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【発明の名称】 電気かみそり
【発明者】 【氏名】佐藤 正顕

【氏名】小森 俊介

【氏名】柴 武志

【氏名】岩崎 重左エ門

【要約】 【課題】内刃を駆動子から取り外す際に基台部の長手方向中央側の引っ張り方向への変形を防止でき、容易に外れることがない着脱連結機能を長期に亘って持続できると共に、駆動子に対する内刃の着脱操作がスムーズに行なえること。

【構成】内刃4は、逆U字状の刃片8を有する刃体10と、刃体10の長手方向両端側D2が一体に取り付けられる取付部21を有する基台部11とを備え、基台部11の長手方向中央側D1に、駆動子7に取り外し可能に連結される連結部5を設けると共に、連結部5の近傍に、基台部11を駆動子7から取り外す際に連結部5と駆動子間の引張り荷重によって基台部11の長手方向中央側D1が刃体10の長手方向中央側D1から離れるのを防止するための分離防止部6を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネット状の外刃と、モータにより駆動する駆動子に取り外し可能に連結されて外刃の内側で往復摺動する内刃とを具備する電気かみそりにおいて、上記内刃は、往復摺動方向と平行な長手方向からみて逆U字状の刃片を有する刃体と、刃体の長手方向両端側が一体に取り付けられる取付部を有する基台部とを備え、基台部の長手方向中央側に、上記駆動子に取り外し可能に連結される連結部を設けると共に、この連結部の近傍に、基台部を駆動子から取り外す際に連結部と駆動子間の引張り荷重によって基台部の長手方向中央側が刃体の長手方向中央側から離れるのを防止するための分離防止部を設けたことを特徴とする電気かみそり。
【請求項2】
上記分離防止部は、基台部を駆動子に取り付ける際に刃体の長手方向中央側に押込み荷重が作用したときに刃体の長手方向中央側が基台部の長手方向中央側に近づく方向に変形するのを防止する機能を兼ねていることを特徴とする請求項1記載の電気かみそり。
【請求項3】
上記基台部に、基台部を駆動子に取り付ける際に刃体の長手方向中央側に押込み荷重が作用したときに刃体の長手方向中央側に位置する刃片の上端裏面を支持するための板部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の電気かみそり。
【請求項4】
上記板部材の先端に、刃片の上端裏面から外れないように嵌合する嵌合部を設けたことを特徴とする請求項3記載の電気かみそり。
【請求項5】
上記分離防止部は、刃片間の隙間に係合するフックからなることを特徴とする請求項1又は2記載の電気かみそり。
【請求項6】
上記分離防止部と板部材とが、基台部の長手方向にずれた位置に位置していることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、外刃の内側で往復摺動する内刃を備えた電気かみそりに関し、詳しくはモータにより駆動する駆動子に内刃を取り付けたり、取り外したりする際に内刃の基台部の長手方向中央側が変形しようとするのを防止するための内刃構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に往復式の電気かみそりは、本体部の上端部に外刃カセットを接続し、外刃カセットの上端にネット状の外刃を配置し、その内側に本体部と連結して駆動される内刃を往復摺動自在に配置することで、外刃の刃孔から導入した髭が外刃の刃孔と内刃に複数備えた刃片との挟み切りにより切断されるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の内刃4としては、図16に示すように、内刃4´を構成する刃体10と基台部11とは、基台部11の長手方向両端側D2に設けた一対の取付部21に刃体10の長手方向両端側D2をそれぞれ一体に固着して組み立てられており、基台部11の長手方向中央側D1には、本体部1から突出している駆動子7が取り外し可能に連結される連結部5が設けられているのが一般的である。
【0004】
従来の連結部5は駆動子7から容易に外れない状態で嵌め込まれているため、内刃4´をクリーニングする際には、基台部11の長手方向両端側D2の指当て部22を指でつまんで駆動子7から離れる方向Aに強く引っ張って取り外すようにしている。このとき基台部11の長手方向中央側D1は、刃体10に対してフリーであり且つ駆動子7に対して容易に外れない連結部5が設けられている部分であるため、連結部11と駆動子7間の引張り荷重B(連結部5と駆動子7の係合力)によって基台部11の長手方向中央側D1が刃体4´から離れる方向に変形するようになり、このとき連結部5にはストレスが発生する。このような着脱を繰り返すことで連結部5と駆動子7との間にガタツキが生じやすくなり、駆動子7との連結状態が不安定となり、容易に外れないようにする着脱連結機能が低下する結果となる。殊に、内刃4´の重量を軽くしてモータの負荷を下げたり、刃ヘッドの小型化を図るために刃の高さ寸法を短くしたりするように構成されている場合にあっては、プラスチック製の基台部11の剛性が低下することで、駆動子7からの着脱の際に基台部11の長手方向中央側D1が上下により撓みやすくなり着脱力が不安定となって、着脱が困難になるという問題もある。
【特許文献1】特開2004−16520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、内刃を駆動子から取り外す際に基台部の長手方向中央側の引っ張り方向への変形を防止でき、容易に外れることがない着脱連結機能を長期に亘って持続できると共に、駆動子に対する内刃の着脱操作がスムーズにできるようにした電気かみそりを提供することを課題とし、また、内刃を駆動子に取り付ける際に基台部の長手方向中央側の押し込み方向への変形を防止でき、連結部に変形によるストレスが生じるのを確実に防止できるようにした電気かみそりを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明は、ネット状の外刃3と、モータにより駆動する駆動子7に取り外し可能に連結されて外刃3の内側で往復摺動する内刃4とを具備する電気かみそりにおいて、上記内刃4は、往復摺動方向と平行な長手方向Dからみて逆U字状の刃片8を有する刃体10と、刃体10の長手方向両端側D2が一体に取り付けられる取付部21を有する基台部11とを備え、基台部11の長手方向中央側D1に、上記駆動子7に取り外し可能に連結される連結部5を設けると共に、この連結部5の近傍に、基台部11を駆動子7から取り外す際に連結部5と駆動子7間の引張り荷重Bによって基台部11の長手方向中央側D1が刃体10の長手方向中央側D1から離れるのを防止するための分離防止部6を設けたことを特徴としている。
【0007】
このような構成とすることで、内刃4を駆動子7から取り外す際には、基台部11の長手方向両端側D2を指でつまんで駆動子7から離れる方向に強く引っ張って取り外す。このとき、基台部11の連結部5が設けられている長手方向中央側D1には、駆動子7からの引張り荷重B(連結部5と駆動子7との係合力)が作用するが、本発明では基台部11における連結部5の近傍位置に分離防止部6を設けて基台部11の長手方向中央側D1が刃体10の長手方向中央側D1から離れるのを防止するので、基台部11の連結部5に変形によるストレスが生じることがなくなり、着脱を繰り返しても連結部5と駆動子7との間にガタツキが生じることがなくなる結果、連結部5と駆動子7の安定した連結状態を長期に亘って持続させることができる。そのうえ、内刃4の重量を軽くしてモータの負荷を下げたり、刃ヘッドの小型化を図るために刃の高さ寸法を短くしたりするように構成されている場合に、プラスチック製の基台部11の剛性が低下していたとしても、分離防止部6によって着脱時に基台部11の長手方向中央側D1の変形を防止できるので、駆動子7に対する内刃4の着脱力が安定したものとなる。
【0008】
また、上記分離防止部6は、基台部11を駆動子7に取り付ける際に刃体10の長手方向中央側D1に押込み荷重Cが作用したときに刃体10の長手方向中央側D1が基台部11の長手方向中央側D1に近づく方向に変形するのを防止する機能を兼ねているのが好ましく、この場合、分離防止部6は引張り荷重Bに対する第1の分離防止機能と、押込み荷重Cに対する第2の分離防止機能とを兼ね備えたものとなり、従って、分離防止部6による引っ張り方向への変形防止効果と押し込み方向への変形防止効果とがあいまって、連結部5に変形によるストレスが生じるのを確実に防止できるようになる。
【0009】
また、上記基台部11に、基台部11を駆動子7に取り付ける際に押込み荷重Cが作用したときに刃体10の長手方向中央側D1に位置する刃片8の上端裏面8aを支持するための板部材19を設けるのが好ましく、この場合、板部材19によって刃体10の長手方向中央側D1が押し込み方向に変形するのを防止できるので、上記分離防止部6による引っ張り方向への変形防止効果とあいまって、連結部5に変形によるストレスが生じるのをより確実に防止できるようになる。
【0010】
また、上記板部材19の先端に、刃片8の上端裏面8aから外れないように嵌合する嵌合部23を設けるのが好ましく、この場合、板部材19の先端を刃片8の上端裏面8aから外れないように嵌合させることができるので、内刃4の振動によって板部材19が傾いたり、刃片8から外れる心配がなくなり、板部材19による基台部11の変形防止効果がより高められるようになる。
【0011】
また、上記分離防止部6は、刃片8間の隙間12に係合するフックからなるのが好ましく、この場合、分離防止部6を刃片8間の隙間12に引っ掛けるだけで、既存の刃片8間の隙間12を利用して、刃体10の長手方向中央側D1に対する基台部11の長手方向中央側D1の分離防止が図られる。従って、刃体10側に分離防止部6を係合させるための穴部を別途設けたりする必要がなくなり、穴明けによる刃体10の強度低下を回避できるようになる。
【0012】
また、上記分離防止部6と板部材19とが、基台部11の長手方向Dにずれた位置に位置しているのが好ましく、この場合、刃体10に対する分離防止部6の係合位置と、刃体10に対する板部材19の嵌合位置とが長手方向Dにずれて位置することとなり、つまり、曲げ強度や圧縮強度に優れたトラス型に位置することとなり、これにより刃体10に対する基台部11の長手方向中央側D1の取り付け強度がより一層向上することとなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電気かみそりの内刃は、基台部の長手方向中央側における連結部の近傍に、基台部を駆動子から取り外す際に連結部と駆動子間の引張り荷重によって基台部の長手方向中央側が刃体の長手方向中央側から離れるのを防止するための分離防止部を設けたことにより、内刃を駆動子から取り外す際に、基台部の長手方向中央側に駆動子からの引張り荷重(連結部と駆動子との係合力)がかかっても分離防止部によって基台部の長手方向中央側の変形を防止でき、これにより容易に外れることがない着脱連結機能を長期に亘って持続できるものであり、そのうえ駆動子に対する内刃の着脱力が安定したものとなり、着脱操作をスムーズに行えるものである。
【0014】
さらに、上記基台部を駆動子に取り付ける際に押込み荷重が作用したときに基台部の長手方向中央側が押し込まれて変形するのを防止する機能を付与したことにより、引っ張り方向への変形防止効果と押し込み方向への変形防止効果とがあいまって、連結部に変形によるストレスが生じるのを確実に防止できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0016】
図2は本発明の一実施形態の往復式電気かみそりを示している。本例の電気かみそりは、モータ(図示せず)を内蔵する本体部1と、本体部1の上端縁に接続される外刃カセット2と、外刃カセット2の上端開口に配置されるネット状の一対の外刃3及び1つのセンター刃40と、本体部1に取り外し可能に連結されて外刃3の内側に配置される一対の内刃4とを備えている。
【0017】
本体部1の上端には、図3に示すように、一対の駆動子7を突出させており、この駆動子7に着脱自在に取付けた一対の内刃4(図2)が、駆動子7と一体に往復駆動されることで、外刃3の刃孔から導入した髭が、外刃3の刃孔と内刃4に複数備えた刃片8との挟み切りにより切断されるものである。
【0018】
次に、本発明の特徴的構成である内刃4の構造について詳しく述べる。内刃4は、図1に示すように、往復摺動方向からみて逆U字状をした複数の刃片8の下端を互いに連結することで刃体10が構成されており、この刃体10の内部に、本体部1側の駆動子7により往復駆動される継手部材である基台部11を固着して形成したものである。なお、以下において、往復摺動する方向を長手方向Dとし、往復摺動方向と直交する方向を短手方向Eと定義する。
【0019】
基台部11は、刃体10の内部に大略収納される程度の長尺部材からなり、その長手方向両端側D2には、それぞれ、内刃4を本体部1に着脱する際の摘み部分となる指当て部22が設けられている。
【0020】
一方、刃体10は板金をプレス曲げして全体をアーチ状に形成したものであって、上に凸の断面略円弧状を成す上側部分にスリット状の隙間12をあけて複数の刃片8が並設されている。図1に示す例では、長手方向両端側D2に位置する刃片8間の隙間12の下端位置を高くし、それよりも長手方向中央側D1に位置する刃片8間の隙間12の下端位置を上記長手方向両端側D2の隙間12の下端位置よりも低くしてあり、いずれかの隙間12の下端に対して後述する分離防止用フック6が係合可能とされる。
【0021】
また上記各刃片8の上端部の両面には、それぞれ、図6に示すように、長手方向Dに尖った鋭い刃先8bが形成されており、両刃先8b以外の領域は比較的薄く形成されている。
【0022】
また上記刃体10の長手方向両端側D2には、図1に示すように、刃片8よりも幅広のガード片13を設けている。ガード片13は刃片8と同様に逆U字状を成しており、このガード片13を長手方向両端側D2に設置することで外部からの衝撃で刃片8が破損することのないよう、刃体10全体を強固に繋いでいる。またガード片13には、基台部11の指当て部22の上部から上方に延びた突部26を接触させており、この突部26とガード片13との接触によって上下の位置決めが行なわれると同時に、シェービング時の刃片8の振動による空気振動音が突部26によって外部に逃げないようにでき、これが心地よい剃り音となって使用者側により聞こえ易くなる。
【0023】
また上記刃体10の両下端部分には、それぞれ、図1に示すように、長手方向Dの中央部分に下側の開口した抉り部14を凹設してあり、この抉り部14の長手方向D両側に下側の開口した略矩形状の角凹部16を凹設している。この角凹部16に対して基台部11に形成した角凸部20が嵌合することで、刃体10の基台部11に対する長手方向Dの位置決めが行なわれている。さらに、基台部11の前後面に形成した凸面22が刃体10の両下端部分に当接することで短手方向Eの位置決めが行なわれている。
【0024】
さらに、上記刃体10と基台部11とは、図1に示すように、基台部11の長手方向両端側D2に設けた取付部21に刃体10の長手方向両端側D2をそれぞれ一体に固着して組み立てられる。本例では、上記角凹部16の左右両側にはそれぞれ下側の開口した略円形状の円凹部15を凹設していると共に、各円凹部15の内周面の四箇所からは内側に向けて薄肉凸部27が突設している。そして、刃体10と基台部11との固着は、刃体10の下方から基台部11を内部に挿入すると共に、基台部11の前後面の左右両隅に夫々一対ずつ設けたヒートシールボス21aを、上記円凹部15にそれぞれ嵌め込んで薄肉凸部27で位置決めした状態で、ヒートシールボス21aをヒートシールすることで行われる。
【0025】
さらに一対の円凹部15のうち外側にある円凹部15aの上方には、図1に示すように角窓部17を設けている。この角窓部17に対して基台部11の長手方向両端側D2に形成した結合フック24が係止することで、基台部11の長手方向両端側D2に対する刃体10の長手方向両端側D2の上方への抜け止めが行なわれる。
【0026】
次に、本発明の特徴的構成である分離防止部6について説明する。
【0027】
上記基台部11の長手方向中央側D1には、本体から突出している駆動子7(図3)が取り外し可能に連結される連結部5が設けられると共に、この連結部5の近傍には、分離防止部6が設けられている。
【0028】
ここでいう「連結部5の近傍」とは、好ましくは刃体10が取り付けられている長手方向両端側D2に設けられている取付部21よりも内側の範囲(例えば図1のD1の範囲)をいう。なお、分離防止部6から基台部11にかかる力をより安定させるためには、基台部11に設けられる抉り部14の長手方向Dの幅の範囲(例えば図1のD3の範囲)内に分離防止部6を位置させるのがより好ましいものであり、さらに、駆動子7の長手方向Dの幅の範囲(例えば図3のD4の範囲内)に分離防止部6を位置させるのが更に好ましいものである。
【0029】
本例の分離防止部6は、図1、図4、図9に示すように、基台部11の長手方向Dと直交する短手方向Eに突出して刃体10における刃片8間の隙間12の下端に係合するフック(以下「分離防止用フック6」と称する)で構成されている。ここでは、分離防止用フック6は、連結部5の短手方向Eの両側面にそれぞれ突設されている。各分離防止用フック6は、図9に示すように、基台部11の短手方向Eの両外壁面11aからそれぞれ突出しており、分離防止用フック6の下端面が基台部11の外壁面11aと直交する係止面6aとなっており、上端面は先端側にいく程徐々に下り傾斜したテーパー面6bとなっている。この分離防止用フック6を刃片8間の隙間12に導入することで分離防止用フック6の係止面6aが該隙間12の下端に係止した状態となり、基台部11の長手方向中央側D1と刃体10の長手方向中央側D1とが互いに係止されるようになる。
【0030】
ここで、図1、図4の例では、分離防止用フック6は、基台部11の長手方向中央側D1に寄せた位置で長手方向Dに等間隔をあけて且つ同じ高さ位置で例えば3個設けられている。これら分離防止用フック6は、基台部11を駆動子7(図3)から取り外す際に連結部5と駆動子7間の引張り荷重Bによって基台部11の長手方向中央側D1が刃体10の長手方向中央側D1から離れるのを防止する働きをする。
【0031】
さらに上記基台部11の長手方向中央側D1には、図1、図5に示すように、長手方向Dに間隔をあけて複数の板部材19が突設されている。板部材19は、基台部11を駆動子7(図3)に取り付ける際に押込み荷重C(図4)が作用したときに刃体10の長手方向中央側D1が基台部11の長手方向中央側D1に近づく方向に変形するのを防止する働きをする。本例の板部材19は、基台部11の前後一対の壁部9の上端から立設されて基台部11の長手方向Dと直交する垂直面内に配置される薄板状に形成されていると共に、その外周縁は逆U字状をした刃片8の裏面全長に沿って同じ曲率で湾曲しており、さらに図6に示すように、先端中央に設けた凹溝状の嵌合部23が刃片8の上端裏面8aから外れないように嵌合している。
【0032】
図1、図5の例では、板部材19は、基台部11の長手方向中央側D1に寄せた位置で長手方向Dに等間隔をあけて例えば6枚突設されている。板部材19の間隔は、例えば刃片8間の間隔の整数倍(本例では3倍)とされ、各板部材19がそれぞれいずれか1つの刃片8と個別に対応配置されている。また本例では、6枚の板部材19のうち、中央側の3枚の板部材19の相互間に前記3個の分離防止用フック6が位置するように、板部材19と分離防止用フック6とが配置されている。つまり、図4(a)に示すように、3個の分離防止用フック6は中央側の3枚の板部材19の真下位置よりもそれぞれ長手方向D(図4(a)の紙面の左右方向)にずれて位置しており、これにより、刃体10に対する分離防止用フック6の係合位置と、刃体10に対する板部材19の嵌合位置とがトラス型に配置されることで、刃体10への基台部11の取付強度の向上が図られている。なお、板部材19と分離防止用フック6とを必ずしも長手方向Dにずらして配置する必要はなく、中央側の3枚の板部材19の真下位置に3個の分離防止用フック6をそれぞれ配置する構造であってもよい。
【0033】
しかして、上記構成の内刃4を取り外す際には、従来と同様、基台部11の長手方向両端側D2の指当て部22を指でつまんで駆動子7(図3)から離れる方向A(図4)に強く引っ張って取り外す。このとき基台部11の連結部5が設けられている長手方向中央側D1には、駆動子7からの引張り荷重Bが作用するが、本発明では基台部11における連結部5の近傍位置に分離防止用フック6を設けることで、基台部11の長手方向中央側D1が刃体10の長手方向中央側D1から離れようとするのを防止している。従って、基台部11の長手方向中央側D1の変形を回避できるので、連結部5に変形によるストレスが生じることがなくなり、着脱を繰り返しても連結部5と駆動子7との間にガタツキが生じることがなくなって連結部5と駆動子7の連結を長期に亘って安定化させることができる結果、容易に外れることがない着脱連結機能を長期に亘って持続できるようになる。殊に、内刃4の重量を軽くしてモータの負荷を下げたり、刃ヘッドの小型化を図るために刃の高さ寸法を短くしたりするように構成されている場合において、プラスチック製の基台部11の剛性が低下していたとしても、分離防止用フック6によって着脱時に基台部11の長手方向中央側D1の撓みを回避できるので駆動子7に対する内刃4の着脱力が安定したものとなり、着脱操作がスムーズに行なえる利点もある。
【0034】
一方、内刃4を駆動子7に取り付ける際は、従来と同様、基台部11の長手方向両端側D2の指当て部22を指でつまんで駆動子7(図3)に向かって強く押し込むようにする。しかしこのとき指で刃体10の長手方向中央側D1が押されることがある。この場合、刃体10の長手方向中央側D1に押込み荷重Cが作用するが、本発明では、板部材19によって刃体10の長手方向中央側D1に位置する刃片8の上端裏面8aを支持しているので、指で刃体10の長手方向中央側D1が押されても板部材19によって基台部11の長手方向中央側D1が押込み荷重Cによって変形することがなくなり、これにより、上記分離防止用フック6による引っ張り方向への変形防止効果とあいまって、連結部5と駆動子7の連結がより安定したものとなり、容易に外れることがない着脱連結機能を長期に亘って確実に持続できると共に、着脱操作も容易に行なえるものである。しかも図4(a)のように分離防止用フック6と板部材19の嵌合部23とが基台部11の長手方向Dにずらせて配置されているので、刃体10に対する分離防止用フック6の係合位置と、刃体10に対する板部材19の嵌合位置とが長手方向Dにずれて位置することとなる。つまり、分離防止用フック6と板部材19の嵌合部23とが、曲げ強度や圧縮強度に優れたトラス型に配置されており、これにより刃体10に対する基台部11の長手方向中央側D1の取り付け強度が大幅に向上することとなる。
【0035】
また本例では、刃体10と基台部11との組み立て時において、基台部11の分離防止用フック6を刃体10の長手方向中央側D1に位置する刃片8間の隙間12の下端に引っ掛けることで、既存の刃片8間の隙間12を利用して、刃体10の長手方向中央側D1に対する基台部11の長手方向中央側D1の分離防止が図られる。従って、刃体10側に分離防止用フック6を係合させるための穴部を別途設ける必要がなくなり、穴明けによる刃体10の強度低下を防止できる利点がある。また組み立て時において、図6に示すように、板部材19の先端に設けた嵌合部23を凹溝状に形成して嵌合部23周辺の上端高さを刃片8の下端よりも高くしているので、嵌合部23を刃片8の上端裏面8aから外れないように確実に嵌合させることができるようになり、これにより、内刃4の振動によって板部材19が傾いたり、刃片8から外れたりする心配がなくなり、板部材19による基台部11の変形防止効果をより高めることができる。そのうえ図6の例では、嵌合部23の底面から刃片8の下端を浮き上がらせるようにして、そのスペースSによって板部材19及び刃片8の寸法誤差や、組み立て誤差などを吸収できるようになる。なお、図7あるいは図8に示すように、嵌合部23周辺の上端面に嵌合部23に近づく程下方に傾斜するテーパー面30(31)を形成することにより、刃片8の下端を嵌合部23にスムーズに導入できるようにしているので、組み立て性が一層向上する利点もある。
【0036】
図10〜図14は本発明の他の実施形態であり、基本的には図1〜図9の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付し、異なる点だけを説明する。本例では、長手方向中央側D1に位置する刃片8間の隙間12の下端の延長線上に、刃片8間の隙間12と同じ溝幅で分離防止用フック6が係合する係合穴31を穿孔すると共に、各係合穴31の下端を長手方向両端側D2に位置する刃片8間の隙間12の下端と同じ高さ位置としている。そして図11のように係合穴31の上下寸法よりも分離防止用フック6の上下寸法を短くして、係合穴31の下半部に分離防止用フック6を係合させている。これにより係合穴31は刃片8間の隙間12とは分断されているため、刃体10の穴あけ面積が小さくなり(分断されている部分は穴が存在しないため)、穴あけによる刃体10の強度低下を極力防止できるものである。さらに図13に示すように、嵌合部23の底面と刃片8の下端とを密着させることで、板部材19による刃片8の支持をより強固に行なえるようになる。
【0037】
図15は本発明の他の実施形態であり、基本的には図10〜図14の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付し、異なる点だけを説明する。本例では、図15に示すように、係合穴31の外形寸法と分離防止用フック6の外形寸法を略同じ寸法にして、係合穴31に対して分離防止用フック6をほぼ隙間なく係合させている。これにより、分離防止用フック6は、基台部11を駆動子7から取り外す際に引張り荷重Bによって基台部11の長手方向中央側D1が刃体10の長手方向中央側D1から離れるのを防止する機能だけでなく、基台部11を駆動子7に取り付ける際に刃体10の長手方向中央側D1に押込み荷重Cが作用したときに刃体10の長手方向中央側D1が基台部11の長手方向中央側D1に近づく方向に変形するのを防止する機能を兼ね備えたものとなる。つまり、分離防止用フック6は、引っ張り方向に対する第1の分離防止機能と、押し込み方向に対する第2の分離防止機能とを兼ね備えたものとなるので、図1〜図14の実施形態で用いた板部材19が省略可能となり、結果、基台部11の構造を簡素化できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に用いる内刃の分解斜視図である。
【図2】同上の内刃を備えた電気かみそりの斜視図である。
【図3】同上の内刃に連結される駆動子を説明する斜視図である。
【図4】(a)は同上の内刃の正面図、(b)は底面図である。
【図5】(a)は同上の基台部の正面断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図6】同上の板部材と刃片との嵌合状態の一例を説明する正面断面図である。
【図7】同上の板部材と刃片との嵌合状態の他例を説明する正面断面図である。
【図8】同上の板部材と刃片との嵌合状態の更に他例を説明する正面断面図である。
【図9】同上の分離防止部と刃体との係合状態を説明する側面断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に用いる内刃の分解斜視図である。
【図11】図10の内刃の正面図である。
【図12】(a)は図10の基台部の正面断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図13】図10の板部材と刃片との嵌合状態の一例を説明する正面断面図である。
【図14】図10の分離防止部と刃体との係合状態を説明する側面断面図である。
【図15】本発明の更に他の実施形態に用いる内刃の正面図である。
【図16】従来の内刃を駆動子から取り外す場合の説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 本体部
3 外刃
4 内刃
5 連結部
6 分離防止部
7 駆動子
8 刃片
8a 刃片の上端裏面
10 刃体
11 基台部
12 刃片間の隙間
19 板部材
21 取付部
23 嵌合部
D 長手方向
D1 長手方向中央側
D2 長手方向両端側
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成18年7月21日(2006.7.21)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清

【識別番号】100085604
【弁理士】
【氏名又は名称】森 厚夫


【公開番号】 特開2008−23121(P2008−23121A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−199952(P2006−199952)