トップ :: B 処理操作 運輸 :: B26 切断手工具;切断;切断機

【発明の名称】 電気かみそり
【発明者】 【氏名】岩倉 幸太郎

【要約】 【課題】補強フレームの構造、およびその取付構造を改良して外刃フレームの構造強度を向上し、外刃を内刃に対して適正に密着させて切れ味を向上する。

【構成】外刃20を支持する外刃フレーム19をプレス成形品からなる補強フレーム40で補強する。補強フレーム40は、断面コ字状の主枠41と、主枠41の両側端の装着部43とを一体に備えている。両装着部43の側端に一対の装着座52を前後に離れた状態で設け、両装着座52のそれぞれを外刃フレーム19の両側枠30の外面にかしめ固定する。主枠41の内部に外刃20を押し下げ付勢する外刃緊張ばね56を配置する。外刃緊張ばね56は、連結ピン59を一体に備えた緊張枠57と、緊張枠57を押し下げ付勢するばね体58とで構成する。各外刃20とばね体58と緊張枠57を、緊張枠57に設けた連結ピン59で連結固定して、外刃20を主枠41で上下動可能に浮動支持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外刃(20)を保形支持する外刃フレーム(19)の内部に、金属板材をプレス成形して形成した補強フレーム(40)が配置されており、
補強フレーム(40)は、立体構造の主枠(41)と、主枠(41)の両側端に設けられる装着部(43)とを一体に備えており、
補強フレーム(40)の装着部(43)が、外刃フレーム(19)の両側枠(30)に固定してある電気かみそり。
【請求項2】
両装着部(43)の側端に一対の装着座(52)が前後に離れた状態で設けられており、
両装着座(52)のそれぞれが両側枠(30)に固定してある請求項1記載の電気かみそり。
【請求項3】
補強フレーム(40)の前後の装着座(52)が、外刃フレーム(19)の左右の側枠(30)の外面に固定してある請求項2記載の電気かみそり。
【請求項4】
補強フレーム(40)の主枠(41)が、前後壁(41a)と前後壁(41a)を繋ぐ上壁(41b)とで、下向きに開口する断面コ字状の枠体として形成されており、
主枠(41)の内部に、外刃(20)を押し下げ付勢する外刃緊張ばね(56)が配置してある請求項1、2または3記載の電気かみそり。
【請求項5】
前後一対の外刃(20)のそれぞれが外刃フレーム(19)で逆U字状に保持されている電気かみそりであって、
主枠(41)の内部に配置した前後一対の外刃緊張ばね(56)が、外刃固定用の複数個の連結ピン(59)を一体に備えた緊張枠(57)と、主枠(41)で受け止められて緊張枠(57)を押し下げ付勢するばね体(58)とで構成されており、
各外刃(20)とばね体(58)と緊張枠(57)とは、緊張枠(57)に設けた連結ピン(59)で連結固定されて主枠(41)で上下動可能に浮動支持されており、
主枠(41)の前後壁(41a)には連結ピン(59)の上下動を許す長穴(45)が形成されており、
前記長穴(45)の左右幅が、連結ピン(59)の左右幅寸法より大きく設定してある請求項4記載の電気かみそり。
【請求項6】
外刃緊張ばね(56)を構成するばね体(58)が、主枠(41)の前後壁(41a)と緊張枠(57)とで挟持されるばねベース(61)と、ばねベース(61)の上縁に連続して折り曲げられるばね基部(62)と、ばね基部(62)から斜め上向きに折り起こされるばね腕(63)とで構成されており、
ばね腕(63)が主枠(41)の上壁(41b)で受け止めてある請求項4または5記載の電気かみそり。
【請求項7】
主枠(41)の下部に保護枠(70)が装着固定されており、
保護枠(70)は、主枠(41)の下面開口を塞ぐ保護ベース(71)と、主枠(41)の前後壁(41a)に係合装着される連結爪(72)とを一体に備えており、
保護ベース(71)の前後幅寸法(B1)が、前後の連結ピン(59)のかしめ変形部の前後幅寸法(B2)より大きく設定してある請求項4、5または6記載の電気かみそり。
【請求項8】
保護枠(70)と外刃(20)との間に、外刃(20)の左右移動を規制する移動規制体が設けてある請求項7記載の電気かみそり。
【請求項9】
外刃(20)と主枠(41)との間に、外刃(20)と共に連結ピン(59)でかしめ固定される金属板材製の外刃補強板(66)が配置されており、
保護ベース(71)の上面複数箇所に、主枠(41)の前後壁(41a)に係合装着される連結爪(72)が一体に設けられており、
連結爪(72)で外刃補強板(66)の側端を受け止めて、外刃(20)の左右移動が規制してある請求項8記載の電気かみそり。
【請求項10】
保護ベース(71)の上面の前後中央に、主枠(41)と協同してばね体(58)の前後移動を規制する規制リブ(73)が立設してある請求項7、8または9記載の電気かみそり。
【請求項11】
前後の外刃(20)で挟まれる補強フレーム(40)の上方空間にセンター刃(14)が配置されており、
補強フレーム(40)の装着部(43)と主枠(41)とが、主枠(41)の両側から上向きに立ち上がるガイド壁(42)を介して連続しており、
センター刃(14)の両側端が、ガイド壁(42)で上下動自在に支持され、主枠(41)とセンター刃(14)との間に、センター刃(14)を押し上げ付勢するばね体(88)が配置してある請求項5から10のいずれかに記載の電気かみそり。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、外刃フレームが補強フレームによって補強してある形態の電気かみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
左右一対の側壁(側枠)と、両側壁を繋ぐ前後壁とを一体に備えている外刃フレームは、上下面が大きく開口するため前後壁が撓み変形し、あるいは捻れ変形しやすい。とくに前後一対のメイン刃が組み込まれるツイン刃構造の外刃フレームの場合には、上下開口の前後方向の開口幅が大きくなるため、シングル刃構造の外刃フレームに比べて構造強度が低下しやすい。
【0003】
外刃フレームの構造強度を向上するために、フレーム内部において両側壁を枠体で橋絡して補強することは特許文献1に公知である。そこでは、ガイド枠の両側端を外刃フレームの側壁に係合装着して、外刃フレームを補強している。ガイド枠は、センター刃の内刃用の支持枠を兼ねており、その上面に設けたガイド溝で、センター刃の内刃押し上げ用のばね腕を左右スライド自在に案内支持している。
【0004】
特許文献2においては、外刃フレームの内面左右に設けた片持ち梁状のばね受アームどうしを前後一対の補強板で接続して、外刃フレームの構造強度を向上している。補強板はステンレス板材からなり、その両側部分がばね受アームの前後面に溶着固定されて外刃フレームを補強している。
【0005】
【特許文献1】特開2001−62163号公報(段落番号0027、図1)
【特許文献2】特開2004−236836号公報(段落番号0055、図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、フレーム内部において両側壁をガイド枠で橋絡し、あるいは、フレーム内部のばね受アームを前後一対の補強板で接続する外刃フレームによれば、その構造強度をある程度は向上できる。しかし、プラスチック成形品で形成されたガイド枠自体が弾性変形でき、さらに薄いステンレス板材で形成される補強板が厚み方向へ弾性変形できるため、いずれの場合にも外刃フレームが変形する余地があり、外刃を内刃に密着させて切れ味を向上するうえで限界があった。
【0007】
本発明の目的は、補強フレームの構造、およびその取付構造を改良して外刃フレームの構造強度を向上することにより、外刃を内刃に対して適正に密着できるようにし、常に良好な切れ味を発揮できる電気かみそりを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気かみそりは、外刃20を保形支持する外刃フレーム19の内部に、金属板材をプレス成形して形成した補強フレーム40が配置してある。補強フレーム40は、立体構造の主枠41と、主枠41の両側端に設けられる装着部43とを一体に備えていて、補強フレーム40の装着部43が、外刃フレーム19の両側枠30に固定される。
【0009】
両装着部43の側端に一対の装着座52を前後に離れた状態で設け、両装着座52のそれぞれを両側枠30に固定する。ここで言う固定とは、突起やピンなどの突端を溶融変形させるかしめ固定と、ビスなどによる締結固定と、突起やピンを圧入固定する場合のいずれをも含み、さらに強固な固定構造とする場合には、突起やピンを係合し、あるいは圧入したうえで突起やピンの突端を溶融変形させてかしめ固定する場合を含むこととする。
【0010】
補強フレーム40の前後の装着座52を、外刃フレーム19の左右の側枠30の外面に固定する。
【0011】
補強フレーム40の主枠41は、前後壁41aと前後壁41aを繋ぐ上壁41bとで、下向きに開口する断面コ字状の枠体として形成し、主枠41の内部に外刃20を押し下げ付勢する外刃緊張ばね56を配置する。
【0012】
前後一対の外刃20のそれぞれが外刃フレーム19で逆U字状に保持されている電気かみそりにおいて、主枠41の内部に配置した前後一対の外刃緊張ばね56を、外刃固定用の複数個の連結ピン59を一体に備えた緊張枠57と、主枠41で受け止められて緊張枠57を押し下げ付勢するばね体58とで構成する。各外刃20とばね体58と緊張枠57とは、緊張枠57に設けた連結ピン59で連結固定されて主枠41で上下動可能に浮動支持する。主枠41の前後壁41aには連結ピン59の上下動を許す長穴45をする。以て、前記長穴45の左右幅を連結ピン59の左右幅寸法より大きく設定する。
【0013】
外刃緊張ばね56を構成するばね体58は、主枠41の前後壁41aと緊張枠57とで挟持されるばねベース61と、ばねベース61の上縁に連続して折り曲げられるばね基部62と、ばね基部62から斜め上向きに折り起こされるばね腕63とで構成する。ばね腕63は主枠41の上壁41bで受け止める。
【0014】
主枠41の下部に保護枠70を装着固定する。保護枠70は、主枠41の下面開口を塞ぐ保護ベース71と、主枠41の前後壁41aに係合装着される連結爪72とを一体に備えている。保護ベース71の前後幅寸法B1を、前後の連結ピン59のかしめ変形部の前後幅寸法B2より大きく設定する。
【0015】
保護枠70と外刃20との間に、外刃20の左右移動を規制する移動規制体を設ける。
【0016】
外刃20と主枠41との間に、外刃20と共に連結ピン59でかしめ固定される金属板材製の外刃補強板66を配置する。保護ベース71の上面複数箇所に、主枠41の前後壁41aに係合装着される連結爪72を一体に設ける。連結爪72で外刃補強板66の側端を受け止めて、外刃20の左右移動を規制する。
【0017】
保護ベース71の上面の前後中央に、主枠41と協同してばね体58の前後移動を規制する規制リブ73を立設する。
【0018】
前後の外刃20で挟まれる補強フレーム40の上方空間にセンター刃14を配置する。補強フレーム40の装着部43と主枠41とは、主枠41の両側から上向きに立ち上がるガイド壁42を介して連続している。センター刃14の両側端を、ガイド壁42で上下動自在に支持する。主枠41とセンター刃14との間に、センター刃14を押し上げ付勢するばね体88を配置する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電気かみそりにおいては、補強フレーム40をプレス成形品として構成した。詳しくは、主枠41と、主枠41の両側端に設けられる装着部43とで補強フレーム40を構成し、主枠41を例えば断面コ字形や、逆V形などの立体構造とし、両端の装着部43を両側枠30に対して、遊動する余地のない状態で固定するので、従来のこの種の補強構造に比べて、補強フレーム40自体の強度を高めて外刃フレーム19を強固に補強できる。これにより、外刃フレーム19の構造強度を向上して、外刃20を内刃17に対して適正に密着させることができ、従来の電気かみそりに比べてメイン刃13の切れ味を向上できる。
【0020】
両装着部43の側端に一対の装着座52を前後に離れた状態で設け、両装着座52のそれぞれを外刃フレーム19の両側枠30に固定すると、補強フレーム40と外刃フレーム19との固定個所数が増え、しかも各側枠30の前後方向の複数位置を補強フレーム40で固定できるので、補強フレーム40による補強効果をさらに向上でき、例えば外刃フレーム19の側枠30が互いに接近し、あるいは逆に離反する向きに変形するのをよく防止できる。側枠30が捻れ変形することも防止できる。
【0021】
補強フレーム40の前後の装着座52を、外刃フレーム19の左右の側枠30の外面に固定すると、側枠30が内外方向へ変形しようとするのを補強フレーム40で規制でき、とくに左右の側枠30が互いに離れる向きに変形するのを規制して、外刃フレーム19の構造強度をさらに高めることができる。
【0022】
補強フレーム40の主枠41を、前後壁41aと、前後壁41aを繋ぐ上壁41bとで下向きに開口する断面コ字状の枠体として形成し、主枠41の内部に外刃20を押し下げ付勢する外刃緊張ばね56を配置すると、左右の側枠30どうしを橋絡する主枠41の前後、および上下方向の曲げ応力を格段に大きくでき、したがって外刃緊張ばね56を常に安定した状態で作動させて外刃20の上下方向の浮動動作を円滑化できる。主枠41の内部に外刃緊張ばね56を配置するので、毛屑などが外刃緊張ばね56に付着するのをよく防止でき、したがって外刃緊張ばね56によって発揮されるばね力を安定化し、外刃20の上下浮動動作を長期にわたって確実化できる。
【0023】
複数個の連結ピン59を備えた緊張枠57と、緊張枠57を押し下げ付勢するばね体58とで外刃緊張ばね56を構成し、外刃20、ばね体58、緊張枠57の三者を、緊張枠57に設けた連結ピン59で連結固定して主枠41で上下動可能に浮動支持する外刃緊張構造によれば、外刃20と緊張枠57、およびばね体58と緊張枠57との連結を個別に行う場合に比べて、連結ピン59を共用できる分だけ連結構造を簡素化できる。さらに、主枠41に形成した長穴45の左右幅を、連結ピン59の左右幅寸法より大きく設定すると、外刃20が上下動するとき連結ピン59が長穴45の穴周縁と擦れあって損耗するのを確実に阻止できるうえ、長穴45と連結ピン59との接触がない分だけ外刃20の上下浮動動作を円滑に行える。
【0024】
ばねベース61と、ばねベース61の上縁に連続するばね基部62と、ばね基部62から折り起こされるばね腕63とでばね体58を構成し、ばね腕63を主枠41の上壁41bで受け止めるようにした外刃緊張構造によれば、ばね体58と緊張枠57とが互いに補強しあって、ばね力を外刃20に対して的確に伝えることができるので、外刃20の上下浮動動作をさらに安定なものとすることができる。また、ばね体58を緊張枠57に組み付ける際には、縦横に連続するばねベース61とばね基部62を緊張枠57にあてがって、左右に長いばね体58を仮位置決めした状態で緊張枠57に組み付けることができるので、両者57・58の組立を簡便に行える。
【0025】
主枠41の下部に保護枠70を装着固定し、主枠41の下面開口を塞ぐ保護ベース71の前後幅寸法B1を、前後の連結ピン59のかしめ変形部の前後幅寸法B2より大きく設定すると、外刃フレーム19をかみそりヘッド2に装着する際に、内刃17が連結ピン59のかしめ変形部分に接触しようとするのを保護ベース71で規制できるので、力を込めて無理に組み付けが強行されるような場合であっても、かしめ変形部分が内刃17で破損されて欠落するのを確実に防止できる。保護ベース71と、主枠41の前後壁41aに係合装着される連結爪72とで保護枠70を構成し、連結爪72を主枠41に係合装着することにより保護枠70を主枠41と一体化すると、保護枠70の組立の手間を軽減できる。さらに、保護枠70と主枠41とが互いに補強しあって、補強フレーム40の構造をさらに増強できる。
【0026】
保護枠70と外刃20との間に移動規制体を設け、この移動規制体で外刃20の左右移動を規制する外刃緊張構造によれば、使用時に外刃20が左右方向へ振れ動き、それに伴い外刃20が内刃17から浮き離れて、メイン刃13の切れ味が損なわれるのを確実に防止できる。
【0027】
外刃20と主枠41との間に配置した金属板材製の外刃補強板66を、外刃20と共に連結ピン59でかしめ固定したうえで、保護ベース71の上面複数箇所に設けた連結爪72で外刃補強板66の側端を受け止めることにより、外刃20の左右移動を規制する外刃緊張構造によれば、外刃の側端を連結爪で受け止める際に避けられない外刃の歪みを解消でき、したがって外刃20を適正に緊張し、さらに左右方向の振れを規制してメイン刃13の切れ味を向上できる。保護ベース71の上面に設けた連結爪72を利用して、外刃20の左右方向の振れを規制するので、移動規制体を別途設ける場合に比べて保護枠70の構造を簡素できる利点がある。
【0028】
保護ベース71の上面の前後中央に規制リブ73を立設し、主枠41と規制リブ73との協同作用によってばね体58の前後移動を規制する外刃緊張構造によれば、外刃20が上下に浮動変位するとき、ばね体58のばね腕63、およびばね基部62が前後に揺れ動くのを規制して、ばね腕63によって発揮されるばね力を安定化でき、外刃20の上下浮動動作をさらに確実化できる。
【0029】
前後の外刃20の間に配置したセンター刃14の両側端を、補強フレーム40の両側のガイド壁42で上下動自在に支持し、主枠41とセンター刃14との間に設けたばね体88でセンター刃14を押し上げ付勢すると、センター刃14の全体を上下に浮動支持できるので、センター刃14の刃面を肌面に密着させながら肌面の変化に追随させることができ、ひげ切断時の肌当りをソフトでやさしいものとすることができる。補強フレーム40を利用してセンター刃14を浮動支持する分だけ、センター刃14の浮動支持構造を簡素化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(実施例) 図1ないし図13は本発明に係る電気かみそりの実施例を示す。図2および図3において電気かみそりは、本体部1と、その上部に設けられるかみそりヘッド2とからなり、本体部1の内部に2次電池3や回路基板が配置され、かみそりヘッド2の内部にモーター4と、モーター動力を減速伝動する伝動機構などが配置してある。本体部1の前面にはモーター起動用のスイッチボタン5と、表示灯6が設けてある。本体部1の背面にはきわ剃り刃7と、きわ剃り刃7を駆動位置へ押し上げ操作するスライドノブ8が設けてある。
【0031】
かみそりヘッド2は、下半側のヘッドケース11と、ヘッドケース11に対して着脱可能に装着されるヘッドカバー12を主な外殻体にして構成してあり、ヘッドケース11の内部にモーター4や伝動機構などが配置してある。かみそりヘッド2の上部には、前後一対のメイン刃13と、両メイン刃13の間に配置されるセンター刃14とが設けてある。メイン刃13は比較的短い直毛を剃る仕上げ切断刃として機能し、センター刃14は長毛やくせ毛などを剃るための切断刃として機能する。メイン刃13は、ヘッドケース11に対して取り外し可能に装着固定される内刃ユニットと、ヘッドカバー12に対して取り外し可能に装着固定される外刃ユニットとで構成する。
【0032】
内刃ユニットは、図4に示す逆門形の内刃フレーム16と、内刃フレーム16で回転自在に支持される前後一対の内刃17とで構成する。ロータリー刃からなる両内刃17は、伝動機構の回転動力を受け継いで図5に矢印で示すように、それぞれ対向面の側へ向かって回転駆動される。外刃ユニットは、外刃フレーム19と、外刃フレーム19で逆U字状に保形支持される前後一対の外刃20とで構成してある。外刃20はシート状の網刃で形成してあり、その前後縁のそれぞれに固定穴20a・20bが形成してある。
【0033】
図5ないし図7において、ヘッドカバー12は、左右の側壁12aと、両側壁12aの前後縁の下半部分を繋ぐ前後壁12bとを一体に備えた上下両面が開口する枠体からなり、ヘッドケース11に装着した状態において、左右のロック爪22が両側壁12aの内面の係合凹部23(図6参照)と係合することにより、取り外し不能にロック保持されている。ロック爪22と一体に形成してあるロック解除ボタン24をばねに抗して押し込み操作すると、ロック爪22と係合凹部23との係合状態が解除されるので、ヘッドカバー12をヘッドケース11から取り外すことができる。ヘッドカバー12の側壁12a内面の前後には、外刃フレーム19をロック保持する係合段部25が形成され、さらに、外刃フレーム19をロック解除操作する解除ボタン26が組み込んである。
【0034】
図7および図8において外刃フレーム19は、アーチ状の側枠30と、両側枠30の前後縁を繋ぐ前壁31、および後壁32とを一体に備えた上下両面が開口するプラスチック製の枠体からなる。側枠30の上部内面の前後には、センター刃14の前後遊動を規制する規制枠33が形成され、側枠30の外側面の前後には、先の係合段部25に落とし込み係合する一対のロック爪34が一体に形成してある。さらに側枠30の上部外面の前後には、後述する補強フレーム40を固定するための締結座35が凹み形成され、その中央に嵌合突起36が突設してある。前壁31、および後壁32の内面下部には、外刃20を固定するためのピン37がそれぞれ4個ずつ形成してある。
【0035】
上下面が開口する外刃フレーム19の構造強度を向上するために、外刃フレーム19の内部に補強フレーム40を配置する。図9に示すように補強フレーム40は、断面コ字状の主枠41と、主枠41の両側から上向きに立ち上がるガイド壁42と、ガイド壁42の上部前後縁に連続して外側方へ折り曲げられる装着部43とを一体に備えたステンレス板材製のプレス成形品からなる。
【0036】
主枠41は、前後壁41a・41aと、前後壁41a・41aを繋ぐ上壁41bとを一体に備えた、下向きに開口する断面コ字状の枠体からなる。前後壁41aには、それぞれ後述する連結ピン59の上下動を許す4個の長穴45が形成され、左右両端と中央部との3箇所に後述する保護枠70を係合装着するための切欠46と係合穴47とが形成してある。長穴45の左右幅は連結ピン59の直径寸法より大きく設定してある。その理由は後述する。上壁41bの左右中央には、センター刃14の内刃78を駆動する駆動軸85用の逃穴48が形成してある。
【0037】
ガイド壁42は主枠41と同じ前後幅に形成してあり、その中央にセンター刃14を上下動自在に浮動支持する長穴50が形成してある。装着部43は、ガイド壁42に連続する前後一対の横臥L字状の装着アーム51と、両装着アーム51の突端から前後に折り曲げられる装着座52とからなり、装着座52の中央部分に嵌合突起36用の連結穴53が形成してある。
【0038】
図10に示すように、補強フレーム40の前後一対ずつの装着座52を外刃フレーム19の両側の締結座35に外側方から嵌め込んで、それぞれ嵌合突起36を連結穴53に圧入固定することにより、補強フレーム40を外刃フレーム19と一体化して、外刃フレーム19の構造強度を向上することができる。このように、嵌合突起36を連結穴53に圧入固定すると、かしめ処理やビスで装着座52を締結する場合に比べて、より少ない組立工数で補強フレーム40を外刃フレーム19に固定できる利点がある。
【0039】
上記のように、側枠30の外面に装着部43を固定することにより、アーチ状の両側枠30が互いに接近ないし離反する向きに変形するのを規制でき、さらに側枠30に対して前後に分離する装着座52を締結することにより側枠30が前後方向へ拡縮変形しようとするのを規制でき、その結果、前壁31および後壁32が前後に撓み変形しようとするのを抑止できる。なお、補強フレーム40は、後述するように外刃緊張ばね56や外刃20などを組み付けたのち、外刃フレーム19に圧入固定される。必要があれば、嵌合突起36を連結穴53に係合ないし圧入固定したうえで、嵌合突起36の突端を溶融変形させてかしめると、補強フレーム40を外刃フレーム19に対してさらに強固に固定できる。
【0040】
補強フレーム40の主枠41の内部空間を利用して、外刃20を押し下げ付勢する前後一対の外刃緊張ばね56が配置してある。図9において外刃緊張ばね56は、左右に長い帯板状の緊張枠57と、主枠41の上壁41bで受け止められて緊張枠57を押し下げ付勢するばね体58とで構成する。緊張枠57はプラスチック成形品からなり、その片面には外刃20を固定するための4個の連結ピン59が一体に形成してある。連結ピン59の断面形状は、左右方向に長い長円状に形成してある。
【0041】
ばね体58は、ステンレス板材を素材とするプレス成形品からなり、左右に長いばねベース61と、ばねベース61の上縁左右に連続して折り曲げられるばね基部62と、ばね基部62の左右両側から斜め上向きに折り起こされるばね腕63とを一体に備えている。ばねベース61には、連結ピン59に対応して4個のピン穴64が形成され、ベース上面の左右中央に後述する連結爪72用の逃げ凹部が切り欠き形成してある。符号66はばねベース61と同形に打ち抜かれたステンレス板材製の外刃補強板であり、その板面には4個のピン穴67と連結爪72用の逃げ凹部が切り欠き形成してある。
【0042】
図11に示すように、ばね基部62が緊張枠57の上面に被さる状態で、ばね体58を緊張枠57にあてがって各ピン穴64に連結ピン59を挿通し、緊張枠57とばね体58を仮組みする。さらに、連結ピン59を主枠41の内面側から長穴45に挿通して、緊張枠57とばね体58を主枠41の内部に組み付ける。
【0043】
上記の組み付け状態において、主枠41の外面に突出する連結ピン59に、外刃補強板66のピン穴67と外刃20の固定穴20bとを組み、連結ピン59の突端を溶融してかしめ固定することにより、緊張枠57とばね体58、および外刃補強板65と外刃20との四者を一体化して、主枠41で上下動可能に浮動支持できる。同様にして、残る外刃20を主枠41に組み付けた後、各外刃20の他端側の固定穴20aを、外刃フレーム19の前壁31および後壁32に設けたピン37に係合し、ピン37の突端をかしめ固定することにより、前後の外刃20を外刃フレーム19で逆U字状に保持固定できる。図1に示すように、主枠41に組み込まれたばね体58は、そのばね腕63が上壁41bで受け止められる。
【0044】
外刃20を主枠41で上下動可能に浮動支持し、さらに外刃緊張ばね56で押し下げ付勢することにより、外刃20を内刃17に密着させることができる。緊張枠57やばね体58などが上下動する場合には、連結ピン59が主枠41の長穴45の内縁で擦られて、徐々に損耗するおそれがある。このような連結ピン59の損耗を防ぐ必要上、図12に示すように長穴45の左右幅を連結ピン59の左右幅(長径寸法)より大きく設定している。
【0045】
外刃20、およびセンター刃14が組み込まれた外刃フレーム19は、ヘッドカバー12に対して下面開口の側から組み付けられる。この状態のヘッドカバー12をヘッドケース11に上方から被せ付けることにより、ヘッドカバー12がロック爪22でロック保持される。
【0046】
内刃17の清掃や、外刃20を交換するような場合には、ヘッドカバー12をヘッドケース11に対して着脱するが、その組み付け姿勢や位置合わせが不適正であると、内刃17が連結ピン59のかしめ変形部分に接触することがあり、さらに力を込めて無理に組み付けを強行すると、かしめ変形部分が内刃17で破損されて欠落することがある。このような不具合を避け、さらに主枠41と協同してばね体58の前後移動を規制するために、主枠41の下部に保護枠70を装着固定する。
【0047】
図8に示すように保護枠70は、主枠41の下面開口を塞ぐ保護ベース71と、保護ベース71の上面前後に3個ずつ突設される連結爪(連結体)72と、保護ベース71の上面の前後中央に突設される左右一対の規制リブ73とを一体に備えたプラスチック成形品からなる。左右の規制リブ73の基端間には、センター刃14の内刃78を駆動する駆動軸85用の逃穴74が形成してある。図11に示すように、保護ベース71の前後幅寸法B1は、前後の連結ピン59のかしめ変形部の前後幅寸法B2より大きく設定してあり、これにより内刃17がかしめ変形部分に接触するのを防いでいる。
【0048】
保護枠70の規制リブ73を主枠41内に差し込みながら、前後3個ずつの連結爪72を主枠41の切欠46と係合穴47に係合することにより、保護枠70を主枠41と一体化できる。左右両側の連結爪72は外刃20の左右移動を規制する移動規制体を兼ねており、図12に示すように外刃補強板66の側端を連結爪72の左右方向の対向面で受け止めることにより、外刃20の左右移動を規制することができる。また、規制リブ73は、前後に隣接するばね基部62およびばね腕63の間に位置して、主枠41と協同してばね基部62およびばね腕63が前後方向へ移動するのを規制している(図11参照)。
【0049】
図13においてセンター刃14は、断面が逆U字状に折り曲げてあるスリット刃構造の外刃77と、櫛刃構造の内刃78と、内刃78を固定支持する内刃台79と、外刃77の両側端に嵌め込み固定される取付ピース80と、外刃77の下面側に固定される補強枠81とで構成する。内刃台79の下面中央には左右一対の受動腕82が突設してあり、両受動腕82の間に駆動軸85(図5参照)が嵌まりこんで、往復動力を内刃台79を介して内刃78に伝動する。駆動軸85の下部には回転動力を往復動力に変換する振動子90が一体に形成してある。符号91は振動子90を往復駆動する偏心カムである。
【0050】
取付ピース80の側端には、スライド片86が突設してあり、これらのスライド片86を補強フレーム40の左右のガイド壁42に設けた長穴50に組み付けることにより、センター刃14の全体が上下動可能に浮動支持してある。補強枠81には、内刃78を外刃77に向かって密着付勢するばね腕87と、主枠41の上壁41bと常時接当してセンター刃14の全体を押し上げ付勢するばね腕(ばね体)88とが形成してある。
【0051】
使用状態における外刃20と内刃17との摺接面には摩擦熱が発生する。摩擦熱の大半は外刃20の外表面から放散されるが、金属プレス成形品からなる補強フレーム40は、熱伝導がよく、しかも表面積が大きいいので、外刃20の摩擦熱を放散させることに役立つ。詳しくは、摩擦熱は外刃20から外刃補強板66、主枠41の前後壁41a、ガイド壁42、装着部43の各部に順に伝導し、その間に周囲空間に放熱される。なかでも、断面コ字形に形成してある主枠41は、表面積が大きい分だけ効果的に放熱を行うことができ、従来の補強構造に比べて外刃20の摩擦熱を効果的に放熱できる。さらに、主枠41に連続するガイド壁42と、装着アーム51と、装着座52の表面においても摩擦熱を放熱できるので、その分だけ補強フレーム40の放熱面積を拡大して、放熱効果を向上できる利点がある。
【0052】
上記の実施例以外に、本発明は往復駆動される内刃を備えた電気かみそりにも適用できる。上記の実施例では、前後一対のメイン刃13を備えているツイン刃構造の電気かみそりについて説明したが、本発明はシングル刃構造の電気かみそりそりの外刃フレームにも適用できる。また、上記の実施例では、前側の外刃20の前端と、後側の外刃20の後端とのそれぞれが、外刃フレーム19にピン37で固定してある場合について説明したが、その必要はなく、前側の外刃20の前端と、後側の外刃20の後端のそれぞれを上下浮動可能に支持することができる。
【0053】
外刃フレーム19は、上記の実施例におけるヘッドカバー12と同様に、ヘッドケース11に直接外嵌装着することができる。主枠41は断面コ字とする以外に、断面逆V字形や断面台形状、あるいは断面C字状などに形成することができる。連結ピン59は緊張枠57とは別体の独立部品で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】外刃フレームの補強構造を示す縦断正面図である。
【図2】電気かみそりの正面図である。
【図3】電気かみそりの側面図である。
【図4】かみそりヘッドの縦断正面図である。
【図5】かみそりヘッドの縦断側面図である。
【図6】ヘッドカバーおよび内刃をかみそりヘッドから分離した状態の断面図である。
【図7】センター刃と外刃フレームとヘッドカバーを分離した状態の断面図である。
【図8】外刃フレームと補強フレームの関係構造を示す分解斜視図である。
【図9】補強フレームと外刃の連結構造を示す分解斜視図である。
【図10】補強フレームの固定構造を示す横断平面図である。
【図11】外刃の緊張構造を示す縦断側面図である。
【図12】図11におけるA−A線断面図である。
【図13】センター刃の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
12 ヘッドカバー
17 内刃
19 外刃フレーム
20 外刃
30 側枠
35 締結座
40 補強フレーム
41 主枠
43 装着部
52 装着座
56 外刃緊張ばね
57 緊張枠
58 ばね体
59 連結ピン
63 ばね腕
70 保護枠
【出願人】 【識別番号】000164461
【氏名又は名称】九州日立マクセル株式会社
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡

【識別番号】100081891
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 茂雄


【公開番号】 特開2008−5983(P2008−5983A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178283(P2006−178283)