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【発明の名称】 電気かみそり
【発明者】 【氏名】岩倉 幸太郎

【要約】 【課題】外刃を補強できながら組み立てに要する手間および時間を低減して、製造コストを軽減できるようにする。

【構成】下端面を開放した左右横長の逆樋状のセンター外刃61と、センター外刃61の左右両側において着脱可能に取り付けられる左右一対の側端ピース66・66と、センター外刃61の下端開放面を覆うようにセンター外刃61の下端部に装着される外刃補強枠65とを備える。外刃補強枠65は、センター外刃61の下端部に装着した状態で、各側端ピース66をセンター外刃61に対して抜け止め状に固定する固定手段を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端面を開放した左右横長の逆樋状の外刃(61)と、外刃(61)の左右両側において着脱可能に取り付けられる左右一対の側端ピース(66)・(66)と、外刃(61)の下端開放面を覆うように外刃(61)の下端部に装着される外刃補強枠(65)とを備えており、
外刃補強枠(65)は、外刃(61)の下端部に装着した状態で、各側端ピース(66)を外刃(61)に対して抜け止め状に固定する固定手段を有することを特徴とする電気かみそり。
【請求項2】
各側端ピース(66)の前後側面には、突起(75)が突設しており、
外刃(61)は、刃部分(70)の前後端から下向きにそれぞれ延出する前後一対の支持部分(71)・(71)を備えており、
外刃(61)の各支持部分(71)には、各側端ピース(66)の突起(75)がそれぞれ挿通する係合部(76)が形成されていて、各側端ピース(66)の突起(75)が、外刃(61)の内側から係合部(76)を突き抜けて外刃(61)の外側へ突出しており、
外刃補強枠(65)は、底壁(105)と、底壁(105)の前後縁から上向きにそれぞれ延出する前後一対の前後側壁(106)・(106)と、前後側壁(106)・(106)の左右両端部にそれぞれ設けた係合孔(107)とを有していて、前後側壁(106)・(106)を外刃(61)の支持部分(71)・(71)の下端部に外嵌した状態で、外刃(61)の係合部(76)から突出した各側端ピース(66)の突起(75)が係合部(107)にそれぞれ係合しており、
各側端ピース(66)は、突起(75)が外刃補強枠(65)の係合部(107)に係合することで、外刃(61)に固定される請求項1記載の電気かみそり。
【請求項3】
外刃補強枠(65)が、外刃(61)の左右両端部間にわたって延設されている請求項2記載の電気かみそり。
【請求項4】
外刃(61)の内面に沿って摺接する左右横長の内刃(62)と、内刃(62)を支持する内刃ホルダー(63)とを備えており、
外刃補強枠(65)には、内刃ホルダー(63)を介して内刃(62)を外刃(61)の内面に押し付け付勢するための内刃押付ばね(109)が一体に設けられており、
外刃(61)の係合部(76)は、外刃(61)の支持部分(71)の下端から上方へ延びてその上部(76a)が外刃(61)の左右方向の中央側へ延びていて、側端ピース(66)の突起(75)が、係合部(76)の上部(76a)に挿通した状態で上下方向の動きが規制されるようになっており、
外刃補強枠(65)の係合部(107)は、側端ピース(66)の突起(75)が係合した状態で突起(75)の左右方向の動きを規制するようになっており、
内刃ホルダー(63)は、一方の側端ピース(66)の突起(75)を外刃(61)の一方側の係合部(76)の上部(76a)に挿通させて一方の側端ピース(66)を外刃(61)の一方側に仮止めした状態で、内刃ホルダー(63)の左右方向の一方側を前記一方の側端ピース(66)の上側に差し入れて外刃(61)の内面に内刃(62)を沿わせ、その状態で他方の側端ピース(66)の突起(75)を外刃(61)の他方側の係合部(76)の上部(76a)に挿通させて他方の側端ピース(66)を外刃(61)の他方側に仮止めすることで、外刃(61)に対して抜け止め状態に組み付けられるようになっており、
内刃ホルダー(63)を組み付けた外刃(61)に対して支持部分(71)・(71)の下端部に外刃補強枠(65)の前後側壁(106)・(106)を外嵌して、外刃(61)の係合部(76)から突出した各側端ピース(66)の突起(75)を係合部(107)にそれぞれ係合することで、内刃押付ばね(109)によって内刃(62)が外刃(61)の内面に押し付け付勢される請求項2又は3記載の電気かみそり。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、癖髭などでも確実に剃ることができる往復動式の切断刃を備えた電気かみそりに関する。切断刃は、スリット刃、櫛歯または鋸状刃などからなる外刃と内刃とを切断要素にして構成してある。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外刃の左右両側に側端ピース(刃ホルダ)を取り付けてあるとともに、左右の側端ピースの間を刃カバーで連結するものが開示されている。特許文献2には、外刃の左右両側に側端ピース(プレート)を取り付けてあるものが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−253353号公報(図1−3)
【特許文献2】特開平6−182064号公報(図1・5・8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、外刃を左右の側端ピースのみで支持しているために、髭剃りなどの際に外刃が曲げ変形したりねじれ変形したりするおそれがある。特許文献2では、外刃の刃部分の前後端から下向きにそれぞれ支持部分を折り曲げ形成しており、支持部分を設けた分だけ外刃が補強されているが、外刃の厚さ寸法が小さいために支持部分だけでは補強として不十分である。
【0005】
この対策として、外刃の下端に補強枠を取り付けて補強することが考えられる。この場合、外刃と左右の側端ピースと補強枠とを組み立てて一体化することになるが、その組み立てに際して、接着剤などを使用して外刃に側端ピースを固定するようにすると、その分だけ組み立てに手間および時間などを要するところに問題がある。
【0006】
そこで本発明の目的は、外刃を補強できながら組み立てに要する手間および時間を低減して、製造コストを軽減できる電気かみそりを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電気かみそりは、図1および図7に示すごとく、下端面を開放した左右横長の逆樋状の外刃61と、外刃61の左右両側において着脱可能に取り付けられる左右一対の側端ピース66・66と、外刃61の下端開放面を覆うように外刃61の下端部に装着される外刃補強枠65とを備えている。外刃補強枠65は、外刃61の下端部に装着した状態で、各側端ピース66を外刃61に対して抜け止め状に固定する固定手段を有している。外刃補強枠65は、複数個に分割されていてもよい。
【0008】
具体的には、各側端ピース66の前後側面に突起75が突設しており、外刃61が、刃部分70の前後端から下向きにそれぞれ延出する前後一対の支持部分71・71を備えている。外刃61の各支持部分71には、各側端ピース66の突起75がそれぞれ挿通する係合部76が形成されていて、各側端ピース66の突起75が、外刃61の内側から係合部76を突き抜けて外刃61の支持部分71の外側へ突出している。外刃補強枠65は、底壁105と、底壁105の前後縁から上向きに延出する前後側壁106・106と、前後側壁106・106の左右両端部にそれぞれ設けた係合孔107とを有していて、前後側壁106・106を外刃61の支持部分71・71の下端部に外嵌した状態で、外刃61の係合部76から突出した各側端ピース66の突起75が係合部107にそれぞれ係合している。各側端ピース66は、突起75が外刃補強枠65の係合部107に係合することで、外刃補強枠65と共に外刃61に対して抜け止め状に固定される。
【0009】
外刃61の係合部76や外刃補強枠65の係合孔107は、丸穴や切り欠きや溝などであってもよい。各側端ピース66の突起75は、外刃補強枠65の係合部107に係合した状態で外刃補強枠65に溶着させてもよい。
【0010】
詳しくは、外刃補強枠65が、外刃61の左右両端部間にわたって延設されていて、外刃補強枠65によって外刃61の左右の全長にわたって補強される。
【0011】
より詳しくは、外刃61の内面に沿って摺接する左右横長の内刃62と、内刃62を支持する内刃ホルダー63とを備えている。外刃補強枠65には、内刃ホルダー63を介して内刃62を外刃61の内面に押し付け付勢するための内刃押付ばね109が一体に設けられている。外刃61の係合部76は、外刃61の支持部分71の下端から上方へ延びてその上部76aが外刃61の左右方向の中央側へ延びていて、側端ピース66の突起75が、係合部76の上部76aに挿通した状態で上下方向の動きが規制されるようになっている。外刃補強枠65の係合部107は、側端ピース66の突起75が係合した状態で突起75の左右方向の動きを規制するようになっている。内刃ホルダー63は、一方の側端ピース66の突起75を外刃61の一方側の係合部76の上部76aに挿通させて一方の側端ピース66を外刃61の一方側に仮止めした状態で、内刃ホルダー63の左右方向の一方側を一方の側端ピース66の上側に差し入れて外刃61の内面に内刃62を沿わせ、その状態で他方の側端ピース66の突起75を外刃61の他方側の係合部76の上部76aに挿通させて他方の側端ピース66を外刃61の他方側に仮止めすることで、外刃61に対して抜け止め状態に組み付けられるようになっている。そして、内刃ホルダー63を組み付けた外刃61に対して支持部分71・71の下端部に外刃補強枠65の前後側壁106・106を外嵌して、外刃61の係合部76から突出した各側端ピース66の突起75を係合部107にそれぞれ係合することで、各側端ピース66が外刃61に対して抜け止め状に固定されるうえ、内刃押付ばね109によって内刃62が外刃61の内面に押し付け付勢される。これにより、接着剤などを使用しなくても、外刃61と、内刃62を支持する内刃ホルダー63と、左右の側端ピース66・66と、外刃補強枠65とを組み立ててユニット化することができる。なお、外刃補強枠65と共に外刃61を押し上げ付勢するためのユニット押上ばね110を、外刃補強枠65に一体に設けてもよい。この場合、ユニット押上ばね110によって、支持枠90などに対して外刃61を押し上げ付勢することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外刃61の下端を受け止める外刃補強枠65を付加した分だけ、外刃61の構造強度を増強して、外刃61が曲げ変形され、あるいはねじれ変形するのを確実に防止できる。そのうえで、外刃補強枠65を外刃61の下端部に装着するに伴って、外刃補強枠65によって各側端ピース66が外刃61に対して抜け止め状に固定されるので、その分だけ外刃61と外刃補強枠65と左右の各側端ピース66との組み立てに要する手間および時間を軽減できる。
【0013】
外刃補強枠65の前後側壁106・106を外刃61の支持部分71・71に外嵌した状態で、外刃61の係合部76から突出した各側端ピース66の突起75を係合部107に係合すると、側端ピース66は、外刃61に対して上下左右に動くことなくしっかりと固定される。また、外刃61の支持部分71・71の間に側端ピース66が位置し、その支持部分71・71の外側に外刃補強枠65の前後側壁106・106が覆い被さるために、外刃補強枠65が支持部分71・71にしっかりと固定され、また外刃61の支持部分71・71が前後方向に動くことがなく、これによって外刃61が歪むことを確実に防止できて切れ味の低下を防止できる。
【0014】
外刃補強枠65に、内刃押付ばね109を一体に設けると、コイルばねなどの別部品で内刃62を付勢する場合よりも組み立てに要する手間および時間を大幅に軽減できるとともに、部品点数を減らすことができて製造コストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施例1) 図1ないし図10は、本発明に係る電気かみそりの実施例1を示す。電気かみそりは、図2に示すごとく、グリップを兼ねる本体部1と、本体部1の上方に配置されるヘッド部2とを備えている。ヘッド部2は、図5に示すごとく、コイルばねなどからなるフロート機構19を介して本体部1に取り付けてあり、ヘッド部2の全体が前後、左右、上下および斜め方向の全方位方向へ首振りできる状態で支持されている。
【0016】
ヘッド部2は、図2ないし図4に示すごとく、前後一対のロータリー式のメイン刃3・3と、両メイン刃3・3の間に配置される往復動式のセンター刃(切断刃ユニット)5と、メイン刃3やセンター刃5などの駆動源となる横置きのモーター6と、モーター6の駆動力をメイン刃3やセンター刃5などに伝達する駆動機構7と、これらの部材を収容するヘッドケース9および前後一対のカバー10・10と、ヘッドケース9に対して着脱可能に装着される内刃ユニット11および外刃ユニット12などを有する。各メイン刃3は主に短い髭を切断し、センター刃5は主に長い髭を切断する。
【0017】
本体部1は、二次電池13・13および制御回路基板15などを収容した液密構造の内ケース(図示していない)を前後から覆う前後カバー16・17と、前カバー16の上下に組み付けられる表示パネル20およびスイッチパネル21などを有する。後カバー17の上部背面には、きわ剃刃ユニット22が組み込まれている。きわ剃刃ユニット22は、それぞれ鋸刃状の切刃を備えた固定刃および可動刃を備えており、可動刃が駆動機構7を介して前記モーター6で往復駆動される。
【0018】
表示パネル20は、半透明のハーフミラーなどで形成してあって、電気かみそりの使用時にはモーター6の稼動状態や運転モードなどを表示し、不使用時にはひげそり結果を確認するための鏡として使用することができる。スイッチパネル21には、モーター6を起動あるいは停止させるための押しボタンスイッチ23と、モーター6の運転モードを切り換える押しボタンスイッチ25などが配されている。
【0019】
各メイン刃3は、図6に示すごとく、ステンレス製の薄板状の網刃からなるメイン外刃26と、ステンレス製の薄板状の小刃27を有するメイン内刃29とで構成される。外刃ユニット12は、図4および図6に示すごとく、上下面がそれぞれ開口する外刃ホルダー30と、外刃ホルダー30の上部に着脱可能に装着される刃体ユニット31とを有する。
【0020】
刃体ユニット31は、前後方向に逆U字状に保形された前後一対の前記メイン外刃26・26と、前記センター刃5と、上下面が開口していてその上面開口に前記メイン外刃26・26およびセンター刃5を配する外刃フレーム32とを有する。外刃フレーム32の内面の前後には、各メイン外刃26の前後外側の端部がそれぞれ固定される。
【0021】
ヘッドケース9の左右両側には、図4および図5に示すごとく、外刃ユニット12をロック保持するためのロック体33・33をそれぞれ配してある。各ロック体33は、上側に延出する係合爪36を有するとともに、ばね37でヘッドケース9の左右方向の外側へ付勢されている。この付勢によって各ロック体33の係合爪36が、外刃ユニット12の外刃ホルダー30の内面の左右にそれぞれ形成した係合凹部39に係合する。各ロック体33をばね37の付勢力に抗して押し込み操作すると、係合爪36が外刃ホルダー30の係合凹部39から外れて、外刃ユニット12をヘッドケース9から取り外すことができる。
【0022】
外刃ホルダー30の左右両側には、刃体ユニット31をロック保持するためのロックボタン40・40をそれぞれ設けてある。ロックボタン40・40を押し込み操作することで、刃体ユニット31を外刃ホルダー30から押し出すことができる。
【0023】
内刃ユニット11は、左右横長のベース壁42の左右両側に中空状の軸受壁43・43をそれぞれ起立形成した内刃フレーム45と、前記軸受壁43・43の上部に横置き状に配置される前後一対の前記メイン内刃29・29と、一方の軸受壁43内(図4の左側)に配される上下一対のギヤ46・46などを有する。
【0024】
ギヤ46・46は、駆動機構7のギヤ47に連結されるようになっており、モーター6の駆動力が、駆動機構7およびギヤ46・46を介してメイン内刃29・29に伝達される。内刃ユニット11のベース壁42の下面の左右には、係止凹部49がそれぞれ設けられており、各係止凹部49に、ヘッドケース9の上面部に配したロック爪50が着脱自在に係止される。
【0025】
ヘッドケース9の上面の左右両側には、前記ギヤ47に連結する駆動機構7の一部を覆うカバー51と、前後ロック爪50を係止凹部49から外すための解除機構52の一部を覆うカバー53とがそれぞれ起立状に形成してある。カバー53の外面側には、解除機構52でロック爪50の前記係止を解除させるための解除ボタン55が突出している。解除ボタン55を押し込み操作することで、ロック爪50が係止凹部49から外れて、内刃ユニット11をヘッドケース9から取り外すことができる。
【0026】
各メイン内刃29は、図6に示すごとく、12枚の前記小刃27を円柱状の樹脂基台56に対してスパイラル状に埋め込んであり、各小刃27は、メイン内刃29の中心軸に対して斜めに傾いた状態に配される。駆動機構7は、減速機構、プーリー、タイミングベルトおよび前記ギヤ47などを有しており、モーター6の回転を減速して各メイン内刃29に伝達する。各メイン内刃29は、横軸回りに回転駆動され、これによってメイン内刃29がメイン外刃26と協同して髭を切断する。
【0027】
センター刃5は、図6および図7に示すごとく、下端面を開放した逆樋状に形成される左右横長のセンター外刃61と、センター外刃61の内面に沿って摺接する左右横長のセンター内刃62と、センター内刃62を支持する内刃ホルダー63と、センター外刃61の下端開放面を覆うようにセンター外刃61の下端部に装着される外刃補強枠65と、センター外刃61の左右両側にそれぞれ取り付けられる左右一対の側端ピース66・66などを備えており、これらの部品を組むことにより1個のユニット部品とすることができる。各側端ピース66は、プラスチック成形品からなる。外刃補強枠65は、ステンレス板材などの金属製板材を素材にしてプレス加工することで形成される。
【0028】
センター外刃61は、櫛刃状の複数の切刃69を形成してある刃部分70と、刃部分70の前後端から下向きにそれぞれ延出して刃部分70を支持する前後一対の支持部分71・71とを一体に備えており、エッチング法で形成したシート状の刃ブランクにプレス加工を施して形成する。
【0029】
前記切刃69は、刃部分70の前後中央の基枠72の前後両縁に対してそれぞれ左右方向に並べて形成してある。センター外刃61の全体が、断面逆台形状に折り曲げてあり、図6に示すごとく基枠72を含む刃部分70の上面がほぼ平面になっている。刃部分70の左右両端部は、外刃フレーム32の上端左右にそれぞれ載っている(図1参照)。
【0030】
左右の側端ピース66・66の前後の各側面には、図7に示すごとく、それぞれ左右一対のピン(突起)75が突設してある。センター外刃61の各支持部分71の左右両端には、それぞれ左右一対の係合部76が切り欠き形成してある。各係合部76は、図7および図8に示すごとく、外刃61の支持部分71の下端から上方へ延びてその上部(嵌合溝部)76aが外刃61の左右方向の中央側へ延びている。
【0031】
各側端ピース66の各ピン75が、各係合部76の下端から係合部76内に導入されて嵌合溝部76aを挿通したときには、図9および図10に示すごとく、各ピン75は外刃61の内側から係合部76を突き抜けて、その先端部がセンター外刃61の支持部分71の外側へ突出している。この状態で、側端ピース66の各ピン75は、上下方向の動きが規制された仮止め状態で係合部76に取り付けられる。
【0032】
センター内刃62は、図7に示すごとく、エッチング法で複数の切刃77を鋸刃状に形成してある。つまり、各切刃77は、センター内刃62の前後中央の基枠79の前後両縁に対してそれぞれ左右方向に並べて形成してある。センター内刃62は、基枠79の左右両端からそれぞれ斜め下向きに折れ曲がる連結爪80・80を一体に備えている。センター内刃62における支持部分は連結爪80・80が兼ねている。センター外刃61およびセンター内刃62は、それぞれステンレス板材を素材にして形成してあり、センター外刃61の厚み寸法を0.35mmとするとき、センター内刃62の厚み寸法は0.3mmとした。
【0033】
内刃ホルダー63は、図7および図8に示すごとく、左右寸法がセンター内刃62より僅かに大きな横長のプラスチック成形品からなり、その下面中央に駆動機構7の駆動ピース81(図5参照)と係合する門形の受動ピース82が下向きに突出形成してある。内刃ホルダー63の上面には、センター内刃62を受け止め支持するための4個の突起83が形成されており、左右両側の各突起83につながる各凸部85の上面には、センター内刃62の連結爪80を差し込み係合するための係合孔86がそれぞれ開口している。
【0034】
内刃ホルダー63の左右両端の下面には、左右横長の凸条部87がそれぞれ形成されており、各凸条部87が、図9および図10に示すごとく、各側端ピース66の上面に形成した左右横長の溝89にそれぞれスライド移動可能に嵌まり込む。各側端ピース66の溝89によって内刃ホルダー63の左右方向の往復動が案内される。
【0035】
刃体ユニット31の外刃フレーム32には、図6に示すごとく、各メイン外刃26の前後内側の端部をそれぞれ固定するための支持枠90が取り付けられる。支持枠90は、図1および図4に示すごとく、左右方向の中央に内刃ホルダー63の受動ピース82が挿通する左右横長の孔91を設けた上壁92と、上壁92の前後縁から下向きに折れ曲がる前後側壁93・93と、各側端ピース66の左右外側に形成した係止突起95が係合する係合孔96をそれぞれ設けた左右側壁97・97とを一体に備えている。係合孔96の上下寸法は係止突起95の上下寸法よりも大きくなっていて、センター刃5が上下揺動可能な状態で上方への抜け止めが図られている。
【0036】
前記係合部76の嵌合溝部76aは、外刃61の左右方向の端部側へ延びていてもよいが、前述のごとく外刃61の左右方向の中央側へ延びていることが好ましい。つまり、側端ピース66の係止突起95を支持枠90の係合孔96に係合したときには、側端ピース66が支持枠90の左右側壁97によって支持枠90の左右方向の中央側へ押される。
【0037】
このとき、係合部76の嵌合溝部76aが外刃61の左右方向の端部側へ延びていると、側端ピース66のピン75は、外刃補強枠65の係合部107の内面でのみ受け止められる。これに対して、前述のごとく嵌合溝部76aが外刃61の左右方向の中央側へ延びていると、側端ピース66のピン75は、外刃補強枠65の係合部107の内面と嵌合溝部76aの内面とで受け止められ、前記嵌合溝部76aが外刃61の左右方向の端部側へ延びている場合よりもしっかりと保持される。
【0038】
支持枠90の下端には、保護プレート99が着脱可能に装着される。つまり、保護プレート99の左右両端には、複数の上向きの係止爪100が設けられており、各係止爪100が、支持枠90の前後側壁93・93の左右両端に形成した切り欠き101にそれぞれ係止されることで、保護プレート99が支持枠90に装着される(図1の状態)。支持枠90の左右両端には、係止片102がそれぞれ外向きに突出形成してある。係止片102によって支持枠90が、外刃フレーム32に係止される。
【0039】
各側端ピース66は、図7に示すごとく、前記ピン75と、前記溝89と、前記係止突起95とを有しており、側端ピース66・66によって外刃補強枠65がセンター外刃61の下端に外嵌装着されて、外刃補強枠65とセンター外刃61とが結合する。外刃補強枠65は、センター外刃61の左右両端部間にわたって延設され、底壁105と、底壁105の前後縁から上向きにそれぞれ延出する前後一対の前後側壁106・106と、前後側壁106・106の左右両端部にそれぞれ設けた左右一対の係合孔107とを有している。
【0040】
外刃補強枠65の前後側壁106・106をセンター外刃61の支持部分71・71の下端部に外嵌した状態で、図9および図10に示すごとく、センター外刃61の係合部76の嵌合溝部76aから突出した側端ピース66のピン75が、突き抜けた状態で外刃補強枠65の前後側壁106・106の係合部107に係合する。各側端ピース66は、ピン75が外刃補強枠65の係合部107に係合することで、外刃補強枠65と共にセンター外刃61に装着固定される。外刃補強枠65の係合部107は、側端ピース66のピン75が係合した状態でピン75の左右方向の動きを規制する。この外刃補強枠65をセンター外刃61の下端部に装着した状態で、各側端ピース66は、前後左右に動くことがなく、センター外刃61に対して抜け止め状に固定される。
【0041】
外刃補強枠65の底壁105の左右両側には、図1および図8に示すごとく、内刃ホルダー63を介してセンター内刃62をセンター外刃61の内面に押し付け付勢する左右一対の内刃押付ばね109・109と、センター刃5を押し上げ付勢する左右一対のユニット押上ばね110・110とが一体に設けられている。
【0042】
左右の内刃押付ばね109・109は、斜め上方向に立ち上がって内刃ホルダー63の下面に当接しており、左右のユニット押上ばね110・110は、左右の内刃押付ばね109・109よりもセンター刃5の左右方向の外側に配されている。左右のユニット押上ばね110・110は、斜め下方向に延びて支持枠90の上壁92の上面に当接している。つまり、左右のユニット押上ばね110・110どうしの間隔が大きくなって、センター刃5の傾きをユニット押上ばね110・110でしっかりと受け止めて、センター刃5の傾きを確実に抑えることができる。
【0043】
外刃補強枠65の底壁105の左右両側であって、内刃押付ばね109とユニット押上ばね110との間には、図7および図8に示すごとく、各側端ピース66の下面に形成した係合突起111がそれぞれ係合する係合孔112が形成されている。各側端ピース66の係合突起111が外刃補強枠65の係合孔112に係合することで、各側端ピース66の左右方向へのずれ動きが規制される。外刃補強枠65の底壁105の左右中央には、内刃ホルダー63の受動ピース82が挿通する左右横長の孔113を設けてある。
【0044】
センター刃5の組み立ては以下の手順で行う。まず、センター内刃62の左右の連結爪80・80を内刃ホルダー63の左右の係合孔86・86にそれぞれ差し入れて、内刃ホルダー63の上面にセンター内刃62を装着支持する。次に、一方の側端ピース66のピン75・75をセンター外刃61の左右方向の一方側の係合部76・76の嵌合溝部76aに挿通させて、一方の側端ピース66をセンター外刃61の左右方向の一方側に仮止めする。
【0045】
続いて、センター内刃62を取り付けた内刃ホルダー63を、一方の側端ピース66の上側に差し入れて、内刃ホルダー63の左右方向の一方側の凸条部87を一方の側端ピース66の上面の溝89に嵌合させながら、センター外刃61の内面にセンター内刃62を沿わせる。
【0046】
その状態で、他方の側端ピース66のピン75・75を、センター外刃61の左右方向の他方側の係合部76・76の嵌合溝部76aに挿通させて、他方の側端ピース66をセンター外刃61の左右方向の他方側に仮止めする。このとき、内刃ホルダー63の左右方向の他方側の凸条部87が、他方の側端ピース66の上面の溝89に嵌合している。これによって、センター内刃62および内刃ホルダー63が、センター外刃61に対して抜け止め状態に組み付けられる。
【0047】
そして、前記センター内刃62および内刃ホルダー63を組み付けたセンター外刃61に対して、外刃補強枠65が装着される。つまり、センター外刃61の支持部分71・71の下端部に外刃補強枠65の前後側壁106・106が外嵌するように、外刃補強枠65をセンター外刃61および両側端ピース66・66の下方から押し込む。すると、外刃補強枠65の前後側壁106・106が、前後方向に広がるように弾性変形して側端ピース66・66の各ピン75を乗り越え、次いで弾性復元力で外刃補強枠65の各係合孔107が各ピン75にパチンと嵌まり込んで、センター外刃61の係合部76から突出した各側端ピース66の突起75が係合部107にそれぞれ係合する。このとき、外刃補強枠65の係合孔112・112には、各側端ピース66の係合突起111がそれぞれ係合し、外刃補強枠65の底壁105の孔113には、内刃ホルダー63の受動ピース82が挿通する。
【0048】
この状態で、各側端ピース66は、センター外刃61に対して上下左右に動くことなくしっかりと固定される。また、センター外刃61の前後の支持部分71・71の間に側端ピース66・66が位置し、その支持部分71・71の外側に外刃補強枠65の前後側壁106・106が覆い被さっていて、その外刃補強枠65の弾性力で前後側壁106・106が側端ピース66・66に臨む支持部分71・71を押圧する。これによって、センター外刃61の支持部分71・71が前後方向に動くことがなく、したがってセンター外刃61が歪むことを確実に防止でき、センター刃5の切れ味の低下を防止できる。
【0049】
このように、外刃補強枠65とセンター外刃61とが、両側端ピース66・66によって結合され、外刃補強枠65が内刃押付ばね109および内刃ホルダー63を介してセンター内刃62を支持した状態で、センター外刃61とセンター内刃62と内刃ホルダー63と左右の側端ピース66・66と外刃補強枠65とが一体化(ユニット化)する。このセンター刃5の組み立てに、接着剤などの使用を必要としないために前記組み立てに要する手間などを軽減できることになる。また、例えば製造工程で内刃ホルダー63の成形不良が見つかった場合にも、センター外刃61とセンター内刃62と内刃ホルダー63と側端ピース66と外刃補強枠65とを容易に分解して、内刃ホルダー63の交換などを行えることになる。
【0050】
前記センター刃5を刃体ユニット31に装着したときには、外刃補強枠65の左右のユニット押上ばね110・110が支持枠90の上壁92の上面に当接する。この刃体ユニット31を外刃ユニット12に装着してヘッドケース9に組み付けたときには、駆動機構7の駆動ピース81が内刃ホルダー63の受動ピース82に係合する。この状態で、モーター6によってセンター内刃62が、センター外刃61の内面に沿って左右往復駆動されるようになる。
【0051】
(実施例2) 実施例2では、図11に示すごとく、外刃補強枠65を左右一対の小補強枠115・115に分割している。各小補強枠115は、前記内刃押付ばね109と、ユニット押上ばね110と、係合孔112と、前後4個の係合孔107とを設けてある。そして、各小補強枠115は、実施例1と同様に、各側端ピース66を介してセンター外刃61の下端の左右両端にそれぞれ装着される。
【0052】
各小補強枠115の左右長さ寸法は、側端ピース66の左右長さ寸法程度に設定してある。各小補強枠115のユニット押上ばね110は、実施例1と同様に、センター刃5において内刃押付ばね109よりも左右方向の外側になっている。その他の点は、実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0053】
前記各実施例では、センター刃5が前後一対のメイン刃3・3の間に配置してある場合を例示したが、センター刃5は、メイン刃3・3の前後方向の外側に配置してもよい。また、センター刃5は、ヘッド部12に組み込む必要はなく、本体ケース1に組むこともできる。その場合には、メイン刃3・3の前後方向のいずれか一側に隣接する膨出壁を本体ケース1の上部に形成し、この膨出壁にセンター刃5を組み込むとよい。
【0054】
メイン刃3・3をセンター刃5と同様のスリット刃や櫛刃などで構成してもよい。外刃補強枠65はプラスチック成形品で構成することができる。センター外刃61とセンター内刃62とは、それぞれスリット刃、櫛刃および鋸刃などのいずれで構成してあってもよい。網刃でセンター外刃61を構成することもできる。内刃押付ばね109あるいはユニット押上ばね110の少なくとも一方は、外刃補強枠65とは別体のコイルばねなどで形成してもよい。
【0055】
センター外刃61の係合部76は、側端ピース66のピン75の径寸法よりも大きな左右方向の径寸法を有する丸穴あるいは楕円形の穴や、左右横長の溝などであってもよい。これらの場合、側端ピース66をセンター外刃61の支持部分71・71の下方から押し込むことで、センター外刃61の支持部分71・71が、前後方向に広がるように弾性変形して側端ピース66の各ピン75を乗り越える。
【0056】
次いで、センター外刃61の弾性復元力で、支持部分71・71の前記丸穴などの各係合部76が側端ピース66の各ピン75にパチンと係合する。これにより、側端ピース66は、センター外刃61の支持部分71・71の係合部76に対して左右の動きを許す状態で仮止めされる。両側端ピース66・66が係合部76に仮止めされた後、先の要領でセンター外刃61に外刃補強枠65が装着される。
【0057】
前記説明では、ピン75は、側端ピース66の前後側面にそれぞれ2個ずつ設けたが、1個ずつでもよく、3個ずつであってもよい。各ピン75は、円柱形状でもよく、四角柱形状でもよく、あるいは断面楕円形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例1に係るセンター刃の縦断正面図
【図2】電気かみそりの正面図
【図3】電気かみそりの側面図
【図4】電気かみそりのヘッド部の分解斜視図
【図5】ヘッド部の縦断正面図
【図6】ヘッド部の縦断側面図
【図7】センター刃の分解斜視図
【図8】一部を破断したセンター刃の分解正面図である。
【図9】図1のA−A線断面図
【図10】図9のB−B線断面図
【図11】実施例2に係るセンター刃の一部を破断した縦断正面図
【符号の説明】
【0059】
1 本体部
2 ヘッド部
3 メイン刃
5 センター刃
61 センター外刃
62 センター内刃
63 内刃ホルダー
65 外刃補強枠
66 側端ピース
70 刃部分
71 支持部分
75 ピン
76 係合部
105 底壁
106 前後側壁
107 係合孔
109 内刃押付ばね
110 ユニット押上ばね
【出願人】 【識別番号】000164461
【氏名又は名称】九州日立マクセル株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡

【識別番号】100081891
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 茂雄


【公開番号】 特開2008−457(P2008−457A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174294(P2006−174294)