トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 脚型ロボットの力センサ設置構造
【発明者】 【氏名】飛田 和輝

【要約】 【課題】接地面積が小さい脚部を有する脚型ロボットであっても力センサを設置することができ、コストおよび演算負荷を低減するのに好適な脚型ロボットの力センサ設置構造を提供する。

【構成】脚車輪型ロボット100は、基体10と、基体10に対して自由度を有して連結された複数の脚部12と、脚部12の脚先に回転可能に設けられた駆動輪20とを備える。脚部12のリンクのうち脚先に最も近いリンクは、一端に平坦面81を有する上部リンク80と、一端に平坦面86を有する下部リンク85とを備え、平坦面81の4隅に力センサ82をそれぞれ設置し、床反力の作用時に平坦面81、86が面接触するように上部リンク80および下部リンク85の一端同士を連結した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚型ロボットの脚部に力センサを設置する構造であって、
前記脚部は、一端に平坦な面を有する第1リンクと、第2リンクと、前記力センサとを備え、
前記第1リンクの平坦面に前記力センサを設置し、前記第1リンクおよび前記第2リンクの一方に作用する力が前記平坦面を介して他方に伝達されるように前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を連結したことを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2リンクは、一端に平坦な面を有し、
前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を、前記力の作用時に互いの前記平坦面が面接触するように連結したことを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【請求項3】
請求項1および2のいずれか1項において、
前記平坦面は、前記第1リンクの伸長方向に直交して形成されていることを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記脚部は、関節を介して複数のリンクを連結してなり、
前記脚部のリンクのうち脚先に最も近いリンクを前記第1リンクおよび前記第2リンクにより構成したことを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記平坦面の周縁に複数の前記力センサを設置したことを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記力センサは、複数点の力を検出可能な検出エリアを有する分布型の力センサであり、
前記平坦面の全域にわたって前記力センサを設置したことを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、
前記第1リンクまたは前記第2リンクは、前記平坦面に対して所定角をなし、前記力が伝達される第2の平坦な面を有し、
前記第2平坦面に第2力センサを設置したことを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【請求項8】
請求項7において、
前記第2平坦面は、前記平坦面に直交して形成されていることを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【請求項9】
請求項7および8のいずれか1項において、
前記力センサおよび前記第2力センサのセンサ信号に基づいて、前記力の方向および大きさを算出する算出手段を備えることを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項において、
前記第1リンクの側面には、前記第1リンクの先端から伸長方向に突出する把持部が設けられ、前記把持部は、前記第1リンクの径方向内側に突出する爪部を有し、
前記第2リンクの側面のうち、前記第2リンクの先端からの距離が、前記第1リンクの平坦面から前記爪部までの高さに相当する距離となる位置には、前記爪部を嵌合可能な嵌合穴が形成され、
前記爪部を前記嵌合穴に嵌合させて前記第1リンクおよび前記第2リンクを連結したことを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項において、
前記脚型ロボットは、基体と、前記基体に対して自由度を有して連結された前記脚部と、前記脚部の脚先に回転可能に設けられた駆動輪とを備え、前記駆動輪の回転により移動することを特徴とする脚型ロボットの力センサ設置構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、脚型ロボットの脚部に力センサを設置する構造に係り、特に、接地面積が小さい脚部を有する脚型ロボットであっても力センサを設置することができ、コストおよび演算負荷を低減するのに好適な脚型ロボットの力センサ設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットの移動機構は、車輪型、クローラ型、脚型またはこれらを組み合わせた機構に分類される。一般に、車輪型ロボットは、平地での移動性は高いが、段差への適応性が低いという問題がある。また、クローラ型ロボットは、不整地に適し、多少の段差であれば乗り越えられるが、積極的な重心移動ができないために急な階段への適応性が低く、平地における移動性が車輪型ロボットより低いという問題があった。また、脚型ロボットは、階段への適応性が最も優れているが、平地での移動性が極端に低いという問題がある。
【0003】
階段等への適用性を考慮して、脚型ロボットおよび脚型と車輪型のハイブリッドタイプのロボットに関する研究開発例が多いが、その際、脚部の接地状況を把握するセンサが不可欠である。
脚型ロボットの接地検出としては、例えば、特許文献1〜3記載の技術が知られている。
【0004】
特許文献1記載の技術は、足底部にマトリクス状に複数の力センサを設置し、各力センサのセンサ信号に基づいて、力の分布状態から床反力の中心点および大きさを算出するものである。
特許文献2記載の技術は、足底部の4隅に力センサをそれぞれ設置し、各力センサのセンサ信号に基づいて、計算により床反力の中心点および大きさを算出するものである。
【0005】
特許文献3記載の技術は、足首部に6軸力センサを設置し、6軸力センサのセンサ信号に基づいて、足首部にかかる6軸力(3軸力+3軸モーメント)から床反力の中心点および大きさを算出するものである。
【特許文献1】特開平3−184781号公報
【特許文献2】特開2004−345024号公報
【特許文献3】特開平10−175180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2記載の技術にあってはいずれも、脚部の接地面(足底部)に力センサを設置する十分な面積を必要とするため、床面に対して脚先を点接触させるような接地面積が極小の脚部を有する脚型ロボット、または脚先に車輪が設けられた脚部を有する脚車輪型ロボットに対しては、脚部の接地面において力センサを設置するための十分な面積が確保できず、力センサの設置が困難であるという問題があった。
【0007】
また、特許文献3記載の技術にあっては、6軸センサを用いるため、コスト高となるばかりか、高い演算能力が必要となるという問題がある。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、接地面積が小さい脚部を有する脚型ロボットであっても力センサを設置することができ、コストおよび演算負荷を低減するのに好適な脚型ロボットの力センサ設置構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の脚型ロボットの力センサ設置構造は、脚型ロボットの脚部に力センサを設置する構造であって、前記脚部は、一端に平坦な面を有する第1リンクと、第2リンクと、前記力センサとを備え、前記第1リンクの平坦面に前記力センサを設置し、前記第1リンクおよび前記第2リンクの一方に作用する力が前記平坦面を介して他方に伝達されるように前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を連結した。
【0009】
このような構成であれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に力が作用すると、第1リンクの平坦面を介して他方に伝達される。平坦面には、力センサが設置されているので、力センサにより、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力に応じた検出結果が得られる。
ここで、第1リンクおよび第2リンクは、第1リンクまたは第2リンクの一部で構成された連結機構により連結してもよいし、第1リンクおよび第2リンク以外の部材で構成された連結機構により連結してもよいし、第1リンクおよび第2リンクの一端同士を接着することにより連結してもよい。
【0010】
また、第1リンクおよび第2リンクは、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力が平坦面を介して他方に伝達されるように連結されていればよく、例えば、第1リンクおよび第2リンクが接触するように連結してもよいし、第1リンクおよび第2リンクの間に間座を設けて連結してもよい。
また、第1リンクの平坦面は、任意の角度でよく、例えば、第1リンクの伸長方向に直交して形成されていてもよいし、第1リンクの伸長方向に直交する方向に対して所定の傾斜をもって形成されていてもよい。
【0011】
また、脚部は、第1リンクおよび第2リンクを備えていればよく、脚部の一部または全部を第1リンクおよび第2リンクで構成することができる。例えば、脚部が、関節を介して複数のリンクを連結してなる場合は、いずれかのリンクを第1リンクおよび第2リンクで構成し、脚部が1つのリンクからなる場合は、脚部全体を第1リンクおよび第2リンクで構成することができる。
【0012】
〔発明2〕 さらに、発明2の脚型ロボットの力センサ設置構造は、発明1の脚型ロボットの力センサ設置構造において、前記第2リンクは、一端に平坦な面を有し、前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を、前記力の作用時に互いの前記平坦面が面接触するように連結した。
このような構成であれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に力が作用すると、互いの平坦面が面接触して他方に伝達される。
ここで、第2リンクの平坦面は、任意の角度でよく、例えば、第2リンクの伸長方向に直交して形成されていてもよいし、第2リンクの伸長方向に直交する方向に対して所定の傾斜をもって形成されていてもよい。第1の平坦面との関係も同様に任意である。
【0013】
〔発明3〕 さらに、発明3の脚型ロボットの力センサ設置構造は、発明1および2のいずれか1の脚型ロボットの力センサ設置構造において、前記平坦面は、前記第1リンクの伸長方向に直交して形成されている。
このような構成であれば、第1リンクの平坦面が伸長方向と直交しているので、第1リンクの伸長方向に力が作用すると、その力が力センサに対して垂直に伝達される。したがって、第1リンクの伸長方向に作用する力を精度よく検出することができる。
【0014】
〔発明4〕 さらに、発明4の脚型ロボットの力センサ設置構造は、発明1ないし3のいずれか1の脚型ロボットの力センサ設置構造において、前記脚部は、関節を介して複数のリンクを連結してなり、前記脚部のリンクのうち脚先に最も近いリンクを前記第1リンクおよび前記第2リンクにより構成した。
このような構成であれば、脚先に最も近いリンクが第1リンクおよび第2リンクにより構成されているので、床反力を精度よく検出することができる。
【0015】
〔発明5〕 さらに、発明5の脚型ロボットの力センサ設置構造は、発明1ないし4のいずれか1の脚型ロボットの力センサ設置構造において、前記平坦面の周縁に複数の前記力センサを設置した。
このような構成であれば、複数の力センサにより検出を行うので、平坦面における力の分布状態を把握することができる。そして、力の分布状態から、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の中心点および大きさを求めることができる。
【0016】
〔発明6〕 さらに、発明6の脚型ロボットの力センサ設置構造は、発明1ないし4のいずれか1の脚型ロボットの力センサ設置構造において、前記力センサは、複数点の力を検出可能な検出エリアを有する分布型の力センサであり、前記平坦面の全域にわたって前記力センサを設置した。
このような構成であれば、分布型の力センサにより検出を行うので、平坦面における力の分布状態を把握することができる。そして、力の分布状態から、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の中心点および大きさを求めることができる。
【0017】
〔発明7〕 さらに、発明7の脚型ロボットの力センサ設置構造は、発明1ないし6のいずれか1の脚型ロボットの力センサ設置構造において、前記第1リンクまたは前記第2リンクは、前記平坦面に対して所定角をなし、前記力が伝達される第2の平坦な面を有し、前記第2平坦面に第2力センサを設置した。
このような構成であれば、平坦面に対して第2平坦面が所定角をなしているので、力センサおよび第2力センサにより、ベクトルの異なる力を検出することができる。したがって、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の方向および大きさを求めることができる。
【0018】
〔発明8〕 さらに、発明8の脚型ロボットの力センサ設置構造は、発明7の脚型ロボットの力センサ設置構造において、前記第2平坦面は、前記平坦面に直交して形成されている。
このような構成であれば、平坦面に対して第2平坦面が直交しているので、力センサおよび第2力センサにより、ベクトルが90°異なる力を検出することができる。したがって、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の方向および大きさを比較的簡単な演算で求めることができる。
【0019】
〔発明9〕 さらに、発明9の脚型ロボットの力センサ設置構造は、発明7および8のいずれか1の脚型ロボットの力センサ設置構造において、前記力センサおよび前記第2力センサのセンサ信号に基づいて、前記力の方向および大きさを算出する算出手段を備える。
このような構成であれば、算出手段により、力センサおよび第2力センサのセンサ信号に基づいて、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の方向および大きさが算出される。
【0020】
〔発明10〕 さらに、発明10の脚型ロボットの力センサ設置構造は、発明1ないし9のいずれか1の脚型ロボットの力センサ設置構造において、前記第1リンクの側面には、前記第1リンクの先端から伸長方向に突出する把持部が設けられ、前記把持部は、前記第1リンクの径方向内側に突出する爪部を有し、前記第2リンクの側面のうち、前記第2リンクの先端からの距離が、前記第1リンクの平坦面から前記爪部までの高さに相当する距離となる位置には、前記爪部を嵌合可能な嵌合穴が形成され、前記爪部を前記嵌合穴に嵌合させて前記第1リンクおよび前記第2リンクを連結した。
【0021】
〔発明11〕 さらに、発明11の脚型ロボットの力センサ設置構造は、発明1ないし10のいずれか1の脚型ロボットの力センサ設置構造において、前記脚型ロボットは、基体と、前記基体に対して自由度を有して連結された前記脚部と、前記脚部の脚先に回転可能に設けられた駆動輪とを備え、前記駆動輪の回転により移動する。
このような構成であれば、段差のあるところでは、自由度の範囲で脚部が可動し、段差を乗り越えることができる。したがって、脚型ロボットと同様に段差への適応性が高い。
また、平地では、車輪走行で移動することができる。したがって、車輪型ロボットと同様に平地での移動性が高い。
【0022】
〔発明12〕 一方、上記目的を達成するために、発明12の脚型ロボットは、基体と、前記基体に対してヨー軸回りの自由度およびピッチ軸またはロール軸回りの自由度を有して連結された脚部と、前記脚部に回転可能に設けられた車輪と、前記ヨー軸回りの自由度の範囲で前記脚部を駆動するための動力を付与する第1アクチュエータと、前記ピッチ軸またはロール軸回りの自由度の範囲で前記脚部を駆動するための動力を付与する第2アクチュエータと、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを制御する制御手段と、発明1ないし発明10のいずれか1に記載の脚型ロボットの力センサ設置構造を有して前記脚部に設置された力センサとを備え、前記脚部の駆動および前記車輪の回転により移動する脚型ロボットであって、
前記制御手段は、前記基体の向きを一定方向に保ちながら、自脚型ロボットの進行方向と、前記各車輪の進行方向とが一致するように、前記第2アクチュエータを制御する。
このような構成であれば、脚型ロボットの移動時において、その基体の向きを一定方向に保ちながら、脚型ロボットの進行方向と各車輪の進行方向とが一致するように第2アクチュエータが制御される。
【0023】
〔発明13〕 また、上記目的を達成するために、発明13の脚型ロボットは、基体と、前記基体に対してヨー軸回りの自由度およびピッチ軸またはロール軸回りの自由度を有して連結された複数の脚部と、前記各脚部に回転可能に設けられた車輪と、前記ヨー軸回りの自由度の範囲で前記各脚部を駆動するための動力を付与する第1アクチュエータと、前記ピッチ軸またはロール軸回りの自由度の範囲で前記各脚部を駆動するための動力を付与する第2アクチュエータと、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを制御する制御手段と、発明1ないし発明10のいずれか1に記載の脚型ロボットの力センサ設置構造を有して前記各脚部に設置された力センサとを備え、前記脚部の駆動および前記車輪の回転により移動する脚型ロボットであって、
前記制御手段は、旋回時に、前記基体を所定の回転中心位置でヨー軸周りに自転運動させたときの前記各車輪の操舵時の回転中心の描く円弧軌道と前記操舵時の回転中心との接点位置における該回転中心の運動方向と、前記各車輪の進行方向とが一致するように、前記第2アクチュエータを制御する。
【0024】
このような構成であれば、旋回時は、制御手段により、基体を所定の回転中心位置でヨー軸(垂直軸)周りに自転運動させたときの各車輪の操舵時の回転中心の描く円弧軌道と操舵時の回転中心との接点位置における該回転中心の運動方向と、各車輪の進行方向とが一致するように、第2アクチュエータが制御される。
【0025】
〔発明14〕 さらに、発明14の脚型ロボットは、発明13の脚型ロボットにおいて、前記制御手段は、前記基体の向きを一定方向に保ちながら、自脚型ロボットの進行方向と、前記各車輪の進行方向とが一致するように、前記第2アクチュエータを制御する。
このような構成であれば、脚型ロボットの移動時において、その基体の向きを一定方向に保ちながら、脚型ロボットの進行方向と各車輪の進行方向とが一致するように第2アクチュエータが制御される。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、発明1の脚型ロボットの力センサ設置構造によれば、第1リンクまたは第2リンクの先端ではなく連結部に力センサが設置されているので、接地面積が小さい脚部を有する脚型ロボットであっても力センサを設置することができるという効果が得られる。また、6軸センサではなく力センサを用いるので、従来に比して、コストおよび演算負荷を低減することができるという効果が得られる。
【0027】
さらに、発明3の脚型ロボットの力センサ設置構造によれば、第1リンクの伸長方向に作用する力を精度よく検出することができるという効果が得られる。
さらに、発明4の脚型ロボットの力センサ設置構造によれば、床反力を精度よく検出することができるという効果が得られる。
さらに、発明5または6の脚型ロボットの力センサ設置構造によれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の中心点および大きさを求めることができるという効果が得られる。
【0028】
さらに、発明7の脚型ロボットの力センサ設置構造によれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の方向および大きさを求めることができるという効果が得られる。
さらに、発明8の脚型ロボットの力センサ設置構造によれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の方向および大きさを比較的簡単な演算で求めることができるという効果が得られる。
【0029】
一方、発明12、14の脚型ロボットによれば、脚型ロボットを、その向きとは関係なく自由な方向へと移動させることができるので、各方向への素早い移動を実現できると共に、例えば、脚型ロボットの各構成部が妨げとなって旋回できないような狭くて入り組んだエリアなど、脚型ロボットの向きを変更することが困難なエリアにおいても活動が可能となるという効果が得られる。
【0030】
また、発明13の脚型ロボットによれば、旋回時に、脚型ロボットの基体を所定の回転中心位置でヨー軸周りに自転運動させたときの各車輪の操舵時の回転中心の描く円弧軌道と操舵時の回転中心との接点における該回転中心の運動方向と、各車輪の進行方向とを一致させることができるので、脚型ロボットを、所定の旋回中心位置で前後移動させずに旋回(クローラなどによる超信地旋回と同等の旋回)をさせることができるという効果が得られる。また、基体の中心位置を、自転させる時の回転中心位置とすることで、最小の旋回半径で脚型ロボットを旋回させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図8並びに図13ないし図15は、本発明に係る脚型ロボットの力センサ設置構造の第1の実施の形態を示す図である。
まず、本発明を適用する脚車輪型ロボット100の構成を説明する。
【0032】
図1は、脚車輪型ロボット100の正面図である。
図2は、脚車輪型ロボット100の側面図である。
脚車輪型ロボット100は、図1および図2に示すように、基体10と、基体10に連結された4つの脚部12とを有して構成されている。
基体10の前方には、2本の脚部12が回転関節14を介して左右対称の位置に連結されている。また、基体10の後方には、2本の脚部12が回転関節14を介して左右対称の位置に連結されている。
【0033】
回転関節14は、脚車輪型ロボット100の底面と直交する方向を軸方向として回転する。すなわち、ヨー軸回りに回転する。
各脚部12には、2つの回転関節16、18が設けられている。回転関節16、18は、回転関節14が図1のような状態であるときは、脚車輪型ロボット100の側面と直交する方向を軸方向として回転する。したがって、脚部12は、それぞれ3自由度を有する。
【0034】
各脚部12の先端には、回転関節16、18と軸方向を同一にして駆動輪20が回転可能に設けられている。駆動輪20は、回転関節14の回転によりヨー軸周りに回動する。つまり、回転関節14の回転を制御することで、走行移動時の操舵制御が行われる。
一方、基体10の正面の上部中央には、水平面レーザ光を照射する水平レーザ26が設けられている。また、基体10の正面の中央左右には、垂直面レーザ光を照射する垂直レーザ28、30がそれぞれ設けられている。
【0035】
基体10の正面の下部中央には、水平面レーザ光および垂直面レーザ光の反射光を含む画像を撮影するカメラ32が設けられている。
水平レーザ26は、カメラ32で水平面レーザ光の反射光を含む画像が撮影できるように下方に所定角度傾けて設けられている。同様に、垂直レーザ28は、カメラ32で垂直面レーザ光の反射光を含む画像が撮影できるように右方に所定角度傾けて設けられ、垂直レーザ30は、左方に所定角度傾けて設けられている。
【0036】
カメラ32の左右には、障害物を検出する障害物センサ34、36がそれぞれ設けられている。
図3は、障害物センサ34、36の構成を示す図である。
障害物センサ34、36は、図3(a)に示すように、指向性の低い超音波測距センサを複数アレイ状に配列して構成することができる。また、図3(b)に示すように、指向性の高い赤外線測距センサを複数アレイ状に配列して構成することもできる。アレイ状に配列する構成に限らず、単体で構成してもよい。また、超音波測距センサまたは赤外線測距センサを複数平面上に配列したエリアセンサで構成してもよい。これにより、脚車輪型ロボット100の移動経路上に存在する物体を大まかに検出することができる。
【0037】
次に、脚部12の構成を詳細に説明する。
図4は、脚部12のうち回転関節18および駆動輪20が連結するリンクの断面図である。
図5は、脚部12のうち回転関節18および駆動輪20が連結するリンクの側面図である。
【0038】
脚部12のうち回転関節18および駆動輪20が連結するリンクは、図4および図5に示すように、回転関節18が連結する上部リンク80と、駆動輪20が連結する下部リンク85とを有して構成されている。
上部リンク80の一端には、上部リンク80の伸長方向に直交する矩形状の平坦面81が形成されている。平坦面81の4隅には、力センサ82がそれぞれ設置されている。
【0039】
上部リンク80の両側面には、上部リンク80の先端から伸長方向に突出する把持部83がそれぞれ設けられ、把持部83の先端には、上部リンク80の径方向内側に突出する爪部83aが設けられている。爪部83aの上面には、衝撃吸収部材であるゴム84が設けられている。
下部リンク85の一端には、下部リンク85の伸長方向に直交する矩形状の平坦面86が形成されている。平坦面86は、平坦面81に面接触するため平坦面81と同形状となっている。
【0040】
下部リンク85の両側面には、嵌合穴87がそれぞれ形成されている。ここで、下部リンク85の先端から嵌合穴87の上端までの高さは、平坦面81から爪部83aの上面までの高さよりも若干(所定長)小さく、嵌合穴87の内径は、爪部83aの高さよりも若干(所定長)大きくなっている。
上部リンク80および下部リンク85は、爪部83aを嵌合穴87に嵌合させて連結されている。このとき、嵌合穴87の内径に所定の遊びが存在するため、上部リンク80および下部リンク85が伸長方向に若干相対変位可能となる。そのため、駆動輪20が接地していないときは、平坦面81、86が接触せず、力センサ82には力が伝達されない。これに対し、駆動輪20が接地しているときは、平坦面81、86が面接触し、力センサ82に床反力が伝達される。また、検出の精度をより高めるには、力センサ82に所定の予圧をかけ常に面接触させて使用するのが好ましい。
【0041】
上部リンク80には、上部リンク80の伸長方向と軸方向を一致させて車輪モータ50が取り付けられている。車輪モータ50の回転軸50aは、平坦面81から突出し、下部リンク85の内部に設けられた駆動傘歯車90aに連結している。
駆動傘歯車90aの下方には、回転軸89が、下部リンク85の側面に設けられた軸受88により回転可能に支持されている。回転軸89には、駆動傘歯車90aと噛み合う従動傘歯車90bおよび駆動プーリ91が連結している。
【0042】
駆動プーリ91の下方には、アイドルプーリ92が回転可能に支持されている。
アイドルプーリ92の下方には、回転軸94が、下部リンク85の側面に設けられた軸受93により回転可能に支持されている。回転軸94には、従動プーリ95および駆動輪20が連結している。
駆動プーリ91、アイドルプーリ92および従動プーリ95には、駆動ベルト96が巻き掛けられている。なお、図2の例では、アイドルプーリ92に対して、駆動ベルト96の内側からテンション調整をしているが、外側からテンション調整してもよい。
【0043】
駆動輪20は、車輪モータ50により駆動傘歯車90aを回転し、駆動傘歯車90aに噛み合った従動傘歯車90bを介して駆動プーリ91が回転し、駆動プーリ91に巻き掛けた駆動ベルト96により従動プーリ95が回転することにより、駆動される。
なお、他の脚部12についても同様に構成されている。
次に、脚車輪型ロボット100の移動制御システムを説明する。
【0044】
図6は、脚車輪型ロボット100の移動制御システムを示すブロック図である。
各脚部12の回転関節14〜18には、図6に示すように、回転関節14〜18を回転駆動する関節モータ40がそれぞれ設けられている。各関節モータ40には、関節モータ40の回転角度位置を検出するエンコーダ42と、モータ指令信号およびエンコーダ42の出力信号に基づいて関節モータ40の駆動を制御するドライバ44が設けられている。
【0045】
各脚部12の駆動輪20には、駆動輪20を回転駆動する車輪モータ50がそれぞれ設けられている。各車輪モータ50には、車輪モータ50の回転角度位置を検出するエンコーダ52と、モータ指令信号およびエンコーダ52の出力信号に基づいて車輪モータ50の駆動を制御するドライバ54が設けられている。
脚車輪型ロボット100は、さらに、CPU60と、力センサ用プロセッサ66と、脚車輪型ロボット100の姿勢を検出する3軸姿勢センサ70と、カメラ32の画像信号を処理するビジョンプロセッサ72と、外部のPC等と無線通信を行う無線通信部74と、ビジョンプロセッサ72および無線通信部74とCPU60の入出力を中継するハブ76と、警告音等を出力するスピーカ78とを有して構成されている。
【0046】
3軸姿勢センサ70は、ジャイロ若しくは加速度センサ、またはその両方を有し、地軸に対して脚車輪型ロボット100の姿勢の傾きを検出する。
CPU60は、モータ指令出力I/F61を介してドライバ44、54にモータ指令信号を出力し、角度取込I/F62を介してエンコーダ42、52の出力信号を入力する。また、センサ入力I/F63を介して、力センサ用プロセッサ66から床反力解析データを、障害物センサ34および3軸姿勢センサ70からセンサ信号をそれぞれ入力する。また、通信I/F64を介してハブ76と信号の入出力を行い、サウンド出力I/F65を介してスピーカ78に音声信号を出力する。
【0047】
力センサ用プロセッサ66は、各脚部12に4つずつ設けられた力センサ82からセンサ信号を入力し、入力したセンサ信号に基づいて、各脚部12ごとに、脚部12が接地している支持脚であるか、脚部12が接地していない遊脚であるかを判定する。また、入力したセンサ信号に基づいて、各脚部12ごとに床反力の中心点および大きさを算出する。そして、判定結果および算出結果を床反力解析データとして出力する。
【0048】
図7は、平坦面81の平面図である。
図7に示すように、力センサ82の横方向の間隔をWとし、縦方向の間隔をHとし、右上、左上、右下および左下の力センサ82で検出した床反力をそれぞれFA、FB、FCおよびFDとする。床反力の中心点(xc、yc)は、モーメントが0となる点であるので、下式(1)、(2)により算出することができる。
【0049】
【数1】


【0050】
ただし、Ft=FA+FB+FC+FDである。
床反力の大きさは、FA、FB、FCおよびFDを加算することにより算出することができる。
【0051】
次に、CPU60で実行される処理を説明する。
CPU60は、ROM等の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、その制御プログラムに従って、図13のフローチャートに示す昇降制御処理を実行する。
図13は、昇降制御処理を示すフローチャートである。
昇降制御処理は、脚部12の昇降制御を行う処理であって、CPU60において実行されると、まず、図13に示すように、ステップS100に移行する。
【0052】
ステップS100では、ビジョンプロセッサ72から画像を取り込み、ステップS102に移行する。
ステップS102では、取り込んだ画像に基づいて光切断法により階段の特徴点を抽出する。
図14は、光切断法の原理を説明するための図である。
【0053】
光切断法は、三角測量の原理により計測対象上の座標を求める計測法である。図14に計測座標系を示す。
計測対象上の座標P(x0、y0、z0)は、カメラ32の撮像素子上の任意の座標をPs(xi、yi、zi)とすると、下式(3)により求められる。
【0054】
【数2】


【0055】
次に、得られた三次元座標から、レーザ光の反射光の不連続点または屈曲点を階段の特徴点として抽出する。
【0056】
図15は、階段にレーザ光を照射した状態およびカメラ32の撮像素子の画像を示す図である。
脚車輪型ロボット100の移動経路上に階段が存在すると、図15(a)左側に示すように、水平レーザ26から照射された水平面レーザ光が階段の蹴込板および床面で反射し、カメラ32により、その反射光を含む階段の画像が撮影される。その画像に対して画像処理を行うと、図15(a)右側に示すように、蹴込板での反射光エッジおよび床面での反射光エッジを抽出することができる。そして、そのエッジ画像および上式により得られた三次元座標に基づいて、反射光エッジの不連続点に対応する実座標を算出することができる。
【0057】
また、図15(b)左側に示すように、垂直レーザ28から照射された垂直面レーザ光が階段の蹴込板および踏板で反射し、カメラ32により、その反射光を含む階段の画像が撮影される。その画像に対して画像処理を行うと、図15(b)右側に示すように、蹴込板での反射光エッジおよび踏板での反射光エッジを抽出することができる。また、垂直レーザ30についても同様であり、図15(c)右側に示すように、蹴込板での反射光エッジおよび踏板での反射光エッジを抽出することができる。そして、それらエッジ画像および上式により得られた三次元座標に基づいて、反射光エッジの屈曲点に対する実座標を算出することができる。
【0058】
図13に戻り、次いで、ステップS104に移行して、抽出した特徴点に基づいて階段の幅を算出し、ステップS106に移行して、抽出した特徴点に基づいて階段の段鼻部の実座標を算出し、ステップS108に移行する。
ステップS108では、算出した階段の幅および段鼻部の実座標、並びに3軸姿勢センサ70のセンサ信号に基づいて逆運動学計算および重心計算を行い、ステップS110に移行して、ステップS108の計算結果に基づいて脚先(駆動輪20)の着地位置を決定し、ステップS112に移行する。
【0059】
ステップS112では、決定した着地位置に基づいてドライバ44、54へのモータ指令信号を生成し、ステップS114に移行して、生成したモータ指令信号をドライバ44、54に出力し、ステップS116に移行する。
ステップS116では、力センサ用プロセッサ66からの床反力解析データに基づいて、脚先が踏板に着地したか否かを判定し、脚先が着地したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0060】
一方、ステップS116で、脚先が着地しないと判定したとき(No)は、ステップS112に移行する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
脚車輪型ロボット100の移動経路上に階段が存在すると、水平レーザ26から照射された水平面レーザ光、および垂直レーザ28、30から照射された垂直面レーザ光がそれぞれ階段で反射し、カメラ32により、それら反射光を含む画像が撮影される。次いで、ステップS100、S102を経て、カメラ32で撮影された画像が取り込まれ、取り込まれた画像から階段の特徴点が抽出される。次いで、ステップS104〜S110を経て、抽出された特徴点に基づいて階段の幅および段鼻部の実座標が算出され、算出された階段の幅および段鼻部の実座標に基づいて脚先の着地位置が決定される。そして、ステップS112、S114を経て、決定された着地位置に基づいてモータ指令信号が生成され、生成されたモータ指令信号がドライバ44、54に出力される。これにより、駆動輪20が回転するとともに回転関節14〜18が駆動し、脚車輪型ロボット100が姿勢を適切に保ちつつ階段を乗り越える。また、状況によっては階段を回避、停止する。したがって、脚型ロボットと同様に階段への適応性が高い。
【0061】
図8は、接地前後の状態を示す脚部12の断面図である。
脚部12が段鼻部に接地していない場合は、図8左側に示すように、下部リンク85が自重で下がるため、平坦面81、86が接触せず、力センサ82には力が伝達されない。そのため、各力センサ82により、力が作用しないときのセンサ信号が出力され、力センサ用プロセッサ66により、センサ信号に基づいて脚部12が遊脚であると判定される。この判定結果は、床反力解析データとしてCPU60に出力される。
【0062】
これに対し、脚部12が段鼻部に接地している場合は、図8右側に示すように、下部リンク85に床反力が作用するため、平坦面81、86が面接触し、力センサ82に床反力が伝達される。そのため、各力センサ82により、床反力に応じたセンサ信号が出力され、力センサ用プロセッサ66により、センサ信号に基づいて脚部12が支持脚であると判定される。また、センサ信号に基づいて床反力の中心点および大きさが算出される。この判定結果および算出結果は、床反力解析データとしてCPU60に出力される。
【0063】
したがって、CPU60では、力センサ用プロセッサ66からの床反力解析データに基づいて、各脚部12ごとに支持脚か遊脚かを把握することができ、支持脚である脚部12については、床反力の中心点および大きさを把握することができる。
以上の例では、遊脚時、力センサ82の値が「0」であるが、より高精度に検出を行うためには、着地前後の非線形を避けるため、あらかじめ平坦面81、86に所定の予圧をかけておく。
【0064】
一方、平地では、車輪走行で移動することができる。したがって、車輪型と同様に平地での移動性が高い。
このようにして、本実施の形態では、一端に平坦面81を有する上部リンク80と、一端に平坦面86を有する下部リンク85と、力センサ82とを備え、平坦面81に力センサ82を設置し、床反力の作用時に平坦面81、86が面接触するように上部リンク80および下部リンク85の一端同士を連結した。
【0065】
これにより、脚先でなく上部リンク80および下部リンク85の連結部に力センサ82が設置されているので、接地面積が小さい脚部12を有する脚車輪型ロボット100であっても力センサ82を設置することができる。また、6軸センサではなく力センサ82を用いるので、従来に比して、コストおよび演算負荷を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、平坦面81は、上部リンク80の伸長方向に直交して形成されている。
【0066】
これにより、上部リンク80の伸長方向に作用する床反力を精度よく検出することができる。
さらに、本実施の形態では、脚部12のリンクのうち脚先に最も近いリンクを上部リンク80および下部リンク85により構成した。
これにより、床反力を精度よく検出することができる。
【0067】
さらに、本実施の形態では、平坦面81の4隅に力センサ82をそれぞれ設置し、各力センサ82のセンサ信号に基づいて床反力の中心点および大きさを算出する。
これにより、床反力の中心点および大きさを求めることができる。
さらに、本実施の形態では、レーザ26〜30およびカメラ32からなる画像センサを備え、カメラ32で撮影した画像に基づいて階段を認識し、その認識結果に基づいてモータ40、50を制御する。
【0068】
これにより、画像センサを用いて未知の階段を認識しながら脚部12の昇降制御を行うので、未知の階段に対して高い適応性を実現することができる。また、人が活動する環境での動作を行えるので、人と一緒に行動する用途に用いられるホームロボット、パーソナルロボット等に好適である。
さらに、本実施の形態では、画像センサを基体10の正面に設けた。
【0069】
これにより、脚車輪型ロボット100の移動経路上に存在する物体を広い視野で検出することができる。
さらに、本実施の形態では、水平レーザ26から照射された水平面レーザ光の反射光の撮影状態に基づいて階段の幅を算出し、垂直レーザ28、30から照射された2つの垂直面レーザ光の反射光の撮影状態に基づいて階段の段鼻部の実座標を算出する。
【0070】
これにより、階段の特徴のうち脚部12の昇降制御に有効な特徴を検出することができるので、未知の階段に対して高い適応性を実現することができる。
上記第1の実施の形態において、脚車輪型ロボット100は、発明1ないし5、10または11の脚型ロボットに対応し、上部リンク80は、発明1ないし4または10の第1リンクに対応し、下部リンク85は、発明1、2、4または10の第2リンクに対応している。
【0071】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図16ないし図20は、本発明に係る脚型ロボットの力センサ設置構造の第2の実施の形態を示す図である。
【0072】
本発明を適用する、本実施の形態の脚車輪型ロボット100は、上記第1の実施の形態の脚車輪型ロボット100の各機能に加え、脚車輪型ロボット100を、基体10の向きを一定方向に保持した状態で任意の進行方向に走行移動させる機能と、脚車輪型ロボットを、所定の旋回中心位置で前後移動させずに旋回させる(超信地旋回させる)機能とを有している。
【0073】
つまり、本実施の形態における脚車輪型ロボット100は、上記各機能を実現するためのアクチュエータの制御処理(CPU60の制御プログラムの実行による制御処理)が追加されたのみで、力センサ82の設置構造など、その他の構成は、上記第1の実施の形態の脚車輪型ロボット100と同様となる。従って、上記第1の実施の形態と同様の機能については説明を適宜省略し、追加された機能部分については詳細に説明する。
【0074】
以下、図16〜図18に基づき、本実施の形態のCPU60で実行される走行移動時の制御処理を説明する。
ここで、図16(a)及び(b)は、脚車輪型ロボット100の車輪走行移動時の姿勢を示す図である。
以下の各走行制御処理時においては、脚車輪型ロボット100の姿勢が、図16(b)に示すように、膝屈曲姿勢となるように各関節モータ40を制御する。但し、膝屈曲姿勢における走行制御時に、脚部12が互いに干渉する(接触などする)場合は、図16(a)に示すように、膝伸展姿勢となるように各関節モータ40を制御する。
【0075】
上記姿勢制御時においては、力センサ用プロセッサ66からの各脚部12に対する床反力解析データに基づき、脚先の駆動輪20が4輪共に均等に接地しているかを判断し、不均等の場合は調整を行う。各駆動輪20が均等に接地した状態で膝屈曲姿勢又は膝伸展姿勢へと移行すると、各種走行制御処理が開始される。
まず、基体10の向きを一定の方向に保持(固定)した状態で、脚車輪型ロボット100を目的の進行方向に向けて走行させるときの走行制御処理(以下、無変向走行制御処理と称す)について説明する。
【0076】
CPU60は、ROM等の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、その制御プログラムに従って、無変向走行制御処理を実行する。
ここで、無変向走行制御処理は、脚車輪型ロボット100を、その基体10の向きを一定の方向に保持した状態で、目的の進行方向に移動させるものであるため、基体10の前方側に設けられたカメラ32や障害物センサ34、36などを、後方や側方などにも設けることが望ましい。これら後方及び側方をカバーできるカメラ及び障害物センサによって、脚車輪型ロボット100を、基体10の向きとは異なる方向に移動させるときに、その進行方向の環境(地形の状態等)を把握し、適切な制御を行うことができる。
【0077】
また、無変向走行制御処理は、具体的に、無変向走行制御指令があったときに実行され、時々刻々の、ロボットの進行方向(角度α)、ロボット進行方向速度Vcを入力として、基体10の向きを一定の方向に保持した状態で、脚車輪型ロボット100を前記入力された進行方向へと走行させるための、各脚部12の回転関節14(joint0)の角度(操舵角度)θi0(i=0,1,2,3,・・・)、各脚部12の各駆動輪20の回転角速度ωi(i=0,1,2,3,・・・)を算出し、各アクチュエータに指令を与えるものである。
【0078】
本実施の形態の脚車輪型ロボット100は、上記第1の実施の形態で述べたように、基体10の前方に左右一対及び後方に左右一対の計4本の脚部12を有している。
従って、ここでは、各脚部12の駆動輪20の操舵角度θi0を、基体10の上面側から見て、右前輪操舵角度θ00、左前輪操舵角度θ10、右後輪操舵角度θ20、左後輪操舵角度θ30とする。なお、回転関節14によって各脚部12をヨー軸周りに回動させたときに、基体10の底面側から見て、右前輪操舵角度θ00及び左後輪操舵角度θ30は、反時計回り方向を正方向とし、左前輪操舵角度θ10及び右後輪操舵角度θ20は、時計回り方向を正方向とする。
【0079】
また、各脚部12の駆動輪20の回転角速度ωiを、右前輪回転角速度ω0、左前輪回転角速度ω1、右後輪回転角速度ω2、左後輪回転角速度ω3とする。
また、各脚部12の駆動輪20の線速度Vi(i=0,1,2,3,・・・)を、右前輪線速度V0、左前輪線速度V1、右後輪線速度V2、左後輪線速度V3とする。
ここで、図17(a)〜(c)は、無変向走行制御時の脚車輪型ロボット100の走行状態例を示す図である。なお、図17(a)〜(c)は、脚車輪型ロボット100を底面側から見た図であり、各駆動輪20に付けられた黒塗りの半円の目印は、「θ00=θ10=θ20=θ30=0[°]」のときの基準となる向きを示す。
【0080】
また、左右前輪は上記目印のある方向に進行する回転方向が正回転方向となり、左右後輪は目印の無い方向に進行する回転方向が正回転方向となる。
まず、図17(a)に基づき、基体10の向きを一定方向に保持(固定)した状態で、脚車輪型ロボット100を、基体10の向いている方向(前方向)に直進走行させる場合の無変向走行制御処理を説明する。
【0081】
本実施の形態では、基体10の向いている方向(前方向)をロボットの進行方向とした場合に、進行方向を表す角度αを「0°」とする。そして、前方向の0°を基準に、各進行方向に対応するαを決定する。
ここでは、脚車輪型ロボット100を、基体10の前方向に直進させるので、進行方向αとして「0°」が入力され、更に、進行方向速度Vcが入力される。
【0082】
進行方向α(0[°])及び進行方向速度Vcが入力されると、各駆動輪20の操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3が算出される。
基体10の向きを保持した状態のまま、脚車輪型ロボット100を前方向に直進走行させるためには、図17(a)の各駆動輪20から伸びる矢印に示すように、各駆動輪20の進行方向を基体10の向いている方向(前方向)に全て揃える必要がある。従って、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、例えば、「θ00=θ10=θ20=θ30=0[°]」と算出される。
【0083】
また、この場合に、直進走行させるための各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=V1=V2=V3=Vc」と算出される。
なお、各脚部12が互いに干渉しなければ、例えば、「θ00=θ10=0[°]」、「θ20=θ30=π(180[°])又は−π(−180[°])」、「V0=V1=Vc」、「V2=V3=−Vc」などの組み合わせとしても良い。
【0084】
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、下式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。

ωi=2Vi/D ・・・(4)

但し、上式(4)において、Dは車輪径である。
【0085】
各駆動輪20の操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、各駆動輪20の現在の操舵角度及び回転角速度を取得する。そして、現在の操舵角度と、上記算出した前方向に直進させるための操舵角度とから回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、現在の回転角速度と、上記算出した前方向に直進させるときの回転角速度とから、駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
【0086】
このようにして、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を算出すると、これらの指令値を各モータのドライバに入力する。そして、入力された指令値に基づき各関節モータ40及び車輪モータ50が駆動されると、これにより、脚車輪型ロボット100の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度が変化し、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向(前方向)に直進走行する。
【0087】
なお、基体10の向きを一定方向に保持した状態で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して反対側(真後ろ)の方向に直進走行させる場合は、上記前方向のときと駆動輪20の回転方向を正反対とすればよい。
例えば、「θ00=θ10=θ20=θ30=0[°]」及び「V0=V1=V2=V3=−Vc」、又は「θ00=θ10=0[°]」、「θ20=θ30=π若しくは−π[°]」、「「V0=V1=−Vc」及び「V2=V3=Vc」などとする。
【0088】
次に、図17(b)に基づき、基体10の向きを保持した状態(前方向に向けたままの状態)で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して左斜め前方向に直進走行させる場合の無変向走行制御処理を説明する。
ここでは、脚車輪型ロボット100を、基体10の左斜め前方向に直進させるので、進行方向αとして「α(0<α<90)[°]」が入力され、更に、進行方向速度Vcが入力される。
【0089】
そして、進行方向α[°]及び進行方向速度Vcが入力されると、各駆動輪20の操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3が算出される。
基体10の向きを保持した状態で、脚車輪型ロボット100を左斜め前方向(α[°]の方向)に直進走行させるためには、図17(b)の各駆動輪20から伸びる矢印に示すように、各駆動輪20の進行方向を、基体10の向いている方向に対して左斜め前方向に全て揃える必要がある。
【0090】
従って、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、例えば、「θ00=θ30=−α[°]」、「θ10=θ20=α[°]」と算出される。
また、この場合に、直進走行させるための各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=V1=V2=V3=Vc」と算出される。
なお、各脚部12が互いに干渉しなければ、例えば、「θ00=θ30=π−α[°]」、「θ10=θ20=α[°]」、「V0=V3=Vc」、「V1=V2=−Vc」などの組み合わせとしても良い。
【0091】
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、上記前方向への直進走行のときと同様に、回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値と、駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値とを算出する。
【0092】
このようにして、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を算出すると、これらの指令値を各モータのドライバに入力する。そして、入力された指令値に基づき各関節モータ40及び車輪モータ50が駆動されると、これにより、脚車輪型ロボット100の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度が変化し、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して左斜め前方向に直進走行する。
【0093】
なお、基体10の向きを保持した状態で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して右斜め後方に直進走行させる場合は、上記左斜め前方向のときの各駆動輪20の回転方向を正反対とすればよい。また、右斜め前方向に直進移動させる場合は、進行方向αを「−90°<α<0°」の範囲で設定し、更に、操舵角度の符号を正反対とすればよい。また、左斜め後方に直進走行させる場合は、右斜め前方向のときの各駆動輪20の回転方向を正反対とすればよい。
【0094】
次に、図17(c)に基づき、基体10の向きを保持した状態で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して右真横方向に直進走行させる場合の無変向走行制御処理を説明する。
ここでは、脚車輪型ロボット100を、基体10の右真横方向に直進させるので、進行方向αとして「α(−90(−π/2))[°]」が入力され、更に、進行方向速度Vcが入力される。
【0095】
そして、進行方向α[°]及び進行方向速度Vcが入力されると、各駆動輪20の操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3が算出される。
基体10の向きを保持した状態で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して右真横方向(−π/2[°]の方向)に直進走行させるためには、図17(c)の各駆動輪20から伸びる矢印に示すように、各駆動輪20の進行方向を右真横方向に全て揃える必要がある。
【0096】
従って、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、例えば、「θ00=θ10=θ20=θ30=π/2[°]」と算出される。
また、この場合に、直進走行させるための各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=V3=Vc」、「V1=V2=−Vc」と算出される。
なお、各脚部12が互いに干渉しなければ、例えば、「θ00=θ20=π/2[°]」、「θ10=θ30=−π/2[°]」、「V0=V1=Vc」、「V2=V3=−Vc」などの組み合わせとしても良い。
【0097】
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、上記前方向への直進走行のときと同様に、回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値と、駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値とを算出する。
【0098】
このようにして、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を算出すると、これらの指令値を各モータのドライバに入力する。そして、入力された指令値に基づき各関節モータ40及び車輪モータ50が駆動されると、これにより、脚車輪型ロボット100の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度が変化し、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して右真横方向に直進走行する。
【0099】
なお、基体10の向きを保持した状態で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して左真横方向に直進走行させる場合は、上記右真横方向のときの各駆動輪20の回転方向を正反対とすればよい。
次に、脚車輪型ロボット100を所定の旋回中心位置で前後移動させずに旋回(超信地旋回)させる走行制御処理(以下、超信地旋回制御処理と称す)について説明する。
【0100】
CPU60は、ROM等の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、その制御プログラムに従って、超信地旋回制御処理を実行する。
ここで、超信地旋回制御処理は、クローラ機構を有したパワーショベルや戦車などの車両が行う超信地旋回と同等の旋回動作を脚車輪型ロボット100に行わせるものである。
また、超信地旋回とは、クローラ機構を有した車両が、左右のクローラを同速度で互いに反対方向に回転させることで、前後に進まず、車体の向きを変える旋回方法である。
【0101】
本実施の形態においては、具体的に、超信地旋回制御指令があったときに実行され、ロボットの旋回角速度Ω、旋回中心(xc,yc)を入力として、脚車輪型ロボット100を旋回中心(xc,yc)で超信地旋回させるための、各脚部12の回転関節14(joint0)の角度(操舵角度)θ00、θ10、θ20、θ30、各脚部12の各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3を算出し、各アクチュエータに指令を与えるものである。
【0102】
脚車輪型ロボット100を超信地旋回させるためには、基体10を、旋回中心(xc,yc)でヨー軸周りに自転させたときに、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心が描く円弧軌道と各駆動輪20の前記回転中心との接点における運動方向と、各駆動輪20の進行方向とが一致するように各回転関節14の関節モータ40を制御すると共に、各駆動輪20が前記運動方向に応じた回転方向に等速度で回転するように各車輪モータ50を制御する必要がある。
【0103】
ここで、図18(a)及び(b)は、基体10の座標(0,0)及び座標(xc,yc)を回転中心とした場合の超信地旋回制御時の脚車輪型ロボット100の走行状態を示す図である。
なお、図18(a)及び(b)においては、基体10を上面側又は下面側から見た平面において、長手方向の軸をx軸、それと直交する方向の軸をy軸とし、基体10の中心位置の座標を(x,y)=(0,0)とする。
【0104】
まず、図18(a)に基づき、基体10の中心位置の座標(0,0)を旋回中心とした場合の超信地旋回制御処理について説明する。
この場合は、旋回角速度Ωと、旋回中心座標(0,0)とが入力される。
旋回角速度Ω及び旋回中心座標(0,0)が入力されると、下式(5)に基づき、基体10のx軸と各駆動輪20の回転中心とのなす角度φ00、φ10、φ20、φ30が算出される。

tanφ=Wt/Wb ・・・(5)

但し、上式(5)は、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心とした場合の式である。また、上式(5)において、Wtはトレッド(車輪間隔)であり、Wbはホイールベースである。
【0105】
t及びWbは既知であるため(予め情報を持っておく)、上式(5)から、上記角度φ00、φ10、φ20、φ30を算出することができる。
なお、旋回中心が基体10の中心座標(0,0)であるので、上記角度φ00、φ10、φ20、φ30はいずれも等角度「φ00=φ10=φ20=φ30=φ」となる。
また、基体10が旋回座標(0,0)でヨー軸周りに自転時に、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心の描く円弧軌道と該回転中心との接点における運動方向は、図18(a)の各駆動輪20から伸びる矢印線に示すように、円弧軌道上の各回転中心を通る接線方向(図中の矢印線方向)となる。
【0106】
各駆動輪20の回転中心に対する角度「φ00=φ10=φ20=φ30=φ」が算出されると、次に、各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるための操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30を算出する。
各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるためには、図18(a)に示すように、各駆動輪20の進行方向と、旋回中心と回転中心とを結ぶ線分との成す角度が直角(π/2(90[°]))となるように操舵すれば良く、従って、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、「θ10=θ20=−(π/2−φ)」、「θ00=θ30=π/2+φ」と算出される。
【0107】
一方、下式(6)に基づき、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心と旋回中心(0,0)との距離L0、L1、L2、L3が算出される。
【0108】
【数3】


【0109】
但し、上式(6)は、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心とした場合の式である。
【0110】
なお、トレッドWt及びホイールベースWbから、右前輪の回転中心の座標は(−Wb/2,Wt/2)、左前輪の回転中心の座標は(−Wb/2,−Wt/2)、右後輪の回転中心の座標は(Wb/2,−Wt/2)、左後輪の回転中心の座標は(Wb/2,Wt/2)と表すことができる。
【0111】
なお、旋回中心が基体10の中心座標(0,0)であるので、距離L0、L1、L2、L3は、等距離「L0=L1=L2=L3=L」となる。
距離L0、L1、L2、L3が算出されると、次に、これらの距離Lと旋回角速度Ωとから、下式(7)に基づき、各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3を算出する。

0=V1=V2=V3=LΩ (7)

但し、上式(7)は、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心とした場合の式である。
【0112】
ここで、先述したように、左右前輪は黒半円の目印のある方向に進行する回転方向が正回転方向となり、左右後輪は目印の無い方向に進行する回転方向が正回転方向となる。
また、各駆動輪20の向は、図13(a)に示すようになるので、線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=V2=−LΩ」、「V1=V3=LΩ」と算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
【0113】
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、各駆動輪20の現在の操舵角度及び回転角速度を取得する。そして、現在の操舵角度と、上記算出した操舵角度とから回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、現在の回転角速度と、上記算出した回転角速度とから、駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
【0114】
このようにして、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を算出すると、これらの指令値を各モータのドライバに入力する。そして、入力された指令値に基づき各関節モータ40及び車輪モータ50が駆動されると、これにより、脚車輪型ロボット100の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度が変化し、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心として、脚車輪型ロボット100が前後移動せずにその場で旋回(超信地旋回)する。
【0115】
次に、基体10の中心座標(0,0)以外の座標を旋回中心とした場合の超信地旋回制御処理について説明する。以下、この超信地旋回制御処理を、旋回中心オフセット型超信地旋回制御処理と称す。
この場合は、旋回角速度Ωと、基体10の中心座標(0,0)以外の座標である旋回中心座標(xc,yc)≠(0,0)とが入力される。
【0116】
そして、旋回角速度Ω及び旋回中心座標(xc,yc)が入力されると、下式(8)に基づき、基体10のx軸と各駆動輪20の回転中心とのなす角度φ00、φ10、φ20、φ30が算出される。

tanφ0=(Wt/2−yc)/(Wb/2−xc)
tanφ1=(Wt/2+yc)/(Wb/2−xc)
tanφ2=(Wt/2−yc)/(Wb/2+xc)
tanφ3=(Wt/2+yc)/(Wb/2+xc) ・・・(8)

但し、上式(8)は、脚車輪型ロボット100の脚部12が、基体10の前方に左右一対及び後方に左右一対の計4本の場合の式である。
【0117】
具体的に、入力された旋回中心座標(xc,yc)と、既知のWt及びWbとを、上式(8)に代入して、基体10のx軸と各駆動輪20の回転中心とのなす角度φ00、φ10、φ20、φ30を算出する。
なお、旋回中心が基体10の中心座標以外の座標となるので、上記角度φ00、φ10、φ20、φ30はそれぞれ異なる角度となる。
【0118】
また、基体10が、旋回中心座標(xc,yc)でヨー軸周りに自転時に、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心の描く円弧軌道と該回転中心との接点における運動方向は、図18(b)の各駆動輪20から伸びる矢印線に示すように、各円弧軌道上の各回転中心を通る接線方向(図中の矢印線方向)となる。また、旋回中心と各駆動輪20の回転中心との距離はそれぞれ異なるため、各回転中心の描く円弧軌道も異なる。
【0119】
各駆動輪20の回転中心に対する角度φ00、φ10、φ20、φ30が算出されると、次に、各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるための操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30を算出する。
各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるためには、図18(b)に示すように、各駆動輪20の回転方向と、旋回中心と回転中心とを結ぶ線分との成す角度が直角(π/2(90[°]))となるように操舵すれば良く、従って、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、「θ00=π/2−00」、「θ10=π/2−φ10」、「θ20=π/2−φ20」、「θ30=π/2−φ30」と算出される。
【0120】
一方、下式(9)に基づき、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心と旋回中心(xc,yc)との距離L0、L1、L2、L3が算出される。
【0121】
【数4】


【0122】
先述したように、旋回中心が基体10の中心座標(0,0)以外の座標であるので、距離L0、L1、L2、L3は、それぞれ異なる距離となる。
【0123】
距離L0、L1、L2、L3が算出されると、次に、これらの距離と旋回角速度Ωとから、下式(10)に基づき、各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3を算出する。

i=LiΩ (10)

従って、線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=−L0Ω」、「V1=L1Ω」、「V2=L2Ω」、「V3=L3Ω」と算出される。
【0124】
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、各駆動輪20の現在の操舵角度及び回転角速度を取得する。そして、現在の操舵角度と、上記算出した操舵角度とから回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、現在の回転角速度と、上記算出した回転角速度とから、駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
【0125】
このようにして、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を算出すると、これらの指令値を各モータのドライバに入力する。そして、入力された指令値に基づき各関節モータ40及び車輪モータ50が駆動されると、これにより、脚車輪型ロボット100の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度が変化し、基体10における中心位置(0,0)以外の座標(xc,yc)を旋回中心として、脚車輪型ロボット100が前後移動せずに旋回(超信地旋回)する。
【0126】
次に、図19及び図20に基づき、本実施の形態の動作を説明する。
ここで、図19(a)及び(b)は、脚車輪型ロボット100の走行経路の一例を示す図である。また、図20は、ロボットの重心位置の一例を示す図である。
脚車輪型ロボット100は、障害物センサ34、36のセンサ信号に基づき、自己の移動経路上に何も障害物が存在しない(平地である)と判断すると、移動モードを、脚部12を用いる脚部移動モードから駆動輪20を用いる車輪走行移動モードへと切り替える。
【0127】
平地では、脚車輪型ロボット100は、上記した無変向走行で移動することができる。また、上記した超信地旋回及び旋回中心オフセット型超信地旋回を行うことができる。
また、無変向走行時及び超信地旋回時は、脚車輪型ロボット100が膝屈曲姿勢となるように関節モータ40が制御される。
車輪走行移動モードへと切り替えられると、脚車輪型ロボット100は、脚部12の各関節モータ40を制御して膝屈曲姿勢へと移行する。車輪走行移動モードでは、駆動輪20を4輪とも用いるため、力センサ用プロセッサ66からの各脚部12に対する床反力解析データに基づき、脚先の駆動輪20が4輪共に均等に接地しているかを判断し、不均等の場合は調整を行う。このようにして、各駆動輪20が均等に接地した状態で膝屈曲姿勢へと移行すると、各種走行制御が開始される。
【0128】
まず、無変向走行制御時の脚車輪型ロボット100の動作について説明する。
ここでは、図19(a)に示すような通路を、脚車輪型ロボット100で走行移動させることとする。なお、図19(a)及び(b)は、走行経路の一部を真上から見た俯瞰図である。
図19(a)に示すように、通路は、最初、基体10の向いている方向(前方向)に直進しないと通れないほど幅が狭くなっているので、まず、通路への進入前において、通路の伸びる方向と基体10の向きとを合わせると共に、進入位置及び進入角度を調整する。
【0129】
そして、無変向走行制御指令を入力し、脚車輪型ロボット100を、無変向走行制御モードへと移行させる。これにより、脚車輪型ロボット100は、CPU60において、基体10の向きを保持した状態で、目的の進行方向へと走行移動する制御を行う。
まず最初は、脚車輪型ロボット100を、前方向に直進移動させたいので、ロボットの進行方向α=0[°]、及びロボット進行方向速度Vcを入力する。これにより、各駆動輪20の操舵角度が「θ00=θ10=θ20=θ30=0[°]」と算出され、各駆動輪20の線速度が「V0=V1=V2=V3=Vc」と算出される。
【0130】
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
CPU60は、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3を算出すると、次に、角度取込I/F62を介して、現在の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度を取得する。ここでは、取得した操舵角度と上記算出した操舵角度との差分値を算出し、該差分値に基づき回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、取得した現在の回転角速度と、上記算出した回転角速度との差分値を算出し、該差分値に基づき駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
【0131】
CPU60は、上記算出した、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を各モータのドライバに入力する。この指令値により、各関節モータ40が駆動され、各脚部12の回転関節14がヨー軸周りに回動して目標の操舵角度へと変化する。その後、各車輪モータ50が駆動され、各駆動輪20が指令値に応じた回転角速度で回転駆動する。これにより、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、基体10の向いている方向(前方向)に通路へと進入すると共に通路内を直進走行する。
【0132】
脚車輪型ロボット100が前方向にしばらく直進すると、通路は右に略直角に折れ曲がり、更に路幅も広くなるので、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して右真横方向に直進移動するように制御する。つまり、進行方向として、α=90(π/2)[°]を入力し、更に、進行方向速度Vcを入力する。
これにより、操舵角度として、「θ00=θ30=−α[°]」及び「θ10=θ20=α[°]」が算出され、線速度として、「V0=V1=V2=V3=Vc」が算出される。
【0133】
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
CPU60は、各駆動輪20の現在の操舵角度及び回転角速度を取得し、これらと上記算出した操舵角度及び回転角速度とから各指令値を算出する。この指令値により、各関節モータ40及び各車輪モータ50が駆動され、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して右真横方向に直進走行する。これにより、通路の曲がり角で脚車輪型ロボット100を旋回せずに、その曲がった先へと走行させることができる。
【0134】
脚車輪型ロボット100が右真横方向にしばらく直進すると、通路は右斜め下方向に折れ曲がるので、今度は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して右斜め後ろ方向に直進移動するように制御する。つまり、進行方向として、α(通路の角度)[°]を入力し、更に、進行方向速度Vcを入力する。
これにより、例えば、操舵角度として、「θ00=θ30=−α[°]」及び「θ10=θ20=α[°]」が算出され、線速度として、「V0=V1=Vc」及び「V2=V3=−Vc」が算出される。
【0135】
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
そして、各駆動輪20の現在の操舵角度及び回転角速度を取得し、これらと上記算出した操舵角度及び回転角速度とから各指令値を算出する。この指令値により、各関節モータ40及び各車輪モータ50が駆動され、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して右斜め後ろ方向に直進走行する。
【0136】
次に、超信地旋回制御時の脚車輪型ロボット100の動作について説明する。
ここでは、図19(b)に示すような通路を、脚車輪型ロボット100で走行移動させることとする。
図19(b)に示すように、通路は、最初真っ直ぐに伸びており、その後、略直角に右に折れ曲がり、その先で行き止まりとなっている。
【0137】
まず、通路の伸びる方向と基体10の向きとを合わせ、進入位置を微調整した後に、脚車輪型ロボット100を前方向に直進走行させる。これにより、脚車輪型ロボット100は、通路へと進入すると共に通路内を直進走行する。
脚車輪型ロボット100は、しばらく直進すると、やがて曲がり角へと到達するので、時計回りに旋回して、基体10の向きを脚車輪型ロボット100が進行できる向きへと変更する。
【0138】
図19(b)に示す曲がり角であれば、前移動を伴う旋回動作でも十分に右折できるが、ここでは、超信地旋回により右折することとする。そのため、超信地旋回制御指令を入力し、この指令により、脚車輪型ロボット100を、超信地旋回制御モードへと移行させる。これにより、脚車輪型ロボット100は、CPU60において、前後移動を行わずに所定の旋回中心位置でロボットを旋回する制御処理を行う。
【0139】
まず、旋回角速度Ω(基体10を時計回りに回転させる角速度)と、旋回中心座標(0,0)とを入力する。更に、略直角に右折させるので、旋回角度90[°]を入力する。
旋回角速度Ω、旋回中心座標(0,0)及び旋回角度(90[°])が入力されると、上式(6)に基づき、基体10のx軸と各駆動輪20の回転中心とのなす角度φ00、φ10、φ20、φ30が算出される。
【0140】
各駆動輪20の回転中心に対する角度「φ00=φ10=φ20=φ30=φ」が算出されると、次に、各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるための操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30が算出される。
具体的に、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、「θ10=θ20=−(π/2−φ)」、「θ00=θ30=π/2+φ」が算出される。
【0141】
また、上式(9)に基づき、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心と旋回中心(0,0)との距離L0、L1、L2、L3が算出される。
旋回中心が基体10の中心座標(0,0)となっているので、距離L0、L1、L2、L3は、等距離「L0=L1=L2=L3=L」となる。
次に、距離Lと旋回角速度Ωとから、上式(10)に基づき、各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3を算出する。
【0142】
ここでは、脚車輪型ロボット100を、時計回りに旋回させるので、線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=V2=−LΩ」、「V1=V3=LΩ」と算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、角度取込I/F62を介して、現在の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度を取得する。ここでは、取得した操舵角度と上記算出した操舵角度との差分値を算出し、該差分値に基づき回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、取得した現在の回転角速度と、上記算出した回転角速度との差分値を算出し、該差分値に基づき駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
【0143】
CPU60は、上記算出した、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を各モータのドライバに入力する。この指令値により、各関節モータ40が駆動され、各脚部12の回転関節14がヨー軸周りに回動して目標の操舵角度へと変化する。その後、各車輪モータ50が駆動され、各駆動輪20が指令値に応じた回転角速度で回転駆動する。これにより、脚車輪型ロボット100は、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心として、前後移動せずにその場で時計回りに90[°]旋回(超信地旋回)する。
【0144】
そして、脚車輪型ロボット100を、時計回りに90[°]旋回して右折させると、その先の通路を、前方向へと直進走行させる。
図19(b)に示すように、右折した先の通路は袋小路となっているため、脚車輪型ロボット100は、やがて通路の行き止まりへと到達する。
脚車輪型ロボット100は、これ以上先に進めないため(各種センサにより状況を把握)、180[°]旋回して通路を引き返すことになる。
【0145】
ここでは、通路の幅が前後移動を伴う旋回動作(例えば、Uターン)を行えるほど広くないため、上記右折のときと同様に、超信地旋回制御モードへと移行し、超信地旋回により180[°]旋回して、脚車輪型ロボット100の向きを変更し、引き返すこととする。
また、図19(b)に示すように、通路幅が自転ぎりぎりの幅となっているので、脚車輪型ロボット100を最小の旋回半径で旋回させる必要がある。従って、旋回中心座標(0,0)と、旋回角速度Ω(基体10を時計回りに回転させる角速度)と、旋回角度180[°]とを入力する。なお、脚部12が通路にぶつからないように、脚車輪型ロボット100の各脚部12の姿勢を膝伸展姿勢へと変更する。
【0146】
旋回中心座標(0,0)、旋回角速度Ω及び旋回角度180[°]が入力されると、上記右折のときと同様に、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30として、「θ10=θ20=−(π/2−φ)」、「θ00=θ30=π/2+φ」が算出され、線速度V0、V1、V2、V3として、「V0=V2=−LΩ」、「V1=V3=LΩ」が算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
【0147】
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、各指令値が算出され、関節モータ40及び車輪モータ50が駆動される。
これにより、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心として、脚車輪型ロボット100が前後移動せずにその場で時計回りに180[°]旋回(超信地旋回)し、真後ろ方向へと向きを変える。
【0148】
ここで、脚車輪型ロボット100が、例えば、遠隔走査で人手により走行制御される場合や、自動制御で且つ基体10の後ろ側にも各種センサやカメラを備えている場合などは、無変向走行制御により、前を向いたまま真後ろに走行させて通路を引き返させることも可能である。しかし、自動制御の場合で且つ各種センサが基体10の前側にしか備わっていない場合は、基体10の向きと進行方向とを合わせる必要がある。従って、後者の場合などに、超信地旋回は有用な旋回手段となる。
【0149】
次に、旋回中心オフセット型超信地旋回制御時の脚車輪型ロボット100の動作について説明する。
いま、車輪走行移動モードへと移行し、脚車輪型ロボット100の各関節モータ40が制御され、ロボットの姿勢が膝屈曲姿勢に変更されたとする。このとき、ロボットの重心が図20に示すように、基体10の中心位置の座標から外れた位置となるとする。
【0150】
この場合は、重心位置が基体10の中心位置の座標(0,0)から外れているため、中心位置を旋回中心として超信地旋回を行わせると旋回がアンバランスとなり、不具合が発生する恐れがある。
このようなときに、本実施の形態の超信地旋回制御指令モードにおいては、任意の旋回中心で超信地旋回させることができるので、旋回角速度Ωを入力すると共に、基体10における、脚車輪型ロボット100の重心位置に対応する座標(xg,yg)を旋回中心座標(xc,yc)として入力する。
【0151】
そして、旋回角速度Ω及び旋回中心座標(xc,yc)=(xg,yg)が入力されると、上式(8)に基づき、基体10のx軸と各駆動輪20の回転中心とのなす角度φ00、φ10、φ20、φ30が算出される。
各駆動輪20の回転中心に対する角度φ00、φ10、φ20、φ30が算出されると、次に、各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるための操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30を算出する。
【0152】
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、「θ00=π/2−00」、「θ10=π/2−φ10」、「θ20=π/2−φ20」、「θ30=π/2−φ30」と算出される。
次に、上式(9)に基づき、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心と旋回中心(xc,yc)との距離L0、L1、L2、L3を算出する。
距離L0、L1、L2、L3が算出されると、次に、これらの距離と旋回角速度Ωとから、上式(10)に基づき、各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3を算出する。
【0153】
ここでは、脚車輪型ロボット100を反時計回りに旋回させるとして、線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=−L0Ω」、「V1=L1Ω」、「V2=L2Ω」、「V3=L3Ω」と算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(4)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
【0154】
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、角度取込I/F62を介して、現在の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度を取得する。ここでは、取得した操舵角度と上記算出した操舵角度との差分値を算出し、該差分値に基づき回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、取得した現在の回転角速度と、上記算出した回転角速度との差分値を算出し、該差分値に基づき駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
【0155】
CPU60は、上記算出した、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を各モータのドライバに入力する。この指令値により、各関節モータ40及び各車輪モータ50が駆動され、これにより、基体10における重心座標と対応する座標(xg,yg)を旋回中心として、脚車輪型ロボット100がバランスのとれた状態で反時計回りに超信地旋回する。
【0156】
このようにして、本実施の形態では、各種走行制御時(旋回制御も含む)に、脚車輪型ロボット100の姿勢を膝屈曲姿勢又は膝伸展姿勢に変更時に、床反力解析データに基づき、各駆動輪20が均等に接地するように関節モータ40を制御する。
これにより、安定した走行移動及び旋回動作が可能となり、転倒の不安が軽減される。また、旋回動作時において、駆動輪20のすべりを低減することができる。
【0157】
さらに、本実施の形態では、基体10の向きを一定の方向に保持した状態で、脚車輪型ロボット100が目的の進行方向に走行するように関節モータ40及び車輪モータ50を制御する。
これにより、旋回を行わず(向きを変えず)に自由な方向へ移動できるので、各方向への素早い移動を実現できると共に、脚車輪型ロボット100の各構成部が妨げとなって旋回できないような狭くて入り組んだエリアなど、脚車輪型ロボットの向きを変更することが困難なエリアにおいても活動が可能となる。
【0158】
さらに、本実施の形態では、脚車輪型ロボット100を前後移動させずに所定の旋回中心位置で旋回(超信地旋回)するように関節モータ40及び車輪モータ50を制御する。このとき、基体10における中心位置の座標を旋回中心座標とする制御(超信地旋回制御)と、基体10における中心位置以外の座標を旋回中心座標とする制御(旋回中心オフセット型超信地旋回制御)とを行うことが可能である。
【0159】
これにより、基体10の中心位置を旋回中心位置とする場合は、最小の旋回半径で脚車輪型ロボットを旋回をさせることが可能である。また、基体10の中心位置以外を旋回中心位置とする場合は、例えば、基体10の中心位置と重心位置とが異なる場合などに、重心位置を旋回中心として超信地旋回させることができるので、脚車輪型ロボット100を、バランスよく超信地旋回させることが可能である。
【0160】
上記第2の実施の形態において、脚車輪型ロボット100は、発明1ないし5、10、11、12または13の脚型ロボットに対応し、上部リンク80は、発明1ないし4、10、の第1リンクに対応し、下部リンク85は、発明1、2、4または10の第2リンクに対応し、関節モータ40は、発明12、13または14の第2アクチュエータに対応し、CPU60による、無変向走行性制御処理、超信地旋回処理、旋回中心オフセット型超信地旋回処理は、発明12、13または14の制御手段に対応している。
【0161】
なお、上記第1及び第2の実施の形態においては、平坦面81の4隅に力センサ82をそれぞれ設置したが、これに限らず、図9に示すように、複数点の力を検出可能な検出エリアを有する分布型の力センサ82aを平坦面81の全域にわたって設置することもできる。
図9は、分布型の力センサ82aを設置した場合の接地前後の状態を示す脚部12の断面図である。
【0162】
分布型の力センサ82aを設置した場合は、力センサ82aのセンサ信号から力の分布状態が分かるので、床反力の中心点および大きさを同時に求めることができる。
図10は、互いに直交する2つの面に力センサ82a、97を設置した場合の脚部12の断面図である。
さらに、図10に示すように、平坦面81と直交する把持部83の内周面に力センサ97を設置し、力センサ82a、97のセンサ信号に基づいて、床反力の方向および大きさを算出することもできる。
【0163】
力センサ用プロセッサ66は、力センサ82a、97からセンサ信号を入力し、入力したセンサ信号に基づいて、各脚部12ごとに床反力の方向および大きさを算出する。力センサ82aの検出力をFd1、力センサ97の検出力をFd2、床反力をFrとすると、上部リンク80および下部リンク85の伸長方向に対する床反力Frの傾きαは、下式(11)により算出することができる。
【0164】
【数5】


【0165】
床反力Frは、下式(12)により算出することができる。
【0166】
【数6】


【0167】
ここで、ジャイロセンサ、加速度センサ等の姿勢検出センサを上部リンク80または下部リンク85に設置し、姿勢検出センサのセンサ信号または脚車輪型ロボット100の内界情報に基づいて、上部リンク80または下部リンク85の傾きθが求まっていれば、床反力Frの垂直方向に対する傾きを算出することができる。
【0168】
なお、この原理は、2次元に関するものであるが、3次元に拡張する際も同様に適用することができる。
これにより、脚部12が支持脚か遊脚かだけでなく、床反力の方向および大きさを求めることができる。
この場合において、脚車輪型ロボット100は、発明7ないし9の脚型ロボットに対応し、上部リンク80は、発明7の第1リンクに対応し、下部リンク85は、発明7の第2リンクに対応し、力センサ97は、発明7または9の第2力センサに対応している。また、力センサ用プロセッサ66は、発明9の算出手段に対応し、把持部83の内周面は、発明7または8の第2平坦面に対応している。
【0169】
また、上記第1の実施の形態においては、脚先に駆動輪20が設けられた脚部12を有する脚車輪型ロボット100に適用したが、これに限らず、図11および図12に示すように、脚先に駆動輪20が設けられていない脚部を有する脚型ロボットに適用することもできる。
図11は、複数の力センサ82を設置した場合の接地前後の状態を示す脚部の断面図である。
【0170】
図12は、分布型の力センサ82aを設置した場合の接地前後の状態を示す脚部の断面図である。
図11の例では、平坦面81の4隅に力センサ82をそれぞれ設置している。これに対し、図12の例では、平坦面81の全域にわたって分布型の力センサ82aを設置している。
【0171】
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、平坦面81に力センサ82を設置したが、これに限らず、平坦面86、爪部83aの上面または嵌合穴87の上面に力センサ82を設置することもできる。
また、図10の構成においては、把持部83の内周面に力センサ97を設置したが、これに限らず、把持部83の内周面に対向する下部リンク85の側面に力センサ97を設置することもできる。
【0172】
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、嵌合穴87の内径に所定の遊びを設けたが、これに限らず、嵌合穴87の内径を爪部83aの高さと同一とし、爪部83aを嵌合穴87に嵌合させたときに平坦面81、86が面接触するように上部リンク80および下部リンク85を伸長方向に固定してもよい。
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、本発明に係る脚型ロボットの力センサ設置構造を、階段を乗り越える場合について適用したが、これに限らず、階段以外の段差を乗り越える場合についても同様に適用することができる。
【0173】
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、本発明に係る脚車輪型ロボット100の構成を、基体10の前方に左右一対及び後方に左右一対の4本の脚部12を有する構成としたが、これに限らず、基体10の中央に左右一対の脚部12を設ける構成や、3本の脚部12を対称に設ける構成、5本以上の脚部12を設ける構成など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の構成としても良い。また、多脚とした場合には、不要な脚部12を走行制御に用いないように制御するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】脚車輪型ロボット100の正面図である。
【図2】脚車輪型ロボット100の側面図である。
【図3】障害物センサ34、36の構成を示す図である。
【図4】脚部12のうち回転関節18および駆動輪20が連結するリンクの断面図である。
【図5】脚部12のうち回転関節18および駆動輪20が連結するリンクの側面図である。
【図6】脚車輪型ロボット100の移動制御システムを示すブロック図である。
【図7】平坦面81の平面図である。
【図8】接地前後の状態を示す脚部12の断面図である。
【図9】分布型の力センサ82aを設置した場合の接地前後の状態を示す脚部12の断面図である。
【図10】互いに直交する2つの面に力センサ82a、97を設置した場合の脚部12の断面図である。
【図11】複数の力センサ82を設置した場合の接地前後の状態を示す脚部の断面図である。
【図12】分布型の力センサ82aを設置した場合の接地前後の状態を示す脚部の断面図である。
【図13】昇降制御処理を示すフローチャートである。
【図14】光切断法の原理を説明するための図である。
【図15】階段にレーザ光を照射した状態およびカメラ32の撮像素子の画像を示す図である。
【図16】(a)及び(b)は、脚車輪型ロボット100の車輪走行移動時の姿勢を示す図である。
【図17】無変向走行制御時の脚車輪型ロボット100の走行状態例を示す図である。
【図18】(a)及び(b)は、基体10の座標(0,0)及び座標(xc,yc)を回転中心とした場合の超信地旋回制御時の脚車輪型ロボット100の走行状態を示す図である。
【図19】(a)及び(b)は、脚車輪型ロボット100の走行経路の一例を示す図である。
【図20】ロボットの重心位置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0175】
100 脚車輪型ロボット
10 基体
12 脚部
14〜18 回転関節
20 駆動輪
26 水平レーザ
28、30 垂直レーザ
32 カメラ
34、36 障害物センサ
40、50 モータ
42、52 エンコーダ
44、54 ドライバ
80 上部リンク
85 下部リンク
81、86 平坦面
82、82a、97 力センサ
83 把持部
83a 爪部
87 嵌合穴
90a、90b 傘歯車
91、92、95 プーリ
96 駆動ベルト
84 ゴム
88、93 軸受
50a、89、94 回転軸
【出願人】 【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
【出願日】 平成19年5月31日(2007.5.31)
【代理人】 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也

【識別番号】100075579
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 嘉昭

【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 秀▲てつ▼


【公開番号】 特開2008−23700(P2008−23700A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−145564(P2007−145564)