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【発明の名称】 ロボットアーム用ブラケット及びロボットアーム
【発明者】 【氏名】倉光 潤

【氏名】今野 隆浩

【要約】 【課題】簡単な構成で、ケーブル等を耐久性を低下させることなくロボットアームに適切に支持させることができ、関節部分でのメンテナンスにも支障ないようにする。

【構成】ブラケット1は、一対のリング3,3とそれを連結する軸方向の棒体4,4・・とで形成され、ロボットアームの関節の外周にその回転軸と同軸で取り付けられるフレーム状の円筒部2と、その円筒部2の側面に形成され、ケーブル等が円筒部2の軸心と交差状で、且つ円筒部2の周方向に遊びを持たせた状態で貫通可能な一対の案内孔7,7とを備えてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームの関節に取り付けられてケーブル及び/又はホースを支持するためのロボットアーム用ブラケットであって、
前記関節の外面にその回転軸と同軸で、且つ前記関節を開閉するカバーを内側に位置させた状態で取り付けられる円筒部と、その円筒部の側面に形成され、前記ケーブル及び/又はホースが前記円筒部の軸心と交差状で、且つ前記円筒部の周方向に遊びを持たせた状態で貫通可能な少なくとも一対の案内孔とを備えたことを特徴とするロボットアーム用ブラケット。
【請求項2】
円筒部が、ケーブル及び/又はホースが遊挿可能な間隔で同軸で配置された複数のリングと、そのリングを軸方向に固定して関節の外面に固着される複数の棒体とから形成されるフレーム状で、前記棒体間に形成される前記リング周方向の間隔が案内孔となる請求項1に記載のロボットアーム用ブラケット。
【請求項3】
関節を介して回転可能に連結される複数のアームを備え、前記アームに沿ってケーブル及び/又はホースを支持してなるロボットアームであって、
前記関節の外面にその回転軸と同軸で請求項1又は2に記載のロボットアーム用ブラケットを取り付けて、前記ケーブル及び/又はホースを、円筒部の軸心と交差するように一対の案内孔間に貫通させて前記ロボットアーム用ブラケットに支持させたことを特徴とするロボットアーム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアームに沿って給電や通信用のケーブルや離型剤等の流体供給用のホースを支持させるために用いられるブラケットと、そのブラケットを用いたロボットアームとに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットアームは、関節で結合される複数のアームにモータや減速機構を内蔵し、モータ駆動で各アームを駆動させることで、先端に設けたハンドやスプレーノズル等のツールで溶接、塗装、部品の移動等の所定の動作を行う。この場合、各モータやツールに給電したり、ツールにエアや塗料、離型剤等の流体を供給したりするために、ロボットアームにブラケットを設けてケーブルやホースをロボットアームに沿って支持させる必要があるが、ケーブル等の支持に余裕がないとロボットアームの動きに追従できず、ケーブル等に負荷が加わって切断するおそれがあり、余裕がありすぎるとケーブル等が張り出したり垂れ下がったりして周囲のものに引っ掛けたりするおそれがある。
そこで、特許文献1には、関節部分に、遠心方向へ張架されるようにケーブルを巻回するリール架台を同心で設けて、ケーブルを巻回したリール架台がロボットアームの動作に伴って拡縮することでケーブルを保持する発明が開示されている。また、特許文献2には、関節の回転軸上に、ケーブルをその直交方向に挿通させるケーブルホルダを回転可能に設けた発明が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−297096号公報
【特許文献2】特開昭58−211888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のリール架台は、部品点数が多く構造も複雑であってコストアップに繋がる。特許文献2のケーブルホルダは比較的シンプルではあるが、ロボットアームが5軸や6軸制御の多関節になるとケーブル等を追従させきれず、結局ケーブル等への負荷が過大となって耐久性を低下させてしまう。
そして、両文献1,2では、何れもロボットアームの関節を塞ぐ格好で取り付けられるため、関節部分でモータの交換やグリスの注入等のメンテナンスを行う際にはリール架台やケーブルホルダをその都度取り外す必要があって作業に時間や手間が掛かるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、簡単な構成で、ケーブル等を耐久性を低下させることなく適切に支持可能で、関節部分でのメンテナンスにも支障なく使用できるロボットアーム用ブラケットと、そのブラケットを用いたロボットアームとを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ロボットアーム用ブラケットであって、関節の外面にその回転軸と同軸で、且つ関節を開閉するカバーを内側に位置させた状態で取り付けられる円筒部と、その円筒部の側面に形成され、ケーブル及び/又はホースが円筒部の軸心と交差状で、且つ円筒部の周方向に遊びを持たせた状態で貫通可能な少なくとも一対の案内孔とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、ロボットアーム用ブラケットを簡単且つ合理的に得るために、円筒部を、ケーブル及び/又はホースが遊挿可能な間隔で同軸で配置された複数のリングと、そのリングを軸方向に固定して関節の外面に固着される複数の棒体とから形成されるフレーム状とし、棒体間に形成されるリング周方向の間隔を案内孔としたものである。
【0007】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、関節を介して回転可能に連結される複数のアームを備え、アームに沿ってケーブル及び/又はホースを支持してなるロボットアームであって、関節の外面にその回転軸と同軸で請求項1又は2に記載のロボットアーム用ブラケットを取り付けて、ケーブル及び/又はホースを、円筒部の軸心と交差するように一対の案内孔間に貫通させてロボットアーム用ブラケットに支持させたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び3に記載の発明によれば、簡単な構成で、ケーブル及び/又はホースを耐久性を低下させることなくロボットアームに適切に支持させることができる。また、ブラケットがカバーと干渉せずに取り付けられるので、関節部分でのメンテナンスも支障なく行える。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ロボットアーム用ブラケットをフレーム状としたことで、簡単に形成可能となると共に、リングとそれを連結する棒体とにより案内孔が同時に形成される合理的な構造となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のロボットアーム用ブラケットの一例を示す説明図で、(A)が正面、(B)が側面、(C)がA−A断面を夫々示す。ロボットアーム用ブラケット(以下単に「ブラケット」という。)1は、軸方向に所定間隔をおいて配置される同形状の一対のリング3,3を、その外周側で点対称に一対ずつ配置された4本の棒体4,4・・で連結したフレーム状の円筒部2を有し、各対の棒体4,4の基端に、リング3と同心円弧状の取付プレート5を夫々直交状に固定してなる。6,6・・は各取付プレート5の内周縁に穿設された取付孔である。両リング3,3の軸方向での間隔は、後述するフレキシブルホースの外径よりもやや大きく設定されており、円筒部2の側面には、リング3,3の間隔と一対の棒体4,4間に形成される周方向の間隔とによって、フレキシブルホースが軸方向と交差状に貫通可能な一対の案内孔7,7が形成されている。
【0010】
一方、図2,3は、ブラケット1が取り付けられたロボットアーム10の一例を示す側面図及び正面図で、このロボットアーム10は、ベース11上に、第1軸〜第6軸の順に回転軸を有する第1、第2アーム12,13を備えた6軸の多関節ロボットで、各軸に設けた図示しない駆動モータ及び減速機構によって各軸を所定角度旋回させることで、第6軸に設けたハンド部14に所定の運動をさせる周知の構造となっている。ここでのロボットアーム10は、ハンド部14にツールとして図示しないロボットハンドを装着してダイカスト製品のハンドリングを行うために使用される。
【0011】
15は各駆動モータへ給電するためのケーブルで、ベース11から第2アーム13の基端までは第1アーム12に沿って支持され、第2アーム13の基端側からハンド部14までは第2アーム13内に配線されている。また、16はロボットハンドの駆動シリンダへエアを供給するためのホース、17はロボットハンド制御用のケーブルで、ベース11及び第1アーム12に内設した図示しないホース及びケーブルに、第2アーム13の基端に設けたコネクタ18を介して接続され、コネクタ18からハンド部14までは第2アーム13に沿って引き回されるが、ここでは、ホース16及びケーブル17は、第2アーム13の基端側方からハンド部14まで第2アーム13に沿って支持されたフレキシブルホース19に内挿されている。このフレキシブルホース19は、第2アーム13の基端側方に固着された支持金具20に始端が、ハンド部14に固着された支持金具21に終端が夫々支持され、中間部は、第1アーム12の上方に設けた第1、第2ホルダ22,23と、第5軸の関節位置に設けられたブラケット1とによって支持されている。
【0012】
第1、第2ホルダ22,23は、図4に示す(両ホルダとも同構造であるため第1ホルダ22のみについて説明する。)ように、固定台座24に、ボールベアリング25を介して回転台座26を上下方向の軸を中心に回転可能に保持させて、その回転台座26上に、半円形の切欠29を夫々有する半割状の本体27,28をボルト30,30で固定することで、両切欠29,29で形成される円形孔でフレキシブルホース19を保持可能としたもので、第1ホルダ22は、コ字状の金具31を介して第2アーム13の基端上面に取り付けられ、第2ホルダ23は、取付ブロック32を介して第2アーム13の先端寄り上面に取り付けられる。
【0013】
そして、ブラケット1は、第2アーム13先端の関節部分において、円筒部2が第5軸と同軸となる位置で、取付プレート5,5を各取付孔6の位置でボルトによって螺着することで取り付けられる。33は第5軸の関節部分を開閉可能な円形のカバーで、ブラケット1は、リング3の内径がカバー33よりも大径で、取付プレート5,5もカバー33の外周で取り付けられるため、ブラケット1を取り付けたままでもカバー33は開閉可能となる。フレキシブルホース19は、円筒部2の案内孔7,7間を円筒部2の軸心と交差するように貫通させることで、円筒部2の軸方向へはリング3,3により、円筒部2の周方向へは棒体4,4により夫々遊びを持った状態で保持される。
【0014】
以上の如く構成されたロボットアーム10においては、フレキシブルホース19は、第2アーム13上では第1、第2ホルダ22,23によって夫々回転可能に支持される一方、第5軸の関節では、図5にも示すように、ブラケット1によって円筒部2の周方向に余裕を持って支持される。よって、ロボットハンドの動作時に、フレキシブルホース19が引っ張られたり、捻れたり、ブラケット1から過大にはみ出したりすることがなく、フレキシブルホース19の破損や周囲への引っかかりが効果的に防止される。
そして、第5軸の関節において、駆動モータや減速機構での部品交換やグリス注油等のメンテナンスを行う場合には、フレキシブルホース19をブラケット1から抜き取れば、ブラケット1は装着したままカバー33の開閉が可能となるため、ブラケット1をいちいち着脱する手間が掛からず、メンテナンス作業が短時間で行える。
【0015】
このように、上記形態のブラケット1及びそのブラケット1を用いたロボットアーム10によれば、簡単な構成で、フレキシブルホース19を耐久性を低下させることなくロボットアーム10に適切に支持させることができる。また、ブラケット1がカバー33と干渉せずに取り付けられるので、関節部分でのメンテナンスも支障なく行える。
特に、円筒部2をフレキシブルホース19が遊挿可能な間隔で同軸で配置されたリング3,3と、そのリング3,3を軸方向に固定して関節の外面に固着される複数の棒体4,4・・とから形成されるフレーム状とし、棒体4,4間に形成されるリング周方向の間隔を案内孔7としたことで、ブラケット1が簡単に形成可能となると共に、円筒部2を形成するリング3と棒体4とにより案内孔7が同時に形成される合理的な構造となる。
【0016】
なお、ブラケットのリングは円形に限らず、関節部分のカバーの開閉等の作業に支障がない空間を確保できれば、長円や多角形状等の他の形状でも差し支えない。数も増減可能で、リング同士の大きさを変えることもできる。また、リングの内周側に棒体を固着してもよいし、棒体の数も適宜増減できる。さらに、取付プレートも、全周で繋がったリング状としたり、逆に棒体ごとに個別の取付プレートを設けたり等、適宜設計変更可能である。
そして、上記形態では、第5軸の位置にのみブラケットを取り付けているが、ロボットアームの形態やホースの引き回し形態等によっては第2軸や第3軸等の他の関節にも設けることができる。
【0017】
一方、上記形態では、ブラケットをリングと棒体とによるフレーム状に形成しているが、関節の外周に取り付けられる金属製の円筒部の側面に、ホースが貫通する複数の案内孔を周方向に穿設した形態であっても同様にケーブル等の支持は可能である。
また、上記形態ではケーブルやホースを内挿したフレキシブルホースをホルダやブラケットで支持させているが、フレキシブルホースをなくしてケーブルやホースを直接ホルダやブラケットで支持させても差し支えない。勿論何れか一方のみの場合も同様に支持可能である。
その他、ロボットアームも、アームの数や形状、関節の数や形状等は上記形態に限定するものではなく、適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ブラケットの説明図で、(A)が正面、(B)が側面、(C)がA−A断面を夫々示す。
【図2】ロボットアームの側面図である。
【図3】ロボットアームの正面図である。
【図4】第1ホルダの説明図である。
【図5】第5軸位置でのブラケットの使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0019】
1・・ブラケット、2・・円筒部、3・・リング、4・・棒体、5・・取付プレート、6・・取付孔、7・・案内孔、10・・ロボットアーム、11・・ベース、12・・第1アーム、13・・第2アーム、14・・ハンド部、15・・ケーブル、19・・フレキシブルホース、22・・第1ホルダ、23・・第2ホルダ、33・・カバー。
【出願人】 【識別番号】392035352
【氏名又は名称】株式会社豊電子工業
【出願日】 平成18年7月24日(2006.7.24)
【代理人】 【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹


【公開番号】 特開2008−23680(P2008−23680A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−201090(P2006−201090)