| 【発明の名称】 |
脚と車輪を有する移動体 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 研吾
【氏名】足立 忠司
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| 【要約】 |
【課題】脚で胴体部を支持し、各脚の足部および関節部に車輪を有する移動体であって、同じモータの数で、車輪機能が増し、車輪走行状態、脚歩行状態、いずれにおいても休止しているモータがない移動体を提供する。
【構成】移動体10は、脚12で胴体部11を支持し、各脚が関節部で回動可能に連結された上脚12aと下脚12bからなり、各脚の足部、関節部、股部に車輪13を有する。各車輪13にそれぞれ内蔵されかつブレーキを内蔵する複数のインホイールモータ15と、各車輪の回転速度を減速する複数の減速機20と、該減速機による減速速度を連動する連動装置22とを備え、複数のインホイールモータを同期駆動して各車輪を回転させ、複数のインホイールモータを差動駆動して上脚と下脚を揺動させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 胴体部を支持し関節部で回動可能に連結された複数の脚からなり足部及び関節部に車輪を有する移動体であって、 各車輪にそれぞれ内蔵されかつブレーキを内蔵する複数のインホイールモータと、 各車輪の回転速度を減速する複数の減速機と、 該減速機による減速速度を連動する連動装置とを備え、 複数のインホイールモータを同期駆動して各車輪を回転させ、 複数のインホイールモータを差動駆動して脚を揺動させる、ことを特徴とする脚と車輪を有する移動体。 【請求項2】 前記連動装置は、減速機の各出力端に固定されインホイールモータと同心に回転する出力歯車と、隣接する2つの出力歯車に歯合しその間の動力を同期して伝達する中間歯車とからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の脚と車輪を有する移動体。 【請求項3】 前記連動装置は、減速機の各出力端に固定されインホイールモータと同心に回転する出力スプロケットと、隣接する2つの出力スプロケットに歯合しその間の動力を同期して伝達するチェーン又はタイミングベルトとからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の脚と車輪を有する移動体。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、移動型ロボットのように脚と車輪を有する移動体に関する。 【背景技術】 【0002】 脚と車輪を有する移動体として、例えば特許文献1の「脚式移動ロボット装置」が既に提案されている。 【0003】 特許文献1の「脚式移動ロボット装置」は、図5に示すように、脚部ユニット53の接地面側先端には、軸57を中心に回転する車輪54が取りつけられている。各車輪54は、回転駆動手段であるモータ55の回転駆動力をそれぞれ受け取り、それぞれ回転するものである。 この構成により、方向転換や、直進/並進移動するときの機動性を高め、かつ段差乗り越えを可能とし、さらに表現力を高めることができる。 【0004】 【特許文献1】特開2004−34169号公報、「脚式移動ロボット装置及び脚式移動ロボット装置の移動制御方法」 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1の「移動ロボット」では、2本以上の脚部ユニット53による歩行移動のためのモータと、車輪54による高速移動のためのモータとがそれぞれ別個に設けられている。そのため、モータが余分に必要となり、重量、コストが増加する問題点がある。 【0006】 また、図6に示す別の移動体は、胴体部61を関節を有する脚体62で支持し、各脚体62が足部(先端)に車輪63を有する移動体である。各脚体62は、関節部で回動可能に連結された上脚62aと下脚62bからなり、それぞれ脚駆動モータ64で揺動駆動される。また、各車輪63には、インホイールモータ65が内蔵され、各車輪63を回転駆動するようになっている。 なおこの図で、66は軸受であり脚駆動モータ64の出力軸(上脚62aと下脚62bにそれぞれ固定されている)を回転可能に支持する。また67は、インホイールモータ65の固定軸であり、上脚62aと下脚62bに回転しないように固定されている。 この構成により、脚駆動モータ64で上脚62aと下脚62bを揺動駆動することにより、歩行移動が可能であり、インホイールモータ65で各車輪63を回転駆動することにより高速移動が可能である。 【0007】 しかし、特許文献1および図6の移動体では、車輪機能が限られており、車輪走行状態、脚歩行状態、いずれかにおいて休止しているモータがある問題点がある。 【0008】 本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、脚で胴体部を支持し、各脚の足部および関節部に車輪を有する移動体であって、同じモータの数で、車輪機能が増し、車輪走行状態、脚歩行状態、いずれにおいても休止しているモータがない移動体を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明によれば、胴体部を支持し関節部で回動可能に連結された複数の脚からなり足部及び関節部に車輪を有する移動体であって、 各車輪にそれぞれ内蔵されかつブレーキを内蔵する複数のインホイールモータと、 各車輪の回転速度を減速する複数の減速機と、 該減速機による減速速度を連動する連動装置とを備え、 複数のインホイールモータを同期駆動して各車輪を回転させ、 複数のインホイールモータを差動駆動して脚を揺動させる、ことを特徴とする脚と車輪を有する移動体が提供される。 【0010】 本発明の好ましい実施形態によれば、前記連動装置は、減速機の各出力端に固定されインホイールモータと同心に回転する出力歯車と、隣接する2つの出力歯車に歯合しその間の動力を同期して伝達する中間歯車とからなる。 【0011】 また、本発明の好ましい別の実施形態によれば、前記連動装置は、減速機の各出力端に固定されインホイールモータと同心に回転する出力スプロケットと、隣接する2つの出力スプロケットに歯合しその間の動力を同期して伝達するチェーン又はタイミングベルトとからなる。 【発明の効果】 【0012】 上記本発明の脚と車輪を有する移動体は、複数のインホイールモータを同期駆動することにより、各車輪が同期して回転し、高速移動が可能である。この際、連動装置は、減速機を介して複数のインホイールモータを連動しているため、空転しながら同期する。 【0013】 複数のインホイールモータを差動駆動すると、遅い速度のインホイールモータを内蔵する車輪が取り付けられた脚(例えば上脚、下脚)が早い速度のインホイールモータを内蔵する車輪の減速機により差動速度で揺動される。従って、この状態では、車輪の回転と脚の揺動を併用して移動することができる。 さらに、インホイールモータに内蔵されたブレーキでいずれかのインホイールモータの回転を防止すると、連動装置によりすべての車輪の回転を停止することができる。この状態で、そのほかのインホイールモータを回転すると、該当する減速機による減速速度で脚(例えば上脚、下脚)を揺動させて歩行移動することができる。 【0014】 上記本発明の構成により、後述する実施形態に示すように、同じモータの数で、車輪機能が増し、車輪走行状態、脚歩行状態、いずれにおいても休止しているモータがないという効果が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。 【0016】 図1は、本発明の脚と車輪を有する移動体の第1実施形態図である。この図において、(A)は全体側面図、(B)は部分断面図、(C)は歯車の噛合い図、(D)は差動説明図である。 図1(A)において、本発明の移動体10は、複数(3以上)の脚体12で胴体部11を支持し、各脚体12が関節部で回動可能に連結された複数の脚(この例で上脚12aと下脚12b)からなり、各脚体12の足部、関節部及び股部に車輪13を有する。以下、関節部と股部を総称して「関節部」と呼ぶ。 なお、本発明において、脚は上脚12aと下脚12bに限定されず、1又は複数の中間脚を備えてもよい。 【0017】 図1(B)において、本発明の移動体10は、複数のインホイールモータ15を備える。 複数のインホイールモータ15は、車輪13と同数であり、ブレーキを内蔵し、各車輪13にそれぞれ内蔵されている。またインホイールモータ15の固定軸16は、足部は下脚12bに、関節部は上脚12aに、股部は胴体部11にそれぞれ回転しないように固定されている。また、関節部の固定軸16は、下脚12bに設けられた軸受17により、股部の固定軸16は、上脚12aに設けられた軸受17により、それぞれ回転可能に支持されている。インホイールモータ15は、回転速度を自由に制御可能なサーボモータであるのがよい。 この構成により、複数のインホイールモータ15により、各車輪13を自由に回転駆動することができる。 【0018】 図1(B)において、本発明の移動体10は、さらに複数の減速機20と連動装置22を備える。 複数の減速機20は、車輪13と同数であり、各車輪の回転速度を減速する。この例において、減速機20は、インホイールモータ15の軸方向内側に設けられ、インホイールモータ15(すなわち車輪13)の回転を脚の揺動速度に適した速度まで減速する。減速された出力は、この例では車輪13と同心の外周部に伝達される。 減速機20は、遊星減速機であるのが好ましい。しかし本発明は、これに限定されず、任意の減速機を用いることができる。 【0019】 連動装置22は、この例では、3つの出力歯車23と2つの中間歯車24とからなる。 各出力歯車23は、減速機20の各出力端(外周部)に固定されインホイールモータ15と同心に回転する。 各中間歯車24は、隣接する2つの出力歯車23に歯合しその間の動力を同期して伝達する。2つの中間歯車24は、上脚12aと下脚12bに設けられた軸受25により、それぞれ自由回転可能に支持されている。 上述した構成により、図1(C)に示すように、出力歯車23と中間歯車24が常に噛合っているので、減速機20による減速速度を連動することができる。 【0020】 上述した本発明の脚と車輪を有する移動体10は、図1(A)に示すように、複数のインホイールモータ15を同期駆動することにより、各車輪13が同期して回転し、高速移動が可能である。この際、連動装置22は、減速機20を介して複数のインホイールモータ15を連動しているため、図1(C)に示すように、空転しながら同期する。 【0021】 複数のインホイールモータ15を差動駆動すると、遅い速度のインホイールモータを内蔵する車輪が取り付けられた脚(例えば上脚12a又は下脚12b)が早い速度のインホイールモータを内蔵する車輪の減速機により差動速度で揺動される。従って、この状態では、車輪の回転と脚の揺動を併用して移動することができる。 さらに、図1(D)に示すように、減速機20のブレーキでいずれかのインホイールモータ15(この例では足部)の回転を防止すると、連動装置22によりすべての車輪13の回転を停止することができる。この状態で、そのほかのインホイールモータ15を回転すると、該当する減速機20による減速速度で上脚12a及び/又は下脚12bを揺動させて歩行移動することができる。 【0022】 上記本発明の構成において、必要となるモータは各車輪に内蔵されたインホイールモータのみである。従ってこの構成により、各関節軸に車輪を配置する移動タイプでは、モータの個数を従来の5個からその半数+1の3個まで減らすことが可能となる。 【0023】 図2は、本発明の脚と車輪を有する移動体の第2実施形態図である。この図において、(A)は部分断面図、(B)は歯車の噛合い図、(C)は同期説明図、(D)は差動説明図である。 【0024】 図2(A)において、連動装置22は、この例では、3つの出力スプロケット25と2つのチェーン又はタイミングベルト26からなる。 各出力スプロケット25は、減速機20の各出力端(外周部)に固定されインホイールモータ15と同心に回転する。 チェーン又はタイミングベルト26は、隣接する2つの出力スプロケット25に歯合しその間の動力を同期して伝達する。 その他の構成は、第1実施形態と同様である。 【0025】 上述した構成により、図2(B)に示すように、出力スプロケット25とチェーン又はタイミングベルト26が常に噛合っているので、減速機20による減速速度を連動することができる。 【0026】 また、上述した本発明の脚と車輪を有する移動体10は、図2(C)に示すように、複数のインホイールモータ15を同期駆動することにより、各車輪13が同期して回転し、高速移動が可能である。この際、連動装置22は、減速機20を介して複数のインホイールモータ15を連動しているため、図2(B)に示すように、空転しながら同期する。 【0027】 複数のインホイールモータ15を差動駆動すると、遅い速度のインホイールモータを内蔵する車輪が取り付けられた脚(上脚又は下脚)が早い速度のインホイールモータを内蔵する車輪の減速機により差動速度で揺動される。従って、この状態では、車輪の回転と脚の揺動を併用して移動することができる。 さらに、図2(D)に示すように、減速機20のブレーキでいずれかのインホイールモータ15(この例では足部)の回転を防止すると、連動装置22によりすべての車輪13の回転を停止することができる。この状態で、そのほかのインホイールモータ15を回転すると、該当する減速機20による減速速度で上脚12a及び/又は下脚12bを揺動させて歩行移動することができる。 【0028】 上記本発明の構成において、必要となるモータは各車輪に内蔵されたインホイールモータのみである。従ってこの構成により、各関節軸に車輪を配置する移動タイプでは、モータの個数を従来の5個からその半数+1の3個まで減らすことが可能となる。 【0029】 上述したように、本発明の移動体10では、各車輪13が、減速機20を介して、歯車、チェーン又はタイミングベルトで連結されているため、車輪のみを回転するときは、すべての車輪が同期回転するため、脚の相対的な位置関係は変化しない。つまり関節は動かない(図1(A),図2(C))。この結果、移動体10は車輪による移動が可能となる。 【0030】 次に、ある車輪の回転を停止し、その他を回転すると、停止した車輪を含む脚の関節が動く(図1(D),図2(D)参照)。 同様に、他の車輪を停止してもそれに一致した関節が動く。その結果、各車輪の回転数を変化することにより、任意に各関節角を変えることができ、移動ロボットは脚による歩行が可能となる。 従って、同一のモータが車輪と関節のモータを兼ねることにより、車輪走行、脚歩行のどちらのモードでも、すべてのモータを有効に使用することができ、ロボットの軽量化が可能となる。 【0031】 図3は、平面走行時の使用形態を示す図である。この図において(A)は全輪で走行する状態、(B)は一部の車輪で走行する状態を示している。 図3(A)に示すように、すべてのモータを車輪走行に使用することができる。また、図3(B)に示すように、接地していない車輪があっても動力的に連結しているので、すべてのモータが走行に寄与できる。 【0032】 図4は、階段昇降時(A)と急傾斜登坂時(B)の使用形態を示す図である。この図にしめすように、急傾斜地や階段で車輪を有効活用することができる。 【0033】 なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。 【図面の簡単な説明】 【0034】 【図1】本発明の脚と車輪を有する移動体の第1実施形態図である。 【図2】本発明の脚と車輪を有する移動体の第2実施形態図である。 【図3】平面走行時の使用形態を示す図である。 【図4】階段昇降時(A)と急傾斜登坂時(B)の使用形態を示す図である。 【図5】特許文献1の「移動ロボット」の模式図である。 【図6】従来の脚と車輪を有する移動体の全体構成図である。 【符号の説明】 【0035】 10 移動体、11 胴体部、 12 脚体、12a 上脚、12b 下脚、 13 車輪、15 インホイールモータ、16 固定軸、17 軸受、 20 減速機、22 連動装置、 23 出力歯車、24 中間歯車、 25 出力スプロケット、26 チェーン又はタイミングベルト
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】株式会社IHI
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| 【出願日】 |
平成18年8月24日(2006.8.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097515 【弁理士】 【氏名又は名称】堀田 実
【識別番号】100136548 【弁理士】 【氏名又は名称】仲宗根 康晴
【識別番号】100136700 【弁理士】 【氏名又は名称】野村 俊博
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| 【公開番号】 |
特開2008−49429(P2008−49429A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−227491(P2006−227491) |
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