盤状部3c(4c)の中心軸線50cに平行な方向に、略扇形断面形状11c(12c)の円周部1c(2c)付近に、ネジ穴21c(22c)が3個設けられている。また、円盤状部3c(4c)から伸びる棒状の指掛部9c(10c)の根元付近には、中心軸線50cに平行な方向に穴23c(24c)が設けられている。
【0024】
図5において、組み合わされた第1アーム体及び第2アーム体には、中心軸線50cに沿う方向に互いが外れないように係止片15cが略扇形断面形状11cのネジ穴21cに螺合するネジ13cによって固定されている。ここで、略扇形断面形状12cのネジ穴22cにも同様に係止板が固定されても良い。
また、略扇形断面形状11c(12c)が円盤状部3c(4c)に別体に成型された後に接合される場合は、略扇形断面形状11c(12c)に係止片15c等が一体に成型されても良い。
【0025】
また、挟み部7c及び挟み部8cが開く方向に付勢する付勢部材51cであるネジリコイルバネの両端には輪状部が設けられており、それぞれ穴23c及び穴24cに圧入嵌合される軸ピン17c及び軸ピン18cに回転可能に係止される。
【0026】
また、挟み部7c及び挟み部8cに設けられた一対の刃は、挟み部7c及び挟み部8cが閉じられる際に鋏のように交差するので、被切断物の切断面がきれいに仕上がる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態の挟み具の動作を2段階で表す図
【図2】第1実施形態の挟み具の第1アーム体及び第2アーム体の一方を第三角法によって表した図
【図3】第2実施形態の挟み具の動作を2段階で表す図
【図4】第2実施形態の挟み具の第1アーム体及び第2アーム体の一方を第三角法によって表した図
【図5】第3実施形態の挟み具の動作を2段階で表す図
【図6】第3実施形態の挟み具の第1アーム体及び第2アーム体の一方を第三角法によって表した図
【符号の説明】
【0028】
1,2 円周部
3,4 円盤状部
5,6,27,28 貫通穴
7,8 挟み部
9,10 指掛部
11,12 略扇形断面形状
13 ネジ
15 係止片
17,18 軸ピン
19,20,25,26 摺動部
21,22 ネジ穴
23,24 穴
50 中心軸線
51 付勢部材
【出願人】 【識別番号】504474323
【氏名又は名称】宇野 公二
【出願日】 平成18年8月12日(2006.8.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−43480(P2008−43480A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220773(P2006−220773)