トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ




【発明の名称】 産業用ロボットのハンド装置
【発明者】 【氏名】国崎 晃

【氏名】本谷 猛

【要約】 【課題】同一のハンド装置で、異種形状や寸法違いを含む多数のワークを把持することができる複数の指(フィンガー)を駆動する方式のハンド装置を、各指に1個のモータを必要とせず、安価で、かつ小さなサイズのハンド装置であっても大きな把持力を実現できる産業用ロボットのハンド装置を提供。

【構成】フレーム1に1端16を第1の水平軸15の回りに回転可能に支持されかつ1端に延長かぎ形部17を有する3個のフィンガー4と、各フィンガー4の1端16の延長かぎ形部17端部に第1の水平軸15と平行な第2の水平軸19の回りに回転可能に支持されたカムフォロア5と、ボールねじ2のナット20に固定され、カムフォロア5を回転可能に支持する溝7を有するブロック6とを有する。サーボモータ3を作動させると、カムフォロア5が引っかかっているためにフィンガー4が揺動し開閉する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、前記フレームに縦方向に回転可能に支持されたボールねじ又は台形ねじと、前記フレームに固定され、前記ボールねじ又は台形ねじを回転駆動するサーボモータと、前記フレームに1端を第1の水平軸の回りに回転可能に支持されかつ前記1端に延長かぎ形部を有する少なくとも2個のL字状フィンガーと、
各前記フィンガーの前記延長かぎ形部端部に前記第1の水平軸と平行な第2の水平軸の回りに回転可能に支持されたカムフォロア、ローラ又はピンと、
前記ボールねじ又は台形ねじのナットに固定され、前記カムフォロア、ローラ又はピンを回転可能に支持する溝を有するブロックと、前記フレーム1に少なくともその1端が固定され他端が前記ブロックを前記ボールねじ又は台形ねじの軸方向に案内する直動軸受又は直動ガイドとからなり、
各前記第1の水平軸又は各前記第2の水平軸は同一平面上に又はそれぞれ自身の同一平面上に位置し、
前記サーボモータを動作させることにより各前記フィンガーの他端が開閉するようにしたことを特徴とする産業用ロボットのハンド装置。
【請求項2】
フレームと、前記フレームに縦方向に回転可能に支持されたボールねじ又は台形ねじと、前記フレームに固定され、前記ボールねじ又は台形ねじを回転駆動するサーボモータと、前記フレームに1端を第1の水平軸の回りに回転可能に支持されかつ前記1端に延長かぎ形部を有する少なくとも2個のL字状フィンガーと、
前記ボールねじ又は台形ねじのナットに固定されたブロックと、前記フレーム1に少なくともその1端が固定され他端が前記ブロックを前記ボールねじ又は台形ねじの軸方向に案内する直動軸受又は直動ガイドと、
各前記フィンガーの前記延長かぎ形部端部に1端は前記第1の水平軸と平行な第2の水平軸の回りに回転可能に支持されかつ他端は前記ブロックに前記第1の水平軸と平行な第3の水平軸の回りに回転可能に支持されたリンクとからなり、
各前記第1の水平軸、各前記第2の水平軸又は各前記第3の水平軸は同一平面上に又はそれぞれ自身の同一平面上に位置し、
前記サーボモータを動作させることにより各前記フィンガーの他端が開閉するようにしたことを特徴とする産業用ロボットのハンド装置。
【請求項3】
床に固定された多関節型ロボットと、前記ロボットのアーム先端に搭載された請求項1又は請求項2記載の産業用ロボットのハンド装置を有することを特徴とする多関節型ロボット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は異種形状や寸法違いを含む多数のワークを把持可能な産業用ロボットのハンド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の製造ラインで作業を行う産業用ロボットシステムのハンド装置には、ワークをハンドリングする用途で使用されるものが多く存在する。製造ラインへの素材の投入、加工機械へのワークの着脱、箱詰めなど、産業用ロボットを活用した自動化システムは非常に多様な分野で使われている。ハンドリングロボットの先端には、通常、ロボットハンド又はハンド装置と呼ばれるワークを把持するハンド装置が搭載される。かかるハンド装置は、多くの場合、エアシリンダで駆動される。
【特許文献1】特許第3245095号公報
【特許文献2】US2004/0103740A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、同一のロボットシステムが異種形状や寸法違いを含む多数のワークをハンドリングする場合、同一のハンド装置では把持することができないことが多い。そこで、ワークの形状や寸法に適合した仕様の複数のハンド装置を準備し、これらをオートツールチェンジャを介してロボットに取り付け、生産品種変更時に、ロボットに搭載するハンド装置を取り替えることで対応する方法がある。しかしながら、オートツールチェンジャを介して取り付けられたハンド装置を取り替えるためには、交換動作のための時間が必要であり、頻繁に生産品種を変更する製造ラインの場合は、生産効率が落ちるという問題があった。さらに、多種の形状、寸法のワークに対応するためには、これに対応した多数のハンド装置を準備する必要があり、加えて、オートツールチェンジャも準備する必要があるなど、設備コストが高くなるというデメリットがあった。また、例えば特許文献1又は特許文献2に記載するように、同一のハンド装置で、異種形状や寸法違いを含む多数のワークを把持する方法として、複数の指(フィンガー)からなり、複数のモータにより各々の指を駆動する方式のハンド装置が知られている。
【0004】
しかしながら、これらの特許文献1又は特許文献2に記載する発明によれば、ハンド装置は複数の指(フィンガー)で構成されているが、各指の指を開閉するために、各指に1個のモータが必要であり、コストが高くなるという欠点があった。また、ワークを把持した時に、複数の指がワークに及ぼす力にバランスが取れていないと、ワークを安定して把持することができず、これを克服するために、複雑な制御方法が必要となり、難解であるという欠点があった。さらに、小さなサイズのハンド装置を作る場合、指を開閉する関節部の駆動伝達用に小さなサイズの歯車を使用せざるを得ないため、大きなトルクを伝達することができず、大きな把持力を実現するのが困難であるという欠点があった。
【0005】
本発明の課題はかかる従来の課題を解決した、ワークの形状や寸法に適合した仕様の複数のハンド装置を準備し、これらをオートツールチェンジャを介して、生産品種変更時に、ロボットに搭載するハンド装置を取り替えることで対応することではなく、同一のハンド装置で、異種形状や寸法違いを含む多数のワークを把持することができる複数の指(フィンガー)を駆動する方式のハンド装置を、各指毎に各1個のモータを必要とせず、複数の各指がワークに及ぼす力のバランスを取ることを容易に実現でき、安価でかつ小さなサイズのハンド装置であっても大きな把持力を実現できる産業用ロボットのハンド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため本発明の第1発明では、フレームと、前記フレームに縦方向に回転可能に支持されたボールねじ又は台形ねじと、前記フレームに固定され、前記ボールねじ又は台形ねじを回転駆動するサーボモータと、前記フレームに1端を第1の水平軸の回りに回転可能に支持されかつ前記1端に延長かぎ形部を有する少なくとも2個のL字状フィンガーと、 各前記フィンガーの前記延長かぎ形部端部に前記第1の水平軸と平行な第2の水平軸の回りに回転可能に支持されたカムフォロア、ローラ又はピンと、
前記ボールねじ又は台形ねじのナットに固定され、前記カムフォロア、ローラ又はピンを回転可能に支持する溝を有するブロックと、前記フレーム1に少なくともその1端が固定され他端が前記ブロックを前記ボールねじ又は台形ねじの軸方向に案内する直動軸受又は直動ガイドとからなり、
各前記第1の水平軸又は各前記第2の水平軸は同一平面上に又はそれぞれ自身の同一平面上に位置し、
前記サーボモータを動作させることにより各前記フィンガーの他端が開閉するようにしたことを特徴とする産業用ロボットのハンド装置によって上述した本発明の課題を解決した。
本発明の第2発明では、フレームと、前記フレームに縦方向に回転可能に支持されたボールねじ又は台形ねじと、前記フレームに固定され、前記ボールねじ又は台形ねじを回転駆動するサーボモータと、前記フレームに1端を第1の水平軸の回りに回転可能に支持されかつ前記1端に延長かぎ形部を有する少なくとも2個のL字状フィンガーと、
前記ボールねじ又は台形ねじのナットに固定されたブロックと、前記フレーム1に少なくともその1端が固定され他端が前記ブロックを前記ボールねじ又は台形ねじの軸方向に案内する直動軸受又は直動ガイドと、
各前記フィンガーの前記延長かぎ形部端部に1端は前記第1の水平軸と平行な第2の水平軸の回りに回転可能に支持されかつ他端は前記ブロックに前記第1の水平軸と平行な第3の水平軸の回りに回転可能に支持されたリンクとからなり、
各前記第1の水平軸、各前記第2の水平軸又は各前記第3の水平軸は同一平面上に又はそれぞれ自身の同一平面上に位置し、
前記サーボモータを動作させることにより各前記フィンガーの他端が開閉するようにしたことを特徴とする産業用ロボットのハンド装置によって上述した本発明の課題を解決した。
【発明の効果】
【0007】
本発明の第1発明又は第2発明では、少なくとも2個のフィンガーを有しかつ少なくとも2個のフィンガーが開閉する際、求心動作を行うために、それぞれ同一のハンド装置で、少なくとも2個のフィンガーの最大掴み寸法以内の異種形状や寸法違いを含む多数のワークを把持することができる複数のフィンガーを駆動する方式のハンド装置を、各フィンガー毎に各1個のモータを必要とせず、複数のフィンガーの開閉動作を1個のモータで駆動するためコストを安くすることができ、各第1の水平軸、各第2の水平軸又は各第3の水平軸は同一平面上に又はそれぞれ自身の同一平面上に位置して、少なくとも2個の指が開閉する際、精度よく求心クランプ動作を行い、各指の把持力のバランスを取るために、複数のモータの動作位置、動作速度、複数のモータの出力を調整する必要がなくクランプの動作制御が容易で、関節部に歯車などの減速機構を使用せず、ボールねじ又は台形ねじによる大きなトルクを伝達することが可能となり大把持力のハンドを作ることができる産業用ロボットのハンド装置を提供するものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施形態を、図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明の第1発明の実施形態の産業用ロボットのハンド装置を示す一部を切り欠いた概略側面ブロック図、図2は本発明の第2発明の実施形態の産業用ロボットのハンド装置を示す一部を切り欠いた概略側面ブロック図、図3は図1又は図2の概略底面図、図4は図1又は図2の産業用ロボットのハンド装置を搭載したロボットを示す概略側面ブロック図である。
【0009】
図3に示すように、床に固定された多関節ロボット9のアーム21の先端にハンド装置のフレーム1が固定されている。図1に示すように、本発明の第1発明の実施形態の産業用ロボットのハンド装置では、ハンド装置のフレーム1には縦方向に回転可能に支持されたボールねじ2(台形ねじでもよい)が回転自在に固定されている。フレーム1にはボールねじ2を回転駆動するサーボモータ3が固定されている。ボールねじ2の軸端とサーボモータ3の軸端にはそれぞれプーリ10、11が固定されており、プーリ10、11の間にはタイミングベルト12が掛けられている。さらにンド装置は、フレーム1に1端16を第1の水平軸15の回りに回転可能に支持されかつ1端に延長かぎ形部17を有する3個の(2個又は3個以上であってもよい)L字状フィンガー4と、各フィンガー4の1端16の延長かぎ形部17端部に第1の水平軸15と平行な第2の水平軸19の回りに回転可能に支持されたカムフォロア5(ローラ又はピンでもよい)と、ボールねじ2ナット20に固定されカムフォロア5を回転可能に支持する溝7を有するブロック6と、フレーム1に1端を固定され他端がブロック6をボールねじ2の軸方向に案内する2本のシャフト13とボールブッシュ14からなる直動ガイド(直動軸受でもよい)とを有する。3個のフィンガー4の回転軸である各第1の水平軸15、又はカムフォロア5の回転軸である各第2の水平軸19は、同一平面上に又はそれぞれ自身の同一平面上にあり、且つ、それぞれボールねじ2の軸方向に対して直交し、かつ、互いに 120度を成している。3個のフィンガー4は内側にC字状に曲げられているが、直線状又は他の形状に曲げられていてもよい。
ここで、サーボモータ3を作動させると、プーリ10、11とタイミングベルト12を介してボールねじ2が回転し、ボールねじナット20に固定されているブロック6がスライドする。ブロック6 の溝7にカムフォロア5が引っかかっているために、フィンガー4が揺動し、開閉する。予め記録した位置にサーボモータ3を動作させることで、自在な位置にフィンガー4を開閉することができ、目的のワークのサイズに合わせて、クランプ動作をさせることができる。また、フィンガー4でワークをクランプした上で、サーボモータ3をフィンガー4がクランプする方向に動作する方向に動作するように電流(ストール電流)を流すことで、ワークをクランプする。電流を加減することでクランプ力を調整する。
【0010】
図2に示すように、本発明の第2発明の実施形態の産業用ロボットのハンド装置では、図1に示す第1発明の実施形態で各フィンガー4の1端16の延長かぎ形部17端部に第2の水平軸19の回りに回転可能に支持されたカムフォロア5(ローラ又はピンでもよい)と、ブロック6に設けられたカムフォロア5を回転可能に支持する溝7と、を有する代わりに、第2発明の実施形態では、その1端は各フィンガー4の1端16の延長かぎ形部17端部に第1の水平軸15と平行な第2の水平軸19の回りに回転可能に支持され他端はブロック6に第1の水平軸15と平行な第3の水平軸18の回りに回転可能に支持されたリンクを有し、各第1の水平軸15、各第2の水平軸19又は各第3の水平軸18は同一平面上に又はそれぞれ自身の同一平面上に位置する点以外は、図1に示す本発明の第1発明の実施形態の産業用ロボットのハンド装置と同じで、ほぼ同様な効果を奏する。
【0011】
本発明の第1発明又は第2発明の実施形態の産業用ロボットのハンド装置は、少なくとも2個のフィンガーを有しかつ少なくとも2個のフィンガーが開閉する際、求心動作を行うために、それぞれ同一のハンド装置で、少なくとも2個のフィンガーの最大掴み寸法以内の異種形状や寸法違いを含む多数のワークを把持することができる複数のフィンガーを駆動する方式のハンド装置を、各フィンガー毎に各1個のモータを必要とせず、複数のフィンガーの開閉動作を1個のモータで駆動するためコストを安くすることができ、各第1の水平軸、各第2の水平軸又は各第3の水平軸は同一平面上に又はそれぞれ自身の同一平面上に位置して、少なくとも2個の指が開閉する際、精度よく求心クランプ動作を行い、各指の把持力のバランスを取るために、複数のモータの動作位置、動作速度、複数のモータの出力を調整する必要がなくクランプの動作制御が容易で、関節部に歯車などの減速機構を使用せず、ボールねじ又は台形ねじによる大きなトルクを伝達することが可能となり大把持力のハンドを作ることができる産業用ロボットのハンド装置を提供するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明の第1発明の実施形態の産業用ロボットのハンド装置を示す一部を切り欠いた概略側面ブロック図。
【図2】本発明の第2発明の実施形態の産業用ロボットのハンド装置を示す一部を切り欠いた概略側面ブロック図。
【図3】図1又は図2の概略底面図。
【図4】図1又は図2の産業用ロボットのハンド装置を搭載したロボットを示す概略側面ブロック図。
【符号の説明】
【0013】
1:ハンド装置のフレーム、2:ボールねじ、3:サーボモータ、4:フィンガー、5:カムフォロア6:ブロック、7:溝、8:リンク、13:直動ガイド、15:第1の水平軸、16:1端、17:延長かぎ形部、18:第3の水平軸、19:第2の水平軸、20:ボールねじナット
【出願人】 【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
【出願日】 平成18年8月23日(2006.8.23)
【代理人】 【識別番号】100077997
【弁理士】
【氏名又は名称】河内 潤二


【公開番号】 特開2008−49418(P2008−49418A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−226006(P2006−226006)