| 【発明の名称】 |
マニピュレータ機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】齋藤 敬
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| 【要約】 |
【課題】十分な強度の付与と軽量化を両立させることが出来、然も過大な外力の作用によってアームが折れ曲がったときにも復旧が可能な伸縮式のマニピュレータ機構を提供する。
【構成】本発明に係るマニピュレータ機構は、先端部に先端機構3を具えたアーム1と、該アーム1の基端部が連結されて該アーム1の巻き取り及び繰り出しを行なうアーム繰り出し装置2とを具え、アーム1は、弾性を有する複数本のテープ41を束ねてなるテープ集合体4と、該テープ集合体4の長手方向に間隔をおいてテープ集合体4に装着された複数の拘束部材5とを具え、該拘束部材5には、前記複数本のテープ41が貫通して該複数本のテープ41の相対位置を一定に保つためのガイド溝51が開設されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機能部を有するアーム(1)と、該アーム(1)の基端部が連結されて該アーム(1)の巻き取り及び繰り出しを行なうアーム繰り出し装置(2)とを具え、アーム(1)は、弾性を有する複数本のテープ(41)を束ねてなるテープ集合体(4)と、該テープ集合体(4)の長手方向に間隔をおいてテープ集合体(4)に装着された複数の拘束部材(5)とを具え、該拘束部材(5)には、前記複数本のテープ(41)が貫通して該複数本のテープ(41)の相対位置を一定に保つためのガイド溝(51)が開設されていることを特徴とするマニピュレータ機構。 【請求項2】 テープ集合体(4)を構成する複数本のテープ(41)は、アーム繰り出し装置(2)から繰り出された状態で、テープ集合体(4)の集合中心を原点とする円座標において180度以下の角度領域に各テープ(41)の断面形状が収容される様、円陣に配置されている請求項1に記載のマニピュレータ機構。 【請求項3】 テープ集合体(4)を構成する複数本のテープ(41)はそれぞれ、長手方向に直交する断面が円弧状に形成され、凸曲面からなる背面を互いに対向させた背中合わせの位置関係で束ねられている請求項1又は請求項2に記載のマニピュレータ機構。 【請求項4】 テープ集合体(4)を構成する複数本のテープ(41)は、背中合わせの位置関係でそれぞれの両側端縁にて互いに接触している請求項3に記載のマニピュレータ機構。 【請求項5】 テープ集合体(4)を構成する複数本のテープ(41)は、背中合わせの位置関係で互いに離間している請求項3に記載のマニピュレータ機構。 【請求項6】 テープ集合体(4)は3本のテープ(41)から構成され、拘束部材(5)のガイド溝(51)は、拘束部材(5)の中央部から120度の角度差で放射状に拡がる開口形状を有している請求項3に記載のマニピュレータ機構。 【請求項7】 前記複数の拘束部材(5)は、アーム(1)の伸張状態にて互いの間隔を規定するための連結機構によって互いに連結されており、該連結機構は、アーム(1)の収縮に伴って収縮し、前記複数の拘束部材(5)の互いの間隔を狭める請求項1乃至請求項6の何れかに記載のマニピュレータ機構。 【請求項8】 アーム(1)の伸張状態における前記複数の拘束部材(5)の間隔は、アーム(1)の基端部から先端部に向かって徐々に増大する様に規定されている請求項7に記載のマニピュレータ機構。 【請求項9】 拘束部材(5)には、テープ集合体(4)の摺動面に、1或いは複数のローラ(53)が取り付けられている請求項1乃至請求項8の何れかに記載のマニピュレータ機構。 【請求項10】 アーム繰り出し装置(2)は、テープ集合体(4)を構成する複数本のテープ(41)を巻き取るための1或いは複数のリール(21)を具え、該リール(21)を回転させることによってアーム(1)の巻き取り及び繰り出しが可能である請求項1乃至請求項9の何れかに記載のマニピュレータ機構。 【請求項11】 前記複数のリール(21)は、それらの回転軸がアーム(1)の長手方向と直交する面内で互いに交叉する位置関係に配置されている請求項10に記載のマニピュレータ機構。 【請求項12】 前記複数のリール(21)は、それらの回転軸がアーム(1)の長手方向と直交する面内で互いに平行となる位置関係に配置されている請求項10に記載のマニピュレータ機構。 【請求項13】 前記複数の拘束部材(5)の内、アーム(1)の最も基端寄りに位置する拘束部材(5a)は、アーム繰り出し装置(2)に対して固定され、若しくはアーム(1)の繰り出し方向に沿う一定範囲内でスライド可能に取り付けられている請求項1乃至請求項12の何れかに記載のマニピュレータ機構。 【請求項14】 アーム繰り出し装置(2)には、アーム(1)の繰り出しを付勢する付勢手段が装備されている請求項1乃至請求項13の何れかに記載のマニピュレータ機構。 【請求項15】 アーム(1)の先端に前記機能部となる先端機構(3)を具え、該先端機構(3)は、特定の作業若しくは動作を行なうための機能を有している請求項1乃至請求項14の何れかに記載のマニピュレータ機構。 【請求項16】 前記テープ(41)は、バネ性を有する金属製若しくは合成樹脂製の帯板から形成されている請求項1乃至請求項15の何れかに記載のマニピュレータ機構。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ロボットアーム等に用いられるマニピュレータ機構に関するものである。 【背景技術】 【0002】 この種のマニピュレータ機構においては、伸縮可能であると共に、外力の作用に対して十分な強度を有し、然も軽量であることが要求される。そこで、従来より種々の機構が提案されている。 【0003】 例えば、1本の帯状の板バネをドラムの周囲に巻き付けて該ドラムから板バネを繰り出し、若しくは該ドラムに板バネを巻き取る構成により、該板ばねを伸縮可能な作業アームとして利用する軽荷重用アクチュエータが提案されている(特許文献1)。 【0004】 又、複数本のチューブが鉛直方向に伸縮自在に連結され、これらのチューブの内部を1本の金属テープが貫通して、その先端部が先端のチューブから上方へ突出すると共に、その基端部がテープハウジング内に巻き取られている伸縮式のアンテナマストが提案されている(特許文献2)。 【0005】 更に又、外径の異なる2本の筒状部材を同軸上に配置して1本のアームが構成されており、各筒状部材は、金属製の帯板をその長手方向に中心軸を有する筒状にプレス成形してなり、各筒状部材を弾性変形させて筒状から帯板に展開しつつロール状に巻き取ることにより、アームを収縮させ、又は、ロール状に巻き取れた部材を帯板から筒状に弾性復帰させつつ巻き戻すことにより、2本の筒状部材を組み合わせて1本のアームを構成すると共に該アームを伸張させる、伸縮式のアーム機構が提案されている(特許文献3)。 【0006】 【特許文献1】特開平9−11178号公報 【特許文献2】米国特許第4426650号公報 【特許文献3】米国特許第3975581号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、上述の軽荷重用アクチュエータにおいては、作業アームが1本の板バネから構成されているに過ぎないため、作業アームに大きな荷重が作用すると、作業アームが折れ曲がる問題があり、軽荷重の用途に限定される欠点があった。 【0008】 又、上述の伸縮式アンテナマストにおいては、複数本のチューブの内部を貫通する金属テープは単にマストを伸縮させるものに過ぎず、マストの強度は複数本のチューブによって保持されているため、ロボットアームとして利用する場合、これらのチューブが軽量化の妨げとなる問題がある。 【0009】 更に又、上述の2本の筒状部材を同軸上に配置してなる伸縮式のアーム機構においては、十分な強度を発揮させるために、厚さの大きな帯板を用いて筒状部材を形成する必要があり、これによってアームの重量が大きくなる問題があった。 【0010】 この様に、従来のマニピュレータ機構においては、十分な強度を与えることと軽量化することの両立が困難である問題があった。又、過大な外力の作用によってアームが折れ曲がると、アームの折れ曲がり箇所に塑性変形が生じて復旧が不可能となる問題があった。 そこで本発明の目的は、十分な強度の付与と軽量化を両立させることが出来、然も過大な外力の作用によってアームが折れ曲がったときにも復旧が可能な伸縮式のマニピュレータ機構を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明に係るマニピュレータ機構は、機能部を有するアーム(1)と、該アーム(1)の基端部が連結されて該アーム(1)の巻き取り及び繰り出しを行なうアーム繰り出し装置(2)とを具え、アーム(1)は、弾性を有する複数本のテープ(41)を束ねてなるテープ集合体(4)と、該テープ集合体(4)の長手方向に間隔をおいてテープ集合体(4)に装着された複数の拘束部材(5)とを具え、該拘束部材(5)には、前記複数本のテープ(41)が貫通して該複数本のテープ(41)の相対位置を一定に保つためのガイド溝(51)が開設されている。 【0012】 尚、前記テープ(41)は、バネ性を有する金属製若しくは合成樹脂製の帯板から形成されており、適度な弾性と剛性を有している。 又、前記機能部は、アーム(1)の先端に設けられた先端機構(3)であって、該先端機構(3)は、特定の作業若しくは動作を行なうための機能を有している。 【0013】 上記本発明のマニピュレータ機構においては、アーム繰り出し装置(2)から繰り出されたアーム(1)が、複数本のテープ(41)を束ねてなるテープ集合体(4)を主骨とし、これら複数本のテープ(41)が複数箇所で拘束部材(5)により互いの位置関係を拘束されているので、1本のテープ(41)の剛性が十分に高いものでなくても、複数本のテープ(41)が束ねられたテープ集合体(4)は高い剛性を発揮する。 【0014】 又、アーム繰り出し装置(2)から繰り出されたアーム(1)に対し、仮にテープ集合体(4)の剛性を上回る過大な外力が作用してアーム(1)が折れ曲がったとしても、テープ集合体(4)を構成する複数本のテープ(41)が複数箇所で拘束部材(5)により互いの位置関係を拘束されているので、これら複数本のテープ(41)が十分な弾性復帰力を発揮して、アーム(1)は元の直線状の形態に戻り得る。 アーム(1)が自身の弾性復帰力によって元の直線状の形態に戻らない場合は、折れ曲がったアーム(1)の復旧操作を行なう。例えば、アーム(1)を鉛直下方へ垂れ下げる操作や、アーム(1)の先端を地面等に押し当てて強制的に復旧させる操作の他、アーム(1)を一旦巻き戻して収縮させた後に伸張させる操作が有効である。 【0015】 具体的構成において、テープ集合体(4)を構成する複数本のテープ(41)は、アーム繰り出し装置(2)から繰り出された状態で、テープ集合体(4)の集合中心を原点とする円座標において180度以下の角度領域に各テープ(41)の断面形状が収容される様、円陣に配置されている。 又、テープ集合体(4)を構成する複数本のテープ(41)はそれぞれ、長手方向に直交する断面が円弧状に形成され、凸曲面からなる背面を互いに対向させた背中合わせの位置関係で束ねられている。 これによって、テープ集合体(4)の剛性が最も大きくなると共に、アーム(1)が折れ曲がったときの弾性復帰動作が確実なものとなる。 ここで、複数本のテープ(41)を背中合わせの位置関係でそれぞれの両側端縁にて互いに接触させた構成によれば、折れ曲がりに対して極めて高い強度を発揮する。これに対し、複数本のテープ(41)を背中合わせの位置関係で互いに離間させた構成によれば、アーム(1)が過負荷によって折れ曲がった場合にも十分な可逆性をもって元の形態に復旧させることが出来る。 【0016】 例えば、テープ集合体(4)は3本のテープ(41)から構成され、拘束部材(5)のガイド溝(51)は、拘束部材(5)の中央部から120度の角度差で放射状に拡がる開口形状を有している。 【0017】 又、具体的構成において、前記複数の拘束部材(5)は、アーム(1)の伸張状態にて互いの間隔を規定するための連結機構によって互いに連結されており、該連結機構は、アーム(1)の収縮に伴って収縮し、前記複数の拘束部材(5)の互いの間隔を狭めるものである。 ここで、アーム(1)の伸張状態における前記複数の拘束部材(5)の間隔は、アーム(1)の基端部から先端部に向かって徐々に増大する様に規定されている。 【0018】 従って、拘束部材(5)は必要最小限の個数で、テープ集合体(4)を構成する複数のテープ(41)を拘束し、テープ集合体(4)の全長に亘って高い剛性を与えることが出来る。 【0019】 又、他の具体的構成において、アーム繰り出し装置(2)は、テープ集合体(4)を構成する複数本のテープ(41)を巻き取るための1或いは複数のリール(21)を具え、該リール(21)を回転させることによってアーム(1)の巻き取り及び繰り出しが可能である。 そして、前記複数のリール(21)は、それらの回転軸がアーム(1)の長手方向と直交する面内で互いに交叉する位置関係、若しくは、それらの回転軸がアーム(1)の長手方向と直交する面内で互いに平行となる位置関係に配置されている。 【0020】 又、前記複数の拘束部材(5)の内、アーム(1)の最も基端寄りに位置する拘束部材(5a)は、アーム繰り出し装置(2)に対して固定され、若しくはアーム(1)の繰り出し方向に沿う一定範囲内でスライド可能に取り付けられている。 【0021】 従って、複数のリール(21)から繰り出された複数本のテープ(41)は、アーム(1)の最も基端寄りに位置する拘束部材(5a)に至る過程で、各リール(21)の出口における姿勢から捻れ等の弾性変形を生じて、該拘束部材(5a)に開設されているガイド溝(51)へ嵌入することになる。そして、次の拘束部材(5)から先端機構(3)までの領域で、複数本のテープ(41)は、所定の姿勢で互いの相対位置を一定に保つことになる。 ここで、前記拘束部材(5a)を一定範囲内でスライド可能に取り付けた構成によれば、アーム(1)の収縮状態におけるアーム繰り出し装置(2)から拘束部材(5a)までの遷移変形部(40)が短くなってコンパクトな収納が可能となり、且つ、アーム(1)の繰り出し動作においては遷移変形部(40)を伸張させてアーム(1)の繰り出しをスムーズに行なうことが出来る。 前記拘束部材(5a)を一定範囲内でスライド可能に取り付ける方法としては、アーム繰り出し装置(2)のケース内に拘束部材(5a)を収容して、該ケースによって拘束部材(5a)のスライドを案内する構成が可能であり、これによって簡易な構造で実現が可能となる。 【0022】 更に他の具体的な構成において、アーム繰り出し装置(2)には、アーム(1)の繰り出しを付勢する付勢手段が装備されている。 これによってアーム(1)の迅速な繰り出しが実現される。 【発明の効果】 【0023】 本発明に係るマニピュレータ機構によれば、テープ集合体(4)を構成する複数本のテープ(41)をそれぞれ厚さの薄い帯板から形成して軽量化を図ったとしても、テープ集合体(4)は十分な剛性を発揮する。又、仮に一時的に過大な外力が作用してアーム(1)が折れ曲がったとしても復旧が可能であるため、極限までテープ(41)の軽量化を図ることが出来る。然も、拘束部材(5)は必要最小限の個数を装備すればよいから、軽量化の妨げとはならない。 従って、本発明に係るマニピュレータ機構は、十分な強度の付与と軽量化の両立が可能であり、然も過大な外力の作用によってアームが折れ曲がったときにも復旧が可能であるため、伸縮式のロボットアームとして好適である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。 本発明に係るマニピュレータ機構は、図1(a)(b)に示す如く、先端部に先端機構(3)を具えたアーム(1)と、該アーム(1)の基端部が連結されて該アーム(1)の巻き取り及び繰り出しを行なうアーム繰り出し装置(2)とを具えている。 【0025】 アーム(1)は、図2に示す如く、バネ鋼板からなる3本のテープ(41)(41)(41)を束ねてなるテープ集合体(4)と、該テープ集合体(4)の長手方向に間隔をおいてテープ集合体(4)に装着された複数の拘束部材(5)とを具えている。 テープ集合体(4)を構成する3本のテープ(41)(41)(41)はそれぞれ、長手方向に直交する断面が円弧状に形成されている。そして、これら3本のテープ(41)(41)(41)は、テープ集合体(4)の集合中心を原点とする円座標において120度の角度領域に各テープ(41)の断面形状が収容される様、円陣に配置され、凸曲面からなる背面を互いに対向させた背中合わせの位置関係を有している。 【0026】 アーム(1)は、テープ集合体(4)を構成する3本のテープ(41)(41)(41)がアーム繰り出し装置(2)によってロール状に巻き取られることによって図1(b)の如く収縮し、アーム繰り出し装置(2)から3本のテープ(41)(41)(41)が同時に繰り出されることによって図1(a)の如く伸張する。 図1(a)に示す伸張状態で、アーム(1)は、テープ集合体(4)が3本のテープ(41)(41)(41)の束からなる構成により、十分な剛性を発揮して、先端機構(3)に作用する外力によって容易に折れ曲がることはない。 【0027】 図2に示す様に、拘束部材(5)には、テープ集合体(4)が貫通して3本のテープ(41)(41)(41)の姿勢及び相対位置を一定に保つための3つのガイド溝(51)(51)(51)が、拘束部材(5)の中央部から120度の角度差で放射状に開設されている。 【0028】 又、図3に示す如く、拘束部材(5)には、拘束部材(5)の中央開口と対向して、3つの凹部(52)(52)(52)がガイド溝(51)(51)(51)と60度の位相差で形成され、これらの凹部(52)(52)(52)にそれぞれローラ(53)が配備されている。 これらのローラ(53)(53)(53)は、図4に示す様にガイド溝(51)(51)(51)を貫通する3本のテープ(41)(41)(41)の各腹面中央部に接触して、これらのテープ(41)(41)(41)の拘束部材(5)に対する相対移動をスムーズなものとしている。 【0029】 図1(a)に示す如く、複数の拘束部材(5)は連結ロープ(6)によって互いに連結されており、アーム(1)の伸張状態では、緊張状態となって複数の拘束部材(5)の互いの間隔を規定する。ここで、隣接する拘束部材(5)どうしの間隔は、アーム(1)の基端部から先端部に向かって徐々に増大する様に規定されている。 図1(b)の如くアーム(1)の収縮状態では、各連結ロープ(6)が弛んで、複数の拘束部材(5)は互いに当接することになる。 【0030】 尚、複数の拘束部材(5)の内、最もアーム(1)の基端寄りの拘束部材(5a)は、アーム繰り出し装置(2)のケーシングに固定されている。これに対し、残りの複数の拘束部材(5)は、テープ集合体(4)に対して摺動可能に係合している。 【0031】 上記アーム(1)においては、過大な外力の作用によってテープ集合体(4)が途中で折れ曲がり、折れ曲がり箇所で3本のテープ(41)(41)(41)の円陣の配置が潰れたとしても、拘束部材(5)が装着された複数箇所では、テープ集合体(4)を構成する3本のテープ(41)(41)(41)が上述の円陣の配置に維持されるので、外力が除去されると同時に3本のテープ(41)(41)(41)は弾性復帰し、アーム(1)は元の直線状の形態に戻ることになる。 【0032】 特に、テープ集合体(4)を構成する3本のテープ(41)(41)(41)がそれぞれの背面を互いに対向させて円陣に配置されているので、3本のテープ(41)(41)(41)がそれぞれの腹面を互いに対向させて円陣に配置された構成と比べて、折れ曲がり箇所での変形量が少なく、テープ(41)が塑性変形を生じることはない。 【0033】 アーム繰り出し装置(2)はリール駆動機構(22)によって構成されており、テープ集合体(4)を構成する3本のテープ(41)を巻き取るための1或いは複数のリール(21)を具え、モータ(23)の駆動によりリール(21)を正逆に回転させることによって、アーム(1)の伸縮を行なうものである。ここで、各テープ(41)は、リール(21)によってロール状に巻き取られ、或いは、リール(21)から繰り出されることになる。 【0034】 例えば図5(a)(b)(c)に示すアーム繰り出し装置(2)は、それぞれがリールを内蔵した3つのリールケース(24)(24)(24)から構成されており、これらのリールケース(24)(24)(24)は、リールの回転軸がアーム(1)の長手方向と直交する面内で互いに120度の位相差で交叉する位置関係に配置されている。 ここで、3つのリールケース(24)(24)(24)のリールは、ウォームギア等を用いた連動機構(図示省略)によって、回転の同期が図られている。 【0035】 図5(b)の如く3つのリールケース(24)(24)(24)から繰り出される3本のテープ(41)(41)(41)は、円座標の120度の角度領域に各テープ(41)の断面形状が収容される様に円陣に配置されているものの、互いに大きく離間しているが、図5(c)の如く、第1番目の拘束部材(5a)を通過した3本のテープ(41)(41)(41)は、円座標の120度の角度領域に各テープ(41)の断面形状が収容される様に円陣に配置されると共に、互いに背中合わせで接触している。 即ち、アーム繰り出し装置(2)から繰り出されるテープ集合体(4)には、第1番目の拘束部材(5a)に至る領域に、3本のテープ(41)(41)(41)が互いに接近する遷移変形部(40)が生じることになる。 【0036】 又、図6(a)(b)(c)に示すアーム繰り出し装置(2)は、それぞれがリールを内蔵した3つのリールケース(24)(24)(24)から構成されており、これらのリールケース(24)(24)(24)は、リールの回転軸がアーム(1)の長手方向と直交する面内で互いに平行となる位置関係に配置されている。 同様に、3つのリールケース(24)(24)(24)のリールは、歯車を用いた連動機構(図示省略)によって、回転の同期が図られている。 【0037】 図6(b)の如く3つのリールケース(24)(24)(24)から繰り出される3本のテープ(41)(41)(41)は、互いに離間した相対位置で平行に対峙しており、円陣の配置を有していないが、図6(c)の如く、第1番目の拘束部材(5a)を通過した3本のテープ(41)(41)(41)は、円座標の120度の角度領域に各テープ(41)の断面形状が収容されて、円陣に配置されると共に、互いに接触している。 即ち、アーム繰り出し装置(2)から繰り出されるテープ集合体(4)には、第1番目の拘束部材(5a)に至る領域に、3本のテープ(41)(41)(41)がねじれつつ互いに接近する遷移変形部(40)が生じることになる。 【0038】 又、図7(a)(b)(c)に示すアーム繰り出し装置(2)は、1つのリールケース(25)から構成されており、該リールケース(25)内のリールに、3本のテープが同図(b)に示す背中合わせの相対姿勢で巻き付けられている。 該アーム繰り出し装置(2)によれば、リール連動機構は不要であり、コンパクト化が可能である。 【0039】 図7(b)の如くリールケース(25)から繰り出される3本のテープ(41)(41)(41)は、互いに離間した相対位置で平行に対峙しており、円陣の配置を有していないが、図7(c)の如く、第1番目の拘束部材(5a)を通過した3本のテープ(41)(41)(41)は、円座標の120度の角度領域に各テープ(41)の断面形状が収容されて、円陣に配置されると共に、互いに接触している。 即ち、アーム繰り出し装置(2)から繰り出されるテープ集合体(4)には、第1番目の拘束部材(5a)に至る領域に、3本のテープ(41)(41)(41)がねじれつつ互いに接近する遷移変形部(40)が生じることになる。 【0040】 更に、図8に示すアーム繰り出し装置(2)においては、3つのリールケース(24)(24)(24)を立てた姿勢に配置しており、これらのリールケース(24)(24)(24)のリールの回転軸がアーム(1)の長手方向と直交し且つ互いに平行となる位置関係を有している。 該アーム繰り出し装置(2)においても、アーム繰り出し装置(2)から繰り出されるテープ集合体(4)には、第1番目の拘束部材(5a)に至る領域に、3本のテープ(41)(41)(41)がねじれつつ互いに接近する遷移変形部(40)が生じることになる。 【0041】 一方、図9に示すアーム繰り出し装置(2)においては、リールケース(20)内に、リール本体(42)の回転を案内する複数のローラ(26)を配備すると共に、リール本体(42)をテープ繰り出し方向に回転付勢するぜんまい(27)を配備し、テープ集合体(4)の繰り出しを付勢すると共に、ぜんまい(27)の巻き取り時にはラチェット機構等で逆回転を阻止した構成が採用されている。 これによって、アーム(1)の迅速な伸張動作を実現することが出来る。 【0042】 アーム(1)の先端部に取り付けられる先端機構(3)は、特定の作業若しくは動作を行なうための機能を有しているものであって、例えば図10(a)に示す如く開閉動作が可能な一対の突片(31)(31)を具えたもの、同図(b)の如くカメラ(32)を具えたもの、同図(c)の如く着地のための支え部材(33)を具えたもの、同図(d)の如く移動のための車輪(34)を具えたもの等、種々の構成が採用可能である。 【0043】 上述のマニピュレータ機構によれば、例えば図11(a)の如くアーム(1)の伸縮を機材(9)の昇降作業に利用する形態や、同図(b)の如くアーム(1)の伸縮を車輌(91)の昇降動作に利用する形態や、同図(c)の如く車輌(91)に装備したアーム(1)を伸張させることによって狭所や高所の作業を行なう形態が考えられる。 ここでアーム(1)の伸縮は遠隔操作によって行なうことが可能である。 【0044】 又、図12(a)の如く、アーム(1)の伸縮を利用して車輌(91)の溝乗り越え動作を実現し、或いは同図(b)の如く、前述のぜんまい等を用いたアーム(1)の急速伸張動作により車輌(91)の跳躍動作を実現することが出来る。 更に、図13(a)の如く複数のマニピュレータ機構を用いて車輌(91)の高所間の移動を実現し、或いは同図(b)の如く車輪を具えた先端機構(3)によって車輌(91)の階段昇降を実現することも可能である。 更に又、3本以上のアーム(1)を組み合わせて移動等の動作を実現することも可能である。 【0045】 本発明に係るマニピュレータ機構によれば、複数本のテープ(41)からなるテープ集合体(4)をアーム(1)の主骨とする構成により、種々の作業に伴って作用する外力に対してはアーム(1)に十分な強度を付与し、然も、テープ集合体(4)を複数の拘束部材(5)によって拘束した構成により、過大な外力の作用時にはテープ集合体(4)を復旧可能に弾性変形させてアーム(1)の破損を防止すると共に、アーム(1)の軽量化を図ることが出来る。 【0046】 又、本発明に係るマニピュレータ機構によれば、アーム(1)の伸縮を利用して種々の作業や動作を実現することが出来るので、特に、高所や災害地域における危険な作業や重労働の軽減に有効利用が可能である。 例えば河川などの救助作業で、長く伸張させたアーム(1)を救助ロープの代わりとして利用することが出来る。 【0047】 尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えばテープ集合体(4)は、3本のテープ(41)(41)(41)から構成する例に限らず、6本のテープ(41)〜(41)をハニカム状に組み合わせた構成など、種々の構成が採用可能である。又、テープ(41)はバネ鋼板に限らず、適度なバネ性と剛性を有する合成樹脂板や、金属と合成樹脂の複合材料から形成することも可能である。 更に又、テープ集合体(4)の集合中心を原点とする円座標の各角度領域には、複数枚のテープ(41)を互いに重ね合わせて配置する構成も採用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】本発明に係るマニピュレータ機構の伸張状態と収縮状態を示す側面図である。 【図2】テープ集合体と拘束部材の拡大斜視図である。 【図3】拘束部材の正面図である。 【図4】拘束部材にテープ集合体が貫通している状態を示す正面図である。 【図5】アーム繰り出し装置の構成を示す側面図及び2つの正面図である。 【図6】他のアーム繰り出し装置の構成を示す側面図及び2つの正面図である。 【図7】他のアーム繰り出し装置の構成を示す側面図及び2つの正面図である。 【図8】更に他のアーム繰り出し装置の構成を示す側面図である。 【図9】アーム繰り出し装置の内部構造を示す側面図である。 【図10】先端機構の種々の構成例を示す側面図である。 【図11】本発明に係るマニピュレータ機構の応用例を示す図である。 【図12】本発明に係るマニピュレータ機構の他の応用例を示す図である。 【図13】本発明に係るマニピュレータ機構の更に他の応用例を示す図である。 【符号の説明】 【0049】 (1) アーム (2) アーム繰り出し装置 (21) リール (22) リール駆動機構 (23) モータ (3) 先端機構 (4) テープ集合体 (41) テープ (40) 遷移変形部 (5) 拘束部材 (51) ガイド溝 (53) ローラ (6) 連結ロープ
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| 【出願人】 |
【識別番号】504176911 【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
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| 【出願日】 |
平成18年8月23日(2006.8.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100114 【弁理士】 【氏名又は名称】西岡 伸泰
【識別番号】100128831 【弁理士】 【氏名又は名称】杉岡 佳子
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| 【公開番号】 |
特開2008−49419(P2008−49419A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−226099(P2006−226099) |
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