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【発明の名称】 樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置
【発明者】 【氏名】大塚 恵一

【氏名】落合 和久

【要約】 【課題】確実に樹脂層を除去することができる樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置を提供すること。

【構成】複数個の剥離ロール13を、樹脂被覆金属管1の樹脂層1aの外周面を囲うように位置させてヘッド11に設置し、前記各剥離ロール13を前記樹脂層1aに押圧させて、前記樹脂被覆金属管1に対して前記ヘッド11を相対的に回転させ、それによって前記樹脂層1aを前記金属管1から剥離させる樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置10であって、前記複数の剥離ロール13を囲繞するようにベルト15を掛け渡したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の剥離ロールを、樹脂被覆金属管の樹脂層外周面を囲うように位置させてヘッドに設置し、前記各剥離ロールを前記樹脂層に押圧させて、前記樹脂被覆金属管に対して前記ヘッドを相対的に回転させ、それによって前記樹脂層を前記金属管から剥離させる樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置であって、前記複数の剥離ロールを囲繞するようにベルトを掛け渡したことを特徴とする、樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置。
【請求項2】
前記ヘッドに、前記ベルトのテンションを調整するテンション調整手段を配設したことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置。
【請求項3】
前記剥離ロールの内の少なくとも1つの剥離ロールの前端部周縁に、刃を形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置。
【請求項4】
前記ヘッドに、該ヘッド前面に開口するエア供給孔を貫設したことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置に関するもので、詳しくは、剥離ロールを使用した樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
剥離ロールを、樹脂被覆金属管の樹脂層外周面に径方向内方へ圧接させるとともに、該剥離ロールで樹脂層を押圧しながら、剥離ロールを金属管を中心として公転させるか、または金属管を回転させることによって、前記樹脂層を前記金属管から剥離させる樹脂層除去装置は存在する(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
【0003】
上記特許文献1,2では、このような樹脂層除去装置では、押圧しながら回動する剥離ロールによって樹脂層が延ばされ、該樹脂層の内面が拡張され、剥離ロールの回動により樹脂層の拡張された内周面と金属管との界面で剥離が発生し、樹脂層のみが剥ぎ取られるものと考えられると記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−82820号公報
【特許文献2】特開2003−336771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年における自動車の油圧配管、燃料配管、エアー配管等では、耐久性等の観点から樹脂層の金属管への付着度が高められており、単に剥離ロールを押圧したのみでは、除去しきれない場合や、剥離の境目に盛り上がり、糸ばり等が発生する場合があり、カッター等による後処理が必要となっていた。
【0006】
本発明は、上述した背景技術が有する実情に鑑みて成されたものであって、その目的は、より確実に樹脂層を除去することができる樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するため、請求項1の樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置は、複数個の剥離ロールを、樹脂被覆金属管の樹脂層外周面を囲うように位置させてヘッドに設置し、前記各剥離ロールを前記樹脂層に押圧させて、前記樹脂被覆金属管に対して前記ヘッドを相対的に回転させ、それによって前記樹脂層を前記金属管から剥離させる樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置であって、前記複数の剥離ロールを囲繞するようにベルトを掛け渡したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置は、上記請求項1の発明において、上記ヘッドに、上記ベルトのテンションを調整するテンション調整手段を配設したことを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項3の樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置は、上記請求項1または2の発明において、上記剥離ロールの内の少なくとも1つの剥離ロールの前端部周縁に、刃を形成したことを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項4の樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置は、上記請求項1〜3のいずれかの発明において、上記ヘッドに、該ヘッド前面に開口するエア供給孔を貫設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記した請求項1の本発明によれば、上記ヘッドの剥離ロールを樹脂被覆金属管の樹脂層に押し付けた状態で、ヘッドまたは金属管を回転させると、各剥離ロールは、樹脂被覆金属管の樹脂層の周面に沿って連れ回りすることとなるが、この連れ回りによる剥離ロールの回転は、該剥離ロールを囲繞するように掛け渡したベルトによって制御され、適宜な摩擦抵抗を樹脂層に対して与えることができるので、樹脂層の剥離をより確実に行なうことができる。
【0012】
また、上記した請求項2の本発明によれば、ヘッドに配設したテンション調整手段によって、ベルトのテンションを調整することができるので、樹脂層の材質等に応じた最適な剥離効果が得られるように剥離ロールの回転を制御することができ、ロット間の微妙な樹脂層の相違、更には種々の樹脂層を被覆した金属管の樹脂層除去に容易に対応することができる。
【0013】
さらに、上記した請求項3の本発明によれば、剥離ロールに形成した刃によって、樹脂層を切削する状態で剥離することができるので、樹脂層の剥離境界部に生じる盛り上がり、糸ばり等を確実に取り除くことができる。
【0014】
さらに、上記した請求項4の本発明によれば、ヘッド前面に開口するエア供給孔を介して剥離ロールの背後からエアブローすることにより、金属管内に剥離滓等が進入するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、上記した本発明に係る樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置を、図面を参照しながら詳細に説明する。
ここで、図1は、本発明に係る樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置の一実施の形態を示した正面図、図2は、図1におけるA−A線に沿う部分の断面図、図3は、本発明に係る樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置の作用を示した概念図である。
【0016】
本発明に係る樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置(以下、単に、『樹脂層除去装置』という場合がある。)10は、旋盤等のチャックに取り付けられる円柱状のヘッド11を備えている。そして、該ヘッド11の前面には、同芯上に3つの軸12が植設され、それらの軸12に剥離ロール13が回転自在に支持されている。そして、この樹脂層除去装置10では、それらの剥離ロール13の少なくとも1つの剥離ロール13には、図2及び図3に示したように、前面側周縁に刃14が形成されている。
【0017】
また、本発明に係る樹脂層除去装置10では、上記各剥離ロール13を囲繞するようにベルト15が巻き掛けられ、かつ、上記ヘッド10の前面には、前記ベルト15のテンションを調整するテンション調整手段16が配設されている。
【0018】
上記テンション調整手段16は、図1及び図2に示したように、直方体形のブロック17を備えている。そして、このブロック17には、軸18が植設されており、該軸18の先端には、両端周縁にフランジ19aを有するテンションロール19が回転自在に支持されている。
【0019】
一方、上記ヘッド11の前面には、各剥離ロール13間に位置して、外周面から中心に向けて3本の溝11aが形成されている。そして、これらの溝11aには、テンションロール19を備えた上記ブロック17が摺動自在にそれぞれ収容され、該ブロック17の取付け孔17aに挿通されたボルト20によって、上記ヘッド11に固定されている。
【0020】
上記ブロック17の取付け孔17aの少なくとも1つ(図示した実施の形態に係る装置においては、取付け孔17aの全て)は、取付け孔17aがヘッド11の径方向に延びる長孔によって形成され、それによって、ブロック17の取付け位置がヘッド11の径方向に調整でき、上記ベルト15のテンションを変更し得るように構成されている。
【0021】
また、上記ヘッド11には、図2に示したように、ブロック17よりも中心に位置した部位に開口21aを有するエア供給孔21が貫設されている。
【0022】
上記のように構成された樹脂層除去装置10は、ヘッド11を旋盤等の回転機のチャックに装着される。一方、樹脂被覆金属管1は、前記ヘッド11の前方同芯上に位置するようにして芯出し台等の移動台に方持ち支持される。そして、ヘッド11を、図1においてX方向に回転させるとともに、移動台を移動させて樹脂被覆金属管1を、図3におけるY方向に移動させて、樹脂被覆金属管1の先端を、ヘッド11の剥離ロール13によって画成される空間に進入させる。
【0023】
すると、剥離ロール13は樹脂被覆金属管1の樹脂層1aに接触し、樹脂層1aの周りを回転(公転)しながら連れ回り(自転)することとなるが、該剥離ロール13の連れ回りによる回転は、ベルト15のテンションによって制御され、樹脂被覆金属管1と剥離ロール13との間で相対的な回転速度に差が生じ、適宜な摩擦抵抗を樹脂被覆金属管1の樹脂層1aに対して与えることができ、該樹脂層1aが剥離される。
【0024】
この際、図2および図3に示すように、剥離ロール13の刃14によって、樹脂層1aを切削する状態で剥離することができるので、樹脂層1aの剥離境界部に生じる盛り上がり、糸ばり等を確実に取り除くことができる。また、ヘッド11前面に開口21aを有するエア供給孔21を介して、剥離ロール13の背後からエアブローすることにより、樹脂被覆金属管1内に剥離滓等が進入するのを防止することができる。
【0025】
以上、本発明に係る樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置の実施の形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、種々の変形および変更が可能であることは当然である。
【0026】
例えば、上記実施の形態では、剥離ロール13の数を3つとしているが、2個または4個以上としてもよい。また、上記実施の形態では、ヘッド11を回転させ、樹脂被覆金属管1を回転するヘッド11の方に移動させているが、樹脂被覆金属管1の方を回転させてもよく、また回転させながらヘッド11の方に移動させてもよい。
【0027】
さらに、上記実施の形態において、樹脂被覆金属管1の先端部にシリコンオイルを塗布しながら剥離作業を行なうと、剥離境界部の糸バリ、盛り上がり等の発生をより確実に防止することができる。また、剥離ロール13間の距離を調整し得るものとした場合には、異なる管径の樹脂被覆金属管の樹脂層除去にも対応できる装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置の一実施の形態を示した正面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿う部分の断面図である。
【図3】本発明に係る樹脂被覆金属管の樹脂層除去装置の作用を示す概念図である。
【符号の説明】
【0029】
1 樹脂被覆金属管
1a 樹脂層
10 樹脂層除去装置
11 ヘッド
11a 溝
12 軸
13 剥離ロール
14 刃
15 ベルト
16 テンション調整手段
17 ブロック
17a 取付け孔(長孔)
18 軸
19 テンションロール
19a フランジ
20 ボルト
21 エア供給孔
21a 開口
【出願人】 【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】 【識別番号】100094547
【弁理士】
【氏名又は名称】岩根 正敏


【公開番号】 特開2008−29768(P2008−29768A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−209339(P2006−209339)