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【発明の名称】 剃刀具およびその製造方法
【発明者】 【氏名】栗原 登

【要約】 【課題】剃刀具の使用に比較的良く馴れていない若い女性などでも、より安心感を持って使用できる剃刀具とその製造方法を提供する。

【構成】柄2の先端部に取付けられた刃3に、刃の刃先3aを所定間隔で露出させるスリット6と該刃先を複数箇所で覆うブリッジ7とを有するセーフティガード4が装着された剃刀具1において、セーフティガード4として有彩色に着色されたカラープレコート・ステンレスシートあるいはアルミニウムシート、または有彩色の合成樹脂を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄の先端部に取付けられた刃に、該刃の刃先を所定間隔で露出させるスリットと該刃先を複数箇所で覆うブリッジとを有するセーフティガードが装着された剃刀具であって、前記セーフティガードが有彩色に着色された材料から形成されていることを特徴とする剃刀具。
【請求項2】
前記セーフティガードが、ステンレスシートから形成されていることを特徴とする請求項1記載の剃刀具。
【請求項3】
前記セーフティガードが、アルミニウムシートから形成されていることを特徴とする請求項1記載の剃刀具。
【請求項4】
前記セーフティガードが、有彩色に着色された樹脂層で被覆されたステンレス製あるいはアルミニウム製のシートから形成されていることを特徴とする請求項1記載の剃刀具。
【請求項5】
前記セーフティガードが、合成樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1記載の剃刀具。
【請求項6】
前記セーフティガードの厚さが、10μm〜250μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の剃刀具。
【請求項7】
刃の装着部における柄の刃面側の先端部位置とスリットの端部位置の距離(幅)Wが0.1mm〜2mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の剃刀具。
【請求項8】
前記柄が、透明もしくは半透明な樹脂の成形物からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の剃刀具。
【請求項9】
前記柄が、不透明な樹脂の成形物からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の剃刀具。
【請求項10】
樹脂の成形物が、有彩色の色彩であって、かつ、セーフティガードの色彩と同系統色で該セーフティガードの色彩よりも明度の高い色彩を有するものであることを特徴とする請求項8または請求項9記載の剃刀具。
【請求項11】
カラープレコート・ステンレスシートあるいはアルミニウムシートにスリットを打ち抜き加工し、しかる後、
(a)該シートの横幅方向中間部で折り曲げ、刃先に先端部から基端部近傍までを被覆するよう嵌め合わせて、スポット溶接法により固定し装着すること、
あるいは、
(b)該シートの幅方向の一方側を、スポット溶接によって刃先片側に接合させた後、該ステンレスシートあるいはアルミニウムシートを該シートの横幅方向中間部で折り曲げ、他方側をスポット溶接法により刃先に固定し装着すること、
を行い、更に、該刃を柄に取り付けることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の剃刀具を製造する方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、剃刀具とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、女性が顔表面の産毛を剃ったり眉毛のラインを整えたりする際などに主に使用するに好適な剃刀具が提案されている(特許文献1−3)。
【0003】
図1は、そのような剃刀具の代表的なものとして、その外観を概略モデル的に示したものである。
【0004】
この種の剃刀具1は、使用者が手で把持するための柄2と、柄2の先端部に取付けられた刃3とにより構成されている。刃3の部分は、その幅の約2/3〜3/4程度の部分が柄2(一般に合成樹脂で形成されている)の先端部に埋め込まれている。
【0005】
通常、このような剃刀具1においては、使用者が刃先3aを肌に当てたまま誤って該刃先3aに沿う方向に剃刀具1を操作をしたとしても肌を傷つけないように、刃先3aにセーフティガード4と呼ばれる部材が固定して装着されて、剃刀具1が構成されている。
【0006】
このセーフティガード4は、図2および図3に示すように、刃先3aの長さ寸法より短い長さを有して薄板状に形成されたステンレスシート5に、横幅方向に延びる細長のブリッジ7を、多数形成するよう、長手方向に沿って複数のスリット6を打抜き加工して構成されている。
【0007】
このセーフティガード4を、刃先3aに固定して装着する際には、例えば、図3に示したように、ステンレスシート5を横幅方向中間部で曲り折げして、刃先3aの先端部3bを露出させるよう刃先3aに被覆し、ステンレスシート5の横幅方向両端部を刃3の両側面のそれぞれにスポット溶接して装着している。
【0008】
このような剃刀具におけるセーフティガードは、図1〜図3に示したように、セーフティガード4に形成されたスリット6は、刃先方向と直交する方向に平行な部分の両側に半円状の円弧を備えた環状長孔から一般に形成されるものであり、例えば、その寸法は、スリット6のステンレスシート5の長手方向に平行な幅Aは約0.5〜6mmに形成され、かつ隣接するスリット6、6同士の間であるブリッジ7の幅Bは約0.1〜1.5mm程度に形成されている。
【0009】
このように、セーフティガード4は、各ブリッジ7により刃先3aの横滑りを防いでいる。また、刃先3aの先端部3bはセーフティガード4で被覆されることなく露出され、この刃先3aの先端部3bを用いることによって、眉毛1本1本のラインを整えるような微妙な作業を行うことができるようにされている。
【0010】
このセーフティガードが存在していることにより、使用者は、刃物を皮膚に当てるという場合にあっても、安心感と安全感を持って剃刀具を使用することができ、例えば、使用する刃の部分や当て方など、さまざまに剃刀具を用いての、眉毛のラインを整えることや産毛を除去することの作業自体に神経を集中することができる。
【0011】
しかし、剃刀具の使用に比較的馴れていない若い女性などがより安心して使用できるようにするため、更に一層の安全な使用をもたらすことのできる剃刀具が求められるものであった。
【特許文献1】特開2000−300867号公報
【特許文献2】特開2000−14945号公報
【特許文献3】特開2001−129273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、剃刀具の使用に比較的良く馴れていない若い女性などでも、より強い安心感と安全さを持って使用できる剃刀具を提供することにあり、特に、上目や下目、横目使いなどの近接した焦点が合わない肉眼視での使用であっても、あるいは、視線は鏡面に映った剃り箇所などに集中的に行っている場合であっても、剃刀具の刃面・刃先の存在・その位置等を意識の中に置くことが適切にできて、そのことが、より安全な使用に資することのできる剃刀具と、そのような剃刀具を製造する方法を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成する本発明の剃刀具は、下記(1)の構成からなるものである。
(1)柄の先端部に取付けられた刃に、該刃の刃先を所定間隔で露出させるスリットと該刃先を複数箇所で覆うブリッジとを有するセーフティガードが装着された剃刀具であって、前記セーフティガードが有彩色に着色された材料から形成されていることを特徴とする剃刀具。
【0014】
また、かかる本発明の剃刀具において、より具体的に好ましくは、以下の(2)〜(10)のいずれかからなるものである。
【0015】
(2)前記セーフティガードが、ステンレスシートから形成されていることを特徴とする上記(1)記載の剃刀具。
【0016】
(3)前記セーフティガードが、アルミニウムシートから形成されていることを特徴とする上記(1)記載の剃刀具。
【0017】
(4)前記セーフティガードが、有彩色に着色された樹脂層で被覆されたステンレス製あるいはアルミニウム製のシートから形成されていることを特徴とする上記(1)記載の剃刀具。
【0018】
(5)前記セーフティガードが、合成樹脂から形成されていることを特徴とする上記(1)記載の剃刀具。
【0019】
(6)前記セーフティガードの厚さが、10μm〜250μmの範囲内であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の剃刀具。
【0020】
(7)刃の装着部における柄の刃面側の先端部位置とスリットの端部位置の距離(幅)Wが0.1mm〜2mmの範囲内であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の剃刀具。
【0021】
(8)前記柄が、透明もしくは半透明な樹脂の成形物からなることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の剃刀具。
【0022】
(9)前記柄が、不透明な樹脂の成形物からなることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の剃刀具。
【0023】
(10)樹脂の成形物が、有彩色の色彩であって、かつ、セーフティガードの色彩と同系統色で該セーフティガードの色彩よりも明度の高い色彩を有するものであることを特徴とする上記(8)または(9)記載の剃刀具。
【0024】
また、上述した目的を達成する本発明の剃刀具の製造方法は、下記(11)の構成からなるものである。
【0025】
(11)カラープレコート・ステンレスシートあるいはアルミニウムシートにスリットを打ち抜き加工し、しかる後、
(a)該シートの横幅方向中間部で折り曲げ、刃先に先端部から基端部近傍までを被覆するよう嵌め合わせて、スポット溶接法により固定し装着すること、
あるいは、
(b)該シートの幅方向の一方側を、まずスポット溶接によって刃先片側に接合させた後、該ステンレスシートあるいはアルミニウムシートを該シートの横幅方向中間部で折り曲げ、他方側をスポット溶接法により刃先に固定し装着すること、
を行い、更に、該刃を柄に取り付けることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の剃刀具を製造する方法。
【発明の効果】
【0026】
請求項1にかかる本発明によれば、剃刀具の使用に比較的良く馴れていない若い女性などでも、より強い安心感と具体的安全さを持って使用できる剃刀具が提供される。
【0027】
特に、上目や下目、横目使いなどの近接した焦点が合わない肉眼視での使用であっても、あるいは、視線は鏡面に映った剃り箇所などに集中的に行っている場合であっても、剃刀具の刃面・刃先の存在・その位置等を意識の中に置くことが適切にできて、そのことが、より安全な使用に資することのできる剃刀具を提供できたものである。
【0028】
また、着色されたセーフティーガードを用いた剃刀具は、従来の無着色のセーフティガードを用いたものの場合と比べて、さまざまな具体的な特徴と利点を使用時に有することができ、例えば、剃刀具に美的感覚に富んだアクセントを与えることができ、使用時には、刃先位置の視認を容易にして、安全性と安心感を使用者にもたらし、また、色に応じて、使用者ごとの区別や使用目的ごとの区別などの標識(目印)にすることもできるので便利なものである。
【0029】
請求項11にかかる本発明によれば、上述した本発明にかかる剃刀具を、工程や作業性も良好に、かつ、それらの管理なども比較的簡易なもとで製造することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、更に詳しく本発明の剃刀具について、説明する。
本発明の剃刀具は、柄の先端部に取付けられた刃3に、該刃3の刃先3aを所定間隔で露出させるスリットと該刃先3aを複数箇所で覆うブリッジ7とを有するセーフティガード4が装着された剃刀具であって、該セーフティガード7が有彩色に着色された材料から形成されている。
【0031】
通常、該セーフティガード4が装着される刃先3aについては、着色されていないものであるが、特に、該無着色の刃先3aに着色されたセーフティガード4を装着することによって、セーフティガード4を視認すること、ひいては、刃先3aとセーフティガード4とを視認することが難なくでき、セーフティガード4の存在を意識することや刃先3aの位置の認識を自然に行うことができて、使用者に使いやすさを感じさせることができるようになるのである。
【0032】
すなわち、本発明の剃刀具を用いれば、通常、このような剃刀具を自分の顔などに使用するときには、上目や下目使い、横目使いなどの近接した焦点が合わない肉眼視での使用になることや、あるいは、視線は鏡面の剃り箇所などの一点に行っていて、剃刀具の刃面・刃先には集中した注意心が行かないような使用となる場合であっても、剃刀具の刃面・刃先の存在・その位置などを意識の中にリアルタイムに置くことが可能となり、より安全・安心感を持って、確実に所望する剃り作業を行うことができるようになるのである。
【0033】
本発明の剃刀具において、好ましくは、セーフティガード4が、ステンレスシートから形成されていること、あるいは、アルミニウムシートから形成されているものである。
【0034】
ステンレスやアルミニウムの金属薄板状シートに着色をする方法は、特に限定されることなく、種々の方法で行うことができるが、 特に、セーフティガードを、有彩色に着色された樹脂層で被覆されたステンレス製あるいはアルミニウム製のシートから形成することが好ましい。
【0035】
特に、上述した打ち抜き加工工程を用いてセーフティガードを製作する場合には、打ち抜き加工に供する材料シートとして、予め着色樹脂層によって一方の表面が被覆されている、いわゆるカラープレコート・ステンレスあるいはアルミニウムのシートを用いる方法が好ましい。
【0036】
さらに、カラープレコート・ステンレスあるいはアルミニウムのシートを刃先に装着するに際しては、具体的には、例えば、
(a)該カラープレコート・ステンレスシートあるいはアルミニウムシートにスリットを打ち抜き加工し、後述するように、カラープレコート層の一部を剥離処理したステンレスシートあるいはアルミニウムシートを、横幅方向中間部で折り曲げ、刃先に先端部から基端部近傍までを被覆するよう嵌め合わせて、該剥離処理部分を、スポット溶接法により固定し装着すること、
あるいは、
(b)該カラープレコート・ステンレスシートあるいはアルミニウムシートにスリットを打ち抜き加工し、同様の剥離処理をしたカラープレコート・ステンレスシートあるいはアルミニウムシートの片側を、まず、スポット溶接によって刃先片側に接合させた後、そのステンレスシートあるいはアルミニウムシートを横幅方向中間部で折り曲げ、他側をスポット溶接法により刃先に固定し装着すること、
により、刃先に着色されたセーフティガードが装着された剃刀具を製造することができる。
【0037】
なお、着色された被覆層が被覆されたステンレスシートあるいはアルミニウムシートをセーフティガードの材料として用いる場合には、一般に、該ステンレスシートあるいはアルミニウムシートを刃先に装着する際に折り曲げ加工が必要となることから、該着色被覆材料としては、折り曲げ加工に適したものであること、また、ステンレス素地との密着性が良いことも重要である。
【0038】
また、該セーフティガードも、剃刀具の一部の構成材料として使用されるものであるので、該セーフティガードの材料、さらに着色された被覆層の材料には、耐水性、耐洗剤性などの耐薬品性を有するものを用いることが好ましい。さらに、剃刀具は、ある程度の長期間、繰り返し使用されるものであること、また、保存上の必要性から、該セーフティガードの材料、さらに該着色された被覆層の材料としては、耐候性、耐久性、耐湿性、耐熱性などの諸特性を有することが好ましいものである。
【0039】
特に、着色セーフティガードを得るという目的で、着色被覆材料を用いる場合には、上述した要求特性を満足するという観点から、被覆材料として、熱硬化性アクリル樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、あるいはポリウレタン樹脂などの各種のコーティング材料を用いることが好ましい。
【0040】
着色をする「色」は、特に限定されるものではないが、視認の容易性から有彩色であることが好ましい。黒色や灰色の無彩色は、視認性が良好ではないので、着色の色としては好ましくない。着色用の顔料には、特に制限はなく、本発明者等の知見によれば、明るく鮮明な色相いのもの、例えば、赤色、ピンク色、緑色、黄色、青色、水色、紫色などのものを用いることが視認性を良好にする上で好ましい。
【0041】
セーフティガードの厚さは、厚いほど安全とは言えるが、刃先を作用させる観点から、あまりに厚いと剃り性能が良くないものとなるので、本発明者等の知見によれば、10μm〜250μmの範囲が好ましく、より好ましくは30μm〜150μmである。
【0042】
また、スリット6のステンレスシート5の長手方向に平行な幅A、隣接するスリット6、6同士の間であるブリッジ7の幅Bは、それぞれ従来のものと同等であってよく、前者Aは約0.5〜6mm、後者Bは約0.1〜1.5mm程度に形成されているのが好ましい。
【0043】
本発明者等の各種知見によれば、例えば、具体的には、厚さ50μmのSUS301のステンレスシートに、エポキシ系下塗り剤(プライマー)を2μm厚さに被覆コーティングし、その上に、ポリエステル系樹脂からなる青色トップコート層を13μm厚さに被覆コーティングして全厚さ約65μmに形成した着色プレコートステンレスシートをセーフティガードに用いることが、上述した各種の特性を有するとともに、折り曲げ加工によって折り曲げ部に亀裂を生ずることも少なく、また刃先のステンレス素地への密着性も良好であるので、好ましい。
【0044】
折り曲げられたセーフティガードと刃先とを一体化するには、各種の溶接方法あるいは各種の接着方法によるのが好ましく、特に、スポット溶接法によるのが好ましい。
【0045】
該スポット溶接法としては、例えば、スポット溶接すべき箇所の、前述したプライマー層や着色トップコート層(着色)による被覆を、部分的に、例えば、直径3mm程度の円形状などに剥がし、しかる後、先端の直径が2〜3mm程度の電極を、該被覆の剥がされたセーフティガードの両側面から圧接させつつ、該電極に溶接電流を、0.01〜数秒間程度の溶接に必要な時間、通電することによって、刃とセーフティガードの金属母材どおしが溶接され、接合することができるものである。
【0046】
また、本発明者等の各種知見によれば、本発明の着色セーフティガードを用いたことによる効果をより顕著に発揮させる上で、一定以上の幅を有して着色セーフティガードがその長さ方向全部に連続して露出されるようにして柄に埋め込まれて設けられることが好ましい。図4は、そのことを説明するものであり、本発明の剃刀具の先端部である刃の装着部分を拡大して示した概略モデル図であり、同図に示した、刃(セーフティガード部)の装着部における柄の刃面側の先端部位置とスリットの端部位置の距離(幅)Wが該幅であり、該幅Wは、好ましくは0.1mm〜2mm、より好ましくは0.3mm〜1.5mmで着色セーフティガードが露出していることが好ましいものである。
【0047】
また、溶接によることなく、接着剤を用いた接着方法で一体化しようとする場合には、各種の接着剤を着色プレコートステンレスシートの裏面に塗布し、まず、片側を接合させ、その後、折り曲げ加工と他側の接着一体化加工をした後、必要に応じて加熱硬化させて装着するのがよい。ただし、接着剤などの第三の接合材料を用いる場合などは、該接合箇所で全体が厚くなる場合があり、それが柄に装着する際の支障になることがないような厚さにおさまるように注意することが肝要である。
【0048】
セーフティガードの材料としては、上述したステンレス鋼製やアルミニウム製の薄板シート以外に、薄い鋼板、ステンレスやアルミニウムのワイヤーなどを使用することができる。また、金属材料以外でも、例えば、着色プラスチックフィルムなどの合成樹脂シートや着色合成樹脂成型体などの合成樹脂材料も使用可能である。
【0049】
また、刃を取り付ける柄は、特に限定されるものではないが、合成樹脂製のものを用いるのが好ましい。該柄の部分は、刃を覆う部分を有すること、ひいては、セーフティガードを覆う部分を有することが通常であるので、該セーフティガード部分の色が隠れてしまうことがないように、半透明もしくは透明な合成樹脂を用いた樹脂成形物で構成することなどがよい。ただし、一層の意匠効果や視認のしやすさを狙い、不透明な合成樹脂の成形物で柄を形成してもよい。
【0050】
さらに、該柄を構成する樹脂成形物は、半透明もしくは透明な合成樹脂あるいは不透明な合成樹脂を用いたもののいずれであっても、着色されていてもよく、特に有彩色であって、セーフティガードの有彩色の色彩と同系統色で、かつ明度がより高い色を有する樹脂成形物で構成することも好ましい。
【0051】
剃刀具の全体が、有彩色で着色されていると、色彩による意匠効果とともに、照明がやや暗い洗面所や浴室などで使用する場合やポーチなど収納物から取り出す際にも、その有り場所が容易に視認でき、存在場所の認識がされやすいことによる安全性・取扱い性の向上がもたらされるものである。
【0052】
本発明の剃刀具の製造方法は、各種の方法により製造することができ、特に限定されるものではないが、代表的には、前述したように、まず、セーフティガードの寸法に合わせて裁断した幅4〜8mm×長さ20〜40mm程度の長方形状のカラープレコート・ステンレスシート片あるいはカラープレコート・アルミニウムシート片にスリットを打ち抜き加工し、しかる後、
(a)該シート片の横幅方向中間部で折り曲げ、刃先に先端部から基端部近傍までを被覆するよう嵌め合わせて、スポット溶接法により固定し装着すること、
あるいは、
(b)該シート片の幅方向の一方側を、スポット溶接によって刃先片側に接合させた後、該ステンレスシート片あるいはアルミニウムシート片を、該シート片の横幅方向中間部で折り曲げ、他方側をスポット溶接法により刃先に固定し装着すること、
を行い、更に、該刃を柄に取り付けることにより製造する方法が、工程や作業性、またそれらの管理なども、比較的簡易なもとで製造することができ好ましいものである。
【0053】
なお、接着剤を使用して、セーフティガードを刃に装着する場合などでは、使用者の度重なる使用によって、該セーフティガードが端部で剥がれることがないように留意した条件で製造することが肝要である。
【実施例】
【0054】
以下、実施例に基づいて、本発明の剃刀具の具体的構成、効果について説明する。
実施例1
図4に概略を示した構造を有する本発明にかかる剃刀具を作成した。
【0055】
作成に当たり、準備した刃の刃先3a長さは34mmである。
セーフティガードは、厚さ50μmのSUS301のステンレスシートに、エポキシ系下塗り剤(プライマー)を2μm厚さに被覆コーティングし、その上に、ポリエステル系樹脂からなる黄色トップコート層を13μm厚さに片面被覆コーティングして、全厚さ約65μmに形成した長さ30mm×幅6mmの濃黄色に着色したプレコートステンレスシートを用いた。
【0056】
図2に概略形状を示したスリット形状でスリット打抜き加工をした後、該プレコートステンレスシートを樹脂被覆をしていない面側を内側にして、幅方向の真ん中で折り曲げ、かつ、スポット溶接をする箇所4箇所(片面2箇所×表裏面)それぞれの樹脂被覆コーティング層のコーティング樹脂を直径約2.5mm分剥離した。
【0057】
刃先に該プレコート・ステンレスシートを被せて、直径2mmのスポット溶接電極を両側面から圧接させつつ約1秒間通電させて、刃先にセーフティガードをスポット溶接し、固定装着させた。
【0058】
得られた刃を、透明な樹脂で成型された柄に取り付けて固定した。図4で示したWの幅は、W=1.1mmとなるように柄の形を成形した。
【0059】
こうして得られた本発明にかかる剃刀具を、若い女性5名からなるパネラーに、洗面所の照明としては一般的な、やや暗めな洗面所で眉を整えることおよび眉や目の周囲のうぶ毛除去に使用してもらった。
【0060】
パネラー5名に、本発明の剃刀の使用感についてそれぞれ感想を聞いたところ、刃先位置が作業中ずっと確認できて、馴れない刃物を使用するにも拘わらず、安全さでの心配をすることなく使用できたと好評であった。
【0061】
比較例1
セーフティガードとして着色されていないステンレスシートを使用して製造した以外は、実施例1と同様にして剃刀具を製造した(比較例1)。
【0062】
実施例1と同様に、同一のパネラー5名に、比較例1の剃刀具の使用感についてそれぞれ感想を聞いたところ、うぶ毛除去に際しては、実施例1品と同等レベルの使用感の良さを持って使用できたが、眉毛の形を整えるのに使用した際には、刃先位置に注意したくても該位置がはっきりと認識しにくい点があり、剃刀具を使用した眉毛整え作業自体がやや雑にならざるを得なかったとの評価、それに伴い、安全面で多少の不安感を覚えたとの評価であった。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、従来使用され、また、本発明でも採用できる剃刀具の概略構造を例示した側面図である。
【図2】図2は、従来使用され、また、本発明でも採用できる剃刀具に用いられるセーフティガードの一態様例を示す平面図であり、剃刀具に装着される前の折り曲げられていない状態を例示したものである。
【図3】図3は、従来使用され、また、本発明でも採用できる剃刀具の一部分を示したものであり、図3に示したセーフティガードを折り曲げて、刃先に被覆させて装着した状態を例示した側面図である。
【図4】図4は、本発明の剃刀具の先端である刃が装着された部分を拡大して示した概略モデル図である。
【符号の説明】
【0064】
1:剃刀具
2:柄
3:刃
3a:刃先
3b:先端部
4:セーフティガード
5:ステンレスシート
6:スリット
7:ブリッジ
A:スリット6のステンレスシート5の長手方向に平行な幅
B:スリット6、6同士の間であるブリッジ7の幅
W:刃(セーフティガード部)の装着部における柄の刃面側の先端部位置とスリットの端部位置の距離(幅)
【出願人】 【識別番号】390005522
【氏名又は名称】クリハ工業株式会社
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一

【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照

【識別番号】100068685
【弁理士】
【氏名又は名称】斎下 和彦


【公開番号】 特開2008−17986(P2008−17986A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−191481(P2006−191481)